JP2009063789A - 光走査装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高コスト化を招くことなく、光利用効率を向上させる。
【解決手段】カップリングレンズ15及び線像形成レンズ17におけるコーティング層数を、いずれも各走査レンズにおけるコーティング層数よりも多くして、カップリングレンズ15及び線像形成レンズ17の光透過率を、いずれも各走査レンズの光透過率よりも大きくする。このように、表面処理の対象となる面の表面積が小さいほうの光学素子のコーティング層数を多くすることにより、コスト的にも有利であり、また、むらの少ない表面処理を施すことができる。従って、結果的に、高コスト化を招くことなく、光利用効率を向上させることが可能となる。
【選択図】図11

Description

本発明は、光走査装置及び画像形成装置に係り、更に詳しくは、光により被走査面を走査する光走査装置及び該光走査装置を備えた画像形成装置に関する。
近年、レーザプリンタやデジタル複写機などの画像形成装置では、印字速度の向上(高速化)及び書込密度の向上(高画質化)が望まれている。これらの要求を達成する方法として、複数の光束を出射できるマルチビーム光源を利用して、複数の光束により被走査面上を走査する方法が考えられた。
例えば、特許文献1には、変調駆動される光源と、共通の回転軸に多面の反射鏡を複数段有する偏向手段と、共通の光源からのビームを分割して偏向手段の相異なる段の反射鏡に分割されたビームを入射させる光束分割手段と、複数の被走査面と、偏向手段により走査されたビームを被走査面に導く走査光学系と、偏向手段により走査されたビームを検出する受光手段とを有し、共通の光源手段から分割したビームが相異なる被走査面を走査するようにした光走査装置が開示されている。
ところで、光源としては一般に半導体レーザが用いられており、従来は端面発光レーザがその主流であったが、近年、VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)と呼ばれる面発光レーザが登場してきた。面発光レーザでは、端面発光レーザに比べてアレイ化が容易であることから、端面発光レーザでは4ビームから8ビーム程度が限界であったアレイ化に対して、面発光レーザでは16ビームから32ビーム、またそれ以上のアレイ化が可能となっている。そのため、画像形成装置の印字速度の向上や、書込密度向上を達成するための光源として期待されている。
一方で、VCSELは出力が1mW程度と、従来の端面発光レーザーの10mW程度と比較して小さいため、光の有効利用が課題とされている。
そこで、例えば、特許文献2には、光ビームを出射するビーム出射手段と、複数の反射面を備えてビーム出射手段から出射された光ビームが反射して記録媒体上を走査するように該反射面を回転する回転多面鏡と、ビーム出射手段と回転多面鏡との間の光ビームの光路内に配置されると共に、回転多面鏡の1つの反射面の走査方向の幅より広い範囲にわたって回転多面鏡に光ビームが照射されるように、ビーム出射手段から出射された光ビームを拡大するビーム拡大手段と、ビーム出射手段と回転多面鏡との間の光ビームの光路内であって、回転多面鏡と記録媒体との間の光ビームの光路内に配置されると共に、回転多面鏡の反射面で反射された光ビームが記録媒体上を等速に走査可能にする第1走査レンズを備え、第1走査レンズ表面に、回転多面鏡の反射面で反射された光ビームが記録媒体上を走査する領域外であって、第1走査レンズのビーム出射手段から回転多面鏡への光ビームの光路が通過する領域に、記録媒体上の走査方向での光量分布が略均一となるように光ビームの通過強度を加減する表面処理を施した光走査装置が開示されている。
特開2006−284822号公報 特開2001−290093号公報
しかしながら、特許文献2に開示されている光走査装置では、走査レンズの表面の特定位置にコーティングを施す必要があり、走査レンズの表面に均一にコーティングする場合と比較して、生産工程及び検査工程が煩雑となり、高コスト化を招くという不都合があった。
本発明は、かかる事情の下になされたもので、その第1の目的は、高コスト化を招くことなく、光利用効率を向上させることができる光走査装置を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、高コスト化を招くことなく、高速で画像を形成することができる画像形成装置を提供することにある。
