JP2009054770A - エピタキシャル基板の製造方法および製造装置 - Google Patents

エピタキシャル基板の製造方法および製造装置 Download PDF

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孝夫 中村
Yusuke Yoshizumi
祐介 善積
Masanori Ueno
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Abstract

【課題】エピタキシャル層の破壊検査による評価が可能である、エピタキシャル基板の製造方法を提供する。
【解決手段】このエピタキシャル基板の製造方法は、製造装置のチャンバ内に、基板と、基板と異なる材質からなるモニタ基板とを配置する工程(S2)と、基板およびモニタ基板の表面にエピタキシャル膜を形成する工程(S3)と、エピタキシャル膜が形成されたモニタ基板を用いて、エピタキシャル膜の特性の検査を行なう工程(S5)とを備える。基板とモニタ基板との表面上にはエピタキシャル膜が同時に形成されるので、モニタ基板によって破壊検査を行なえば、破壊検査によるエピタキシャル膜の評価が可能となる。モニタ基板として安価な基板を用いることで、高価な基板が無駄になることがなく、歩留りが向上する。
【選択図】図3

Description

この発明は、エピタキシャル基板の製造方法および製造装置に関し、特に、化合物半導体基板上にエピタキシャル膜を形成してなるエピタキシャル基板の製造方法および製造装置に関する。
窒化ガリウム(GaN)は、シリコン(Si)に比べて約3倍のバンドギャップ、約10倍の高い絶縁破壊電界強度、さらに大きな飽和電子速度などの様々な優れた特性を有しているため、GaN基板を用いたデバイスの実用化が促進されている。GaN基板を用いたデバイスとしては、光デバイスと電子デバイスとに大別される。光デバイスでは、DVD(Digital Versatile Disk、デジタル多用途ディスク)用青紫LD(Laser Diode、半導体レーザ)やLED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)などが開発されている。電子デバイスではSBD(Schottky Barrier Diode)、PNタイプのパワーデバイス(電力用半導体素子)、HEMT(High Electron Mobility Transistor、高電子移動度トランジスタ)などが開発されている。
GaN基板は、GaAs基板上へHVPE(Hydride Vapor Phase Epitaxy、ハイドライド気相成長法)によりGaN単結晶を厚膜成長し、その後GaN厚膜をスライスすることによって製造される。このように複雑なプロセスを経て製造されるため、GaN基板は、従来基板として一般的に用いられてきたSi、GaAs、InP基板などに比べ非常に高価である。
また、ワイドギャップ半導体基板として実用化が期待されている基板には、GaN以外にもSiC、AlN基板がある。しかしSiC、AlNのいずれも、従来の基板(Si、GaAs、InPなど)に比較し非常に高価である。
高価な基板を用いたデバイスでは、基板の費用が全体コストに占める割合が高い。このようなコスト構成では、実際にデバイス作製を考えた場合には、エピタキシャル膜形成後の段階で品質管理のため良品、不良品の判断を行なうことが重要である。良品であればその後のプロセスへ進み、不良品であれば再研磨し再度エピタキシャル膜形成が行なわれることが望まれる。高価な基板を用いる場合、従来は、非破壊の検査であるPL(Photo Luminescence、フォトルミネッセンス)やXRD(X-ray Diffraction、X線回折)を用いた、エピタキシャル膜の膜質特性の評価が行なわれてきた。
従来、半導体基板の品質管理に関する技術は、たとえば特許文献1〜3で提案されている。
特開平7−122610号公報 特開平10−233391号公報 特開平11−186249号公報
非破壊のPL、XRDによるエピタキシャル工程の品質評価では、PLやX線の信号取り出しの関係から、エピタキシャル膜の表面近くの一部の情報しか得られない。そのため、非破壊検査では、デバイス用エピタキシャル基板のエピタキシャル層全体の情報を得ることができず、十分な評価は不可能であった。
一方、従来の基板を用いたデバイス作成時におけるエピタキシャル工程の品質評価では、全基板について非破壊検査を実施し、モニタ基板により破壊検査を行なう方法が一般的に行なわれている。破壊検査では、エピタキシャル膜全体の検査が可能であり、エピタキシャル膜の膜質特性について多くの情報を得ることができる。しかし、破壊検査を行なう場合、検査に使用される基板の一部破壊は難しく、通常は基板全体のエッチングおよび破壊検査が行なわれる。そのため、破壊検査に使用される基板を、エピタキシャル工程以後の工程に用いることはできない。したがって、GaNなどの高価な基板の場合、破壊検査に使用される基板は、出荷することができず無駄になっていた。このことが歩留りの低下、高コストにつながる要因となっていた。
それゆえに、この発明の主たる目的は、破壊検査によってエピタキシャル層の十分な評価が可能である、エピタキシャル基板の製造方法および製造装置を提供することである。また、この発明の他の目的は、製造コストの低減可能なエピタキシャル基板の製造方法および製造装置を提供することである。
