JP2009057616A - マグネトロンスパッタ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】反応室に基板とターゲットを互いに対向させ、バッキングプレートの裏面側にターゲットに対して磁界を形成する磁界発生手段を移動可能に配置し、基板とターゲットとの間に高電圧を印加して放電を発生させ、ターゲット材の構成原子を基板上に付着させて薄膜を形成するマグネトロンスパッタ装置において、バッキングプレートの裏面に沿って駆動操作される磁界発生手段を、磁極の向きが逆極性で、かつ磁化方向がバッキングプレートの裏面に向くようにして配置された第1の永久磁石21Aと第2の永久磁石21Bとで構成し、かつ、磁界発生手段の駆動方向と交差する方向に磁界を形成する永久磁石の厚みを、駆動方向に沿って磁界を形成する永久磁石の厚みよりも小さくして、第1の永久磁石と第2の永久磁石の磁界強度を部分的に弱くなるように設定した。
【選択図】図1
Description
薄膜形成技術のひとつであるスパッタリング法は、電極用金属薄膜、磁気記録用磁性薄膜、透明導電膜などの形成に広く利用されている。スパッタリング法は、図5に示すように、反応室100内のAr、O2、N2等のイオン101を加速してターゲット102に照射し、そのエネルギーによりターゲット構成原子103を叩き出し、ターゲット102に対向させて配置した基板104上に、ターゲット構成原子103を反応ガス105とともに付着させて薄膜を形成する成膜方法である。電源106には一般的に直流(DC)電源もしくは高周波(RF)電源を利用している。スパッタリング法において実用的な成膜速度を得るために、マグネトロンスパッタと呼ばれる方法が開発された。
このマグネトロンスパッタリング法ではターゲット材102は一様にスパッタされず、磁界形状に依存した不均一な侵食(エロージョン)111が進行する。エロージョン111は磁界の向きがターゲット102に平行となる位置に沿って起きる。ターゲット102寿命は、エロージョン111の強い部分で決定されることから、マグネトロンスパッタ法ではターゲット102の利用効率向上が課題となっており、エロージョン111を均一化する手段として、様々な方法が考案されている。
また、本発明は、上記磁界発生手段の駆動方向に沿って、上記ターゲット材とバッキングプレート間の該バッキングプレート表面に凹部を形成し、該凹部内に磁性体を挿入配置したことにある。
請求項2によれば、挿入する磁性体の磁気シールド効果により、挿入位置におけるターゲット上の磁界強度は弱くなる。すなわち、スパッタリング速度は電界と直交する磁界の強度に依存している。磁界の低減によりターゲットのエロージョン速度の抑制が可能となり、ターゲット全体のエロージョン進行を均一化できる。
図1(a)(b)(c)および図2は、マグネット駆動型マグネトロンスパッタ装置のターゲットおよびマグネットを示す概念図である。
また、バッキングプレート12の裏面には、マグネット20が配置されている。マグネット20は、第1の永久磁石21A、及び第1の永久磁石21Aを包囲するように配置される第2の永久磁石21Bを有しており、両者のマグネトロンスパッタリング用ターゲット10に面した側は、それぞれ逆磁極となっている。本実施の形態では、ターゲット11側の磁極が、第1の永久磁石21AがN極、第2の永久磁石21BがS極となるように配設されている。これら第1の永久磁石21A、および第2の永久磁石21Bは、マグネット20の進行方向に沿った短辺側で、それぞれ磁化方向の厚みを他の部分の1/2に設定している。
これにより、第1の永久磁石21Aと第2の永久磁石21Bとの間には、第2の永久磁石21Bに沿って第1の永久磁石21Aを周回する環状のエロージョン領域14が形成される。エロージョン領域14は、上記磁界の水平方向成分が存在するようなターゲット11表面上の領域であり、この領域にしたがってスパッタリングが行なわれる。
磁性体部品40の挿入個所は2箇所であり、マグネット20の駆動方向に沿ったエロージョン形成領域に沿って配置される。
すなわち、マグネット20の移動方向と交叉する方向の第1の永久磁石21Aと第2の永久磁石21BのN極とS極間の上方に、マグネット20の移動方向に沿って磁性体40が左右1箇所ずつ配置される。磁性体部品40のサイズは、幅10mm、厚さ3mm、長さ690mmであり、Ni製で純度は99%である。
また、平板状ターゲット材11とバッキングプレート12間に挿入する磁性体40は、磁界発生手段20が発生する磁界の向きがターゲット材11平面と平行となる位置、すなわちエロージョンの生じる位置に挿入されているので、挿入する磁性体40の磁気シールド効果により、挿入位置におけるターゲット材11上の磁界強度は小さくなる。さらに、スパッタリング速度は電界と直交する磁界の強度に依存しているので、磁界の低減によりターゲットのエロージョン速度の抑制が可能となり、ターゲット全体のエロージョン進行を均一化できる。
