JP2009062310A - 色素修飾液晶分子及び色素修飾液晶分子利用の材料 - Google Patents

色素修飾液晶分子及び色素修飾液晶分子利用の材料 Download PDF

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稔久 水野
Yuzo Sugiyama
雄蔵 杉山
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Toshiki Tanaka
俊樹 田中
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Abstract


【課題】液晶において、色素が相分離することを回避し、特定の割合の色素が均一に分散することを特徴とする色素修飾液晶分子を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、色素部位と、分岐部位と、液晶形成部位とを含む色素修飾液晶分子である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、色素修飾液晶分子及び色素修飾液晶分子利用の材料に関する。

高度情報化社会において、その要請に答えうる新規材料が求められている。一つの例として、ホログラフィックメモリが挙げられる。ホログラフィックメモリとは、光照射に応答し、その光情報を記録する媒体であり、情報を高密度に集積できる利点がある。ホログラフィックメモリには、色素分散ゲストホスト液晶(色素分子を添加した液晶)などが利用に供される。以下、液晶(特に、多分岐構造の液晶)と色素分子との利用に関する文献を挙げる。
文献1は、空間光変調器用材料、表示材料及びそれを用いたホログラム装置
に関する文献である。
文献1は、液晶相を利用したホログラム装置において、表示材料が白濁した液晶相を用いているため、散乱が発生し、回折に悪影響を与えてノイズが多くなるという問題に鑑み、屈折率異方性が0.001以上である原子団が2つ以上結合された化合物を含有し、かつ、使用温度にて等方相をとることを特徴とする表示材料を用いることを開示している。さらに、上記原子団が、液晶基であり、上記原子団が2つ以上結合された化合物がデンドリマーであることを特徴とする表示材料を開示している。この場合、世代が高いデンドリマー型の基本骨格には多数の異方性原子団を結合できるため、大きな屈折率変調効果が得られ、かつ、長鎖直鎖状骨格と比較して分子間の絡み合いが発生しにくいため、高い応答性が得られるとしている。
文献2は、情報記録媒体およびその製造方法、並びに記録再生方法、光学情報記録再生装置に関する文献である。
文献2の情報記録媒体の構成は、記録部を含み、記録部は1層以上の記録層を含み、記録層は、感光材料と感光材料に混合された第1の蛍光体とを含むとしている。また、記録部が複数の記録層を含み、複数の記録層は、記録光および再生光に対して実質的に透明な中間層を介して積層されているとしている。文献2は、感度がよく高速記録可能なフォトンモードの情報記録媒体を提供することを目的とし、上記記録部に記録光または再生光が照射されることにより情報が記録または再生される情報記録媒体が開示されている。文献2において、上記感光材料は、側鎖型液晶性高分子またはフォトポリマーであってもよく、上記第1の蛍光体は、有機蛍光色素であってもよいとしている。第1の蛍光体が有機蛍光色素 である場合、記録層は、記録光および再生光に対して実質的に透明な樹脂をさらに含んでいると好ましく、該実質的に透明な樹脂を含んでいると、濃度消光を低減できるとしている。記録光および再生光に対して実質的に透明な樹脂は、例えば、デンドリマーポリマーを含んでいると好ましく、デンドリマーポリマーを含んでいると、隣り合う第1の蛍光体(分子)の会合を抑制して、濃度消光による発光効率の低下を効果的に抑制できるとしている。
文献3は、液晶組成物および液晶素子に関する文献である。
文献3は、視認性が高く、且つ表示コントラストの高い液晶素子および液晶素子を作製するのに有用な液晶組成物を提供することを目的とし、その構成は、二色性色素、ホスト液晶および配列制御剤を、それぞれ少なくとも1種含む液晶組成物、及び少なくとも一方が透明電極である一対の電極間に液晶層を有する液晶素子であって、前記液晶層が前記液晶組成物を含有する液晶素子である。そして、前記配列制御剤の少なくとも一種が、デンドリマー化合物であるとしている。
文献4は、液晶組成物、それを用いた液晶素子およびアゾ化合物に関する文献である。
文献4は、高い2色比を示し、表示素子に利用した場合に、表示のコントラストを向上し得る液晶組成物および液晶素子を提供することを課題とし、また、2色性色素として有用な新規なアゾ化合物を提供することを課題としている。文献4の構成は、複数の発色団を有し、前記複数の発色団のうち少なくとも2つの発色団が、該発色団の共役平面が互いに並列に配向可能に連結された化合物を含有することを特徴とする液晶組成物であり、前記2つの発色団がアゾ色素の発色団であることを特徴とする液晶組成物である。アゾ色素の例示化合物を用いて液晶に溶解させ、液晶組成物を調製ししている。
文献5は、光情報記録媒体に関する文献である。
文献5は、記録層に用いる色素は、単独で光に対する耐久性並びに高屈折率を併せ持つことが望ましいとし、透明基板上に設けられた記録層を有する光情報記録媒体において、該記録層には、拡張ポルフィリン化合物が含有されていることを特徴とする光情報記録媒体を開示している。文献5は、光情報記録媒体における記録層にレーザー光を照射することにより、含有化合物が分解してピットを形成することで記録を行うとしている。又、記録層には、1種又は2種以上の他の色素を混合して使用してもよいとしている。
特開2005−140932号公報 再表2004/107040 特開2005−225987号公報 特開2002−302674号公報 再表2002/016144

