JP2009060243A - 受信装置および受信方法 - Google Patents

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【課題】高度なソフトウェア設計を必要とすることなく、受信可能な放送局の検索時間を短縮すること。
【解決手段】少なくとも2以上のチューナ10、20を備え、無線放送を受信する受信装置1であって、少なくとも2以上のチューナ10、20は、第1のチューナグループ(10、6)と第2のチューナグループ(20、6)とに分けられ、第1のチューナグループ(10、6)は、検索対象の周波数を検索する第1の検索手段と、各周波数での放送局受信可否を判別する受信可否判別手段と、受信可能な周波数を受信周波数リストに記載する記載手段と、を有し、第2のチューナグループ(20、6)は、受信周波数リストに存在する周波数を検索する第2の検索手段と、その検索により取得した周波数に基づいて放送局データを受信する第1の放送局データ受信手段とを有する受信装置としている。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数のチューナを使用して無線放送を受信する受信装置および受信方法に関する。
近年、映像番組のデジタル放送が実用化されている。デジタル放送では、高画質化、多チャンネル化、双方向化が実現できる他に、番組情報等を取得して表示することが可能である。また、放送に使用する周波数帯域幅を少なくすることが可能なデジタル放送は、電波の有効利用ができるため、デジタル放送の普及が促進されている。
日本における地上デジタル放送では、放送局において、まず映像、音声、データ放送および電子番組ガイド等の信号が、全て圧縮してパケット化され、一本のTS(Transport Stream)という信号形式に多重化される。さらに、TSは、デジタル変調方式のひとつである直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式に基づき、OFDM信号に変調される。そのOFDM信号は、搬送波である電波に載せて送信されている。視聴者は、上述のOFDM信号が載せられた電波を、アンテナで受信する。そして、アンテナに接続されているチューナが、送信された電波に同調し、電波に載せられたOFDM信号を受信する。そのOFDM信号を、OFDM復調部が復調することにより、TSを抽出できる。抽出されたTSは、デスクランブル部にてフィルタリングされ、各処理デバイスへ出力された後、各処理をなされて出力される。例えば、映像および音声データは、AVデコード部にてデコードされ、得られた映像信号および音声信号は、映像および音声として出力される。
デジタル放送等を受信する受信機により、複数ある放送局の中から受信可能な放送局を検索する方法は、2種類に大別できる。1つは、現在位置において受信可能な放送局のリストをあらかじめ用意しておき、そのリストに沿って各放送局に相当する周波数の電波を検索する方法である。また、もう1つの方法としては、全ての周波数の電波について検索を行い、信号が載せられた電波を検知する方法である。
しかし、受信可能な放送局のリストがあらかじめ用意できない場合、あるいは現在位置の取得が難しい場合には、前者の方法は、用いることができない。また、後者の方法は、検索対象周波数の最下限値から最上限値までを検索する必要があるために、検索時間が長くなるという問題がある。
そこで、受信機に複数のチューナを備えることにより、受信可能な放送局を検索する場合に、それぞれのチューナが異なる周波数を検索することで、検索時間の短縮を行うという方法が提案されている。(例えば、特許文献1参照。)また、複数のチューナを備える受信機が、1つのチューナで番組を視聴し、他方のチューナで受信可能な放送局の検索を行う案もある。(例えば、特許文献2参照。)
特開2005−045508号公報(段落番号0056、0057) 特開2006−074665号公報(段落番号0030、0041、図6)
しかし、上述の方法には以下の問題がある。すなわち、それぞれのチューナが異なる周波数を検索する場合には、複数の放送局データを同時に取得した場合を考慮した高度なソフトウェア設計が必要とされるという問題である。
