JP2009063086A - 軸継手 - Google Patents

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聡 宇都宮
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Abstract

【課題】平行な2軸間で互いに直交する案内溝の交差位置に配した円筒状転動体を介して動力を伝達する方式の軸継手において、転動体の転動とともに往復運動するスライダと転動体の保持器との間に組み込まれる直動軸受の位置ずれを防止することである。
【解決手段】保持器4を挟んで対向する直動軸受13どうしを、保持器4の外周縁を跨ぐように両直動軸受13のリテナー15と一体成形される板状の連結片16で連結することにより、軸継手に大きなトルクが負荷されたときに、シャフト(円筒状転動体)3が僅かに傾いて各スライダ9と保持器4の間の空間が互いに逆向きのくさび状になっても、直動軸受13が互い逆方向にずれないようにしたのである。これにより、シャフト3の傾きを抑えた状態でスライダ9を円滑に往復運動させることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、互いに平行な2軸を連結して2軸間で動力を伝達する軸継手に関する。
一般的な機械装置の2つの軸を連結して駆動側から従動側へ動力を伝達する軸継手は、連結する2軸の位置関係によって構造が異なり、2軸が1直線上にあるもの、交差するもの、互いに平行な(かつ同心でない)ものに大別される。
このうちの平行な2軸を連結する軸継手として、本出願人は、平行な2軸間で互いに直交する案内溝の交差位置に配した円筒状転動体を介して動力を伝達する方式のものを提案した(特許文献1参照。)。
特開2006−329330号公報
図12(a)は、上述した方式の軸継手の一例を示す。この軸継手は、軸方向で対向する2つの回転部材51、52に、複数の案内溝53、54を相手側の案内溝と直交するように設け、各案内溝交差位置にシャフト(円筒状転動体)55を配して、その両端部を各案内溝53、54で案内し、中央部を保持器56の長孔57に通して保持するようにしたものである。
前記各シャフト55は、その両端部の外周に嵌め込まれた転がり軸受58を介して、各案内溝53、54と転接している。また、シャフト55中央部は保持器56の両側のスライダ59に通されており、両スライダ59を連結する柱部材60の外周に保持器56の長孔57内を転動する転がり軸受61が嵌め込まれて、シャフト55が保持器56に回転部材径方向の移動を拘束された状態となっている。そして、この状態でシャフト55が駆動側の回転部材51に押されることにより、案内溝53、54および保持器56の長孔57の内側を転動しながら従動側の回転部材52を押して動力を伝達する。
ここで、前記スライダ59は、両回転部材51、52と保持器56から作用点および方向の異なる力を受けるシャフト55を通した状態で保持器56と係合して、シャフト55の軸を含む平面内での回転を拘束することにより、シャフト55が回転部材軸方向に対して傾いて案内溝53、54に噛み込むトラブルを防止しようとするものである。
ところで、この軸継手では、各スライダ59と保持器56との間に直動軸受62を介在させて、シャフト55の転動に伴うスライダ59の往復運動が円滑に行われるようにしているが、この直動軸受62については以下のような問題があった。
まず、この軸継手においては、その特有の構造により、保持器56を挟んで対向する2つの直動軸受62の位置が互い逆方向に大きくずれやすいという問題がある。そのメカニズムについて以下に説明する。この直動軸受62は、スライダ59の保持器56との対向面に設けられた凹部59aに収容されている。その凹部59aは、直動軸受62が転がり運動をする際にスライダ59移動量の1/2の距離を移動するため、継手偏心量分だけ直動軸受62よりも長く形成されている。そして、軸継手組立時には、スライダ59が移動範囲の中央にあるときに直動軸受62が凹部59aの中央に位置するようにセットされている(図12(a))。
