JP2009055060A - リソグラフィ装置及びデバイス製造方法 - Google Patents

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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
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Abstract

【課題】パターンが付与されたビームを基板上へ投影するためのリソグラフィ装置及び方
法を提供すること。
【解決手段】照明系は放射投影ビームを供給する。パターンは、例えば個別に制御可能な
要素のアレイによって投影ビームに付与される。基板は基板テーブル上に支持され、パタ
ーンが付与されたビームは、投影系によって基板の標的部分上へ投影される。投影系は、
パターン形成系と基板テーブルの間にひとみを画成し、ひとみと基板テーブルの間には一
連のレンズ構成要素が位置する。レンズ構成要素は、ひとみからのビームを拡大するため
のビーム・エキスパンダと、ビームに対して横切る方向に延在するレンズのアレイであっ
て、アレイのそれぞれのレンズが、投影ビームのそれぞれの部分を、基板の標的部分の対
応するそれぞれの部分上へ集束させるように延在するレンズ・アレイとを含む。レンズ構
成要素のうちの少なくとも1つの構成要素の位置、例えばビーム・エキスパンダの視野レ
ンズ又はレンズ・アレイの位置を調整して、投影系の倍率を調整する。
【選択図】図1

Description

本出願は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる2004年4月30日出願
の米国特許出願第10/835,601号の一部継続出願である。
本発明は一般にリソグラフィ装置及びデバイス製造方法に関する。
リソグラフィ装置は、基板の標的部分に所望のパターンを適用する機械である。リソグ
ラフィ装置は例えば、集積回路(IC)、フラット・パネル・ディスプレイ及び微細構造
を含む他のデバイスの製造で使用することができる。従来のリソグラフィ装置では、マス
ク又はレチクルとも呼ばれるパターン形成装置を使用して、IC(又は他のデバイス)の
個々の層に対応する回路パターンを生成することができる。このパターンを、放射感受性
材料(例えばレジスト)の層を有する基板(例えばシリコン・ウェーハ又はガラス・プレ
ート)の標的部分(例えば1つ又は複数のダイの部分)に結像させることができる。パタ
ーン形成装置はマスクの代わりに、回路パターンを生成する個別に制御可能な要素のアレ
イを含むことができる。
一般に単一の基板は、連続して露光された隣接する標的部分のネットワークを含む。周
知のリソグラフィ装置には、1つの標的部分にパターン全体を一度に露光することによっ
てそれぞれの標的部分に照射するステッパ、投影ビームのパターンを所与の方向(例えば
「走査」方向)に走査し、同時にこの方向に平行に又は非平行に基板を同期走査すること
によってそれぞれの標的部分に照射するスキャナなどがある。一般に単一の基板は、連続
して露光された隣接する標的部分のネットワークを含む。周知のリソグラフィ装置には、
1つの標的部分にパターン全体を一度に露光することによってそれぞれの標的部分に照射
するいわゆるステッパ、投影ビームのパターンを所与の方向(「走査」方向)に走査し、
同時にこの方向に平行に又は非平行に基板を同期走査することによってそれぞれの標的部
分に照射するいわゆるスキャナなどがある。
リソグラフィ装置がステップ・モードで動作するのか、又は走査モードで動作するのか
に関わらず、パターンが付与されたビームが基板表面の適当な標的部分上へ導かれること
が肝要であることを理解されたい。多くの状況では、一連のリソグラフィ処理ステップの
結果として基板表面に多層構造が構築される。基板に形成されるこれらの連続層は、互い
の位置が正確に合っていなければならない。したがって、ビーム投影系に対する基板の位
置が正確に分かり、基板表面でのパターンの倍率が厳密に制御されることに非常な注意が
払われる。一般に、固定倍率を得ることが望ましいが、いくつかの状況、例えば連続した
処理ステップとステップの間に測定によって基板の小さな歪みが指示されたときには、倍
率を調整できることが望ましい。ごく小さな割合の基板の歪みが、製造されたデバイスの
品質及び信頼性に関して重大な変位につながりうる非常に大きな基板を処理する場合には
特にそうである。
マイクロレンズ・アレイ(MLA)系では、レンズのアレイが、それぞれのレンズが対
応するそれぞれの光スポットを基板上に投影するように配置される。パターンが付与され
たビームがビーム・エキスパンダを通してマイクロレンズ・アレイ上へ投影される。ビー
ム・エキスパンダは、基板に向かって導かれる実質的に平行な放射ビームを生み出すよう
に設計される。マイクロレンズ・アレイはビーム・エキスパンダと基板の間に位置する。
マイクロレンズ・アレイのそれぞれのレンズは、この平行ビームのそれぞれの部分を、基
板の標的部分の対応するそれぞれの部分上へ集束させる。したがってマイクロレンズ・ア
レイは画素のアレイを基板上に結像させ、その結果、基板上に投影された一連の放射スポ
ットを与える。
スポットのピッチは、マイクロレンズ・アレイのレンズのピッチに直接に関係している
。これまで、マイクロレンズ・アレイ又は視野レンズの変位による倍率調整は使用されて
いない。マイクロレンズ・アレイ系の倍率を調整できないことは、このような系の重大な
欠点と見られている。
したがって、適当なレンズ変位を使用してマイクロレンズ・アレイの倍率調整を提供す
ることができる系及び方法が求められている。
本発明の一つの実施態様によれば、放射投影ビームを供給するための照明系と、投影ビ
ームの断面にパターンを付与する役目を果たすパターン形成系と、基板を支持するための
基板テーブルと、パターンが付与されたビームを基板の標的部分上へ投影するための投影
系とを備えたリソグラフィ装置が提供される。投影系は、パターン形成系と基板テーブル
の間にひとみを画成する。投影系は、ひとみと基板テーブルの間に位置する一連のレンズ
構成要素を含む。レンズ構成要素は、ひとみからのビームを拡大するためのビーム・エキ
スパンダと、ビームに対して横切る方向に延在するレンズのアレイであって、アレイのそ
れぞれのレンズが、投影ビームのそれぞれの部分を、基板の標的部分の対応するそれぞれ
の部分上へ集束させるように延在するレンズ・アレイとを含む。レンズ構成要素のうちの
少なくとも1つの構成要素の位置をひとみに対して調整して、投影系の倍率を調整するこ
とができる。
本発明の他の実施態様によればデバイス製造方法が提供される。この方法は、基板を用
