JP2009057819A - 鋳鉄製パネルを用いた貯水タンク構造体及びそれを建造する方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】迅速な建設、半永久的な剛性、及び高い貯水率をもたらす貯水タンク構造体及び貯水タンク構造体を建設する方法を提供する。
【解決手段】所定の貯水スペースを内部に確保するように複数の鋳鉄製パネル10を組み立てることによって作製され、充分に高い強度を有する鋳鉄製パネルによって構造体の高剛性を得ると共に、貯水タンク構造体の容積と比べ比較的に大きい貯水スペースを与え、さらに清掃などの継続保守を行えるように作業員が出入り可能に作製され、しかも工期を短縮できるように簡単な組み立て方法で作製される貯水タンク構造体及びその貯水タンク構造体を建造する。
【選択図】図1a
【解決手段】所定の貯水スペースを内部に確保するように複数の鋳鉄製パネル10を組み立てることによって作製され、充分に高い強度を有する鋳鉄製パネルによって構造体の高剛性を得ると共に、貯水タンク構造体の容積と比べ比較的に大きい貯水スペースを与え、さらに清掃などの継続保守を行えるように作業員が出入り可能に作製され、しかも工期を短縮できるように簡単な組み立て方法で作製される貯水タンク構造体及びその貯水タンク構造体を建造する。
【選択図】図1a
Description
本発明は雨水を内部に貯えるのに適した貯水タンク構造体に関し、特に所定の貯水スペースを内部に確保するように複数の鋳鉄製パネルを組み立てることによって作製され、充分に高い強度を有する鋳鉄製パネルによって構造体の高剛性を得ると共に、貯水タンク構造体の容積と比べ比較的に大きい貯水スペースを与え、さらに清掃などの継続保守を行えるように作業員が出入り可能に作製され、しかも工期を短縮できるように簡単な組み立て方法で作製される貯水タンク構造体及びその貯水タンク構造体を建造する方法に関する。
激しい雨嵐が生じても、質の高い排水システムが備えられていれば迅速な排水を可能とし、雨水によって引き起こされる損害の発生を充分に防げる。
しかしながら、急速な雨水の排水は川の氾濫を引き起こし、深刻な洪水の損害を伴う。さらに、急速な雨水の排水は、雨水を地表から過剰に浸透させ、地下水の不足という望ましくない結果をもたらす点からも許容されない。
上記の各問題を防止するため、最近では雨水を内部に貯える貯水タンク構造体が地下に設置されており、必要なら、貯えた雨水が人々の生活水として利用される。また、川の氾濫によって引き起こされる洪水の損害を防げるように、雨水が川へ流入するのにかかる時間を遅らせたり、さらに地下の水源が維持されるように、貯えられた水が地表から吸収されるのにかかる時間を延ばしたりしている。
そのような目的を有する貯水タンク構造体は、一般にプレキャストコンクリート(PC)、ポリウレタン、亜鉛被覆鋼板、発泡スチロール、組み立て体を形成するための割りぐり石など用いて作製される。
ところで、プレキャストコンクリートを用いて作製される貯水タンク構造体は、建造に高いコストと長い工期を必要とする点で望ましくなく、従ってプレキャストコンクリートは比較的大きいサイズの貯水タンク構造体を建造する場合にのみ使われている。
また、亜鉛被覆鋼板は比較的低い強度を有するため、耐久性を低下させて使用期間を短縮させるほか、被覆の品質が悪いと腐食を生じ、使用期間を短縮させると共に水の汚染を引き起こす。
発泡スチロールも比較的低い強度を有するため、耐久性を低下させて使用期間を短縮させるほか、占有体積が大きいため、単位面積当たりの貯水容量が比較的小さい。さらに、組み立て体を形成するための割りぐり石も大きい占有体積を有するため、単位面積当たりの貯水率が比較的低い。また上記した全ての材料は、比較的長い建設期間を有し、人件費を含む全種類のコストが増加する。
