JP2009062032A - 減衰力可変ダンパの制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 駐車時における電力消費を抑制しながら、ダンパの減衰力を高精度に温度補償すること可能とする減衰力可変ダンパの減衰力制御装置を提供する。
【解決手段】 ダンパ温度推定部54は、ステップS31で現時点における冷却水温Twと吸気温Taとの差を再始動時温度差Δtrとして算出した後、ステップS32で、不揮発性メモリーに記憶されていた第1停止時温度差Δt1と再始動時温度差Δtrとに基づき、停車時間推定マップから推定停車時間Tpを検索する。次に、ダンパ温度推定部54は、ステップS33で、第2停止時温度差Δt2と推定停車時間Tpとに基づき、温度差推定マップから推定温度差ΔTを検索する。しかる後、ダンパ温度推定部54は、ステップS34で現在の吸気温Taに推定温度差ΔTを加算することによってダンパ温度推定値Tdを求め、ステップS35でこのダンパ温度推定値Tdを目標電流生成部53に出力する。
【選択図】 図8
【解決手段】 ダンパ温度推定部54は、ステップS31で現時点における冷却水温Twと吸気温Taとの差を再始動時温度差Δtrとして算出した後、ステップS32で、不揮発性メモリーに記憶されていた第1停止時温度差Δt1と再始動時温度差Δtrとに基づき、停車時間推定マップから推定停車時間Tpを検索する。次に、ダンパ温度推定部54は、ステップS33で、第2停止時温度差Δt2と推定停車時間Tpとに基づき、温度差推定マップから推定温度差ΔTを検索する。しかる後、ダンパ温度推定部54は、ステップS34で現在の吸気温Taに推定温度差ΔTを加算することによってダンパ温度推定値Tdを求め、ステップS35でこのダンパ温度推定値Tdを目標電流生成部53に出力する。
【選択図】 図8
Description
本発明は、減衰力可変ダンパの制御装置に係り、詳しくは、駐車時における電力消費を抑制しながら、ダンパの減衰力を高精度に温度補償する技術に関する。
近年、自動車のサスペンションに用いられる筒型ダンパでは、乗り心地や操縦安定性の向上を図るべく、減衰力を無段階に可変制御できる減衰力可変型のもの(減衰力可変ダンパ)が種々開発されている。減衰力可変ダンパの減衰力制御機構としては、モータ等を用いてオリフィスの流路面積を増減させる機械制御式が一般的であったが、比例ソレノイドに印可する電流を増減させることによってオリフィスの流路面積を増減させるもの(特許文献1参照)や、磁性流体や磁気粘性流体を作動液として磁気流体バルブ(コイル)に印可する電流を増減させるもの(特許文献2参照)等の電流制御式が出現している。
減衰力可変ダンパ(以下、単にダンパと記す)では、ダンパの温度によって作動液の粘度が変化することから、種々のセンサの検出結果からダンパの温度を推定し、目標減衰力に対する制御量に対して温度補正を行うことが一般的である。例えば、ダンパの推定温度が上昇する悪路走行時等には作動液の粘度が低下するため、制御量を増大させる(オリフィスの流路面積を減少させる、あるいはコイルに印可する電流を増大させる)ことで実減衰力の減少を防止する。また、ダンパの推定温度が低下する平坦路直進走行時等には作動液の粘度が上昇するため、制御量を減少させる(オリフィスの流路面積を増大させる、あるいはコイルに印可する電流を減少させる)ことで実減衰力の増大を防止する。なお、ダンパの温度推定は、例えば、ダンパへの電流供給量(通電発熱)や、ダンパのストローク速度変化(減衰発熱)等に基づいて行われる。
特開平11−99816号公報
特開2006−69527号公報
上述したダンパの温度推定は自動車の運転時に常時行われているが、運転者がイグニッションキーを抜く駐車時において、以下に述べるような問題が発生していた。すなわち、自動車の駐車時にはダンパの温度が徐々に低下して作動油の粘度が上昇することによりう、運転再開時においては、目標減衰力を低減させないとダンパが作動し難くなって乗り心地の悪化がもたらされる。ダンパの温度低下量は自動車の駐車時間に依存するため、自動車の運転が再開された時点で正確な温度補正を行うためには、駐車中にもダンパの温度推定を所定時間(例えば、ダンパの温度が外気温と等しくなる時間)にわたって継続して行う必要があった。ところが、このような方法をとった場合には、エンジンの停止時においても(すなわち、オルタネータによる発電が行われない状態で)ダンパを駆動制御するダンパECU(Electronic Control Unit)に電流が供給され、車載バッテリの放電が進行してしまうことになる。
そこで、自動車の運転再開時に、供給電圧と電流との関係から比例ソレノイドやコイルの抵抗値を推定し、その推定抵抗値からダンパの温度推定を行う方法が一部で実用化されている。しかしながら、比例ソレノイドやコイルの抵抗値には個体差が少なからず存在するため、推定抵抗値からダンパの温度推定を行う方法を採用した場合には、推定温度に大きな誤差(例えば、数10℃)が生じて正確な減衰力制御が行えなくなる虞があった。
