JP2009065017A - 信号伝送デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】絶縁物を介して対向する電極間の沿面放電の抑制を図ること。
【解決手段】信号伝送デバイス100は、絶縁体領域102(102a,102b)によって平行に隔てられた上部電極104と下部電極105との間の電気的または磁気的な結合を利用して信号を伝送する。中間電極111は、絶縁体領域102中に上部電極104および下部電極105に対して平行に設けられ、上部電極104よりも大きな面積を有する。また、中間電極111は、上部電極104および下部電極105と絶縁されているか、上部電極104または下部電極105のいずれかと高抵抗部材で短絡されている。
【選択図】図1

Description

この発明は、絶縁された電極間の電気的または磁気的な結合を利用して信号を伝送する信号伝送デバイスに関する。
従来より、電気的に絶縁された電気回路間で信号を伝送するための技術が提案されている。たとえば、フォトカプラ方式は、LED(Light Emitting Diode)を発光させ、その光を受信することによって信号を伝送する方式である。しかしながら、フォトカプラ方式には、LEDの寿命の問題や、100℃以上の高温での使用が困難であるという問題や、実質のスイッチング時間が数μsと長いという問題がある。
このような問題を解決する手段の一つとして、トランスを用いて磁場カップリングにより信号を伝送する方式(以下、「トランス方式」という)が知られている。最近のMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術の進展などにより、トランスは、より小型で集積回路との集積化が可能になってきている。以下、この小型のトランスを用いる方式をマイクロトランス(MT)方式と呼ぶこととする。MTは、送信側コイルと受信側コイルとによってトランスを形成しており、各コイルが絶縁物によって隔てられている。MT方式は、送信側コイルから発生した磁場を、受信側コイルで電気信号に変換することによって信号を伝送する方式である。
その他の方式としては、コンデンサを用いて電磁カップリングにより信号を伝送する方式(以下、「コンデンサ方式」という)が知られている。コンデンサ方式は、構造的には、MT方式と類似しており、絶縁物によって隔てられた導電体平板間の静電容量を用いて信号を伝送する方式である。MT方式およびコンデンサ方式では、0.1μs以下の高速での信号伝送が可能であることに加え、高温での特性劣化がない。また、寿命要素がないことから長寿命が期待される。
図12は、従来型の絶縁信号伝送デバイスの断面構造を示す説明図である。図12において、信号伝送デバイス1200には、互いに絶縁して隔てられた第1の電極(上部電極)1204および第2の電極(下部電極)1205が設けられている。上部電極1204および下部電極1205は、絶縁体領域1202を介して対向している。下部電極1205は、基板1203上に設置され、絶縁体領域1202が重ならない領域まで延びている。絶縁体領域1202および上部電極1204は、表面保護膜1201で覆われている。
基板1203には、他の駆動回路やセンサなどを集積するため、またはコスト上の要請から、たとえばシリコン基板上に絶縁膜(たとえば二酸化シリコンや窒化膜など)を成膜したものが用いられる。また、基板1203として、ガラスなどの絶縁基板を用いることもできる。表面保護膜1201は、たとえばポリイミドなどの絶縁膜でできており、信号伝送デバイス1200の表面を保護する。
信号伝送デバイス1200がコンデンサ方式の場合には、上部電極1204および下部電極1205がそれぞれ導電体平板となりコンデンサを形成する。また、信号伝送デバイス1200がMT方式の場合には、上部電極1204および下部電極1205は、それぞれ渦巻き状に形成されている。このため、上部電極1204および下部電極1205は、それぞれコイル(インダクタ)となり、相互にトランスを形成する。なお、信号伝送デバイス1200がMT方式の場合であっても、上部電極1204および下部電極1205は対向電極であるためコンデンサ容量Cが発生する。このため、上部電極1204および下部電極1205を隔てる絶縁体領域1202は、絶縁耐圧を維持できるような厚さで形成される。
