JP2009058479A - 形状測定データの補正方法、形状測定データの補正プログラム、および走査型プローブ顕微鏡 - Google Patents

形状測定データの補正方法、形状測定データの補正プログラム、および走査型プローブ顕微鏡 Download PDF

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Abstract

【課題】試料表面の形状測定で、温度変化による形状測定データの誤差を適切に補正する手法を実現し正確な形状管理を行える形状測定データの補正方法等を提供する。
【解決手段】この形状測定データの補正方法は、原子間力顕微鏡100等における主走査と副走査から成る探針走査動作に基づく測定によって試料表面の形状測定データを取得するステップS11、形状測定データに基づき複数の主走査ラインについて主走査ライン毎の傾斜データを求めるステップS12、複数の主走査ラインの各々の傾斜を主走査ライン毎の傾斜データに基づき補正し、全ての主走査ラインの傾斜を等しくするステップS13と、形状測定データに基づき複数の主走査ラインの各々の平均高さデータを求めるステップS14と、複数の主走査ラインの各々の平均高さを主走査ライン毎の平均高さデータに基づき補正し、全ての主走査ラインの平均高さを等しくするステップS15とを含む。
【選択図】図10

Description

本発明は、温度変動などの外的要因が試料表面の形状測定データに与える誤差を除去する形状測定データの補正方法、当該形状測定データの補正方法を実施するための補正プログラム、および当該形状測定データの補正方法を実施することができる走査型プローブ顕微鏡に関する。
走査型プローブ顕微鏡は、従来、原子のオーダまたはサイズの微細な対象物を観察できる測定分解能を有する測定装置として知られている。近年、走査型プローブ顕微鏡は、半導体デバイスが作られた基板やウェハの表面の微細な凹凸形状の測定など各種の分野に適用されている。測定に利用する検出物理量に応じて各種のタイプの走査型プローブ顕微鏡がある。例えば、トンネル電流を利用する走査型トンネル顕微鏡(STM)、原子間力を利用する原子間力顕微鏡(AFM)、磁気力を利用する磁気力顕微鏡(MFM)等があり、それらの応用範囲も拡大しつつある。
上記のうち特に原子間力顕微鏡は、試料表面の微細な凹凸形状を高分解能で検出することに適し、半導体基板製造の分野で実績を上げており、最近では開発用途だけではなく、プロセス管理ツールとして製造工程でのインライン検査といった用途での使用も増加してきている。
検査対象である半導体製品は、高速度化と低価格化を両立するために、微細化、高集積化を急速に進展させている。そのため、測定される寸法も急速に微小なものとなり、また、従来は管理の対象となっていなかった工程、部位の形状管理が必要とされるようになってきている。
例えば、トランジスタ構造の形成過程で積層される層間絶縁膜は既に1nmを下回る原子数個分の厚みにまで薄膜化している。層間絶縁膜の薄膜化に伴い、この層間絶縁膜を積層する下地、および積層した絶縁膜表面の面粗さの大小がトランジスタの特性、安定性に大きく関与するとして、この面粗さを厳密に管理するということが行われるようになってきている。この層間絶縁膜下地および表面の面粗さは既にオングストローム(Å)以下の数値で管理することが必要とされている。
また、微細化に伴う製造プロセスの管理は非常に繊細なものとなっており、上記のような表面粗さの管理に代表される形状管理は、開発過程だけではなく製造工程でのインライン検査で行われる。そのため、形状管理には現状直径300mm、2010年には直径450mmへ移行するといわれている大きなサイズのシリコンウエハを扱うことができる大型の原子間力顕微鏡が用いられている。
ここで、原子間力顕微鏡は、その測定原理上、形状測定データの取得に長い時間を要するものであり、環境変動、特に測定環境の温度変化が形状測定データに対して大きな誤差を与えることが知られている。
