JP2009057875A - 駆動力制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】乗員が操作装置を操作した場合に、車両の加速度が乗員の体調に適合したものとなり、乗員が違和感を持つことを抑制することの可能な駆動力制御装置を提供する。
【解決手段】走行体を推進させるための推力を発生する駆動装置と、走行体の乗員によって操作される操作装置と、操作装置の操作状態に基づいて、走行体における目標加速度を求める目標加速度決定装置と、決定された目標加速度に基づいて、駆動装置で発生する推力を制御するコントローラとを有する駆動力制御装置において、操作装置の操作状態に対して、目標加速度を指数関数的に変化させる目標加速度算出手段(ステップS2,S3,S4)と、目標加速度を指数関数的に変化させる場合のパラメータとして、乗員の体調を加える体調判断手段(ステップS1)とを備えている。
【選択図】図1

Description

この発明は、走行体の乗員により操作装置が操作され、操作装置の操作状態に基づいて、走行体の目標加速度を求める制御をおこなう駆動力制御装置に関するものである。
一般に、走行体においては、乗員により操作される操作装置と、この操作装置の操作状態および記憶されているデータに基づいて、前記走行体の目標駆動力を決定する電子制御装置と、目標駆動力に基づいて走行体を推進させる推力を発生する駆動装置とが搭載されている。このように、駆動装置を電子制御装置により制御するように構成された走行体、具体的には、車両の駆動力制御装置の一例が、特許文献1に記載されている。この特許文献1においては、エンジントルクが、クラッチおよび変速機および出力軸を経由して駆動輪に伝達されるように構成されている。また、変速機にはモータが動力伝達可能に接続されている。そして、アクセル開度および車速に基づいて、目標駆動力が求められる。また、目標駆動力を変速機の変速比で除して目標エンジントルクが求められる。さらに、アクセル開度の増加量に基づいて加速判定フラグを設定する。そして、加速判定フラグが零であると判定された場合は、目標エンジントルクから実エンジントルクを減じて目標モータトルクを算出する。
一方、加速判定フラグが零でないと判定された場合は、目標駆動トルクがトルク閾値よりも小さいか否かが判定される。ここで、目標駆動トルクがトルク閾値よりも小さいと判定された場合は、目標駆動トルクに基づいて、動特性付き目標駆動トルクを算出するための第1の時定数および第1の無駄時間を算出する。これに対して、目標駆動トルクがトルク閾値以上と判定された場合は、アクセル開度に基づいて、動特性付き目標駆動トルクを算出するための第2の時定数および第2の無駄時間を算出する。ここで設定される第2の時定数および第2の無駄時間は、第1の時定数および第2の無駄時間よりも大きく、かつ、アクセル開度が小さいほど大きな値に設定される。このような制御により、ドライバーの感じる応答性(加速感)を向上させることができるとされている。
特開2005−110469号公報
しかしながら、特許文献1に記載された車両の駆動力制御装置では、車速およびアクセル開度、およびアクセル開度の増加量に基づいて目標駆動力が制御される構成であり、ドライバーの体調については何ら考慮がなされておらず、ドライバーの体調と車両の加速感とが適合しなくなる虞があった。
この発明の目的は、走行体の乗員が操作装置を操作した場合に、乗員の体調に合わせて走行体の加速感を制御することの可能な駆動力制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、走行体を推進させるための推力を発生する駆動装置と、前記走行体の乗員によって操作される操作装置と、この操作装置に加えられる操作力、または前記操作装置の操作量、または操作装置の操作速度に基づいて、前記走行体における目標加速度を求める目標加速度決定装置と、決定された目標加速度に基づいて、前記駆動装置で発生する推力を制御するコントローラとを有する駆動力制御装置において