JP2009064727A - 成膜用マスク及び有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法 - Google Patents

成膜用マスク及び有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法 Download PDF

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朋子 尾崎
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Abstract

【課題】膜厚の不均一性が発生しにくい有機EL発光層を形成する。
【解決手段】成膜用マスク310は、スプレーから噴射された有機エレクトロルミネッセンス材料含有液の微粒子を通過させる開口部320を有する平面状の板状体である。前記開口部320の側壁321は、前記微粒子の飛来方向に行くほど対向間隔が狭まる逆テーパ形状である。前記側壁321に撥液処理が施されている。成膜用マスク310は、磁性物質を含有する材質で形成されている。
【選択図】図5

Description

本発明は、成膜用マスク及びその成膜用マスクを用いた有機EL(Electro Luminescence)表示装置の製造方法に関する。
有機EL表示装置の製造工程において、基板上に配置された電極に有機EL材料含有液を塗布することがある。有機EL材料含有液の塗布方式の一つとして、スプレー塗布方式がある。このスプレー塗布方式は、特許文献1、特許文献2に記載されるように、基板上に開口部を有するマスクを配置して、マスクの上からスプレーで液体状の有機EL材料含有液を塗布する。
しかし、スプレー塗布方式では、マスクの開口部の側壁の下端部付近において、液体が溜まることがある。このような液溜まりが発生することにより、有機EL発光層等の膜厚が不均一になり、有機EL発光層を発光させたときに発光ムラが生じることがある。
特開2003−181330号公報 特開2005−313049号公報
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、厚みの均一性に優れる有機EL発光層等を形成できる成膜用マスク及びその成膜用マスクを用いた有機EL表示装置の製造方法を提供することを目的とする。また、有機EL材料含有液等をスプレー塗布方式で対象物に塗布する際、有機EL発光層等の厚みの均一性を高くしうる成膜用マスク及びその成膜用マスクを用いた有機EL表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明の第1の観点に係る成膜用マスクは、
有機エレクトロルミネッセンス材料含有液の微粒子を通過させる開口部を有する平面状の板状体であり、
前記開口部の対向する側壁が、前記有機エレクトロルミネッセンス材料含有液の微粒子の飛来方向に行くほど対向間隔が狭まる逆テーパ形状である、ことを特徴とする。
また、前記側壁は撥液処理が施されている、ことも可能である。
また、前記側壁の断面は、円弧状のテーパ形状である、ことも可能である。
また、前記逆テーパ形状の角度は、20度以上70度以下である、ことも可能である。
また、上記目的を達成するため、この発明の第2の観点に係る有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法は、
ガラス基板上に配置された画素電極の上に、開口部を有する平面状の板状体であり、前記開口部の側壁が、微粒子の飛来方向に行くほど対向間隔が狭まる逆テーパ形状である、成膜用マスクを介して、有機エレクトロルミネッセンス材料含有液を塗布することで有機エレクトロルミネッセンス発光層を形成する、有機エレクトロルミネッセンス発光層形成工程を有する、ことを特徴とする。
また、前記側壁は撥液処理が施されている、ことも可能である。
また、前記側壁の断面は、円弧状のテーパ形状である、ことも可能である。
また、前記逆テーパ形状の角度は、20度以上70度以下である、ことも可能である。
本発明に係る成膜用マスクを用いることにより、厚みの均一性が高い有機EL発光層や正孔注入層を形成することができる。
(実施形態1)
[有機EL表示装置]