また、1つのチューナで番組を視聴し、他方のチューナで受信可能な放送局の検索を行う場合に、番組を視聴していないあるいは視聴できない状態では、依然として検索時間の短縮が図れないという問題がある。
そこで、本発明は、上記課題を解決すること、すなわち、高度なソフトウェア設計を必要とすることなく、受信可能な放送局の検索時間を短縮、することを目的とする。
かかる目的を達成するため、少なくとも2以上のチューナを備え、無線放送を受信する受信装置であって、少なくとも2以上のチューナは、第1のチューナグループと第2のチューナグループとに分けられ、第1のチューナグループは、検索対象の周波数を検索する第1の検索手段と、各周波数での放送局受信可否を判別する受信可否判別手段と、受信可能な周波数を受信周波数リストに記載する記載手段と、を有し、第2のチューナグループは、受信周波数リストに存在する周波数を検索する第2の検索手段と、その検索により取得した周波数に基づいて放送局データを受信する第1の放送局データ受信手段とを有する受信装置としている。
また、別の発明では、上述の発明に加えて、受信可否判別手段は、放送局データよりも容量の小さい伝送多重制御信号、C/N値あるいはビットエラーレート値を受信して、放送局受信の可否を判別する受信装置としている。
また、別の発明では、上述の発明に加えて、第1のチューナグループは、第2のチューナグループによる放送データの受信が完了しているか否かを判別する受信完了判別手段と、第2のチューナグループが検索していない周波数を取得する未検索周波数取得手段と、その検索していない周波数に基づいて放送局データを受信する第2の放送局データ受信手段と、をさらに、有する受信装置としている。
また、別の発明では、上述の発明に加えて、第2のチューナグループは、第1のチューナグループが検索していない周波数を取得する第2の未検索周波数取得手段と、その検索していない周波数に基づいて放送局データを受信する第1の放送局データ受信手段と、をさらに、有する受信装置としている。
また、別の発明では、上述の発明に加えて、少なくとも2以上のチューナを備え、無線放送を受信する受信方法であって、検索対象の周波数を検索する第1の検索ステップと、各周波数での放送局受信可否を判別する受信可否判別ステップと、受信可能な周波数を受信周波数リストに記載する記載ステップと、第1の検索ステップ、受信可否判別ステップおよび記載ステップを実行するチューナとは別のチューナにより実行され、受信周波数リストに存在する周波数を検索する第2の検索ステップと、その検索により取得した周波数に基づいて放送局データを受信する第1の放送局データ受信ステップと、を含む受信方法とするようにしている。
また、別の発明では、上述の発明に加えて、別のチューナによる前記放送局データの受信が完了しているか否かを判別する受信完了判断ステップと、別のチューナが検索していない周波数を取得する第1の未検索周波数取得ステップと、その検索していない周波数に基づいて放送局データを受信する第2の放送局データ受信ステップと、をさらに含む受信方法としている。
本発明によれば、高度なソフトウェア設計を必要とすることなく、受信可能な放送局の検索時間を短縮することができる。
以下、本発明の第1の実施の形態について、図1に基づいて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る受信装置としてのデジタル放送受信装置1の構成例を示すブロック図である。
デジタル放送受信装置1は、電波を受信するための外部アンテナ2を有する。その外部アンテナ2は、2つのチューナ、すなわち、第1のチューナグループの一構成部である第1のチューナ10および第2のチューナグループの一構成部である第2のチューナ20に接続されている。第1のチューナ10は、第1のOFDM復調部11に接続され、第2のチューナ20は、第2のOFDM復調部21に接続されている。第1のOFDM復調部11および第2のOFDM復調部21は、合成/選択部3に接続されている。