意するステップと、照明系を使用して放射投影ビームを提供するステップと、パターン形
成系を使用して、投影ビームの断面にパターンを付与するステップと、ひとみを画成し、
且つひとみと基板テーブルの間に位置する一連のレンズ構成要素を含む投影系によって、
パターンが付与された放射ビームを、基板の標的部分上へ投影するステップとを含む。レ
ンズ構成要素は、ひとみからのビームを拡大するためのビーム・エキスパンダと、ビーム
に対して横切る方向に延在するレンズのアレイであって、アレイのそれぞれのレンズが、
基板の標的部分の対応するそれぞれの部分上へ集束させるように延在するレンズ・アレイ
とを含む。この方法はさらに、レンズ構成要素のうちの少なくとも1つの構成要素の位置
をひとみに対して調整することによって、投影系の倍率を調整する。
ビーム・エキスパンダの少なくとも1つのレンズ構成要素をひとみ及びレンズ・アレイ
に対して変位させ、又はレンズ・アレイを、ひとみ及びビーム・エキスパンダに対して変
位させ、又はレンズ・アレイとビーム・エキスパンダの少なくとも1つのレンズ構成要素
の両方をひとみに対して変位させることができる。
本発明の他の実施態様、特徴及び利点、並びに本発明のさまざまな実施例の構造及び動
作を、添付図面を参照して以下で詳細に説明する。
本明細書に組み込まれ本明細書の一部を構成する添付図面は、本発明を図解するととも
に、本明細書の説明とともに、本発明の原理を説明し、当業者が本発明を実施し使用する
ことを可能にする役目を果たす。
次に、添付図面を参照して本発明を説明する。図面では、同じ参照符号が同一の要素又
は機能的に同種の要素を指示する。
概要及び用語
マイクロレンズ・アレイ結像系を使用する本発明の一実施例では、照明系のビーム・エ
キスパンダの視野レンズ(視野レンズは2つ以上の別個のレンズから構成することができ
る)の機能が、視野レンズとマイクロレンズ・アレイとの間の光ビームの全ての成分が平
行であり、且つマイクロレンズ・アレイに対して垂直であることを保証することによって
、投影系をテレセントリックな系にすることにある。しかし、視野レンズとマイクロレン
ズ・アレイとの間の光ビームを実質的に平行にすることはできるが、絶対的な平行を達成
することはできない。
したがって、投影系がある程度の非テレセントリシティ(non−telecentr
icity)を有する場合、本発明の一実施例によれば、ひとみと基板テーブルの間に位
置するレンズ構成要素のうちの1つ又は複数の構成要素を変位させることによって、集束
を過度に損なうことなく小規模の倍率調整を達成することができる。
一実施例では投影系がひとみを画成する。本明細書で使用する用語「ひとみ」は、パタ
ーン形成系の異なる位置から、パターン形成系に垂直な投影ビームの軸に対して同じ角度
でパターン形成系を出た投影ビームの放射線どうしが交わる平面を指す。
例えば、本発明の一実施例に従って、視野レンズとレンズ・アレイの間に完全に平行な
放射ビームが生み出されるように最初に視野レンズが配置されたマイクロレンズ結像系を
仮定する。さらに、視野レンズに到達する光が発散光であると仮定する。マイクロレンズ
・アレイから遠ざかる方向に視野レンズを変位させるとわずかに発散する投影ビームが得
られ、マイクロレンズ・アレイに近づく方向に視野レンズを変位させるとわずかに収束す
る投影ビームが得られる。しかし視野レンズが比較的に弱いレンズである場合には、基板
の歪み(一般にppmのオーダである)を補償するために投影系の倍率を変化させるため
に必要な変位を、基板表面への投影ビームの集束に対して受け入れがたい程度の影響を及
ぼすことなく達成することができる。基板に近づく方向又は基板から遠ざかる方向へのマ
イクロレンズ・アレイの変位による焦点の変化は1次の効果であり、その結果生じる倍率
の変化は2次の効果だが、それでもやはり有用な倍率調整は実施することができる。
この実施例では、視野レンズを、1枚のレンズ又は2枚以上のレンズから構築すること
ができる。それぞれの視野レンズを、マイクロレンズ・アレイに近づく方向又はマイクロ
レンズ・アレイから遠ざかる方向へ単純に平行移動させ、或いは、露光する基板の表面上
で倍率の差が生じるように視野レンズを傾けることができる。同様に、マイクロレンズ・
アレイを平行移動させ、且つ/又は傾けることもできる。
本明細書で使用する用語「個別に制御可能な要素のアレイ」は、入射投影ビームの断面
にパターンを付与して、基板の標的部分に所望のパターンを形成することができるように
するために使用することができる装置を指すものと広く解釈しなければならない。この文
脈では用語「光弁」及び「空間的光変調器」(SLM)も使用することができる。このよ
うなパターン形成装置の例については後に論じる。
プログラム可能ミラー・アレイは、粘弾性制御層及び反射面を有する、マトリックス式
のアドレス指定が可能な表面を含む。このような装置の基本原理は、例えば反射面のアド
レス指定された領域は入射光を回折光として反射し、アドレス指定されていない領域は入
射光を非回折光として反射するというものである。適当な空間フィルタを使用して非回折
光を反射ビームから除き、回折光だけを残して基板に到達させることができる。このよう
にしてビームには、マトリックス式アドレス指定可能面のアドレス指定パターンに従った
パターンが付与される。
代替実施例として、フィルタが回折光を除去し、非回折光を残して基板に到達させるこ
ともできることを理解されたい。回折光学マイクロ電気機械系(micro elect
rical machanical system:MEMS)デバイスのアレイを対応
する方法で使用することもできる。それぞれの回折光学MEMSデバイスは、入射光を回
折光として反射する格子を形成するために互いに対して変形することができる複数の反射
リボンを含むことができる。
他の代替実施例は、適当な局所電界を適用することによって、又は圧電作動手段を使用
することによって軸を中心にそれぞれを個別に傾けることができる小さなミラーのマトリ
ックス配置を使用するプログラム可能ミラー・アレイを含む。この場合も、ミラーはマト
リックス式のアドレス指定が可能であり、アドレス指定されたミラーは入射放射ビームを
、アドレス指定されていないミラーとは異なる方向に反射させる。このようにして、反射
ビームに、マトリックス式アドレス指定可能ミラーのアドレス指定パターンに従ったパタ
ーンが付与される。必要なマトリックス式アドレス指定は適当な電子手段を使用して実施
することができる。
上で説明したどちらの例でも、個別に制御可能な要素のアレイは、1つ又は複数のプロ
グラム可能ミラー・アレイを備えることができる。ここで述べたミラー・アレイの詳細な