ここで、軸継手に負荷されるトルクが小さいときには、スライダ59の動きに合わせて直動軸受62が転がり運動するためスライダ59の往復運動は円滑に行われるが、負荷トルクが大きくなると、図12(b)に示すように、シャフト55が回転部材軸方向に対して傾き、直動軸受62を収容する凹部59aの内面と保持器56に囲まれた空間がくさび状になるため、スライダ59の往復運動に伴って各直動軸受62がくさび状空間の広い側へ徐々にずれてしまう。このようにして保持器56を挟んで対向する2つの直動軸受62が互い逆方向にずれ始めると、シャフト55がさらに傾いて直動軸受62の位置ずれが助長され、最終的には各直動軸受62が凹部59aの長手方向端に当接するまでずれてシャフト55が大きく傾いてしまう。この状態になると、直動軸受62の転がり運動は阻害され、スライダ59が円滑に往復運動できなくなる。最悪の場合には、スライダ59の端部が保持器56に接触して、スライダ59の往復運動に対する抵抗が非常に大きくなり、スライダ59や保持器56の損傷をまねくおそれもある。
また、この直動軸受62は、複数のローラ63とこれらの各ローラ63をポケットに収容して並列に保持する板状のリテナー64とからなり、このリテナー64の端部がスライダ59の凹部59aの長手方向端に当接することにより、運動方向に脱落しないようになっている。ところが、そのリテナー64は、一般に薄い鋼板を曲げ加工したものや合成樹脂の成型品が用いられ、ローラ63を収容するポケットが多数あけられているため、スライダ凹部59aの長手方向端への衝突により強い力が加わると、変形もしくは損傷してしまうおそれがある。
また、上記のように直動軸受62の抜け止めはスライダ凹部59aの長手方向端で行われており、その凹部59aの端縁部を形成するためにスライダ59の運動方向のサイズが大きくなっている。スライダ59寸法の増大は次のような弊害を伴う。すなわち、両回転部材51、52が偏心した状態では、スライダ59の位置関係により重心位置がずれるため、スライダ59の重量が大きくなるほど、各回転部材51、52を回転自在に支持する軸受にかかる負担が大きくなり、振動も発生しやすくなる。さらに、偏心状態の軸継手の最外周に位置するのはスライダ59であるため、スライダ59が大きくなるほど、軸継手を収容するスペースを広くとらなければならなくなる。
また、直動軸受62を収容するスライダ凹部59aの底面は、直動軸受62のローラ63が大きな荷重を受けながら転動するので、ローラ63の転動疲労や摩耗等の損傷を防ぐために、熱処理等の表面硬化処理を施したうえで、平面研削により平滑に仕上げることが望ましい。しかしながら、実際には、スライダ凹部59aが四方を閉ざされた有底の角穴であるため、その底面の平面研削は困難であり、ハードミーリングやラップ加工により仕上げを行っている。その結果、スライダ凹部59aは、底面の平滑さが十分でなく、直動軸受62の寿命短縮をまねきやすいうえ、加工の手間やコストが非常に多くかかるものとなっている。
本発明の第1の課題は、平行な2軸間で互いに直交する案内溝の交差位置に配した円筒状転動体を介して動力を伝達する方式の軸継手において、転動体の転動とともに往復運動するスライダと転動体の保持器との間に組み込まれる直動軸受の位置ずれを防止することであり、第2の課題は、その直動軸受の変形や損傷を防止することである。また、第3の課題は、直動軸受の組み込みに伴うスライダ寸法の増大を抑えることであり、第4の課題は、直動軸受を収容するための凹部をなくすことである。
