JP2009056356A - 汚染土壌の浄化方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】大面積かつ大深度に汚染された土壌の浄化に適した汚染土壌の浄化方法を提供する。
【解決手段】有機化合物で汚染された土壌にケーシングを押し込みながら該ケーシング内の汚染土を掘削する工程と、掘削した汚染土を浄化して浄化土とする工程と、ケーシングを引き抜きながらケーシングを引き抜いたあとの空間に浄化土を埋め戻す工程からなる汚染度上の浄化方法。
【選択図】なし
【解決手段】有機化合物で汚染された土壌にケーシングを押し込みながら該ケーシング内の汚染土を掘削する工程と、掘削した汚染土を浄化して浄化土とする工程と、ケーシングを引き抜きながらケーシングを引き抜いたあとの空間に浄化土を埋め戻す工程からなる汚染度上の浄化方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、揮発性有機化合物などで汚染された土壌の浄化方法に関する。
各種工場や製油所などの跡地は揮発性有機化合物(VOC)などで汚染されている場合が多く、これらの汚染土壌の浄化方法については、既に多くの提案がなされ、それらの一部は実用されている。それらの一例として、特許文献1にはニューマチックケーソン工法を利用した浄化方法が記載されている。一方、コンクリート杭工法の一つとして鋼製ケーシングを掘削孔全長にわたり、揺動・回転・押し込みながら鋼製ケーシング内の土砂をハンマーグラブにて掘削排土後にコンクリートを打設して杭を造成するオールケーシング工法という工法が土木分野で広く用いられている。しかし、この種工法を汚染土壌の浄化目的で用いる例は知られていない。
浄化すべき汚染土壌の状態や汚染物質の内容などが多岐に亘ることからもそれぞれに適合する工法の開発が望まれている。
特開2006−95464号公報
本発明の目的は汚染土壌の新規浄化方法を提供することにあり、特に大面積かつ大深度に汚染が広がっていて土質的に原位置浄化対策を施せない汚染土壌に対し、大規模な土止め工を施工することなく汚染土壌を浄化できる新規浄化方法を提供することにある。
本発明は、第1に、汚染された土壌にケーシングを押し込みながら該ケーシング内の汚染土を掘削する工程と、掘削した汚染土を浄化して浄化土とする工程と、ケーシングを引き抜きながらケーシングを引き抜いたあとの空間に浄化土を埋め戻す工程とを含むことを特徴とする汚染土壌の浄化方法である。
本発明は、第2に、上記第1の方法を1サイクルの単位操作として、処理すべき面積全体に亘って繰り返し行うことを特徴とする汚染土壌の浄化方法である。
本発明は、第3に、1サイクルの単位操作を処理すべき面積全体に亘って繰り返し行うに際し、浄化土を埋め戻してつくられた浄化土柱状体に隣接する個所の単位操作における掘削を、未処理個所がないように該浄化土柱状体の周辺部の一部を削り落とすように行う上記第2の方法である。
本発明は、第4に、1サイクルの単位操作を処理すべき面積全体に亘って繰り返し行うに際し、地下水の上流側の個所から施工する上記第2または第3の方法である。
本発明は、第5に、掘削工程の前に地下水の水位を下げて不飽和状態にする上記第1〜第4の方法である。
本発明は、第6に、汚染土壌を掘削する工程を、ハンマーグラブまたはオーガーを用いて行う上記第1〜第5の方法である。
大深度まで汚染が広がっており土質的に原位置浄化対策を施せない場合であっても、大規模な土止め工を施工することなく汚染土壌を置換できるので、従来工法と比較して施工費を低減することが可能である。
本発明の方法におけるオールケーシング工法を平面視でラップさせて連続的に施工することにより、また地下水の上流側から施工することおよび/または地下水位を下げてから施工することにより、汚染土壌を均質かつ確実に浄化処理することが可能である。
本発明の方法におけるオールケーシング工法を平面視でラップさせて連続的に施工することにより、また地下水の上流側から施工することおよび/または地下水位を下げてから施工することにより、汚染土壌を均質かつ確実に浄化処理することが可能である。
本発明方法を適用する汚染土譲としては、高濃度の揮発性有機化合物で大深度まで汚染が広がっている土壌が好適である。