情報は、例えばその全体が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第5,296,8
91号及び5,523,193号、並びにPCT特許出願WO98/38597及びWO9
8/33096から得ることができる。
プログラム可能LCDアレイも使用することができる。このような構造の一例が、その
全体が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第5,229,872号に開示されて
いる。
例えば画像構造のプレバイアス、光学的近接効果補正画像構造、位相変動技法及び多重
露光技法を使用する場合には、個別に制御可能な要素のアレイ上に「表示される」パター
ンが、基板の層又は基板上に最終的に転写されるパターンとは大きく異なる可能性がある
ことを理解されたい。同様に、基板上に最終的に生み出されるパターンが、個別に制御可
能な要素のアレイ上に瞬間的に形成されるパターンと一致しない可能性もある。このこと
は、基板のそれぞれの部分上に形成される最終的なパターンが構築される所与の期間又は
所与の露光回数の間に、個別に制御可能な要素のアレイ上のパターン及び/又は基板の相
対位置が変化する配置で起こり得る。
本明細書ではこの文脈において、IC製造でのリソグラフィ装置の使用を特に参照する
が、本明細書に記載のリソグラフィ装置は他の応用、例えばDNAチップ、MEMS、M
OEMS、集積光学系、磁区メモリの誘導及び検出パターンフラット・パネル・ディスプ
レイ、薄膜磁気ヘッドなどの製造を有することを理解されたい。このような代替応用の文
脈において、本明細書で使用される用語「ウェーハ」又は「ダイ」はそれぞれ、より一般
的な用語「基板」又は「標的部分」と同義と考えることができることを当業者は理解され
たい。本明細書で参照する基板は、露光の前又は後に、例えばトラック(一般にレジスト
の層を基板に塗布し露光したレジストを現像するツール)或いは測定又は検査ツールで処
理することができる、適用可能な場合には本明細書の開示を、このような基板処理ツール
及び他の基板処理ツールに適用することができる。さらに、例えば多層ICを作り出すた
めに基板は2回以上処理することができ、そのため、本明細書で使用する用語基板は、処
理された複数の層をすでに含む基板を指すこともできる。
本明細書で使用する用語「放射」及び「ビーム」は、紫外(UV)放射(例えば波長3
65、248、193、157又は126nm)、極紫外線(EUV)放射(例えば波長
5〜20nm)、及びイオン・ビーム、電子ビームなどの粒子ビームを含む、あらゆるタ
イプの電磁放射を包含する。
本明細書で使用する用語「投影系」は、屈折光学系、反射光学系及び反射屈折光学系を
含む、例えば使用する露光放射、又は浸液の使用、真空の使用などの他の要素に関して適
当な、さまざまなタイプの投影系を包含するものと広く解釈しなければならない。本明細
書での用語「レンズ」の使用は、より一般的な用語「投影系」の使用と同義と考えること
ができる。
照明系も、放射投影ビームを誘導し、成形し、制御する、屈折、反射及び反射屈折光学
構成要素を含むさまざまなタイプの光学構成要素を包含し、以下、このような構成要素を
集合的に又は単独で「レンズ」と呼ぶことがある。
リソグラフィ装置は、2つ(例えばデュアル・ステージ)又は3つ以上の基板テーブル
(及び/又は2つ以上のマスク・テーブル)を有するタイプの装置とすることができる。
このような「多ステージ」装置では、これらの追加のテーブルを並行して同時に使用する
ことができ、或いは、1つ又は複数のテーブルを露光に使用している間に他の1つ又は複
数のテーブル上で準備ステップを実施することができる。
リソグラフィ装置は、比較的高い屈折率を有する液体(例えば水)に基板を浸して、投
影系の最後の要素と基板の間の空間を満たすタイプの装置とすることもできる。リソグラ
フィ装置の他の空間、例えばマスクと投影系の最初の要素との間の空間で浸液を使用する
こともできる。液浸技法は、投影系の開口数を増大させるものとして当技術分野でよく知
られている。
この装置はさらに、流体と基板の照射部分との間の相互作用を可能にする(例えば基板
に化学物質を選択的に付着させ、又は基板の表面構造を選択的に修正する)流体処理セル
を備えることができる。
リソグラフィ投影装置
図1に、本発明の一実施例に基づくリソグラフィ投影装置100を概略的に示す。装置
100は少なくとも、放射系102と、個別に制御可能な要素のアレイ104と、物体テ
ーブル106(例えば基板テーブル)と、投影系(「レンズ」)108とを含む。
放射系102は、放射(例えばUV放射)投影ビーム110を供給するために使用する
ことができ、この特定のケースではさらに放射源112を含む。
個別に制御可能な要素のアレイ104(例えばプログラム可能ミラー・アレイ)は、投
影ビーム110にパターンを付与するために使用することができる。個別に制御可能な要
素のアレイ104の位置は、一般に投影系108に対して固定することができる。しかし
代替装置では、個別に制御可能な要素のアレイ104を、投影系108に対してアレイ1
04を正確に配置するための位置決め装置(図示せず)に接続することができる。図示の
通り、個別に制御可能な要素104は(例えば個別に制御可能な要素の反射型アレイを有
する)反射型である。
物体テーブル106は、基板114(例えばレジストでコーティングされたシリコン・
ウェーハ又はガラス基板)を保持するための基板ホルダ(具体的には図示されなていない
)を備えることができ、投影系108に対して基板114を正確に配置するための位置決
め装置116に接続することができる。
投影系108(例えば石英及び/又はCaF2レンズ系、或いは該材料から作られたレ
ンズ要素を含む反射屈折光学系、或いはミラー系)は、ビーム・スプリッタ118から受
け取ったパターンが付与されたビームを基板114の標的部分120(例えば1つ又は複
数のダイ)上へ投影するために使用することができる。投影系108は、個別に制御可能
な要素のアレイ104の像を基板114上に投影することができる。投影系108は或い
は、個別に制御可能な要素のアレイ104の要素がそれに対するシャッタの働きをする2
次源の像を投影することができる。投影系108はさらに、2次源を形成しマイクロスポ
ットを基板114上に投影するためのマイクロレンズ・アレイ(MLA)を含むことがで
きる。
放射源112(例えばエキシマ・レーザ)は放射ビーム122を生み出すことができる
。ビーム122は、直接に、又は例えばビーム・エキスパンダ126などの調節装置12
6を通過させた後に、照明系(照明装置)124に供給される。照明装置124は、放射
