JP2009061356A - 懸濁物質分離方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シンプルな構造、方法で、有極性溶媒中に分散した非強有極性の懸濁物質を効率的かつ迅速に分離できる懸濁物質分離方法および懸濁物質分離装置を提供する。
【解決手段】懸濁物質分離方法は、外部空間から非強有極性の懸濁物質を含む有極性溶媒中に気泡の形態で気体を導入する気体導入部2と、懸濁物質を気泡に付着させて有極性溶媒から分離する分離塔4とを備える懸濁物質分離装置1を使用した懸濁物質分離方法であって、気体導入部2において、前記懸濁物質を含む有極性溶媒に前記気泡の形態で気体を導入する工程と、分離塔の内部において、有極性溶媒の流通経路途中に気泡の集合体部を形成した状態で、有極性溶媒を流通させることにより、気泡の集合体部において懸濁物質を気泡に補足する工程とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、懸濁物質分離方法および装置に関し、より特定的には、水等の有極性溶媒中に分散した懸濁物質を分離する懸濁物質分離方法および装置に関する。
液体中に分散した固形物、タンパク質など有機物を分離する装置として、従来、種々の装置が知られている。たとえば、懸濁物質が分散した溶媒が貯留された槽内底部で気泡を発生させ、気液界面に懸濁物質を吸着し浮上分離する装置や、凝集剤により有機物の懸濁物質を凝集沈殿分離する装置などが知られている。
特に、水に代表される溶媒中に分散した非強有極物質が、疎水性水和により気液界面にあたかも吸着したように集まる現象を利用して、有極性溶媒中で気泡を大量に発生させ、その気泡の浮力により、気液界面に吸着した非強有極性の物質を浮上分離する方式は近年排水処理分野や鉱物分野でよく使用される。ここで、極性とは、原子の電気陰性度の差により分子内に生じる電子の分布の偏りをいう。非強有極性とは、溶媒の分子内に存在する電気的な偏りよりも、分子内の電気的な偏りが弱い性質をいう。
たとえば、水は酸素原子と水素原子の結合部分で電子が酸素原子側に偏った分極構造を持っている。水中に水より分極度(極性)の弱い物質が存在すると、その物質の周りでは水分子同士が手を繋いだ状態(すなわち水素結合状態)より不安定な状態となり、当該物質が水分子から排除されるような力が作用する。よってこのような物質は、水中での水分子との接触箇所である表面積をできるだけ小さくするため、互いに凝集する、あるいは気泡など他の非強有極性部分に集まる、などの傾向を示すようになる。
この原理から、従来例1として、水中での気液界面面積を増やすのが非強有極性の物質の水からの分離に効果的であるため、微細な気泡を用いて、水中の固形物や溶解性有機物を分離する浮上分離装置が提案されている(たとえば特許文献1参照)。
特許文献1の微細気泡発生機では、500μm以下の微細気泡を発生して、その微細気泡に被処理液中の懸濁性浮遊物や油分を付着させる。付着した懸濁性浮遊物や油分は、気泡と一緒に浮上し、濃縮される。この微細気泡発生機を使用した浮上分離装置では、凝集散気槽中に、微細気泡を発生させ、懸濁性浮遊物や油分を濃縮し、併設したスカム分離槽中でスカムと沈降フロックとに分離する。
また従来例2として、特許文献2では、図10のように以下の対策により微細気泡の分離を行なっている(たとえば、特許文献2参照)。図10は、従来の気泡分離装置を示す模式図である。図10を参照して、従来の気泡分離装置を説明する。
図10を参照して、従来の気泡分離装置は、円筒状の外ケース108と、当該外ケース108の内部に配置された旋回流室容器101と、旋回流室容器101の中央部に配置された中心細管109とを備える。旋回流室容器101は下端側の径が大きくなっている円錐形状を有している。旋回流室容器101の内部である旋回流室102は一端側の内径が大きく、他端側に向かうにつれてその幅が小さくなっている。旋回流室容器101における上記他端側の周壁面には多数の小穴106が形成されている。外ケース108の上壁には、円錐形状の旋回流室容器101の先端部に対向する位置に液体排出口107が形成されている。また、外ケース108の下端部には、横方向から環状予備旋回流路112の内部に液体を供給するための液体供給口104が形成されている。平面形状が円環状の環状予備旋回流路112には、液体供給口104が形成された部位に隣接して(すなわち、液体の流れる経路で考えると液体供給口104から最も下流側に)ガイド113が配置されている。ガイド113に隣接して、環状予備旋回流路112の内周壁面に開口114が形成されている。中心細管109には、その側壁に複数の小穴110が形成されている。また、中心細管109の下端は気泡排出口111に接続されている。
次に、図10に示した気泡分離装置の動作を簡単に説明する。まず、微細気泡を含んだ液体が液体供給口104から環状予備旋回流路112にポンプなどにより圧送される。当該液体は、環状予備旋回流路112内において旋回流となり、環状予備旋回流路112の内部をほぼ一周する。この旋回運動によって生じる遠心力により、液体中の微細気泡は環状予備旋回流路112の内周部方向に集合しながら、合一・合体を繰返し、次第に大きな気泡になる。また、気泡をほとんど含まない(みかけ密度の大きな)液体は、環状予備旋回流路112の外周部方向に集合する。この結果、環状予備旋回流路112を流通する間に液体は層流状態となり、ガイド113に案内されて開口114から旋回流室102の内部に流入する。
旋回流室102内部では、液体が矢印に示すように旋回しながら上昇していく。この過程で、気泡は旋回流の中心により集まり、さらに合体しながらより大きな気泡になる。また、旋回流の外周側は気泡をほとんど含まない液体となる。そして、気泡をほとんど含まない液体は、旋回流室容器101の小穴106から当該容器101外へ流出し、液体排出口107に導かれる。一方、旋回流室102の内部では、旋回流の中心寄りに集まった気泡は多数の小穴110から中心細管109内に入り、気泡排出口111に導かれる。このようにして、液体から微細気泡を分離することができるとしている。
特開平4−7028号公報 特開平7−39702号公報
上述した従来の装置では、以下のような問題があった。すなわち、従来例1では、液体の粘度の影響により、微細気泡は溶媒となる液体とほぼ同じ流線で流動する。このため、溶媒が流体状態である場合には、溶媒からの微細気泡の分離は困難である。
さらに、従来例1の装置では、同一気体体積である場合、微小な気泡は表面積すなわち気液界面面積が大きくできるが、気泡の浮力が小さく水中懸濁物質の分離に時間がかかる。一方、気泡が大きい(気泡の径が大きい)と総気液界面面積が小さくなり、水中の懸濁物質の分離能力が小さくなる。また、気泡が大きいと当該気泡の浮上速度が大きすぎるため、すぐに気泡が溶媒表面(水面)に浮上してしまい、この点からも懸濁物質の気液界面への付着効率がよくない。