合成/選択部3は、DEMUX(DeMultiplexer)部4に接続される。また、DEMUX部4は、AV(Audio Visual)デコーダ部5に接続される。AVデコーダ部5は、D/A(Digutal to Analog)部30およびOSD(On Screen Display)部40に接続される。D/A部30は、音声出力部31に接続され、OSD部40は、映像出力部41に接続される。また、第1のチューナ10および第2のチューナ20、第1のOFDM復調部11および第2のOFDM復調部21、合成/選択部3、DEMUX部4、AVデコーダ部5、D/A部30およびOSD部40は、CPU(Central Processing Unit)6に接続されて、制御されている。ROM(Read Only Memory)7およびRAM(Random Access Memory)8は、バスによりCPU6と接続されている。
外部アンテナ2は、電波を増幅するためのブースタ(不図示)と一緒に用いられる。また、外部アンテナ2により受信された電波は、分配器(不図示)を介して、第1のチューナ10および第2のチューナ20に、それぞれ分配される。第1のチューナ10および第2のチューナ20は、外部アンテナ2にて受信された電波から、チャンネルに対応する周波数の電波に同期することにより、任意の周波数の電波を選択してその周波数の電波に載せられた信号を受信する。
第1のOFDM復調部11および第2のOFDM復調部21は、受信した電波に載せられたOFDM信号を復調する。具体的には、OFDM信号を復調してTSを抽出する。また、得られたTSが有するリードソロモン符号等を用いて、TSの誤り訂正を行う。
合成/選択部3は、第1のOFDM復調部11と第2のOFDM復調部21との両方あるいはどちらか一方から送られてくるTSを合成、あるいはそれぞれのTSを分離する。
DEMUX部4は、PID(Packet ID)に基づいて、TSを目的別の各パケットに分離する。例えば、AVストリームとTSの配列情報とが、分離される。さらに、各パケットを、フィルタリングし、各目的を達成するために各デバイスへ振り分ける。例えば、TSから抽出されたAVストリームは、AVデコーダ部5に出力され、TSの配列情報あるいは番組情報等は、CPU6へ出力される。
AVデコーダ部5は、DEMUX部4から入力されたAVストリームを復号し、映像データおよび音声データとして出力する。例えば、映像データ若しくは音声データに関しては、MPEG2規格により圧縮処理が施されている信号を、MPEG2規格に従って伸張する。AVデコーダ部5は、音声データをD/A部30へ出力し、映像データをOSD部40に出力する。
D/A部30は、音声データを、再生可能な音声信号に変換する。D/A部30に接続される音声出力部31は、アナログ信号を増幅するためのアンプ、および出力部のスピーカ等から構成され、音声を出力する。OSD部40は、機器の設定等の設定画面を画面に表示するために作動する。OSD部40で作製された設定画面は、映像に重ねられて、映像出力部41にて映像として出力される。
CPU6は、信号処理部である。具体的には、第1のチューナ10および第2のチューナ20、第1のOFDM復調部11および第2のOFDM復調部21、合成/選択部3、DEMUX部4、AVデコーダ部5、D/A部30およびOSD部40等からの指示あるいは各種データが、CPU6に入力される。すると、CPU6は、ROM7およびRAM8にそれぞれ記憶されている所定の制御プログラムおよびデータを読み出して、各種の演算および処理を実行する。さらに、CPU6は、その処理されたデータを各部に出力することにより、各デバイスの制御を行う。CPU6は、第1のチューナグループおよび第2のチューナグループの一構成部である。
ROM7は、CPU6が各部を制御するための制御プログラムおよび各定数を記憶する読み出し専用のメモリである。RAM8は、CPU6からの制御指令に基づいて、各種デバイスとの通信情報あるいはストリーム情報を一時的に記憶するための揮発性の記憶領域である。また、RAM8は、CPU6のワークメモリとして使用される。また、後述の受信可能周波数リスト(以後、周波数リストという。)および受信可能放送局リスト(以後、放送局リストという。)も、RAM8に記憶される。
第1のチューナグループを構成する第1のチューナ10およびCPU6は、検索対象の周波数を検索する第1の検索手段と、各周波数での放送局受信可否を判別する受信可能判別手段と、受信可能な周波数を受信周波数リストに記載する記載手段とを兼ねている。また、第2のチューナグループを構成する第2のチューナ20およびCPU6は、受信周波数リストに存在する周波数を検索する第2の検索手段と、その検索により取得した周波数に基づいて放送局データを受信する第2の放送局データ受信手段とを兼ねている。上記受信可否判別手段としての第1のチューナ10およびCPU6は、好適には、放送局データよりも容量が小さくて受信しやすい伝送多重制御信号、C/N値あるいはビットエラーレート値を受信し、放送受信の可否を判別する。