上記第1の課題を解決するため、本発明は、軸方向で対向し、回転軸が互いに平行でかつ同心でない状態に保持される2つの回転部材のそれぞれの対向面に、複数の直線状に延びる案内溝を相手側の回転部材の対応する位置の案内溝と直交するように設け、前記両回転部材の案内溝が交差する位置に、各案内溝に両端部を案内されて転動する円筒状の転動体を配し、前記各案内溝と所定の角度をなす直線状の長孔に前記各転動体の中央部を通して各転動体の回転部材径方向の移動を拘束する保持器を設けて、前記各転動体を介して前記両回転部材間で動力を伝達するようにし、前記各回転部材と保持器との間に、前記転動体を貫通孔に通した状態で前記保持器と係合して転動体の軸を含む平面内での回転を拘束するスライダを設け、前記各スライダと保持器との間に、複数のローラとこれらの各ローラをポケットに収容して並列に保持する板状のリテナーとからなる直動軸受を組み込んだ軸継手において、前記保持器を挟んで対向する直動軸受どうしを連結片で連結した。
すなわち、保持器を挟んで対向する直動軸受どうしを連結片で連結することにより、大きなトルクが負荷されたときに、転動体およびスライダが回転部材軸方向に対して僅かに傾いて、各スライダと保持器の間の空間が互いに逆向きのくさび状になっても、直動軸受が互い逆方向にずれていかないようにしたのである。
上記の構成において、前記直動軸受の連結片(直動軸受どうしを連結する連結片、以下「直動軸受連結片」とも記す。)は、前記保持器の内周縁または外周縁を跨いで、前記保持器を挟んで対向する2つの直動軸受のリテナーを連結するものとすることができる。
ここで、前記保持器を挟んで対向する2つの直動軸受のリテナーと前記直動軸受連結片とは、断面コの字形に一体成形してもよいし、断面コの字形に接合してもよい。
そして、第2の課題を解決するには、前記保持器を挟んで対向するスライダどうしを、前記保持器の内周縁または外周縁を跨ぐ連結部材で連結し、このスライダ連結部材を、前記直動軸受の運動方向で前記直動軸受連結片を受け止めて直動軸受の移動範囲を制限するものとすればよい。このようにすれば、従来のように直動軸受のリテナーが直動軸受の抜け止め部に直接当たることがなくなり、リテナーの変形や損傷を防止することができる。
具体的には、前記スライダ連結部材の両端部に、前記直動軸受連結片の運動方向端部を受け止めるストッパを設けるとよい。あるいは、前記スライダ連結部材と直動軸受連結片の互いの対向面の一方に、前記直動軸受の運動方向に延びる長穴を設け、他方に前記長穴に挿入される突起を設けて、この突起が前記長穴の長手方向端で受け止められるようにしてもよい。後者の構造では、前者に比べてスライダ連結部材の両端部のストッパが不要となる分、スライダの運動方向のサイズを小さくでき、第3の課題を解決できる。従って、スライダの軽量化に伴って、各回転部材を支持する軸受の寿命延長や振動の抑制が図れるし、軸継手を収容するスペースも小さくできる。
また、前記保持器を挟んで対向するスライダどうしを、前記保持器の内周縁または外周縁を跨ぐ連結部材で連結するとともに、前記保持器の内周面と外周面のうちの前記スライダ連結部材と対向する面に、前記保持器の長孔と平行な平面部を設け、前記直動軸受連結片を前記スライダ連結部材と保持器の平面部との間に通して、前記スライダ連結部材の直動軸受連結片との対向面および保持器の平面部を、前記直動軸受連結片を直動軸受の運動方向に案内する案内面とすれば、スライダに直動軸受を収容して案内するための凹部を設ける必要がなくなり、第4の課題を解決できる。
一方、上記のように保持器を跨ぐ直動軸受連結片を採用する代わりに、前記保持器の直動軸受との対向面に直動軸受の運動方向に延びる貫通孔を設け、前記直動軸受連結片を、前記保持器の貫通孔に通されて、前記保持器を挟んで対向する2つの直動軸受のリテナーを連結するものとしてもよい。
この場合は、前記保持器の貫通孔を、その長手方向端で前記直動軸受連結片を受け止めて直動軸受の移動範囲を制限するものとすることにより、第2および第3の課題を解決でき、前記保持器の貫通孔の内面を、前記直動軸受連結片を直動軸受の運動方向に案内する案内面とすることにより、第4の課題を解決できる。