さらにターゲット材11上の磁束密度分布は、エロージョンの進行に関わらず、一定であるため、プラズマはターゲット剤11使用初期から交換直前にわたって安定である。ゆえに膜質変動の少ない安定な薄膜を形成することが可能であり、歩留まりの高い製品を製造することが可能となる。
11 ターゲット材
12 バッキングプレート
20 マグネット(磁界発生手段)
21A 第1の永久磁石
21B 第2の永久磁石
22 ヨーク
30 成膜基板
40 磁性体部品
Claims (2)
- 反応室に、基板とともに平板状のターゲット材を互いに対向させて収容し、このターゲット材を取り付けたバッキングプレートの裏面側に、上記ターゲット材に対して磁界を形成する磁界発生手段を移動可能に配置し、上記基板とターゲット材との間に高電圧を印加して放電を発生させ、放電に伴って発生する上記反応室内のイオンを前記ターゲット材に照射して、該ターゲット表面から放出される該ターゲット材の構成原子を、該ターゲット材に対向して配置した上記基板上に付着させて薄膜を形成するマグネトロンスパッタ装置において、上記バッキングプレートの裏面に沿って駆動操作される磁界発生手段を、磁極の向きが逆極性で、かつ磁化方向が上記バッキングプレートの裏面に向くようにして配置された第1の永久磁石と第2の永久磁石とで構成し、かつ、上記磁界発生手段の駆動方向と交差する方向に磁界を形成する永久磁石の厚みを、上記磁界発生手段の駆動方向に沿って磁界を形成する永久磁石の厚みよりも小さく設定して、上記第1の永久磁石と第2の永久磁石の磁界強度を部分的に弱くなるように設定したことを特徴とするマグネトロンスパッタ装置。
- 上記磁界発生手段の駆動方向に沿って、上記ターゲット材とバッキングプレート間の該バッキングプレート表面に凹部を形成し、該凹部内に磁性体を挿入配置したことを特徴とする請求項1に記載のマグネトロンスパッタ装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2007227611A JP2009057616A (ja) | 2007-09-03 | 2007-09-03 | マグネトロンスパッタ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007227611A JP2009057616A (ja) | 2007-09-03 | 2007-09-03 | マグネトロンスパッタ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2009057616A true JP2009057616A (ja) | 2009-03-19 |
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ID=40553625
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JP2007227611A Pending JP2009057616A (ja) | 2007-09-03 | 2007-09-03 | マグネトロンスパッタ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2009057616A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104120393A (zh) * | 2013-04-23 | 2014-10-29 | 亚威科股份有限公司 | 磁体单元和包含所述磁体单元的溅射设备 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08134640A (ja) * | 1994-11-12 | 1996-05-28 | Aneruba Kk | スパッタ装置のマグネトロンカソード電極 |
JP2005068468A (ja) * | 2003-08-21 | 2005-03-17 | Fuji Electric Holdings Co Ltd | マグネトロンスパッタリング用ターゲット及びマグネトロンスパッタリング装置 |
-
2007
- 2007-09-03 JP JP2007227611A patent/JP2009057616A/ja active Pending
Patent Citations (2)
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