JP2009064967A - 半導体デバイス用基板の洗浄剤及びそれを用いた洗浄方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】銅配線を備えた半導体デバイス製造工程における平坦化研磨工程後の洗浄工程に用いられる洗浄剤であって、銅配線の腐蝕や酸化、それに起因する平坦化された基板上配線の表面荒れの発生が抑制され、且つ、半導体デバイス表面の不純物を有効に除去し得る洗浄剤及びそれを用いた洗浄方法を提供する。
【解決手段】表面に銅配線が施された半導体デバイスの製造工程における化学的機械的研磨工程の後に用いられる洗浄剤であって、(A)ポリカルボン酸と、(B)アルデヒド構造を有する化合物と、を含有し、pHが0.5〜5であることを特徴とする洗浄剤である。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体デバイスの製造工程である化学的機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing:以下、適宜、「CMP」と称する)による平坦化工程後の半導体デバイスの洗浄に使用される洗浄剤、及び、それを用いる半導体基板表面の洗浄処理方法に関し、詳細には、表面に銅配線が施された半導体デバイスのCMP後の洗浄に好適な洗浄剤及びそれを用いる洗浄方法に関する。
半導体集積回路(以下LSIと記す)で代表される半導体デバイスの開発においては、一般的に基板上には先ず素子分離膜とも云われるシャロウトレンチアイソレーション(STI)膜を下部に形成する場合が多く、その上に絶縁膜や金属膜等の層を多層積層した多層積層構造が形成される。多層積層化の際には、一般的には基板に、p−TEOS、O−TEOS等の通常用いられる層間絶縁膜のほか、例えば比誘電率が3.5〜2.0程度の低誘電率層間膜(例えば、有機ポリマー系、メチル基含有シリカ系、H−Si含有シリカ系、SiOF系、ポーラスシリカ系、ポーラス有機系等が挙げられ、通常、Low−k膜と略称される)等を含む層間絶縁膜(ILD膜)や金属膜を堆積後、生じた凹凸をCMPによって平坦化処理を行い、平坦となった面の上に新たな配線を積み重ねて行く工程が一般に行われる。近年、半導体デバイスは微細化が進むにつれて、基板各層においてますます精度の高い平坦性が必要となっている。
そのため、CMP工程に期待するところが大きく、半導体デバイス製造過程におけるCMPによる平坦化工程の割合が増大しているが、これらの平坦化の為のCMP工程後には、ウエハ表面に研磨された金属や砥粒の一部が残存しており、これらの汚染粒子や汚染金属を目標値まで除去する目的で、通常は、洗浄剤を使用した洗浄工程が実施され、この洗浄工程も重要な役割をなしている。
CMPによる平坦化工程は、一つの基板についても研磨、平坦化しようとする被研磨物質の各膜質に応じた研磨スラリーを用いるため、複数の平坦化工程を、研磨条件や使用する研磨液を変えて実施されることが一般的であり、これに合わせてCMP後の洗浄剤の構成もそれに応じ配合組成が多少異なってくる。
例えば、導電性金属材料として代表的な銅配線を有する半導体デバイスにおいて主として銅配線の平坦化を行うCu−CMP工程後の洗浄工程に於いて、従来、半導体用の洗浄剤として通常用いられている酸性の洗浄剤、特に、塩酸やフッ酸などを含有する洗浄剤を用いると、絶縁膜上に付着した酸化銅のみならず、配線の金属銅をも溶解してしまい、配線の腐蝕や断線を引き起こすという問題がある。
また、パーティクルの除去には、半導体表面とパーティクルとが静電的に反発し合うアルカリ性の洗浄剤が有効であるが、アルカリ源として金属イオンを含んだ水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の洗浄剤を用いた場合には、これらの金属が絶縁膜(酸化ケイ素)表面に吸着し、絶縁特性を劣化させてしまう問題があり、金属イオンを含まない無機アルカリを含有する洗浄剤は、銅の溶解力が強く、銅配線を備えたデバイスへの使用には不適であった。一方、アルカリ剤として四級アンモニウムを用いた洗浄剤は、銅配線を腐蝕することはなく、パーティクルの除去効果も高いという利点があるものの、四級アンモニウム自体が強アルカリ性であるため、絶縁膜に対するエッチング力が強く、CMP工程で平坦化した表面を荒らしてしまうという欠点を有している。