本発明は、第1の観点からすると、光により被走査面を走査する光走査装置であって、面発光レーザを含む光源と;前記光源からの光の光路上に配置され、少なくとも1つの透過光学素子を含む偏向器前光学系と;前記偏向器前光学系を介した光を偏向する偏向反射面を有する偏向器と;少なくとも1つの透過光学素子を含み、前記偏向器で偏向された光を前記被走査面上に集光する走査光学系と;を備え、前記偏向器前光学系の少なくとも1つの透過光学素子は、前記走査光学系の少なくとも1つの透過光学素子よりも光透過率が高くなるように表面処理が施されていることを特徴とする光走査装置である。
これによれば、偏向器前光学系の少なくとも1つの透過光学素子は、走査光学系の少なくとも1つの透過光学素子よりも光透過率が高くなるように表面処理が施されている。この場合、偏向器前光学系の少なくとも1つの透過光学素子は、走査光学系の少なくとも1つの透過光学素子よりも大きさが小さく、表面処理の対象となる面の表面積も小さい。そこで、コスト的に有利で、また、むらの少ない表面処理を施すことができる。従って、結果的に、高コスト化を招くことなく、光利用効率を向上させることが可能となる。
本発明は、第2の観点からすると、少なくとも1つの像担持体と;前記少なくとも1つの像担持体に対して画像情報が含まれる光を走査する少なくとも1つの本発明の光走査装置と;を備える画像形成装置である。
これによれば、少なくとも1つの本発明の光走査装置を備えているため、結果として、高コスト化を招くことなく、高速で画像を形成することが可能となる。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図11に基づいて説明する。図1には、本発明の一実施形態に係る画像形成装置としてのレーザプリンタ1000の概略構成が示されている。
このレーザプリンタ1000は、光走査装置1010、感光体ドラム1030、帯電チャージャ1031、現像ローラ1032、転写チャージャ1033、除電ユニット1034、クリーニングブレード1035、トナーカートリッジ1036、給紙コロ1037、給紙トレイ1038、レジストローラ対1039、定着ローラ1041、排紙ローラ1042、排紙トレイ1043、通信制御装置1050、及び上記各部を統括的に制御するプリンタ制御装置1060などを備えている。なお、これらは、プリンタ筐体1044の中の所定位置に収容されている。
通信制御装置1050は、ネットワークなどを介した外部機器との双方向の通信を制御する。
感光体ドラム1030は、円柱状の部材であり、その表面には感光層が形成されている。すなわち、感光体ドラム1030の表面が被走査面である。そして、感光体ドラム1030は、図1における矢印方向に回転するようになっている。
帯電チャージャ1031、現像ローラ1032、転写チャージャ1033、除電ユニット1034及びクリーニングブレード1035は、それぞれ感光体ドラム1030の表面近傍に配置されている。そして、感光体ドラム1030の回転方向に沿って、帯電チャージャ1031→現像ローラ1032→転写チャージャ1033→除電ユニット1034→クリーニングブレード1035の順に配置されている。
帯電チャージャ1031は、感光体ドラム1030の表面を均一に帯電させる。
光走査装置1010は、帯電チャージャ1031で帯電された感光体ドラム1030の表面に、上位装置(例えばパソコン)からの画像情報に基づいて変調された光束を照射する。これにより、感光体ドラム1030の表面では、画像情報に対応した潜像が感光体ドラム1030の表面に形成される。ここで形成された潜像は、感光体ドラム1030の回転に伴って現像ローラ1032の方向に移動する。なお、この光走査装置1010の構成については後述する。
トナーカートリッジ1036にはトナーが格納されており、該トナーは現像ローラ1032に供給される。
現像ローラ1032は、感光体ドラム1030の表面に形成された潜像にトナーカートリッジ1036から供給されたトナーを付着させて画像情報を顕像化させる。ここでトナーが付着した潜像(以下では、便宜上「トナー像」ともいう)は、感光体ドラム1030の回転に伴って転写チャージャ1033の方向に移動する。