そして、前記直動軸受連結片として、保持器を跨ぐものと保持器の貫通孔に通されるもののいずれを採用する場合も、前記直動軸受連結片とこの連結片を受け止める部位の少なくとも一方に緩衝部材を取り付ければ、連結片の衝突の衝撃が緩和され、直動軸受の変形や損傷をより生じにくくすることができる。
また、前記直動軸受連結片とこの連結片を直動軸受の運動方向に案内する案内面の少なくとも一方に摺動部材を取り付けたり、前記直動軸受連結片とこの連結片を直動軸受の運動方向に案内する案内面との間に、前記連結片または案内面と転接する転動体を有する転がり案内機構を形成したりすることにより、直動軸受の動きをよりスムーズにすることができる。
さらに、前述のようにして前記スライダの凹部を不要とした場合には、前記スライダの直動軸受との対向面を平坦面とすることにより、その面の加工が容易になって従来よりも平滑性が向上し、直動軸受の寿命向上が期待できる。また、その面を研削加工により仕上げることで、従来に比べて加工の手間とコストを大幅に削減できる。
本発明の軸継手は、上述したように、転動体の転動とともに往復運動するスライダと転動体の保持器との間に組み込まれる直動軸受のうち、保持器を挟んで対向するものどうしを連結片で連結して互い逆方向にずれないようにしたものであるから、大きなトルクが負荷されたときにも、スライダおよび転動体の保持器に対する傾きが抑えられ、スライダが円滑に往復運動することができる。
以下、図1乃至図11に基づき、本発明の実施形態を説明する。図1乃至図3は、第1の実施形態を示す。この軸継手は、軸方向で対向し、回転軸が互いに平行な状態に保持される入出力軸A、Bのそれぞれに固定されるプレート(回転部材)1、2と、両プレート1、2間に配される複数のシャフト(円筒状転動体)3と、各シャフト3のプレート径方向の移動を拘束する保持器4とを備え、各シャフト3を介して両プレート1、2間で動力を伝達するものである。なお、図1乃至図3は、説明上、入出力軸A、Bが同心の状態を示しているが、通常は後述するように入出力軸A、Bの回転軸がずれた(偏心した)状態で使用される。
前記各プレート1、2は、それぞれドーナツ状の円盤で、入力軸Aおよび出力軸Bの軸端部外周に嵌め込まれて、軸方向で対向する状態で固定されている。各プレート1、2には、それぞれ複数の案内溝5、6が周方向に等間隔で相手側のプレートの対応する位置の案内溝と直交するように設けられており、各案内溝交差位置にシャフト3がプレート軸方向と平行に組み込まれている。
前記各案内溝5、6は、それぞれ直線状に延びるように形成されており、その内側面には一定の深さの凹部5a、6aが設けられ、この凹部5a、6aでシャフト3の両端部を案内するようになっている。なお、各案内溝は、必ずしもこの実施形態のようにプレートを貫通する必要はなく、両プレートの対向面に設けられていればよい。
前記保持器4は、環状に形成され、各案内溝5、6と45度をなす方向に直線状に延びる長孔7が周方向に等間隔で複数設けられており、これらの各長孔7にシャフト3の中央部を通して保持するようになっている。また、その外周面には、各長孔7に沿うように長孔7と平行な平面部4aが設けられている。
前記各シャフト3は、その両端部の外周に嵌め込まれた転がり軸受8を介して、各案内溝5、6の凹部5a、6aと転接している。また、シャフト3中央部は保持器4の両側に設けられたスライダ9の貫通孔に通されており、保持器4の長孔7を貫通して両スライダ9を連結する2本の柱部材10の外周に、保持器4の長孔7内を転動する転がり軸受11がそれぞれ嵌め込まれて、シャフト3が保持器4にプレート径方向の移動を拘束された状態となっている。なお、シャフト3の軸方向の抜け止めは、シャフト3両端部の外周に設けた環状溝に止め輪を嵌め込むことにより行っている。