ビーム122の強度分布の半径方向外側及び/又は半径方向内側の広がり(普通はσイン
ナー及びσアウターと呼ばれる)を設定する調整装置128を備えることができる。さら
に照明装置124は一般に、インテグレータ130、コンデンサ132など、他のさまざ
まな構成要素を含む。このようにして、個別に制御可能な要素104のアレイに入射する
投影ビーム110は、所望の断面均一性及び断面強度分布を有する。
図1に関して、放射源112は、(例えば放射源112が水銀ランプであるときにしば
しばそうであるように)リソグラフィ投影装置100のハウジングの中に収容することが
できることに留意されたい。代替実施例では、放射源112を、リソグラフィ投影装置1
00から分離して配置することもできる。この場合、放射ビーム122は(例えば適当な
誘導ミラーの助けを借りて)装置100の中に導かれることになる。この後者のシナリオ
は、放射源112がエキシマ・レーザであるときにしばしば用いられる。これらのシナリ
オはともに本発明の範囲内で企図されることを理解されたい。
ビーム110は続いて、ビーム・スプリッタ118を使用して導かれた後に個別に制御
可能な要素のアレイ104に入射する。個別に制御可能な要素のアレイ104によって反
射された後、ビーム110は投影系108を通過し、投影系108はビーム110を、基
板114の標的部分120上に集束させる。
位置決め装置116(及び任意選択で、ビーム・スプリッタ140を介して干渉計ビー
ム138を受け取るベース・プレート136上の干渉計測定装置134)を用いて、ビー
ム110の通り道に別の標的部分120が配置されるように、基板テーブル106を正確
に移動させることができる。個別に制御可能な要素のアレイ104の位置決め装置を使用
する場合には、これを使用して、例えば走査中に、ビーム110の経路に対する個別に制
御可能な要素のアレイ104の位置を、正確に補正することができる。物体テーブル10
6の移動は一般に、図1には明示されていない長ストローク・モジュール(おおまかな位
置決め)及び短ストローク・モジュール(細かい位置決め)を用いて実現される。同様の
系を使用して、個別に制御可能な要素のアレイ104の位置を決めることもできる。或い
は/これに加えて、物体テーブル106及び/又は個別に制御可能な要素のアレイ104
の位置を固定し、必要な相対移動を得るために、投影ビーム110のほうを移動させるこ
ともできる。
この実施例の代替構成では、基板テーブル106を固定とし、基板114を基板テーブ
ル106上で移動させる。この場合、基板テーブル106はその平らな上面に多数の開口
を有し、この開口を通して、基板114を支持することができるガス・クッションを提供
するガスが供給される。これは従来から空気支持装置と呼ばれているものである。ビーム
110の経路に対して基板114を正確に位置決めする能力を有する1つ又は複数のアク
チュエータ(図示せず)を使用して、基板114を基板テーブル106上で移動させる。
或いは、開口を通したガスの放出を選択的に開始/停止することによって、基板114を
基板テーブル106上で移動させることもできる。
本明細書では、本発明に基づくリソグラフィ装置100を、基板上のレジストを露光す
るための装置として説明するが、本発明はこの使用法に限定されるものではなく、レジス
トレス・リソグラフィで、パターンが付与された投影ビーム110を投影するために装置
100を使用することもできることを理解されたい。
図示の装置100は以下の4つの好ましいモードで使用することができる。
1.ステップ・モード:個別に制御可能な要素のアレイ104上のパターン全体を、1
つの標的部分120の表面に一度に(すなわち1回の静止露光で)投影する。次いで、パ
ターンが付与された投影ビーム110によって別の標的部分120を照射するために、基
板テーブル106を別の位置へx及び/又はy方向に移動させる。
2.走査モード:ステップ・モードと本質的には同じだが、所定の標的部分120が1
回の静止露光では露光されない点が異なる。その代わりに、個別に制御可能な要素のアレ
イ104が、所定の方向(いわゆる「走査方向」、例えばy方向)に速度vで移動するこ
とができ、そのため投影ビーム110は個別に制御可能な要素のアレイ104の上を走査
する。同時に、基板テーブル106を、同じ方向又は反対方向に速度V=Mvで同期移動
させる。ここでMは投影系108の倍率である。このようにすると、解像度を犠牲にする
ことなく、比較的に大きな標的部分120を露光することができる。
3.パルス・モード:個別に制御可能な要素のアレイ104を本質的に固定し、パルス
放射系102を使用して基板114の1つの標的部分120にパターン全体を投影する。
パターンが付与された投影ビーム110が基板106を横切る線を走査するように、基板
テーブル106を本質的に一定の速度で移動させる。放射系102のパルスとパルスの間
に、個別に制御可能な要素のアレイ104上のパターンが必要に応じて更新され、基板1
14上の必要な位置の連続した標的部分120が露光されるようにパルスのタイミングが
調節される。その結果、パターンが付与された投影ビーム110が基板114を走査して
、基板114の帯状部分に完全なパターンを露光することができる。基板114の全体が
ラインごとに露光されるまでこのプロセスを繰り返す。
4.連続走査モード:パルス・モードと本質的には同じだが、実質的に一定の放射系1
02が使用される点、及び、パターンが付与された投影ビーム110が基板114を走査
しこれを露光するときに個別に制御可能な要素のアレイ104上のパターンが更新される
点が異なる。
上で説明した使用モードの組合せ及び/又は変形、或いは全く異なる使用モードを使用
することもできる。
図2に、図1に示した本発明の実施例を詳細に示す。図1の個別に制御可能な要素のア
レイ104は図2のアレイ1に対応し、図1の基板114は図2の基板2に対応する。
図2に示した実施例では、放射ビーム(図示せず)がビーム・スプリッタ3によって、
一連のレンズ4、5及び6を通してアレイ1に向かって反射される。次いで光はアレイ1
で反射され、レンズ6、5及び4を通り、次いでビーム・スプリッタ3を通過する。ビー
ム・スプリッタ3を出た光は、レンズ7、8、9及び10によって画成されたビーム・エ
キスパンダ並びにマイクロレンズ・アレイ11を通過し、マイクロレンズ・アレイ11は
一連の光スポットを基板2上に集束させる。レンズ7及び8は、ビーム・スプリッタ3を
出たビームを拡大する。レンズ9及び10は視野レンズの役目を果たし、マイクロレンズ
・アレイ11において実質的に平行なビームを生み出す。これは、名目上テレセントリッ