強酸や強アルカリを用いない洗浄剤として、特定の界面活性剤とアルカリ又は有機酸を含む洗浄剤(例えば、特許文献1参照。)、有機酸、有機アルカリ、及び、界面活性剤を添加した洗浄剤(例えば、特許文献2参照)が提案されているが、基板表面にダメージを与えることなく、付着した、被研磨体に起因する金属や基板材料、さらには、有機物残渣や砥粒微粒子などを効率よく除去するといった観点からはなお改良の余地があり、銅配線を施した半導体デバイス表面を、銅配線の腐蝕や酸化を起こさず、かつ、それに起因して発生する平坦化された基板表面に形成された配線の表面荒れを起こすことなく、表面の不純物を効果的に除去しうる洗浄剤が求められているのが現状である。
特開2003−289060号公報 特開2005−260213号公報
上記問題点を考慮してなされた本発明の目的は、銅配線を備えた半導体デバイス製造工程における平坦化研磨工程後の洗浄工程に用いられる洗浄剤であって、銅配線の腐蝕や酸化、それに起因する平坦化された基板上配線の表面荒れの発生が抑制され、且つ、半導体デバイス表面の不純物を有効に除去し得る洗浄剤及びそれを用いた洗浄方法を提供することにある。
本発明者は、上記のCMP工程後に用いられる洗浄剤に係る問題点について鋭意検討した結果、以下に示す構成の洗浄剤を用いることによって問題を解決できることを見出して課題を達成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の通りである。
<1> 表面に銅配線が施された半導体デバイスの製造工程における化学的機械的研磨工程の後に用いられる洗浄剤であって、(A)ポリカルボン酸と、(B)アルデヒド構造を有する化合物と、を含有し、pHが0.5〜5であることを特徴とする洗浄剤。
<2> pHが0.5〜5であることを特徴とする<1>に記載の洗浄剤。
<3> 前記ポリカルボン酸が、クエン酸、マロン酸、乳酸、及び、蓚酸からなる群より選ばれる1種以上であることを特徴とする<1>又は<2>に記載の洗浄剤。
<4> 前記アルデヒド構造を有する化合物が、アルデヒド構造を有する水溶性の化合物より選択される1種以上であることを特徴とする<1>又は<2>に記載の洗浄剤。なお、アルデヒド構造を有する水溶性の化合物としては、酸性基としてカルボキシ基を有するアルデヒドカルボン酸などが好ましく挙げられる。
<5> <1>〜<4>のいずれか1項に記載の洗浄剤を使用することを特徴とする表面に銅配線が施された半導体デバイスの洗浄方法。
本発明の洗浄剤においては、微細な銅配線に影響を与えることなく、デバイス、特に銅配線や絶縁膜表面に付着したパーティクルを除去することが重要であり、このため、パーティクルや残存砥粒を除去しやすい観点からは、ポリカルボン酸が重要な機能を果たすものの、このような有機酸の銅配線への影響を低減させるために、ポリカルボン酸とともに、還元作用を発現しうるアルデヒド構造を有する化合物を併用することで、洗浄剤中の溶存酸素がアルデヒド構造を有する化合物に捕捉され、溶存酸素による所望されない金属配線の酸化が効果的に抑制されて、本発明の優れた効果を発現しうるものと考えられる。
本発明の洗浄剤が適用される被洗浄物である半導体デバイス用基板は、半導体デバイス製造工程における化学的機械的研磨工程に付されたものであり、基材表面に金属配線が形成された単層基板、その表面に層間絶縁膜などを介して配線が形成されてなる多層配線基板のいずれでもよいが、配線として銅配線を有するものに適用してその効果が著しい。