前記各スライダ9は、保持器4を挟んで対向するものどうしが、保持器4の外周平面部4aを跨ぐ連結部材12によっても連結されている。その連結は、ねじ止めによって行われているが、止め輪、かしめ、溶接等の手段を採用することもできる。そして、各スライダ9と保持器4との間には直動軸受13が組み込まれ、各スライダ9が直動軸受13を介して保持器4と係合するようになっている。
前記各直動軸受13は、複数のローラ14とこれらの各ローラ14をポケットに収容して並列に保持する板状のリテナー15とからなり、保持器4を挟んで対向するものどうしが、スライダ9の連結部材12と保持器4の外周平面部4aとの間に通された板状の連結片16によって連結されている。その連結は、保持器4を挟んで対向する2つのリテナー15と連結片16とを断面コの字形に一体成形することによって行われている。この方法で連結すれば、部品点数を削減できるほか、対向する2つの直動軸受13間の距離の精度が確保しやすく、スライダ9の動きの円滑さの点でも有利である。また、図示は省略するが、別の連結方法として、2つのリテナーと連結片とを別体とし、これらの3つの部材をねじ止め、かしめ、溶接等により断面コの字形に接合してもよい。リテナーと連結片とを接合する場合は、一体成形に比べて手間はかかるものの、連結片を換えることで保持器の厚み変更に対応できる等、多品種への対応が可能になるし、リテナーと連結片との境界に曲げR部がないため、ローラを長くして直動軸受の動きの安定性向上を図ることができる。
そして、上記のように保持器4を挟んで連結された2つの直動軸受13は、その連結片16がスライダ連結部材12の連結片16との対向面と保持器4の平面部4aとによって運動方向に案内されて、ローラ14の傾きの少ない安定した状態で転がり運動するとともに、連結片16の運動方向端部をスライダ連結部材12の両端部に設けられたストッパ17に受け止められて、移動範囲を制限されるようになっている。なお、連結片16とこれを案内するスライダ連結部材12および保持器平面部4aとは摺動することになるため、これらの各部材の対向面には熱処理等による表面硬化処理を施すことが好ましい。
次に、この軸継手の動力伝達のメカニズムについて説明する。この軸継手の入力軸Aが回転駆動されて、これに固定されたプレート1が回転すると、この入力側プレート1の案内溝5に周方向から押されたシャフト3が、保持器4でプレート径方向の移動を拘束された状態で、出力軸Bに固定されたプレート2の案内溝6を押して出力側プレート2を回転させることにより、出力軸Bに動力が伝達される。なお、入力軸Aの回転方向が変わったり、入出力軸A、Bの駆動側と従動側が逆になったりしても、同じメカニズムで動力伝達が行われる。
上記動力伝達メカニズムは、入出力軸A、Bが偏心した通常の使用状態でも基本的に同じである。すなわち、図示は省略するが、入出力軸A、Bが偏心すると、案内溝5、6の交差位置がプレート周方向で変化し、各シャフト3が案内溝5、6および保持器4の長孔7の内側を移動しながら両プレート1、2間で動力を伝達するようになる。
この軸継手は、上記の構成であり、運転時の各シャフト3には、シャフト3が各プレート1、2から受ける力によって回転モーメントが発生するが、シャフト3を通すスライダ9を直動軸受13を介して保持器4と係合させるとともに、保持器4を挟んで対向する直動軸受13どうしを連結して互い逆方向にずれないようにしたので、大きなトルクが負荷されても、シャフト3の軸を含む平面内での回転が確実に拘束され、シャフト3の傾きを抑えた状態でスライダ9を円滑に往復運動させることができる。
また、直動軸受13は、その連結片16でスライダ連結部材12のストッパ17に抜け止めされるようになっており、従来のようにリテナー15が抜け止め部に衝突して変形したり損傷したりするおそれがなく、また連結片16の方が多数のポケットを有するリテナー15よりも側方からの外力に対する強度が高く、連結片16がストッパ17に衝突しても変形や損傷を生じにくいので、長期間安定して使用できる。