、前記操作装置に加えられる操作力の変化量、または前記操作装置の操作量の変化量、または前記操作装置の操作速度に対して、前記目標加速度を指数関数的に変化させる目標加速度算出手段と、前記目標加速度を指数関数的に変化させる場合のパラメータとして、前記乗員の体調を加える体調判断手段とを備えていることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の構成に加えて、前記体調判断手段は、前記目標加速度を指数関数的に変化させる場合にべき乗関数を用いる手段を含むことを特徴とするものである。
請求項3の発明は、請求項1または2の構成に加えて、前記乗員の体調には、疲労または眠気が含まれることを特徴とするものである。
請求項1、2の発明によれば、操作装置に加えられる操作力の変化量、または操作装置の操作量の変化量、または操作装置の操作速度に対して、目標加速度を指数関数的に制御することができる。特に、乗員の体調をパラメータとする指数関数が用いられる。そして、求められた目標加速度に基づいて、駆動装置で発生する推力が制御される。つまり、操作装置に加えられる操作力の変化量、または操作装置の操作量の変化量、または操作装置の操作速度に対して、走行体の加速度を制御するにあたり、乗員の知覚特性および体調に合わせて、目標加速度を制御することができる。したがって、操作装置の操作にともなって乗員が受ける加速感が、乗員による操作および体調に適合したものになるので、乗員が違和感を持つことを抑制できる。また、請求項3の発明によれば、乗員の体調を疲労または眠気により判断することができ、乗員の体調と加速感とを一層適合させやすくなる。
この発明における走行体は、駆動装置で発生する推力で地上を走行するものであり、この走行体には、具体的には、乗用車、フォークリフト、トラック、トレーラ、バスなどが含まれる。この発明において、走行体には乗員が操作する操作装置が設けられており、この操作装置は、乗員の身体の一部で操作されるものであり、手または足のいずれにより操作される構成でもよい。また操作装置は、乗員から操作力が加えられる装置であり、その操作力が加えられて一定方向に動作する構成、または一定方向には動作しない構成のいずれでもよい。操作力が加えられて一定方向に動作する構成の操作装置としては、レバー、ペダル、ボタン、ノブなどが挙げられる。また、操作装置の動作態様としては、回転運動、往復運動が挙げられる。なお、回転運動には、予め定められた角度範囲内での回転が含まれる。操作装置が操作により一定方向に動作する場合、乗員が操作装置を引く操作、または乗員が操作装置を押す操作のいずれでもよい。
これに対して、一定方向に動作しない構成の操作装置としては、感圧型のタッチパネル(液晶パネル)、流体が充填された密封袋または流体室を有する操作装置が挙げられる。ここで、流体としては気体および液体が挙げられる。この発明において、一定方向に動作可能な操作装置が用いられている場合、操作装置に加えられる操作力または操作装置の操作量または操作速度のうち、少なくとも1つの事項が検知または判断される。この発明において操作量とは、操作装置の動作量を意味している。操作装置が回転運動する構成である場合、操作装置の回転角度が、操作装置の操作量に相当する。また、操作装置が直線運動する構成である場合、操作装置の直線的な移動距離が操作量に相当する。これに対して、一定方向に動作しない操作装置が用いられている場合、操作装置に加えられる操作力が判断される。このような操作装置の操作状態に基づいて、走行体の目標加速度が指数関数的に変化される。また、目標加速度を指数関数的に変化させる場合のパラメータとして、乗員の体調が用いられる。