本発明で用いるケーシングとしては、前記したようにコンクリート杭打ちで用いられている鋼製ケーシングをそのまま用いることができる。コンクリートを打ち込む前の掘削操作は従来のオールケーシング工法と同じである。
本発明で用いるケーシングとしては、前記したようにコンクリート杭打ちで用いられている鋼製ケーシングをそのまま用いることができる。コンクリートを打ち込む前の掘削操作は従来のオールケーシング工法と同じである。
このようにして掘削した汚染土を適宜の方法で浄化処理する。汚染土の浄化方法としては、汚染土に生石灰を混合して加熱したのち汚染物質を活性炭に吸着させる方法、汚染物質を酸化剤や還元剤で化学的に処理する方法、汚染土をロータリーキルンなどの加熱装置で加熱処理する方法などがあり、汚染物質の種類や量にあわせて適宜の方法を選択することができる。この処理は複数個所から掘削した汚染土を合体して行ってもよい。
このように浄化処理した後に浄化した土を埋め戻すが、この埋め戻し工程はケーシングを引き抜きながらケーシングを引き抜いたあとの空間に浄化土を埋め戻して締め固めることによって行われる。
本発明では上記の一連の操作を1サイクルの単位操作として所定の処理面積全体に亘って上記の単位操作を繰り返し行う。
本発明では上記の一連の操作を1サイクルの単位操作として所定の処理面積全体に亘って上記の単位操作を繰り返し行う。
なお、本発明の浄化方法は、大面積(好ましくは1000m2以上)かつ大深度(好ましくは深さ10m以上)の汚染土壌に適用することが好ましい。このような汚染土壌に本発明の浄化方法を適用することにより、大深度まで汚染が広がっており土質的に原位置浄化対策を施せない場合であっても、大規模な土止め工を施工することなく汚染土壌を浄化することができるので、大規模な土止め工が必要な従来工法と比較して施工効率がよく施工費を低減することが可能である。
処理すべき面積全体に対する施工にあたっては、できるだけ未処理部分を残さないように施工することが望ましく、浄化土を埋め戻してつくった浄化土柱状体に隣接する個所の掘削は、隣接する柱状体の周辺部の一部を削り落とすように行うことが好ましい。円筒形状のケーシングを用いて掘削を行う場合には、最密充填状(図2)に掘削すると共に隣接する柱状体の表面を削り落としつつ掘削することにより、1本の柱状体の施工後に汚染が再浸透したとしてもその部分が削り落とされる結果、全体の浄化がより確実なものとなる。
また地下水が存在する場合には施工を地下水の上流側から順次行うことが好ましい。また地下水位を下げてから不飽和状態で施工することも好ましい。これらにより、より確実な浄化が可能となる。
本発明方法による浄化対象となる汚染物質としては、すべての有機物が対象となりうるが、たとえば土壌汚染対策法で規定される特定有害物質(鉛、砒素、トリクロロエチレンなどの25物質)があげられ、その中でもトリクロロエチレンやベンゼンなどの揮発性有機化合物に適用することが好ましい。さらに、汚染物質の濃度が排出基準値の1000倍(10mg/l)以上である高濃度の揮発性有機化合物(ベンゼンなど)で汚染された汚染土壌に本発明を適用すると、非常に効果的である。
次に図面を用いて本発明を説明する。
図1は本発明の浄化方法の施工工程を示す模式図である。図中1は汚染物質で汚染されている汚染土壌、2は中空円筒状の鋼製ケーシング、3は鋼製ケーシング2を揺動または回転させながら地盤に圧入しまたは地盤から引き抜くためのケーシングジャッキ、4は鋼製ケーシング2を吊るためのクレーン車である。
図1は本発明の浄化方法の施工工程を示す模式図である。図中1は汚染物質で汚染されている汚染土壌、2は中空円筒状の鋼製ケーシング、3は鋼製ケーシング2を揺動または回転させながら地盤に圧入しまたは地盤から引き抜くためのケーシングジャッキ、4は鋼製ケーシング2を吊るためのクレーン車である。
まず、汚染物質で汚染されている土壌の地盤上にケーシングジャッキ3を配置し、鋼製ケーシング2をクレーン車4で持ち上げてケーシングジャッキ3にセットする。そして、ケーシングジャッキ3を駆動させて鋼製ケーシング2を揺動または回転させながら地盤中に押し込んでいく。鋼製ケーシング2がある程度地盤中に圧入された時点で、ハンマーグラブ5やオーガーを用いて鋼製ケーシング2の内側の汚染土6を含む土砂の掘削を開始し、掘削した汚染土6を地盤上に仮置きしておく。鋼製ケーシング2の長さが掘削深さに足りない場合は、鋼製ケーシング2を継ぎ足して圧入および掘削作業を続ける。