一方、ポリウレタンを用いた貯水タンク構造体は93%から95%の間の高い貯水率を有するが、強度が比較的低いというポリウレタンの特性を解消するために、所定の形状パターンを有する小サイズの構造体を密に積層してスペースを形成する結果、作業員が出入りするのが不可能になる。従って、建設後の貯水タンク構造体の保守が全く行うことができず、しかも強度が比較的低いというポリウレタンの特性から、貯水タンク構造体の高さ(深さ)が制限される。
また、上記材料を用いた貯水タンク構造体のほとんどは、作業員の出入りを可能としないため、スラッジなどの沈殿物を除去するのが不可能である。大量の沈殿物が貯水タンク構造体内に堆積すると、貯水量が減少する。
さらに、他国の企業によって提案され開発された上記材料を用いた貯水タンク構造体を採用する場合には、高額のロイヤルティ料を支払わなければならず、これは国益の観点から有用でない。
従って、本発明は当該分野における上記した問題を考慮してなされたものであり、本発明の目的は、高強度を有する複数の鋳鉄製パネルを複数のジョイント(継ぎ手)を用い組み立てることによって作製され、構造体の迅速な建設、半永久的な剛性、及び高い貯水率もたらす貯水タンク構造体及び貯水タンク構造体を建造する方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、作業員が出入り可能に作製され、雨水と一緒に堆積したスラッジなどの沈殿物を除去する洗浄などの継続的な保守を行うのを容易にすると共に、工期を短縮するように簡単な組み立て方法で作製される貯水タンク構造体及び貯水タンク構造体を建造する方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一観点によれば、複数の鋳鉄製パネル;及び各鋳鉄製パネルの隅部に連結され、複数の鋳鉄製パネルを水平及び垂直方向に相互に接続することによって、複数の隔壁を内部に有する多角状の貯水タンク構造体を形成する複数のジョイントを備えた貯水タンク構造体であって、前記複数のジョイントは、貯水タンク構造体の最下部を形成する複数の鋳鉄製パネルの下方隅部を接続する複数のベースジョイントと、貯水タンク構造体の最上部を形成する複数の鋳鉄製パネルの上方隅部を接続する複数のキャップジョイントであって、各々のジョイントがそれぞれの本体の上部または下部に形成され且つ各鋳鉄製パネルの隅部を受け入れる幅及び深さを有する複数の組立用溝を有し、複数の組立用溝の各々が、各鋳鉄製パネルの隅部が水平方向に抜けるのを防止するように、それぞれの側方入口部の内壁に形成されたロック突部を有している複数のベースジョイントと複数のキャップジョイント;及び貯水タンク構造体の最上部及び最下部を形成する複数の鋳鉄製パネルの隅部を、貯水タンク構造体の最上部と最下部間に位置する複数の鋳鉄製パネルの隅部に接続する複数の中間ジョイントであって、各々の中間ジョイントがそれぞれの本体の上部及び下部に形成され且つ各鋳鉄製パネルの隅部を受け入れる幅及び深さを有する複数の組立用溝を有し、複数の組立用溝の各々が、各鋳鉄製パネルの隅部が水平方向に抜けるのを防止するように、それぞれの側方入口部の内壁に形成されたロック突部を有している複数の中間ジョイントを備えた貯水タンク構造体が提供される。
上記目的を達成するため、本発明の他の観点によれば、基礎部を形成する工程;基礎部上に床シートを施す工程;複数の鋳鉄製パネルの各々の隅部を、T字状、直交状及び交差状の配置で形成された複数の組立用溝をそれぞれの上部に有する第1、第2及び第3のベースジョイントに挿入して、貯水タンク構造体の下部を形成する工程;貯水タンク構造体の下部を形成する各鋳鉄製パネルの上方隅部に対応する部分を、T字状、直交状及び交差状の配置で形成された複数の組立用溝をそれぞれの上部及び下部に有する第1、第2及び第3の中間ジョイントと組み立て、さらにその他の鋳鉄製パネルの隅部を前記第1、第2及び第3の中間ジョイントの上部と組み立て、鋳鉄製パネルが所望の高さに組み立てられるまで前記組み立て作業を繰り返す工程;各鋳鉄製パネルの最上隅部を、T字状、直交状及び交差状の配置で形成された複数の組立用溝をそれぞれの下部に有する第1、第2及び第3のキャップジョイントに挿入し、貯水タンク構造体の頂部上にキャップパネルを組み立てて、貯水タンク構造体の作製を完成させる工程;貯水タンク構造体内に貯えられた雨水の排出を遅らせるように、貯水タンク構造体の側部及び頂部上に側部及び頂部シートを施す工程;及び貯水タンク構造体の側部及び頂部に対し埋め戻しを行う工程を有する貯水タンク構造体の建造方法が提供される。