ここで、MT方式やコンデンサ方式のデバイスの特性は、対向するコイル間または導電体平板間、すなわち電極間の距離(絶縁距離)に依存する。具体的には、対向する電極間の絶縁距離が長いほど、デバイスの特性が劣化する。この理由としては、相互インダクタンスや静電容量が電極間の距離に反比例的に依存していること、磁気カップリングや電磁カップリングの特性が電極間の距離に依存していることなどが挙げられる。
このため、MT方式やコンデンサ方式のデバイスの絶縁耐圧は、電極を隔てる絶縁物の絶縁性能によって決まる。ここで、信号伝送処理において最も必要とされる絶縁耐性として、静電放電(ESD:Electro Static Discharge)耐量がある。これは、静電気によって突然サージ電圧が印加された場合の素子の耐性を示したものである。デバイスに要求されるESD耐量は、15kVに達する場合もある。
これまでのMT方式やコンデンサ方式のデバイスにおけるESD破壊を回避する方法としては、電極を隔てる絶縁物の厚さを厚くする方法がある。たとえば、絶縁物が二酸化シリコンであれば、10μmの厚さで7kV程度のESD耐量を得ることができる。また、絶縁物がポリイミドであれば、25μmの厚さで5kV程度のESD耐量を得ることができる(たとえば、下記非特許文献1参照。)。
ところが、絶縁物の厚さがそれ以上の厚さになり、絶縁物の耐圧が10kVを超えるようになると、絶縁物自体の絶縁破壊だけでなく、沿面放電による絶縁破壊が起こりやすくなる。沿面放電は、電極間の沿面距離を長くすることで防ぐことができる。しかし、単に電極間の沿面距離を長くする方法では、デバイスの大きさが増大してしまう。
このため、たとえば、絶縁基材の表面側および裏面側に回路パターンが形成され、裏面側に放熱板が接合された半導体装置において、絶縁基材に段差や溝を形成して沿面放電を防止する技術が知られている(たとえば、下記特許文献1参照。)。この特許文献1の技術によれば、表面側の回路パターンから放熱板までの沿面距離が長くなるため、表面側および裏面側の回路パターン間の沿面放電が抑制される。
また、その他の方法としては、半導体発光素子において、化合物半導体層とコンタクト層との間の表面領域に凹部を形成して、沿面放電による電流が流れることを抑制する方法がある(たとえば、下記特許文献2参照。)。この特許文献2の技術によれば、半導体発光素子の発光効率が向上し、面内発光バラツキが抑制される。
さらに、その他の方法としては、表面上に所定の半導体チップを含む回路パターンを備えた絶縁基板が金属板上に複数搭載される電力用半導体モジュールにおいて、絶縁性の突起部を形成して、沿面距離を確保する方法がある(たとえば、下記特許文献3参照。)。この特許文献3の技術によれば、各絶縁基板の間の沿面放電が抑制される。
特開2003−100938号公報 特開2003−124514号公報 特開2003−273318号公報 マティアス・ステッカー(Matthias Stecher)他6名、「キー・テクノロジーズ・フォー・システム−インテグレーション・イン・ザ・オートモーティブ・アンド・インダストリアル・アプリケーションズ(Key Technologies for System−Integration in the Automotive and Industrial Applications)」、IEEEトランザクション・オン・パワー・エレクロトニックス(IEEE TRANSACTIONS ON POWER ELECTRONICS)、VOL.20、NO.3、2005年5月
しかしながら、上記特許文献1〜3においては、回路パターン間、絶縁基板間、半導体発光素子における沿面放電を防ぐ技術は提示されているが、コイルまたは導電体平板となる電極間における沿面放電を防ぐ方法は提示されていない。具体的には、上記特許文献1〜3においては、所望の絶縁耐圧に応じた厚さの絶縁物によって隔てられた電極間の沿面放電を防ぐ方法については提示されていない。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、絶縁された電極間の電気的または磁気的な結合を利用して信号を伝送する信号伝送デバイスにおいて、電極間の沿面放電を防止して、所望の絶縁耐圧を確保することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかる信号伝送デバイスは、絶縁体によって隔てられた第1の電極と第2の電極との間の電気的または磁気的な結合を利用して信号を伝送する信号伝送デバイスであって、前記絶縁体中に前記第1の電極よりも大きな面積を有する中間電極を備え、前記中間電極は、前記第1の電極および前記第2の電極と絶縁され、または前記第1の電極または前記第2の電極のいずれかと高抵抗部材で短絡されていることを特徴とする。
