JP2009057751A - コーナーカバー役物の製造方法 - Google Patents

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Gengo Nishimura
元吾 西村
Takashi Iwasaki
隆 岩崎
Kunihiko Narumiya
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Abstract

【課題】 作業性および製造効率が良く、かつ仕上がりも良好なコーナーカバー役物の製造方法を提供する。
【解決手段】 この製造方法では、下地鉄板23を、役物成形体21の内面に沿うL字状とし、この下地鉄板23に前記アンカー部材24,25を取付けた下地鉄板・アンカー組22を準備する。次に、V溝状の主面成形用型面2a、およびこの主面成形用型面2aの両端から内側へ折れ曲がって続く端面成形用型面2bを有する型枠1を上向きに開口する状態に設置する。次に、前記型枠1内に所定レベルまで前記硬化性流動材料6を打設する。打設された硬化性流動材料6内に上方から前記下地鉄板・アンカー組22を押し込むことで、硬化性流動材料6を、型枠1の主面成形用型面2aと下地鉄板23との間に、両端の端面成形用型面2bまで介在する断面L字状に流動させた状態として下地鉄板23を配置する。次に、前記硬化性流動材料6を養生する。養生により硬化した硬化性流動材料6の成形体21を前記型枠1から脱型する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、カーテンウォールなどの隅部を構成するコーナーカバー役物の製造方法に関する。
カーテンウォールなどの隅部を構成するコーナーカバー役物の製造方法の従来例として、図3の工程によるものが知られている。この製造方法では、第1過程として、図3(A)のように、内側面を断面略L字状の型面とした型枠31を、その一方の型面部分31aが水平姿勢となるように設置する。この状態で、その型面部分31aにガラス繊維補強コンクリート32A(以下、場合により「GRC」と略称する)を打設して、役物成形体の平面部を成形する。第2過程として、図3(B)のように、断面略L字状の下地鉄板33を、その一片部33aが前記型枠31の他方の型面部分31bに対して平行に対面するように、打設済みの平面部分となるGRC32Aの上にセットする。第3過程として、図3(C)のように、型枠31の他方の型面部分31bと前記下地鉄板33の一片部33aとの間に形成される空間にGRC32Bを打設して、役物成形体の立ち上がり部を成形する。このように2段階にわたってGRC32A,32Bを打設する工程により、内側に下地鉄板33が埋め込まれた断面字状のコーナーカバー役物が成形される。
しかし,図3に示した従来のコーナーカバー役物の製造方法では、以下に挙げるような問題がある。
・ GRCの打設を2段階にわたって行うので、製作に時間がかかりコストアップの要因 となる。
・ 役物成形体の立ち上がり部となるGRCを打設する場合、打設開口部が狭く、作業性 が良くない。
・ 役物成形体の立ち上がり部の成形では、GRC打設後に気泡が抜け難いため、脱型後 のGRC表面に細かい気泡が残り仕上がり状態が良くない。
この発明の目的は、作業性および製造効率が良く、かつ仕上がりも良好なコーナーカバー役物の製造方法を提供することである。
この発明のコーナーカバー役物の製造方法は、コンクリートまたはセメント系の硬化性流動材料の成形体からなり、互いに断面L字状に折れ曲がった2つの壁部を有する役物成形体と、この役物成形体の内側に取付けられる下地鉄板と、この下地鉄板に設けられて前記役物成形体に埋め込まれるアンカー部材とを有するコーナーカバー役物の製造方法であって、前記下地鉄板を、前記役物成形体の内面に沿うL字状とし、この下地鉄板に前記アンカーを取付けた下地鉄板・アンカー組を準備する過程と、V溝状の主面成形用型面、およびこの主面成形用型面の両端から内側へ折れ曲がって続く端面成形用型面を有する型枠を上向きに開口する状態に設置する過程と、前記型枠内に所定レベルまで前記硬化性流動材料を打設する過程と、この打設された硬化性流動材料内に上方から前記下地鉄板・アンカー組を押し込むことで、硬化性流動材料を、型枠の主面成形用型面と下地鉄板との間に、両端の端面成形用型面まで介在する断面L字状に流動させた状態として下地鉄板を配置する過程と、前記硬化性流動材料を養生する過程と、養生により硬化した硬化性流動材料の成形体を前記型枠から脱型する過程とを含む。
この製造方法によると、V溝状の主面成形用型面を有する型枠を、上向きに開口する状態に設置して、この型枠内に硬化性流動材料を打設するので、打設開口部が広く打設作業性が良好となり、硬化流動材料の打設も1回で済む。このため、作業能率が向上し、その結果、コスト低減も可能となる。また、硬化性流動材料の打設後に気泡が抜け易くて、脱型後の役物成形体の表面に気泡が残らず仕上がり状態が良好となり、品質向上が可能である。
この発明において、前記硬化性流動材料が、ガラス繊維補強コンクリートまたはガラス繊維補強セメントであっても良い。硬化性流動材料がガラス繊維補強コンクリートまたはガラス繊維補強セメントである場合も、気泡が抜け易くて、脱型後の役物成形体の表面に気泡が残らず仕上がり状態が良好となる。
この発明において、前記コーナーカバー役物が、カーテンウォールにおける隅部を構成する隅部外壁パネルであっても良い。カーテンウォールの隅部外壁パネルに適用する場合に、この発明の上記各効果がより効果的に発揮される。
この発明のコーナーカバー役物の製造方法は、コンクリートまたはセメント系の硬化性流動材料の成形体からなり、互いに断面L字状に折れ曲がった2つの壁部を有する役物成形体と、この役物成形体の内側に取付けられる下地鉄板と、この下地鉄板に設けられて前記役物成形体に埋め込まれるアンカー部材とを有するコーナーカバー役物の製造方法であって、前記下地鉄板を、前記役物成形体の内面に沿うL字状とし、この下地鉄板に前記アンカーを取付けた下地鉄板・アンカー組を準備する過程と、V溝状の主面成形用型面、およびこの主面成形用型面の両端から内側へ折れ曲がって続く端面成形用型面を有する型枠を上向きに開口する状態に設置する過程と、前記型枠内に所定レベルまで前記硬化性流動材料を打設する過程と、この打設された硬化性流動材料内に上方から前記下地鉄板・アンカー組を押し込むことで、硬化性流動材料を、型枠の主面成形用型面と下地鉄板との間に、両端の端面成形用型面まで介在する断面L字状に流動させた状態として下地鉄板を配置する過程と、前記硬化性流動材料を養生する過程と、養生により硬化した硬化性流動材料の成形体を前記型枠から脱型する過程とを含むものとしたため、作業性および製造効率が良く、かつ製造されるコーナーカバー役物の仕上がりも良好となる。