まず、本実施形態に係る製造方法により製造される有機EL表示装置800について説明する。有機EL表示装置800は、図1に示されるように、ガラス基板110と、画素電極(陽極)120と、バンク130と、有機EL発光層140と、層間絶縁膜150と、上部電極(陰極)160と、封止ガラス170と、を有する。有機EL表示装置800は、ボトムエミッション型である。この有機EL発光層140は、後述するように、実施形態に係る成膜用マスク310を使用してスプレー法にて形成されるものである。
ガラス基板110の上には、ITO(Indium Tin Oxide)からなる画素電極120と層間絶縁膜150が設けられている。層間絶縁膜150は、隣り合う画素電極120どうしを電気的に絶縁する。層間絶縁膜150の上には隔壁として機能するバンク130が設けられている。バンク130により囲まれた開口内の画素電極120の上に有機EL発光層140、上部電極160がこの順に積層されている。さらに、上部電極160の上には、接着層180を介して封止ガラス170が設けられている。
[成膜用マスク]
次に、本実施形態に係る有機EL表示装置の製造方法に使用される成膜用マスク310について説明する。
本実施形態に係る成膜用マスク310は、図2(a)(b)に示されるように、概ね平板状である。尚、(a)に示すように開口部320が四角形状であっても、(b)に示すように開口部320が円形状であっても良い。成膜用マスク310には複数の開口部320がマトリクス状に設けられている。
また、図2(a)(b)の断面C−Cである図2(c)に示されるように、成膜用マスク310は厚さが0.1mmである。そして、成膜用マスク310の開口部320の側壁321は、開口部の下端から上端につれて対向間隔が小さくなる、逆テーパ形状で形成されている。換言すれば、側壁321は、スプレーから噴霧された有機エレクトロルミネッセンス材料含有液(有機エレクトロルミネッセンス材料が成分として含まれている液体)の微粒子の飛来方向(スプレーノズル方向、図2(c)のZ軸矢印方向)に行くほど対向間隔が狭まる逆テーパ形状である。逆テーパ形状の角度Θは45度である。ここで、逆テーパ形状の角度とは、成膜用マスク310の下面と側壁321との角度である。そして、図2(c)で示されるように、成膜用マスク310の開口部320は、側壁321と成膜用マスク上面の開口320aと成膜用マスク下面の開口320bとで囲まれる空間である。
成膜用マスク310は磁性物質を含有する金属材料で形成されている。具体的にはSUS410、SUS430、SUS444のようなフェリ磁性物質を含有する材質で形成されている。
成膜用マスク310の側面321には、撥液性の有機材料がコーティングされることにより撥液処理がなされている。撥液性の有機材料はフッ素やシリコン系添加物であり、具体的にはフルオロアルキルリン酸エステル化合物である。なお、成膜用マスク310の側面321の撥液処理は、シランカップリング剤やチタネートカップリング剤などの各種フッ素系カップリング剤と金属表面との化学反応や、フッ素樹脂の微粒子を含有する塗料の金属表面への塗布や、ポリテトラフルオロエチレンオリゴマー粒子を共析分散した複合メッキ被膜の金属表面への膜形成等でも可能である。
[有機EL表示装置の製造方法]
次に、上述した実施形態に係る成膜用マスクを用いた有機EL表示装置800の製造方法について説明する。
まず、ガラス基板110の上に均一的な厚さでスパッタや蒸着等によりITO成膜を形成する。そして、そのITO成膜に、レジストとしてフェノールノボラック樹脂等を使用して、フォトリソグラフィー処理により、ガラス基板110の上に所定の間隔でストライプ形状に画素電極120を形成する。なお、ウエットエッチング処理若しくはドライエッチング処理等を施すことにより画素電極120を形成することも可能である。画素電極120の厚さは30nm〜100nmである。
次に、画素電極120を設けたガラス基板110の上に、例えばポリイミド含有液を0.8μmの厚さで均一的にスピンコーティングにより塗布する。そして設けたポリイミドの膜をフォトリソグラフィー処理により、画素電極120が位置する部分を除去するようにしてパターニングした後にキュアする。このようにして、ガラス基板110の上に、層間絶縁膜150を形成する。層間絶縁膜150は、ガラス基板110の画素電極120の間の領域に設けられており、画素電極120の周縁部を覆うことにより、隣接する画素電極120同士の短絡を防止する。層間絶縁膜150は、複数の開口を有する編み目状で、厚さが150nm〜300nmの膜から構成されている。層間絶縁膜150は、例えば窒化珪素または酸化珪素等の硅素化合物から形成される。