本発明は、このような背景に鑑みなされたもので、駐車時における電力消費を抑制しながら、ダンパの減衰力を高精度に温度補償することを可能とする減衰力可変ダンパの制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、車体と車輪との間に減衰力可変ダンパが介装された車両に搭載され、目標減衰力に応じた目標電流を当該減衰力可変ダンパに出力することによって減衰力の可変制御を行う制御装置であって、前記車両の運転状態に基づいて前記減衰力可変ダンパの目標減衰力を設定する目標減衰力設定手段と、前記車両が前回運転停止された時点における車両情報を停止時車両情報として記憶する停止時車両情報記憶手段と、前記車両の運転停止時間を計測または推定する運転停止時間導出手段と、少なくとも前記停止時車両情報と前記運転停止時間とに基づき、前記減衰力可変ダンパの温度補償に供される温度補償値を設定する温度補償値設定手段と、前記温度補償値を用いて前記目標減衰力または前記目標電流を補正する補正手段とを備えたことを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明に係る減衰力可変ダンパの制御装置において、前記運転状態は、前記車体の運動状態と乗員の運転操作との少なくとも一方を含むことを特徴とする。
また、第3の発明は、第1または第2の発明に係る減衰力可変ダンパの制御装置において、前記車両には水冷式の内燃機関が搭載され、前記停止時車両情報記憶手段は、前記車両が前回運転停止された時点における前記内燃機関の冷却水温と外気温度との差を停止時温度差として記憶し、運転停止時間導出手段は、前記車両が運転再開された時点における冷却水温と外気温度との差を運転再開時温度差として算出した後、前記停止時温度差と当該運転再開時温度差とに基づいて運転停止時間を推定し、前記温度補償値設定手段は、前記運転停止時間と前記停止時温度差とに基づいて運転再開時における減衰力可変ダンパと外気温度との温度差を推定温度差として推定し、運転再開時における外気温度と前記推定温度差とに基づいて前記減衰力可変ダンパの運転再開時温度を推定した後、前記運転再開時温度に基づいて温度補償値を設定することを特徴とする。
また、第4の発明は、第1または第2の発明に係る減衰力可変ダンパの制御装置において、前記停止時車両情報記憶手段は、前記車両が前回運転停止された時点までの走行距離を前回走行距離として記憶し、前記温度補償値設定手段は、前記前回走行距離と前記運転停止時間とに基づいて温度補償値を設定することを特徴とする。
また、第5の発明は、第1、第2および第4の発明に係る減衰力可変ダンパの制御装置において、前記停止時車両情報記憶手段は、前記車両が前回運転停止された時点までの消費電力を前回消費電力として記憶し、前記温度補償値設定手段は、前記前回消費電力と前と前記運転停止時間とに基づいて温度補償値を設定することを特徴とする。
また、第6の発明は、第1〜第5の発明に係る減衰力可変ダンパの制御装置において、少なくとも前記停止時車両情報と前記運転停止時間とに基づき、前記車両の運転再開後において前記補正を行う走行距離を設定する温度補償距離設定手段を更に備えたことを特徴とする。
第1の発明によれば、駐車時にダンパECUに電力供給を行わないことで車載バッテリの放電が抑制されるとともに、運転再開時に適切な減衰力を減衰力可変ダンパに発生させることで乗り心地の低下が防止できる。また、第2の発明によれば、車体のロール動やピッチ動の他に、運転者による減衰モードスイッチの切換操作等にも応じて、適正な目標減衰力が設定される。また、第3の発明によれば、運転再開時におけるダンパ温度を高精度に推定して正確な温度補正を行うことができる。また、第4の発明によれば、前回走行距離や運転停止時間に応じて温度補償値を設定することで、運転再開時における温度補償を高精度に行うことができる。また、第5の発明によれば、前回消費電力や運転停止時間に応じて温度補償値を設定することで、運転再開時における温度補償を高精度に行うことができる。また、第6の発明によれば、例えば、短間駐車されていた場合には温度補償を行う走行距離を短くし、長時間駐車されていた場合には温度補償を行う走行距離を長くすることで、運転再開時における温度補償を適切に行うことができる。
以下、本発明を4輪自動車に適用した2つの実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は第1実施形態に係る4輪自動車の概略構成図であり、図2は第1実施形態に係るダンパの縦断面図であり、図3は第1実施形態に係るダンパECUの概略構成を示すブロック図である。
図1は第1実施形態に係る4輪自動車の概略構成図であり、図2は第1実施形態に係るダンパの縦断面図であり、図3は第1実施形態に係るダンパECUの概略構成を示すブロック図である。
≪第1実施形態の構成≫
<自動車の概略構成>
先ず、図1を参照して、第1実施形態に係る自動車の概略構成について説明する。説明にあたり、4つの車輪やそれらに対して配置された部材、すなわち、タイヤやサスペンション等については、それぞれ数字の符号に前後左右を示す添字を付して、例えば、車輪3fl(左前)、車輪3fr(右前)、車輪3rl(左後)、車輪3rr(右後)と記す一方、総称する場合には、例えば、車輪3と記す。
<自動車の概略構成>
先ず、図1を参照して、第1実施形態に係る自動車の概略構成について説明する。説明にあたり、4つの車輪やそれらに対して配置された部材、すなわち、タイヤやサスペンション等については、それぞれ数字の符号に前後左右を示す添字を付して、例えば、車輪3fl(左前)、車輪3fr(右前)、車輪3rl(左後)、車輪3rr(右後)と記す一方、総称する場合には、例えば、車輪3と記す。