クな光学系を生み出す。レンズ9、10及び11はフレーム12、13及び14内に支持
されており、フレーム12、13及び14の位置は調整可能であり、そのためレンズ9、
10及び11の小さな変位を制御された方法で達成することができる。図2に示したケー
スでは、レンズ7がある平面にひとみが画成される。
フレーム12、13及び14には変位アクチュエータ(図示せず)が取り付けられてお
り、レンズ9、10及び11の位置を調整するために使用される。これらのアクチュエー
タは、これらのレンズの高さ及び/又は傾きを調整するために使用される。このアクチュ
エータは、それらに限定されないが、例えば電子機械、電磁気、熱、圧電アクチュエータ
とすることができ、又はレンズの位置を正確に制御するのに都合のよい任意の方法で動作
することができる。後に説明するように、アクチュエータ駆動機構(図示せず)は制御系
から変位制御情報を受け取る。レンズの変位量はフィードバック制御配置(図示せず)を
使用して測定され制御される。さらに、レンズの位置を倍率に関係付けるアルゴリズムが
使用される。後に説明するように、このアルゴリズムは、シミュレーション又は実験によ
ってモデル化することができる。
個別に制御可能な要素の例示的なアレイ
次に図3から7を参照すると、個別に制御可能な要素のアレイ1の詳細が示されている
。アレイ1は空間的光変調器のアレイ(図3)を含む。空間的光変調器の全般的な特徴は
、例えばその全体が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第5311360号に
記載されている。
図3に示した実施例では空間的光変調器が、アレイ1の領域15に画成された駆動機構
によって個別に制御可能な8×8個の要素のアレイを含む。もちろん代替実施例では、ず
っと大きなアレイ、例えば512×512又は1024×1024アレイが使用される。
アレイ1の要素はそれぞれ、細長い一連の変位可能部材16を含む(図4)。変位可能部
材16は、変位可能部材16に隣接して位置するサンプル及びホールド回路17によって
制御することができる(図5)。
図4及び5に示した実施例では、それぞれの要素が、アレイ上に導かれた投影ビームに
付与するパターンの1画素に対応する。変位可能部材16は通常、共面構成をとり、それ
によってミラーを画成する。このことが図6に示されており、この図では矢印18が入射
光を表し、矢印19が反射光を表す。
図7に、それぞれの要素にバイアス電圧を印加したときに変位可能部材16を所望の位
置に移動させる、本発明の一実施例に基づく方法を示す。この状態では矢印20によって
示された入射光は単純には反射されず、矢印21によって指示されているように回折する
。このような回折光は、露光される基板2の方へ向かって光学系を逆戻りしない。このよ
うにして、図2のレンズ7、8、9、10及び11に送達される光ビームに所望のパター
ンを付与することができる。
例示的なマイクロレンズ・アレイ
図8に、本発明の一実施例に基づくマイクロレンズ・アレイの構造を示す。図示の構造
は例えば図2の構成要素11に対応する。マイクロレンズ・アレイは本質的に、それぞれ
のレンズが1画素の光を基板2上に集束させる、非常に小さな多数のレンズを含む。
図9に、基板2上へ投影される本発明の一実施例に基づく点のマトリックスを概略的に
示す。
図8及び9を参照すると、光学系の走査方向、例えばマイクロレンズ・アレイの下で基
板2が変位する方向24に平行な線23によって示された方向に対して傾いた破線22に
よって指示された方向に点のマトリックスが整列するように光学系が配置されている。し
たがって、マイクロレンズ・アレイの下で基板を矢印24の方向に変位させるときに個々
の画素を適当な制御によって、基板上に所望の露光パターンを構築することができる。
視野レンズを使用して投影ビームを変化させるための例示的な構成
図10に、本発明の一実施例に基づくマイクロレンズ・アレイ11の下に位置する基板
2を概略的に示す。この実施例では視野レンズ25が1枚のレンズを有する。視野レンズ
は、図10に示すようにレンズを1枚、図2に示すようにレンズを2枚、又はレンズを3
枚以上含むことができることを理解されたい。ただしこれらのどの実施例でも、視野レン
ズの目的は実質的に平行な投影ビームを生み出すことにある。この実施例では投影ビーム
26が示されている。投影ビーム26は、マイクロレンズ・アレイ11の個々のそれぞれ
のレンズ要素27を照射する。所望の応用例に基づいて任意の数の要素27を使用するこ
とができるが、この図には、そのうちの3つだけが示されている。
マイクロレンズ・アレイ11はビーム26に垂直に、すなわち露光する基板2の表面に
水平に延在する。マイクロレンズ・アレイ11と基板2の間の間隔は、アレイ104(図
1)又はアレイ1(図2)のそれぞれの画素が基板2の表面で集束する間隔である。投影
系の主光軸28はそれぞれのレンズ27の線29に平行である(線29は、マイクロレン
ズ・アレイ11のそれぞれのレンズ27から基板2に向かって光が導かれる方向を示す)
。この図では投影系が、図示の放射線が視野レンズ25の上方で軸28と交わっている平
面に対応するひとみを画成する。
図11は、図10の実施例が用いられているときの3×3レンズ・アレイを示す、アレ
イ11の概略上面図である。1枚のレンズの周縁が円30によって、そのレンズ上へ投影
する照明ビームの外周が円31によって示され、そのレンズによってその下の基板上に集
束される像スポットの位置が円32によって示されている。この実施例では円30、31
及び32が同心円である。倍率は、基板上の像スポット間の間隔の関数であり、この実施
例ではこの間隔がアレイ11のレンズの間隔に等しい。
いくつかの状況では、基板表面の歪みを補償するために光学系の倍率を調整することが
望ましい。例えば、基板の寸法が熱膨張又は収縮の影響を受ける場合には、光学系の倍率
に小さな調整を加えることによって、その熱膨張又は収縮を適合させることができること
が望ましい。
本発明の一実施例によれば、視野レンズ25の位置を調整し、レンズ・アレイ11の位
置を調整し、又は視野レンズ25の位置とレンズ・アレイ11の位置の両方を調整するこ
とによって、これを達成することができる。視野レンズ25は一般に比較的に弱いレンズ
であるため、視野レンズ25の小さな変位は解像度の1次変化をもたらさない。しかし視
野レンズ25の小さな変位は、マイクロレンズ・アレイ11によって投影されるスポット
を互いに近づけ(倍率を下げる場合)、又は互いから遠ざける(倍率を上げる場合)。同
様に、アレイ11の小さな移動によって、基板表面での集束を過度に損なうことなく倍率
を調整することができる。