給紙トレイ1038には記録紙1040が格納されている。この給紙トレイ1038の近傍には給紙コロ1037が配置されており、該給紙コロ1037は、記録紙1040を給紙トレイ1038から1枚づつ取り出し、レジストローラ対1039に搬送する。該レジストローラ対1039は、給紙コロ1037によって取り出された記録紙1040を一旦保持するとともに、該記録紙1040を感光体ドラム1030の回転に合わせて感光体ドラム1030と転写チャージャ1033との間隙に向けて送り出す。
転写チャージャ1033には、感光体ドラム1030の表面上のトナーを電気的に記録紙1040に引きつけるために、トナーとは逆極性の電圧が印加されている。この電圧により、感光体ドラム1030の表面のトナー像が記録紙1040に転写される。ここで転写された記録紙1040は、定着ローラ1041に送られる。
この定着ローラ1041では、熱と圧力とが記録紙1040に加えられ、これによってトナーが記録紙1040上に定着される。ここで定着された記録紙1040は、排紙ローラ1042を介して排紙トレイ1043に送られ、排紙トレイ1043上に順次スタックされる。
除電ユニット1034は、感光体ドラム1030の表面を除電する。
クリーニングブレード1035は、感光体ドラム1030の表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。なお、除去された残留トナーは、再度利用されるようになっている。残留トナーが除去された感光体ドラム1030の表面は、再度帯電チャージャ1031の位置に戻る。
次に、前記光走査装置1010の構成について説明する。
この光走査装置1010は、図2に示されるように、光源14、カップリングレンズ15、開口板16、線像形成レンズ17、ポリゴンミラー13、偏向器側走査レンズ11a、像面側走査レンズ11b、3つの折り曲げミラー(18a、18b、18c)、及び走査制御装置(図示省略)などを備えている。そして、これらは、ハウジング21の中の所定位置に組み付けられている。
なお、本明細書では、XYZ3次元直交座標系において、感光体ドラム1030の長手方向に沿った方向をY軸方向、各走査レンズ(11a、11b)の光軸に沿った方向をX軸方向として説明する。
光源14は、一例として図3に示されるように、40個の発光部が1つの基板上に形成された2次元アレイ100を有している。
なお、図3におけるM方向は、主走査方向に対応する方向であり、S方向は副走査方向に対応する方向(ここでは、Z軸方向と同じ)である。また、T方向はM方向からS方向に向かって傾斜角α(0°<α<90°)をなす方向である。
この2次元アレイ100は、T方向に沿って10個の発光部が等間隔に配置された発光部列を4列有している。そして、これら4列の発光部列は、S方向に等間隔に配置されている。すなわち、40個の発光部は、2次元配列されている。なお、本明細書では、「発光部間隔」とは2つの発光部の中心間距離をいうものとする。
また、各発光部は、発振波長が780nm帯のVCSELである。各発光部から射出される光束の発散角は、M方向、S方向共に7±1度である。そして、各発光部のニアフィールドパターンは、直径4μmの円形である。
図2に戻り、カップリングレンズ15は、光源14から射出された光束を略平行光とする。このカップリングレンズ15の焦点距離は47.7mmである。また、このカップリングレンズ15の入射面及び射出面は、ARコーティングとして、SiOの層とTiOの層が交互に合計7層、均一にコーティングされており、光透過率は99.2%である。
開口板16は、一例として、主走査方向に対応する方向の幅が5.44mm、副走査方向に対応する方向(ここでは、Z軸方向)の幅が2.1mmの矩形形状あるいは楕円形状の開口部を有し、カップリングレンズ15を介した光束のビーム径を規定する。
線像形成レンズ17は、開口板16の開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー13の偏向反射面近傍に副走査方向に対応する方向(ここでは、Z軸方向)に関して結像する。この線像形成レンズ17の焦点距離は107.0mmである。また、この線像形成レンズ17の入射面及び射出面は、ARコーティングとして、SiOの層とTiOの層が交互に合計5層、均一にコーティングされており、光透過率は98.1%である。
光源14とポリゴンミラー13との間の光路上に配置される光学系は、偏向器前光学系とも呼ばれている。本実施形態では、偏向器前光学系は、カップリングレンズ15と開口板16と線像形成レンズ17とから構成されている。