上記及びその他の本発明の目的、特徴及び利点は、添付の図面を参照した本発明の好ましし実施形態に関する以下の詳細な説明から明らかとなろう。
以下、本発明による貯水タンク構造体を添付の図面を参照して説明する。
本発明によれば、図11aから11eに示すように、基礎部70を形成する工程;基礎部上に床シート60を施す工程;床シート60上で複数の鋳鉄製パネル10を水平に接続して格子形状とし、その上に複数の鋳鉄製パネル10を垂直方向に載置して、ほぼ矩形状の貯水タンク構造体を組み立てる工程;貯水タンク構造体内に貯えられた雨水の排出を遅らせるように、貯水タンク構造体の側部と頂部上に側部及び頂部シート62及び64を施す工程;及び貯水タンク構造体の側部と頂部に対し埋め戻しを行う工程を含む貯水タンク構造体を建造する方法が提供される。
基礎部70を形成する際、簡単な方法としてはメッシュを広げて敷き、そのメッシュ上にコンクリートを流し込む。あるいは砕石72を広く敷き詰め、砕石72上に砂74を広く敷き詰める。その後、図3に示すように、高圧ブロック76を砂72の上に施す。また床シート60は、保護シート61a(短繊維不織布)、遮水シート61b(強化複合型)、及び保護シート61c(長繊維不織布)を基礎部上に順次広げて敷くことによって形成される。
図2a及び2bに示すように、本発明による貯水タンク構造体は、その片側に位置した雨水導入部と、その他側に位置した雨水排出部84とを具備する。雨水導入部はその片側に位置した第1雨水導入タンク80aと、第1雨水導入タンク80aに隣接して位置した第2雨水導入タンク80bとを有する。第1雨水導入タンク80aは雨水導入孔81aを有し、そこを通じて雨水が外部から導入される。
第1及び第2雨水導入タンク80a及び80bはそれらの下部に形成された第1雨水流通孔82aを有し、第1雨水流通孔82aは、雨水から異物をフィルタでろ過して除去するフィルタ部83に接続されている。また、第1及び第2雨水導入タンク80a及び80bはそれらの上部に形成された第2雨水流通孔82bを有し、雨水が所定のレベルを超えて第1雨水導入タンク80aに導入された場合に、雨水がフィルタ部83を通過せずに直接第2雨水導入タンク80bへ流出されるように構成されている。さらに、第2雨水導入タンク80bは、雨水を貯水タンク構造体の内部へ導くように、その下部に形成された第3雨水流通孔82cを有する。
マンホールカバーMが第1及び第2雨水導入タンク80a及び80bの各上方に装着され、必要に応じ、管理者あるいは作業員がマンホールカバーMを開けて両タンクに出入りできる。
また、雨水排出部84は雨水排出孔81bを有し、雨水はそこから排水通路を経て排出され、川や下水処理施設に流出される。
さらに、雨水排出部84は雨水導入孔85aを有し、貯水タンク構造体内に貯えられた雨水をそこから雨水排出部84に導入させると共に、その上部に形成されたオーバフロー孔85bを有し、貯水タンク構造体が雨水で満杯になった場合に、雨水をそこから溢れ出させる。