この発明において、駆動装置は走行体を走行させる推力を発生させる装置である。前記走行体が地上を走行する車両である場合は、駆動装置から車輪に伝達される動力が発生する。また、駆動装置には、動力源自体と、動力源から車輪に至る経路に配置される動力伝達装置とが含まれる。前記動力源は、動力を発生する装置であり、動力源には、エンジン、電動モータ、油圧モータ、フライホイールシステムなどが含まれる。そして、前述の目標加速度に基づいて、動力源の動力、具体的には、トルクおよび回転数が制御される。前記動力伝達装置は、動力源で発生した動力を車輪に伝達する装置であり、動力伝達装置には、変速機、流体伝動装置、クラッチなどが含まれる。そして、目標加速度に基づいて、変速機の変速比、変速機のトルク容量、流体伝動装置のトルク容量、流体伝動装置のトルク比、クラッチのトルク容量などが制御される。
つぎに、この発明の具体例を図面に基づいて説明する。この具体例では、走行体の一種である車両について説明する。図2は、車両1のパワートレーンの構成、および車両1の制御系統を示す概念図である。また、図3は、車両1のパワートレーンの構成を具体的に示した概念図である。図2および図3において、車両1には駆動力源としてエンジン2が搭載されている。このエンジン2は車輪3に伝達される動力を出力する動力装置である。この図2および図3に示された車両1は、エンジン2から出力された動力が、動力伝達軸14を経由して車輪(後輪)3に伝達されるように構成されたFR(フロントエンジン・リヤドライブ)型のものである。エンジン2は燃料を燃焼させた場合に発生する熱エネルギを運動エネルギとして出力する装置であり、例えば内燃機関を用いることができる。内燃機関としては、具体的には、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、LPGエンジンなどを用いることができる。ここでは、便宜上、ガソリンエンジンを用いている場合について説明する。このエンジン1は、燃料噴射装置4、点火時期制御装置5、電子スロットルバルブ6などを有する公知のものである。燃料噴射装置により燃料噴射量を制御し、点火時期制御装置により点火時期を制御し、電子スロットルバルブ6の開度の制御により吸入空気量を制御することが可能である。そして、エンジン1における燃料噴射量または点火時期または吸入空気量のうち、少なくとも1つを制御することにより、エンジン出力(トルク×回転数)が制御されるように構成されている。
また、エンジン2から車輪3に至る動力伝達経路には、電動モータ7および流体伝動装置8ならびに変速機9が設けられている。電動モータ7は電気エネルギを運動エネルギに変換して出力する動力装置である。電気モータ7としては、直流モータまたは交流モータのいずれを用いてもよい。さらに、電動モータ7として、力行機能と回生機能とを兼備したモータ・ジェネレータを用いることも可能である。電動モータ7はロータ10およびステータ11を有しており、蓄電装置12がインバータ13を介在させて電動モータ7に接続されている。蓄電装置にはキャパシタおよびバッテリが含まれる。そして、エンジン2のクランクシャフトが動力伝達軸14に連結され、その動力伝達軸14にロータ10が動力伝達可能に接続されている。前記流体伝動装置8は、ポンプインペラ15とタービンランナ16との間で、流体の運動エネルギにより動力伝達をおこなう伝動装置である。そして、ポンプインペラ15が、動力伝達軸14に動力伝達可能に接続されている。さらに、タービンランナ16が変速機9の入力軸17に動力伝達可能に接続されている。また、流体伝動装置8として、トルク増幅をおこなうことの可能なトルクコンバータが用いられている。
以下、便宜上、流体伝動装置8を「トルクコンバータ8」と記す。また、トルクコンバータ8には、ポンプインペラ15およびタービンランナ16に対して並列に、ロックアップクラッチ18が設けられている。このロックアップクラッチ18は、動力伝達軸14と入力軸17との間で、摩擦力により動力伝達をおこなう伝動装置である。この具体例では、ロックアップクラッチ18の係合・解放を制御するコントローラとして、油圧制御装置19が設けられている。ロックアップクラッチ18を係合させると、動力伝達軸14と入力軸17との間で、摩擦力により動力伝達がおこなわれる。これに対して、ロックアップクラッチ18を解放させると、ポンプインペラ15とタービンランナ16との間で、流体の運動エネルギにより動力伝達がおこなわれる。また、ロックアップクラッチ18が解放された場合は、トルクコンバータ8でトルク増幅をおこなうことが可能である。前記変速機9は、入力軸17の回転数と出力軸20の回転数との比、つまり変速比を変更可能な伝動装置である。