また、従来例1の浮上分離装置では、凝集散気槽内においては気泡の浮力のみによって懸濁物質を浮上分離させている。このため、凝集散気槽内の溶媒の流速を気泡の浮上速度以下とする必要があるため、懸濁物質の分離効率や分離速度は必ずしも十分とは言えなかった。
また、従来例2の装置では、微細気泡を使用した場合、たとえば中心細管109に細孔を設けるなど、複雑な構造となり、製造コストが増大するとともに、当該細孔に懸濁物質が詰まるといった問題が生ずる恐れがある。
本発明は、上記のような課題を解決するために成されたものであり、本発明の主たる目的は、シンプルな構造、方法で、有極性溶媒中に分散した非強有極性の懸濁物質を効率的かつ迅速に分離できる懸濁物質分離方法および懸濁物質分離装置を提供することである。
この発明に従った懸濁物質分離方法は、外部空間から非強有極性の懸濁物質を含む有極性溶媒中に気泡の形態で気体を導入する気体導入部と、懸濁物質を気泡に付着させて有極性溶媒から分離する分離塔とを備える懸濁物質分離装置を使用した懸濁物質分離方法であって、気体導入部において、前記懸濁物質を含む有極性溶媒に気泡の形態で気体を導入する工程と、分離塔の内部において、有極性溶媒の流通経路途中に気泡の集合体部を形成した状態で、有極性溶媒を流通させることにより、気泡の集合体部において懸濁物質を気泡に補足する工程とを備える。
このようにすれば、分離塔内で、有極性溶媒が通過する流通経路途中に気泡の集合体部を形成することで、気泡と有極性溶媒中に分散した懸濁物質の接触確率が上がる。そのため、有極性溶媒中の非強有極性の懸濁物質が気泡の周囲に吸着し易くなる。したがって、懸濁物質は分離塔において気泡とともに有極性溶媒から分離されるので、有極性溶媒中に分散した懸濁物質を効率的に分離することができる。なお、分離塔において懸濁物質の一部または大半が分離され、比較的清浄となった有性溶媒は、たとえば分離塔に設けられた流出路としての配管より排出することができる。
上記懸濁物質分離方法において好ましくは、懸濁物質分離装置が分離塔において有極性溶媒に旋回流を形成するための、旋回流形成機構を含む。また、上記懸濁物質を気泡に補足する工程では、有極性溶媒は旋回流を形成して流通する。この場合は、分離塔内の旋回流によって遠心力が発生する。気体と有極性溶媒との比重が異なるために、有極性溶媒中の気泡は分離塔の中心部へ引き寄せられ、有極性溶媒は分離塔の外周部に引き寄せられる。そのため、分離塔内における、気泡と有極性溶媒中の懸濁物質との接触確率が上がる。したがって、有極性溶媒中の非強有極性の懸濁物質が気泡の周囲に吸着し易くなる。懸濁物質分離装置が旋回流形成機構を含むために、分離塔内では、大きな気泡は常に気泡の集合体として旋回流に渦状で捕捉される。分離塔外部から導入された有極性溶媒中の微細気泡および懸濁物質は、渦状の気泡の集合体部により攪拌される。この攪拌により、有極性溶媒中の気泡同士が合体したり、気液界面に付着した懸濁物質同士が合体したりするために、気泡の周りに吸着した懸濁物質自体が大きな集合体となる。このようにして、懸濁物質は、有極性溶媒との比重差により分離塔の中心部において、気泡と共に旋回流に捕捉された状態となる。
上記懸濁物質分離方法では、気体を導入する工程において有極性溶媒に導入される気泡には、直径が0.3mm以下の微細気泡が含まれていてもよい。
この場合、一定の気体導入量で比較すると、直径が0.3mm以下というように気泡を微細化し微細気泡とするほど気液界面面積が増え、懸濁物質の付着確率が上がる。また、一定の気体導入量で比較した場合、気泡を微細化するほど、分離塔へ有極性溶媒を送出するためにポンプを用いる場合に当該ポンプ内でエアがみしにくくなる。
上記懸濁物質分離方法において、気体を導入する工程では、懸濁物質分離方法の開始時には相対的に大きな径の気泡を有極性溶媒に導入し、開始時から所定の時間経過した後には相対的に小さな径の気泡を有極性溶媒に導入してもよい。
上記懸濁物質分離方法において、気体を導入する工程では、有極性溶媒に導入する気泡が相対的に大きな径と気泡と相対的に小さな径の気泡とを含んでいてもよい。
ここで、分離塔において旋回流を形成・利用する場合、分離塔内では、大きな気泡は常に気泡の集合体部として旋回流に渦状で捕捉される。分離塔外部から導入された有極性溶媒中の微細気泡および懸濁物質は、渦状の気泡の集合体部により攪拌される。この攪拌により、有極性溶媒中の気泡同士が合体したり、気液界面に付着した懸濁物質同士が合体したりするために、気泡の周りに吸着した懸濁物質自体が大きな集合体となる。このようにして、懸濁物質は、有極性溶媒との比重差により分離塔の中心部において、気泡と共に旋回流に捕捉された状態となる。したがって、懸濁物質分離装置の起動時には相対的に大きい径の気泡を生成し分離塔に導入し、分離塔内で渦状の気泡の集合体部を迅速に形成する。そして、次に微細な気泡を生成し分離塔に導入する。このような構成によれば、効率的に分離塔内に懸濁物質を捕捉することができる。また、相対的に大きな径の気泡と相対的に小さな径の気泡とを混在させて生成させる構成によっても、同様に、効率的に分離塔内に懸濁物質を捕捉することができる。
上記懸濁物質分離方法において、有極性溶媒は水であってもよい。この場合、水は代表的な有極性溶媒でありその極性も大きい。そのため、有極性溶媒と懸濁物質との極性の差(疎水性相互作用)を利用する本発明にとって、大きな効果が得られる有極性溶媒である。また、懸濁物質が分離され清浄化された水は、生活用水や工業用水など、利用用途が豊富である。
この発明に従った懸濁物質分離装置は、有極性溶媒中の非強有極性の懸濁物質を、有極性溶媒から分離するための懸濁物質分離装置であって、気体導入部と、ポンプと、分離塔と、配管とを備える。気体導入部は、外部空間から非強有極性の懸濁物質を含む有極性溶媒中に気泡の形態で気体を導入する。ポンプは有極性溶媒を移送させる。分離塔は、懸濁物質を気泡に付着させて有極性溶媒から分離する。配管は、気泡の形態で気体が導入された有極性溶媒を分離塔の内部に導くため、気体導入部とポンプと分離塔とを接続する。分離塔は、分離塔の内部において有極性溶媒の流通経路途中に気泡の集合体部を形成することが可能に構成されている。
このような装置を用いれば、本発明による懸濁物質分離方法を確実に実施できる。すなわち、分離塔内で、有極性溶媒が通過する流通経路途中に気泡の集合体部を形成することで、気泡と有極性溶媒中に分散した懸濁物質の接触確率が上がる。そのため、有極性溶媒中の非強有極性の懸濁物質が気泡の周囲に吸着し易くなる。したがって、懸濁物質は分離塔において気泡とともに有極性溶媒から分離されるので、有極性溶媒中に分散した懸濁物質を効率的に分離することができる。また、気体導入部において有極性溶媒中に気体が導入されることにより形成される気泡は、直径が0.3mm以下の微細気泡を含むことが好ましい。つまり、気体導入部は、直径が0.3mm以下の微細気泡の形態で気体を有極性溶媒中に導入可能であることが好ましい。また、上記有極性溶媒は水であることが好ましい。