文献1は、原子団が液晶基であり、原子団が2つ以上結合された化合物がデンドリマーであることを特徴とする表示材料が開示され、該材料により、透明性が高く、大きな屈折率変調が可能で、製造が容易な表示材料等を提供するとしているが、色素部位を含む色素修飾液晶分子としての記述はない。従って文献1には、液晶において色素が相分離することを回避する手段は述べられていない。また、文献1は、ホログラム装置の表示材料として、世代が高いデンドリマー型の基本骨格には多数の異方性原子団を結合できるため、大きな屈折率変調効果が得られ、かつ、長鎖直鎖状骨格と比較して分子間の絡み合いが発生しにくいため、高い応答性が得られるので好ましいとしているが、デンドリマーの利用による液晶における色素の割合を設定する手段は開示されていない。
文献2における情報記録媒体の構成は、記録部を含み、記録部が1層以上の記録層を含み、記録層は、感光材料と感光材料に混合された第1の蛍光体とを含むとあり、感光材料は、側鎖型液晶性高分子であってもよく、第1の蛍光体は、有機蛍光色素であってもよいとしている。しかし、文献2には、液晶において色素が層分離することを回避する手段は述べられていない。液晶層において、高い溶存性を有する色素の構造は限られているが、文献2においては色素を液晶中に相分離させることなく存在させる手段が開示されていない。また、実質的に透明な樹脂は、例えば、デンドリマーポリマーを含んでいると好ましいとしており、デンドリマーポリマーを含んでいると、隣り合う第1の蛍光体(分子)の会合を抑制して、濃度消光による発光効率の低下を効果的に抑制できるとあるが、デンドリマーの利用による液晶における色素の割合を設定する手段は開示されていない。
文献3は、視認性が高く、且つ表示コントラストの高い液晶素子等を提供するとし、二色性色素、ホスト液晶および配列制御剤を、それぞれ少なくとも1種含む液晶組成物を開示しているが、液晶において色素が相分離することを回避する手段は述べられていない。液晶相において高い溶存性を有する色素の構造は限られているが、文献3においては多様な色素を液晶中に相分離させることなく存在させる手段が開示されていない。また、文献3において液晶組成物は、二色性色素、ホスト液晶および配列制御剤を、それぞれ少なくとも1種含むとし、前記配列制御剤の少なくとも一種が、デンドリマー化合物であるとしているが、デンドリマーの利用による液晶における色素の割合を設定する手段は開示されていない。
文献4は、複数の発色団を有し、前記複数の発色団のうち少なくとも2つの発色団が、該発色団の共役平面が互いに並列に配向可能に連結された化合物を含有することを特徴とする液晶組成物であり、前記2つの発色団がアゾ色素の発色団であることを特徴とする液晶組成物が開示されているが、液晶において色素が相分離することを回避する手段は述べられていない。液晶相において高い溶存性を有する色素の構造は限られているが、文献4においては多様な色素を液晶中に相分離させることなく存在させる手段が開示されていない。
文献5は、記録層を有する光情報記録媒体において、該記録層には、拡張ポルフィリン化合物が含有されていることを特徴とする光情報記録媒体が開示されているが、色素が相分離することを回避する手段は述べられていない。
さらに、上記文献1ないし5には、色素分子(色素部位)を包含させる材料(液晶等)に均一に分散する手段は開示されていなく、さらに、色素分子(色素部位)をナノレベルで特定位置に分布させる手段は開示されていない。ゆえに、材料としての高機能化に課題を残す。