この変速機9としては、有段変速機または無段変速機のいずれを用いてもよい。有段変速機とは、変速比を段階的(不連続)に変更可能な変速機である。無段変速機とは、変速比を無段階(連続的)に変更可能な変速機である。有段変速機としては、選択歯車式変速機、常時噛み合い式変速機、遊星歯車式変速機などを用いることが可能である。無段変速機としては、トロイダル型無段変速機、ベルト式無段変速機などを用いることが可能である。この具体例では、変速機9として有段変速機、特に、遊星歯車式変速機を用いた場合について説明する。すなわち、変速機9は、複数の遊星歯車機構21と、遊星歯車機構21の回転要素同士を接続するクラッチ、または回転要素の回転・停止を制御するブレーキなどの摩擦係合装置22を有している。この摩擦係合装置22を係合・解放させることにより、変速機9の変速比が変更されるように構成されている。この具体例では、摩擦係合装置22の係合・解放制御が、前記油圧制御装置19によりおこなわれるように構成されている。この変速機9としては、例えば、前進ポジションで、変速比が異なる4種類の変速段を選択的に切り替え可能な変速機を用いることが可能である。4種類の変速段とは、第1速、第2速、第3速、第4速であり、第1速の変速比は第2速の変速比よりも大きく、第2速の変速比は第3速の変速比よりも大きく、第3速の変速比は第4速の変速比よりも大きい。さらに、この具体例では、変速機9の出力軸20から車輪3に至る動力伝達経路が、プロペラシャフト23および終減速機24およびアクスルシャフト25により構成されている。
さらに、加速要求がある場合に乗員により操作されるアクセルペダル26、減速要求がある場合に乗員により操作されるブレーキペダル(図示せず)、変速機9の変速比の制御範囲を制御するために乗員により操作されるシフトレバー(図示せず)が設けられている。これらのアクセルペダル26、ブレーキペダル、シフトレバーは車両1の室内に設けられている。特に、アクセルペダル26の構成について説明すると、この具体例では、乗員がアクセルペダル26を足で踏んで操作する。このアクセルペダル26は、支持軸(図示せず)を中心として一定の角度範囲内で回転可能に構成されている。また、アクセルペダル26に踏力が与えられない場合は、予め定められた位置でアクセルペダル26が停止する構成を有している。
つぎに、車両1の制御系統を説明すると、コントローラとして電子制御装置28が設けられており、この電子制御装置28には、車速を示す信号、アクセルセンサー29の信号、エンジン回転数を示す信号、シフトポジションを示す信号、ブレーキペダルの操作を示す信号などが入力される。アクセルセンサー29は、アクセルペダル26に加えられる操作力(踏力)、およびアクセルペダル26の操作量、およびアクセルペダル26の操作速度を検知する装置である。また、車両1の室内には、乗員の体調を表す信号を発生する検知装置(センサ)27が設けられている。この検知装置27は、乗員の体温、発汗量、脈拍、まぶたの動き、握力などを検知するセンサにより構成されている。例えば、ステアリングホイールにセンサを取り付けておくことにより、乗員の手の平を介して、体温、発汗量、脈拍、握力などに相当する検知信号を出力させることが可能である。また、車両1の室内に監視カメラを配置しておき、この監視カメラにより運転者の顔の向きやまぶたの動きを検知して信号を出力させることが可能である。そして、この検知装置27から出力される信号が電子制御装置28に入力されて、その電子制御装置28において、乗員の体調を判断可能である。具体的には、乗員の健康状態、乗員の疲労程度、眠気程度、集中力の程度などが判断される。例えば、体温が低下したこと、または発汗量が増加したこと、脈拍が速くなったこと、握力が低下したこと、瞬きの回数が減少したこと等に基づいて、乗員の体調が良好か否か、乗員が疲労しているか否か、眠気を催しているか否か、集中力があるか否かを判断可能である。