さらに、スライダ連結部材12の直動軸受連結片16との対向面および保持器4の平面部4aを、直動軸受連結片16を直動軸受13の運動方向に案内する案内面としたので、従来のように直動軸受を収容する凹部をスライダに設ける必要がない。このため、スライダ9の直動軸受13との対向面は平坦面とすることができ、研削加工により仕上げられるようになっている。この結果、従来に比べて、その面の加工が容易になって平滑性の向上による直動軸受の寿命向上が期待できるとともに、加工の手間とコストを大幅に削減できる。
なお、この実施形態では、スライダおよび直動軸受を保持器の長孔よりも外周側に設けて、保持器を挟んで対向するスライダどうしおよび直動軸受どうしを、それぞれ保持器の外周縁を跨ぐ連結部材および連結片で連結したが、スライダおよび直動軸受を保持器の長孔よりも内周側に設けて、連結部材および連結片は保持器の内周縁を跨ぐものとすることもできる。
図4および図5は、上述した第1の実施形態における直動軸受の案内機構の変形例を示す。このうち、図4に示した例では、直動軸受連結片16のスライダ連結部材12との対向面および保持器平面部4aとの対向面に、摺動部材(すべり軸受)18を取り付けている。これにより、直動軸受13の動きをよりスムーズにして、連結片16の早期摩耗や損傷を防止することができる。なお、摺動部材18は、連結片16を案内する面、すなわちスライダ連結部材12や保持器平面部4aの側に取り付けてもよいし、連結片16とその案内面の両側に取り付けてもよい。
一方、図5に示した例では、直動軸受連結片16に複数のポケットを設け、これらの各ポケットにスライダ連結部材12および保持器平面部4aと転接するローラ19を配して転がり案内機構を形成している。この例でも、図4の例と同様の効果が期待できる。
なお、後述する各実施形態においても、上記と同様に、直動軸受の動きをよりスムーズにするために、その連結片と案内面との間に摺動部材を介在させたり、転がり案内機構を形成したりすることができる。
図6乃至図8は、第2の実施形態を示す。この実施形態では、第1の実施形態をベースとして、スライダ連結部材12の両端部にストッパ17を設ける代わりに、直動軸受連結片16のスライダ連結部材12との対向面に直動軸受13の運動方向に延びる長穴20を設けるとともに、スライダ連結部材12の直動軸受連結片16との対向面にあけた穴にピン21を圧入して、連結片16の長穴20に挿入される突起22を設け、この突起22が連結片16の長穴20の長手方向端で受け止められるようにしている。これにより、第1の実施形態に比べてスライダ連結部材12のストッパ17をなくせる分、スライダ9の運動方向のサイズが小さくなるので、軸継手を収容するスペースを削減できるし、スライダの軽量化に伴って、各プレート1、2を支持する軸受(図示省略)の寿命延長や振動の抑制が図れる。
なお、直動軸受連結片の長穴に挿入される突起を形成する方法は、上記のようなピンの圧入に限らず、ピンをねじ止めや溶接で取り付けてもよいし、スライダ連結部材と突起を一体成形するようにしてもよい。また、突起と長穴の位置関係を逆にして、直動軸受連結片の側にプレス加工等で突起を設け、スライダ連結部材の側に長穴を設けるようにしてもよい。
図9は、第2の実施形態の変形例を示す。この変形例では、スライダ連結部材12の突起22の外周に、軸方向両端にフランジを有する筒状の緩衝部材23を嵌め込むことにより、スライダ連結部材12の突起22が直動軸受連結片16の長穴20の長手方向端に衝突するときの衝撃を緩和して、直動軸受13の変形や損傷をより生じにくくしている。緩衝部材23の材質としては、ゴムに代表されるエラストマーやウレタン、プラスチック等の軟質なものを採用すればよい。また、この緩衝部材23は、その両端のフランジがそれぞれ直動軸受連結片16の上下面と摺動するようになっており、連結片16の早期摩耗や損傷を防止する機能も有している。