次に、画素電極120の上に有機EL発光層140を形成する。有機EL発光層140は、図3に示すようにスプレー塗布装置210を用いて形成される。スプレー塗布装置210は、基板ステージ220と、ノズル510と、フィルタ230とを備えている。基板ステージ220は、ガラス基板110を載置する。ノズル510は、有機EL材料含有液520(有機EL材料含有液520は、有機EL発光材料含有液、正孔注入材料溶液、電子注入材料溶液等を含む。)を吐出する。フィルタ230は防塵用フィルタであり、例えばHEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタである。基板ステージ220は鉛直方向であるZ方向に移動可能である。ノズル510は、図示しないモータによりX−Y方向(X−Y平面は水平面である)に移動可能である。ガラス基板110の上には成膜用マスク310が載置される。ガラス基板110の上に成膜用マスク310を載置した後は、ノズル510の先端と画素電極120との距離を所定の値になるように基板ステージ220を移動させる。基板ステージ220は磁性体を含有する物質で形成されている。
図4に矢印で示されるように、有機EL発光材料含有液は、ノズル510がX軸方向に移動することにより、マトリクス状に形成された開口部320に対して連続的に塗布される。X軸方向に並んだ開口部320の列には同一色の有機EL発光材料含有液(例えば青色)が塗布される。そして、その隣の列にてX軸方向に並んでいる開口部320の列には青色とは異なる緑色の有機EL発光材料含有液が塗布され、さらにその隣の列にてX軸方向に並んでいる開口部320の列には青色とは異なる赤色の有機EL発光材料含有液が塗布される。
図4の5−5断面を表す図5に示すように、有機EL材料含有液520はノズル510から噴霧角度Φで拡散されて発射される。ここで噴霧角度Φとは、塗布対象平面とノズルから発射される含有液の外縁直線との角度である。本実施形態では逆テーパ形状の角度Θよりも噴霧角度Φは大きい。噴霧角度Φは60度である。
噴霧される有機EL材料含有液520を形成する有機EL発光材料は、高分子系発光化合物であり、発光効率が高い点で燐光発光性高分子化合物が好ましい。燐光発光性高分子化合物としては、例えば、ポリ(p−フェニレンビニレン)類、ポリフルオレン類、ポリチオフェン類などの共役系高分子構造を骨格とし、これに燐光発光部位(代表的なものとしては、遷移金属錯体または希土類金属錯体の一価基または二価基を例示できる。)が結合した高分子化合物を用いることができる。燐光発光部位は主鎖に組み込まれていても側鎖に組み込まれていてもよい。有機EL発光材料には、RGB何れかの蛍光剤等の染料が添加されている。
次に、層間絶縁膜150の上にバンク130が設けられる。バンク130の形成は、フォト成膜用マスクを用い、例えばネガ型の感光性樹脂にフォト成膜用マスクを介して光を照射することで形成される。
その後は、アルミニウム等の金属材料を蒸着して膜厚が例えば100nmの上部電極(陰極)160が、有機EL発光層140の上に形成される。
そして、上部電極160の上に接着層180を設け、さらに接着層180の上に封止ガラス170を形成する。具体的には、封止ガラス170の一方の面にディスペンサを用いてエポキシ系紫外線硬化樹脂からなる接着剤を塗布する。そして封止ガラス170の接着剤が塗布された面と上部電極160が配置された面とを位置あわせして貼り合わせて、紫外線を照射させて接着剤を硬化させる。これにより接着剤は接着層160となり、封止ガラス170と上部電極160が配置された面とが固定される。これにより、有機EL表示装置800が形成される。
上述した有機EL表示装置の製造方法において形成される有機EL発光層140の厚みの均一性は高い。なぜなら、スプレー塗布法で使用される成膜用マスクは、開口部320の側壁321が、開口部320の下面から上面につれて対向間隔が狭まる外狭まりの逆テーパ形状である。そのため、図5に示すように、有機EL材料含有液520は点線525で示されるように噴霧されるが、点線524で示されるように側壁321の上端部322にあたり、側壁321の下端部323に到達しにくい。よって、側壁321の下端部323に有機EL材料含有液520が溜まることによる膜厚の不均一化が起こりにくい。
逆テーパ形状の角度Θは、20度以上70度以下であることが好ましい。逆テーパ形状の角度Θが70度よりも大きくなると、塗布対象面の全体に均一的に塗布することが困難となるおそれがありうるからである。一方、逆テーパ形状の角度Θが20度よりも小さくなると、成膜用マスク上面に不要な有機EL材料含有液520が塗布されることで歩留まりが悪くなるおそれがあるからである。