さらに、車速を示す信号、電子制御装置28に内蔵されているタイマーの機能から、車両1が走行を開始してからの走行距離、走行継続時間などを判断し、その判断結果に基づいて乗員の体調を判断することも可能である。例えば、車両1の走行距離が予め定められた距離を越えたこと、車両1の走行継続時間が予め定められた継続時間を越えたことなどが検知された場合に、電子制御装置28において、乗員が疲労している、または疲労程度が増加したと判断され、乗員が眠気を催していると判断され、または乗員の集中度が低下していると判断される。このように、車速センサおよび検知装置27および電子制御装置28が、乗員の体調を判断する体調判断装置としての機能を有している。具体的には、体調が良好か否か、あるいは、体調が良好でないとすればその程度を判断可能である。なお、電子制御装置28には、乗員の体調が良好であるか否かを判断する場合に用いる閾値が、体温、発汗量、脈拍、握力、まぶたの動きの全てのパラメータ毎にデータ化されてマップ化され、かつ、記憶されている。そして、電子制御装置28には乗員の体調に基づいて、車両1の前後方向における加速度の目標値、つまり、目標加速度を求めるためのデータが記憶されている。
また、電子制御装置28には、前記目標加速度に基づいてエンジン出力を制御するマップおよびデータ、前記目標加速度に基づいて変速機9の変速比を制御するマップ、目標加速度に基づいてロックアップクラッチ18の係合・解放を制御するマップおよびデータ、前記目標加速度に基づいて電動モータ7の出力を制御するマップが記憶されている。なお、この具体例では、電子制御装置28が、エンジン2を制御するエンジン用電子制御装置(エンジンECU)30、電動モータ7を制御するモータ用電子制御装置(モータECU)31、変速機9およびロックアップクラッチ18を制御する変速機用電子制御装置(AT−ECU)32を有している。これらの電子制御装置同士の間で、相互に信号の授受がおこなわれる。
上記のように構成された車両1においては、エンジン2で燃料が燃焼されてそのエンジン2からトルクが出力されると、そのトルクはトルクコンバータ8および変速機9およびプロペラシャフト23および終減速機24およびアクスルシャフト25を経由して車輪3に伝達され、駆動力が発生する。また、電動モータ7に電力が供給されると、電動モータ7のトルクが上記と同様に車輪3に伝達される。この具体例に示す車両1は、エンジン2または電動モータ7のうち、少なくとも一方の動力を車輪3に伝達することのできるハイブリッド車である。また、アクセルペダル26の踏み込み量、車速、シフトポジションなどのデータ、および電子制御装置28に記憶されているマップに基づいて、エンジン出力、電動モータ7、ロックアップクラッチ18の係合・解放、変速機9の変速比が制御される。
つぎに、アクセルペダル26の操作状態に基づいて、車両1の前後方向における加速度の目標値、すなわち、目標加速度を制御する場合の一例を、図1のフローチャートに基づいて説明する。この図1では、前述のようにして電子制御装置28で乗員の体調、例えば、疲労の有無が判断される(ステップS1)。このステップS1で否定的に判断、つまり、乗員が疲労していないと判断された場合は、車両1の目標加速度を求め(ステップS2)、ステップS3に進む。これに対して、ステップS1で肯定的に判断、つまり乗員が疲労していると判断された場合は、車両1の目標加速度を求め(ステップS4)、ステップS3に進む。ステップS2,S4の処理内容の共通点、および相違点を説明する。まず、ステップS2,S4では、アクセルペダル26に加えられる踏力Fに基づいて、目標加速度Gを求める点が共通している。具体的には、踏力Fの変化量に対して、目標加速度Gを指数関数的に変化させる処理がおこなわれる。ここで、踏力Fの変化量に対して、目標加速度Gを指数関数的に変化させる場合、例えば、数式1を用いることが可能である。
