JP2009056295A - 液体塗工装置 - Google Patents
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Abstract
工すべき領域の全域にむらなく塗工することのできる液体塗工装置を提供すること。
【解決手段】供給手段2から供給される液体を所定パターンで吐出する吐出ローラー3を
備え、吐出ローラー3から吐出された液体を、移動する被塗工物Sに塗工する液体塗工装
置であり、吐出ローラー3は、外周部を形成する表面プレート31と、吐出ローラー3に
おける表面プレート31より内側の部分を構成するローラー本体32とを備えており、ロ
ーラー本体32の外周部には、ローラー本体の内部を通って導入される液体を、表面プレ
ート31に沿う方向に拡散させる所定形状の凹部33成されており、表面プレート31は
、凹部33を覆う部分の全域が多孔体からなり、表面プレート31の該凹部33を覆う部
分の全域から液体が吐出されるようになされている。
【選択図】図1
Description
また、特許文献1には、凹部で一旦ホットメルト接着剤を溜めた後、上記吐出孔を通じて細孔から吐出させているので、ホットメルト接着剤に均一に圧力が作用し、より安定したパターン塗工を可能にしているとの記載がある。
また、本発明は、前記液体として接着剤を塗工する前記液体塗工装置により、吸収性物品の構成材料に接着剤を塗工する工程、及び該構成材料を該接着剤を介して他の構成材料と接合する工程を具備する吸収性物品の製造方法を提供するものである。
本発明の吸収性物品の製造方法によれば、接着剤を、塗工すべき領域にむらなく塗工することができ、高品質の吸収性物品を効率的に製造することができる。
図1は、本発明の一実施形態である液体塗工装置(以下、本塗工装置1ともいう)の要部を示す斜視図である。
本塗工装置1は、ホットメルト接着剤の塗工装置であり、図1に示すように、ホットメルト接着剤を供給する供給手段2と、供給手段2から供給されるホットメルト接着剤を所定パターンで吐出する吐出ローラー3と、吐出ローラー3から吐出された所定パターンのホットメルト接着剤5を、連続的に供給される帯状シート(被塗工物)Sの表面に転写する転写手段4とを具備する。図1中の符号50は、帯状シートSにおける、ホットメルト接着剤5が塗工された部分(接着剤塗工部)を示している。
ローラー本体32は、円柱状の形態を有し、その外周部には、周方向に間隔を開けて複数の凹部33が形成されている。各凹部33は、凹部33以外の部分との間に段差を設けて形成されており、その底面部には、該凹部33にホットメルト接着剤を導入する導入口34が設けられている。そして、表面プレート31が、凹部33を覆うように、ローラー本体32の外周面に固定されている。
表面プレート31は、多孔体からなる。多孔体は、表裏面間を貫通する多数の細孔を有するものであり、塗工すべき液体(本実施形態においては、ホットメルト接着剤)がそれらの細孔を通って透過可能である。多孔体としては、金網、パンチングメタル、エッチング開孔材、焼結金属、セラミックス、これらの積層体等を用いることができる。
本体部分35は、円柱状の形態を有しその外周面に前記導入口34を有している。
パターン形状プレート36は、その開口部36aの内側に、前記導入口34が位置するように固定されている。開口部36aの内周面36a’は、凹部33の底面35aに対して垂直である。凹部33の底面35aは、本体部分35の外周面から形成されている。開口部36aの内周面36a’が底面35aに対して傾斜している場合であっても、凹部33の開口形状は、開口部36aの表面プレート31側の開口縁端の形状である。
表面プレート31を構成する多孔体が金網や焼結金属、セラミックスである場合、凹部33を覆う箇所において孔の面積(開口面積率)は、1〜80%、特に10〜60%であることが好ましく、個々の孔の面積は、0.002〜3.2mm2であることが好ましく、より好ましくは0.004〜0.5mm2である。