この、測定環境の温度変化が形状測定データに誤差を与える要因の大きくは、種々の材質が用いられている、測定装置を構成する各部材の熱膨張の差異であり、この熱膨張の差異により試料−センサ間の距離が変化することによる。図11に、測定中の測定環境の温度変化が形状測定データに与える誤差の概念図を示す。図11で、(A)は時間経過(横軸)と高さ測定値(縦軸)の関係において測定値の時間的変化201を示し、(B)は試料表面に対してX軸方向(主走査方向)とY軸方向(副走査方向)のそれぞれに探針を走査動作させて測定を行った結果得られた測定軌跡のイメージ202を模式的に示している。測定軌跡イメージ202で、複数の線分202aは繰返し往復で生じる主走査ラインを示している。また測定値の時間的変化201は、第1の主走査ラインから第2、第3等の主走査ライン202aの各測定値データを順次にプロットして作られている。測定中の測定環境の温度変化は、試料−センサ間の距離の変化を招き、この試料−センサ間の距離の変化が本来の試料形状の測定結果に加算される形となり、結果として、例えば平坦な表面を有する試料サンプルを測定した場合でも、図11の(A)に示す測定値の時間的変化201のごとくウネリを持ったグラフ形状として測定される。具体的には、各主走査ライン202a毎に、各主走査ラインを測定している間の緩やかな温度変化の方向に傾斜を持ち、結果として取得される試料形状は各主走査ライン毎に異なる傾斜を持つ波打つような形状となる。そのため、この誤差を極力排除するために様々な方法が考案されている。
例えば、測定環境の温度を測定する手段と温度を制御する手段を設けることにより温度変化を低減し、測定環境の温度変化による誤差を抑えるという方法が用いられている(特許文献1,2)。
また例えば、測定装置を構成する部材を適切に配置し構成して試料−センサ間方向の熱膨張量を等しくすることで、測定環境の温度変化があった場合でも試料−センサ間距離が変化しないようにして測定環境の温度変化による誤差を抑えるという方法が用いられている(特許文献3)。
さらに、測定環境の温度変化による誤差が発生してしまった形状測定データに対して形状測定データ全体に対して適当な傾斜補正処理を行うことで誤差の影響を小さくする方法も考案されている(特許文献4)。
特開2003−194692号公報 特開2004−286696号公報 特開2002−304785号公報 特開2000−180339号公報
前述した特許文献1〜3に記載された従来装置では、研究用途や開発用途に用いられる小型装置のような測定チャンバ容積および構成部材が小さい装置においては有効な手段であるが、半導体の製造工程で用いられる大型の装置の場合は、クリーンルームと呼ばれる温度変化が大きい環境で用いられるにも拘わらず、測定チャンバ容積が大きく装置内部の温度制御が困難である。また、構成部材が大きく温度感度も各部材で様々であるなどの理由により実現が困難である。
また前述した特許文献4に記載された従来の補正方法によれば、形状測定データ全体の傾斜を補正するものであり、温度変化の影響が一次であれば有効な手段であるが、周期的、非周期的な変化を示す場合はその誤差を取り除くことはできない。また温度変化を捉えても誤差を取り除くことができない。
そのため、管理対象である試料表面の形状寸法がオングストローム以下のオーダとなっている微細化、高速化が実現された半導体製品の測定において、上記のような温度変化による形状測定データの誤差を適切に取り除くことができないことは、半導体製造工程の管理の不十分さ、不正確さを招き、半導体製品の性能ばらつき、品質低下をもたらす。ひいては、さらなる微細加工技術の開発にも支障をきたしてしまうという問題があった。
本発明の目的は、上記の課題に鑑み、走査型プローブ顕微鏡による試料の表面形状測定で、測定環境の変化、特に温度の変化による形状測定データの誤差を適切に補正する手法を実現することにより正確な形状管理を行うことができる形状測定データの補正方法、形状測定データの補正プログラム、および当該形状測定データの補正方法が実施される機能を有した走査型プローブ顕微鏡を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために、次のように構成される。