図1に示すように、自動車(車両)Vはタイヤ2が装着された4つの車輪3を備えており、これら各車輪3がサスペンションアームや、スプリング、MRF式減衰力可変ダンパ(以下、単にダンパと記す)4等からなるサスペンション5によって車体1に懸架されている。自動車Vには、ダンパ4の制御を行うDMP−ECU(ダンパECU)6や、エンジン7の制御を行うENG−ECU(エンジンECU)8が設置されている。また、自動車Vには、車速Vvを検出する車速センサ9、横加速度を検出する横Gセンサ10、前後加速度を検出する前後Gセンサ11、ヨーレイトを検出するヨーレイトセンサ12等が車体1の適所に設置される他、ダンパ4の変位(ストローク速度Ss)を検出するストロークセンサ13を各車輪3ごとに備え、更にエンジン7の冷却水温Twを検出する水温センサ14と、吸気温Taを検出する吸気温センサ(外気温検出手段)15とをエンジンルーム内に備えている。更に、自動車Vの運転席には、ダンパ4の減衰モードを複数段(例えば、ソフト、ミディアム、ハード等)に切り換えるためのモードスイッチ16が設置されている。
DMP−ECU6は、マイクロコンピュータやROM、RAM、周辺回路、入出力インタフェース、各種ドライバ等から構成されており、通信回線(本実施形態では、CAN(Controller Area Network))を介して、ENG−ECU8や各車輪3のダンパ4、各センサ、スイッチ9〜16等と接続されている。
<ダンパの構造>
図2に示すように、本実施形態のダンパ4は、モノチューブ式(ド・カルボン式)であり、MRFが充填された円筒状のシリンダチューブ21と、このシリンダチューブ21に対して軸方向に相対動するピストンロッド22と、ピストンロッド22の先端に装着されてシリンダチューブ21内を上部油室24と下部油室25とに区画するピストン26と、シリンダチューブ21の下部に高圧ガス室27を画成するフリーピストン28と、ピストンロッド22等への塵埃の付着を防ぐカバー29と、フルバウンド時における緩衝を行うバンプストップ30とを主要構成要素としている。
図2に示すように、本実施形態のダンパ4は、モノチューブ式(ド・カルボン式)であり、MRFが充填された円筒状のシリンダチューブ21と、このシリンダチューブ21に対して軸方向に相対動するピストンロッド22と、ピストンロッド22の先端に装着されてシリンダチューブ21内を上部油室24と下部油室25とに区画するピストン26と、シリンダチューブ21の下部に高圧ガス室27を画成するフリーピストン28と、ピストンロッド22等への塵埃の付着を防ぐカバー29と、フルバウンド時における緩衝を行うバンプストップ30とを主要構成要素としている。
シリンダチューブ21は、下端のアイピース21aに嵌挿されたボルト31を介して、車輪側部材であるトレーリングアーム35の上面に連結されている。また、ピストンロッド22は、上下一対のブッシュ36とナット37とを介して、その上端のスタッド22aが車体側部材であるダンパベース(ホイールハウス上部)38に連結されている。
図3に示すように、ピストン26には、上部油室24と下部油室25とを連通する環状連通路39と、環状連通路39の内側に配設されたMLVコイル(電力消費部品)40とが設けられている。DMP−ECU6からMLVコイル40に電流が供給されると、環状連通路39を流通するMRFに磁界が印可されて強磁性微粒子が鎖状のクラスタを形成し、環状連通路39内を通過するMRFの見かけ上の粘度が上昇する。
<ダンパECUの概略構成>
DMP−ECU6は、図3にその概略構成を示すように、上述したENG−ECU8や各センサ、スイッチ9〜16等が接続する入力インタフェース51と、入力インタフェース51から入力した信号に基づき各ダンパ4の目標減衰力Dtgtを設定する減衰力設定部52と、目標減衰力Dtgtやダンパ4のストローク速度Ssに応じて各ダンパ4(MLVコイル40)への目標電流Itgtを算出/生成する目標電流生成部53と、目標電流生成部53の算出結果や水温センサ14等の検出結果に基づきダンパ温度推定値Tdを推定して目標電流生成部53に出力するダンパ温度推定部54と、目標電流生成部53からの目標電流Itgtを各ダンパ4に出力する出力インタフェース55とから構成されている。なお、本実施形態の減衰力設定部52には、スカイフック制御に供されるスカイフック制御部57と、ロール制御に供されるロール制御部58と、ピッチ制御に供されるやピッチ制御部59とが収容されている。
DMP−ECU6は、図3にその概略構成を示すように、上述したENG−ECU8や各センサ、スイッチ9〜16等が接続する入力インタフェース51と、入力インタフェース51から入力した信号に基づき各ダンパ4の目標減衰力Dtgtを設定する減衰力設定部52と、目標減衰力Dtgtやダンパ4のストローク速度Ssに応じて各ダンパ4(MLVコイル40)への目標電流Itgtを算出/生成する目標電流生成部53と、目標電流生成部53の算出結果や水温センサ14等の検出結果に基づきダンパ温度推定値Tdを推定して目標電流生成部53に出力するダンパ温度推定部54と、目標電流生成部53からの目標電流Itgtを各ダンパ4に出力する出力インタフェース55とから構成されている。なお、本実施形態の減衰力設定部52には、スカイフック制御に供されるスカイフック制御部57と、ロール制御に供されるロール制御部58と、ピッチ制御に供されるやピッチ制御部59とが収容されている。