本発明によれば、貯水タンク構造体は複数の鋳鉄製パネル10;及び各鋳鉄製パネルの隅部に連結され、複数の鋳鉄製パネル10を水平及び垂直方向に相互に接続することによって、複数の隔壁を内部に有する多角状の貯水タンク構造体を形成する複数のジョイントを含み、複数のジョイントは、貯水タンク構造体の最下部を形成する複数の鋳鉄製パネル10の下方隅部を接続する複数のベースジョイント21、22及び23と、貯水タンク構造体の最上部を形成する複数の鋳鉄製パネル10の上方隅部を接続する複数のキャップジョイント41、42及び43;及び貯水タンク構造体の最上部及び最下部を形成する複数の鋳鉄製パネル10の隅部を、貯水タンク構造体の最上部と最下部間に位置する複数の鋳鉄製パネル10の隅部に接続する複数の中間ジョイント31、32及び33とを含む。
図5aから5c及び図9aから9cに示すように、複数のベースジョイント21、22及び23と複数のキャップジョイント41、42及び43の各々は、それぞれの本体の上部または下部に形成され且つ各鋳鉄製パネル10の隅部を受け入れる幅及び深さを有する複数の組立用溝Hを有し、また複数の組立用溝Hの各々は、各鋳鉄製パネル10の隅部が水平方向に抜けるのを防止するように、それぞれの側方入口部の内壁に形成されたロック突部tを有する。
ベースジョイントとキャップジョイントは、T字状の配置で形成された組立用溝Hを有する第1のベース及びキャップジョイント21及び41と、直交状の配置で形成された組立用溝Hを有する第2のベース及びキャップジョイント22及び42と、交差状の配置で形成された組立用溝Hを有する第3のベース及びキャップジョイント23及び43とを含む。
第1ベースジョイント21と第1キャップジョイント41は、図6a及び図10aに示すように貯水タンク構造体の外壁を形成する鋳鉄製パネル10を接続するものであり、第2ベースジョイント22と第2キャップジョイント42は、図6b及び図10bに示すように貯水タンク構造体の隅部(エッジ部)を形成する鋳鉄製パネル10を接続するものであり、さらに第3ベースジョイント23と第3キャップジョイント43は、図6c及び図10cに示すように貯水タンク構造体の内部の隔壁を形成する鋳鉄製パネル10を接続するものである。
一方、図7aから7cに示すように、複数の中間ジョイント31、32及び33の各々は、それぞれの本体の上部及び下部に形成され且つ各鋳鉄製パネル10の隅部を受け入れる幅及び深さを有する複数の組立用溝Hを有し、また複数の組立用溝Hの各々は、各鋳鉄製パネル10の隅部が水平方向に抜けるのを防止するように、それぞれの側方入口部の内壁に形成されたロック突部tを有する。
中間ジョイントは、T字状の配置で形成された組立用溝Hを有する第1中間ジョイント31と、直交状の配置で形成された組立用溝Hを有する第2中間ジョイント32と、交差状の配置で形成された組立用溝Hを有する第3中間ジョイント33とを含む。
第1中間ジョイント31は、図8aに示すように貯水タンク構造体の外壁を形成する鋳鉄製パネル10を接続するものであり、第2中間ジョイント32は、図8bに示すように貯水タンク構造体の隅部(エッジ部)を形成する鋳鉄製パネル10を接続するものであり、さらに第3中間ジョイント33は、図8cに示すように貯水タンク構造体の内部の隔壁を形成する鋳鉄製パネル10を接続するものである。
各鋳鉄製パネル10は、各ジョイントの組立用溝Hに形成されたロック突部tと対応するように、その隅部に形成されたロック突起12を有する。
さらに、貯水タンク構造体の頂部上にキャップパネル50が被され、貯水タンク構造体の内部に形成された隔壁により画成され垂直方向に形成された空間を覆う。
キャップパネル50は各鋳鉄製パネル10の隔壁により画成された空間に対応するサイズを有し、キャップパネル50を空間内に落下させることなく、貯水タンク構造体の頂部上で被覆状態に安定して維持する連結手段を有する。
連結手段は一般的に2種類あり、嵌合-組立型と装着型である。
図4bに示すように、嵌合-組立型の連結手段は、キャップパネル50の各隅部の下面に形成された組立用突起52と、対応するキャップジョイントの頂面に形成されて組立用突起52が挿入されるキャップ組立用溝49とを具備する。