この発明に係るエピタキシャル基板の製造方法は、製造装置のチャンバ内に、基板と、基板と異なる材質からなるモニタ基板とを配置する工程を備える。また、基板およびモニタ基板の表面にエピタキシャル膜を形成する工程を備える。また、エピタキシャル膜が形成されたモニタ基板を用いて、エピタキシャル膜の特性の検査を行なう工程を備える。
このようにすれば、基板とモニタ基板との表面上にはエピタキシャル膜が同時に形成される。基板として高価なワイドギャップ半導体基板を用いる場合、モニタ基板として安価なサファイア基板などを用い、モニタ基板によって破壊検査を行なえば、破壊検査によるエピタキシャル膜の評価が可能となる。つまり、破壊検査によりエピタキシャル膜全体の評価を行なうことができるので、確実なエピタキシャル膜の膜質検査が実施できる。かつ、高価な基板が無駄になることがないために、歩留りが向上し、製造コストを低減することができる。
上記エピタキシャル基板の製造方法において好ましくは、エピタキシャル膜を形成する工程では、モニタ基板の成膜温度を、基板の成膜温度と異ならせる。基板とモニタ基板とは異なる材質からなるために、エピタキシャル膜の最適な成膜温度が異なる場合がある。その場合には、モニタ基板の成膜温度を基板の成膜温度と異ならせることにより、基板およびモニタ基板のいずれについても最適な成膜温度においてエピタキシャル膜を形成することができる。
このような成膜温度の調整は、たとえばサセプタの材質や形状を局所的に変えることにより行なうことができる。またたとえば、反応ガスの流れを利用し、基板表面へのガス噴出による温度低下によって温度調整を行なうことができる。またたとえば、ヒータ設計を工夫することで温度調整を行なうことができる。
上記エピタキシャル基板の製造方法において好ましくは、モニタ基板の径は、基板の径よりも小さい。この場合は、サセプタ全体のサイズを減少させることができる。
また好ましくは、基板の材質は、GaN、AlN、SiCのいずれかである。基板の材質が安価である場合では、モニタ基板の材質を基板と異なるものとすることによる歩留り向上、製造コスト低減の効果は小さい。基板の材質を高価なワイドギャップ半導体基板とすることによって、製造コスト低減の効果をより顕著に得ることができる。
この発明に係る製造装置は、チャンバ内で基板の表面にエピタキシャル膜を形成する、エピタキシャル基板の製造装置である。製造装置は、チャンバ内において、基板と、基板と異なる材質からなるモニタ基板とを搭載可能なサセプタを備える。また、基板およびモニタ基板を加熱する加熱部材を備える。また、成膜原料を基板およびモニタ基板の表面に供給する原料供給部を備える。また、基板とモニタ基板との加熱温度を変更する温度変更部を備える。
この構成によれば、基板とモニタ基板との表面上にはエピタキシャル膜が同じように形成される。基板として高価なワイドギャップ半導体基板を用いる場合、モニタ基板として安価なサファイア基板などを用い、モニタ基板によって破壊検査を行なえば、破壊検査によるエピタキシャル膜の評価が可能となる。つまり、破壊検査によりエピタキシャル膜全体の評価を行なうことができるので、確実なエピタキシャル膜の膜質検査が実施できる。かつ、高価な基板が無駄になることがないために、歩留りが向上し、製造コストを低減することができる。
この発明のエピタキシャル基板の製造方法および製造装置によると、破壊検査によってエピタキシャル層の十分な評価が可能である。また、歩留りを向上させ、製造コストを低減することができる。
以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
(実施の形態1)
図1は、この発明のエピタキシャル基板の製造装置の一例を示す断面模式図である。図1に示すように、この製造装置は気相成長装置であって、チャンバ3の内部にサセプタ4を備える。サセプタ4の表面には、窪み部であるポケットが複数個形成されており、ポケットの内部には、基板1と、基板1と異なる材質からなるモニタ基板2とが搭載されている。また、サセプタ4の基板1が搭載されている側(すなわちサセプタ4にポケットが形成された表面)と反対側の裏面側には、サセプタを介在させて基板1およびモニタ基板2を加熱する加熱部材としての、ヒータ6が備えられている。また、サセプタ4の裏面側の中心部には、支持軸5が設けられている。支持軸5は、図示しない回転式モータによって動力を与えられ回転するようになっており、サセプタ4は支持軸5の回転によって、支持軸5とともに水平方向に回転する。
成膜原料としての原料ガスは、原料供給部としての原料ガス供給口7から、矢印IGに示すように、チャンバ3内に供給される。原料ガスがチャンバ3内で基板1およびモニタ基板2の表面に供給されることにより、ヒータ6によって加熱された状態の基板1およびモニタ基板2の表面に、エピタキシャル膜が形成される。原料ガスはその後、排気口8から、矢印OGに示すように排出される。
図2は、図1に示すサセプタの上面図である。図2には、図1に示す基板1およびモニタ基板2が搭載されたサセプタ4を、図1の上側から見た図を示す。図2に示すように、サセプタ4には、周辺に6枚の基板1と、中心部に1枚のモニタ基板2とが搭載されている。モニタ基板2は、等価な温度の位置であって、かつ温度制御しやすい位置である、サセプタ4の中心部に設置されている。
基板1としては、GaN、AlN、SiCなどの化合物半導体基板を用いることができる。一方モニタ基板2としては、基板1の材質と異なる材質であり安価である、サファイア基板を用いることができる。以下、基板1がGaN基板であり、モニタ基板2がサファイア基板である例について説明する。