ポリゴンミラー13は、一例として内接円の半径が7mmの4面鏡を有し、各鏡がそれぞれ偏向反射面となる。このポリゴンミラー13は、副走査方向に対応する方向(ここでは、Z軸方向)に平行な軸の周りに等速回転し、線像形成レンズ17からの光束を偏向する。なお、ポリゴンミラー13への光束の入射角は70°であり、偏向反射面の回転による画角は72°である。
各偏向反射面はいずれも、誘電体多層膜のコーティングとして、SiOの層とTiOの層が交互に合計7層、均一にコーティングされており(図4参照)、反射率は98.5%である。コーティングの膜厚は約2500Å(0.25μm)である。なお、各偏向反射面は、銀コーティングによって反射率を向上させてもよい(図5参照)。また、銀は酸化されやすく、酸化されると、酸化による反射率の低下が考えられるため、銀の蒸着層の上にMgF2の層を酸化防止膜として形成するのが好ましい。この場合、膜厚は2000Å(0.2μm)であり、反射率は、98.5%である。
偏向器側走査レンズ11aは、ポリゴンミラー13で偏向された光束の光路上に配置されている。
像面側走査レンズ11bは、偏向器側走査レンズ11aを介した光束の光路上に配置されている。そして、この像面側走査レンズ11bを介した光束が、さらに3つの折り曲げミラー(18a、18b、18c)を介して感光体ドラム1030の表面に照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー13の回転に伴って感光体ドラム1030の長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム1030上を走査する。このときの光スポットの移動方向が「主走査方向」である。
偏向器側走査レンズ11a及び像面側走査レンズ11bの各面(入射面、射出面)は次の(1)式及び次の(2)式で表現される非球面である。ここで、XはX軸方向の座標、YはY軸方向の座標を示す。また、入射面の中央をY=0とする。Cm0はY=0における主走査方向に対応する方向の曲率を示し、曲率半径Rの逆数である。a00,a01,a02,・・・は主走査形状の非球面係数である。また、Cs(Y)はYに関する副走査方向に対応する方向の曲率、Rs0は副走査方向に対応する方向の光軸上の曲率半径、b00,b01,b02,・・・は副走査方向に対応する方向の非球面係数である。なお、光軸は、Y=0で副走査方向に対応する方向における中央の点を通る軸をいう。
各走査レンズの各面(入射面、射出面)におけるR、Rs0及び各非球面係数の値の一例が表1に示されている。
表1の値を前記(1)式に代入して得られた偏向器側走査レンズ11aの形状が図6に示されている。また、表1の値を前記(1)式に代入して得られた像面側走査レンズ11bの形状が図7に示されている。
表1の値を前記(2)式に代入して得られた偏向器側走査レンズ11aの入射面及び射出面におけるCs(Y)が図8に示されている。また、表1の値を前記(2)式に代入して得られた像面側走査レンズ11bの入射面及び射出面におけるCs(Y)が図9に示されている。
偏向器側走査レンズ11aの入射面及び射出面は、ARコーティングとして、SiOの層とTiOの層が交互に合計3層、均一にコーティングされており、光透過率は95.0%である。像面側走査レンズ11bの入射面及び射出面は、SiOの層とTiOの層が交互に合計3層、均一にコーティングされており、光透過率は97.0%である
各折り曲げミラーの反射面は、SiOの層とTiOの層が交互に合計5層、均一にコーティングされており、反射率は95.0%である。
ポリゴンミラー13と感光体ドラム1030との間の光路上に配置される光学系は、走査光学系とも呼ばれている。本実施形態では、走査光学系は、偏向器側走査レンズ11aと像面側走査レンズ11bと3つの折り曲げミラー(18a、18b、18c)とから構成されている。
走査光学系のいわゆる副走査横倍率は、−0.97倍である。なお、光学系全系の副走査横倍率は2.18倍である。また、走査光学系の主走査方向に対応する方向に関する焦点距離は237.8mm、副走査方向に対応する方向に関する焦点距離は71.4mmである。
そして、書込の幅(主走査方向に関する有効走査領域の長さ)は、323mmである。感光体ドラム1030の表面でのビームスポット径の狙いは、主走査方向で52μm、副走査方向で55μmである。