上記懸濁物質分離装置において、分離塔には、有極性溶媒を導くための配管が、分離塔内部で有極性溶媒の旋回流が形成されるように接続される。つまり、配管の上記接続構造のような旋回流形成機構を備える。この結果、分離塔内部では有極性溶媒の旋回流が形成される。このようにすれば、分離塔内に旋回流形成機構としてスクリューまたは羽根車を設置し当該スクリューまたは羽根車を回転させる場合のように、別途動力源などが必要なく、また装置の構成が複雑化することを防止できる。
上記懸濁物質分離装置において、分離塔は円筒形状を有していてもよい。このようにすれば、分離塔内に旋回流が発生しやすくなる。なお、分離塔の径方向の断面形状は、円形でもよいが多角形としてもよい。
上記懸濁物質分離装置において、分離塔に接続された有極性溶媒を導くための配管は、分離塔の中心軸と交差する方向の断面における外周部において、中心軸と交差しない直線に沿って分離塔に直結されていてもよい。
上記懸濁物質分離装置において、分離塔に接続された有極性溶媒を導くための配管は、中心軸と直交する分離塔の断面と平行な直線であって、分離塔の中心軸と交差しない直線に沿って分離塔に直結してもよい。分離塔の断面における内寸の最小値は、分離塔に直結されている配管の内径の2倍以上10倍以下であってもよい。
この構成によれば、分離塔での有極性溶媒の流速が低下し、有極性溶媒中に分散した懸濁物質の分離塔における滞留時間を大きくとれるので、気泡と有極性溶媒中の懸濁物質とが接触し得る時間が長くなる。したがって、気泡と有極性溶媒中の懸濁物質との接触確率が上がり、懸濁物質の吸着効率や、気泡と有極性溶媒との分離効率が向上する。なお、分離塔に直結されている配管の内径に対する分離塔の中心軸と直交する断面の内寸の上限は、分離塔に流入する有極性溶媒の流速や、分離塔の垂直方向の内寸などによって変わるものであるが、実験では約10倍以上の場合旋回流が発生しにくくなった。よって、分離塔の中心軸と直交する断面の内寸の最大値は、分離塔に直結されている配管の内径の10倍以下であることが好ましい。
上記懸濁物質分離装置において、分離塔の中心軸は、水平方向に対して、3°以上10°以下の角度で傾いていてもよい。この場合、分離塔内部で気泡の集合体部が分離塔断面にほぼ平行な壁状に形成されやすくなる。したがって、気泡の集合体部と懸濁物質や、懸濁物質が吸着した気泡との接触確率が向上する。また、有極性溶媒と同じ流線で流れやすい微細気泡でも、上記のような傾斜角度としておけば分離塔内で捕捉することができる。なお、分離塔の中心軸の水平方向に対する傾斜角度は5°であれば、より好ましい。
上記懸濁物質分離装置において、配管は、ポンプの上流側に気体導入部が位置し、ポンプの下流側に分離塔が位置するように、気体導入部とポンプと分離塔とを接続してもよい。
この場合、気体導入部における気体の有極性溶媒中への導入を、ポンプの吸引側の負圧により行なうことができる。このため、1基のポンプで有極性溶媒の移送と気体の導入とを行なうことが可能になる。したがって、経済性に優れた低コストの懸濁物質分離装置を提供することができる。
上記懸濁物質分離装置では、気体導入部における有極性溶媒の流路は小管径部を含んでいてもよい。気体導入部は、小管径部において流路へ連通する気体の通気路を含んでいてもよい。小管径部の径は、小管径部上流側の流路の径よりも小さくてもよい。
この場合は、気体導入部内の小管径部の径を、その上流側の流路の径に対して細くすることにより、小管径部における有極性溶媒の流速が上昇する。よって、ベルヌィの法則により、負圧が発生するので、通気路を通じて気体を小管径部へ導入することができる。このため、1基のポンプで有極性溶媒の移送と気体の導入とが可能となる。したがって、経済性に優れた低コストの懸濁物質分離装置を提供することができる。またこの構成によれば、ポンプの導入側に気体導入部を設ける構成に限られず、ポンプの吐出側に気体吸引部を設けることも可能となる。
上記懸濁物質分離装置は、分離塔の下部、または、有極性溶媒の分離塔からの流出路を形成する配管に設けられた、ドレイン(廃液路)をさらに備えていてもよい。分離塔内の懸濁物質は、分離処理終了後、分離塔内の有極性溶媒とともにドレインへ排出されてもよい。
この場合、分離塔内の懸濁物質は、分離処理終了後、分離塔内の有極性溶媒とともにドレインへ排出される。分離塔内で分離された懸濁物質の一部または大半が、分離塔内に捕捉される状態で使用される懸濁物質分離装置の場合、分離塔において無限に懸濁物質を捕捉できるわけではない。懸濁物質の分離処理量は、分離塔内における懸濁物質の捕捉量の限界値以下である必要がある。また、分離処理終了後に懸濁物質を分離塔から排出する必要がある。その際、分離塔の下部または流出路にドレインを設け、分離処理終了後、有極性溶媒とともに懸濁物質もドレインに排出されるようにすれば、排出用ポンプの設置や分離塔の洗浄など行なわなくても、懸濁物質分離装置の継続的使用が可能となる。
上記懸濁物質分離装置において、気体導入部では、懸濁物質分離装置の起動時には相対的に大きな径の気泡を有極性溶媒に導入し、開始時から所定の時間経過した後には相対的に小さな径の気泡を有極性溶媒に導入してもよい。
上記懸濁物質分離装置において、気体導入部が、有極性溶媒に導入する気泡として相対的に大きな径と気泡と相対的に小さな径の気泡とを有極性溶媒に導入してもよい。
このようにすれば、懸濁物質分離装置の起動時には相対的に大きい径の気泡を生成し分離塔に導入し、分離塔内で渦状の気泡の集合体部を迅速に形成できる。そして、次に微細な気泡を生成し分離塔に導入する。この結果、効率的に分離塔内において懸濁物質を捕捉することができる。また、相対的に大きな径の気泡と相対的に小さな径の気泡とを混在させて生成させる構成によっても、同様に、効率的に分離塔内において懸濁物質を捕捉することができる。
この発明によれば、簡単な構成の装置を用いて、有極性溶媒中に分散した非強有極性の懸濁物質を効率的に分離できる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
(実施の形態1)
図1は、本発明による懸濁物質分離装置の実施の形態1の構成を説明する概略図である。図1を参照して、本発明による懸濁物質分離装置の実施の形態1を説明する。なお、図1において、本発明の懸濁物質分離装置1は、2点鎖線で示した部分に該当する。
図1を参照して、懸濁物質分離装置1は、洗浄チャンバ6から排出される排液(件抱く物質を含む有極性溶媒)から懸濁物質を分離し、再度洗浄チャンバ6に有極性溶媒を送出している。つまり、図1に示した装置では、懸濁物質分離装置1に、洗浄チャンバ6などが接続され、洗浄チャンバ6での洗浄により洗浄水(有極性溶媒)中に発生した懸濁物質を分離塔4で分離した後、懸濁物質濃度が下がった清浄な有極性溶媒を再度洗浄チャンバ6に排出する。