G=A×F ・・・(1)
ここで、「A」は、一次関数の傾きを表す定数であり、「K」は疲労値に相当するべき乗関数である。この具体例では、目標加速度を指数関数的に変化させる場合にマップを用いている。すなわち、図1のステップS2およびステップS4の枠内には、踏力に対して目標加速度を指数関数的に変化させるマップが示されている。そして、ステップS2とステップS4とでは、数式1で用いるべき乗関数の値が異なる。例えば、ステップS2で用いられるべき乗関数Kを、ステップS4で用いるべき乗関数よりも大きく設定することが可能である。ステップS2とステップS4とで、べき乗関数をこのように異ならせた場合、同じ踏力であっても目標加速度はステップS4よりもステップS2の方が大きい。また、ステップS2またはステップS4のいずれで用いるマップも、踏力が増加するほど目標加速度が高くなる特性を有している。
上記のステップS2またはステップS4に続くステップS3では、ステップS2またはステップS4のマップを用いて、実際に目標加速度が決定される。そして、ステップS3で決定された目標加速度に基づいて、車両1の駆動力を制御する駆動装置が制御され(ステップS5)、この制御ルーチンを終了する。このステップS5では、エンジン出力、電動モータ7のトルク、変速機9の変速比(変速段)、ロックアップクラッチ18の係合・解放などのうち、少なくとも1つの事項が制御される。エンジン出力を制御する場合、燃料噴射量、点火時期、吸入空気量のうち、少なくとも1つを制御することにより、エンジン出力を制御可能である。エンジン出力を制御することにより、車両1の駆動力が制御されて、実際の加速度を目標加速度に近づけることが可能である。また、電動モータ7のトルクを制御して車両1の駆動力を制御することにより、実際の加速度を目標加速度に近づけることが可能である。また、変速機9の変速段を制御することにより、変速機9に入力されるトルクに対して、変速機9から出力されるトルクの増幅程度を変更することが可能である。具体的には、実際の駆動力を高める場合、変速機9の変速比を大きくする制御をおこなう。これに対して、実際の駆動力を低下させる場合、変速機9の変速比を小さくする制御をおこなう。さらに、実際の駆動力を高める場合、ロックアップクラッチ18を解放して、トルクコンバータ8でトルク増幅をおこなうことが可能である。これに対して、実際の駆動力を低下させる場合、ロックアップクラッチ18を係合して、トルクコンバータ8におけるトルク増幅をおこなわないようにすることが可能である。
ここで、ステップS1ないしステップS4の技術的意義を説明する。まず、本発明者らは、車両1の乗員によるアクセルペダル26に加えられる踏力に対して、車両1の目標加速度の変化量を、人間の知覚特性に合わせて制御する研究に取り組んだ。このような人間の知覚特性に関し、ウェーバー・ヘフナー(Weber-Fechner )の法則によれば、人間の感覚量は与えられた刺激の物理量の対数に比例すると言われている。そこで、アクセルペダル26の踏力の変化量に対して、車両1の加速度を制御する場合に、踏力に対して車両1の加速度を指数関数的に変化させれば、踏力の変化量と車両1の加速度との関係を、人間の知覚特性に沿ったものとすることができると考えられる。つまり、踏力の変化量と、車両の加速度の変化量との関係に、車両1の乗員が違和感をもつことを抑制することが可能であると考えた。
このような、技術的思想に基づいて、上記の数式(1)を構築した。「べき乗関数K」は、ウェーバー比に基づく乗数である。ウエーバー比とは、刺激の強さや性質が変化したことを区別できる最小の差、または刺激の大小関係を区別できる最小の差であり、この「最小の差」は弁別閾と呼ばれている。ある範囲で、最小の差ΔIと刺激の強さIとの間に、
ΔI/I=一定
とするウェーバーの法則が成り立つことが知られている。このウェーバー比は、感覚の種類により異なる値であることが知られている。このように、上記の数式(1)を用いることにより、アクセルペダル26の踏力に対して、車両1の加速度を指数関数的に制御することができる。