また、請求項2の発明にかかる信号伝送デバイスは、請求項1に記載の発明において、前記中間電極の端部が前記第1の電極が位置する高さまで延長されていることを特徴とする。
また、請求項3の発明にかかる信号伝送デバイスは、請求項1に記載の発明において、前記中間電極は複数設けられており、隣り合う前記中間電極は、互いに絶縁され、または互いに高抵抗部材で短絡されていることを特徴とする。
また、請求項4の発明にかかる信号伝送デバイスは、請求項3に記載の発明において、前記中間電極の面積が前記第1の電極側に隣り合う他の中間電極の面積よりも大きいことを特徴とする。
また、請求項5の発明にかかる信号伝送デバイスは、請求項3または4に記載の発明において、前記中間電極の端部が前記第1の電極側に隣り合う他の中間電極が位置する高さまで延長されていることを特徴とする。
また、請求項6の発明にかかる信号伝送デバイスは、絶縁体によって隔てられた第1の電極と第2の電極との間の電気的または磁気的な結合を利用して信号を伝送する信号伝送デバイスであって、前記第1の電極および前記第2の電極と絶縁され、または前記第1の電極または前記第2の電極のいずれかと高抵抗部材で短絡された補助電極を備え、前記補助電極と前記第1の電極との間の距離および前記補助電極と前記第2の電極との間の距離の和は、前記第1の電極と前記第2の電極との間の距離よりも長いことを特徴とする。
また、請求項7の発明にかかる信号伝送デバイスは、請求項6に記載の発明において、前記補助電極は複数設けられており、隣り合う前記補助電極は、互いに絶縁され、または互いに高抵抗部材で短絡されていることを特徴とする。
また、請求項8の発明にかかる信号伝送デバイスは、請求項1〜7のいずれか一つに記載の発明において、前記第1の電極は、前記絶縁体よりも誘電率が高い絶縁部材で覆われていることを特徴とする。
本発明にかかる信号伝送デバイスによれば、絶縁された電極間の電気的または磁気的な結合を利用して信号を伝送する信号伝送デバイスにおいて、電極間の沿面放電を防止して、所望の絶縁耐圧を確保することができるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる信号伝送デバイスの好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、以下の実施の形態の説明および添付図面において、同様の構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1にかかる信号伝送デバイスの断面構造を示す説明図である。図1において、信号伝送デバイス100には、上部電極104と下部電極105との間に、上部電極104よりも面積が大きい中間電極111が挿入されている。この中間電極111によって、上部電極104端部の電界強度が低減され、沿面放電を防ぐことができる。
より詳細には、信号伝送デバイス100は、下部電極105と上部電極104とが絶縁体領域102(第1絶縁体領域102aおよび第2絶縁体領域102b)によって隔てられている。下部電極105は、基板103の表面に配置され、その上の絶縁体領域が重ならない領域まで延びている。上部電極104と下部電極105とを隔てる絶縁体領域の内部には中間電極111が配置されている。絶縁体領域102のうち、中間電極111より上部電極104側が第1絶縁体領域102a、中間電極111より下部電極105側が第2絶縁体領域102bである。上部電極104および第1絶縁体領域102aの一部は、表面保護膜101に覆われている。基板103は、ガラスなどの絶縁体またはシリコン基板である。また、表面保護膜101は、たとえばポリイミドやガラスなど、有機または無機の絶縁素材で形成されている。