洗浄チャンバ6に接続された懸濁物質分離装置1は、外部空間から有極性溶媒中に気体を導入する気体導入部2と、ポンプ3と、分離塔4と、配管5、5a、5b、5c、5dとを備える。ポンプ3は有極性溶媒を移送させる。分離塔4は気体導入部2の下流に設けられている。分離塔4は円筒状の形状を有しており、その中心軸が図1に示すように水平方向から所定の角度だけ傾いた状態に設置されている。配管5、5a、5b、5c、5dは、洗浄チャンバ6に接続されるとともに、気体導入部2、ポンプ3および分離塔4を直列に接続している。配管5の内部では有極性溶媒が流れる。分離塔4の内部では、有極性溶媒の流れ(旋回流)が発生するとともに、気体導入部2において導入される気体に起因する気泡から構成される気泡集合体が、有極性溶媒の流れの途中に形成される。つまり、有極性溶媒は気泡集合体を必ず通過するようになっている。
次に、懸濁物質分離装置1を構成する各機器の構成をより具体的に説明する。図2は、図1に示した懸濁物質分離装置1を構成する分離塔4を示す模式図である。図3は、図2に示した分離塔4の中心軸方向から見た模式図である。図2および図3を参照して、分離塔4について説明する。
図2および図3に示すように、分離塔4は、縦型の円筒形状に成形されている。また、分離塔4は、水平方向に対してその中心軸(或いは外周側壁)が傾斜角度θだけ傾斜している。分離塔4へは、有極性溶媒の流れ20bとともに、気泡および懸濁物質が、分離塔4への有極性溶媒の流入路である流入用の配管5cを経由して流入する。分離塔4内では、後述するように気泡表面(気液界面)に懸濁物質が取り込まれたあと、気泡の浮力などにより懸濁物質が有極性溶媒から分離される。その後、流入用の配管5c内の有極性溶媒と比べて有極性溶媒中の懸濁物質の濃度と気泡の量が低下した状態で、有極性溶媒の流れ20dに示すように、分離塔4からの有極性溶媒の流出路である流出用の配管5dより有極性溶媒が排出される。
ここで、図3に示すように、流入用の配管5cおよび流出用の配管5dは、分離塔4の中心軸と直交する断面(図3に示す平面状の底面を有する分離塔4では当該底面と平行な断面)の形状である円の外周において、当該円の接線に沿って分離塔4へ接続されている。これにより、分離塔4内で有極性溶媒の旋回流11が発生する。つまり、この懸濁物質分離装置1において、流入用の配管5cおよび流出用の配管5dは、分離塔4内で有極性溶媒に旋回流11を形成するための旋回流形成機構として機能している。
ここで、上記のように分離塔4において有極性溶媒に旋回流を形成するための旋回流形成機構としては、たとえば分離塔4内にスクリューまたは羽根車を設置し当該スクリューまたは羽根車を回転させる機構も考えられる。しかし、この場合動力源が別途必要となり、また装置の構成が複雑となる。一方、上記発明の構成によれば、有極性溶媒を分離塔4に流出入させるための配管5c、5dを、たとえば円筒形状の分離塔4の中心軸と交差する方向の断面における外周部において、分離塔4の中心軸と交差しない直線に沿って設置することにより、旋回流を容易に発生させることができる。したがって、生産性、経済性および信頼性に優れた懸濁物質分離装置1を提供することができる。なお、有極性溶媒の分離塔4からの流出路、および、有極性溶媒の分離塔への流入路を形成する配管5c、5d内の有極性溶媒の流れ方向が、上記流出路および上記流入路が分離塔4に直結された位置の近傍における分離塔4内の旋回流の流れ方向と対向しない流れ方向であれば(換言すると、上記流出路および上記流入路が分離塔4に直結された位置における配管5c、5d内の流れのベクトルと、当該位置における分離塔4内の旋回流の流れのベクトルとのなす角度が±90°未満(すなわち、上記2つのベクトルの内積が正の値)であれば)、有極性溶媒の流れにおける抵抗が小さくなり圧力損失が低減されるので好ましい。
なお、分離塔4の中心軸と直交する断面がなす円周の配管5c、5dが設置される点における接線に対して、配管5c、5dの延びる方向がなす角度が小さいほうが効果的であり、上記角度が±20°以下であれば好ましく、±10°以下であればより好ましく、0°(つまり、上記接線に対して配管が平行に延びている)であればさらに好ましい。
旋回流11の発生に関しては、上記接線に沿った方向での配管5c、5dの接続が必ずしも必要ではない。分離塔4の中心軸と交差しない直線に沿った方向への、流入用の配管5c、流出用の配管5dの接続(たとえば縦型円筒形状の分離塔4の中心軸と直交する断面において、分離塔4の中心軸と交差しない直線に沿って、流入用の配管5cおよび流出用の配管5dを分離塔に直結する接続構成)でも、旋回流11が発生する場合がある。しかし、より旋回流11を発生しやすくするためには、図3に示すように有極性溶媒を分離塔4の断面における接線方向から流出入させることが重要である。
また、分離塔4の中心軸と直交する断面の内周部で流入用の配管5c、流出用の配管5dの接続を行なう(つまり、流入用の配管5c、流出用の配管5dをその延在方向に延長した直線と、分離塔4の中心軸と直交する断面の円の中心との距離が、当該円の半径の50%以下である)より、当該断面の外周部で当該接続を行なう(つまり上記距離が当該円の半径の50%以上の範囲内であって、100%に近いほど好ましい)方が、旋回流11が発生しやすい。なお、上記断面の外周部で当該接続を行なう場合、より好ましくは上記距離は当該円の半径の80%以上である。
旋回流11が発生した場合、図2、図3に示す分離塔の中では、分離塔4の水平方向に対する傾斜角度θを3°以上10°以下、特に好ましくは傾斜角度θを5°にすると、分離塔4内の有極性溶媒導入口近傍に、完全な(分離塔4の内部において、分離塔4の中心軸に交差する方向における断面のほぼ全体を覆うような)気泡の集合体部23が生成しやすい。一方、図4のように分離塔4の中心軸を水平にすると、気泡の集合体部23は分離塔4の内部の上半分のみに偏って発生する。この場合、有極性溶媒の流れ方向に対して、完全な気泡の集合体部23の壁ができたような状態とはならない。また、図5のように、傾斜角度θを10°より大きくする(分離塔4を垂直に近い状態に立てて配置する)と、気泡の集合体部23は分離塔4の中心軸付近に集まる。この場合も、有極性溶媒の流れ方向に対して完全な気泡の集合体部23の壁ができたような状態とはならない。よって、分離塔4の傾斜角度θは、水平方向に対して3°以上10°以下、より好ましくは5°である。なお、図4および図5は、本発明による懸濁物質分離装置の分離塔の構成を説明するための参考例の模式図である。
図2に示すような、気泡の集合体部23による壁が形成された場合、有極性溶媒は分離塔4内を流れるとき、必ずこの壁(気泡の集合体部23)を通過しなければならない。このため、気泡の集合体部23による壁部分で、例えば前述の分離塔4の傾斜角度θが3°未満または10°超えとなっている場合より、有極性溶媒中の懸濁物質や気泡が捕捉され易くなる。