≪第1実施形態の作用≫
<目標減衰力設定処理>
自動車Vが走行を開始すると、DMP−ECU6では、減衰力設定部52が、所定の処理インターバルをもって、図4のフローチャートにその手順を示す目標減衰力設定処理を実行する。減衰力設定部52は、目標減衰力設定処理を開始すると、先ず図4のステップS1で、横Gセンサ10や前後Gセンサ11から入力した車体1の加速度Gy,Glや、ヨーレイトセンサ12からから入力した車体1のヨーレイトγ、車速センサ9から入力した車速Vv、操舵角センサ(図示せず)から入力した操舵速度等に基づき自動車Vの運動状態を判定する。次に、減衰力設定部52は、自動車Vの運動状態とモードスイッチ16から入力した減衰モードとに基づき、ステップS2で各ダンパ4のスカイフック制御目標値Dshを算出し、ステップS3で各ダンパ4のロール制御目標値Drを算出し、ステップS4で各ダンパ4のピッチ制御目標値Dpを算出する。
<目標減衰力設定処理>
自動車Vが走行を開始すると、DMP−ECU6では、減衰力設定部52が、所定の処理インターバルをもって、図4のフローチャートにその手順を示す目標減衰力設定処理を実行する。減衰力設定部52は、目標減衰力設定処理を開始すると、先ず図4のステップS1で、横Gセンサ10や前後Gセンサ11から入力した車体1の加速度Gy,Glや、ヨーレイトセンサ12からから入力した車体1のヨーレイトγ、車速センサ9から入力した車速Vv、操舵角センサ(図示せず)から入力した操舵速度等に基づき自動車Vの運動状態を判定する。次に、減衰力設定部52は、自動車Vの運動状態とモードスイッチ16から入力した減衰モードとに基づき、ステップS2で各ダンパ4のスカイフック制御目標値Dshを算出し、ステップS3で各ダンパ4のロール制御目標値Drを算出し、ステップS4で各ダンパ4のピッチ制御目標値Dpを算出する。
次に、減衰力設定部52は、ステップS5で各ダンパ4のストローク速度Ssが正の値であるか否かを判定し、この判定がYesであった場合(すなわち、ダンパ4が伸び側に作動している場合)、ステップS6で3つの制御目標値Dsh,Dr,Dpのうち値が最も大きいものを目標減衰力Dtgtに設定し、ステップS7で目標電流生成部53に目標減衰力Dtgtを出力する。また、減衰力設定部52は、ステップS5の判定がNoであった場合(すなわち、ダンパ4が縮み側に作動している場合)、ステップS8で3つの制御目標値Dsh,Dr,Dpのうち値が最も小さいものを目標減衰力Dtgtに設定し、ステップS7で目標電流生成部53に目標減衰力Dtgtを出力する。
<目標電流生成処理>
DMP−ECU6では、上述した目標減衰力設定処理と並行するかたちで、目標電流生成部53が、図5のフローチャートにその手順を示す目標電流生成処理を実行する。目標電流生成部53は、目標電流生成処理を開始すると、先ず図5のステップS11で、図6の目標電流マップから目標減衰力Dtgtとストローク速度Ssとに対応する基本目標電流Ibaseを検索/設定する。
DMP−ECU6では、上述した目標減衰力設定処理と並行するかたちで、目標電流生成部53が、図5のフローチャートにその手順を示す目標電流生成処理を実行する。目標電流生成部53は、目標電流生成処理を開始すると、先ず図5のステップS11で、図6の目標電流マップから目標減衰力Dtgtとストローク速度Ssとに対応する基本目標電流Ibaseを検索/設定する。
次に、目標電流生成部53は、ステップS12で、ダンパ温度推定部54から入力したダンパ温度推定値Tdを用いて、基本目標電流Ibaseに対して温度補正を行うことによって目標電流Itgtを算出する。しかる後、目標電流生成部53は、ステップS13で目標電流Itgtに応じた駆動電流を各ダンパ4のMLVコイル40に出力する。
<運転時ダンパ温度推定処理>
DMP−ECU6では、上述した目標減衰力設定処理や目標電流生成処理と並行するかたちで、ダンパ温度推定部54が、図7のフローチャートにその手順を示す運転時ダンパ温度推定処理を実行する。ダンパ温度推定部54は、運転時ダンパ温度推定処理を開始すると、先ず図7のステップS21で、ENG−ECU8からの入力情報に基づき、エンジン7が停止されたか否か(運転者によってイグニッションキーがON位置からOFF位置に切り換えられたか否か)を判定する。
DMP−ECU6では、上述した目標減衰力設定処理や目標電流生成処理と並行するかたちで、ダンパ温度推定部54が、図7のフローチャートにその手順を示す運転時ダンパ温度推定処理を実行する。ダンパ温度推定部54は、運転時ダンパ温度推定処理を開始すると、先ず図7のステップS21で、ENG−ECU8からの入力情報に基づき、エンジン7が停止されたか否か(運転者によってイグニッションキーがON位置からOFF位置に切り換えられたか否か)を判定する。
ステップS21の判定がNoであった場合、ダンパ温度推定部54は、ステップS22で、目標電流生成部53から入力した出力電流情報やストロークセンサ13から入力したダンパ4の作動情報に基づき、ダンパ温度推定値Tdを各ダンパ4について求める。ダンパ温度推定部54は、例えば、各ダンパ4に供給された電流の積分値から通電発熱量を算出し、各ダンパ4の作動量の積分値から減衰発熱量を算出し、これら通電発熱量と減衰発熱量とに基づき演算式や温度推定マップを用いてダンパ温度推定値Tdを求める。