平均孔径は、光学顕微鏡によって表面プレート31を真上から観察し、表面上の目開きの面積を少なくとも10点計測し、S(孔の面積)=PAI/4×d2(PAI=3.14)で逆算されるdを円相当径とし、これらの平均値とする。孔の面積は、例えばキーエンス製デジタルHDマイクロスコープVH−7000を使用し、観察される画面上の任意の点を囲むことにより簡単に計測できる。
尚、多孔体が複数枚積層されてなる表面プレートの場合は、個々の多孔体について測定した平均孔径が上記の範囲であることが好ましい。
また、凹部33に設ける導入口34は、凹部33の底面積0.5〜10cm2当たりに1個となる割合で設けることが好ましい。
まず、図示しないタンク内にホットメルト接着剤を投入し、溶融状態とする。そして、吐出ローラー32及び転写ローラー41をその周速度が等しくなるように回転させる。また、ニップローラー42も、転写ローラー41とその周速度が等しくなるように回転させ、帯状シートSの搬送速度を、転写ローラー41の周速度と同一とする。
そして、溶融状態のホットメルト接着剤を、供給手段2の供給管21を通じて吐出ローラー3のローラー本体32内に図示しないポンプによって供給する。
そして、この転写ローラー41が回転し、ニップローラー42との間を移動する帯状シートSの表面にホットメルト接着剤を転写する。
このようにして、帯状シートSの表面(被塗工面9)に、ホットメルト接着剤5が塗工され、それにより、帯状シートSの表面に、凹部33の開口形状と実質的に同一形状の接着剤塗工部50(液体塗工部)が形成される。
そのため、表面プレート31から吐出されるホットメルト接着剤は、その吐出範囲の全域において吐出量が均一であり、転写ローラー41の外表面における、凹部33と重なる範囲の全域において均一な量のホットメルト接着剤が付着する。そして、そのように均一に付着したホットメルト接着剤が、帯状シートSに転写されるため、帯状シートSにおけるホットメルト接着剤が塗工された接着剤塗工部50は、その全域に均一な量のホットメルト接着剤が塗工されたものとなる。
このようにして、本塗工装置1によれば、所定の塗工パターンで被塗工物に接着剤を塗工するに際し、接着剤を、塗工すべき領域の全域にむらなく塗工することができる。
しかも、パターン形状プレート36を本体部分35に対して脱着可能に固定してあるため、接着剤の塗工パターンを変更する際には、パターン形状プレート36を、変更後の塗工パターンと略同一形状の開口部36aを有するパターン形状プレート36に交換することができる。そのため、接着剤の塗工パターンを変更する場合であっても、パターン形状プレート36を交換することにより、接着剤を、塗工すべき領域の全域にむらなく塗工することができる。
更に、本実施形態の塗工装置1においては、パターン形状プレート36と表面プレート31とも分離可能であるので、接着剤の塗工パターンを変更する際に、パターン形状プレート36のみを交換し、表面プレート31は交換せずに同じものを用いることもできる。
ホットメルト接着剤としては、特に限定されないが、例えば、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共重合体(SEBS)等のスチレン系ゴム、又はアモルファスポリαオレフィン(APAO)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)等のオレフィン系ポリマー等のホットメルト接着剤が挙げられる。
また、本発明における被塗工物は、特に限定されないが、例えば、不織布、織布、樹脂フィルム、編み物等からなるシート状物、若しくはこれらのシート状物が2層以上に積層されてなる積層体、これらのシート状物や積層体に更に他の部材を積層したり挟んだりしてなる物品等が挙げられる。被塗工物は、連続する帯状体であっても良いし、所定の長さを有し、所定の間隔をあけて順次搬送されているものであっても良い。
このような吸収性物品を製造する際には、衣類当接面を構成するシートの帯状の原反、又は他の材料と積層された該シートの帯状又は非帯状の原反に、上述した塗工装置1を用いてホットメルト接着剤を塗工して所定形状の粘着部を形成する。それ以外は、従来の吸収性物品の製造方法と同様である。
