JP2009056134A - ガイドワイヤー固定用医療用具 - Google Patents

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Abstract

【課題】カテーテル内において水分が多い状態でも確実にガイドワイヤーを固定でき且つガイドワイヤー表面への損傷及び外力による変形が起きず、カテーテルの挿入及び抜去操作の際にガイドワイヤーの操作性を良好に維持可能なガイドワイヤー固定用医療用具。
【解決手段】先端部側に形成された内腔を有するカテーテル接続部3、基端部側に形成された第一連結部5、及びガイドワイヤーを気密的に保持する気密性保持部材10、を基端部側に内接する筒状のコネクター本体部2と、ガイドワイヤーを固定/開放自在に操作可能なローラー部材13、ローラー部材を回転移動自在にするローラー部材挿通路16、第二連結部12、第一連結部と第二連結部とが連結された時に気密性を付与保持する圧迫部材18が第二連結部の先端部に形成されたガイドワイヤー固定部6と、から構成され、ローラー部材がガイドワイヤー固定部の基端側に回転移動してガイドワイヤーを固定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、ガイドワイヤー固定用医療用具に関する。
腸閉塞の診断と治療は、まず、先端にバルーンを有するカテーテルをガイドワイヤーによってカテーテルにコシを持たせ、鼻又は口から挿入し、胃の出口である幽門部までカテーテル先端を到達させ、十二指腸付近でガイドワイヤーを抜去した後、バルーンを膨らませ、腸の蠕動運動によってカテーテル先端を閉塞部位まで誘導する。次に、カテーテルから造影剤を消化管内へ送り込むことによりX線透視にて閉塞部位の診断を行い、更に消化管内の閉塞物、ガス等を体外に吸引して取り除く処置(閉塞解除法)が行われている。
カテーテルの挿入操作を容易に行うには、ガイドワイヤーをカテーテルの先端から出した状態で前後させ、カテーテルの挿入方向を調節しながらカテーテルを進めていくことが求められる。その際、カテーテル内にオリーブオイル、滅菌生理食塩水、滅菌蒸留水等の潤滑液を予め注入しておくことにより、ガイドワイヤーの挿入・抜去抵抗が緩和される。しかし、表面を親水性コーティングしたガイドワイヤーを用いた場合では、通常、カテーテル内に粘度の低い潤滑液(滅菌生理食塩水、滅菌蒸留水等)を注入するため、カテーテル内から潤滑液が抜け易く、ガイドワイヤー表面が乾燥して挿入・抜去抵抗が上昇するといった問題が生じる。また、カテーテルの挿入に時間を要した場合も同様にガイドワイヤーの挿入・抜去抵抗が増し、操作性に悪影響を及ぼすことがあった。
一方、充分な量の水分を使うと、手元でガイドワイヤーが滑ってしまい操作性不良となる場合があった。
更に、カテーテル先端の位置確認、腸管を造影し閉塞部位の診断を行うために造影剤を注入するが、カテーテルの吸引ルーメン内にガイドワイヤーが入っているため、コネクターと注射器の液密性を確保することが困難となり、隙間から造影剤が漏れて、注射器等で圧力をかけて注入することができなくなることがある。一方、吸引ルーメンではなく内腔の狭いサンプルーメンから造影剤を注入すると、注入抵抗が高くなるという問題があった。
また、カテーテル挿入時には通常、予めガイドワイヤーをカテーテル先端付近まで挿入しておき、経鼻的にカテーテルを挿入するが、親水性コーティングされたガイドワイヤーを用いるとカテーテルが咽頭部を通過する際、カテーテル内のガイドワイヤーが咽頭部で大きく屈曲し、体外に飛び出すという問題が生じ易く、ガイドワイヤーをしっかりと手で把持しながらカテーテルを挿入するか、クリップ等でガイドワイヤーをカテーテルに固定してカテーテルを挿入しなければならなかった。
上記問題を解決すべく、カテーテル内でガイドワイヤーを固定できる把持部を有する操作器具が開示されている(例えば、特許文献1参照)が、水分が多い状況下では固定力が不十分となることがあった。また、別の方法では、しっかりと固定することはできるが、ガイドワイヤーの表面に損傷を与えたり、ガイドワイヤーを変形させてしまうことがあり、ガイドワイヤーの挿入及び抜去性能が低下する場合があった。
特開平04−073069号公報