なお、図1では、洗浄チャンバ6から懸濁物質分離装置1へと排出された有極性溶媒は、再度洗浄用の有極性溶媒として使用される循環システムとなっているが、懸濁物質濃度が下がった清浄な有極性溶媒を系外へ排出する非循環システムであっても構わない。
この懸濁物質分離装置1によって有極性溶媒から分離される対象である非強有極性の懸濁物質とは、たとえば界面活性剤やタンパク質などの両親媒性物質や、食用油や機械油のような疎水性物質など、溶媒の極性よりも弱いものを指す。また、この発明の有極性溶媒とは、水に代表される、溶媒分子が分極しているものを指す。
図6は、図1に示した懸濁物質分離装置を構成する気体導入部2を示す模式図である。図6を参照して、図1に示した懸濁物質分離装置1の気体導入部2を説明する。
図6を参照して、気体導入部2は、気体導入箇所2aと、気体導入箇所2aに有極性溶媒を流入させる入口管2bと、気体導入箇所2aから有極性溶媒を流出させる出口管2cと、外部空間から導入される気体の通気路2dとを含む。通気路2dは、気体導入箇所2aと外部空間とを連通している。このため、気体導入箇所2aにおいて通気路2dを介して有極性溶媒中に気体が導入される構造となっている。気体導入部2における有極性溶媒の流路である入口管2bと出口管2cとの径は、気体導入部2へ有極性溶媒を流入させるため気体導入部2に直結された気体導入部入口配管としての配管5a、および、気体導入部2から有極性溶媒を流出させるため気体導入部2に直結されたポンプ入口配管としての配管5bの径以下であるように、気体導入部2と配管5とは形成されている。
図1に示すように、気体導入部2は、ポンプ3の上流に配置されている。気体導入部2では、ポンプ3の導入用の負圧により有極性溶媒がポンプに吸引され、ベルヌィの定理に基づいて発生する負圧により、図6に示す気体導入用の通気路2dを経由して、気体が有極性溶媒の流れ20a中に導入される。気体が導入される際に、有極性溶媒の流れ20aには乱流が発生し、気体(気泡)への非強有極性の懸濁物質の吸着が進行する。
図7は、懸濁物質分離装置における懸濁物質の分離原理を説明するための模式図である。図7を参照して、懸濁物質分離装置における懸濁物質の分離原理を説明する。
図7に示すように、通常、有極性溶媒中では、非強有極性物質である懸濁物質22は、その体積や質量が小さいため有極性溶媒と一緒に流動し、外部空間から気体を導入しても、気体が細分化された気泡の周りに非強有極性物質(懸濁物質22)が引き寄せられるわけではない。つまり、図7(a)に示すように、質量および体積の小さい懸濁物質22の流れ22aは、有極性溶媒の流れ20aと同じ傾向にある(同じ方向および同じ速度となっている)。気泡21の流れ21aも有極性溶媒20の流れ20aと同じ傾向を示せば、懸濁物質22はほとんど気泡21に接触せず、懸濁物質22が気泡21に吸着することは少ない。
しかしながら、有極性溶媒20の流れ20aに乱流が発生すると、気泡21が粉砕することによる流れの変化や、遠心力の発生などにより、図7(b)に示すように、気泡21の流れ21aと懸濁物質22の流れ22aとの間に、速度差や進行方向の違いが発生する(つまり、気泡21の流れ21aが有極性溶媒の流れ20aに対し相対速度を有する状態となる)。または、気泡21の流線と有極性溶媒の流れ20aの流線とが異なるため、気泡21の流れ21aの流線と、有極性溶媒の流れ20aの流線とは互いに交差する。そのため、気泡21と有極性溶媒中に分散した懸濁物質22との接触確率が上がる。
そして、図7(c)に示すように、懸濁物質22が気泡21に接触すると、有極性溶媒中の非強有極性の懸濁物質22は、気泡21の周囲(気液界面)に吸着する。つまり、有極性溶媒の流れ20aに乱流が発生すると、懸濁物質22は、気泡21の周囲に吸着する確率が向上する。
ここで、気泡径と気液界面面積について説明する。図8は、気体導入部2における気体の吸入量が1L/minで一定のときに、気体を細分化し気泡21とするとき、気泡径が小さくなるとどれだけ気液界面面積が増加するか見積った結果を示すグラフである。なお、図8の横軸は気泡径(mm)を示し、縦軸は気液界面の面積(m)を示している。
図8を参照して、懸濁物質を気液界面に吸着させ捕捉するために必要な気液界面面積は、懸濁物質の濃度や性質によってそれぞれ異なるものであるが、有極性溶媒中の懸濁物質のモル濃度により換算できる場合もある。たとえば、洗濯時の皮脂(オレイン酸など脂肪酸由来成分;見かけ分子量644.44、単分子吸着したときの分子1個の占有面積4.3×19−21)の汚れ量が156mg(夏物下着2kgに付着分)である場合、かつ単層の分子状態で気液界面に懸濁物質が吸着すると仮定した場合、気液界面1平方m当りの皮脂の吸着質量は2.5×10−3gであるので、156mg吸着に必要な表面積は62.4mである。仮に、処理時間を10分とすると、1分あたりの必要気液界面面積は6.2mとなる。これを図8のグラフに適用すると、破線A以上に気体を細分化し、微細気泡化しないといけないことが示唆される。
即ち、懸濁物質22は気液界面に吸着するわけであるから、単純には気液界面面積が大きいほど懸濁物質22の吸着効果が大きくなると考えられる。よって、気泡21を細分化し気液界面面積を大きくするほど、懸濁物質22の吸着効果は大きくなる。ただし、図8に同時に示すように、分離塔4の構成によっては、気泡径が小さすぎると溶媒粘度の影響を受け、有極性溶媒20と気泡とが同時に流動するために、破線Bより左側では懸濁物質22の有極性溶媒20からの分離効率が落ちる。逆に気泡径が大きすぎると、気液界面面積の減少以外に、気泡に作用する浮力が増大するために気泡の浮上速度が増加し(破線Cより右側)、分離塔4内で早く上昇しすぎて、懸濁物質22の気液界面との接触確率が落ちる場合もある。よって、一般に分離に適した気泡径としては、0.5mm以上1mm以下、といったものが使用され、それに応じて流速等の調整が図られる。
また、図8に示す気泡径の上限下限の問題は、単純な浮上分離のケースであるが、懸濁物質の濃度や性質に応じて、必要な界面面積、気泡径の選定が行なわれる。本発明では、気泡の微細化により気液界面面積の増加を図り、径が0.5mm以上1mm以下の気泡のみならず、従来の浮上分離等では使用できなかった、即ち図8の破線Bの左側領域である、懸濁物質吸着効率の高い0.3mm径以下のマイクロバブルと呼ばれる微細気泡や、懸濁物質そのものでも、気泡の集合体部23(図2参照)で捕捉できる。
ここで、図6を参照して、気体導入部2における有極性溶媒の流路である入口管2bと出口管2cとの径を、気体導入部2に直結された気体導入部入口配管としての配管5aおよびポンプ入口配管としての配管5bの径以下であるようにする。この場合、入口管2bおよび出口管2cの内部では、限られた空間内であることにより、懸濁物質22と気泡21とが接触しやすくなる。図示しないが、このような流れの乱れは、インペラなどの駆動によりポンプ3中でも発生する。ポンプ3内でも、限られた空間内であることにより、懸濁物質22と気泡21とが接触しやすくなる。