一方、ステップS21の判定がYesであった場合、ダンパ温度推定部54は、ステップS23で現時点における冷却水温Twと吸気温Taとの差を第1停止時温度差Δt1として算出した後、ステップS24で第1停止時温度差Δt1を不揮発性メモリーに記憶する。次に、ダンパ温度推定部54は、ステップS25で現時点におけるダンパ温度推定値Tdと吸気温Taとの差を第2停止時温度差Δt2として算出した後、ステップS26で第2停止時温度差Δt2を不揮発性メモリーに記憶して処理を終了する。なお、車載バッテリからDMP−ECU6への電力供給はこの時点で停止される。
<再始動時ダンパ温度推定処理>
運転者が駐車されていた自動車Vに乗車してエンジン7を再始動させると、DMP−ECU6では、ダンパ温度推定部54が、図8のフローチャートにその手順を示す再始動時ダンパ温度推定処理を実行する。ダンパ温度推定部54は、再始動時ダンパ温度推定処理を開始すると、先ず図8のステップS31で現時点における冷却水温Twと吸気温Taとの差を再始動時温度差Δtrとして算出した後、ステップS32で、不揮発性メモリーに記憶されていた第1停止時温度差Δt1と再始動時温度差Δtrとに基づき、図9の停車時間推定マップから推定停車時間Tpを検索する。
運転者が駐車されていた自動車Vに乗車してエンジン7を再始動させると、DMP−ECU6では、ダンパ温度推定部54が、図8のフローチャートにその手順を示す再始動時ダンパ温度推定処理を実行する。ダンパ温度推定部54は、再始動時ダンパ温度推定処理を開始すると、先ず図8のステップS31で現時点における冷却水温Twと吸気温Taとの差を再始動時温度差Δtrとして算出した後、ステップS32で、不揮発性メモリーに記憶されていた第1停止時温度差Δt1と再始動時温度差Δtrとに基づき、図9の停車時間推定マップから推定停車時間Tpを検索する。
次に、ダンパ温度推定部54は、ステップS33で、第2停止時温度差Δt2と推定停車時間Tpとに基づき、図10の温度差推定マップから推定温度差ΔTを検索する。しかる後、ダンパ温度推定部54は、ステップS34で現在の吸気温Taに推定温度差ΔTを加算することによって再始動時ダンパ温度推定値(再始動時温度)Tdrを求め、ステップS35でこの再始動時ダンパ温度推定値Tdrを目標電流生成部53に出力して処理を終了する。
本実施形態では、このような構成を採ったことにより、駐車時における車載バッテリの消耗を抑制しながら(DMP−ECU6による電力消費を防ぎながら)、エンジン7の再始動時におけるダンパ4の温度を高い精度で推定して正確な温度補正を行うことができるようになる。また、外気温検出手段として吸気温センサ15を用いるようにしたため、外気温を検出するセンサを新たに設ける必要がなくなり、装置コストの上昇を抑制することができる。
[第2実施形態]
図11は第2実施形態に係るダンパECUの概略構成を示すブロック図である。
第2実施形態は、上述した第1実施形態と同様の車両構成を採っているが、DMP−ECU6の構成が異なる他、ダンパ温度推定処理に代えてダンパ温度補償処理を行う点が異なっている。
図11は第2実施形態に係るダンパECUの概略構成を示すブロック図である。
第2実施形態は、上述した第1実施形態と同様の車両構成を採っているが、DMP−ECU6の構成が異なる他、ダンパ温度推定処理に代えてダンパ温度補償処理を行う点が異なっている。
<ダンパECUの概略構成>
DMP−ECU6は、図11に示すように、第1実施形態と同様に、入力インタフェース51と、減衰力設定部52と、目標電流生成部53と、出力インタフェース55とを有しているが、ダンパ温度推定部に代えてダンパ温度補償部60を備えている。ダンパ温度補償部60は、車速センサ9やエンジンECU8から入力した情報に基づいて温度補償値等を設定し、それを減衰力設定部52に出力する。
DMP−ECU6は、図11に示すように、第1実施形態と同様に、入力インタフェース51と、減衰力設定部52と、目標電流生成部53と、出力インタフェース55とを有しているが、ダンパ温度推定部に代えてダンパ温度補償部60を備えている。ダンパ温度補償部60は、車速センサ9やエンジンECU8から入力した情報に基づいて温度補償値等を設定し、それを減衰力設定部52に出力する。
≪第2実施形態の作用≫
<目標減衰力設定処理>
自動車Vの走行時において、DMP−ECU6では、減衰力設定部52が、所定の処理インターバルをもって、図12のフローチャートにその手順を示す目標減衰力設定処理を実行する。減衰力設定部52は、目標減衰力設定処理を開始すると、先ず図12のステップS41で、横Gセンサ10や前後Gセンサ11から入力した車体1の加速度Gy,Glや、ヨーレイトセンサ12からから入力した車体1のヨーレイトγ、車速センサ9から入力した車速Vv、操舵角センサ(図示せず)から入力した操舵速度等に基づき自動車Vの運動状態を判定する。次に、減衰力設定部52は、自動車Vの運動状態とモードスイッチ16から入力した減衰モードとに基づき、ステップS42で各ダンパ4のスカイフック制御目標値Dshを算出し、ステップS43で各ダンパ4のロール制御目標値Drを算出し、ステップS44で各ダンパ4のピッチ制御目標値Dpを算出する。
<目標減衰力設定処理>