本発明の目的は、ガイドワイヤーをカテーテル内において固定する際に、水分が多い状態でも確実にガイドワイヤーを固定でき、且つ、ガイドワイヤー表面への損傷及び外力による変形が起きず、カテーテルの挿入及び抜去操作の際に、ガイドワイヤーの操作性を良好な状態に維持することができるガイドワイヤー固定用医療用具を提供することである。
上記の課題は下記(1)〜(5)に記載の本発明により達成される。
(1)ガイドワイヤーをカテーテル内において固定するガイドワイヤー固定用医療用具であって、
先端部側に形成された内腔を有するカテーテル接続部、略中央部に付設され液密蓋材が脱着自在な分岐部材、基端部側に形成された第一連結部、及びガイドワイヤーを挿通自在にするガイドワイヤー挿通口を有しガイドワイヤーを気密的に保持する気密性保持部材、を基端部側に内接する筒状のコネクター本体部と、
ガイドワイヤーを固定/開放自在に操作可能なローラー部材、ガイドワイヤーを挿通自在とし且つ前記ローラー部材を回転移動自在にするローラー部材挿通路、先端部側に形成され前記第一連結部と脱着可能とする第二連結部、及びガイドワイヤーが挿通され前記第一連結部と第二連結部とが連結された時に前記気密性保持部材を圧迫して前記ガイドワイヤー挿通口とガイドワイヤーとの気密性を付与保持する圧迫部材が前記第二連結部の先端部に形成されたガイドワイヤー固定部と、から構成され、
前記ローラー部材が前記ガイドワイヤー固定部の基端部側に回転移動してガイドワイヤーを固定することを特徴とするガイドワイヤー固定用医療用具。
(2)前記ローラー部材は、前記ガイドワイヤー固定部の先端側及び基端部側に回転移動自在である(1)に記載のガイドワイヤー固定用医療用具。
(3)前記ガイドワイヤー固定部は、前記ローラー部材が前記ガイドワイヤー固定部の基端部側に移動するに従って前記ローラー部材挿通路が狭まり、前記ガイドワイヤー固定部の先端部側に移動するに従って前記ローラー部材挿通路が広がる構造である(1)又は(2)に記載のガイドワイヤー固定用医療用具。
(4)前記コネクター本体部の中央部近傍には、分岐部材及び液密蓋材からなり、カテーテル側に注液可能とする注液部が付設されている(1)〜(3)のいずれかに記載のガイドワイヤー固定用医療用具。
(5)前記気密性保持部材の材質はシリコーンゴムを含むものである請求項1に記載のガイドワイヤー固定用医療用具。
本発明によれば、ガイドワイヤーをカテーテル内において固定する際に、水分が多い状態でも確実にガイドワイヤーを固定でき、且つ、ガイドワイヤー表面への損傷及び外力による変形が起きず、カテーテルの挿入及び抜去操作の際に、ガイドワイヤーの操作性を良好な状態に維持することができるガイドワイヤー固定用医療用具を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、共通する構成要素には同一符号を付し、以下の説明において詳細な説明を適宜省略する。
本発明のガイドワイヤー固定用医療用具(1)(以下、単に「GW固定具」ということがある)は、ガイドワイヤーをカテーテル内において固定するガイドワイヤー固定用医療用具(1)であって、
先端部側に形成された内腔(8)を有するカテーテル接続部(3)、略中央部に付設され液密蓋材(10)が脱着自在な分岐部材(9)、基端部側に形成された第一連結部(5)、及びガイドワイヤー(4)を挿通自在にするガイドワイヤー挿通口(17)を有しガイドワイヤー(14)を気密的に保持する気密性保持部材(15)、を基端部側に内接する筒状のコネクター本体部(2)と、
ガイドワイヤー(14)を固定/開放自在に操作可能なローラー部材(13)、ガイドワイヤー(14)を挿通自在とし且つ前記ローラー部材(13)を回転移動自在にするローラー部材挿通路(16)、先端部側に形成され前記第一連結部(5)と脱着可能とする第二連結部(12)、ガイドワイヤー(14)が挿通され前記第一連結部(5)と第二連結部(12)とが連結された時に前記気密性保持部材(15)を圧迫して前記ガイドワイヤー挿通口(17)とガイドワイヤー(14)との気密性を付与保持する圧迫部材(18)が前記第二連結部(12)の先端部に形成されたガイドワイヤー固定部(6)と、から構成され、