また、図1に示したような装置(システム)では、気体導入部2において、外部から気体を有極性溶媒に導入し、気泡微細化、懸濁物質吸着を行なう。そして、更にポンプ3においても気泡微細化、懸濁物質吸着を行った場合に、微細な気泡は有極性溶媒との相対速度が殆どなく分離が困難であるが、本発明によれば、有極性溶媒は分離塔4内を流れるとき、必ず前記壁(気泡の集合体部23)を通過しなければならない。その際、上述した捕捉されにくい微細な気泡は、気泡の集合体部23における気液界面に接触後破泡し、気泡の集合体部23内の大きな気泡と合体する。微細気泡に付着した懸濁物質も今度は大きな気泡に吸着する。また、この段階までに気泡に未吸着の懸濁物質も、この気泡の集合体部23による壁により、比較的気泡に吸着し易くなる。
特に実験によると、旋回流を使用する場合、分離塔4内では、0.5mm径以上の大きな気泡は、気泡の集合体部23として旋回流に渦状で捕捉され、本発明の気泡の集合体部23による壁が形成される。分離塔4外部から導入された有極性溶媒中の微細気泡21(図7参照)および懸濁物質22(図7参照)は、渦状の気泡の集合体部23により攪拌される。この攪拌により、有極性溶媒中の気泡21同士が合体したり、気液界面に付着した懸濁物質22同士が合体したりするために、気泡21の周りに吸着した懸濁物質22自体が大きな集合体となる。
このようにして、懸濁物質22は、有極性溶媒との比重差により分離塔4の中心部において、気泡21と共に旋回流に捕捉された状態となる。有極性溶媒20は、分離塔4の中心軸と直交する断面の円の外周方向より流出用の配管5dを経て分離塔4から流出される。このため、比較的懸濁物質22の分離された有極性溶媒20が分離塔4から排出される。
旋回流11の作用をより有効に活用するためには、分離塔4の中心軸と直交する断面における内寸の最小値は、分離塔4に直結されている配管5の内径に対して2倍以上大きくするのがよい。そうすると、分離塔4内での旋回流路の流路、すなわち有極性溶媒20の実質的な流路が長くなる。その結果、有極性溶媒20中に分散された懸濁物質22の分離塔4内における滞留時間が長くなるため、図7に示すように気泡21と懸濁物質22との接触確率が上がり、懸濁物質22の有極性溶媒20からの分離効率が向上する。
なお、分離塔4に直結された配管、特に流入用の配管5cの内径が、円筒形状の分離塔4の中心軸と直交する断面の内径より大きいと、分離塔4内で一部有極性溶媒の流れが打ち消しあい、旋回流11が効率よく発生しない。
ここで、図1に示す懸濁物質分離装置1の構成では、ポンプ3は気体導入部2の下流かつ分離塔4の上流に配置されている。そのため、ポンプ3では、有極性溶媒20を導入し吐出すると同時に、ポンプ3の導入側の負圧による気泡21の導入や、ポンプ3内での気泡21の細分化(微細気泡化)による気液界面面積の増加、ポンプ3内での気泡21と懸濁物質22との接触などの作用が生ずる。このように、1基のポンプ3が多機能を発揮しており、動力源を複数設置する必要のない、経済性に優れた低コストの懸濁物質分離装置1を提供することができる。
また、前述のように、分離塔4に旋回流11が形成されているので、分離塔4内では、大きな気泡21は、気泡の集合体部23として旋回流11に渦状で捕捉され、壁を形成し易い。分離塔4外部から流入する有極性溶媒中の微細気泡21および懸濁物質22は、渦状の気泡の集合体部23において攪拌される。この攪拌により、有極性溶媒中の微細気泡21と気泡の集合体部23が合体したり、さらに気液界面に付着した懸濁物質22同士が合体したりする。また、さらにこの段階までに気泡に吸着されていなかった懸濁物質22が気泡の集合体部23と接触し、気泡に吸着・合体し、気泡21の周りに吸着した懸濁物質22自体が大きな集合体となる。このようにして、懸濁物質22は、有極性溶媒との比重差により分離塔4の気泡の集合体部23において、気泡21と共に旋回流11に捕捉された状態となる。
そこで、懸濁物質分離装置の起動時には、遠心力により有極性溶媒から分離し気泡の集合体部23を形成しやすい相対的に大きな径(たとえば0.5mm径以上)の気泡を気体導入部2にて生成し、当該大きな径の気泡を分離塔に導入することが好ましい。このようにすれば、分離塔4内で渦状の気泡の集合体部23を容易に形成でき、気泡の集合体部23が形成された時点以降、すぐに懸濁物質吸着効率の高い相対的に小さな径(たとえば0.3mm径以下)の気泡を気体導入部2にて生成し分離塔4に導入することができる。
または、別の方策として、相対的に大きな径の気泡と相対的に小さな径の気泡とを混在させて生成し、分離塔4に導入することも可能である。このような構成によって、相対的に大きな径の気泡をまず気泡の集合体部23として旋回流に渦状で捕捉形成し、次に微細な気泡を、気泡の集合体部23で攪拌して、前記微細な気泡と共に懸濁物質22を捕捉することができるので、効率的に分離塔4内にて懸濁物質22を捕捉することができる。
なお、前記気泡径の調整は気体導入部2での運転条件を調整することで可能である。たとえば、気体導入部2における有極性溶媒の流速を10m/sec以上に速くしたり、通気路2dに設けられた図示されていない弁などを調整し、気体の導入量を0.5L/min以下にするなど少なくした場合は、相対的に小さな気泡が発生しやすい。一方、気体導入部2での有極性溶媒の流速を8m/sec以下に遅くしたり、通気路2dに設けられた弁などを調整し、気体の導入量を1L/min以上にするなど多くした場合は、相対的に大きな気泡が発生しやすい。
また、別の方法として、以下のような方法を用いることもできる。すなわち、気体導入部2での有極性溶媒の流速を8m/sec以下に遅くしたり、気体の導入量を1L/min以上にして相対的に大きな気泡を発生させる。そして、気体導入部2での有極性溶媒の流速を8m/sec以下とする時間や、気体の導入量を1L/min以上とする時間をポンプのエアがみ等による障害の原因とならないように間欠的行なうように調整する。また、下流側のポンプ3のインペラの回転数や回転時間などの調整により、上記相対的に大きな気泡の一部を微細気泡化し相対的に小さな径の気泡を生成すれば、有極性溶媒中に相対的に大きな径の気泡と相対的に小さな径の気泡とを混在させて生成することが可能である。また、通気路2dに設けられた弁などを間欠的に開閉したりすることでも、相対的に大きな径の気泡と相対的に小さな径の気泡とを混在させて生成することが可能である。なお、気体導入部2の構成としては、図6に示したような構成以外であって、微細な気泡を有極性溶媒に導入可能なものであれば任意の構成を用いることができる。