さらに、この具体例では、ステップS1で判断される疲労の有無により、ステップS2で用いるべき乗関数Kと、ステップS4で用いるべき乗関数Kとが異なる。このため、同じ踏力であっても、ステップS2を経由してステップS3に進んだ場合に決定される目標加速度の方が、ステップS4を経由してステップS3に進んだ場合に決定される目標加速度よりも高くなる。この特性の相違は、車両1が車線変更をおこなうような状況で、乗員が疲労していない場合の方が、乗員が疲労している場合に比べて、ステアリングホイールの操作を機敏、かつ、正確におこなえるとの観点に基づいて決定されたものである。したがって、アクセルペダル26の踏力に対する、車両1の加速度の変化を乗員の体調に適合させることができる。
これに対して、図1の制御例において、ステップS2で用いるべき乗関数Kよりも、ステップS4で用いるべき乗関数Kを大きくすることも可能である。このような制御を採用すると、同じ踏力であっても、ステップS4を経由してステップS3に進んだ場合に決定される目標加速度の方が、ステップS2を経由してステップS3に進んだ場合に決定される目標加速度よりも高くなる。この特性の相違は、乗員が疲労している場合には、車両1の加速度を高くすることにより機敏な走行となり、乗員が爽快感を覚えて疲労が癒されるとの観点に基づいて決定されたものである。したがって、アクセルペダル26の踏力に対する、車両1の加速度の変化を乗員の体調に適合させることができる。また、ステップS4の処理としては、疲労の程度に関わりなく同じべき乗関数Kを用いる処理、または疲労の程度(レベル)に応じて、べき乗関数Kの大小を変更する処理のいずれをおこなってもよい。ステップS4において、疲労の程度(レベル)に応じて、べき乗関数Kの大小を変更すれば、疲労の程度に応じて目標加速度をきめ細かく制御することが可能であり、一層有効である。
一方、ステップS1では、疲労の有無に代えて、眠気が有るか否か、または集中力が低いか否かを判断するルーチンを採用することもできる。具体的には、ステップS1で眠気があると判断された場合はステップS4に進み、ステップS1で眠気がないと判断された場合は、ステップS2に進むルーチンである。また、ステップS1で集中力が低いと判断された場合はステップS4に進み、ステップS1で集中力が高いと判断された場合は、ステップS2に進むルーチンである。また、ステップS1で眠気が有るか否か、または集中力が低いか否かを判断する場合も、ステップS4に進んだ場合に用いるべき乗関数Kを、眠気の程度(レベル)または集中力の程度(レベル)に関わりなく同じとする処理をおこなうことができる。これに対して、ステップS1で眠気が有るか否か、または集中力が低いか否かを判断する場合に、ステップS4に進んだ場合に用いるべき乗関数Kを、眠気の程度または集中力の程度に応じて大小に変更する処理をおこなうこともできる。
図1の制御例においては、「べき乗関数」としてウェーバー比に基づくべき乗関数を用いる場合について説明しているが、スチーブンスの法則を用いてべき乗関数を選択することも可能である。スチーブンスの法則とは、感覚Eの大きさは刺激の強さIのべき乗関数nであるとするものであり、数式(2)により表される。
E=KI ・・・(2)
すなわち、Eを目標加速度とし、Kを定数とし、Iを踏力とし、べき乗関数nを乗員の体調により変更すればよい。このようにスチーブンスの法則を用いた場合も、ウェーバー・ヘフナーの法則を用いた場合と同様の効果を得られる。