前記ローラー部材(13)が前記ガイドワイヤー固定部(6)の基端部側に回転移動してガイドワイヤー(14)を固定することを特徴とするガイドワイヤー固定用医療用具(1)である。
上記コネクター本体部(2)は、図1に示すように、先端側に形成された内腔(8)を有するカテーテル接続部(3)、基端部側の内部には挿入したガイドワイヤー(14)との気密性を保持する気密性保持部材(15)、略中央部には潤滑液の補充及び造影剤等を注入カテーテル側に注入するための分岐部材(9)、分岐部材(9)に装脱可能な液密蓋材(10)、及び後述するガイドワイヤー固定部(6)の先端側に付設された第二連結部(12)と連結する第一連結部(5)から構成される。
上記コネクター本体部(2)の全長は、カテーテル接続部(3)、及び注液部(7)が設置可能な長さであれば、特に限定するものではないが、実用上20mm以上、80mm以下の長さが好ましい。
上記コネクター本体部(2)の内腔(8)の最小内径はガイドワイヤー(14)が通過できるサイズで、且つ、注液部(7)より潤滑液の補充及び造影剤の注入等の際大きな抵抗にならない程度であれば特に限定されないが、3mm以上、5mm以下が好ましい。コネクター本体部(2)の外径は特に限定するものではないが、使用時の操作性や携帯性、チューブへの接続径を考慮すると10mm以上、20mm以下が好ましい。
また、上記カテーテル接続部(3)の形状は特に限定しないが、竹の子形状のコネクターであることが好ましい。こうすることで、カテーテルとの固定性が向上する。
上記コネクター本体部(2)の材料としては、射出成形できる材質であることが好ましく、例えば、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂等を用いることができる。
上記気密性保持部材(15)の形状は略円筒形状であることが好ましい。こうすることで圧迫部材(18)によって圧迫された際、周囲より均等に圧力を掛けることが可能となる。
実際には、第二連結部(12)を第一連結部(5)に連結するために回転させると、第二連結部(12)の先端側に付設された圧迫部材(19)が気密性保持部材(15)を押しながら締め付けていくことで、ガイドワイヤー(14)が挿通された状態でも気密性を得ることができ、且つ、気密性を保持することができる。
この気密性保持部材(15)を設けることにより、ガイドワイヤー(14)を本発明のGW固定具(1)に挿通して分岐部材(9)より潤滑液の補充及び造影剤等を注入した場合、ガイドワイヤー挿通孔を通じてこれらの注入物がガイドワイヤー固定具側へ逃げてしまうことを防止することができる。
上記気密性保持部材(15)の形状は、一方の端部が若干窄んだ形状がより好ましい。こうすることで、圧迫された際に気密性及び気密性の保持力を更に向上させることができる。
気密性保持部材(15)の長さは2mm以上、3mm以下が好ましい。気密性保持部材(15)の外径は3mm以上、5mm以下、挿通孔(17)の内径は、ガイドワイヤー(14)の外径より若干大きい2mm以上、3mm以下が好ましい。
上記気密性保持部材(15)の材質は可撓性を有する材料であることが好ましく、例えばポリ塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリオレフィン系エラストマー、又はシリコーンゴム等の合成樹脂が挙げられるが、気密性を好適に向上させることができることからシリコーンゴムを用いることが好ましい。更に、これら2種以上の樹脂を組み合わせて用いることができる。
上記コネクター本体部(2)の略中央部に付設された分岐部材(9)の全長は特に限定するものではないが、操作性を考えると、10mm以上、30mm以下の長さが好ましい。シリンジで気体、又は液体を無理なく注入するため、内径は3mm以上、5mm以下が好ましい。外径はコネクター本体部(2)より分岐しているため、コネクター本体部(2)と同等の10mm以上、20mm以下が好ましい。分岐部材(9)とコネクター本体部(2)との接合角度は、シリンジを嵌合した際、シリンジがコネクター本体部(2)に接触しないようにするため、30°以上、70°以下であることが好ましい。こうすることで、カテーテル側にスムーズに注液することができる。分岐部材(9)の材質は、形状が維持できるものであれば特に限定されず、例えばポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂等を用いることができる。