本発明によれば、銅配線を備えた半導体デバイス製造工程における平坦化研磨工程後の洗浄工程に用いられる洗浄剤であって、銅配線の腐蝕や酸化、それに起因する平坦化された基板上配線の表面荒れが抑制され、且つ、半導体デバイス表面の不純物を有効に除去し得る洗浄剤及びそれを用いた洗浄方法を提供することができる。
以下、本発明の具体的態様について説明する。
本発明の洗浄剤は、(A)ポリカルボン酸と、(B)アルデヒド構造を有する化合物と、を含有することを特徴とし、表面に銅配線が施された半導体デバイス製造工程における化学的機械的研磨工程の後に、半導体デバイス用基板を洗浄するのに好適に使用される。洗浄剤のpHは0.5〜5であることが好ましい態様である。
以下、本発明の洗浄剤に含まれる各成分について順次説明する。
〔(A)ポリカルボン酸〕
本発明の洗浄剤は、ポリカルボン酸を含有する。
本発明におけるポリカルボン酸は、分子内に少なくとも2つのカルボキシル基を含む化合物及びそれらの塩であれば、いずれも使用することができる。
本発明に使用しうるポリカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸等のジカルボン酸類、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸などのオキシポリカルボン酸類、及びそれらの塩などが挙げられる。
上記ポリカルボン酸の中でも、素材の安全性、コスト、洗浄性能の観点からは、クエン酸、マロン酸、乳酸、及び蓚酸が好ましく、クエン酸、及び蓚酸がより好ましい。
本発明の洗浄剤において、ポリカルボン酸は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を任意の割合で併用してもよい。
本発明の洗浄剤におけるポリカルボン酸の含有量としては、洗浄効率及び銅配線への影響の低減の両立といった観点からは、洗浄剤の全質量に対して、0.005〜30質量%が好ましく、特に好ましくは0.01〜10質量%である。
−他の有機酸−
本発明の洗浄剤には、本発明の効果を損ねない範囲で、ポリカルボン酸以外の他の有機酸を含有してもよい。ここで他の有機酸とは、水中で酸性(pH<7)を示す、ポリカルボン酸以外の有機化合物であって、カルボキシル基、スルホ基、フェノール性ヒドロキシル基、メルカプト基等の酸性の官能基を持つ有機化合物を指す。
他の有機酸の含有量は、前記ポリカルボン酸の含有量100質量部に対して、100質量部以下、即ち、等量以下であることが好ましい。
〔(B)アルデヒド構造を有する化合物〕
本発明の洗浄剤はアルデヒド構造を有する化合物(以下、適宜、アルデヒド化合物と称する)を含有する。
本発明におけるアルデヒド構造を有する化合物としては、分子内に少なくとも1つのアルデヒド構造(−CHO)を有するものであれば特に制限はないが、炭素数2〜16のアルデヒド構造を有する化合物が好ましく、水系の洗浄剤に対する溶解性が良好なものを選択して用いることが好ましく、そのような観点からは、アルデヒド構造を有する水溶性の化合物が好ましい。
なお、それ自体が水溶性を有しないアルデヒド化合物であっても、アルコールなどの適切な溶剤や界面活性剤などの可溶化剤であって本発明の効果を損なわない可溶性を付与しうる化合物とともに適用することで、洗浄剤に均一に溶解、分散させて用いられるアルデヒド化合物であれば本発明に使用することができる。
洗浄剤への溶解性といった観点からは、芳香族ジアルデヒドや、分子内にさらにカルボキシ基を有するアルデヒド酸化合物などが好ましく、以下の群から選ばれたものがより適している。
本発明におけるアルデヒド構造を有する化合物の好ましい具体例としては、例えば、フタルアルデヒド酸、グリオキシル酸、β−ホルミルアクリル酸、ホルミル酢酸などのアルデヒド酸類、グリオキサール等の脂肪族ジアルデヒド類、p−メトキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒドなどの芳香族アルデヒドなどが挙げられる。
なかでも、フタルアルデヒド酸、スクシンアルデヒド酸、グリオキシル酸が本発明に好適である。