鋼製ケーシング2を所定深さまで圧入して汚染土6の掘削作業が完了したら、汚染物質で汚染されている土砂(汚染土6)を任意の方法で浄化処理に供する。汚染土6の浄化方法としては、前記したように汚染土6に生石灰を混合して加熱したのち汚染物質を活性炭に吸着させる方法、汚染物質を酸化剤や還元剤で化学的に処理する方法、汚染土6をロータリーキルンなどの加熱装置で加熱処理する方法などがあり、汚染物質の種類や量にあわせて適宜の方法を選択することができる。
掘削した汚染土6の浄化処理が完了したら、地盤中にある鋼製ケーシング2をクレーン車4で吊った状態でケーシングジャッキ3により引き抜きながら、掘削により形成された孔にハンマーグラブ5を用いて浄化土7を埋め戻していく。埋め戻した浄化土7の締固めは、浄化土7に対してハンマーグラブ5を落下させるなどの適宜の方法により行う。
図2は本発明の施工平面図である。図に示すように、鋼製ケーシング2の圧入箇所は、その数量が必要最小限となるようにかつ浄化処理残しが生じないように平面視でラップするように設計する。このように施工することにより、汚染土壌1を均質かつ確実に浄化処理することが可能となる。鋼製ケーシング2の圧入順序は特に限定されず、隣接する箇所に順次連続して圧入するようにしてもよいし、一つおきに圧入するようにしてもよい。また、地下水を多く含む地盤を浄化対象とする場合は、施工箇所の外周部を先に掘削したのち浄化土7にセメントを混合して埋め戻すことにより施工箇所の外周部の遮水性を高めるようにすれば、施工箇所内側への地下水の流入を抑えることができ施工が容易となる。
1 汚染土壌
2 鋼製ケーシング
3 ケーシングジャッキ
4 クレーン車
5 ハンマーグラブ
6 汚染土
2 鋼製ケーシング
3 ケーシングジャッキ
4 クレーン車
5 ハンマーグラブ
6 汚染土
Claims (6)
- 汚染された土壌にケーシングを押し込みながら該ケーシング内の汚染土を掘削する工程と、掘削した汚染土を浄化して浄化土とする工程と、ケーシングを引き抜きながらケーシングを引き抜いたあとの空間に浄化土を埋め戻す工程とを含むことを特徴とする汚染土壌の浄化方法。
- 請求項1に記載の方法を1サイクルの単位操作として、処理すべき面積全体に亘って繰り返し行うことを特徴とする汚染土壌の浄化方法。
- 1サイクルの単位操作を処理すべき面積全体に亘って繰り返し行うに際し、浄化土を埋め戻してつくられた浄化土柱状体に隣接する個所の単位操作における掘削を、未処理個所がないように該浄化土柱状体の周辺部の一部を削り落とすように行う請求項2に記載の方法。
- 1サイクルの単位操作を処理すべき面積全体に亘って繰り返し行うに際し、地下水の上流側の個所から施工する請求項2又は3に記載の方法。
- 掘削工程の前に地下水の水位を下げて不飽和状態にする請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
- 汚染土壌を掘削する工程を、ハンマーグラブまたはオーガーを用いて行う請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007224000A JP2009056356A (ja) | 2007-08-30 | 2007-08-30 | 汚染土壌の浄化方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011167619A (ja) * | 2010-02-17 | 2011-09-01 | Kumagai Gumi Co Ltd | 汚染土壌浄化方法 |
JP2016191259A (ja) * | 2015-03-31 | 2016-11-10 | 日本海工株式会社 | 地盤改良装置、地盤改良工法、ケーシングパイプ、掘削装置 |
JP2017078261A (ja) * | 2015-10-19 | 2017-04-27 | 株式会社グランテック | 地盤の復元方法 |
-
2007
- 2007-08-30 JP JP2007224000A patent/JP2009056356A/ja active Pending
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