上記コネクター本体部の略中央部に付設された分岐部材(9)の全長は特に限定するものではないが、操作性を考えると、10mm以上、30mm以下の長さが好ましい。シリンジで気体、又は液体を無理なく注入するため、内径は3mm以上、5mm以下が好ましい。外径はコネクター本体部(2)より分岐しているため、コネクター本体部(2)と同等の10mm以上、20mm以下が好ましい。分岐部材(9)とコネクター本体部(2)との接合角度は、シリンジを嵌合した際、シリンジがコネクター本体部(2)に接触しないようにするため、30°以上、70°以下であることが好ましい。こうすることで、カテーテル側にスムーズに注液することができる。分岐部材(9)の材質は、形状が維持できるものであれば特に限定されず、例えばポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂等を用いることができる。
上記液密蓋材(10)の全長は操作性を考えると10mm以上、20mm以下の長さが好ましい。液密蓋材(10)の内径は分岐部材(9)と嵌合するため同等の3mm以上、5mm以下が好ましい。液密蓋材(10)の外径はコネクター本体部(2)と接触しない大きさであればよく、10mm以上、20mm以下が好ましい。
材料は、形状が維持できる材質であれば特に限定されず、例えばポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂等を用いることができる。分岐部材(9)端部に位置する液密キャップ装着部(11)は液密蓋材(10)と篏合した際、液密性を確保しつつ篏合可能な形状であれば特に限定するものではないが、ネジ部の長さは1mm以上、3mm以下、ピッチは0.3mm以上、1.0mm以下が好ましい。
本発明のGW固定具(1)に用いられるガイドワイヤー固定部(6)は、ガイドワイヤー(14)を固定/開放自在に操作可能なローラー部材(13)、ガイドワイヤー(14)を挿通自在とし且つ前記ローラー部材(13)を回転移動自在にするローラー部材挿通路(16)、先端部側に形成され前記第一連結部(5)と脱着可能とする第二連結部(12)、及びガイドワイヤー(14)が挿通され前記第一連結部(5)と第二連結部(12)とが連結された時に前記気密性保持部材(15)を圧迫して前記ガイドワイヤー挿通口(17)とガイドワイヤー(14)との気密性を付与保持する圧迫部材(18)が前記第二連結部(12)の先端部に形成されることを特徴とする。
上記ローラー部材(13)の材料は、特に限定されないが、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂等であることが好ましい。このような樹脂を用いることで、ガイドワイヤー(14)表面への損傷を最小限にすることができ、ガイドワイヤー(13)の挿入性・抜去性を良好に維持することができる。
上記ローラー部材(13)の外径は、ガイドワイヤー(14)を固定する際の操作性を低下させなければ特に限定はしないが、5mm以上、20mm以下が好ましい。また、ローラー部材(13)の幅は5mm以上、15mm以下が好ましい。この寸法範囲にすることで、ローラー部材(13)が回転した際に安定性を保つことが出来、更にガイドワイヤー(14)固定時には確実にガイドワイヤー(14)を固定することができる。
上記ローラー部材(13)の外周面の形態は、ガイドワイヤー(14)を固定した際に滑らない形態であれば特に限定はしないが、歯車(19)状であることが好ましい。歯車(19)のピッチは0.5mm以上、2mm以下、高さは0.1mm以上、0.5mm以下が好ましい。
歯車(19)のガイドワイヤー(14)と接する面の形状は特に限定はしないが、図5に示すように、曲線(a)、星型(b)、鋸型(c)であることが好ましい。このような形状にすることでガイドワイヤー(14)との固定性を向上することができる。この中でも、星型(b)、鋸型(c)の形状がガイドワイヤー(14)の固定性を更に向上させることができ、より好ましい。