GaN基板とサファイア基板とでは、最適なエピタキシャル膜の成長温度が約10℃異なる。つまり、サファイア基板の最適な成膜温度は、GaN基板の最適な成膜温度に対し、約10℃低い。よって、基板1とモニタ基板2との加熱温度を変更し、モニタ基板2の加熱温度を基板1の加熱温度に対し10℃下げることによって、基板1上およびモニタ基板2上のいずれにも、最適な条件でエピタキシャル膜を積層させることができることになる。
そこで、実施の形態1では、サセプタ4に連結された支持軸5が、基板1とモニタ基板2との加熱温度を変更する温度変更部として機能する。つまり、支持軸5は、サセプタ4の裏面側の中心部に設けられている。サセプタ4はヒータ6によって加熱されるが、支持軸5が熱の逃げる経路となり、熱の一部は、支持軸5を通って外部へ排出される。そのため、支持軸5が設けられているサセプタ4の中心部が、サセプタ4における最も温度の低い位置となる。よって、モニタ基板2をサセプタ4の中心部に配置することにより、モニタ基板2の加熱温度を基板1の加熱温度に対して低くすることができる。その結果、モニタ基板2の加熱温度を基板1の加熱温度に対して10℃低い温度、すなわちサファイア基板に対して最適な成膜温度に保つことができれば、図1に示すエピタキシャル基板の製造装置を用いて、基板1およびモニタ基板2のいずれにも最適な条件でエピタキシャル膜を成膜することができる。
次に、エピタキシャル基板の製造方法について説明する。図3は、エピタキシャル基板の製造方法を示す流れ図である。図1〜図3に従ってエピタキシャル基板の製造方法を説明する。まず工程(S1)において、基板1と、基板1と異なる材質からなるモニタ基板2を準備する。具体的には、基板1としてたとえば直径2インチの円板形状のGaN基板を準備し、モニタ基板2として、たとえば基板1と同じ形状である直径2インチの円板形状のサファイア基板を準備する。モニタ基板2としては、サファイア基板の表面上に、格子整合のためのGaNバッファ層が事前に形成されたものを準備することができる。次に工程(S2)において、チャンバ3内において、サセプタ4に形成された7つのポケットのうち中心部のポケットにモニタ基板2が配置され、周辺部の6つのポケットに基板1が配置されるように、基板1およびモニタ基板2をサセプタ4に搭載する。
次に工程(S3)において、ヒータ6を加熱することにより、サセプタ4を介在させて基板1およびモニタ基板2を加熱する。基板1がGaN基板上にGaN系エピタキシャル膜を形成するために最適な成膜温度にまで加熱され、モニタ基板2がサファイア基板上にGaN系エピタキシャル膜を形成するために最適な成膜温度にまで加熱される。このとき、支持軸5から熱が外部へ排出されるためにモニタ基板2への熱伝達量は相対的に小さく、その結果、モニタ基板2は基板1よりも10℃低い温度にまで加熱されている。この状態で、TMG(トリメチルガリウム)、NHなどの原料ガスを矢印IGに示すようにチャンバ3内に供給すれば、基板1およびモニタ基板2の表面に各々最適な成膜条件で、GaN系エピタキシャル膜が形成される。各デバイスの製造条件に従って最適な膜厚にまでGaN系エピタキシャル膜が成膜されると、原料ガスの供給を中止し、ヒータ6を停止させる。ここで、GaN系エピタキシャル膜とは、GaN、InGaN、AlGaN、InAlGaNを含む。
次に工程(S4)において、チャンバ3内から基板1およびモニタ基板2を取り出す。次に工程(S5)において、エピタキシャル膜の特性の検査を行なう。たとえば、基板1の全数を用いて、基板1の表面に形成されたエピタキシャル膜の、PLやXRDによる非破壊検査を行なうことができる。またモニタ基板2を用いて、モニタ基板2の表面に形成されたエピタキシャル膜の、非破壊検査および破壊検査を行なうことができる。工程(S3)で基板1およびモニタ基板2はいずれも最適な成膜温度に調整された上で、基板1およびモニタ基板2の表面にエピタキシャル膜が形成されている。そのために、基板1上に形成されたGaN系エピタキシャル膜の膜質と、モニタ基板2上に形成されたGaN系エピタキシャル膜の膜質とは、同等の特性を有していると考えられる。したがって、モニタ基板2上に形成されたエピタキシャル膜の検査(キャリア濃度測定、各層のPL評価、電気特性評価など)によって、基板1上に形成されたエピタキシャル膜の膜質特性を把握することができる。
次に工程(S6)において、前工程(S5)の検査結果に基づき、基板1の良品判別を行なう。基板1が良品であると判断されれば、その基板1はその後のプロセスへ送られる。一方基板1が不良品であると判断されれば、その基板1は、エピタキシャル膜を研磨除去され、再度エピタキシャル膜形成が行なわれる。たとえば、ある1枚の基板1の非破壊検査の結果に基づき、当該基板1が良品であるか不良品であるかが判別される。またたとえば、モニタ基板2の破壊検査の結果、モニタ基板2に形成されたエピタキシャル膜が不良品であった場合には、当該モニタ基板2と同時にエピタキシャル膜が形成された6枚の基板1は、不良品であると判別される。このようにして、GaN基板である基板1の表面にGaN系エピタキシャル膜が形成された、GaN系エピタキシャル基板が作製される。