図12に、マイクロレンズ・アレイ11の方向への視野レンズ25の小さな変位に対す
る光学系の応答を示す。系全体の光軸28上にマイクロレンズ・アレイ11によって投影
されるスポットの位置は変わらないが、線29は、基板2に近づくにつれ光軸28に向か
って、内側に傾く。
図13に、アレイ11のレンズ円30に対する照明ビームレットの周円31及び像スポ
ット32の変位を示す。像スポット32の位置は、対応する図11の像スポット32(白
抜きの円として示されている)の位置の上に重ねて示されている。この図は、光学系の倍
率が効果的に低減されることを示している。集束は若干損なわれるが、線29の傾きは比
較的に小さく、その全体的な効果はそれほど大きくない。このように、視野レンズ25を
変位させることによって倍率範囲の小さな変化(15ppm程度)を容易に達成すること
ができる。
図14及び15に、視野レンズ25をマイクロレンズ・アレイ11から遠ざけた結果を
示す。このように視野レンズ25を変位させると、基板2に向かうにつれて線29が軸2
8に対して外側へ傾く。したがって図14及び15は光学系全体の倍率の小さな増大を示
す。
説明を分かりやすくするため、図12及び14に示した線29の変位は、倍率の変化が
15ppm程度である実際の線29の傾きに比べて大幅に誇張されていることを理解され
たい。倍率変化の範囲は数ppm、又は15ppm超、例えば100ppmにすぎない。
図10から15には視野レンズ25が1枚だけ示されているが、2枚以上の視野レンズ
を提供することができることも理解されたい。例えば、2枚の視野レンズ9及び10が提
供された図2では、それぞれのレンズを支持フレーム12及び13上で変位させて、適当
な倍率変化を達成することができる。
図12及び14に示した実施例では、主光軸28に平行な方向に視野レンズ25を変位
させる。その結果、基板2の領域全体にわたって倍率の変化は均一になる。他の実施例に
おいては、基板2上の位置によって異なる倍率調整を実施することが望ましいこともある
ことを理解されたい。例えば、大型液晶ディスプレイを製造するために使用されるタイプ
の基板と同様の大きな基板上の温度勾配の結果として倍率調整を実施する場合がこれに当
たる。
図16には、本発明の一実施例に基づく、視野レンズ25の2つの考えられ得る位置(
一方が実線、他方が破線で示されている)及びその結果生じる2組の像スポットが示され
ている。この実施例では、視野レンズ25を光軸28に対して傾けて、アレイ11の一方
の側の倍率を低下させ、アレイ11の他方の側の倍率を増大させることができる。アレイ
11のこの2つの側の間の倍率調整はアレイ11上の位置によって異なる。
視野レンズ25を移動させ、レンズ・アレイ11は移動させない場合の効果については
図10から16に示されている。
図2に示すように、フレーム14を変位させることによってレンズ・アレイ11を変位
させることもできる。
レンズ10とレンズ・アレイ11の間の照明ビームが完全には平行ではない一実施例で
は、アレイ11を軸方向に変位させると、レンズ10を軸方向に変位させた場合と同じよ
うに倍率が変化する。レンズ・アレイ11を軸方向に移動させると、集束がいくらか損な
われるが、これが過大と考えられる場合には、基板2の位置を軸方向に調整することによ
ってこれを補償することができる。同様に、レンズ・アレイ11を傾けて光軸に対するア
レイ11の傾きを変化させると、基板上の位置によって倍率の変化が違ってくる。
したがって本発明は、マイクロレンズ・アレイに依存した、小さいが潜在的にきわめて
重要なリソグラフィ装置の倍率調整の実施を可能にする。
例示的な動作
図17は、本発明の一実施例に基づく倍率制御プロセス1700を示す流れ図である。
この実施例では視野レンズだけを変位させる。この方法は、上記の系のうちの1つ、又は
他のリソグラフィ系によって実行できることを理解されたい。
ステップ1702で、所望の名目倍率を計算して名目倍率出力33を得る。次いで投影
系を通して光を投影する。視野レンズは所定の名目位置に置く。ステップ1704で、実
際の倍率を測定して測定倍率出力34を得る。一実施例ではこれを、アライメント・セン
サを使用して実施することができる。ステップ1706で、名目倍率出力33と測定倍率
出力34とを比較して、名目倍率を達成するために必要な倍率変化を表す倍率誤差出力3
5を得る。
ステップ1708で、倍率誤差出力35を、事前に導き出しておいた、倍率と視野レン
ズの位置との間の関係のモデルに入力する。このステップでは次いでこのモデルを使用し
て、達成された場合に倍率誤差がゼロになる所望の視野レンズ位置に対応する所望のアク
チュエータ位置を表すアクチュエータ制御出力36を得る。出力36を視野レンズ位置制
御系37に入力する。視野レンズ位置制御系37は、アクチュエータ制御出力36によっ
て指示された位置まで視野レンズ38を変位させるために使用される信号1710を出力
する。視野レンズ位置変位検知系39によって実際の視野レンズ位置を測定する。この系
は出力40を生成する。出力信号40はフィードバック制御信号として使用され、このフ
ィードバック制御信号はアクチュエータ制御系37によって受け取られる。フィードバッ
ク制御信号40は、実際の視野レンズ位置が、出力36によって表される所望の視野レン
ズ位置に一致することを保証する。
さまざまな実施例において、倍率と視野レンズ位置との間の関係のモデルは、以下に論
じるようにシミュレーション又は実験によって導き出すことができる。
一実施例では、光学投影系の設計に基づいて、その投影系の性能をシミュレートするこ
とができる。これを実行して、系の非テレセントリシティを、投影光学系のひとみに対す
る視野レンズの位置、すなわちビーム・エキスパンダに対する視野レンズの位置の関数と
して計算することができる。この実施例では、基板レベルでの投影系の倍率を、非テレセ
ントリシティ、レンズ・アレイの幾何形状、及び視野レンズに対するレンズ・アレイの位
置から導き出すことができる。このようにして、視野レンズの位置とレンズ・アレイの位
置の間の関係のモデルを得ることができる。次いでこのモデルを例えばルックアップ・テ
ーブルとして制御系にプログラムする。次いでこのモデルを、図17を参照して説明した
ように使用して、視野レンズの位置を調整するアクチュエータの移動を制御する。
他の実施例では、シミュレーションではなく実験を使用することができる。視野レンズ
位置の変化と結果として生じる倍率の変化との間の関係を測定系を使用して測定する。こ
のプロセスを繰り返して、ある範囲の位置及び位置に対応する倍率を測定する。これらの
測定からルックアップ・テーブルを得る。このルックアップ・テーブルを制御系にプログ
ラムする。露光系の動作中にこのルックアップ・テーブルは、系によって測定された倍率