本発明の洗浄剤中におけるアルデヒド構造を有する化合物の含有量は、洗浄剤に対して通常0.0005重量%以上1重量%以下であり、好ましくは0.001重量%以上0.5重量%以下、さらに好ましくは0.005重量%以上0.1重量%以下である。
また、(A)ポリカルボン酸との関係においては、(A)ポリカルボン酸:(B)アルデヒド化合物の含有量は、重量比で1:0.01〜1:3の範囲であることが好ましい。
〔pH〕
本発明の洗浄剤のpHは5以下であることが効果の観点から好ましい。洗浄剤のpHが5を超える場合、例えば、PH5〜9の中性領域では、銅金属表面とパーティクルのゼータ電位が異符合になり、パーティクルが銅金属表面へ吸着しやすく、また、これが原因で金属汚染の除去を充分に行えないおそれがあり、また、pHが9以上のアルカリ領域の場合、酸化銅溶解性が低く、残渣除去が充分に行えない恐れがある。
被洗浄面(半導体デバイス用基板の表面)の腐食の防止、金属汚染の除去を充分行いうるといった観点からは、洗浄剤のpHは0.5〜5の範囲にあることが好ましい。
ここで、洗浄剤のpH調製には、一般的なpH調整剤、例えば、酸では硝酸、硫酸などの無機酸、アルカリでは水酸化カリウム、アンモニアなどを使用することも可能であるが、銅配線や基材表面への影響を考慮すれば、上記の如き一般的なpH調整剤は使用せず、有機酸や有機アルカリ剤、具体的には、例えば、酢酸、プロピオン酸、蓚酸、酪酸等の有機酸、水酸化テトラメチルアンモニウムなどの有機アルカリ剤によりpHを調整することが好ましい。
本発明の洗浄剤は水溶液である。即ち、前記必須成分、及び、所望により併用されるその他の成分が水系の溶媒中に溶解してなるものが好ましい。溶媒として使用される水としては、効果の観点から、それ自体、不純物を含まないか、その含有量を極力低減させた脱イオン水や超純水を用いることが好ましい。また、同様の観点から、水の電気分解によって得られる電解イオン水や、水に水素ガスを溶存させた水素水などを使用することもできる。
〔その他の成分〕
本発明の洗浄剤には、効果を損なわない範囲において、必須成分である(A)ポリカルボン酸、(B)アルデヒド構造を有する化合物及び溶媒としての水に加えて、目的に応じて種々の化合物を併用することができる。以下、本発明に用いうる各成分について説明する。
(界面活性剤)
本発明においては、界面活性剤を添加することができる。
本発明に使用しうる界面活性剤には特に制限はなく、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、アルキルスルホン酸及びその塩、アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸及びその塩、アルキルメチルタウリン酸及びその塩、アルキル硫酸エステル及びその塩、アルキルエーテル硫酸エステル及びその塩、スルホコハク酸ジエステル及びその塩、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンアルキルアリルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンアルキルアリルエーテルリン酸塩などが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルなどのアルキレンオキサイド型界面活性剤、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、グリセリンエステル、ポリグリセリンエステル、ソルビタンエステル、プロピレングリコールエステル、ショ糖エステルなどのエステル型界面活性剤、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミドなどの含窒素型ノニオン性界面活性剤などが挙げられる。