次に、第1の実施の形態の動作について説明する。図2は、デジタル放送受信装置1にて番組を受信する際のチャンネルの検索の処理を示すフローチャートである。
まず、デジタル放送受信装置1をONにした場合あるいは、視聴場所が大きく変わった場合などには、チャンネル検索を行う必要がある。視聴者がチャンネル検索命令をデジタル放送受信装置1に対して行う、あるいはCPU6がチャンネル検索の必要を検知した際には、CPU6は、受信可能な放送局の検索を指示する。受信可能な放送局の検索を行う場合には、まず、CPU6は、検索対象の周波数を最下限値から順番に検索するために、第1のチューナ10が検索する周波数として、最下限の周波数を指定する(ステップS101)。
検索周波数が指定されると、第1のチューナ10は、その検索周波数に同調し、同期を待つ(ステップS102:第1の検索ステップ)。第1のチューナ10が検索周波数に同調すると、検索周波数の搬送波に載せられたOFDM信号を受信する。
第1のチューナ10により受信されたOFDM信号は、第1のOFDM復調部11により復調される。さらに、第1のOFDM復調部11は、TSのチェックビットとしてデータの後に付加されているリードソロモン符号等を用いてTSの誤り訂正を行う。したがって、第1のODFM復調部11を介して、誤り訂正を施されたTSがDEMUX部4に出力される。
DEMUX部4は、PID(Packet ID)に基づいて抽出されたTSを、目的別の各パケットに分離する。各パケットのうち、比較的早い段階で読み取られる情報に、伝送多重制御信号(Transmission and Multiplexing Configuration and Control:TMCC)がある。TMCCとは、多重化されたTSをどのように送っているかを示す制御情報であり、AVストリーム等他のパケット情報を読み出す前に読み取られる情報である。
CPU6は、TMCCを受信可能かどうかを判別する(ステップS103:受信可否判別ステップ)。その結果、TMCCを受信できた場合には(ステップS103においてNO)、CPU6は、受信している周波数をRAM7に記憶される周波数リストに追加し(ステップS104:記載ステップ)、ステップS105に進む。一方、TMCCを受信できなかった場合には(ステップS103においてYES)、ステップS105に進む。
次に、CPU6は、現在検索中の周波数が、検索周波数の最上限値未満であるかを判定する(ステップS105)。現在検索中の周波数が検索周波数の最上限値であった場合には、肯定的(YES)な判定を行い、第1のチューナ10による放送局検索を終了する。
一方、ステップS105において、現在検索中の周波数が検索周波数の最上限値でない場合には、否定的(NO)な判定をする。すると、CPU6は、現在第1のチューナ10が現在検索中の周波数の1つ上の周波数を検索周波数として第1のチューナ10に指定する(ステップS106)。すると、ステップS102に戻り、ステップS102以降の各ステップを繰り返す。
次に、第2のチューナグループを構成する第2のチューナ20およびCPU6の処理について説明する。
CPU6は、RAM7にアクセスして、周波数リストに未検索の周波数が存在するかどうか、すなわち、新しい周波数が追加されたかどうか判別する(ステップS201:第2の検索ステップ)。周波数リストに、未検索の周波数が存在していない場合には(ステップS201において、NO)CPU6は、第1のチューナ10の動作が完了したか否かを判定する(ステップS202)。第1のチューナ10の動作が完了している場合には(ステップS202において、YES)、放送局検索を終了する。
また、第1のチューナ10の動作が継続している場合には(ステップS202においてNO)、ステップS201に戻る。ステップS201において、未検索の周波数が存在する場合には(ステップS201において、YES)、CPU6は、その未検索の周波数を第2のチューナ20にセットする(ステップS203)。