次に、懸濁物質分離装置1の動作について説明する。図1に示すように、懸濁物質分離装置1の動力源はポンプ3のみであって、ポンプ3の起動停止が懸濁物質分離装置1の起動停止ということになる。ポンプ3を起動させると、ポンプ3は配管5内部の有極性溶媒20を、ポンプ入口配管としての配管5b側から導入し、流入用の配管5c側へ排出する。その結果、有極性溶媒20は、洗浄チャンバ6から排出され、気体導入部入口配管としての配管5a、気体導入部2、ポンプ入口配管としての配管5b、ポンプ3、流入用の配管5cを経由して分離塔4へ流入する。その後有極性溶媒20は、分離塔4から排出され、流出用の配管5dを経由して洗浄チャンバ6へ循環する。
気体導入部2がポンプ3の上流に配置されているので、ポンプ3の導入側の負圧によって、気体は気体導入部2において外部空間から通気路2d(図6参照)を経由して有極性溶媒20中へ導入される。尚、ここでいう気体とは、装置が大気中で動作しているので、空気と同義である。気体が導入される際に、有極性溶媒20の流れには乱流や圧力勾配が発生し、前記気体は細分化され気泡21(図7参照)となる。同時に、図7に示すように有極性溶媒20中の非強有極性の懸濁物質22が気泡21へ接触して、懸濁物質22の一部若しくは大半の、気泡21への吸着が発生する。懸濁物質22の気泡21への吸着は、出口管2c(図6参照)の内部、および、ポンプ3の内部においても発生する。ポンプ3の内部においてはまた、気泡21のさらなる微細気泡化も行なわれ、気液界面面積が増大するため懸濁物質22の気泡21への吸着効率が向上する。
このように、懸濁物質分離装置1において、気体導入部2、ポンプ3および分離塔4は、分離塔4が気体導入部2の下流に配置されるように直列に接続されていれば、どのように配置されていても構わない。しかし、本実施の形態1で説明したように、ポンプ3を気体導入部2と分離塔4との間に設ける構成によると、ポンプ3の負圧によって気体導入部2において気体を導入することができ、さらに気体導入部2で導入された気体がポンプ3の内部で細分化(微細気泡化)されるので気液界面面積増加の効果も期待できる。よって懸濁物質分離装置1は、図1に示すポンプ3を気体導入部2と分離塔4との間に設ける構成が、より好ましい。
分離塔4へ有極性溶媒20を流出入させるための流入用の配管5cおよび流出用の配管5dは、分離塔4の中心軸と直交する断面の円の外周において、当該円の接線に沿って分離塔4へ接続されている。これにより、分離塔4内で旋回流11が確実に発生するようになっている。
ここで、渦により気体導入部2で発生した気泡21には、少なくともいくらかの割合で、数ミクロン径から数ミリ径の気泡が含まれている。そのため、分離塔4において旋回流11が発生すると、まず0.5mm以上より顕著には数ミリ径の気泡によって分離塔4内の流入用の配管5c近傍に気泡の集合体部23が形成される。
有極性溶媒は分離塔4内を流れるとき、必ず気泡の集合体部23による壁を通過しなければならない。その際、捕捉されにくい0.3mm径以下の微細な気泡は、気泡の集合体部23における気液界面に接触後破泡し、気泡の集合体部23内の大きな気泡と合体する。微細気泡に付着した懸濁物質も今度は大きな気泡に吸着する。また、この段階までに気泡に付着していなかった懸濁物質も気泡の集合体部23による壁に接触し気泡に捕捉される。捕捉された懸濁物質22は、有極性物質に対して表面積を小さくしようとするため、互いに凝集し、遠心力により分離塔4内の有極性溶媒20の中心部に集まる。このようにして懸濁物質22は有極性溶媒20から分離される。懸濁物質22の分離された清浄な有極性溶媒20は、分離塔4から排出され、洗浄チャンバ6へ循環する。
以上説明したように、この実施の形態の懸濁物質分離装置1においては、気体導入部2、ポンプ3、分離塔4の順に直列に接続され、気体導入部2における有極性溶媒20の流路である入口管2b、出口管2cの径が気体導入部2に直結された気体導入部入口配管としての配管5a、ポンプ入口配管としての配管5bの径以下であり、分離塔4が縦型の円筒形状を有している。そのため、分離塔4において有極性溶媒20は旋回流11を形成し、特に分離塔4の中心軸を水平方向に対して、3°以上10°以下という傾斜角度θで傾斜させたとき、気泡の集合体部23による壁が形成される。
このような気泡の集合体部23が形成されるため、気泡21と有極性溶媒20中に分散した懸濁物質22との接触確率が上がる。そのため、有極性溶媒20中の非強有極性の懸濁物質22が気泡21の周囲に吸着し易くなる。したがって、懸濁物質22は分離塔4において気泡とともに有極性溶媒20から分離されるので、有極性溶媒20中に分散した懸濁物質22を効率的に分離することができる。また、懸濁物質分離装置1の動力源はポンプ3のみであるので、経済性に優れているのみならず、生産性、信頼性およびメンテナンス性にも優れた懸濁物質分離装置1を提供することができる。
なお本発明による懸濁物質分離装置1において、好ましくは有極性溶媒20は水である。水は代表的な有極性溶媒でありその極性も大きい。そのため、有極性溶媒20と懸濁物質22との極性の差(疎水性相互作用)を利用する本発明にとって、大きな効果が得られる有極性溶媒である。また、懸濁物質22が分離され清浄化された水は、生活用水や工業用水など、利用用途が豊富である。
なお、疎水性相互作用とは、疎水性物質が水から分離して互いに集まる性質をいう。たとえば、液体の水の分子は乱雑に激しく動いているが、ここに疎水性分子が存在すると、その付近の水分子は、疎水性分子と結合を作れないので、隣の水分子と水素結合を作ってしまい、動きがとれなくなる。つまり乱雑さが減少し、熱力学的にはエントロピーが減少し不安定になる。したがって、逆に疎水性分子が水から出て行く、すなわち油は油だけで集まる方が熱力学的に安定になる。このような、疎水性物質が水と分離する作用が、疎水性相互作用である。
ここで、上述した本発明による懸濁物質分離装置1の具体的な構成例を例示すれば、たとえば分離塔4の内径は50mm、中心軸方向の長さは180mm、分離塔4の中心軸が水平方向に対して傾斜している傾斜角度θを5°、分離塔4に有極性溶媒を導入する配管5cの内径は10mm、配管5dの内径は10mm、分離塔4に対する配管5cの接続角度(接線方向に対する径方向での傾斜角度)は0°以上30°以下、ポンプ3の出側流速は5(L/min)以上10(L/min)以下、といった条件であれば、分離塔4の内部に気泡の集合体部による壁部を形成することができる。
(実施の形態2)
図9は、本発明による懸濁物質分離装置の実施の形態2の分離塔を示す模式図である。図9に示した実施の形態2の懸濁物質分離装置と、上述した実施の形態1の懸濁物質分離装置とは、基本的に同様の構成を備えている。しかし、実施の形態2では、分離塔4の構成が実施の形態1の懸濁物質分離装置1とは異なっている。具体的には、図9に示した実施の形態2の懸濁物質分離装置は、分離塔4の下部に設けられた、ドレイン(排液路)33を備えている。この構成によって、有極性溶媒20から分離された懸濁物質22をより効率的に除去することができる。