例えば、図5(a)に示すように、中央部に接着剤非塗工部51が形成されるパターンで接着剤5を塗工する場合、図5(b)及び図5(c)に示すように、パターン形状プレート36の開口部36aの内側に、パターン形状プレート36と略同一の厚さの補助プレート37を配する等によって、環状の凹部33を形成することができる。図5(b)及び図5(c)に示す実施形態においては、パターン形状プレートの開口部36aの内側部分であって且つ補助プレート37より外側部分が凹部33を形成している、
この場合においても、凹部33を覆う部分の全域が多孔体からなる表面プレート31を用い、該表面プレート31の凹部33を覆う部分の全域からホットメルト接着剤を吐出させることにより、接着剤を、塗工すべき領域の全域にむらなく塗工することができる。また、補助プレート37を配するのに代えて、本体部分35の外周面に凸部を形成し、該凸部を開口部36aの内側に位置させることによって、該凸部の周囲に環状の凹部33を形成することもできる。
図7に示す実施形態においては、接着剤塗工部50の間に接着剤非塗工部51が介在する塗工パターンで接着剤5を塗工する。図7に示す実施形態においては、パターン形状プレート36に、各接着剤塗工部50に対応する開口部36aを形成し、各接着剤塗工部50の形状と略一致する形状の凹部33を形成している。
この場合においても、これらの凹部33を覆う部分の総ての全域が多孔体からなる表面プレート31を用い、該表面プレート31の凹部33を覆う部分の全域からホットメルト接着剤を吐出させることにより、被塗工物に、全域に亘ってホットメルト接着剤が均一に存在する接着剤塗工部50を形成することができる。
透過拡散性の比較は、材料6及び多孔体のそれぞれに同一粘度の液体(接着剤等)を注入し、一定時間後の液の広がり面積の大小を比べて行うことができる。広がり面積が大きい方が透過拡散性が良い。
例えば、図8(c)に示すように、材料6及び多孔体に用いる材料と同一の材料から、平面視円形状で厚みが5mmの円盤状のサンプル71を作成し、底部に円筒状の小孔72を有し、サンプル71が内部に丁度収まる大きさの凹部73を備えた補助具70における該凹部73内に該サンプル71を配置する。そして、前記小孔72から液体(接着剤等)を流し込み、所定時間後に、小孔を有する側とは反対側の面74に広がっている液体(接着剤等)75の面積(広がり面積)を測定する。尚、この測定の際には、補助具70は、小孔72側を上に向け、前記面74を下に向ける。
材料6と表面プレート31を構成する多孔体のそれぞれについて、同一粘度の液体を用いて同様に試験し、広がり面積の広い方が狭い方より透過拡散性が良いと判断する。
凹部33内に配する材料6としては、発泡金属、発泡シリコンゴム、焼結金属、球体金属等が挙げられる。
斯かる構成により、小部屋38の領域内で分岐管路35c’の配置と数を自由に決めることができ、凹部33に接着剤を導く流路の設計が一層容易となる。また、分岐管路35c’の配置と数を容易に決定できるので、凹部33全域に液体をより均等に満たすことが可能となる。凹部33全域の液体が均等であれば、凹部33を覆う表面プレート31から均等に液体が吐出し、より均一な塗工ができる。更に、小部屋38が別部材39にあるので、塗工パターンの大きな変更に対して、別部材39の交換で済み、ローラー本体32の交換が無くなる。
吐出ローラー3の本体部分35の外周部分35fは、吐出ローラー3の周方向に直列に配置された複数個の部材39から形成されていても良いし、吐出ローラー3の周方向に連続して配された一つの部材39から形成されていても良い。
小部屋38と凹部33内とを連通する分岐管路35c’の本数は、小部屋38に接着剤を導入する管路35cの本数よりも多いことが好ましい。小部屋38に接着剤を導入する管路35cが1本の場合、小部屋38と凹部33内とを連通する分岐管路35c’の本数は、例えば2〜30本とすることができ、小部屋38に接着剤を導入する管路35cが2本の場合、小部屋38と凹部33内とを連通する分岐管路35c’の本数は、例えば3〜60本とすることができる。
尚、供給手段2から供給されたホットメルト接着剤を凹部33に導く経路は、凹部33に接着剤を導くことができる限り制限されず、多様に変形可能である。