上記ローラー部材(13)を回転させながらローラー部材挿通路(16)に沿ってガイドワイヤー固定部(6)の基端側に移動させることにより、ガイドワイヤー(14)を固定することができる。
この際、ローラー部材(13)の移動方向はガイドワイヤー(14)の抜去方向となるため、ガイドワイヤー(14)はローラー部材(13)の締付け力によって、より強固な固定が可能となる。
上記ローラー部材挿通路(16)は、図2に示すようにガイドワイヤー固定部(6)の先端側に向かって拡開していることが好ましい。こうすることで、ローラー部材(13)を回転させながらガイドワイヤー挿通路(16)に沿ってガイドワイヤー固定部(6)の先端側に移動させることにより、ガイドワイヤー(14)の固定を解除できる。
ローラー部材挿通路(16)の形状は、図2に示すように、ローラー部材(13)の通るガイドワイヤー固定部(6)内部の底面が先端部に向かって下に傾斜していてもいいし、図示はしないが、ガイドワイヤー固定部(6)の内部の両側面が先端部に向かって広がっていてもかまわない。
上記第二連結部(12)は、第一連結部(5)に締め付け可能なネジ部と回転式キャップ形状であることが好ましい。こうすることで上記気密性保持部材(15)に均等に圧力をかけることができる。
上記第二連結部及び圧迫部材(18)には図1及び図2に示すように、前記コネクター本体部に内設された気密性保持部材(15)が有するガイドワイヤー挿通孔(17)と同様にガイドワイヤー挿通孔(17)を設けることができる。ガイドワイヤー挿通孔(17)を第二連結部及び圧迫部材にも設けることでガイドワイヤー(14)の挿入抜去時のがたつきを更に抑制することができる。
上記ガイドワイヤー挿通孔(17)の径はガイドワイヤー(14)が挿通できる大きさであればよいが、ガイドワイヤー(14)の外径が例えば0.049インチ(約1.24mm)である場合は、その外径より若干大きい1.5mm以上、2.0mm以下であることが好ましい。
第二連結部(12)の材質はガイドワイヤー(14)を固定できる強度を有する材質であれば特に限定されないが、例えば、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂等が好ましい。筒状体(1)との嵌合を考慮すると、ネジ部の長さは3mm以上、5mm以下、ピッチは0.5mm以上、1.0mm以下が好ましい。
次に、本発明のガイドワイヤー固定具の使用方法について説明する。
ガイドワイヤーをカテーテル内に挿入した状態で、経鼻的にカテーテルを挿入する。カテーテル先端が胃に達すると、患者の体位変換やガイドワイヤーをカテーテル内から出し入れすることで、カテーテルの先端部を胃の出口まで誘導する。その際に咽頭部での屈曲角度がきついことによってガイドワイヤーがカテーテル内で滑り、体外に飛び出す可能性があるためカテーテル内でガイドワイヤーを固定する必要がある。本発明のガイドワイヤー固定具はガイドワイヤーが飛び出す方向(抜去方向)にローラー部材が締まるため、水分が多い状態でも確実にガイドワイヤーがカテーテル内に固定できる。
次に、本発明のガイドワイヤー固定具と他の機構を有する固定具との下記項目における比較試験を実施した。結果を表1に示す。
(実施例)
20cmに切断した外径0.049インチの親水性ガイドワイヤーの表面全体を水で濡らし、親水性ガイドワイヤーの一端をフォースゲージに、他端を本発明のガイドワイヤー固定具に嵌め、チャック間50mm、引張速度200mm/minにて引張試験を行い、ガイドワイヤーの固定荷重値を測定し把持強度を得た。
更に、目視にてガイドワイヤーの表面状態及び変形状態を観察した。
(比較例1)
20cmに切断した外径0.049インチの親水性ガイドワイヤーの表面全体を水で濡らし、親水性ガイドワイヤーの一端をフォースゲージに、他端を3つ爪式の固定具に嵌め、チャック間50mm、引張速度200mm/minにて引張試験を行い、ガイドワイヤーの固定荷重値を測定し把持強度を得た。
更に、目視にてガイドワイヤーの表面状態及び変形状態を観察した。
(比較例2)
3つ爪式の固定具の代わりに、コック式の固定具を用いた以外は比較例1と同様の条件にて試験を行った。
Figure 2009056134