また、開口部320の側壁321に撥水処理がなされていると、側壁321に有機EL材料含有液520が付着しにくい。そのため、側壁321の下端部323に有機EL材料含有液520が溜まりにくい。
また、成膜用マスク310と基板ステージ220は磁性物質を含有する材質で形成されている。この時、成膜用マスク310と基板ステージ220のいずれか一方に磁石が入っていても良いし、電磁石が入っていても良い。磁石を用いる場合は、成膜用マスク310と基板ステージ220共に、厚さ方向にS極、N極を配置し、ガラス基板110を介して固定させる。電磁石を用いる場合は、通電を止めることによって磁力をほぼ0にすることができるため、成膜用マスク310と基板ステージ220を、ガラス基板110を介して固定させる際、位置合わせしやすい。成膜用マスク310と基板ステージ220とが磁力により引き合うことで、成膜用マスク310とガラス基板110との密着度が向上する。そのため、仮に、開口部320の側壁321の下端部323に有機EL材料含有液520が付着したとしても、成膜用マスク310とガラス基板110との間に有機EL材料含有液520が入り込みにくい。
(実施形態2)
実施形態1では、成膜用マスク310の側壁321は、直線で形成される逆テーパ形状であった。しかしながら、側壁321の形態はこれに限定されない。図6に示されるように、成膜用マスク310の側壁321の断面は、円弧状のテーパ形状である。そして、円弧状のテーパ形状の円弧頂点324は、それぞれ略同軸上反対方向を向いている。換言すれば、側壁321は、開口部320の中心部327から周辺部328に向かう凸型の曲面逆テーパ形状である。
この実施形態2に係る成膜用マスクを用いて、上述の実施形態と同様に有機EL表示装置を製造できる。成膜用マスクを実施形態2のように形成することにより、逆テーパ形状の角度Θを実施形態1に係る成膜用マスク310と同一の値にしつつも、開口部320内の空間を広くすることができる。そのため、厚み等がより大きい有機EL発光層140を形成することができる。なお、ここで、側壁321が円弧状のテーパ形状である場合における逆テーパ形状の角度Θとは、側壁321の上端部322と側壁321の下端部323とを結んだ直線と、成膜用マスク310の下面との角度である。
(実施形態3)
側壁321の断面の円弧状のテーパ形状は、実施形態2に限られない。図7に示されるように、成膜用マスク310の側壁321の断面の円弧状のテーパ形状の円弧頂点324は、それぞれ略対向している。換言すれば、側壁321は、開口部320の周縁部328から中心部327に向かう凸型の曲面逆テーパ形状である。
この実施形態3に係る成膜用マスクを用いて、上述の実施形態と同様に有機EL表示装置を製造できる。成膜用マスクを実施形態3のように形成することにより、逆テーパ形状の角度Θを実施形態1に係る成膜用マスク310と同一の値にしつつも、円弧頂点324が開口部320の内部にせり出している形状となっている。この円弧頂点324により、ノズル510から噴霧される有機EL材料含有液の粒子520が、側壁321の下端部323に付着させにくくする。
(実施形態4)
また、図8に示されるように、側壁321の下端部323に空隙である溝部325を設けることも可能である。この実施形態4に係る成膜用マスクを用いて、上述の実施形態と同様に有機EL表示装置を製造できる。成膜用マスクを実施形態4のように形成することにより、溝部325の空隙の体積が存在する分だけ、側壁321の下端部323に有機EL材料含有液520が溜まりにくい。
(実施形態5)
上述の実施形態では、画素電極120の上に有機EL発光層140を設け、その後にバンク130を形成した。もっとも有機EL表示装置の製造方法は係る工程に限定されない。図9に示すように、バンク130を形成した後に有機EL発光層140を形成することも可能である。かかる場合は、バンク130を形成した後に、隣接するバンク130の間に露出する画素電極120に有機EL材料含有液520が塗布されるように、成膜用マスク310を載置し、そしてノズル510から有機EL材料含有液520を噴霧する。
ノズル510から噴霧される有機EL材料含有液520の噴霧粒子は、側壁321の上端部322にあたり、バンク130の側壁131に直接付着しにくい。そのため、塗布された有機EL材料含有液520がバンク130の側壁131に這い上がることによる有機EL発光層140の膜厚の不均一化が起こりにくい。