以上説明したように、このエピタキシャル基板の製造方法においては、基板1として高価なワイドギャップ半導体基板であるGaN基板を用い、モニタ基板2として安価なサファイア基板が用いられている。また基板1とモニタ基板2との表面上には、モニタ基板2の成膜温度を基板1の成膜温度と異ならせることにより、エピタキシャル膜が各基板に最適な条件で同時に形成されている。そのため、モニタ基板2を用いて破壊検査を行なえば、破壊検査による基板1に形成されたエピタキシャル膜の評価が可能となる。つまり、破壊検査によりエピタキシャル膜全体の評価を行なうことができるので、確実なエピタキシャル膜の膜質検査が実施できる。
これにより、エピタキシャル膜形成後の段階(すなわち図3に示す工程(S5))において、基板1の品質管理のための良品、不良品の判断を行なうことができる。その結果、特に基板1の費用がデバイス全体のコストに占める割合が高い高価なGaN基板を用いる場合に、歩留りを向上させ、製造コストを低減することができる。かつ、高価な基板1が無駄になることがないために、さらに歩留りの向上および製造コストの低減を達成することができる。
(実施の形態2)
図4は、実施の形態2のエピタキシャル基板の製造装置を示す断面模式図である。図1に示す実施の形態1の製造装置と同様に、図4に示す製造装置は気相成長装置である。しかし、図1に示す装置は、基板1にエピタキシャル膜が形成される表面が上向きであるフェイスアップ型であるが、図4に示す装置は、基板1にエピタキシャル膜が形成される表面が下向きである、フェイスダウン型である点で異なっている。
具体的には、図4に示すように、製造装置は、チャンバ13の内部にサセプタ14を備える。サセプタ14の表面にはポケットが形成されており、ポケットの内部には、基板1とモニタ基板2とが保持されている。フェイスダウン型であるために、基板1およびモニタ基板2は、サセプタ14に形成された保持爪19によって支持され、ポケットの内部に保持されている。図5は、図4に示すサセプタの下面図である。図5には、図4に示す基板1およびモニタ基板2が保持されたサセプタ4を、図4の下側から見た図を示す。図5に示すように、サセプタ14の7つのポケットには、それぞれ3つの保持爪19が、基板1またはモニタ基板2を支持できるように、平面形状円形のポケットの縁から中心に向かって内向するように、形成されている。
サセプタ14の裏面側(つまり、図4ではサセプタ14の上側)のヒータ16と、支持軸15との構成は実施の形態1と同様であり、その動作および温度変更部としての支持軸15の機能も同じである。原料ガスの原料ガス供給口17からの供給および排気口18からの排出は、実施の形態1と同様に矢印IGおよび矢印OGに示す通りである。また、エピタキシャル基板の製造方法も実施の形態1において説明した通りであるので、その説明は繰り返さない。
(実施の形態3)
図6は、実施の形態3のエピタキシャル基板の製造装置を示す断面模式図である。実施の形態3の製造装置と、上述した実施の形態1の製造装置とは、基本的に同様の構成を備えている。しかし、実施の形態3では、図6に示すように、サセプタ24の中心部は周辺部と異なる材質である点で実施の形態1とは異なっている。具体的には、サセプタ24中心部に形成されたポケットの下部(つまり、モニタ基板2が搭載されるポケットが形成された部分の、当該ポケットの底部)に位置する材質変更部29は、サセプタ24の周辺部と異なる材質であって、より熱伝導率の低い材質によって形成されている。
つまり、ヒータ6からの熱は、熱伝導率の比較的高いサセプタ24の周辺部を通って基板1により多く到達する。一方、熱伝導率の比較的低いサセプタ24中心部の材質変更部29を通りモニタ基板2に到達する熱は、より少ないことになる。そのために、基板1とモニタ基板2との加熱温度が変更され、モニタ基板2は基板1に対し、より低い温度となる。つまり、実施の形態3では、支持軸5に加え材質変更部29が、温度変更部として機能している。実施の形態1で説明した支持軸5のみが温度変更部として機能する構成では基板1とモニタ基板2との温度差が不十分である場合には、図6に示すように、材質変更部29をヒータ6とモニタ基板2との間に設置することによって、基板1とモニタ基板2との温度差を大きくすることができる。
材質変更部29を形成する材質によって、モニタ基板2の加熱温度を変化させることができる。そのため、基板1およびモニタ基板2がどのような材質であっても、材質変更部29の材質を調整することによって、基板1およびモニタ基板2がいずれも最適な成膜温度となるように、サセプタ24を作製することができる。図6ではフェイスアップ型の製造装置について示しているが、フェイスダウン型としても同様の効果が得られることは勿論である。
実施の形態3の製造装置のその他の構成、およびエピタキシャル基板の製造方法については、実施の形態1において説明した通りであるので、その説明は繰り返さない。
(実施の形態4)
図7は、実施の形態4のエピタキシャル基板の製造装置を示す断面模式図である。実施の形態4の製造装置と、上述した実施の形態1の製造装置とは、基本的に同様の構成を備えている。しかし、実施の形態4では、図6に示すように、サセプタ34の中心部のポケットにスペーサ部材39が設けられている点で実施の形態1とは異なっている。具体的には、サセプタ34中心部に形成されたポケットは、周辺に形成された6つのポケットに対し相対的に深く形成されている。よって、サセプタ34の底部には、板状のスペーサ部材39を配置することができ、モニタ基板2はスペーサ部材39を介在させてポケットの内部に搭載されている。スペーサ部材39は、サセプタ34の材質に対し、より熱伝導率の低い材質によって形成されている。