図4c及び4dに示すように、装着型の連結手段は、キャップパネル50’の各側部から一体状に、貯水タンク構造体の隔壁を形成する鋳鉄製パネルの頂端に対してロックされるように突出した延出片54で、隣接するキャップパネル50’の延出片54と重ならないようにパズル状に配置された延出片54と、各鋳鉄製パネルの頂端に対してロックされるように各延出片54の端部下面に形成され、キャップパネル50’が水平方向に移動するのを防止する移動防止突部56とを具備する。
ここで、各延出片54は、鋳鉄製パネル10の頂端の高さとキャップジョイントの頂端の高さとの差を解消するように、その下面に形成され、鋳鉄製パネル10の頂端に配設されるキャップジョイントの厚さを持つ補強部57を有する。さらに、キャップパネル50’は、キャップジョイントの頂部に装着されるように各隅部に形成された補助延出片54’を有する。
上記の各構成部品を用いて貯水タンク構造体を組み立てる方法について見れば、まず貯水タンク構造体の下部つまりベース部を形成する鋳鉄製パネル10を、複数のベースジョイントを用いて相互に組み立てる。
組み立て方法は、貯水タンク構造体の片側隅部から開始するのが好ましい。そのために、第2ベースジョイント22を、その上部に組立用溝Hが位置するように開始地点に配置し、次いで各鋳鉄製パネル10の隅部を第2ベースジョイント22の組立用溝H内に嵌合挿入する。そのとき、各鋳鉄製パネル10の隅部は、第2ベースジョイント22の組立用溝H内にその上部から下部へ向かって嵌合挿入される。
挿入が終了すると、その状態で鋳鉄製パネル10が第2ベースジョイント22から水平方向に分離しないように、鋳鉄製パネル10の各隅部に形成されたロック突起12が各組立用溝Hの側方入口部のロック突部tに対してロックされる。
次に、T字状の配置で形成された組立用溝Hを有する第1ベースジョイント21を、第2ベースジョイント22に接続された各鋳鉄製パネル10の他端の下方隅部に配置し、その鋳鉄製パネル10の下端隅部を第1ベースジョイント21の組立用溝H内に挿入して、貯水タンク構造体の外壁を形成する。
交差状の配置で形成された組立用溝Hを有する第3ベースジョイント23を、貯水タンク構造体の外壁を形成する鋳鉄製パネル10の内側に配置し、その第3ベースジョイント23に鋳鉄製パネル10を格子状に接続して、貯水タンク構造体の内部隔壁を形成する。
設計した貯水タンク構造体の下部は、上記の方法によって形成される。
各ベースジョイントと同じ配置で形成された組立用溝Hを有する各中間ジョイントを、貯水タンク構造体の下部を形成する鋳鉄製パネル10の各上方隅部に配置する。すなわち、第2中間ジョイント32を第2ベースジョイント22の上方に配置し、第1中間ジョイント31を第1ベースジョイント21の上方に配置し、さらに第3中間ジョイント33を第3ベースジョイント23の上方に配置する。次に、各鋳鉄製パネル10の隅部を、各中間ジョイントの下部に形成された組立用溝H内に挿入して、各中間ジョイントの下方に位置した鋳鉄製パネル10の上部を固定した後、別の鋳鉄製パネル10の隅部を、各中間ジョイントの上部に形成された組立用溝H内に挿入して、鋳鉄製パネル10を載置する。
貯水タンク構造体が所望の高さになるまで、上記の作業を繰り返し行うことにより、複数の鋳鉄製パネル10が組み立てられる。
鋳鉄製パネル10が所望の高さまで組み立てられたら、貯水タンク構造体の最上部を形成する各鋳鉄製パネル10の頂端部に各キャップジョイントを連結する。このとき、各中間ジョイントと同じ配置で形成された組立用溝Hを有する各キャップジョイントが、各鋳鉄製パネル10の頂端部に連結される。すなわち、第2キャップジョイント42は、直交状の配置で形成された組立用溝Hを有する第2中間ジョイント32の上方に対応して連結され、第1キャップジョイント41は、T字状の配置で形成された組立用溝Hを有する第1中間ジョイント31の上方に対応して連結され、さらに第3キャップジョイント43は、交差状の配置で形成された組立用溝Hを有する第3中間ジョイント33の上方に対応して連結される。