自動車Vの走行時において、DMP−ECU6では、減衰力設定部52が、所定の処理インターバルをもって、図12のフローチャートにその手順を示す目標減衰力設定処理を実行する。減衰力設定部52は、目標減衰力設定処理を開始すると、先ず図12のステップS41で、横Gセンサ10や前後Gセンサ11から入力した車体1の加速度Gy,Glや、ヨーレイトセンサ12からから入力した車体1のヨーレイトγ、車速センサ9から入力した車速Vv、操舵角センサ(図示せず)から入力した操舵速度等に基づき自動車Vの運動状態を判定する。次に、減衰力設定部52は、自動車Vの運動状態とモードスイッチ16から入力した減衰モードとに基づき、ステップS42で各ダンパ4のスカイフック制御目標値Dshを算出し、ステップS43で各ダンパ4のロール制御目標値Drを算出し、ステップS44で各ダンパ4のピッチ制御目標値Dpを算出する。
次に、減衰力設定部52は、ステップS45で各ダンパ4のストローク速度Ssが正の値であるか否かを判定し、この判定がYesであった場合(すなわち、ダンパ4が伸び側に作動している場合)、ステップS46で3つの制御目標値Dsh,Dr,Dpのうち値が最も大きいものを目標減衰力ベース値Dbtgtに設定する。また、減衰力設定部52は、ステップS45の判定がNoであった場合(すなわち、ダンパ4が縮み側に作動している場合)、ステップS47で3つの制御目標値Dsh,Dr,Dpのうち値が最も小さいものを目標減衰力ベース値Dbtgtに設定する。
次に、減衰力設定部52は、ステップS48で後述する温度補償フラグFtcが1であるか否かを判定し、この判定がNoであれば、ステップS49で目標減衰力ベース値Dbtgtを目標減衰力Dtgtとし、ステップS50で標減衰力Dtgtを目標電流生成部53に目標電流生成部53に出力する。
一方、ステップS48の判定がYesであった場合、減衰力設定部52は、ステップS51で、後述する温度補償ゲインGtcを目標減衰力ベース値Dbtgtに乗じることによって目標減衰力Dtgtを算出した後、ステップS50で標減衰力Dtgtを目標電流生成部53に出力する。
<目標電流生成処理>
DMP−ECU6では、上述した目標減衰力設定処理と並行するかたちで、目標電流生成部53が、図13のフローチャートにその手順を示す目標電流生成処理を実行する。目標電流生成部53は、目標電流生成処理を開始すると、図13のステップS61で、図6の目標電流マップから目標減衰力Dtgtとストローク速度Ssとに対応する目標電流Itgtを検索/設定した後、ステップS62で目標電流Itgtに応じた駆動電流を各ダンパ4のMLVコイル40に出力する。
DMP−ECU6では、上述した目標減衰力設定処理と並行するかたちで、目標電流生成部53が、図13のフローチャートにその手順を示す目標電流生成処理を実行する。目標電流生成部53は、目標電流生成処理を開始すると、図13のステップS61で、図6の目標電流マップから目標減衰力Dtgtとストローク速度Ssとに対応する目標電流Itgtを検索/設定した後、ステップS62で目標電流Itgtに応じた駆動電流を各ダンパ4のMLVコイル40に出力する。
<運転情報記憶処理>
DMP−ECU6では、上述した目標減衰力設定処理や目標電流生成処理と並行するかたちで、ダンパ温度補償部60が、図14のフローチャートにその手順を示す運転情報記憶処理を実行する。ダンパ温度補償部60は、運転情報記憶処理を開始すると、先ず図14のステップS71で、車速センサ9から入力した車速Vvに基づいて運転開始時(イグニッションキーがON操作された時点)からの自動車Vの前回走行距離Dclを積算し、ステップS72で目標電流生成部53から入力した出力電流情報に基づいて運転開始時からのダンパ4の前回消費電力Eclを積算する。次に、ダンパ温度補償部60は、ステップS73で、イグニッションキーがOFF操作されたか否かを判定し、この判定がNoであればスタートに戻ってステップS71,S72の処理(前回走行距離Dclおよび前回消費電力Eclの積算)を繰り返す。
DMP−ECU6では、上述した目標減衰力設定処理や目標電流生成処理と並行するかたちで、ダンパ温度補償部60が、図14のフローチャートにその手順を示す運転情報記憶処理を実行する。ダンパ温度補償部60は、運転情報記憶処理を開始すると、先ず図14のステップS71で、車速センサ9から入力した車速Vvに基づいて運転開始時(イグニッションキーがON操作された時点)からの自動車Vの前回走行距離Dclを積算し、ステップS72で目標電流生成部53から入力した出力電流情報に基づいて運転開始時からのダンパ4の前回消費電力Eclを積算する。次に、ダンパ温度補償部60は、ステップS73で、イグニッションキーがOFF操作されたか否かを判定し、この判定がNoであればスタートに戻ってステップS71,S72の処理(前回走行距離Dclおよび前回消費電力Eclの積算)を繰り返す。
自動車Vが運転停止されてステップS73の判定がYesになると、ダンパ温度補償部60は、ステップS74で、その時点での前回走行距離Dcl、前回消費電力Eclおよび時刻(運転停止時刻Tstop)を不揮発性メモリ等に記憶して運転情報記憶処理を終了する。
<運転再開時処理>