第2のチューナ20は、指示された周波数に同期して、OFDM信号を受信する。そのOFDM信号は、第2のOFDM復調部21において復号され、誤り訂正がされて、TSが抽出される。
抽出されたTSは、合成/選択部3を介してDEMUX部4において、PIDに基づいて、目的別の各パケットに分離される。CPU6は、各パケットのうち、まず、放送局データとしての番組特定情報(Program Specific Information:PSI)を検索し、放送局データを受信する(ステップS204:第1の放送局データ受信ステップ)。PSIは、ストリームに含まれているプログラムと、そのプログラムを構成している映像や音声ストリームなどのプログラムの要素との関係を表すテーブル情報を含む。また、PSIは、PAT (Program Association Table)、PMT(Program Map Table)等のテーブルを含む。PATには、プログラム番号に対応したPMTのPID等が記述されている。PMTには、対応するプログラムに含まれる映像、音声、付加データ、および時刻情報であるPCR(Program Clock Reference)のPIDが記述されている。したがって、PATとPMTを参照することによりストリームの中から目的のプログラムを構成するTSパケットだけを取り出すことができる。
また、ステップS204において、DEMUX部4は、PSIだけではなく、番組配列情報(Service Information:SI)も読み取る。CPU6は、放送局データを取得できたかどうかを判別する(ステップS205)。放送局データとしてのPSIおよびSIを取得できた場合には(ステップS205においてYES)、CPU6は、その放送局データを、RAM7内の放送局リストに追加する(ステップS206)SIは、SDT(編成チャンネル情報)あるいはEIT(番組名あるいは番組の内容等)を含む情報であり、番組表を作成するために用いられる。
一方、放送局データを取得できなかった場合には(ステップS205でNO)、CPU6は、データ受信がタイムアップとなったかどうか判別する(ステップS207)。その結果、タイムアップになっていない場合(ステップS207においてNO)、ステップS204に戻る。一方、タイムアップになっている場合(ステップS207においてYES)、ステップS208に進む。次に、CPU6は、周波数リストに、次の未検索の周波数が存在しているかどうかを判定する(ステップS208)。
ステップS208において、周波数リストに未検索の周波数が存在している場合には(ステップS208においてYES)、CPU6は、未検索の周波数の中で最下限の周波数を選択し、ステップS204へ戻る。一方、ステップS208において、周波数リストに未検索の周波数が存在しない場合には(ステップS208においてNO)、S201に戻る。
DEMUX部4より受け取ったPSI若しくはSI情報より、CPU6は、放送局リストを作成する。以上の手順で作成された受信放送局リストの情報は、CPU6がOSD部40に指示し、OSD部40を介してOSD表示として映像出力部41にて表示される。ユーザは、その表示された受信放送局リストに基づき、視聴したいチャンネルを選択することができる。
上述のように、第1のチューナ10は、比較的早い段階で取得可能なTMCC情報の受信可否をCPU6に通知するとすぐに、次の周波数を検索できる。したがって、最下限の周波数から最上限の周波数までをより短時間で検索することが可能である。また、その作成された周波数リストに基づき、第2のチューナ20が、受信放送局リストを作成する。このため、デジタル放送に必要なチャンネル情報の取得を高速に行うことができる。
また、第1のチューナ10において処理および出力する情報と第2のチューナ20において処理および出力する情報とは、別の情報であり、それぞれが個別に作動するために、ソフトウェア設計を簡略化できる。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図4は、第2の実施の形態に係るデジタル放送受信装置1が、放送局データを取得する際、第1のチューナ10の処理手順を示すフローチャートである。図5は、第2の実施の形態に係るデジタル放送受信装置1が、放送局データを取得する際、第2のチューナ20の処理手順を示すフローチャートである。なお、各図において、第1の実施の形態と同一要素には、同一符号を付して重複する説明を省略する。