従って、以下の手段を有する色素修飾液晶分子及び/又は色素修飾液晶分子利用の材料が求められている。
(1)液晶において色素が相分離することを回避する手段、さらに、多様な色素を液晶中に溶存させる手段。
(2)液晶において色素が均一に分散する手段、さらに、色素をナノレベルで特定位置に分布させる手段。
(3)液晶における色素の割合を設定する手段。
本発明は、上記課題の少なくとも一つを解決する。
請求項1に記載の発明は、色素部位と、分岐部位と、液晶形成部位とを含む色素修飾液晶分子である。
請求項1は、色素部位と液晶部位を一分子として構築した構成より、液晶において、色素を相分離することなく均一に分散させることが可能な構成である。また、液晶において色素をナノレベルで特定位置に定量分布させることが可能な構成である。
請求項1における構成を以下に説明する。色素部位とは、色素分散ゲストホスト液晶における色素分子の役割を果たす、本発明の構成部位である。本発明は多様な色素を液晶中に相分離させることなく存在させる構成である。分岐部位とは、一分子において枝分かれ構造を形成する部位であり、分岐部位が特定数存在することにより分子が多分岐構造となる。分岐部位は色素部位と液晶部位とを結合させる部位であり、色素部位を分子の構成の中心とした場合、分岐部位により両方向に液晶部位が構成される。また、分子は一方向に構成してもよく、末端に色素部位があり片方向に分岐部位を結合させ液晶部位を形成させてもよい。分岐の程度は任意に設定でき、該程度により、液晶における色素の分子量の割合を設定できる。液晶部位とは、互いに半スタッキング構造を形成し液晶相を構成する部位である。該部位が存在することにより本発明の液晶分子が構築する物質全体が液晶を呈する。
請求項1における動作を以下に説明する。本発明である色素修飾液晶分子を基板として作成し、基板の前面において波の干渉が起こるように二種の光(一の光を周波数一定の光とし、もう一つの光を情報により周波数を選択する光とする)を照射する。励起された波が照射された色素部位は電子移動が起こり(光増感剤として機能し)、当該液晶分子からなる材料全体において電荷の分布が生じ、この電荷の分布により材料を構築する分子の運動が起こる。すなわち、液晶部位が生じた電場に応じて配向を変える。冷却すること及び/又は光照射をやめ放冷することにより、光情報が書き込まれた液晶分子よりなる材料が固化する。そして、はじめに照射した一の光(周波数一定の光)を照射すると、もう一つの光(情報により周波数を選択する光)が反射し放出され、情報を読みとることができる。このように、照射する光(情報としての光)と、現れる像とが対応する。
請求項2に記載の発明は、液晶形成部位が下記式(1)で表される基を有する請求項1に記載の色素修飾液晶分子である。
[化1]
式(1)
請求項2は、請求項1の目的を達成しうること、及び目的を達成しうる液晶形成部位を開示することを意図する。請求項2に記載の液晶形成部位は、ホログラフィックメモリとしての使用において適した構造である。請求項2に記載の液晶形成部位を有することにより、色素修飾液晶分子を有する材料が液晶を呈する。また、請求項2に記載の液晶形成部位は電場が生じると液晶形成部位を有する分子が配向を変えることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、分岐部位が下記式(2)で表される基を有する請求項1ないし2に記載の色素修飾液晶分子である。
[化2]
式(2)