また、図1の制御例において、アクセルペダル26の踏力に代えて、アクセルペダル26の操作量(アクセル開度)、アクセルペダル26の踏み込み速度に対して、目標加速度を指数関数的に求める制御をおこなうことも可能である。この場合、ステップS2およびステップS4では踏力Fに代えて、アクセルペダル26の操作量(アクセル開度)または、アクセルペダル26の踏み込み速度をパラメータとするマップを用いる。このマップは、アクセルペダル26の操作量(アクセル開度)が多くなるほど目標加速度が高くなり、アクセルペダル26の踏み込み速度が高くなるほど目標加速度が高くなる特性となる。さらに、図1のフローチャートでは、まず、ステップS1で乗員の体調を判断し、その後に、アクセルペダル26の操作状態に対して目標加速度を指数関数的に変化させるにあたり、乗員の体調に応じてべき乗関数を異ならせている。これに対して、先にアクセルペダル26の操作状態にする目標加速度を求め、その後に体調を判断して、前記求められていた目標加速度を、体調に応じたべき乗関数により補正する制御をおこなう処理も可能であり、この処理もこの発明の技術的範囲に含まれる。
また、図2および図3に示された車両は、エンジン2および電動モータ7の動力が車輪(後輪)3に伝達される構成の二輪駆動車であるが、エンジン2および電動モータ7の動力が車輪(前輪)に伝達される構成の二輪駆動車においても、この発明を採用できる。さらに、エンジン2および電動モータ7の動力が車輪(前輪および後輪)に伝達される構成の四輪駆動車にも、この発明を採用できる。なお、動力源としてエンジンまたは電動モータのいずれか一方が設けられた車両にも、この発明を適用できる。さらにまた、ロックアップクラッチおよび変速機を制御するアクチュエータとして、電磁力を用いたアクチュエータを有する車両にも、この発明を適用可能である。
ここで、この具体例で説明した構成と、この発明の構成との対応関係を説明すると、車両1が、この発明の走行体に相当し、エンジン2および電動モータ7および変速機9およびトルクコンバータ8およびロックアップクラッチ18が、この発明における駆動装置に相当し、アクセルペダル26が、この発明における操作装置に相当し、電子制御装置28および油圧制御装置19が、この発明におけるコントローラに相当する。具体的には、エンジン用電子制御装置30がエンジン2を制御するコントローラであり、油圧制御装置19が、変速機9およびロックアップクラッチ18およびトルクコンバータ8を制御するコントローラである。さらに、図1に示された機能的手段と、この発明の構成との対応関係を説明すると、ステップS2ないしステップS4が、この発明における目標加速度算出手段に相当し、ステップS1が、この発明の体調判断手段に相当する。
この発明の制御を車両で実行する制御例を示すフローチャートである。 この発明の制御を実行可能な車両の構成を示す概念図である。 図2に示す車両のパワートレーンの構成を具体化した概念図である。
符号の説明
1…車両、 2…エンジン、 7…電動モータ、 8…トルクコンバータ、 9…変速機、 19…油圧制御装置、 26…アクセルペダル、 27…検知装置、 28…電子制御装置。

Claims (3)

  1. 走行体を推進させるための推力を発生する駆動装置と、前記走行体の乗員によって操作される操作装置と、この操作装置に加えられる操作力、または前記操作装置の操作量、または操作装置の操作速度に基づいて、前記走行体における目標加速度を求める目標加速度決定装置と、決定された目標加速度に基づいて、前記駆動装置で発生する推力を制御するコントローラとを有する駆動力制御装置において、
    前記操作装置に加えられる操作力の変化量、または前記操作装置の操作量の変化量、または前記操作装置の操作速度に対して、前記目標加速度を指数関数的に変化させる目標加速度算出手段と、
    前記目標加速度を指数関数的に変化させる場合のパラメータとして、前記乗員の体調を加える体調判断手段と
    を備えていることを特徴とする駆動力制御装置。
  2. 前記体調判断手段は、前記目標加速度を指数関数的に変化させる場合にべき乗関数を用いる手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の駆動力制御装置。
  3. 前記乗員の体調には、疲労または眠気が含まれることを特徴とする請求項1または2に記載の駆動力制御装置。
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