第2の実施の形態において、第1のチューナ10およびCPU6は、第2のチューナグループによる放送局データの受信が完了しているか否かを判別する受信完了判別手段と、第2のチューナグループが検索していない周波数を取得する第1の未検索周波数取得手段と、その検索していない周波数に基づいて放送局データを受信する第2の放送局データ受信手段とを兼ねている。また、第2のチューナ20およびCPU6は、第1のチューナグループが検索していない周波数を取得する第2の未検索周波数取得手段と、その検索していない周波数に基づいて放送局データを取得する第1の放送局データ受信手段とを兼ねている。
第2の実施の形態では、第1のチューナ10は、TMCC情報を取得することにより、周波数リストに周波数を追加するだけではなく、検索周波数の最下限値から最上限値までを検索した後に、第2のチューナ20と併行して放送局データを取得するために作動する。
したがって、第1のチューナ10が検索対象の周波数の最上限値まで検索するまでの手順(ステップS301〜S306)は、第1の実施の形態におけるステップS101〜ステップS106までの手順と同様である。ステップS306において、現在検索中の周波数が、検索周波数の最上限値である場合には、まず、第2のチューナ20の動作が未完了であるか判定する(ステップS307:受信完了判別ステップ)。第2のチューナ20の動作が既に完了している場合には(ステップS307においてNO)、放送局の検索が終了する。一方、第2のチューナ20の動作がまだ完了していない場合(ステップS307においてYES)、周波数リストに、放送局データを取得するための検索を行っていない、周波数の存在有無を確認する(ステップS308)。その結果、未検索の周波数が存在しない場合には(ステップS308においてNO)、放送局の検索が終了する。一方、未検索の周波数が存在する場合には(ステップS308においてYES)、CPU6は、その未検索の周波数のうち最下限の周波数をセットする(ステップS309:第1の未検索周波数取得ステップ)。第1のチューナ10は、検索する周波数に同調し、放送局データを受信する(ステップS310:第2の放送局データ受信ステップ)。CPU6は、放送局データを取得できたか否かを判別する(ステップS311)。その結果、第1のチューナ10が放送局データを取得できた場合には(ステップS311においてYES)、CPU6は、その放送局データをRAM8内の放送局リストに追加する(ステップS312)。そして、再度、ステップS307に戻り、第2のチューナ20の動作が完了しているか確認する。一方、放送局データを取得できていない場合には(ステップS311においてNO)、CPU6は、データ受信がタイムアップしたかどうかを判別する(ステップS313)。その結果、タイムアップしていない場合には(ステップS313においてNO)、ステップS310に戻る。一方、タイムアップしている場合には(ステップS313においてYES)、ステップS307に戻る。
第2の実施の形態において、第2のチューナ20は、周波数リストにある周波数から放送局データを受信し、周波数リストにある次の周波数をセットする手順(ステップS401〜S409)までは、第1の実施の形態における第2のチューナ20の動作の手順(ステップS201〜S209)と同様である。周波数リストにある次の周波数をセット(ステップS409)した後に、CPU6は、そのセットした周波数は、第1のチューナ10が既に検索中あるいは検索後の周波数であるか否かを判定する(ステップS410:第2の未検索周波数取得ステップ)。第1のチューナ10が検索中あるいは検索後の周波数ではない場合には(ステップS410においてYES)、ステップS404に戻り、放送局データの受信を開始する。一方、セットした周波数は、第1のチューナ10が既に検索中あるいは検索後の周波数である場合(ステップS407においてNO)、S408に戻り、周波数リストに他の未検索の周波数が存在するか否かを判定する。
このように、第1のチューナ10が、比較的早く取得できるTMCC情報から周波数リストを作成し、最下限周波数から最上限周波数までの検索を終了すると、第2のチューナ20が行う放送局データの取得作業と併行して放送局データの取得を行うようにすることにより、より早く放送局リストを作成することができる。