この接着剤塗工装置1Aにおいては、吐出ローラー3Aとニップローラー42との間を移動する帯状シートSに対して、吐出ローラー3Aの外表面から直接、ホットメルト接着剤が塗工される。この接着剤塗工装置1Aにおいても、吐出ローラー3Aの外表面を構成する表面プレート31は、その下に位置する凹部を覆う部分の全域が多孔体からなり、該凹部を覆う部分の全域からホットメルト接着剤が吐出される。そのため、上述した塗工装置1と同様の効果が奏される。
凹部33の開口形状は、任意の形状とすることができ、輪郭が直線のみからなる形状、輪郭が直線と曲線からなる形状、輪郭が曲線のみからなる形状等とすることができる。具体的には、円形状、長円状、ハート状、瓢箪形状、中央部がくびれた長円状、矩形状、菱形等とすることができる。
また、本発明の液体塗工装置は、吸収性物品の製造工程において、吸収性物品の構成材料に接着剤を塗工するのに用いることも好ましい。接着剤が塗工された構成材料は、該接着剤を介して他の構成材料と接合することができる。吸収性物品の構成材料としては、例えば、表面シート、吸収体、裏面シート、ウイング部形成用のシート、立体ギャザー形成用のシート等が挙げられるが、これらに限られるものではない。
2 供給手段
3 吐出ローラー
31 表面プレート
32 ローラー本体
33 凹部
35 本体部分
36 パターン形状プレート
36a 開口部
4 転写手段
41 転写ローラー
5 ホットメルト接着剤(液体)
50 接着剤塗工部(液体塗工部)
Claims (10)
- 供給手段から供給される液体を所定パターンで吐出する吐出ローラーを備え、該吐出ローラーから吐出された液体を、移動する被塗工物に塗工する液体塗工装置であって、
前記吐出ローラーは、外周部を形成する表面プレートと、該吐出ローラーにおける該表面プレートより内側の部分を構成するローラー本体とを備えており、
前記ローラー本体の外周部には、該ローラー本体の内部を通って導入される液体を、前記表面プレートの面に沿う方向に拡散させる所定形状の凹部が形成されており、
前記表面プレートは、前記凹部を覆う部分の全域が多孔体からなり、該表面プレートの該凹部を覆う部分の全域から前記液体が吐出されるようになされている液体塗工装置。 - 前記凹部の開口形状が、前記被塗工物に形成される液体塗工部の形状と実質的に同一である、請求項1記載の液体塗工装置。
- 前記ローラー本体は、回転軸に近い部分を構成する本体部分と、所定形状の開口部を有し該開口部の内側部分が前記凹部を形成するパターン形状プレートとを有してなる請求項1又は2記載の液体塗工装置。
- 前記パターン形状プレートは、前記本体部分に対して脱着可能に固定されている請求項3記載の液体塗工装置。
- 前記パターン形状プレートの開口部の内側に補助プレートが配されており、該開口部の内側部分であって且つ該補助プレートより外側部分が前記凹部を形成している請求項3又は4記載の液体塗工装置。
- 前記凹部の内部に、前記液体の透過拡散性が前記表面プレートの該凹部を覆う部分と同等又はそれより良好な材料が配されている請求項1〜5の何れかに記載の液体塗工装置。
- 前記吐出ローラーは、その半径方向における前記凹部の位置より回転軸側に、小部屋を有しており、該小部屋に導入された前記液体が、複数の分岐管路によって前記凹部に導入されるようになされている、請求項1〜6の何れかに記載の液体塗工装置。
- 前記液体が、接着剤である請求項1〜7の何れかに記載の液体塗工装置。
- 接着剤が塗工されて形成された粘着部を衣類当接面に有し、該粘着部を介して衣類に固定されて用いられる吸収性物品の製造方法であって、
請求項8に記載の液体塗工装置により、前記衣類当接面を構成させるシート材に接着剤を塗工する工程を具備する吸収性物品の製造方法。 - 請求項8に記載の液体塗工装置により、吸収性物品の構成材料に接着剤を塗工する工程、及び該構成材料を該接着剤を介して他の構成材料と接合する工程を具備する吸収性物品の製造方法。
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