ここで、実施の形態1にかかる信号伝送デバイス100において上部電極104端部の電界強度が低減できる原理について説明する。図2は、信号伝送デバイスの断面構造の一例を示す説明図である。また、図3および図4は、図2に示す信号伝送デバイスの電位分布および電界強度分布のシミュレーション結果を示す図である。
図2に示す信号伝送デバイス200は、上部電極204と下部電極205とが横方向(X方向)に沿って平行に配置されている。上部電極204のX方向の長さは250μmであり、下部電極205のX方向の長さは600μmである。上部電極204と下部電極205とは、第1絶縁体領域201によって隔てられている。第1絶縁体領域201の厚さ(上部電極204と下部電極205との間の距離)は、縦方向(Y方向)に100μmである。また、第1絶縁体領域201のX方向の長さは550μmである。上部電極204の表面、第1絶縁体領域201のうち上部電極204に覆われていない領域、および下部電極205のうち第1絶縁体領域201に覆われていない領域は、第2絶縁体領域202に覆われている。第2絶縁体領域202の厚さは、上部電極204の表面から200μmである。また、第1絶縁体領域201の誘電率ε1は6.0、第2絶縁体領域202の誘電率ε2は3.9である。
このような構造の信号伝送デバイス200の、上部電極204および下部電極205の間に30kVの電圧を印加した際の電位分布および電界強度分布のシミュレーション結果を図3および図4に示す。図3は、信号伝送デバイスの上部電極と第1絶縁体領域との界面に沿った電位分布および電界強度分布を示すグラフである。図3において、横軸は上部電極204と第1絶縁体領域201との界面に沿ったX方向の距離(μm)、左縦軸は電位(kV)、右縦軸は電界強度(V/m)を示す。また、図3のグラフ中、実線は電位の値、点線は電界強度の値をそれぞれ示す。また、図4は、信号伝送デバイス内における電位分布を示すグラフである。図4において、縦軸は信号伝送デバイス200(図2参照)のY方向の距離(μm)、横軸は信号伝送デバイス200(図2参照)のX方向の距離(μm)である。
図3に示すように、上部電極204と第1絶縁体領域201との界面における電位は、上部電極204の端部からX方向に向かって急激に低下している。たとえば、上部電極204の端部から100μm(第2絶縁体領域210の厚さと同程度の距離)の位置(横軸上350μmの位置)の電位は約8500Vであり、印加電圧と比較しておよそ25%となっている。これより、上部電極204の端部からX方向への電位分布と、上部電極204から下部電極205へのY方向の電位分布は、同程度の分布となっており、上部電極204端部周辺の等電位線は、上部電極204端部を中心とした半円状に分布していることがわかる(図4参照)。
上部電極204の端部における電界強度を低減するには、半円状に分布した等電位線の曲率半径を広げ、上部電極204の端部における等電位線密度を低くすればよい。ここで、図1に示すように、上部電極104と下部電極105との間に、上部電極104よりも面積が大きい中間電極111を、上部電極104および下部電極105と平行に設ける。中間電極111を、上部電極104と下部電極105との中間点に設けると、中間電極111における電圧は、上部電極104と下部電極105との間に印加した電圧の半分となる。
中間電極111の面積は上部電極104の面積よりも大きいため、中間電極111の端部は上部電極104の端部よりも外側に位置することになる。たとえば、中間電極111の端部が上部電極104の端部から距離dだけ外側に位置することになる。よって、中間電極111の電位に対応する等電位面は、上部電極104の端部から距離dだけ外側に位置することになる。この結果、上部電極204の端部における等電位線密度が低くなり、上部電極104の端部の電界強度を低減することができる。
たとえば、上部電極104と下部電極105との間の距離が100μmである場合、中間電極111がなければ、中間電位(上部電極104と下部電極105中間点の電位)の等電位線の曲率半径は、およそ50μmとなる。一方、中間電極111を上部電極104と下部電極105との中間点(上部電極104および下部電極105からそれぞれ50μmの位置)に配置するとともに、中間電極111の端部が上部電極104の端部から50μm外側にはみ出るようにする。この結果、中間電位(中間電極111の電位)の等電位線の曲率半径は、元々の曲率半径である50μmに中間電極111がはみ出した距離50μmが加わり、およそ100μmとなり、上部電極104の端部における等電位線密度を低減することができる。