請求項3は、請求項1の目的を達成しうること、及び目的を達成しうる分岐部位を開示することを意図する。請求項3に記載の分岐部位を有することにより、色素修飾液晶分子は多分岐構造を呈する。分岐部位は液晶部位と色素部位を結合させ、分岐の程度を変えることにより、液晶部位と色素部位との材料における分子量の割合を特定の割合に設定しうる。特定の割合に設定しうることにより、求められる材料として最適な機能を果たすことができる。請求項3に記載の分岐部位は、本発明である色素修飾液晶分子において合成の容易さを特徴とする。また、請求項3に記載の分岐部位は構造として柔軟性のあるものであり、本発明である色素修飾液晶分子をホログラフィックメモリ等として利用するにあたり、光照射による情報の書き込みに際して応答速度が速いという特徴を有する。
請求項4に記載の発明は、色素部位が下記式(3)で表される基を有する請求項1ないし3に記載の色素修飾液晶分子である。
[化3]
式(3)
請求項4は、請求項1の目的を達成しうること、及び目的を達成しうる色素部位を開示することを意図する。請求項4は、ホログラフィックメモリとしての機能を果たす色素部位を開示し、ゲストホスト液晶における色素の役割を果たす。色素部位の選択により、情報の書き込みに使用する励起光が異なり、情報の書き込みにおける条件に対応しうるという特徴を有する。また、色素部位の選択により、色素部位は情報の書き込みにおける光増感剤としての機能において、電荷分離の寿命を決定するという特徴を有する。従って、色素部位の選択により、情報を書き込む効率及び/又は書き込む情報の正確さが反映される。本発明はさまざまな色素部位を相分離することなく液晶材料に存在させることにより、上記の特徴を有する。
請求項5に記載の発明は、色素部位が下記式(4)で表される基を有する請求項1ないし3に記載の色素修飾液晶分子。
[化4]
式(4)
請求項5は、請求項1の目的を達成しうること、及び目的を達成しうる色素部位を開示することを意図する。請求項5は、ホログラフィックメモリとしての機能を果たす色素部位を開示し、ゲストホスト液晶における色素の役割を果たす。色素部位の選択により、情報の書き込みに使用する励起光が異なり、情報の書き込みにおける条件に対応しうるという特徴を有する。また、色素部位の選択により、色素部位は情報の書き込みにおける光増感剤としての機能において、電荷分離の寿命を決定するという特徴を有する。従って、色素部位の選択により、情報を書き込む効率及び/又は書き込む情報の正確さが反映される。本発明はさまざまな色素部位を相分離することなく液晶材料に存在させることにより、上記の特徴を有する。色素部位は、多様な構造をとることができ、請求項4及び5に記載の構造に限定されない。
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5に記載の色素修飾液晶分子を含有する材料である。
請求項6は、請求項1の目的を達成しうること、及び目的を達成しうる色素修飾液晶分子を含有する材料を開示することを意図する。請求項6は、請求項1ないし5に記載の色素修飾液晶分子からなる材料及び/又は請求項1ないし5に記載の色素修飾液晶分子を含む材料を意図し、該材料を用いて本発明を実施する形態を意図する。
請求項1に記載の発明は、色素部位と、分岐部位と、液晶形成部位とを含む色素修飾液晶分子である。