停車されていた自動車Vに運転者が乗り込んでイグニッションキーをON操作すると、ダンパ温度補償部60は、図15のフローチャートにその手順を示す運転再開時処理を実行する。ダンパ温度補償部60は、運転再開時処理を開始すると、先ず図15のステップS81で、運転再開時刻Tstartから運転停止時刻Tstopを減算することによって運転停止時間Tparkを算出した後、ステップS82で、運転停止時間Tparkに基づき、図16に示す運転停止時間−温度補償距離マップから温度補償距離Dtcを検索/設定する。
停車されていた自動車Vに運転者が乗り込んでイグニッションキーをON操作すると、ダンパ温度補償部60は、図15のフローチャートにその手順を示す運転再開時処理を実行する。ダンパ温度補償部60は、運転再開時処理を開始すると、先ず図15のステップS81で、運転再開時刻Tstartから運転停止時刻Tstopを減算することによって運転停止時間Tparkを算出した後、ステップS82で、運転停止時間Tparkに基づき、図16に示す運転停止時間−温度補償距離マップから温度補償距離Dtcを検索/設定する。
次に、ダンパ温度補償部60は、ステップS83で、前回走行距離Dcl、前回消費電力Ecl、運転停止時間Tparkおよび吸気温Taに基づき、温度補償ゲインGtcを算出して運転再開時処理を終了する。すなわち、ダンパ温度補償部60は、前回走行距離Dclに基づいて図17に示す走行距離−前回距離補償ゲインマップから前回距離補償ゲインGprを設定し、前回消費電力Eclに基づいて図18に示す消費電力−前回電力補償ゲインマップから前回距離補償ゲインGpeを設定し、運転停止時間Tparkに基づいて図19に示す運転停止時間−停止時間補償ゲインマップから停止時間補償ゲインGpkを設定し、吸気温Taに基づいて図20に示す吸気温−外気温補償ゲインマップから外気温補償ゲインGatを設定した後、これら各ゲインGpr,Gpe,Gpk,Gatを乗算することによって温度補償ゲインGtcを算出する。
<運転再開後処理>
自動車Vの運転が再開されると、ダンパ温度補償部60は、図21のフローチャートにその手順を示す運転再開後処理を実行する。ダンパ温度補償部60は、運転再開後処理を開始すると、先ず図21のステップS91で、初期値0のランプ制御フラグFrampが1であるか否かを判定する。ステップS91の初回の判定はNoとなるため、ダンパ温度補償部60は、ステップS92で、車速センサ9から入力した車速Vvに基づいて運転再開時点からの自動車Vの走行距離(今回走行距離Dcp)を積算した後、ステップS93で、今回走行距離Dcpが温度補償距離Dtcに達したか否かを判定する。
自動車Vの運転が再開されると、ダンパ温度補償部60は、図21のフローチャートにその手順を示す運転再開後処理を実行する。ダンパ温度補償部60は、運転再開後処理を開始すると、先ず図21のステップS91で、初期値0のランプ制御フラグFrampが1であるか否かを判定する。ステップS91の初回の判定はNoとなるため、ダンパ温度補償部60は、ステップS92で、車速センサ9から入力した車速Vvに基づいて運転再開時点からの自動車Vの走行距離(今回走行距離Dcp)を積算した後、ステップS93で、今回走行距離Dcpが温度補償距離Dtcに達したか否かを判定する。
ステップS93の初回の判定もNoとなるため、ダンパ温度補償部60は、ステップS94で初期値0の温度補償フラグFtcが1であるか否かを判定する。ステップS94の初回の判定はNoとなるため、ダンパ温度補償部60は、ステップS95で温度補償フラグFtcを1とした後、ステップS96で温度補償ゲインGtcの減衰力設定部52への出力を開始する。これにより、目標減衰力Dtgtが有意に減少し、冬季等に自動車Vが長時間駐車されていたような場合にも、運転再開時における乗り心地の悪化が効果的に抑制されるようになる。
自動車Vの今回走行距離Dcpが温度補償距離Dtcに達し、ステップS93の判定がYesになると、ダンパ温度補償部60は、ステップS97でランプ制御フラグFrampを1とする。その結果、ステップS91の次回の判定がYesとなるため、ダンパ温度補償部60は、ステップS98で温度補償ゲインGtcに所定のランプ制御ゲインを加算した後、ステップS99で温度補償ゲインGtcが1.0以上の値となったか否かを判定する。そして、ダンパ温度補償部60は、ステップS99の判定がNoである間は、ステップS98での温度補償ゲインGtcの減算を繰り返す。これにより、目標減衰力Dtgtは目標減衰力ベース値Dbtgtに徐々に近づいてゆき、目標減衰力Dtgtの急変によって運転者が乗り心地や操縦安定性に違和感を憶えることが防止できる。
温度補償ゲインGtcが1.0以上の値となってステップS99の判定がYesになると、ダンパ温度補償部60は、ステップS100で温度補償フラグFtcを0とし、ステップS101でランプ制御フラグFrampを0とする。しかる後、ダンパ温度補償部60は、ステップS102で温度補償ゲインGtcの減衰力設定部52への出力を中止し、運転再開後処理を終了する。