このように、適切な位置に中間電極111を設けることによって、上部電極104の端部の電界強度を低減し、沿面放電を防止することができる。なお、中間電極111の設置位置は任意であるが、上部電極104と下部電極105との中間点に配置するのが望ましい。また、中間電極111のはみ出し距離が長いほど電界緩和の効果が大きくなる一方で、中間電極111のはみ出し距離が第1絶縁体領域102aの厚さよりも長くなると、電界緩和の効果はそれ以上向上せず、電極の周辺領域の距離が長くなってしまう。このため、中間電極111のはみ出し距離は、第1絶縁体領域102aの厚さ程度にするのが好ましい。
また、図5に示すように、複数の中間電極111を設けてもよい。図5は、実施の形態1にかかる信号伝送デバイスの他の構造例を示す説明図である。図5において、信号伝送デバイス500には、第1の中間電極111aおよび第2の中間電極111bが設けられている。各電極間は、絶縁体領域102a〜102cによって絶縁されている。図1に示した構造では、上部電極104端部の電界強度が緩和される一方で、中間電極111の端部の電界強度を緩和する必要が生じる。図5に示すように、複数の中間電極111を設ければ、上部電極104の端部と同様に、中間電極111の端部での電界強度を緩和することができる。
なお、複数設けた中間電極111の面積は、上部電極104よりも大きく、かつ上部電極104から遠いものほど大きくなるようにする。図5に示す構造では、第2の中間電極111bの面積は第1の中間電極111aの面積よりも大きくする。また、設置する中間電極111の数が多いほど電界を緩和する効果は上がるが、設置する中間電極111の数が多いほど、電極の周辺領域の距離が長くなってしまう。このため、設置する中間電極111の数は、主電極間に印加される電圧の値や信号伝送デバイス500の大きさに応じて適当な数とする。
(実施の形態2)
図6は、実施の形態2にかかる信号伝送デバイスの断面構造を示す説明図である。図6において、信号伝送デバイス600には、実施の形態1と同様に上部電極104と下部電極105との間に中間電極111が挿入されている。中間電極111の端部には、Y方向に延びた側壁部613が形成されている。この側壁部613は、上部電極104の表面と同じ高さとなるように形成されている。これにより、実施の形態1と比較して上部電極104の端部における等電位線密度をさらに低くして、上部電極104の端部における電界強度をより低減することができる。
なお、実施の形態2においても、実施の形態1と同様に、中間電極111を複数設けてもよい。図7は、実施の形態2にかかる信号伝送デバイスの他の構造例を示す説明図である。図7において、信号伝送デバイス700には、第1の中間電極111aおよび第2の中間電極111bが設けられている。第1の中間電極111aおよび第2の中間電極111bには、それぞれ側壁部613a,613bが設けられている。第1の中間電極111aの側壁部613aは、上部電極104の表面と同じ高さとなるように、第2の中間電極111bの側壁部613bは、第1の中間電極111aの表面と同じ高さとなるように形成されている。これにより、信号伝送デバイス700は、図5または図6に示した構造と比較して、中間電極111の端部における電界強度をさらに緩和することができる。
(実施の形態3)
図8は、実施の形態3にかかる信号伝送デバイスの断面構造を示す説明図である。図8において、信号伝送デバイス800には、上部電極104の上部の表面保護膜101内に補助電極811が設けられている。ここで、信号伝送デバイス800において、上部電極104と下部電極105との間の距離をd0、上部電極104と補助電極811との間の距離をd1、下部電極105と補助電極811との間の距離をd2とすると、下記式(1)が成り立つ。下記式(1)を満たすように補助電極811を設けることによって、上部電極104の電界強度を低減し、沿面放電を防止することができる。
d0 < d1+d2 ・・・(1)