誤差とともに、視野レンズを移動させるためのアクチュエータへの入力を提供する。この
ようにして倍率誤差は補正される。機械ドリフトを補償するため、この実験を定期的に実
行し、ルックアップ・テーブルを定期的に更新することができる。
図2を参照して説明した本発明の実施例は一例として回折光学(MEMS)装置を使用
しているが、他のコントラスト装置を使用することもでき、任意の可変コントラスト装置
又は制御可能な透過型パターン付与装置を使用して、調整可能な視野レンズ及び調整可能
なレンズ・アレイを通して投影されるビームに適当なパターンを付与することもできるこ
とを理解されたい。同様に、適当な設計のビーム・エキスパンダ、例えば屈折型又は反射
型のビーム・エキスパンダを使用することができる。このような変更及び置換えは全て本
発明の範囲内で企図される。
視野レンズを使用して投影ビームを変化させるための例示的な構成
図18及び19は、本発明の一実施例に基づく視野レンズ、マイクロレンズ及び基板の
概略図である。図18及び19の参照符号は図10で使用した符号と対応する。
図18を参照すると、マイクロレンズ・アレイ11の焦点面よりも上方に基板2が位置
している。これは例えば基板2に膨らみがある場合に起こる。従来はこれが起こると、焦
点面と一致するまで基板を移動させていた。しかし、大面積の基板、例えばフラット・パ
ネル・ディスプレイ基板、を使用する場合には、基板を焦点面まで移動させることができ
ない場合がある。本発明のこの実施例では、この不一致を補正するために基板2に対して
マイクロレンズ11を移動させる。
図19を参照すると、マイクロレンズ・アレイ11が上方へ移動されており、その結果
、マイクロレンズ・アレイ11が視野レンズ25に近づいている。マイクロレンズ・アレ
イ11の焦点面も対応する量だけ上方へ移動し、その結果、基板2が焦点面に位置してい
る。このように、マイクロレンズ・アレイ11を使用することによって基板2の膨らみを
補正することができる。
レンズ27のそれぞれの線29はマイクロレンズ・アレイ11の移動後も投影系の主光
軸28と平行であることを理解されたい。言い換えると、このマイクロレンズ・アレイ1
1の移動によって系の倍率は変化しない。一実施例では、視野レンズ25が、投影系の残
りの構成要素(図2参照)に関して、マイクロレンズ・アレイ11の移動の前に線29が
例えば図10に示すように平行となるように配置される。
図20は、本発明の一実施例に基づくマイクロレンズ・アレイの上面図である。この実
施例では、3つのアクチュエータ50を使用してマイクロレンズ・アレイ11を作動させ
る。アクチュエータ50は、マイクロレンズ・アレイ11の周縁に結合されており、独立
に操作可能である。マイクロレンズ・アレイ11を上昇又は下降させるときには、3つの
全てのアクチュエータ50を操作する。
マイクロレンズ・アレイ11の1つの辺又は角を上方へ移動させ、残りを動かさないこ
とが望ましい場合があることを理解されたい。例えばこれを使用して、マイクロレンズ・
アレイ11の1つの辺又は1つの角の下の部分だけにある基板2の膨らみを考慮するため
に、焦点面の補正を実施することができる。この実施例では、必要なマイクロレンズ・ア
レイ11の移動に応じて1つ又は2つのアクチュエータ50を操作する。この実施例では
、レンズ27の線29が投影系の主光軸28に対して平行でなくなることがある。視野レ
ンズ25の位置を調整することによって、この偏位の一部を補正することができる。
図には投影系を1つだけ示したが、リソグラフィ装置は、同時に使用されるいくつかの
投影系を備えることができることを理解されたい。例えば、フラット・パネル・ディスプ
レイ・スクリーンを製造するために使用されるリソグラフィ系は、フラット・パネル・デ
ィスプレイ基板の全幅を覆うように配置された複数の投影系を備えることができる。それ
ぞれの投影系の光学要素は独立に調整することができる。
結語
本発明のさまざまな実施例を説明したが、それらは例示のために提示したものであって
、本発明を限定するものではないことを理解されたい。本発明の趣旨及び範囲から逸脱す
ることなくこれらの実施例に形態及び詳細のさまざまな変更を加えることができることは
当業者には明白である。したがって本発明の範囲は上記の例示的な実施例によっては限定
されず、前記請求項及びそれらの等価物によってのみ定義される。
本発明の第1の実施例に基づくリソグラフィ装置を示す図である。 図1をより詳細に示す本発明の一実施例に基づく図である。 本発明の一実施例に基づく空間的光変調器のアレイの概略図である。 図3の空間的光変調器アセンブリの変位可能要素の斜視図である。 図3の空間的光変調器の1つの要素の概略図である。 図3に示した空間的光変調器の1つの要素の状態を示す図である。 図3に示した空間的光変調器の1つの要素の他の状態を示す図である。 本発明の一実施例に基づくマイクロレンズ・アレイの斜視図である。 マイクロレンズ・アレイを使用するときに依存する本発明の一実施例に基づく露光原理の概略図である。 名目倍率構成をとる本発明の一実施例に基づく視野レンズ、マイクロレンズ及び基板の概略図である。 名目倍率で投影された像スポットの位置を示す本発明の一実施例に基づくマイクロレンズ・アレイの上面図である。 図10に対応する、視野レンズを変位させて倍率を低くした後の図である。 図12に示すように視野レンズを変位させた後の低い倍率での像スポットの位置を示すマイクロレンズ・アレイの上面図である。 図10に対応する、視野レンズを変位させて倍率を高くした後の図である。 図14に示すように視野レンズを変位させた後の高い倍率での像スポットの位置を示すマイクロレンズ・アレイの上面図である。 マイクロレンズ・アレイに対する視野レンズの傾きの変更の結果を示す本発明の一実施例に基づく視野レンズ、マイクロレンズ及び基板の概略図である。 本発明の一実施例に基づく倍率測定/調整プロセスを表す流れ図である。 本発明の一実施例に基づく視野レンズ、マイクロレンズ及び基板の概略図である。 本発明の一実施例に基づく視野レンズ、マイクロレンズ及び基板の概略図である。 本発明の一実施例に基づくマイクロレンズ・アレイの上面図である。
符号の説明
1 個別に制御可能な要素のアレイ
2 基板
3 ビーム・スプリッタ
4 レンズ
5 レンズ
6 レンズ
7 レンズ
8 レンズ
9 レンズ
10 レンズ
11 マイクロレンズ・アレイ
12 フレーム
13 フレーム
14 フレーム
15 駆動機構
16 変位可能部材
17 サンプル及びホールド回路
18 入射光
19 反射光
20 入射光
21 回折光
25 視野レンズ
26 投影ビーム
27 レンズ要素
28 主光軸