直交状、T字状、及び交差状の配置に対応する各鋳鉄製パネル10の各隅部を、各キャップジョイントの下部に形成された組立用溝H内に挿入することによって組み立て作業が完了する。
最後に、キャップパネル50を貯水タンク構造体の頂部に組み立てる。
キャップパネル50の連結手段が嵌合-組立型で形成されている場合には、鋳鉄製パネル10の各隅部の下面に形成された組立用突起52を、キャップジョイントの頂部に形成されたキャップ組立用溝49内に挿入することによって、キャップパネル50の組み立て作業が完了する。
一方、キャップパネル50’の連結手段が装着型で形成されている場合には、各キャップパネル50’のエッジからパズル状に延出した延出片54を、格子状に組み立てられている鋳鉄製パネル10の頂部上に装着する。その際、キャップパネル50’の隣接する延出片54が相互に干渉するのを防ぐように、所定のパターンが形成される。キャップパネル50’が各鋳鉄製パネル10の頂部上に装着されると、各延出片54の端部下面に形成された移動防止突部56が各鋳鉄製パネル10の頂端に対してロックされ、その結果キャップパネル50’は横方向の力が加わっても、組み立て状態を安定に維持可能である。
他方、本発明による貯水タンク構造体では、作業員や管理者が移動する通路86を設けることができる。
図12aは本発明による貯水タンク構造体における通路用鋳鉄製パネルを示す斜視図であり、図12bは本発明による貯水タンク構造体における通路用鋳鉄製パネルを用いて形成された通路示す断面図である。
通路86は、第2雨水導入タンク80bの第3雨水流通孔82cと連通して形成されている。通路86はアーチ状または台形状の内側スペースを有する通路用鋳鉄製パネル14を用いて形成され、設計される通路86のサイズに応じて、通路用鋳鉄製パネル14がそれぞれ上向き及び下向きで相互に対向して配置されるか、あるいはもっと延びた通路を得るように、2つの対向する通路用鋳鉄製パネル14の間に支持体16が配設される。組み立て方法は、一般の鋳鉄製パネル10の場合と同じである。
鋳鉄製パネル10と各種のジョイントを用いて貯水タンク構造体が完全に組み立てられたら、側部シート62で貯水タンク構造体の各側部を被覆し、次いで頂部シート62で貯水タンク構造体の頂部を被覆する。その際、作業員や管理者が出入り可能となるように、通路86が形成される位置にマンホールが配設される。貯水タンク構造体の上方には、運動場、広場、公園、駐車場など各種の施設が作れる。
また、貯えられた水を必要時に使えるように、ポンプ設備が貯水タンク構造体に設けられる。
貯水タンク構造体が長期間使用される場合、雨水と一緒に導入される(スラッジを含む)沈殿物が貯水タンク構造体の底に堆積する。そのような場合、沈殿物が貯水容量を減少させる原因となるため、貯水タンク構造体は定期的に清掃し、その底に堆積された沈殿物を除去すべきである。
その際には、マンホールカバーMを開き、作業員が第2雨水導入タンク80bに入り、そこから第3雨水流通孔82cを通って貯水タンク構造体内に入る。作業員は貯水タンク構造体に形成された通路86を通って貯水タンク構造体内を移動し、高圧水を使って底に堆積したスラッジを一箇所に集める。鋳鉄製パネル10の下端はベースジョイントによって貯水タンク構造体の底面から所定の高さだけ離れているため、スラッジは高圧水を使って用意に所望の位置に移動可能である。移動されたスラッジは、別の排出装置により排出される。従って、本発明による貯水タンク構造体は高い貯水容量を維持でき、貯えられた水を清浄な状態に保持できるため、内部に貯えられた雨水をポンプでくみ出し使用するのに何ら問題を生じない。
上記したように、高強度を有する鋳鉄製パネルを組み立てて作製するので、高さ(深さ)に制限なく、所望のサイズに建造可能な貯水タンク構造体が得られる。