カチオン系界面活性剤としては、アミン塩型界面活性剤や第4級アンモニウム塩型界面活性剤が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アミノ酸型両性界面活性剤やベタイン型両性界面活性剤などが挙げられる。
その他に、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などが挙げられる。
界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤を使用することが好ましい。更に好ましくは炭素数8〜12のアルキルベンゼンスルホン酸及びその塩、炭素数8〜12のアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸及びその塩、炭素数8〜12のアルキルメチルタウリン酸及びその塩、炭素数8〜12のアルキル硫酸エステル及びその塩、炭素数8〜12のアルキルエーテル硫酸エステル及びその塩、炭素数8〜12のスルホコハク酸ジエステル及びその塩などのアニオン界面活性剤が挙げられる。
これらの界面活性剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を任意の割合で併用してもよい。
本発明の洗浄剤中における界面活性剤の含有量は、洗浄剤に対して通常0.0001重量%以上1重量%以下、好ましくは0.0003重量%以上0.1重量%以下、さらに好ましくは0.001重量%以上0.05重量%以下である。
(キレート剤)
本発明の洗浄剤は、混入する多価金属イオンなどの影響を低減させるために、必要に応じてキレート剤を含有する。キレート剤としては、カルシウムやマグネシウムの沈澱防止剤である汎用の硬水軟化剤やその類縁化合物を用いることができ、必要に応じてこれらを2種以上併用しても良い。
キレート剤の添加量は混入する多価金属イオンなどの金属イオンを封鎖するのに充分な量であればよく、一般的には、洗浄剤中に、5ppm〜10000ppm程度である。
〔半導体基板の洗浄方法〕
本発明の半導体デバイス用基板の洗浄方法は、半導体デバイス製造工程における化学的機械的研磨工程に引き続いて実施され、前記本発明の洗浄剤を使用することを特徴とする。
前記本発明の洗浄剤は、表面に金属又は金属化合物層、或いは、これらで形成された配線を有する半導体デバイス用基板の洗浄に好適に使用され、特に、銅配線に対して腐蝕や酸化を生じさせる懸念がないことから、銅配線を表面に有する半導体デバイス用基板の洗浄に使用することでその効果が著しいといえる。
通常、CMP工程は、研磨液を研磨定盤上の研磨パッドに供給し、被研磨体である半導体デバイス用基板などの被研磨面と接触させて被研磨面と研磨パッドを相対運動させて研磨する工程であり、その後、実施される洗浄工程では、研磨を終了した半導体デバイス用基板を、スピンナーに配置し、洗浄剤を被研磨面及びその裏面に対し流量100〜2000ml/min.の条件で基板表面に供給し、室温にて10〜60秒間にわたり、ブラシスクラブする洗浄方法をとることが一般的である。
洗浄は、市販の洗浄装置を用いて行うこともでき、例えば、MAT社製ウェハ洗浄機(商品名:ZAB8W2M)を使用し、該装置に内蔵しているスクラブ部でPVA製ロールブラシを接触するスクラブ洗浄をすることにより行うこともできる。
被研磨体である半導体デバイス用基板に用いられる金属としては、主としてW又はCuが挙げられる。近年、配線抵抗の低い銅を用いたLSIが開発されるようになった。高密度化を目指す配線の微細化に伴って、銅配線の導電性や電子マイギュレート耐性などの向上が必要となり、これらの高精細で高純度の材料を汚染させることなく高生産性を発揮し得る技術が求められている。表面にCuを有する基板、さらには、層間絶縁膜として低誘電率絶縁膜を有し、その表面に銅配線を有する基板の洗浄を行う工程としては、特に、Cu膜に対してCMP(Chemical Mechanical Polishing)を行った後の洗浄工程、配線上の層間絶縁膜にドライエッチングによりホールを開けた後の洗浄工程が挙げられるが、これらの洗浄工程においては、表面に存在する不純物金属やパーティクル等を効率的に除去することが配線の純度、精度を保持するため特に重要であり、そのような観点からこれらの洗浄工程において本発明の洗浄剤が好適に使用される。