すなわち、分離塔4内で分離された懸濁物質22の一部または大半が、分離処理中には分離塔4内に捕捉される状態で使用する懸濁物質分離装置の場合、分離塔4内部において無限に懸濁物質22を捕捉できるわけではない。懸濁物質22の分離処理量は、分離塔4内における懸濁物質22の捕捉量の限界値以下である必要がある。また、分離処理終了後に懸濁物質22を排出する必要がある。そこで、分離塔4の下部に接続されたドレイン33を設け、分離処理終了後、分離塔4内の懸濁物質22を有極性溶媒20とともにドレイン33から排出する。このようにすれば、懸濁物質22の排出用ポンプの設置や分離塔4の洗浄など行なわなくても、懸濁物質分離装置の継続的使用が可能となる。ドレイン(排液路)33に電磁弁や制御弁を設ければ、懸濁物質22の分離塔4からの排出を弁の開閉によって容易に制御できる。なお、ドレイン33は、有極性溶媒の分離塔4からの流出路を形成する流出用の配管5dに設けられてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明に従った懸濁物質分離装置は、食器洗浄機の洗浄後の油や、洗濯水中の疎水性汚れを、水などの有極性溶媒から分離する用途などに特に有利に適用され得る。
本発明による懸濁物質分離装置の実施の形態1の構成を説明する概略図である。 図1に示した懸濁物質分離装置1を構成する分離塔4を示す模式図である。 図2に示した分離塔4の中心軸方向から見た模式図である。 本発明による懸濁物質分離装置の分離塔の構成を説明するための参考例の模式図である。 本発明による懸濁物質分離装置の分離塔の構成を説明するための参考例の模式図である。 図1に示した懸濁物質分離装置を構成する気体導入部を示す模式図である。 懸濁物質分離装置における懸濁物質の分離原理を説明するための模式図である。 気体導入部における気体の吸入量が1L/minで一定のときに、気体を細分化し気泡とするとき、気泡径が小さくなるとどれだけ気液界面面積が増加するか見積った結果を示すグラフである。 本発明による懸濁物質分離装置の実施の形態2の分離塔を示す模式図である。 従来の気泡分離装置を示す模式図である。
符号の説明
1 懸濁物質分離装置、2 気体導入部、2a 気体導入箇所、2b 入口管、2c 出口管、2d 通気路、3 ポンプ、4 分離塔、5,5a〜5d 配管、6 洗浄チャンバ、11 旋回流、20 有極性溶媒、21 微細気泡、22 懸濁物質、23 気泡の集合体部、33 ドレイン、101 容器、102 旋回流室、104 液体供給口、106,110 小穴、107 液体排出口、108 外ケース、109 中心細管、111 気泡排出口、112 環状予備旋回流路、113 ガイド、114 開口。

Claims (13)

  1. 外部空間から非強有極性の懸濁物質を含む有極性溶媒中に気泡の形態で気体を導入する気体導入部と、前記懸濁物質を前記気泡に付着させて前記有極性溶媒から分離する分離塔とを備える懸濁物質分離装置を使用した懸濁物質分離方法であって、
    前記気体導入部において、前記懸濁物質を含む有極性溶媒に前記気泡の形態で前記気体を導入する工程と、
    前記分離塔の内部において、前記有極性溶媒の流通経路途中に前記気泡の集合体部を形成した状態で、前記有極性溶媒を流通させることにより、前記気泡の集合体部において前記懸濁物質を前記気泡に補足する工程とを備える、懸濁物質分離方法。
  2. 前記気体を導入する工程において前記有極性溶媒に導入される前記気泡には、直径が0.3mm以下の微細気泡が含まれる、請求項1に記載の懸濁物質分離方法。
  3. 前記気体を導入する工程では、前記懸濁物質分離方法の開始時には相対的に大きな径の気泡を前記有極性溶媒に導入し、前記開始時から所定の時間経過した後には相対的に小さな径の気泡を前記有極性溶媒に導入する、請求項1または2に記載の懸濁物質分離方法。
  4. 前記気体を導入する工程では、前記有極性溶媒に導入する気泡が相対的に大きな径と気泡と相対的に小さな径の気泡とを含む、請求項1または2に記載の懸濁物質分離方法。
  5. 前記有極性溶媒は水である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の懸濁物質分離方法。
  6. 有極性溶媒中の非強有極性の懸濁物質を、前記有極性溶媒から分離するための懸濁物質分離装置であって、
    外部空間から非強有極性の懸濁物質を含む有極性溶媒中に気泡の形態で気体を導入する気体導入部と、
    前記有極性溶媒を移送させるポンプと、
    前記懸濁物質を前記気泡に付着させて前記有極性溶媒から分離する分離塔と、
    前記気泡の形態で気体が導入された前記有極性溶媒を前記分離塔の内部に導くため、前記気体導入部と前記ポンプと前記分離塔とを接続する配管とを供え、
    前記分離塔は、前記分離塔の内部において前記有極性溶媒の流通経路途中に前記気泡の集合体部を形成することが可能に構成されている、懸濁物質分離装置。
  7. 前記分離塔は円筒形状を有する、請求項6に記載の懸濁物質分離装置。
  8. 前記分離塔に接続された前記有極性溶媒を導くための前記配管は、前記分離塔の中心軸と交差する方向の断面における外周部において、前記中心軸と交差しない直線に沿って前記分離塔に直結されている、請求項7に記載の懸濁物質分離装置。
  9. 前記分離塔に接続された前記有極性溶媒を導くための前記配管は、前記中心軸と直交する前記分離塔の断面と平行な直線であって、前記分離塔の中心軸と交差しない直線に沿って前記分離塔に直結しており、
    前記分離塔の前記断面における内寸の最小値は、前記分離塔に直結されている前記配管の内径の2倍以上10倍以下である、請求項7または8に記載の懸濁物質分離装置。
  10. 前記分離塔の中心軸は、水平方向に対して、3°以上10°以下の角度で傾いていることを特徴とする、請求項6〜9のいずれか1項に記載の懸濁物質分離装置。
  11. 前記配管は、前記ポンプの上流側に前記気体導入部が位置し、前記ポンプの下流側に前記分離塔が位置するように、前記気体導入部と前記ポンプと前記分離塔とを接続する、請求項6〜10のいずれか1項に記載の懸濁物質分離装置。
  12. 前記気体導入部における前記有極性溶媒の流路は小管径部を含み、
    前記気体導入部は、前記小管径部において前記流路へ連通する前記気体の通気路を含み、
    前記小管径部の径は、前記小管径部上流側の前記流路の径よりも小さい、請求項6〜11のいずれか1項に記載の懸濁物質分離装置。
  13. 前記分離塔の下部、または、前記有極性溶媒の前記分離塔からの流出路を形成する前記配管に設けられた、ドレインをさらに備え、
    前記分離塔内の前記懸濁物質は、分離処理終了後、前記分離塔内の前記有極性溶媒とともに前記ドレインへ排出される、請求項6〜12のいずれか1項に記載の懸濁物質分離装置。
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