この発明の一実施形態を図1と共に説明する。このコーナーカバー役物の製造方法は、図1(A)に示す型枠1を使用して、図1(D)に示すコーナーカバー役物20を製造する方法である。製造されるコーナーカバー役物20は、硬化性流動材料の成形体からなり、互いに断面L字状に折れ曲がった2つの壁部21aを有する役物成形体21と、この役物成形体21の内側に取付けられる下地鉄板23と、この下地鉄板23に設けられて前記役物成形体21に埋め込まれるアンカー部材24,25とを有する。このコーナーカバー役物20は、カーテンウォールにおける隅部を構成する隅部外壁パネルとなるものである。
型枠1は、V溝状の主面成形用型面2a、およびこの主面成形用型面2aの両端から内側へ折れ曲がって続く端面成形用型面2bを有する断面略L字状の型枠本体2と、この型枠本体2の両端部に設けられる一対の型枠側部体3とでなる。型枠本体2は、全体が一体のものであっても良いが、例えば、端面成形用型面2bを構成する部分を、主面成形用型面2aを構成する部分に対して分割された構造とするなど、適宜の分割構造としたものであっても良い。型枠側部体3は、型枠本体2の端面に接面して連結される断面L字状のフレーム13と、このフレーム13の前記型枠本体2との接面側とは反対側の面部に設けられるリブ14とでなる。
この製造方法では、予め図1(B)に示す下地鉄板・アンカー組22を準備する。この下地鉄板・アンカー組22は、図1(D)に示すように役物成形体21の内面に沿うL字状とした前記下地鉄板23に前記アンカー部材24,25を取付けたものである。下地鉄板23の両端部には、前記型枠1の端面成形用型面2bと平行な方向から主面成形用型面2aと平行な方向へと折れ曲がった柱取付部23cが形成されている。
この製造方法において、前記型枠1は、図1(A)に2点鎖線で示す架台11の上に、上向きに開口する状態に設置され、型枠側部体3はボルト4により架台11に固定される。このように、型枠1を設置した状態で、先ず型枠本体2のV溝状の主面形成用型面2aに、タイルまたは人造石等からなる外装仕上材5を敷き込む。
次に、型枠本体2内に、図1(A)に2点鎖線で示すレベルまで硬化性流動材料6を打設する。硬化性流動材料6はガラス繊維補強コンクリートまたはガラス繊維補強セメントである。
次に、打設された硬化性流動材料6内に、図1(B)のように上方から前記下地鉄板・アンカー組22を押し込むことで、硬化性流動材料6を、図1(C)のように型枠本体2の主面成形用型面2aと下地鉄板23との間に、両端の端面成形用型面2bまで介在する断面L字状に流動させた状態として下地鉄板23を配置する。このように下地鉄板・アンカー組22を硬化性流動材料6に押し込んだ状態で、型枠本体2の主面成形用型面2aと平行になる下地鉄板23の両斜片部23aに一種類のアンカー部材25がそれぞれ取付けられ、前記両斜片部23aが繋がる部分は水平片部23bとされて、この水平片部23bに他の一種類のアンカー部材24が取付けられている。
この後、硬化性流動材料6を養生し、養生により硬化した硬化性流動材料6の成形体を前記型枠1から脱型することで、図1(D)に示すコーナーカバー役物20を得る。このコーナーカバー役物20は、その下地鉄板23の両端部に形成された前記柱取付部23cにより、図1(D)に鎖線で示す出隅部の柱30に取付けられる。
このコーナーカバー役物の製造方法では、V溝状の主面成形用型面2a、およびこの主面成形用型面2aの両端から内側へ折れ曲がって続く端面成形用型面2bを有する型枠1を、上向きに開口する状態に設置して、この型枠1内に硬化性流動材料6を打設するので、打設開口部が広く打設作業性が良好となり、硬化流動材料6の打設も1回で済む。このため、作業能率が向上する。その結果、コスト低減も可能となる。また、主面成形用型面2aを上向きのV溝状として成型するため、硬化性流動材料6の打設後に気泡が抜け易く、脱型後の役物成形体21の表面に気泡が残らず仕上がり状態が良好となり、品質向上が可能である。
図2は、この発明の他の実施形態を示す。この実施形態のコーナーカバー役物の製造方法は、図1の実施形態において、型枠1を上向きに開口するように設置した状態で、その両端部の上向き端面1a(図1(A))を主面成形用型面2aと平行となる傾斜面としていたのに代えて、前記端面1aを水平面としている。また、下地鉄板23の両端の柱取付部23cの近傍部位23aaを垂直方向に延びる形状として、型枠1の開口縁と下地鉄板23との間に若干の隙間を確保するようにしている。また、下地鉄板・アンカー組22のアンカー部材は、下地鉄板23の両斜片部23aに設けたアンカー部材25のみとしている。その他の構成は図1の実施形態の場合と略同様である。
このように、型枠1の開口縁と下地鉄板23との間に隙間を確保することにより、硬化性流動材料6の打設時に、気泡が抜け易くなり、脱型後の役物成形体21(図1(D))、特にその小口部の仕上がり状態が良好となる。また、型枠1を上向きに開口するように設置した状態で、上向きとなるその両端部の端面1aを水平面としているので、硬化性流動材料6の打設時に、あふれた硬化性流動材料6を容易に取り除くことができ、またコテ均しも容易となる。
この発明の一実施形態に係るコーナーカバー役物の製造方法の説明図である。 この発明の他の実施形態に係るコーナーカバー役物の製造方法の説明図である。 従来例の説明図である。
符号の説明
1…型枠
2…型枠本体
2a…主面成形用型面
2b…端面成形用型面
6…硬化性流動材料
20…コーナーカバー役物
21…役物成形体
21a…壁部
22…下地鉄板・アンカー組
23…下地鉄板
24,25…アンカー部材