表1の結果から明らかなように、本発明のガイドワイヤー固定具はガイドワイヤーの挿入・抜去する際の最大抵抗値と考えられる10Nよりも大きな把持強度を有し、試験後のガイドワイヤー状態も不具合のないものであった。
一方、チャック部の爪がねじ込まれることによる固定機構を用いた比較例1においては、強嵌合の場合は十分な把持強度が得られたものの、ガイドワイヤー表面に傷が付き、ガイドワイヤーの挿入・抜去の操作性が低下することが推定された。弱嵌合の場合はガイドワイヤー表面に傷は付かないが、十分な把持強度が得られなかった。
また、コック式の固定機構を用いた比較例2においては、把持強度は十分であったが、ガイドワイヤー表面に傷がつくだけでなく、ガイドワイヤーもくの字に変形するため、ガイドワイヤーの挿入・抜去における操作性が低下することが推定された。
本発明の一実施例となるガイドワイヤー固定用医療用具のカテーテル接続部とガイ ドワイヤー固定部が離れた状態における模式図を示すものである。 本発明の一実施例で、実際にガイドワイヤー固定用医療用具にガイドワイヤーが挿 入され、ローラー部材がガイドワイヤー基端部側に回転移動することによりガイド ワイヤーが固定された状態を示す側面図及びその断面である。 図2の状態における正面図及びその断面図である。 本発明の一実施例となるガイドワイヤー固定用医療用具が、カテーテル接続部とガ イドワイヤー固定部が連結された状態を示す。(ガイドワイヤーが挿入されていれ ば、圧迫部材が気密性保持部材を圧迫してガイドワイヤーとガイドワイヤー挿通孔 との気密性を保持している状態となる) 本発明の一実施例となるガイドワイヤー固定用医療用具のローラー部材の外周面形 状の模式図を示すものである。
符号の説明
1 ガイドワイヤー固定用医療用具
2 コネクター本体部
3 カテーテル接続部
5 第一連結部
6 ガイドワイヤー固定部
7 注液部
8 内腔
9 分岐部材
10 液密蓋材
11 液密キャップ装着部
12 第二連結部
13 ローラー部材
14 ガイドワイヤー
15 弁部材
16 ローラー部材挿通路
17 ガイドワイヤー挿通孔
18 圧迫部材
19 歯車

Claims (5)

  1. ガイドワイヤーをカテーテル内において固定するガイドワイヤー固定用医療用具であって、
    先端部側に形成された内腔を有するカテーテル接続部、略中央部に付設され液密蓋材が脱着自在な分岐部材、基端部側に形成された第一連結部、及びガイドワイヤーを挿通自在にするガイドワイヤー挿通口を有しガイドワイヤーを気密的に保持する気密性保持部材、を基端部側に内接する筒状のコネクター本体部と、
    ガイドワイヤーを固定/開放自在に操作可能なローラー部材、ガイドワイヤーを挿通自在とし且つ前記ローラー部材を回転移動自在にするローラー部材挿通路、先端部側に形成され前記第一連結部と脱着可能とする第二連結部、及びガイドワイヤーが挿通され前記第一連結部と第二連結部とが連結された時に前記気密性保持部材を圧迫して前記ガイドワイヤー挿通口とガイドワイヤーとの気密性を付与保持する圧迫部材が前記第二連結部の先端部に形成されたガイドワイヤー固定部と、から構成され、
    前記ローラー部材が前記ガイドワイヤー固定部の基端部側に回転移動してガイドワイヤーを固定することを特徴とするガイドワイヤー固定用医療用具。
  2. 前記ローラー部材は、前記ガイドワイヤー固定部の先端側及び基端部側に回転移動自在である請求項1に記載のガイドワイヤー固定用医療用具。
  3. 前記ガイドワイヤー固定部は、前記ローラー部材が前記ガイドワイヤー固定部の基端部側に移動するに従って前記ローラー部材挿通路が狭まり、前記ガイドワイヤー固定部の先端部側に移動するに従って前記ローラー部材挿通路が広がる構造である請求項1又は2に記載のガイドワイヤー固定用医療用具。
  4. 前記コネクター本体部の中央部近傍には、分岐部材及び液密蓋材からなり、カテーテル側に注液可能とする注液部が付設されている請求項1〜3のいずれかに記載のガイドワイヤー固定用医療用具。
  5. 前記気密性保持部材の材質はシリコーンゴムを含むものである請求項1に記載のガイドワイヤー固定用医療用具。
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