なお、洗浄工程における不純物除去効果を確認するため、ウェハ上の異物を検出する必要があるが、本発明においては、異物を検出する装置として、光散乱式異物測定装置(例えば、KLA Tencor社製SP1TBI等)が好適に用いられる。この方式の装置では、ウェハ上の異物を検出するのに、レーザー光をウェハ表面に入射し、このレーザー光の正反射光を検出するのではなく、予め指定した方向に配置された光検知器で散乱されたレーザー光の光強度を測定することによって、ウェハ上の異物を検出する方式を採用している。レーザー光は、ウェハ面を順次走査するが、異物等の不均一部分がウェハ面に存在すると、散乱強度に変化が生じる。この装置においては、散乱光強度を、予め標準粒子で校正した散乱光強度と対比することによって、散乱光強度を標準粒子で換算した異物の大きさ及びその位置を表示することができる。
本発明の洗浄剤を用いた洗浄方法によれば、CMPによる平坦化工程を完了した半導体デバイス用基板の表面における不純物金属やパーティクルを効率よく除去することができ、洗浄中のおける銅配線の腐食や、それに伴う平坦化された基板上配線における表面荒れの発生が効果的に抑制されるために、特に、高精度の配線を要求されるデバイスや、単層基板の平坦化後、新たに層間絶縁膜、及び、配線を形成する多層配線基板などを平坦化する際に、各工程において、基板の平坦性のみならず、基板表面に形成された微細配線の平坦性にも影響を与えることなく、それぞれの不純物を効率よく除去することが必要なデバイスの洗浄に好適である。
以下、実施例により本発明を説明する。本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
<研磨液の調製>
・砥粒:コロイダルシリカ(平均粒子径30nm) 5g/L
・ベンゾトリアゾール(BTA) 1g/L
・グリシン 10g/L
純水を加えて全量1000mLとし、硝酸及びアンモニアを用いてpHを4.5に調整した。
研磨液は研磨直前に30%過酸化水素(酸化剤)15g/Lを加えて研磨を実施した。
<Cuウェハの研磨>
研磨装置としてラップマスター社製装置「LGP−613」を使用し、下記の条件で、前記のようにして得られた研磨液を供給しながら各ウエハに設けられた膜を研磨した。
基板:8inch銅膜付きシリコンウエハ
テ−ブル回転数:64rpm
ヘッド回転数:65rpm
研磨圧力:140hPa
研磨パッド:ロデール・ニッタ株式会社製 品番IC−1400(K−grv)+(A21)
スラリー供給速度:200ml/分
〔実施例1〜14、比較例1〜8〕
<洗浄剤の調製>
・(A)ポリカルボン酸又は比較化合物(表1、表2に示す化合物)
(表1、表2に記載の量)
・(B)アルデヒド構造を有する化合物(表1、表2に示す化合物)
(表1、表2に記載の量)
・界面活性剤(ドデシルベンゼンスルホン酸) (表1、表2記載の量又は添加せず)
純水を加えて全量1000mLとした。
前記処方により洗浄剤を調製した。得られた洗浄剤のpHを常法により測定した結果を、下記表1、表2に示す。
なお、下記表1、表2において、TMAHは有機アルカリ剤である水酸化テトラメチルアンモニウムを、TEAHは水酸化テトラエチルアンモニウムを表す。
<洗浄試験>
前記処方により調製された実施例1〜14、比較例1〜8の洗浄剤を使用して、前記研磨液を用い、前記条件で研磨した銅膜付きシリコン基板を洗浄することにより洗浄試験を行った。
洗浄は、MAT社製ウェハ洗浄機(商品名:ZAB8W2M)に内蔵しているスクラブ部でPVA製ロールブラシを接触するスクラブ洗浄をすることにより行った。