ところで、偏向器前光学系及び走査光学系の主要な光学素子の位置関係が図10に示されている。そして、図10における符号d1〜d11の具体的な値(単位mm)の一例が表2に示されている。
また、線像形成レンズ17からの光束の射出方向と、ポリゴンミラー13の偏向反射面により感光体ドラム1030の表面における像高0の位置(図10における符号p0の位置)へ向けて反射される光束の進行方向とのなす角(図10におけるθ)は60度である。
図11には、いずれの光学素子にもコーティングがなされていない場合(CASE1)と各光学素子に上記コーティングがなされている場合(CASE2)の光利用効率の違いが示されている。本実施形態では、上記コーティングによって、光利用効率は、コーティングがなされていないときの約2倍になっている。
以上説明したように、本実施形態に係る光走査装置1010によると、カップリングレンズ15及び線像形成レンズ17は、各走査レンズよりも光透過率が高くなるように表面処理が施されている。
カップリングレンズ15及び線像形成レンズ17は、各走査レンズよりも大きさが小さく、表面処理の対象となる面の表面積も小さい。そこで、コーティングの層数を多くしても、コスト的にも有利であり、また、むらの少ない表面処理を施すことができる。従って、結果的に、高コスト化を招くことなく、光利用効率を向上させることが可能となる。
また、ポリゴンミラー13は、各折り曲げミラーよりも反射率が高くなるように表面処理が施されている。ポリゴンミラー13の各偏向反射面は、各折り曲げミラーの反射面よりも面積が小さい。そこで、コーティングの層数を多くしても、コスト的にも有利であり、また、むらの少ない表面処理を施すことができる。
なお、光学素子のどれかにコーティングを施す場合には、偏向器前光学系やポリゴンミラーなど、表面処理の対象となる面の面積が小さい光学素子に優先的にコーティングするのが好ましい。
また、本実施形態に係るレーザプリンタ1000によると、高コスト化を招くことなく、光利用効率を向上させることができる光走査装置1010を備えているため、結果として、高コスト化を招くことなく、高速で画像を形成することが可能となる。
なお、上記実施形態では、光透過率の向上のために、ARコーティングを行う場合について説明したが、これに限らず、例えば、表面に微細構造を形成することで、光透過率を向上させてもよい。
また、上記実施形態では、2次元アレイ100が40個の発光部を有する場合について説明したが、これに限定されるものではない。
また、上記実施形態において、前記2次元アレイ100に代えて、複数の発光部が1次元配列された面発光レーザの1次元アレイを用いても良い。また、光源14が1つの発光部を有する面発光レーザを有しても良い。
なお、上記実施形態では、画像形成装置としてレーザプリンタ1000の場合について説明したが、これに限定されるものではない。要するに、光走査装置1010を備えた画像形成装置であれば、結果として、高コスト化を招くことなく、高速で画像を形成することが可能となる。
例えば、レーザ光によって発色する媒体(例えば、用紙)に直接、レーザ光を照射する画像形成装置であっても良い。
また、像担持体として銀塩フィルムを用いた画像形成装置であっても良い。この場合には、光走査により銀塩フィルム上に潜像が形成され、この潜像は通常の銀塩写真プロセスにおける現像処理と同等の処理で可視化することができる。そして、通常の銀塩写真プロセスにおける焼付け処理と同等の処理で印画紙に転写することができる。このような画像形成装置は光製版装置や、CTスキャン画像等を描画する光描画装置として実施できる。
また、多色のカラー画像を形成する画像形成装置であっても、カラー画像に対応した光走査装置を用いることにより、高コスト化を招くことなく、高速で画像を形成することが可能となる。
例えば、図12に示されるように、複数の感光体ドラムを備えるカラープリンタ2000であっても良い。