以上、本発明の各実施の形態について述べたが、本発明は、これらの実施の形態に限定されることなく、種々変形して実施することが可能である。
例えば、チューナを2個のみ備えているデジタル放送受信装置1に限らず、2個以上備えるデジタル放送受信装置1としてもよい。その場合には、本実施の形態において、第1のチューナ10を含めた複数のチューナを第1のチューナグループとすることができる。同様に、第2のチューナ20の動作を行う複数のチューナを、第2のチューナグループとすることができる。チューナの数が多いほど、情報処理を分担できるため、情報処理の速度をより向上できる。
また、本実施の形態におけるデジタル放送受信装置1において、放送局リストを作成する際に、誤りデータを活用してもよい。例えば、所定時間(例えば、1秒間)における誤りデータの個数の平均値を算出してエラーレートを求め、そのエラーレートをCPU6に出力してもよい。そのエラーレートに応じて受信状態データをチャンネル表に出力することができる。
また、本実施の形態において、TMCCの存在の有無により、周波数リストを作成しているが、TMCCではない他の情報であって、比較的早い段階で読み込まれる情報の有無により判断しても良い。例えば、PSI、SIあるいは、PSIに含まれるNIT(周波数情報)等により判断されても良い。さらに、エラーレート値あるいはC/N値(位相雑音測定値)のような受信レベルに関するデータを用いて周波数リストを作成してもよい。
また、本実施の形態に係るデジタル放送受信装置1が有するアンテナは、外部アンテナに限られず、内蔵アンテナでも良い。また、本実施の形態に係るデジタル放送受信装置1では、図1のように1つの外部アンテナ2が電波を受信し、各チューナ10、20に分配する方式を採用しているが、各チューナ10、20にアンテナが備えられているような、いわゆる、ダイバシティ方式を採用しても良い。ダイバシティ方式では、電波が安定しているアンテナを優先して用いることができる。
また、本実施の形態において、デジタル放送はOFDM方式にて変調されているが、他の変調方法を採用した場合に、その方式に合わせた復調部を用いてもよい。例えば、8VSB(Vestigial Sideband Modulation)等が挙げられる。他の変調方法を採用した場合には、その規格において、比較的早い段階で読み込まれる情報の有無により、周波数リストを作成することが好ましい。
また、本実施の形態において、データの圧縮方式は、MPEG2を採用しているが、他の圧縮規格を用いてもよい。また、地上デジタル放送に限らず、ワンセグ放送、あるいは地上デジタル音声放送等にも採用できる。
また、本実施の形態において、デジタル放送受信装置1をONにした場合あるいは、視聴場所が大きく変わった場合に、チャンネルの検索を行うことになっているが、このタイミングに限らず、いつチャンネル検索を行ってもよい。例えば、一定時間毎にチャンネル検索を行うことにより、常に最新の番組情報を取得することができる。また、番組を視聴している最中には、番組の受信用のチューナと、チャンネル検索用のチューナに分けても良い。
また、本実施の形態において、第1のチューナ10は、最下限の周波数から最上限の周波数を検索しているが、最上限の周波数から検索しても良いし、特定の周波数から開始してもよい。また、2以上の複数のチューナを有するデジタル放送受信装置1の場合には、各チューナが検索する周波数帯域を定めても良い。
また、本実施の形態において、デジタル放送受信装置1は、RAM8に周波数リストあるいは放送局リストを記憶するものとしているが、別の記憶媒体に記憶しても良い。その記憶媒体としては、HDD等の不揮発性記憶媒体を一例として挙げることができる。不揮発性記憶媒体を用いた場合には、まず、前回の放送局検索で作成した周波数リストを用いて放送局データを取得し、その後すべての周波数を検索することもできる。
また、本実施の形態において、番組表等のOSD表示は、放送局リストが追加される毎に追加しているが、放送局リストが完全に作成されてから表示してもよい。