これは、以下の理由による。まず、補助電極811が設けられていない場合、上部電極104と下部電極105との間に印加された電圧をV0とすると、上部電極104表面における電界強度E’0は下記式(2)で与えられる。
E’0 = V0/d0 ・・・(2)
一方、補助電極811が設けられている場合、上部電極104と下部電極105との間に印加された電圧をV0、下部電極105と補助電極811との間の電圧をV1とすると、上部電極104表面における電界強度E0は下記式(3)で与えられる。また、補助電極811の表面における電界強度E1は下記式(4)で与えられる。
E0 = (V0−V1)/d1 ・・・(3)
E1 = V1/d2 ・・・(4)
また、補助電極811の面積をS、第1絶縁体領域102aおよび第2絶縁体領域102bの誘電率をεとすると、上部電極104と補助電極811との間の静電容量C1、および下部電極105と補助電極811との間の静電容量C2は、それぞれ下記式(5),(6)で与えられる。したがって、上部電極104と下部電極105との間に電圧V0が印加された場合、補助電極811の電圧V1は下記式(7)で与えられる。
C1 = εS/d1 ・・・(5)
C2 = εS/d2 ・・・(6)
V1 = d2V0/(d1+d2) ・・・(7)
ここで、補助電極811を設けることによって電界強度を低減できる条件として、下記式(8)が満たされる必要がある。
E’0 > E0,E1 ・・・(8)
上記式(8)に上記式(2)〜(4)および式(7)を適用すると、上述した式(1)が得られる。すなわち、補助電極811を設けない場合と比較して電界強度を低減するためには、各電極間の距離を上記式(1)を満たすようにすればよい。図8に示す信号伝送デバイス800のように、補助電極811を上部電極104よりも上部に設ければ、各電極間の距離は必ず上記式(1)を満たすこととなり、上部電極104の電界強度を低減することができる。
図9は、実施の形態3にかかる信号伝送デバイスの平面構造を示す説明図である。円形の上部電極104の上部に、ドーナツ型の補助電極811が設けられている。なお、図9では、上部電極104の面積よりも下部電極105の面積の方が大きいが、これには限らない。また、下部電極105から信号を取り出す場合には、ボンディングパッド921を設ける。
図10は、実施の形態3にかかる信号伝送デバイスの他の構造例を示す説明図である。図10において、信号伝送デバイス1000には、複数の補助電極811a〜811cが設けられている。補助電極811a〜811cはそれぞれ電気的にフローティングな状態である。上部電極104と下部電極105との間の距離をd0、上部電極104と補助電極811aとの間の距離をd11、補助電極811aと補助電極811bとの間の距離をd12、補助電極811bと補助電極811cとの間の距離をd13、補助電極811cと下部電極105との間の距離をd14とすれば、d0<d11+d12+d13+d14となる。図10に示す構造によれば、図8に示した構造と比較して主電極と補助電極間との距離を長くして、上部電極104の電界強度をより低減することができる。
(実施の形態4)
図11は、実施の形態4にかかる信号伝送デバイスの断面構造を示す説明図である。上述した実施の形態1〜3では、中間電極や補助電極は、すべて主電極と絶縁されているものとした。図11に示す実施の形態4にかかる信号伝送デバイス1100は、図6に示した実施の形態2にかかる信号伝送デバイス600に加えて、上部電極104および中間電極111との間に抵抗膜1120が設けられている。抵抗膜1120は、数百kΩ以上の高い抵抗値を有する。抵抗膜1120は、たとえば、アモルファスシリコンやポリシリコンを用いることができる。また、図11では、上部電極104と中間電極111とを抵抗膜1120で接続しているが、下部電極105と中間電極111とを抵抗膜1120で接続してもよいし、図5や図7のように複数の中間電極111が設けられている場合において、中間電極111どうしを抵抗膜1120で接続してもよい。
このように高い抵抗値を有する抵抗膜1120を設けることによって、静電放電が終わったあとに中間電極や補助電極の電荷を逃がすことができ、信号伝送デバイス1100の動作を安定させることができる。なお、静電放電は、数ナノ秒程度の極めて短時間の放電現象である。たとえば抵抗膜1120の抵抗値が100kΩ、主電極間の静電容量が1pFである場合、応答時間は10μ秒となり、抵抗膜1120を設けたことによる影響はほとんどないといえる。