本発明に係る形状測定データの補正方法(請求項1に対応)は、走査型プローブ顕微鏡における主走査と副走査から成る探針走査動作に基づく測定によって試料表面の形状測定データを取得するステップと、取得した形状測定データに基づき複数の主走査ラインに関する傾斜データを求めるステップと、複数の主走査ラインの各々の傾斜を上記傾斜データに基づき補正し、全ての主走査ラインの傾斜を等しくするステップと、形状測定データに基づき複数の主走査ラインに関する平均高さデータを求めるステップと、複数の主走査ラインの各々の平均高さを上記平均高さデータに基づき補正し、全ての主走査ラインの平均高さを等しくするステップと、を含むことを特徴としている。
上記において、複数の主走査ラインに関する傾斜データが、複数の主走査ライン毎の傾斜であることを特徴とする(請求項2に対応)。
上記において、複数の主走査ラインに関する傾斜データが、複数の主走査ラインのうちの連続する複数ラインの傾斜データの平均値であることを特徴とする(請求項3に対応)。
上記において、複数の主走査ラインに関する平均高さデータが、複数の主走査ライン毎の平均高さデータであることを特徴とする(請求項4に対応)。
上記において、複数の主走査ラインに関する平均高さデータが、複数の主走査ラインのうちの連続する複数ラインの平均高さデータの平均値であることを特徴とする(請求項5に対応)。
本発明に係る形状測定データの補正プログラム(請求項6に対応)は、コンピュータを、走査型プローブ顕微鏡における主走査と副走査から成る探針走査動作に基づく測定によって試料表面の形状測定データを取得する手段、取得した形状測定データに基づき複数の主走査ラインに関する傾斜データを求める手段、複数の主走査ラインの各々の傾斜を上記傾斜データに基づき補正し、全ての主走査ラインの傾斜を等しくする手段、形状測定データに基づき複数の主走査ラインに関する平均高さデータを求める手段と、複数の主走査ラインの各々の平均高さを上記平均高さデータに基づき補正し、全ての主走査ラインの平均高さを等しくする手段、として機能させることを特徴としている。
本発明に係る走査型プローブ顕微鏡(請求項7に対応)は、試料表面の形状の測定を実行しかつ測定データを演算処理する機能を有するコンピュータを備えた走査型プローブ顕微鏡であり、当該コンピュータは、上記の形状測定データの補正プログラムを格納したメモリを備えることを特徴としている。
本発明によれば、半導体製造工程の検査工程等で使用される走査型プローブ顕微鏡による試料の表面形状の測定において、環境変化、特に温度変化に起因する形状測定データの誤差を適切に補正、除去することができるため、その結果、半導体製造工程において半導体製品の表面の正確な形状管理を行うことができ、半導体製品の性能のばらつきをなくし、品質を高めることができ、さらに微細加工技術の開発にも大いに寄与することができる。
以下に、本発明の好適な実施形態(実施例)を添付図面に基づいて説明する。
最初に、図9を参照して、本発明に係る形状測定データの補正方法が実施される走査型プローブ顕微鏡の基本的構成を説明する。この例は、走査型プローブ顕微鏡の一例である原子間力顕微鏡100の例である。走査型プローブ顕微鏡は、原子間力顕微鏡の例に限定されない。原子間力顕微鏡100では、粗動用移動機構を内蔵する試料ステージ101の上にウェハ等の試料102を搭載しており、この試料102の表面に対してカンチレバー103の先端に設けられた探針104が臨んでいる。カンチレバー103はXYZ微動機構105が取り付けられ、XYZ微動機構105は、試料102の表面に対して配置される探針104をX軸方向(主走査方向)、Y軸方向(副走査方向)、Z軸方向(試料表面に対する高さ方向)に移動させる機能を有している。なおX軸、Y軸、Z軸は直交三次元座標系を形成している。こうして、探針104(カンチレバー103)は、試料102の表面に対して、試料表面の測定の際に、主走査(X軸方向の走査動作)と副走査(Y軸方向の走査動作)から成る探針走査動作に基づいて微小距離(「nm」レベル等)にて移動させられる。