なお、直動軸受を保護する緩衝部材は、突起と長穴の少なくとも一方に取り付ければよい。また、第1の実施形態や後述する第3の実施形態においても、この例と同様に、直動軸受の連結片を保護するために、連結片とこの連結片を受け止める部位の少なくとも一方に緩衝部材を取り付けることができる。
図10および図11は、第3の実施形態を示す。この実施形態では、スライダ9および直動軸受13の連結構造が第1および第2の実施形態と異なる。すなわち、スライダ9については、保持器4の外周縁を跨ぐ連結部材12をなくして、保持器4の長孔7を貫通する2本の柱部材10のみで連結するようにした。また、直動軸受13については、保持器4の外周縁を跨ぐ連結片16を設ける代わりに、保持器4の直動軸受13との対向面に直動軸受13の運動方向に延びる貫通孔24を設け、この貫通孔24に通される棒状の連結片25により、保持器4を挟んで対向する2つの直動軸受13のリテナー15を連結するようにした。この連結構造では、直動軸受13のローラ14の転動面積が多少狭くなる難点はあるものの、スライダ連結部材12がなく、直動軸受連結片25も保持器4の外周からはみ出さないので、第1、第2実施形態の連結構造に比べて、スライダ9の継手外周方向への張り出しがほとんどなくなり、スライダ9の大幅な小型化、軽量化が図れる。
また、保持器4の貫通孔24は、その長手方向端で直動軸受連結片25を受け止めて直動軸受13の移動範囲を制限するようになっているので、第1、第2の実施形態と同様、直動軸受13のリテナー15の変形や損傷を防止でき、スライダ9の運動方向のサイズを小さくすることもできる。さらに、保持器4の貫通孔24の内面が連結片25を直動軸受13の運動方向に案内する案内面となっているので、第1、第2実施形態と同様に、従来のスライダの凹部が不要になり、スライダ9の直動軸受13との対向面が平坦で簡単に研削加工できるものとなっている。
第1実施形態の軸継手の一部切欠き側面図 図1の要部を拡大した一部切欠き側面図 図2のIII−III線断面図 図1の軸継手の変形例の図3に対応する断面図 図1の軸継手の他の変形例の図3に対応する断面図 第2実施形態の軸継手の要部を拡大した一部切欠き側面図 図6のVII−VII線断面図 図6のVIII−VIII線断面図 図6の軸継手の変形例の図8に対応する断面図 第3実施形態の軸継手の要部を拡大した一部切欠き側面図 図10のXI−XI線断面図 aは従来の軸継手の図7に対応する断面図、bはaの軸継手の作動状態の説明図
符号の説明
1、2 プレート(回転部材)
3 シャフト(円筒状転動体)
4 保持器
4a 平面部
5、6 案内溝
7 長孔
8 転がり軸受
9 スライダ
10 柱部材
11 転がり軸受
12 連結部材
13 直動軸受
14 ローラ
15 リテナー
16 連結片
17 ストッパ
18 摺動部材
19 ローラ
20 長穴
21 ピン
22 突起
23 緩衝部材
24 貫通孔
25 連結片
A 入力軸
B 出力軸

Claims (16)

  1. 軸方向で対向し、回転軸が互いに平行でかつ同心でない状態に保持される2つの回転部材のそれぞれの対向面に、複数の直線状に延びる案内溝を相手側の回転部材の対応する位置の案内溝と直交するように設け、前記両回転部材の案内溝が交差する位置に、各案内溝に両端部を案内されて転動する円筒状の転動体を配し、前記各案内溝と所定の角度をなす直線状の長孔に前記各転動体の中央部を通して各転動体の回転部材径方向の移動を拘束する保持器を設けて、前記各転動体を介して前記両回転部材間で動力を伝達するようにし、前記各回転部材と保持器との間に、前記転動体を貫通孔に通した状態で前記保持器と係合して転動体の軸を含む平面内での回転を拘束するスライダを設け、前記各スライダと保持器との間に、複数のローラとこれらの各ローラをポケットに収容して並列に保持する板状のリテナーとからなる直動軸受を組み込んだ軸継手において、前記保持器を挟んで対向する直動軸受どうしを連結片で連結したことを特徴とする軸継手。