つまり、ヒータ6からの熱は、熱伝導率の比較的高いサセプタ34の周辺部を通って基板1により多く到達する。一方、熱伝導率の比較的低いスペーサ部材39を通りモニタ基板2に到達する熱は、より少ないことになる。そのために、基板1とモニタ基板2との加熱温度が変更され、モニタ基板2は基板1に対し、より低い温度となる。つまり、実施の形態4では、支持軸5に加えスペーサ部材39が、温度変更部として機能している。実施の形態1で説明した支持軸5のみが温度変更部として機能する構成では基板1とモニタ基板2との温度差が不十分である場合には、図7に示すように、スペーサ部材39をヒータ6とモニタ基板2との間に設置することによって、基板1とモニタ基板2との温度差を大きくすることができる。
スペーサ部材39を形成する材質によって、モニタ基板2の加熱温度を変化させることができる。そのため、基板1およびモニタ基板2がどのような材質であっても、スペーサ部材39の材質を調整することによって、基板1およびモニタ基板2がいずれも最適な成膜温度となるように調整することができる。また、実施の形態3で説明した材質変更部29が設けられている構成に対し、実施の形態4では、スペーサ部材39を入れ替えることによってより簡易に、また基板1およびモニタ基板2の材質変更に合わせてより柔軟に、最適な成膜温度となるように温度調整を行なうことができる。
図7ではフェイスアップ型の製造装置について示しているが、フェイスダウン型としても同様の効果が得られることは勿論である。実施の形態4の製造装置のその他の構成、およびエピタキシャル基板の製造方法については、実施の形態1において説明した通りであるので、その説明は繰り返さない。
(実施の形態5)
図8は、実施の形態5のエピタキシャル基板の製造装置を示す断面模式図である。実施の形態5の製造装置と、上述した実施の形態1の製造装置とは、基本的に同様の構成を備えている。しかし、実施の形態5では、図8に示すように、サセプタ44の中心部に形成されたポケットの底部に空間49が形成されている点で実施の形態1とは異なっている。具体的には、サセプタ44中心部に形成されたポケット(つまり、モニタ基板2が搭載されるポケットが形成された部分)の底部は、外周部を除いた部分が凹んだ形状に形成されている。モニタ基板2をポケットに設置すると、モニタ基板2はポケット底部外周側の保持部44aによって保持される。そして図8に示すように、モニタ基板2の下面側とポケットの底部との間には、空間49が形成される。空間49内には気体が存在しており(たとえばN、Hなど)、一般的に、気体は固体よりも熱伝導率が低い。
つまり、ヒータ6からの熱は、熱伝導率の比較的高い周辺部を通って基板1により多く到達する。一方、熱伝導率の比較的低い気体が存在する空間49を通りモニタ基板2に到達する熱は、より少ないことになる。そのために、基板1とモニタ基板2との加熱温度が変更され、モニタ基板2は基板1に対し、より低い温度となる。つまり、実施の形態5では、支持軸5に加え空間49が、温度変更部として機能している。実施の形態1で説明した支持軸5のみが温度変更部として機能する構成では基板1とモニタ基板2との温度差が不十分である場合には、図8に示すように、空間49をヒータ6とモニタ基板2との間に形成することによって、基板1とモニタ基板2との温度差を大きくすることができる。
空間49のサイズによって、モニタ基板2の加熱温度を変化させることができる。そのため、基板1およびモニタ基板2がどのような材質であっても、空間49が形成されるサイズが調整されるようにポケット底部の凹み深さを調整することによって、基板1およびモニタ基板2がいずれも最適な成膜温度となるように、サセプタ44を作製することができる。
図8ではフェイスアップ型の製造装置について示しているが、フェイスダウン型としても同様の効果が得られることは勿論である。実施の形態5の製造装置のその他の構成、およびエピタキシャル基板の製造方法については、実施の形態1において説明した通りであるので、その説明は繰り返さない。
(実施の形態6)
図9は、実施の形態6のエピタキシャル基板の製造装置を示す断面模式図である。実施の形態6の製造装置と、上述した実施の形態1の製造装置とは、基本的に同様の構成を備えている。しかし、実施の形態6では、図9に示すように、モニタ基板52の径が基板1の径よりも小さい点で実施の形態1とは異なっている。具体的には、サセプタ54中心部に形成されたポケット(つまり、モニタ基板52が搭載されるポケットが形成された部分)は、外周部に形成された他のポケットに対し小さい径となるように形成されている。
図10は、図9に示すサセプタの上面図である。図10には、図9に示す基板1およびモニタ基板52が搭載されたサセプタ54を、図9の上側から見た図を示す。図10に示すように、サセプタ54には、周辺に6枚の基板1と、中心部に1枚のモニタ基板52とが搭載されている。モニタ基板2の径は、基板1の径よりも小さくなっている。モニタ基板52の径が小さいために、モニタ基板52を破壊検査に供することによる歩留りの低下を、より抑制することができる。
また、モニタ基板52の径が小さいために、サセプタ54全体の径は、図2に示す実施の形態1のサセプタ4に対し小さくなっている。つまり、サセプタ54全体のサイズは、サセプタ4に対し減少している。サセプタ54の小型化によりサセプタ54の製造コストの低減を図ることができ、したがって、図9に示すエピタキシャル基板の製造装置全体の小型化および製造コストの低減を達成することができる。