本実施形態でも、このような構成を採ったことにより、駐車時における車載バッテリの消耗を抑制しながら、自動車Vの運転再開時におけるダンパ4の減衰力を高い精度で温度補正できるようになる。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明の態様は上記実施形態に限られるものではない。例えば、上記実施形態はMRF式の減衰力可変ダンパに本発明を適用したものであるが、MF(磁性流体)式の減衰力可変ダンパや、ソレノイド等を用いた減衰力可変ダンパにも適用可能である。また、上記実施形態では、乗員の運転操作としてモードスイッチの操作を挙げたが、ブレーキ操作やアクセル操作等を採用してもよい。また、上記第2実施形態では、温度補償値として目標減衰力に乗算される温度補償ゲインを採用したが、目標減衰力や目標電流から所定の温度補償減衰力や温度補償電流を減算するようにしてもよい。その他、自動車や制御装置の具体的構成、制御の具体的手順等についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば適宜変更可能である。
1 車体
4 ダンパ
6 DMP−ECU
7 エンジン
14 水温センサ(冷却水温検出手段)
15 吸気温センサ(外気温検出手段)
16 モードスイッチ
52 減衰力設定部
53 目標電流生成部
54 ダンパ温度推定部
V 自動車(車両)
4 ダンパ
6 DMP−ECU
7 エンジン
14 水温センサ(冷却水温検出手段)
15 吸気温センサ(外気温検出手段)
16 モードスイッチ
52 減衰力設定部
53 目標電流生成部
54 ダンパ温度推定部
V 自動車(車両)
Claims (6)
- 車体と車輪との間に減衰力可変ダンパが介装された車両に搭載され、目標減衰力に応じた目標電流を当該減衰力可変ダンパに出力することによって減衰力の可変制御を行う制御装置であって、
前記車両の運転状態に基づいて前記減衰力可変ダンパの目標減衰力を設定する目標減衰力設定手段と、
前記車両が前回運転停止された時点における車両情報を停止時車両情報として記憶する停止時車両情報記憶手段と、
前記車両の運転停止時間を計測または推定する運転停止時間導出手段と、
少なくとも前記停止時車両情報と前記運転停止時間とに基づき、前記減衰力可変ダンパの温度補償に供される温度補償値を設定する温度補償値設定手段と、
前記温度補償値を用いて前記目標減衰力または前記目標電流を補正する補正手段と
を備えたことを特徴とする減衰力可変ダンパの制御装置。 - 前記運転状態は、前記車体の運動状態と乗員の運転操作との少なくとも一方を含むことを特徴とする、請求項1に記載された減衰力可変ダンパの制御装置。
- 前記車両には水冷式の内燃機関が搭載され、
前記停止時車両情報記憶手段は、前記車両が前回運転停止された時点における前記内燃機関の冷却水温と外気温度との差を停止時温度差として記憶し、
運転停止時間導出手段は、前記車両が運転再開された時点における冷却水温と外気温度との差を運転再開時温度差として算出した後、前記停止時温度差と当該運転再開時温度差とに基づいて運転停止時間を推定し、
前記温度補償値設定手段は、前記運転停止時間と前記停止時温度差とに基づいて運転再開時における減衰力可変ダンパと外気温度との温度差を推定温度差として推定し、運転再開時における外気温度と前記推定温度差とに基づいて前記減衰力可変ダンパの運転再開時温度を推定した後、前記運転再開時温度に基づいて温度補償値を設定することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載された減衰力可変ダンパの制御装置。 - 前記停止時車両情報記憶手段は、前記車両が前回運転停止された時点までの走行距離を前回走行距離として記憶し、
前記温度補償値設定手段は、前記前回走行距離と前記運転停止時間とに基づいて温度補償値を設定することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載された減衰力可変ダンパの制御装置。 - 前記停止時車両情報記憶手段は、前記車両が前回運転停止された時点までの消費電力を前回消費電力として記憶し、
前記温度補償値設定手段は、前記前回消費電力と前と前記運転停止時間とに基づいて温度補償値を設定することを特徴とする、請求項1、請求項2および請求項4のいずれか1項に記載された減衰力可変ダンパの制御装置。 - 少なくとも前記停止時車両情報と前記運転停止時間とに基づき、前記車両の運転再開後において前記温度補償値による補正を行う走行距離を設定する温度補償距離設定手段を更に備えたことを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載された減衰力可変ダンパの制御装置。
Priority Applications (1)
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JP2008055302A JP2009062032A (ja) | 2007-08-09 | 2008-03-05 | 減衰力可変ダンパの制御装置 |
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Publications (1)
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ID=40557012
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2008
- 2008-03-05 JP JP2008055302A patent/JP2009062032A/ja active Pending
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