請求項1は、色素部位と液晶部位を一分子として構築した構成であることより、液晶において色素が相分離することなく、均一に分散させる。また、液晶において色素をナノレベルで特定位置に定量分布させる。さらに、多様な色素を液晶中に相分離させることなく存在させる構成である。また、請求項1の構成は、分岐部位において分岐の程度を任意に設定でき、該程度により、液晶における色素(色素部位)の分子量の割合を設定できる。請求項1の構成は、光情報が書き込むことができ、また、光(特定周波数により情報性を有する光)が放出され情報を読みとることができる。
請求項2に記載の発明は、液晶形成部位が下記式(1)で表される基を有する化合物よりなる請求項1に記載の色素修飾液晶分子である。
[化1]
式(1)
請求項2は、請求項1の目的を達成する。請求項2に記載の液晶部位は、ホログラフィックメモリとしての使用において適した構造であり、請求項2に記載の液晶形成部位を有することにより、色素修飾液晶分子を有する材料が液晶を呈する。また、請求項2に記載の液晶形成部位は電場が生じると分子が配向を変える。
請求項3に記載の発明は、分岐部位が下記式(2)で表される基を有する化合物よりなる請求項1ないし2に記載の色素修飾液晶分子である。
[化2]
式(2)
請求項3は、請求項1の目的を達成する。請求項3に記載の分岐部位を有することにより、本発明である色素修飾液晶分子が多分岐構造を呈する。分岐構造は液晶部位と色素部位を結合させ、分岐の程度を変えることにより、液晶部位と色素部位との材料における分子量の割合を特定の割合に設定し、求められる材料として最適な機能を果たすことができる。請求項3に記載の分岐部位は、本発明である色素修飾液晶分子において合成が容易である。また、請求項3に記載の分岐部位は構造として柔軟性のあるものであり、本発明である色素修飾液晶分子をホログラフィックメモリ等として利用するにあたり、光照射による情報の書き込みに際して応答速度が速い。
請求項4に記載の発明は、色素部位が下記式(3)で表される基を有する化合物よりなる請求項1ないし3に記載の色素修飾液晶分子である。
[化3]
式(3)
請求項4は、請求項1の目的を達成する。請求項4は、ホログラフィックメモリとしての機能を果たす色素部位であり、ゲストホスト液晶における色素の役割を果たす。色素部位の選択により、情報の書き込みに使用する励起光が異なり、情報の書き込みにおける条件に対応する。また、色素部位の選択により、色素部位は情報の書き込みにおける光増感剤としての機能において、電荷分離の寿命を決定する。本発明は色素部位を相分離することなく液晶材料に存在させる。
請求項5に記載の発明は、色素部位が下記式(4)で表される基を有する化合物よりなる請求項1ないし3に記載の色素修飾液晶分子。
[化4]
式(4)
請求項5は、請求項1の目的を達成する。請求項5は、ホログラフィックメモリとしての機能を果たす色素部位であり、ゲストホスト液晶における色素の役割を果たす。色素部位の選択により、情報の書き込みに使用する励起光が異なり、情報の書き込みにおける条件に対応する。また、色素部位の選択により、色素部位は情報の書き込みにおける光増感剤としての機能において、電荷分離の寿命を決定する。本発明は色素部位を相分離することなく液晶材料に存在させる。
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5に記載の色素修飾液晶分子を含有する材料である。
請求項6は、請求項1の目的を達成する。請求項6に記載の材料を用いて本発明を実施しうる。
本発明である色素修飾液晶分子の生産の一例を以下に説明する。
色素修飾液晶分子は、以下の化学式12、化学式13で表される2種を例示する。
それぞれの化合物の合成は下記のスキームにしたがって合成を行う。