  2. 前記直動軸受の連結片を、前記保持器の内周縁または外周縁を跨いで、前記保持器を挟んで対向する2つの直動軸受のリテナーを連結するものとしたことを特徴とする請求項1に記載の軸継手。
  3. 前記保持器を挟んで対向する2つの直動軸受のリテナーと前記直動軸受連結片とを、断面コの字形に一体成形したことを特徴とする請求項2に記載の軸継手。
  4. 前記保持器を挟んで対向する2つの直動軸受のリテナーと前記直動軸受連結片とを、断面コの字形に接合したことを特徴とする請求項2に記載の軸継手。
  5. 前記保持器を挟んで対向するスライダどうしを、前記保持器の内周縁または外周縁を跨ぐ連結部材で連結し、このスライダ連結部材を、前記直動軸受の運動方向で前記直動軸受連結片を受け止めて直動軸受の移動範囲を制限するものとしたことを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の軸継手。
  6. 前記スライダ連結部材の両端部に、前記直動軸受連結片の運動方向端部を受け止めるストッパを設けたことを特徴とする請求項5に記載の軸継手。
  7. 前記スライダ連結部材と直動軸受連結片の互いの対向面の一方に、前記直動軸受の運動方向に延びる長穴を設け、他方に前記長穴に挿入される突起を設けて、この突起が前記長穴の長手方向端で受け止められるようにしたことを特徴とする請求項5に記載の軸継手。
  8. 前記保持器を挟んで対向するスライダどうしを、前記保持器の内周縁または外周縁を跨ぐ連結部材で連結するとともに、前記保持器の内周面と外周面のうちの前記スライダ連結部材と対向する面に、前記保持器の長孔と平行な平面部を設け、前記直動軸受連結片を前記スライダ連結部材と保持器の平面部との間に通して、前記スライダ連結部材の直動軸受連結片との対向面および保持器の平面部を、前記直動軸受連結片を直動軸受の運動方向に案内する案内面としたことを特徴とする請求項2乃至7のいずれかに記載の軸継手。
  9. 前記保持器の直動軸受との対向面に直動軸受の運動方向に延びる貫通孔を設け、前記直動軸受連結片を、前記保持器の貫通孔に通されて、前記保持器を挟んで対向する2つの直動軸受のリテナーを連結するものとしたことを特徴とする請求項1に記載の軸継手。
  10. 前記保持器の貫通孔を、その長手方向端で前記直動軸受連結片を受け止めて直動軸受の移動範囲を制限するものとしたことを特徴とする請求項9に記載の軸継手。
  11. 前記保持器の貫通孔の内面を、前記直動軸受連結片を直動軸受の運動方向に案内する案内面としたことを特徴とする請求項9または10に記載の軸継手。
  12. 前記直動軸受連結片とこの連結片を受け止める部位の少なくとも一方に、緩衝部材を取り付けたことを特徴とする請求項5乃至7のいずれかまたは請求項10に記載の軸継手。
  13. 前記直動軸受連結片とこの連結片を直動軸受の運動方向に案内する案内面の少なくとも一方に、摺動部材を取り付けたことを特徴とする請求項8または11に記載の軸継手。
  14. 前記直動軸受連結片とこの連結片を直動軸受の運動方向に案内する案内面との間に、前記連結片または案内面と転接する転動体を有する転がり案内機構を形成したことを特徴とする請求項8または11に記載の軸継手。
  15. 前記スライダの直動軸受との対向面を平坦面としたことを特徴とする請求項8または11に記載の軸継手。
  16. 前記スライダの直動軸受との対向面を研削加工により仕上げたことを特徴とする請求項15に記載の軸継手。
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