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、成膜用マスク310は磁性物質を含有する材質で形成されたが、もっともこれに限定されない。成膜用マスク310は、ガラス等の磁性物質を含有しない材質で形成することも可能である。かかる場合においても成膜用マスク310は自らの重さで基板ステージ220と密着するので、成膜用マスク310と基板ステージ220との間に隙間が形成されにくい。
上述の実施形態では、金属材料から形成された成膜用マスク310に撥液処理がなされた。もっとも成膜用マスク310がガラス材料から形成されている場合も撥液処理を施すことは可能である。具体的には、ガラスからなる側壁321の表面に、−CH、−C−CF−R(アルキル基)などの基を有する疎水性モノマーをプラズマ重合にて形成した疎水性プラズマ重合膜を設けることが可能である。また、ガラスからなる側壁321の表面に、ハロゲン元素(F、Cl、Br)、Al、Y、Tl、In、Bi及びCeのうち少なくとも1以上の元素イオンを、50〜400keVのエネルギーで注入することで撥液処理を施すことも可能である。
上述の実施形態では、成膜用マスク310の全体が磁性物質を含有する金属材料で形成された。もっとも成膜用マスク310の実施形態はこれに限定されない。図10に示すように、成膜用マスク310はガラス基板110と密着する密着部分329を、磁性物質を含有する金属材料で形成するとともに、ガラス基板110と密着しない非密着部分を、非磁性物質材料で形成することも可能である。密着部分329は、SUS420等のフェリ磁性物質を含有する金属材質で形成する。非密着部分は、ガラス、シリコン、高分子ゴム等の非磁性物質材料で形成する。非密着部分を例えばシリコンで形成すれば、密着部分329と金属材料で形成された基板ステージ220とが磁力により引かれ合うから成膜用マスク310とガラス基板110との密着性を高めつつ、さらに、成膜用マスク310全体の軽量化を図ることができて成膜用マスク310の取扱を容易にすることができる。
有機EL層には、有機EL発光層140と画素電極120との間に発光補助層を設けることも可能である。発光補助層としては、例えば正孔注入層を設けることができる。正孔注入層を構成する材料としては、例えば、ポリチオフェン誘導体であるPEDOT(ポリエチレンジオキシチオフェン)とPSS(ポリスチレンスルフォン酸)の混合物を用いる。
正孔注入層を設ける場合も、本実施形態に係る成膜用マスク310を用いることが可能である。まず、ガラス基板110の上に画素電極120を配置した後に、図5に示すように成膜用マスク310を配置する。そして、成膜用マスク310の開口部320を介して、ノズル510からPEDOT/PSSインクを噴霧する。PEDOT/PSSインクを噴霧する場合も成膜用マスクの側壁321の下端部にインクが付着しにくい。PEDOT/PSSインクを塗布後は、ホットプレート上で100℃以上の温度条件で乾燥を行うことにより、正孔注入層を形成することができる。
さらに発光補助層として、画素電極120から有機EL発光層140への正孔の移動を助ける正孔輸送層を設けることができる。正孔輸送層を構成する材料としては、ポリアニリン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリビニルカルバゾール(PVK)誘導体、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)等を使用することができる。正孔輸送層を設ける場合も、本実施形態に係る成膜用マスク310を用いることが可能である。
上述の実施形態では、有機EL表示装置800は、ボトムエミッション型であったが、封止基板170の側から発光を取り出すトップエミッション型とすることも可能である。トップエミッション型の表示装置とする場合は、基板上に陰極電極を形成し、この陰極電極の上に有機EL発光層140を形成し、さらに最上層に陽極電極を形成する。そして、封止基板170の材質として例えばガラス等を用いる。さらに封止基板170の材質としては、光を透過させる性質を有するもので、かつ、硬質の基材であるならばガラス以外のポリスチレン、ポリプロピレン等の高分子化合物を材質とすることも可能である。
上述の実施形態では画素電極はドープ酸化インジウム(ITO)であったが、亜鉛ドープ酸化インジウム、酸化インジウム(In)等の透明導電材料から形成することも可能である。