図9ではフェイスアップ型の製造装置について示しているが、フェイスダウン型としても同様の効果が得られることは勿論である。実施の形態6の製造装置のその他の構成、およびエピタキシャル基板の製造方法については、実施の形態1において説明した通りであるので、その説明は繰り返さない。
(実施の形態7)
図11は、実施の形態7のエピタキシャル基板の製造装置を示す断面模式図である。実施の形態7の製造装置と、上述した実施の形態1の製造装置とは、基本的に同様の構成を備えている。しかし、実施の形態7では、図11に示すように、チャンバ63の形状が異なり、そのためチャンバ63内への原料ガスの流入方向が変更されている点で実施の形態1とは異なっている。具体的には、チャンバ63では、原料ガス供給口7がサセプタ4の中心部のポケットと対向する位置(図11の上側)に形成されている。原料ガスは矢印IGに示すように、チャンバ63内に流入する。そのため、実施の形態7の製造装置では、原料ガスがモニタ基板2に吹き付けられるような構造となっている。
モニタ基板2表面への原料ガスの流れによって、モニタ基板2を冷却する効果が働く。つまり、実施の形態7では、支持軸5に加えチャンバ63の構造が、温度変更部として機能している。実施の形態1で説明した支持軸5のみが温度変更部として機能する構成では基板1とモニタ基板2との温度差が不十分である場合には、図11に示すように、原料ガスがモニタ基板2に吹き付けられるようなチャンバ63の構造とすることによって、基板1とモニタ基板2との温度差を大きくすることができる。
原料ガス供給口7の径の調整によって、原料ガスのチャンバ63への噴出速度を調整することができる。つまり、原料ガスによるモニタ基板2の冷却の程度を調整することができるので、モニタ基板2の加熱温度を変化させることができる。そのため、基板1およびモニタ基板2がどのような材質であっても、原料ガス供給口7の径を調整することによって、基板1およびモニタ基板2がいずれも最適な成膜温度となるように調整することができる。原料ガスのチャンバ63への流入路の径を変更できるようなたとえば中空円筒形状のスペーサを、原料ガス供給口7に取り付けることによって、原料ガスのチャンバ63への流入速度を変化させることも可能である。
図11ではフェイスアップ型の製造装置について示しているが、フェイスダウン型としても同様の効果が得られることは勿論である。図12は、実施の形態7のエピタキシャル基板の製造装置の変形例を示す断面模式図である。図12に示す製造装置はフェイスダウン型であり、図11と同様に、原料ガスがモニタ基板2に吹き付けられるようにチャンバ73が形成されているので、モニタ基板2の加熱温度を調整することができる。実施の形態7の製造装置のその他の構成、およびエピタキシャル基板の製造方法については、実施の形態1において説明した通りであるので、その説明は繰り返さない。
(実施の形態8)
図13は、実施の形態8のエピタキシャル基板の製造装置を示す断面模式図である。実施の形態8の製造装置と、上述した実施の形態1の製造装置とは、基本的に同様の構成を備えている。しかし、実施の形態8では、図13に示すように、基板を加熱する加熱部材がヒータ86a〜86fによって構成されている点で実施の形態1とは異なっている。具体的には、サセプタ4の裏面側に設けられたヒータ86a〜86fは、それぞれ温度制御が可能であるようにされている。そのため、たとえばモニタ基板2に近接するヒータ86c、86dの加熱量を小さくするように、制御することが可能となっている。
実施の形態8では、支持軸5に加えヒータ86a〜86fの構成が、温度変更部として機能している。実施の形態1で説明した支持軸5のみが温度変更部として機能する構成では基板1とモニタ基板2との温度差が不十分である場合には、ヒータ設計を工夫することによって、基板1とモニタ基板2との温度差を大きくすることができる。つまり図13に示すように、サセプタ4の周方向においてヒータをゾーン制御し、ヒータ86c、86dの加熱量を小さくして、サセプタ4の中心部のモニタ基板2が配置された箇所の加熱を抑制することができる。
ヒータ86a〜86fのそれぞれは、任意に加熱状態を制御できるものとし、任意のヒートパターンを形成可能とすることができる。このようにすれば、基板1およびモニタ基板2がどのような材質であっても、基板1およびモニタ基板2の加熱温度を変化させることによって、基板1およびモニタ基板2がいずれも最適な成膜温度となるように調整することができる。特に、サセプタ4が裏面側から支持軸5によって支持される構造ではなく、サセプタ4の外周部の側面において軸受によって支持される構造である場合には、支持軸5を経由した熱の逃げが起こらない。そのような構造の場合には、上記のヒータのゾーン制御によって、基板1とモニタ基板2との加熱温度を変更調整することが有効である。
図13ではフェイスアップ型の製造装置について示しているが、フェイスダウン型としても同様の効果が得られることは勿論である。図14は、実施の形態8のエピタキシャル基板の製造装置の変形例を示す断面模式図である。図14に示す製造装置はフェイスダウン型であり、図13と同様に、サセプタ14の裏面側にヒータ96a〜96fが設けられているので、基板1およびモニタ基板2の加熱温度を調整することができる。実施の形態8の製造装置のその他の構成、およびエピタキシャル基板の製造方法については、実施の形態1において説明した通りであるので、その説明は繰り返さない。
(実施の形態9)