このカラープリンタ2000は、4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)を重ね合わせてフルカラーの画像を形成するタンデム方式の多色カラープリンタであり、光走査装置2010、4個の感光体ドラム(2030a、2030b、2030c、2030d)、4個の帯電チャージャ(2032a、2032b、2032c、2032d)、4個の現像ローラ(2033a、2033b、2033c、2033d)、4個のトナーカートリッジ(2034a、2034b、2034c、2034d)、4個のクリーニングケース(2031a、2031b、2031c、2031d)、転写ベルト2040、給紙トレイ2060、給紙コロ2054、レジストローラ対2056、定着ローラ2050、排紙トレイ2070、排紙ローラ2058、通信制御装置2050、及び上記各部を統括的に制御するプリンタ制御装置2060などを備えている。
光走査装置2010は、図13に示されるように、2個の光源ユニット(2200a、2200b)、2個のカップリングレンズ(2201a、2201b)、2個の光束分割プリズム(2202a、2202b)、ポリゴンミラー2104、4個のシリンドリカルレンズ(2204a、2204b、2204c、2204d)、4個の第1走査レンズ(2105a、2105b、2105c、2105d)、4個の第2走査レンズ(2107a、2107b、2107c、2107d)、12個の折り返しミラー(2108a、2108b、2108c、2108d、2109a、2109b、2109c、2109d、2110a、2110b、2110c、2110d)、及び不図示の走査制御装置などを備えている。
感光体ドラム2030a、帯電チャージャ2032a、現像ローラ2033a、トナーカートリッジ2034a、クリーニングケース2031a、シリンドリカルレンズ2204a、第1走査レンズ2105a、第2走査レンズ2107a、折り返しミラー2108a、折り返しミラー2109a、折り返しミラー2110aは、組として使用され、ブラックの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Kステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030b、帯電チャージャ2032b、現像ローラ2033b、トナーカートリッジ2034b、クリーニングケース2031b、シリンドリカルレンズ2204b、第1走査レンズ2105b、第2走査レンズ2107b、折り返しミラー2108b、折り返しミラー2109b、折り返しミラー2110bは、組として使用され、シアンの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Cステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030c、帯電チャージャ2032c、現像ローラ2033c、トナーカートリッジ2034c、クリーニングケース2031c、シリンドリカルレンズ2204c、第1走査レンズ2105c、第2走査レンズ2107c、折り返しミラー2108c、折り返しミラー2109c、折り返しミラー2110cは、組として使用され、マゼンタの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Mステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030d、帯電チャージャ2032d、現像ローラ2033d、トナーカートリッジ2034d、クリーニングケース2031d、シリンドリカルレンズ2204d、第1走査レンズ2105d、第2走査レンズ2107d、折り返しミラー2108d、折り返しミラー2109d、折り返しミラー2110dは、組として使用され、イエローの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Yステーション」ともいう)を構成する。
各光源ユニットは、前記2次元アレイ100を有している。
各カップリングレンズの入射面及び射出面は、上記カップリングレンズ15の入射面及び射出面と同様なコーティングが施されている。
各光束分割プリズムは、図14に示されるように、入射光の半分を透過させ、残りを反射するハーフミラー面と、該ハーフミラー面で反射された光の光路上にハーフミラー面に平行に配置されたミラー面とを有している。すなわち、各光束分割プリズムは、入射光を互いに平行な2つの光に分割する。
また、各光束分割プリズムの入射面及び射出面はいずれも、SiOの層とTiOの層が交互に合計7層、均一にコーティングされている。そして、分割後の2つの光の各光量は、いずれも分割前の光量を1とすると、0.474である。