試料表面の測定の際には、試料102の表面と探針104の先端の間には原子間力が作用し、予め設定された基準値に基づいて試料表面と探針の間の距離は一定に保たれるように制御器106によって制御される。制御器106は、カンチレバー103の変形を検出する光てこ式光学検知装置107からの検知信号を入力し、この検知信号と基準値を比較し、XYZ微動機構105のZ微動部の動作を制御し、試料表面と探針の間の距離を一定に保つ。探針104が試料102の表面をXY走査するとき、この制御状態は常に維持され、その結果得られたXYZ微動機構105のZ微動部に付与される制御指令値が試料表面の凹凸形状に係る測定データ(表面高さデータまたは形状測定データ)としてコンピュータ108に供給される。
コンピュータ108は、原子間力顕微鏡100の測定動作を制御すると共に、得られた形状測定データをメモリ109に保存し、必要に応じて演算処理し、画像化処理して表示装置110に表示する機能を有している。従って、コンピュータ108のメモリ109には、データ保存領域120が設けられ、さらに測定プログラム121、形状測定データ処理プログラム122、画像化プログラム123が格納されている。原子間力顕微鏡100の測定動作では、XYZ微動機構105のXY微動部の動作を制御して、探針104に対して、前述した主走査と副走査から成る探針走査移動を実行する。
さらにコンピュータ108のメモリ109には、後述するような本発明に係る形状測定データの補正方法を実施するための補正プログラム124が格納されている。コンピュータ108の演算処理部が、メモリ109に格納された補正プログラム124を読み出し、これを実行すると、図10のフローチャートに示される形状測定データの補正方法が実行される。
次に、図10のフローチャートに基づき、さらに図1〜図9を参照しながら、本発明に係る形状測定データの補正方法の代表的な実施形態を説明する。
図10に示したフローチャートでは、原子間力顕微鏡100における主走査と副走査から成る探針104の走査動作に基づく測定によって試料102の表面の形状測定データを取得するステップ(S11)と、取得した形状測定データに基づき複数の主走査ラインについて主走査ライン毎の傾斜データを求めるステップ(S12)と、複数の主走査ラインの各々の傾斜を主走査ライン毎の傾斜データに基づき補正し、全ての主走査ラインの傾斜を等しくするステップ(S13)と、形状測定データに基づき複数の主走査ラインの各々の平均高さデータを求めるステップ(S14)と、複数の主走査ラインの各々の平均高さを主走査ライン毎の平均高さデータに基づき補正し、全ての主走査ラインの平均高さを等しくするステップ(S15)とを有している。
上記のフローチャートで、厳密には、ステップS11は実質的に上記測定プログラム121に相当している。ステップS12〜S15が形状測定データの補正方法を実行する段階である。
上記の形状測定データの補正方法では、走査ライン傾斜補正(ステップS12,S13)を実行した後に、平均高さ補正(ステップS14,S15)を実行するようにしている。ステップ実行順序はこれに限定されない。例えば、上記の形状測定データの補正方法において、ステップS12,S13による走査ライン傾斜補正とステップS14,S15による平均高さ補正との実行順序を反対にすることもできる。すなわち、平均高さ補正を実行した後に走査ライン傾斜補正を実行することもできる。
次に、形状測定データの補正方法の一例を説明する。この例では、平均高さ補正が先に行われ、その後に走査ライン傾斜補正が実行される。
原子間力顕微鏡100(一般的には走査型プローブ顕微鏡)による測定動作(ステップS11)で取得された形状測定データは、試料102の表面における所定の矩形領域に関してのM×N個の高さ情報のマトリクスデータ「h[M,N]」として得られ、メモリ109に保存・記録される。記録されるデータの行方向(M)と列方向(N)は、一般的には、原子間力顕微鏡100による形状測定時の主走査方向(本実施形態ではX軸方向)と副走査方向(本実施形態ではY軸方向)のどちらかに対応する。本実施形態の場合には、行方向が主走査方向に対応しているとする。