スキーム1 プロピレンイミン型デンドロンユニットの合成

化合物6の合成 還流冷却器をつけた100mlナスフラスコに、アクリロニトリルを53.0g(0.999mol)、化合物5を5.0g(0.0666mol)、酢酸を5ml入れ、窒素気流下12時間加熱還流を行う。溶媒を減圧留去後、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(条件をCH2Cl2/MeOH=20/1とする)にて精製を行い、目的化合物を透明オイルとして得る。
化合物7の合成 窒素気流下、還流冷却器をつけた500mlナスフラスコに、LiAlH4を6.28g(165mmol)、乾燥THFを150ml入れ、ここへ濃硫酸12.2gを、氷冷下、30分かけて滴下する。その後室温で1時間ほど攪拌後、化合物6を5.00g(27.6mmol)溶解させたTHF溶液(50ml)を1時間かけて滴下する。4時間ほど加熱還流を行い、濃度4MのNaOH水溶液を100ml添加して反応をクエンチし、析出してきた沈殿物を瀘別する。さらにこの沈殿をTHFで洗浄し、得られた有機相をまとめて、NaSO4により乾燥を行う。溶媒を減圧留去し、透明のオイルを得る。
化合物8の合成 還流冷却器をつけた100mlナスフラスコに、アクリロニトリルを35.0g(0.660mol)、化合物7を5.0g(0.0264mol)、酢酸を5ml入れ、窒素気流下、12時間加熱還流を行う。溶媒を減圧留去後、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(条件をCH2Cl2/MeOH=20/1とする)にて精製を行い、目的化合物を透明オイルとして得る。
化合物9の合成 窒素気流下、還流冷却器をつけた500mlナスフラスコに、LiAlH4を3.80g(100mmol)、乾燥THFを150ml入れ、ここへ濃硫酸4.9gを氷冷下、30分かかけて滴下する。その後室温で1時間ほど攪拌し、化合物6を5.00g(12.5mmol)溶解させたTHF溶液(50ml)を1時間かけて滴下する。4時間ほど加熱還流を行ったのち、濃度4MのNaOH水溶液を100ml添加して反応をクエンチし、析出してきた沈殿物を瀘別する。さらにこの沈殿をTHFで洗浄し、得られた有機相をまとめて、NaSO4により乾燥を行う。溶媒を減圧留去し、透明のオイルを得る。
スキーム3 シアノビフェニル修飾G3プロピレンイミン型デンドリックメソゲンの合成
化合物10の合成 乾燥THF50mlに、11−(4’−Cyano−biphenyl−4−yloxy)−undecanoic acidを1.8g(4.79mmol)、化合物9を0.50g(2.63 mmol)溶解し、ここへNEt3を1.0ml、BOPを2.65g(6.00mmol)加え、室温で6時間攪拌を行う。溶媒を減圧留去し、得られた残渣に対しTHF/MeCNにより再沈殿操作を行い白色粉末を瀘取する。これを更にシリカゲルクロマトグラフィー(条件をCH2Cl2/MeOH/NEt3=20/1/0.3とする)により精製を行い、白色粉末を得る。
スキーム4 シアノビフェニル修飾G3プロピレンイミン型デンドリックメソゲンのアルコール誘導体からカルボン酸誘導体への変換
化合物11の合成 無水ピリジン10mlに、化合物10を500mg(268μmol)、無水コハク酸を54mg(536μmol)溶解し、窒素気流下で、一晩、100℃にて加熱攪拌を行う。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(条件をCH2Cl2/MeOH/NEt3=20/1/0.3とする)により精製を行い、白色粉末を得る。
化合物12の合成 乾燥THFを5ml、乾燥ピリジンを1ml混合させた溶媒に、化合物10を50mg(26.9μmol)溶かし、ここへ4,4’−Azobenzendicarboxylic acidの酸クロリド体 を7.3 mg(23.8μmol)加え、このまま室温で5時間攪拌を行う。溶媒を減圧留去し、得られた粉末に対しシリカゲルクロマトグラフィー(条件をCH2Cl2/MeOH/NEt3=20/1/0.3とする)により精製を行い、黄色粉末を得る。