図15は、実施の形態9のエピタキシャル基板の製造装置を示す断面模式図である。図15に示すように、この製造装置はMBE(Molecular Beam Epitaxy、分子線エピタキシー)装置100である。MBE装置100は、チャンバ103内にサセプタ104と、RF(Radio Frequency)ガン111と、クヌーセンセル114とを備える。基板を保持するサセプタ104は、基板を保持する面と反対側の裏面側の中心部において支持軸105によって支持されており、支持軸105とともに水平方向に回転する。またサセプタ104の裏面側には、基板を加熱するヒータ106が設けられている。
RFガン111に外部から原料ガスを供給するための原料ガス供給口110は、チャンバ103の外壁を貫通して、外部の図示しない原料ガス源とRFガン111とを連通するように設けられている。また、クヌーセンセル114には、シャッタ113が設けられており、シャッタ113の開閉によって分子線の供給の開始・停止の制御が行なわれる。
MBE装置100の動作は以下の通りである。まず、表面にエピタキシャル膜を形成する対象である基板をサセプタ104に保持させ、その後チャンバ103内を10−10Torr以下の超高真空とする。そしてヒータ106により基板を最適な成膜温度にまで加熱する。クヌーセンセル114の内部には、原料115としてのGa固体原料が充填されている。クヌーセンセル114を加熱して出てくる原料115の蒸気を分子線の形で放出させ、シャッタ113を開いて基板へ分子線を供給する。またN、NHなどのN原子を含むガスを原料ガス供給口110から供給する。上記ガスは、RFガン111において、ラジカル、原子などの形で基板に供給される。このようにして、サセプタ104に保持された基板の表面にエピタキシャル膜が形成される。
以上のように、実施の形態1〜8で説明した気相成長装置に限らず、MBE装置100によっても、エピタキシャル基板の製造が可能である。この場合、サセプタ104には基板1およびモニタ基板2を保持することができる。そして、実施の形態1〜8で説明した、サセプタ104の材質や形状の変更、またはヒータ106の制御を用いて、基板1とモニタ基板2との表面上にエピタキシャル膜を同時に最適な条件で形成することができる。
また、MBE装置100を用いるほか、たとえばVPE(Vapor Phase Epitaxy)法、液相エピタキシー法などによっても、エピタキシャル基板の製造が可能である。
これまでの説明においては、サセプタには周辺に6枚の基板1と、中心部に1枚のモニタ基板2とが保持される例について説明したが、サセプタはこのような構成に限られない。図16は、サセプタの変形例を示す模式図である。図16に示すサセプタ4には、表面の4箇所にポケットが形成されている。サセプタ4の周辺には基板1を保持するためのポケットが3箇所に形成されており、中心部にはモニタ基板2を保持するためのポケットが形成されている。このように、サセプタに保持される基板の枚数は限定されるものではなく、製造条件によって最適となる枚数の基板を保持できるサセプタとすればよい。
また、モニタ基板2は基板1と同サイズまたは基板1よりも小径の円板形状である例について説明したが、たとえば破壊検査を行なう場合などの必要な場合には、モニタ基板2の径は基板1よりも大きいものとしてもよい。またモニタ基板2の形状は円板形状に限られず、多角形板状でもよく、その他モニタ基板2内の加熱温度が均一であれば、異形の形状としてもよい。さらに、モニタ基板2の材質は、基板1と同一の材質とすることもできる。たとえば、基板1、モニタ基板2をともにGaN基板とすることができる。この場合は、モニタ基板2を基板1よりも小径とすることにより、破壊検査に用いられるモニタ基板2が無駄になり歩留りが低下する影響を最小限に抑制することができる。
また、基板1の材質はGaNである例について説明したが、基板1の材質はワイドバンドギャップ半導体基板であるAlN基板やSiC基板であってもよい。この場合、モニタ基板2として用いられるサファイア基板との最適な成膜温度の差は、10℃ではない。しかし実施の形態1〜8において説明した通り、基板1およびモニタ基板2の加熱温度を基板1の材質に合わせ調整することができるので、基板1、モニタ基板2ともに最適な成膜温度に保持してエピタキシャル膜を形成することが可能である。またエピタキシャル膜は、GaNのほか、AlGaN、InGaNなどによって形成することができ、これらを積層させることもできる。このようにして製造されたエピタキシャル基板は、発光素子や電子デバイスなどの各種のデバイスに用いることができる。
また、モニタ基板2の最適な成膜温度が基板1の成膜温度よりも低い例について説明したが、モニタ基板2の最適な成膜温度が基板1よりも高い場合でも適用可能である。たとえば、図6に示すサセプタ24において、材質変更部29の熱伝導率をサセプタ24の周辺部よりも高い材質とすることができる。またたとえば、図13に示す構成において、ヒータ86c、86dの加熱量を大きくして、モニタ基板2が配置された箇所がより加熱されるように制御することができる。
以下、この発明の実施例について説明する。サセプタに3枚の基板を搭載し、各基板あたり3点の温度を計測することで、サセプタ表面の温度分布を確認する実験を行なった。図17は、実施例のサセプタにおける基板の配置および温度計測点を示す模式図である。図17に示すように、3枚の基板1は、平面形状円形のサセプタ4の直径の方向に沿うように、並べられて配置されている。図17に示すように、基板1が並べられたサセプタ4の直径方向のうちの一方向側を上流側(図17の右側)、他方向側を下流側(図17の左側)とする。各基板1における3点の温度計測点MPは、基板1の中心部および外周部に設けられており、3枚の基板1が並べられた方向に沿うように、並べられている。基板1の直径は2インチ、サセプタ4の直径は250mmとした。