本発明の実施の形態に係る受信装置の構成の一例を示すブロック図である。 第1の実施の形態において、受信装置の第1のチューナがチャンネルを検索する際の処理を表すフローチャートである。 第1の実施の形態において、受信装置の第2のチューナがチャンネルを検索する際の処理を表すフローチャートである。 第2の実施の形態において、受信装置の第1のチューナがチャンネルを検索する際の処理を表すフローチャートである。 第2の実施の形態において、受信装置の第2のチューナがチャンネルを検索する際の処理を表すフローチャートである。
符号の説明
1…デジタル放送受信装置(受信装置)、2…外部アンテナ、3…合成/選択部、4…DEMUX部、5…AVデコーダ部、6…CPU(第1の検索手段、受信可否判別手段、記載手段、第2の検索手段、第2の放送局データ受信手段、受信完了判別手段、第1の未検索周波数取得手段、第2の未検索周波数取得手段、第1の放送局データ受信手段)、7…ROM、8…RAM、10…第1のチューナ(第1の検索手段、受信可否判別手段、記載手段、受信完了判別手段、第1の未検索周波数取得手段、第2の放送局データ受信手段)、11…第1のOFDM復調部、20…第2のチューナ(第2の検索手段、第2の未検索周波数取得手段、第1の放送局データ受信手段)、21…第2のOFDM復調部、30…D/A部、31…音声出力部、40…OSD部、41…映像出力部

Claims (6)

  1. 少なくとも2以上のチューナを備え、無線放送を受信する受信装置であって、
    当該少なくとも2以上のチューナは、第1のチューナグループと第2のチューナグループとに分けられ、
    当該第1のチューナグループは、検索対象の周波数を検索する第1の検索手段と、
    各周波数での放送局受信可否を判別する受信可否判別手段と、
    受信可能な周波数を受信周波数リストに記載する記載手段と、を有し、
    当該第2のチューナグループは、上記受信周波数リストに存在する周波数を検索する第2の検索手段と、
    その検索により取得した周波数に基づいて放送局データを受信する第1の放送局データ受信手段とを有することを特徴とする受信装置。
  2. 受信可否判別手段は、前記放送局データよりも容量の小さい伝送多重制御信号、C/N値あるいはビットエラーレート値を受信して、放送局受信の可否を判別することを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
  3. 前記第1のチューナグループは、前記第2のチューナグループによる前記放送データの受信が完了しているか否かを判別する受信完了判別手段と、
    前記第2のチューナグループが検索していない周波数を取得する第1の未検索周波数取得手段と、
    その検索していない周波数に基づいて放送局データを受信する第2の放送局データ受信手段と、をさらに、有することを特徴とする請求項1または2に記載の受信装置。
  4. 前記第2のチューナグループは、前記第1のチューナグループが検索していない周波数を取得する第2の未検索周波数取得手段と、
    その検索していない周波数に基づいて放送局データを受信する第1の放送局データ受信手段と、をさらに、有することを特徴とする請求項3に記載の受信装置。
  5. 少なくとも2以上のチューナを備え、無線放送を受信する受信方法であって、
    検索対象の周波数を検索する第1の検索ステップと、
    各周波数での放送局受信可否を判別する受信可否判別ステップと、
    受信可能な周波数を受信周波数リストに記載する記載ステップと、
    上記第1の検索ステップ、上記受信可否判別ステップおよび上記記載ステップを実行するチューナとは別のチューナにより実行され、
    上記受信周波数リストに存在する周波数を検索する第2の検索ステップと、
    その検索により取得した周波数に基づいて放送局データを受信する第1の放送局データ受信ステップと、を含むことを特徴とする受信方法。
  6. 前記別のチューナによる前記放送局データの受信が完了しているか否かを判別する受信完了判断ステップと、
    前記別のチューナが検索していない周波数を取得する第1の未検索周波数取得ステップと、
    その検索していない周波数に基づいて放送局データを受信する第2の放送局データ受信ステップと、をさらに含むことを特徴とする、請求項5に記載の受信方法。
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