また、鋳鉄製パネルは直交状、T字状、及び交差状の配置で形成された組立用溝を有する各ジョイントを用いて組み立てられるため、迅速且つ堅固に組み立て可能である。
さらに、本発明の貯水タンク構造体は厚さ及び占有体積が小さく、高い剛性を有するため、内部に大きい貯水スペースを用意に確保でき、従って既存の構造体よりも大きい貯水容量が得られる。
しかも、本発明の貯水タンク構造体は作業員や管理者が出入り可能となるため、その内部を清掃できることから、貯水タンク構造体を清浄な状態に維持可能であると共に、貯水タンク構造体の保守作業を容易に行えるため、貯水タンク構造体の耐久期間を延長可能である。
以上本発明を特定の例示実施形態を参照して説明したが、本発明はそれらの実施形態によって限定されず、添付の請求の範囲によってのみ限定される。また、当業者は実施形態を、本発明の範囲と精神を逸脱することなく変形もしくは変更可能であることが理解されるべきである。
Claims (13)
- 複数の鋳鉄製パネル、及び
各鋳鉄製パネルの隅部に連結され、複数の鋳鉄製パネルを水平及び垂直方向に相互に接続することによって、複数の隔壁を内部に有する多角状の貯水タンク構造体を形成する複数のジョイント、
を備えた貯水タンク構造体であって、前記複数のジョイントは、
貯水タンク構造体の最下部を形成する複数の鋳鉄製パネルの下方隅部を接続する複数のベースジョイントと、貯水タンク構造体の最上部を形成する複数の鋳鉄製パネルの上方隅部を接続する複数のキャップジョイントであって、各々のジョイントがそれぞれの本体の上部または下部に形成され且つ各鋳鉄製パネルの隅部を受け入れる幅及び深さを有する複数の組立用溝を有し、複数の組立用溝の各々が、各鋳鉄製パネルの隅部が水平方向に抜けるのを防止するように、それぞれの側方入口部の内壁に形成されたロック突部を有している複数のベースジョイントと複数のキャップジョイント、及び
貯水タンク構造体の最上部及び最下部を形成する複数の鋳鉄製パネルの隅部を、貯水タンク構造体の最上部と最下部間に位置する複数の鋳鉄製パネルの隅部に接続する複数の中間ジョイントであって、各々の中間ジョイントがそれぞれの本体の上部及び下部に形成され且つ各鋳鉄製パネルの隅部を受け入れる幅及び深さを有する複数の組立用溝を有し、複数の組立用溝の各々が、各鋳鉄製パネルの隅部が水平方向に抜けるのを防止するように、それぞれの側方入口部の内壁に形成されたロック突部を有している複数の中間ジョイント
を備えた貯水タンク構造体。 - 前記ベースジョイント及び前記キャップジョイントは、T字状の配置で形成された組立用溝を有する第1ベースジョイント及び第1キャップジョイントと、直交状の配置で形成された組立用溝を有する第2ベースジョイント及び第2キャップジョイントと、交差状の配置で形成された組立用溝を有する第3ベースジョイント及び第3キャップジョイントとからなる請求の範囲第1項に記載の貯水タンク構造体。
- 前記中間ジョイントは、T字状の配置で形成された組立用溝を有する第1中間ジョイントと、直交状の配置で形成された組立用溝を有する第2中間ジョイントと、交差状の配置で形成された組立用溝を有する第3中間ジョイントとからなる請求の範囲第1項に記載の貯水タンク構造体。
- 前記貯水タンク構造体は、鋳鉄製パネルの隔壁により上下に形成された垂直方向の空間を覆うように、貯水タンク構造体の頂部上に被されるキャップパネルを備え、キャップパネルは各鋳鉄製パネルの隔壁により画成された空間に対応するサイズを有し且つ鋳鉄製パネルの各隅部の下面に形成された組立用突起を有しており、前記第1から第3のキャップジョイントはそれぞれの頂部上に形成され前記組立用突起が挿入されるキャップ組立用溝を有する請求の範囲第1項に記載の貯水タンク構造体。