各シリンドリカルレンズの入射面及び射出面は、上記線像形成レンズ17の入射面及び射出面と同様なコーティングが施されている。
ポリゴンミラー2104は、2段構造の4面鏡を有し、各鏡がそれぞれ偏向反射面となる。ポリゴンミラー2104の各偏向反射面はいずれも、上記ポリゴンミラー13の各偏向反射面と同様なコーティングが施されている。
各第1走査レンズの入射面及び射出面は、上記偏向器側走査レンズ11aの入射面及び射出面と同様なコーティングが施されている。
各第2走査レンズの入射面及び射出面は、上記像面側走査レンズ11bの入射面及び射出面と同様なコーティングが施されている。
各折り返しミラーの反射面は、上記折り曲げミラー18aの反射面と同様なコーティングが施されている。
光源ユニット2200aから射出された光束は、光束分割プリズム2202aでKステーション用の光束とCステーション用の光束とに分割される(図13参照)。また、光源ユニット2200bから射出された光束は、光束分割プリズム2202bでMステーション用の光束とYステーション用の光束とに分割される。
Kステーション用の光束は、シリンドリカルレンズ2204aを介してポリゴンミラー2104の上段で偏向された後、第1走査レンズ2105a、第2走査レンズ2107a、折り返しミラー2108a、折り返しミラー2109a、及び折り返しミラー2110aを介して感光体ドラム2030aの表面に集光される(図13参照)。
Cステーション用の光束は、シリンドリカルレンズ2204bを介してポリゴンミラー2104の下段で偏向された後、第1走査レンズ2105b、折り返しミラー2108b、折り返しミラー2109b、第2走査レンズ2107b、及び折り返しミラー2110bを介して感光体ドラム2030bの表面に集光される(図13参照)。
Mステーション用の光束は、シリンドリカルレンズ2204cを介してポリゴンミラー2104の下段で偏向された後、第1走査レンズ2105c、折り返しミラー2108c、折り返しミラー2109c、第2走査レンズ2107c、及び折り返しミラー2110cを介して感光体ドラム2030cの表面に集光される。
Yステーション用の光束は、シリンドリカルレンズ2204dを介してポリゴンミラー2104の上段で偏向された後、第1走査レンズ2105d、第2走査レンズ2107d、折り返しミラー2108d、折り返しミラー2109d、及び折り返しミラー2110dを介して感光体ドラム2030dの表面に集光される。
図15には、カラープリンタ2000において、いずれの光学素子にもコーティングがなされていない場合(CASE3)と各光学素子に上記コーティングがなされている場合(CASE4)の光利用効率の違いが示されている。本実施形態では、上記コーティングによって、光利用効率は、コーティングがなされていないときの約2倍になっている。また、図16に示されるように、光源ユニットからの光束を2分割しても、所望の最大走査速度及び印刷速度を維持することができる。
なお、このカラープリンタ2000において、光走査装置を1色毎に設けても良いし、2色毎に設けても良い。
また、このカラープリンタ2000において、前記光束分割プリズムは、偏向器前光学系及び走査光学系のいずれかに配置されていれば良い。
以上説明したように、本発明の光走査装置によれば、高コスト化を招くことなく、光利用効率を向上させるのに適している。また、本発明の画像形成装置によれば、高コスト化を招くことなく、高速で画像を形成するのに適している。
本発明の一実施形態に係るレーザプリンタの概略構成を説明するための図である。 図1における光走査装置を示す概略図である。 図2における光源に含まれるVCSELの2次元アレイを説明するための図である。 偏向反射面に施されている誘電体多層膜のコーティングを説明するための図である。 偏向反射面における銀コーティングを説明するための図である。 図2における偏向器側走査レンズ11aの形状を説明するための図である。 図2における像面側走査レンズ11bの形状を説明するための図である。 図2における偏向器側走査レンズ11aの副走査方向の曲率を説明するための図である。 図2における像面側走査レンズ11bの副走査方向の曲率を説明するための図である。 図2の光走査装置における主要な光学素子の位置関係を説明するための図である。 コーティングの効果を説明するための図である。 タンデムカラー機の概略構成を示す図である。 図12における光走査装置の一部を示す斜視図である。 光束分割プリズムを説明するための図である。 コーティングの効果を説明するための図(その1)である。 コーティングの効果を説明するための図(その2)である。