ここで、環境の変動、特に温度変化があった場合に取得される形状測定データの一例を模式化して図1に示す。より詳しくは、図1は、温度変化により誤差が生じている形状測定データに基づいて描画される試料表面の形状を三次元像として模式的に表した斜視図である。また、図1において副走査方向であるA−A線の方向で切ったときの断面形状(形状データ)を図2に示す。
図1において、前述した通り、原子間力顕微鏡100で取得された、試料102の表面における任意の矩形領域に関しての形状測定データは、下記の「数1」(M×N個の高さ情報のマトリクスデータ)として数学的に表現される。図1で、X軸方向(矢印11)が主走査方向であり、Y軸方向(矢印12)が副走査方向である。
Figure 2009058479
上記の(数1)で表現された形状測定データについて、各主走査ライン毎のデータの重心g(平均高さ)を(数2)に基づいて算出する(ステップS14)。
Figure 2009058479
次に、上記の各主走査ライン毎の重心を各主走査ライン毎に等しくなるように補正処理を行う(ステップS15)。このとき、補正後のデータをh’とすれば、以下の式(数3)となる。この、重心位置の補正後のデータの一例を図3に示す。
Figure 2009058479
次に、(数4)によって各主走査ライン毎の傾斜tを算出する(ステップS12)。この傾斜tの算出方法は特に限定しないが、簡便には最小二乗近似による一次近時が簡便である。この時、一次近似式をY=tX+bとすれば、以下の式で各走査ラインの傾斜tを算出することができる。
Figure 2009058479
次に、上記の各主走査ライン毎の傾斜を各主走査ライン毎に等しくなるように補正処理を行う(ステップS13)。当該各主走査ラインの傾斜補正後のデータの一例を図4に示す。
次に、実際に温度変動により測定誤差が生じてしまっている形状測定データの一例を図5に示す。また、図5におけるB−B線副走査方向の形状データを図6に示す。本来、平坦であるはずの形状測定データが温度変化の影響により大きく湾曲してしまっている。
次に、先に記した各主走査ライン毎の重心位置を等しくなるように補正した結果を図7に示す。図5に示した状態に比べて格段に平坦なデータが得られるように良好な補正処理が行えているが、温度変化の影響によるゆがみは取りきれておらず、斜め方向に馬の鞍型に若干湾曲した誤差が残ってしまっている。
次に、先に示した各主走査ライン毎の傾斜を等しくなるように補正した結果を図8に示す。図7に示したような温度変化の影響による馬の鞍型の湾曲として残ってしまった誤差が良好に補正されている。
前述の実施形態の説明では、傾斜計算あるいは平均高さ計算は走査線毎に行われるようにしたが、複数の走査線毎に当該計算を行っても同様の効果を達成することができる。例えば、連続する複数本の走査線のうちの1本を代表値としても、複数本の平均値を代表値としてもよい。
上記において「主走査」とは、全計測のうち、短時間に連なる計測順であり、かつウェハ面を横断している計測値例であり、かつ計測値例が時間的にほぼ同じ繰返しになると言い換えることができる。従って、上記実施形態のようにX方向のみでなくても、ドリフトとして時間的・物理的にほぼ同じ計測値例に対して適用すれば、任意方向でも同様の処理が可能となる。さらには、連続的測定であっても測定値列を、時間的・物理的にほぼ同様の区切り方をして、上記実施形態で説明した方法と同様な方法で計算処理すれば、所期の効果を得ることは容易に推定することができる。
以上の実施形態で説明された構成、形状、大きさおよび配置関係については本発明が理解・実施できる程度に概略的に示したものにすぎない。従って本発明は、説明された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
本発明は、原子間力顕微鏡等の走査型プローブ顕微鏡における形状測定データの補正として利用され、測定環境の温度変化による誤差の解消に利用される。