スキーム6 G3プロピレンイミン型デンドリックメソゲン修飾テトラフェニルポフィリン誘導体の合成
化合物13の合成 乾燥THFを5ml、乾燥ピリジンを1mlの混合させた溶媒に、化合物11を30mg(15.3μmol)溶かし、ここへ5,10,15,20−Tetra−(3,5−dihydroxy) phenylporphyrinを1.3mg、DCCを6.3mg(30.5μmol)加え、このまま室温で5時間攪拌を行う。溶媒を減圧留去し、得られた粉末に対しシリカゲルクロマトグラフィー(条件をCH2Cl2/MeOH/NEt3=20/1/0.3とする)により精製を行い、赤紫色粉末を得る。
本発明である色素修飾液晶分子について、上記一例により生産したものの評価を以下に説明する。
DSCによる相転移挙動の観察 それぞれの化合物の相変化挙動を、Seiko Instrument社製のDSC測定装置を用いて、熱分析により行った。これらの結果を表1にまとめた。デンドリックメソゲンとなるアルコール誘導体である化合物10、カルボン酸誘導体である11について液晶性が観測された。一般に、アルコール誘導体(86℃にて固相から液相への相転移)あるいはカルボン酸誘導体は、分子間相互作用を助長する意味から液晶分子の設計には不向きであると言われているが、デンドリックな構造にする事によりこれらの官能基があっても液晶相を形成する。また、末端にカルボン酸を持つものに関しては、デンドリック構造が3世代である化合物11に関して液晶相が観測されたことは、世代の増加により様々な官能基を液晶内へ取り込める可能性を示唆している。

化合物12、13に関して得られたDSC測定の結果を表2にまとめた。
これらの化合物はいずれも昇温過程においては、単一の相変化に伴うと思われるピークのみが観察されたが、一方で降温過程において、化合物12、13に関してメソフェーズの形成に関与すると思われる熱の出入りに伴うピークが観測された。この結果は、降温過程にのみ相変化に伴う熱の出入りが観測された事から、これらの化合物は、いずれもメソフェーズ、すなわち液晶相が形成されている。化合物13において液晶相が観測されたのに対して、ポルフィリン程度の大きさの色素を液晶相に取り込む為には、デンドリック構造がG3程度の液晶性メソゲンがある程度の数必要であること(ここでは8つ)が分かる。新たな光学特性が期待される種々の拡張ポルフィリン誘導体を液晶相へ取り込む為に必要なデンドリックメソゲンの数についても示唆される。

偏光顕微鏡像による観察 株)メトラートレド社製の温度制御ステージとNikon光学顕微鏡を組み合わせた測定装置により、デンドリック液晶の液晶状態における組織の検討を行った。図1に化合物11、図2に化合物12の偏光顕微鏡写真を示す。いずれも扇状様の組織が観測されたことから、スメクチック相が形成されていることが示唆される。

化合物7の液晶相に於ける偏光顕微鏡像(102.0℃、40倍) 化合物12の液晶相に於ける偏光顕微鏡像(102.0℃、40倍)

Claims (6)

  1. 色素部位と、分岐部位と、液晶形成部位とを含む色素修飾液晶分子。
  2. 液晶形成部位が下記式(1)で表される基を有する請求項1に記載の色素修飾液晶分子。
    [化1]
    式(1)
  3. 分岐部位が下記式(2)で表される基を有する請求項1ないし2に記載の色素修飾液晶分子。
    [化2]
    式(2)
  4. 色素部位が下記式(3)で表される基を有する請求項1ないし3に記載の色素修飾液晶分子。
    [化3]
    式(3)
  5. 色素部位が下記式(4)で表される基を有する請求項1ないし3に記載の色素修飾液晶分子。
    [化4]
    式(4)
  6. 請求項1ないし5に記載の色素修飾液晶分子を含有する材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010106084A (ja) * 2008-10-28 2010-05-13 Univ Of Tokyo 液晶材料、化合物、ピエゾクロミック発光材料、液晶材料膜、コーティング材、及び、液晶材料膜製造方法
JP2015125151A (ja) * 2013-12-25 2015-07-06 エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド 液晶配向剤、液晶組成物、並びに液晶表示装置及びその製造方法
CN109134282A (zh) * 2017-06-28 2019-01-04 北京键凯科技股份有限公司 一种树状多缩乙二醇衍生物及其制备方法和应用

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