実施形態に係る有機EL表示装置の製造方法により製造された有機EL表示装置の断面図である。 実施形態に係る成膜用マスクを説明する図であり、そのうち(a)は開口部が四角形の成膜用マスクであり、(b)は開口部が円形の成膜用マスクであり、(c)は成膜用マスクの断面図である。 スプレー塗布装置を説明する図である。 スプレー塗布装置により有機EL材料含有液が塗布される対象物を上面から説明する図である。 実施形態1に係る成膜用マスクを介して有機EL材料含有液をスプレー塗布するようすを説明する図であり、成膜用マスク側面は逆テーパ形状である。 実施形態2に係る成膜用マスクを介して有機EL材料含有液をスプレー塗布するようすを説明する図であり、成膜用マスク側面は、開口部内部から外部に向かって凸型の円弧状逆テーパ形状である。 実施形態3に係る成膜用マスクを介して有機EL材料含有液をスプレー塗布するようすを説明する図であり、成膜用マスク側面は、開口部内部から外部に向かって凹型の円弧状逆テーパ形状である。 実施形態4に係る成膜用マスクを介して有機EL材料含有液をスプレー塗布するようすを説明する図であり、成膜用マスク側壁の下端部に溝部が設けられている。 バンクが形成された後に成膜用マスクを介して有機EL材料含有液を塗布するようすを説明する図である。 下面部分が磁性体材質で形成された成膜用マスクを説明する図である。
符号の説明
110…ガラス基板、120…画素電極、130…バンク、140…有機EL発光層、150…層間絶縁膜、160…上部電極、170…封止ガラス、180…接着層、210…スプレー塗布装置、220…基板ステージ、230…フィルタ、310…成膜用マスク、320…開口部、320a…成膜用マスク上面の開口、320b…成膜用マスク下面の開口、321…側壁、322…上端部、323…下端部、324…円弧頂点、325…溝部、327…中心部、328…周辺部、510…ノズル、520…有機EL材料含有液、800…有機EL表示装置

Claims (8)

  1. 有機エレクトロルミネッセンス材料含有液の微粒子を通過させる開口部を有する平面状の板状体であり、
    前記開口部の対向する側壁が、前記有機エレクトロルミネッセンス材料含有液の微粒子の飛来方向に行くほど対向間隔が狭まる逆テーパ形状である、
    ことを特徴とする成膜用マスク。
  2. 前記側壁は撥液処理が施されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の成膜用マスク。
  3. 前記側壁の断面は、円弧状のテーパ形状である、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の成膜用マスク。
  4. 前記逆テーパ形状の角度は、20度以上70度以下である、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の成膜用マスク。
  5. ガラス基板上に配置された画素電極の上に、開口部を有する平面状の板状体であり、前記開口部の側壁が、微粒子の飛来方向に行くほど対向間隔が狭まる逆テーパ形状である、成膜用マスクを介して、有機エレクトロルミネッセンス材料含有液を塗布することで有機エレクトロルミネッセンス発光層を形成する、有機エレクトロルミネッセンス発光層形成工程を有する、
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
  6. 前記側壁は撥液処理が施されている、
    ことを特徴とする請求項5に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
  7. 前記側壁の断面は、円弧状のテーパ形状である、
    ことを特徴とする請求項5又は6に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
  8. 前記逆テーパ形状の角度は、20度以上70度以下である、
    ことを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
JP2007233064A 2007-09-07 2007-09-07 成膜用マスク及び有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法 Pending JP2009064727A (ja)

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