前記各洗浄剤は、使用前に40倍体積の純水と混合・希釈され、研磨基板上側に400ml/min、下側に400ml/minで25秒間流し、その後、純水(脱イオン水)を研磨基板1上側に650ml/min、下側に500ml/minで35秒間流し、更に、上記装置に内蔵しているスピンドライ装置で30秒処理した。
<腐食性評価>
前記銅膜付きシリコンウエハ前記と同様の条件で研磨−洗浄乾燥した。その後、銅配線腐食の状態及びそれに起因する基板上銅配線の表面荒れの状態を評価するため、AFM(Pacific Nano Technology社製、Nano−R(登録商標) AFM)を用いて観察し、基板上における銅配線の表面粗さ(Sa)を測定し、以下の条件で評価した。即ち、銅配線上の表面荒れが少ないものは銅の腐食性が抑制されると評価する。なお、Sa値は、前記AFM装置により算出された数値を採用している。
○:表面粗さ(Sa)が1.0nm未満
△:表面粗さ(Sa)が1.0nm〜10.0nm
×:表面粗さ(Sa)が10.0nmを超える
<砥粒残り評価>
前記銅膜付きシリコンウエハに代えてSEMATECHパターンウェハを用い、前記と同様の条件で研磨−洗浄、乾燥した。その後、ウェハ表面の状態を、日立ハイテクノロジー社製断面SEM、S−4800(倍率50000倍)を用いて観察し、砥粒除去の状態を下記基準により評価した。◎〜○が実用上許容される範囲である。
◎:基板表面に砥粒が全く認められない
○:基板表面に局所的な僅かな砥粒が認められる。
△:基板表面全体に砥粒が認められる。
×:基板表面全体に著しく多くの砥粒が認められる。
<有機物残渣除去性評価>
前記銅膜付きシリコンウエハに代えてSEMATECHパターンウェハを用い、前記と同様の条件で研磨−洗浄乾燥した。その後、ウェハ表面の状態を、日立ハイテクノロジー社製断面SEM、S−4800(倍率50000倍)を用いて観察し、有機物残渣除去の状態を下記基準により評価した。◎〜○が実用上許容される範囲である。
◎:基板表面に有機物残渣が全く認められない
○:基板表面に影響がない程度の局所的な僅かな有機物残渣が認められる。
△:基板表面全体に有機物残渣が認められる。
×:基板表面全体に著しく多くの有機物残渣が認められる。
前記試験の結果を下記表1、表2に併記した。
Figure 2009064967
Figure 2009064967
表1、表2の結果より、本発明の洗浄剤を用いることにより、研磨後のCuウェハ上の異物を効率よく除去することが可能であり、且つ、洗浄に伴って生じる銅配線の腐食に起因する基板上の銅配線表面荒れの発生が抑制されていることがわかる。
また、実施例9と実施例13との対比により、洗浄剤のpHを5以下とすることで、銅配線の腐食抑制効果が著しいことがわかる。
他方、アルデヒド化合物を含有しない比較例1〜4、ポリカルボン酸に代えて有機アルカリ剤を用いた比較例5〜8のいずれも、パーティクルの除去性に劣り、銅配線に実用上問題のあるレベルの劣化が見られた。

Claims (5)

  1. 表面に銅配線が施された半導体デバイスの製造工程における化学的機械的研磨工程の後に用いられる洗浄剤であって、(A)ポリカルボン酸と、(B)アルデヒド構造を有する化合物と、を含有することを特徴とする洗浄剤。
  2. pHが0.5〜5であることを特徴とする請求項1に記載の洗浄剤。
  3. 前記ポリカルボン酸が、クエン酸、マロン酸、乳酸、及び、蓚酸からなる群より選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の洗浄剤。
  4. 前記アルデヒド構造を有する化合物が、アルデヒド基を有する水溶性の化合物より選択される1種以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の洗浄剤。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の洗浄剤を使用することを特徴とする表面に銅配線が施された半導体デバイスの洗浄方法。
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