- 前記貯水タンク構造体は、鋳鉄製パネルの隔壁により上下に形成された垂直方向の空間を覆うように、貯水タンク構造体の頂部上に被されるキャップパネルを備え、キャップパネルは、各側部から一体状に、貯水タンク構造体の最上部を形成する鋳鉄製パネルの頂端に装着されるように突出した複数の延出片であって、隣接するキャップパネルの延出片と重ならないようにパズル状に配置された延出片と、各鋳鉄製パネルの頂端に対してロックされるように各延出片の端部下面に形成され、キャップパネルが水平方向に移動するのを防止する移動防止突部とを備える請求の範囲第1項に記載の貯水タンク構造体。
- 前記キャップパネルは、各キャップジョイントの頂部に装着されるように各隅部に形成された補助延出片を備える請求の範囲第5項に記載の貯水タンク構造体。
- 前記キャップパネルは貯水タンク構造体の内部への入口を有し、前記入口を通って人員が出入り可能である請求の範囲第4または5項に記載の貯水タンク構造体。
- 各鋳鉄製パネルは、各ジョイントの組立用溝に形成されたロック突部と対応するようにそれぞれの各隅部に形成されたロック突起を有する請求の範囲第1から5項のいずれか一項に記載の貯水タンク構造体。
- 各鋳鉄製パネルは、それぞれの片側から内方に凹んでアーチ状もしくは台形状に形成された凹部を有することで通路用鋳鉄製パネルを形成し、通路用鋳鉄製パネル間の接続により、人員が貯水タンク構造体内で移動する通路が設けられる請求の範囲第8項に記載の貯水タンク構造体。
- 基礎部を形成する工程、
基礎部上に床シートを施す工程、
複数の鋳鉄製パネルの各々の隅部を、T字状、直交状及び交差状の配置で形成された複数の組立用溝をそれぞれの上部に有する第1、第2及び第3のベースジョイントに挿入して、貯水タンク構造体の下部を形成する工程、
貯水タンク構造体の下部を形成する各鋳鉄製パネルの上方隅部に対応する部分を、T字状、直交状及び交差状の配置で形成された複数の組立用溝をそれぞれの上部及び下部に有する第1、第2及び第3の中間ジョイントと組み立て、さらにその他の鋳鉄製パネルの隅部を前記第1、第2及び第3の中間ジョイントの上部と組み立て、鋳鉄製パネルが所望の高さに組み立てられるまで前記組み立て作業を繰り返す工程、
各鋳鉄製パネルの最上隅部を、T字状、直交状及び交差状の配置で形成された複数の組立用溝をそれぞれの下部に有する第1、第2及び第3のキャップジョイントに挿入し、貯水タンク構造体の頂部上にキャップパネルを組み立てて、貯水タンク構造体の作製を完成させる工程、
貯水タンク構造体内に貯えられた雨水の排出を遅らせるように、貯水タンク構造体の側部及び頂部上に側部及び頂部シートを施す工程、及び
貯水タンク構造体の側部及び頂部に対し埋め戻しを行う工程
を有する貯水タンク構造体の建造方法。 - 前記基礎部は、砕石層を広げて敷き、砕石層の上に砂層を施し、砂層の上に高圧ブロックを施して形成される請求の範囲第10項に記載の貯水タンク構造体の建造方法。
- 前記床シートは、保護シート (短繊維不織布)、遮水シート (強化複合型)、及び保護シート (長繊維不織布)を基礎部上に順次広げて敷くことによって形成される請求の範囲第11項に記載の貯水タンク構造体の建造方法。
- 前記貯水タンク構造体は、片側に位置した雨水導入部と、他側に位置した雨水導入部とを備え、雨水導入部は片側に位置した第1雨水導入タンクと、第1雨水導入タンクに隣接して位置した第2雨水導入タンクとを有し、第1及び第2の雨水導入タンクは、それぞれの下部に形成された第1雨水流通孔であって、異物を雨水からろ過して除去するフィルタ部に接続された第1雨水流通孔と、雨水が所定のレベルを超えて第1雨水導入タンクに導入された場合に、前記フィルタ部を通過せずに直接第2雨水導入タンクへと溢れ出るように、それぞれの上部に形成された第2雨水流通孔とを有し、第2雨水導入タンクは、貯水タンク構造体の内部へ雨水を導入するように下部に形成された第3雨水流通孔を有する請求の範囲第10から12項のいずれか一項に記載の貯水タンク構造体の建造方法。
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