符号の説明
11a…偏向器側走査レンズ(走査光学系の一部)、11b…像面側走査レンズ(走査光学系の一部)、13…ポリゴンミラー(偏向器)、14…光源、15…カップリングレンズ(偏向器前光学系の一部)、17…シリンドリカルレンズ(偏向器前光学系の一部)、100…2次元アレイ(面発光レーザ)、1000…レーザプリンタ(画像形成装置)、1010…光走査装置、1030…感光体ドラム(像担持体)、2000…カラープリンタ(画像形成装置)、2010…光走査装置、2030a,2030b,2030c,2030d…感光体ドラム(像担持体)、2104…ポリゴンミラー(偏向器)、2105a〜2105d…第1走査レンズ(走査光学系の一部)、2107a〜2107d…第2走査レンズ(偏向器前光学系の一部)、2108a〜2108d…折り返しミラー(走査光学系の一部)、2109a〜2109d…折り返しミラー(走査光学系の一部)、2201a〜2201d…カップリングレンズ(偏向器前光学系の一部)、2202a…光束分割プリズム(光分割素子)、2202b…光束分割プリズム(光分割素子)、2204a〜2204d…シリンドリカルレンズ(偏向器前光学系の一部)。

Claims (8)

  1. 光により被走査面を走査する光走査装置であって、
    面発光レーザを含む光源と;
    前記光源からの光の光路上に配置され、少なくとも1つの透過光学素子を含む偏向器前光学系と;
    前記偏向器前光学系を介した光を偏向する偏向反射面を有する偏向器と;
    少なくとも1つの透過光学素子を含み、前記偏向器で偏向された光を前記被走査面上に集光する走査光学系と;を備え、
    前記偏向器前光学系の少なくとも1つの透過光学素子は、前記走査光学系の少なくとも1つの透過光学素子よりも光透過率が高くなるように表面処理が施されていることを特徴とする光走査装置。
  2. 前記表面処理は、反射防止多層膜のコーティングであり、
    前記走査光学系の少なくとも1つの透過光学素子にも反射防止多層膜のコーティングが施されており、
    前記偏向器前光学系の少なくとも1つの透過光学素子にコーティングされている前記反射防止多層膜の層数は、前記走査光学系の少なくとも1つの透過光学素子にコーティングされている前記反射防止多層膜の層数よりも多いことを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
  3. 前記走査光学系は、少なくとも1つの反射光学素子を含み、
    前記偏向反射面は、前記走査光学系の少なくとも1つの反射光学素子よりも反射率が高くなるように表面処理が施されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光走査装置。
  4. 前記偏向反射面に施されている表面処理は、多層膜のコーティングであり、そのうちの1層は銀の蒸着層を含むことを特徴とする請求項3に記載の光走査装置。
  5. 前記偏向反射面に施されている表面処理は、誘電体多層膜のコーティングであり、
    前記走査光学系の少なくとも1つの反射光学素子にも誘電体多層膜のコーティングが施されており、
    前記偏向反射面にコーティングされている前記誘電体多層膜の層数は、前記走査光学系の少なくとも1つの反射光学素子にコーティングされる前記誘電体多層膜の層数よりも多いことを特徴とする請求項3に記載の光走査装置。
  6. 前記偏向器前光学系及び前記走査光学系の一方は、入射光を複数の光に分割する光分割素子を更に含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光走査装置。
  7. 少なくとも1つの像担持体と;
    前記少なくとも1つの像担持体に対して画像情報が含まれる光を走査する少なくとも1つの請求項1〜6のいずれか一項に記載の光走査装置と;を備える画像形成装置。
  8. 前記画像情報は、多色の画像情報であることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
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