実施例で用いた基板を加熱する加熱装置は、実施の形態1で説明した、サセプタの支持軸のみが基板の加熱温度を変更する温度変更部として機能し、支持軸が熱の逃げる経路となる構成とした。また、温度計測点MPの温度の計測には、パイロメータを用いた。
図18は、実施例の温度計測結果を示すグラフである。図18のグラフの横軸は、図17に示すサセプタ4の円形の中心点を原点(距離ゼロの点)とした場合に、各温度計測点が原点から上流側および下流側に離れる距離を示す。また図18のグラフの縦軸は、各温度計測点における計測された温度を示す。図18においてグラフ(1)〜(6)はそれぞれ、ヒータの温度設定を475℃、785℃、880℃、1050℃、1100℃、1150℃とした場合を示す。
図18に示すように、サセプタの裏面側の支持軸を通って熱が外部へ排出された結果、サセプタの中心点(距離0mmの点)における温度は、その他の点の温度に比較し低くなっていた。たとえば、図18にグラフ(6)で示されたヒータの温度設定を1150℃とした場合では、サセプタの中心点から最も離れた点(距離±75mmの点)における温度は約1000℃、約1017℃であるのに対し、サセプタの中心点における温度は約955℃と低くなっていた。
したがって、この発明のエピタキシャル基板の製造方法および製造装置では、サセプタ表面に、中心部の温度が低くなるように温度分布を設けることができるので、モニタ基板をサセプタ中心部に配置することで、モニタ基板の成膜温度を、基板の成膜温度と異ならせることができることが示された。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明のエピタキシャル基板の製造方法および製造装置は、半導体発光素子や電子デバイスなどに使用される、ワイドギャップ化合物半導体基板上にエピタキシャル膜が形成されたエピタキシャル基板の製造において、特に有利に適用され得る。
エピタキシャル基板の製造装置の一例を示す断面模式図である。 図1に示すサセプタの上面図である。 エピタキシャル基板の製造方法を示す流れ図である。 実施の形態2のエピタキシャル基板の製造装置を示す断面模式図である。 図4に示すサセプタの下面図である。 実施の形態3のエピタキシャル基板の製造装置を示す断面模式図である。 実施の形態4のエピタキシャル基板の製造装置を示す断面模式図である。 実施の形態5のエピタキシャル基板の製造装置を示す断面模式図である。 実施の形態6のエピタキシャル基板の製造装置を示す断面模式図である。 図9に示すサセプタの上面図である。 実施の形態7のエピタキシャル基板の製造装置を示す断面模式図である。 実施の形態7のエピタキシャル基板の製造装置の変形例を示す断面模式図である。 実施の形態8のエピタキシャル基板の製造装置を示す断面模式図である。 実施の形態8のエピタキシャル基板の製造装置の変形例を示す断面模式図である。 実施の形態9のエピタキシャル基板の製造装置を示す断面模式図である。 サセプタの変形例を示す模式図である。 実施例のサセプタにおける基板の配置および温度計測点を示す模式図である。 実施例の温度計測結果を示すグラフである。
符号の説明
1 基板、2,52 モニタ基板、3,13,63,73 チャンバ、4,14,24,34,44,54 サセプタ、5,15 支持軸、6,16,86a〜86f,96a〜96f ヒータ、7,17 原料ガス供給口、8,18 排気口、19 保持爪、29 材質変更部、39 スペーサ部材、44a 保持部、49 空間、100 MBE装置、103 チャンバ、104 サセプタ、105 支持軸、106 ヒータ、110 原料ガス供給口、111 RFガン、113 シャッタ、114 クヌーセンセル、115 原料、IG,OG 矢印、MP 温度計測点。

Claims (5)

  1. 製造装置のチャンバ内に、基板と、前記基板と異なる材質からなるモニタ基板とを配置する工程と、
    前記基板および前記モニタ基板の表面にエピタキシャル膜を形成する工程と、
    前記エピタキシャル膜が形成された前記モニタ基板を用いて、前記エピタキシャル膜の特性の検査を行なう工程とを備える、エピタキシャル基板の製造方法。
  2. 前記エピタキシャル膜を形成する工程では、前記モニタ基板の成膜温度を、前記基板の成膜温度と異ならせる、請求項1に記載のエピタキシャル基板の製造方法。
  3. 前記モニタ基板の径は、前記基板の径よりも小さい、請求項1または請求項2に記載のエピタキシャル基板の製造方法。
  4. 前記基板の材質は、GaN、AlN、SiCのいずれかである、請求項1から請求項3のいずれかに記載のエピタキシャル基板の製造方法。
  5. チャンバ内で基板の表面にエピタキシャル膜を形成する、エピタキシャル基板の製造装置であって、
    前記チャンバ内において、前記基板と、前記基板と異なる材質からなるモニタ基板とを搭載可能なサセプタと、
    前記基板および前記モニタ基板を加熱する加熱部材と、
    成膜原料を前記基板および前記モニタ基板の表面に供給する原料供給部と、
    前記基板と前記モニタ基板との加熱温度を変更する温度変更部とを備える、エピタキシャル基板の製造装置。
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