また、上述した実施の形態1〜4において、表面保護膜101の誘電率は、第1絶縁体領域102aおよび第2絶縁体領域102bの誘電率よりも高くすることが好ましい。これにより、上部電極104の端部での電界強度をより低減することができる。具体的には、たとえば、第1絶縁体領域102aおよび第2絶縁体領域102bは、ポリイミドなどの有機物(誘電率3前後)で形成する一方で、表面保護膜101は、ガラスや二酸化シリコン、窒化シリコンなどの無機物(誘電率6以上)で形成すればよい。
以上のように、本発明にかかる信号伝送デバイスは、サージ電圧などの通常印加電圧より大きい電圧がかかった際の装置内におけるESD対策に有用であり、特に、車両用のモジュールなどに適している。
実施の形態1にかかる信号伝送デバイスの断面構造を示す説明図である。 信号伝送デバイスの断面構造の一例を示す説明図である。 図2に示す信号伝送デバイスの電位分布および電界強度分布のシミュレーション結果を示す図である。 図2に示す信号伝送デバイスの電位分布および電界強度分布のシミュレーション結果を示す図である。 実施の形態1にかかる信号伝送デバイスの他の構造例を示す説明図である。 実施の形態2にかかる信号伝送デバイスの断面構造を示す説明図である。 実施の形態2にかかる信号伝送デバイスの他の構造例を示す説明図である。 実施の形態3にかかる信号伝送デバイスの断面構造を示す説明図である。 実施の形態3にかかる信号伝送デバイスの平面構造を示す説明図である。 実施の形態3にかかる信号伝送デバイスの他の構造例を示す説明図である。 実施の形態4にかかる信号伝送デバイスの断面構造を示す説明図である。 従来型の絶縁信号伝送デバイスの断面構造を示す説明図である。
符号の説明
100 信号伝送デバイス
101 表面保護膜
102(102a〜102c) 絶縁体領域
103 基板
104 上部電極
105 下部電極
111(111a,111b) 中間電極

Claims (8)

  1. 絶縁体によって隔てられた第1の電極と第2の電極との間の電気的または磁気的な結合を利用して信号を伝送する信号伝送デバイスであって、
    前記絶縁体中に前記第1の電極よりも大きな面積を有する中間電極を備え、
    前記中間電極は、前記第1の電極および前記第2の電極と絶縁され、または前記第1の電極または前記第2の電極のいずれかと高抵抗部材で短絡されていることを特徴とする信号伝送デバイス。
  2. 前記中間電極の端部が前記第1の電極が位置する高さまで延長されていることを特徴とする請求項1に記載の信号伝送デバイス。
  3. 前記中間電極は複数設けられており、隣り合う前記中間電極は、互いに絶縁され、または互いに高抵抗部材で短絡されていることを特徴とする請求項1に記載の信号伝送デバイス。
  4. 前記中間電極の面積が前記第1の電極側に隣り合う他の中間電極の面積よりも大きいことを特徴とする請求項3に記載の信号伝送デバイス。
  5. 前記中間電極の端部が前記第1の電極側に隣り合う他の中間電極が位置する高さまで延長されていることを特徴とする請求項3または4に記載の信号伝送デバイス。
  6. 絶縁体によって隔てられた第1の電極と第2の電極との間の電気的または磁気的な結合を利用して信号を伝送する信号伝送デバイスであって、
    前記第1の電極および前記第2の電極と絶縁され、または前記第1の電極または前記第2の電極のいずれかと高抵抗部材で短絡された補助電極を備え、
    前記補助電極と前記第1の電極との間の距離および前記補助電極と前記第2の電極との間の距離の和は、前記第1の電極と前記第2の電極との間の距離よりも長いことを特徴とする信号伝送デバイス。
  7. 前記補助電極は複数設けられており、隣り合う前記補助電極は、互いに絶縁され、または互いに高抵抗部材で短絡されていることを特徴とする請求項6に記載の信号伝送デバイス。
  8. 前記第1の電極は、前記絶縁体よりも誘電率が高い絶縁部材で覆われていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の信号伝送デバイス。
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