温度変化により誤差が生じている形状測定データに基づいて描画される試料表面の形状を三次元像として模式的に表した斜視図である。 図1において副走査方向であるA−A線の方向で切ったときの断面形状を示す断面図である。 図1に示した試料表面形状に係る形状測定データに対して主走査ライン毎に重心位置を揃える補正処理を行った結果を示す図である。 図3に示した試料表面形状に係る形状データに対して主走査ライン毎に傾斜を揃える補正処理を行った結果を示す図である。 温度変化によっって測定誤差が生じている実際の形状測定データの一例を示した平面的濃淡図である。 図5において副走査方向であるB−B線の方向に切ったときの断面形状を示す断面図である。 図5に示した試料表面形状に係る形状測定データに対して主走査ライン毎に重心位置を揃える補正処理を行った結果を示す図である。 図5に示した試料表面形状に係る形状データに対して主走査ライン毎に傾斜を揃える補正処理を行った結果を示す図である。 本発明に係る形状測定データの補正方法が実施される走査型プローブ顕微鏡の装置構成を示すブロック構成図である。 本発明に係る形状測定データの補正方法を示すフローチャートである。 測定中の測定環境の温度変化が形状測定データに与える誤差の概念を示す図である。
符号の説明
100 原子間力顕微鏡
101 試料ステージ
102 試料
103 カンチレバー
104 探針
105 XYZ微動機構
106 制御器
107 光てこ式光学顕微鏡
108 コンピュータ
109 メモリ
121 測定プログラム
124 補正プログラム

Claims (7)

  1. 走査型プローブ顕微鏡における主走査と副走査から成る探針走査動作に基づく測定によって試料表面の形状測定データを取得するステップと、
    取得した前記形状測定データに基づき複数の主走査ラインに関する主走査ライン毎の傾斜データを求めるステップと、
    前記複数の主走査ラインの各々の傾斜を前記傾斜データに基づき補正し、全ての前記主走査ラインの傾斜を等しくするステップと、
    前記形状測定データに基づき前記複数の主走査ラインに関する平均高さデータを求めるステップと、
    前記複数の主走査ラインの各々の前記平均高さを前記平均高さデータに基づき補正し、全ての前記主走査ラインの平均高さを等しくするステップと、
    を含むことを特徴とする形状測定データの補正方法。
  2. 前記複数の主走査ラインに関する前記傾斜データが、前記複数の主走査ライン毎の傾斜であることを特徴とする請求項1記載の形状測定データの補正方法。
  3. 前記複数の主走査ラインに関する前記傾斜データが、前記複数の主走査ラインのうちの連続する複数ラインの傾斜データの平均値であることを特徴とする請求項1記載の形状測定データの補正方法。
  4. 前記複数の主走査ラインに関する前記平均高さデータが、前記複数の主走査ライン毎の平均高さデータであることを特徴とする請求項1記載の形状測定データの補正方法。
  5. 前記複数の主走査ラインに関する前記平均高さデータが、前記複数の主走査ラインのうちの連続する複数ラインの平均高さデータの平均値であることを特徴とする請求項1記載の形状測定データの補正方法。
  6. コンピュータを、
    走査型プローブ顕微鏡における主走査と副走査から成る探針走査動作に基づく測定によって試料表面の形状測定データを取得する手段、
    取得した前記形状測定データに基づき複数の主走査ラインに関する傾斜データを求める手段、
    前記複数の主走査ラインの各々の傾斜を前記傾斜データに基づき補正し、全ての前記主走査ラインの傾斜を等しくする手段、
    前記形状測定データに基づき前記複数の主走査ラインに関する平均高さデータを求める手段と、
    前記複数の主走査ラインの各々の前記平均高さを前記平均高さデータに基づき補正し、全ての前記主走査ラインの平均高さを等しくする手段、
    として機能させることを特徴とする形状測定データの補正プログラム。
  7. 試料表面の形状の測定を実行しかつ測定データを演算処理する機能を有するコンピュータを備えた走査型プローブ顕微鏡であり、
    前記コンピュータは、請求項6に記載された形状測定データの補正プログラムを格納したメモリを備えることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
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