Claims (3)

  1. コンクリートまたはセメント系の硬化性流動材料の成形体からなり、互いに断面L字状に折れ曲がった2つの壁部を有する役物成形体と、この役物成形体の内側に取付けられる下地鉄板と、この下地鉄板に設けられて前記役物成形体に埋め込まれるアンカー部材とを有するコーナーカバー役物の製造方法であって、
    前記下地鉄板を、前記役物成形体の内面に沿うL字状とし、この下地鉄板に前記アンカー部材を取付けた下地鉄板・アンカー組を準備する過程と、
    V溝状の主面成形用型面、およびこの主面成形用型面の両端から内側へ折れ曲がって続く端面成形用型面を有する型枠を上向きに開口する状態に設置する過程と、
    前記型枠内に所定レベルまで前記硬化性流動材料を打設する過程と、
    この打設された硬化性流動材料内に上方から前記下地鉄板・アンカー組を押し込むことで、硬化性流動材料を、型枠の主面成形用型面と下地鉄板との間に、両端の端面成形用型面まで介在する断面L字状に流動させた状態として下地鉄板を配置する過程と、
    前記硬化性流動材料を養生する過程と、
    養生により硬化した硬化性流動材料の成形体を前記型枠から脱型する過程とを含む、
    コーナーカバー役物の製造方法。
  2. 請求項1において、前記硬化性流動材料が、ガラス繊維補強コンクリートまたはガラス繊維補強セメントであるコーナーカバー役物の製造方法。
  3. 請求項1または請求項2において、前記コーナーカバー役物が、カーテンウォールにおける隅部を構成する隅部外壁パネルであるコーナーカバー役物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN117188720A (zh) * 2023-08-21 2023-12-08 中国五冶集团有限公司 一种用于内墙面粉刷时自粘式护角水泥纤维预制块

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