29 レンズ要素の線
30 レンズの周縁
31 照明ビームの外周
32 像スポット位置
100 リソグラフィ投影装置
102 放射系
104 個別に制御可能な要素のアレイ
106 物体テーブル
108 投影系
110 投影ビーム
112 放射源
114 基板
116 位置決め装置
118 ビーム・スプリッタ
120 標的部分
122 放射ビーム
124 照明系(照明装置)
126 調節装置(ビーム・エキスパンダなど)
128 調整装置
130 インテグレータ
132 コンデンサ
134 干渉計測定装置
136 ベース・プレート
138 干渉計ビーム
140 ビーム・スプリッタ

Claims (14)

  1. パターンが付与されたビームを供給するパターン形成系と、
    基板を支持する基板テーブルと、
    前記パターンが付与されたビームを前記基板の標的部分上へ投影し、前記パターン形成系と前記基板テーブルの間にひとみを画成する投影系と
    を備え、前記投影系が、
    前記ひとみと前記基板テーブルの間に位置する一連のレンズ構成要素
    を含み、前記レンズ構成要素が、
    前記ひとみからの前記パターンが付与されたビームを拡大するビーム・エキスパンダと、
    前記パターンが付与されたビームに対して横切る方向に延在するレンズのアレイであって、前記レンズ・アレイのそれそれのレンズが、前記パターンが付与されたビームのそれぞれの部分を、前記基板の前記標的部分の対応するそれぞれの部分上へ集束させるように延在するレンズ・アレイと
    を含み、
    前記投影系の倍率を調整するため、前記ビーム・エキスパンダは非平行なビームを前記レンズ・アレイに対して放射し、前記レンズ・アレイはその位置が前記ひとみに対して調整可能に構成された
    リソグラフィ装置。
  2. 前記ひとみ及び前記ビーム・エキスパンダに対して前記レンズ・アレイを変位させるアクチュエータ系をさらに備えた、請求項1に記載のリソグラフィ装置。
  3. 前記アクチュエータ系が3つ以上のアクチュエータを含む、請求項2に記載のリソグラフィ装置。
  4. 前記アクチュエータが独立に操作可能である、請求項3に記載のリソグラフィ装置。
  5. 前記パターンが付与されたビームに対する前記レンズ・アレイの傾きを調整することができる、請求項1に記載のリソグラフィ装置。
  6. パターンが付与されたビームを供給するステップと、
    ひとみを画成し、且つ前記ひとみと基板テーブルの間に位置する一連のレンズ構成要素を含む投影系を使用して、前記パターンが付与されたビームを基板の標的部分上へ投影するステップと、
    前記レンズ構成要素のビーム・エキスパンダ部分と前記パターンが付与されたビームに対して横切る方向に延在するレンズ・アレイとを使用して、前記ひとみからの前記パターンが付与されたビームを拡大するステップと、
    前記レンズ・アレイのそれぞれのレンズを使用して、前記パターンが付与されたビームのそれぞれの部分を、前記基板の前記標的部分の対応するそれぞれの部分上へ集束させるステップと、
    前記ビーム・エキスパンダから非平行なビームを前記レンズ・アレイに対して放射して前記レンズ・アレイの位置を前記ひとみに対して調整することによって前記投影系の倍率を調整するステップと
    を含むデバイス製造方法。
  7. 前記ひとみ及び前記ビーム・エキスパンダに対して前記レンズ・アレイを変位させるステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
  8. 前記変位ステップが3つ以上のアクチュエータを使用することを含む、請求項7に記載の方法。
  9. 前記変位ステップがさらに、前記アクチュエータを独立に操作することを含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記投影ビームに対する前記レンズ・アレイの傾きを調整するステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
  11. パターンが付与されたビームを供給するパターン形成系と、
    基板を支持する基板テーブルと、
    前記パターンが付与されたビームを前記基板の標的部分上へ投影し、前記パターン形成系と前記基板テーブルの間にひとみを画成する投影系と
    を備え、前記投影系が、
    前記ひとみと前記基板テーブルの間に位置する一連のレンズ構成要素
    を含み、前記レンズ構成要素が、
    前記ひとみからの前記パターンが付与されたビームを拡大するビーム・エキスパンダと、
    前記パターンが付与されたビームに対して横切る方向に延在するレンズのアレイであって、前記レンズ・アレイのそれそれのレンズが、前記パターンが付与されたビームのそれぞれの部分を、前記基板の前記標的部分の対応するそれぞれの部分上へ集束させるように延在するレンズ・アレイと
    を含み、
    前記ビーム・エキスパンダに含まれる少なくともひとつのレンズの位置を前記ひとみに対して調整することで前記ビーム・エキスパンダが前記レンズ・アレイに対して非平行なビームを放射し、前記投影系の倍率を調整することを特徴とする
    リソグラフィ装置。
  12. 前記基板テーブルは、前記投影系の焦点を調整するため、前記基板の位置を軸方向に調整することを特徴とする請求項1または11に記載のリソグラフィ装置。
  13. パターンが付与されたビームを供給するステップと、
    ひとみを画成し、且つ前記ひとみと基板テーブルの間に位置する一連のレンズ構成要素を含む投影系を使用して、前記パターンが付与されたビームを基板の標的部分上へ投影するステップと、
    前記レンズ構成要素のビーム・エキスパンダ部分と前記パターンが付与されたビームに対して横切る方向に延在するレンズ・アレイとを使用して、前記ひとみからの前記パターンが付与されたビームを拡大するステップと、
    前記レンズ・アレイのそれぞれのレンズを使用して、前記パターンが付与されたビームのそれぞれの部分を、前記基板の前記標的部分の対応するそれぞれの部分上へ集束させるステップと、
    前記ビーム・エキスパンダに含まれる少なくともひとつのレンズの位置を前記ひとみに対して調整することで前記ビーム・エキスパンダから前記レンズ・アレイに対して非平行なビームを放射して前記投影系の倍率を調整するステップと
    を含むデバイス製造方法。
  14. 前記基板位置を軸方向に調整することによって前記投影系の焦点を調整するステップをさらに含む請求項6または13に記載のデバイス製造方法。
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