JP2009054755A - 基板処理装置 - Google Patents

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Kumiko Shimada
久美子 島田
Masanobu Sato
雅伸 佐藤
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Abstract

【課題】所望の粒径の微粒子を所望の速度にて基板に向けて噴射する。
【解決手段】基板処理装置では、第1ノズル部41aおよび第2ノズル部41bから衝突位置P1に向けて純水の1次微粒子を噴射することにより、1次微粒子よりも粒径が小さい2次微粒子がカバー部42の内部空間421内に生成され、気体送出部43から衝突位置P1に向けて窒素ガスが送出されることにより、2次微粒子が基板9に噴射される。ノズルユニット4では、第1ノズル部41aおよび第2ノズル部41bに供給される純水および窒素ガスの流量を調整することにより、各ノズル部から所望の粒径の1次微粒子が噴射されるとともに、各ノズル部からの1次微粒子の衝突により所望の粒径の2次微粒子が生成される。そして、気体送出部43から送出される窒素ガスの流量を調整することにより、所望の粒径の2次微粒子を所望の速度にて基板9上の所望の範囲に向けて噴射することができる。
【選択図】図3.A

Description

本発明は、基板を処理する基板処理装置に関する。
従来より、半導体製品の製造工程において、供給される液体と気体とを混合して液滴を生成する2流体ノズルを用いて、洗浄液の微小な液滴を半導体基板(以下、単に「基板」という。)に向けて噴射することにより基板の表面に付着したパーティクル等の異物を除去する基板洗浄が行われている。また、特許文献1では、外部の液滴生成部にて生成される液滴(および、キャリアガス)と、加速ガスとが外部混合型の2流体ノズルに供給されることにより、液滴の噴射口の周囲から旋回流として噴射される加速ガスにて液滴を加速しつつ基板へと噴射する手法が開示されている。
なお、噴霧用ではあるが、特許文献2では、単頭ノズル部の噴口部を対向配置した多頭型ノズルであって、各単頭ノズル部の噴口部から液体および気体を噴射して、超微霧を発生するものが開示されている。また、特許文献3は、燃料電池に利用されるミスト発生器に関するものであり、ミスト発生器では、サイフォン式の2つの2流体ノズルから噴出される小粒径ミストが2次ガス導入路内にて衝突することにより微小粒径ミストが生成され、2次ガスと混合されて加速された微小粒径ミストが2次ノズルから噴出される。特許文献3のミスト発生器では、2次ガス導入路における小粒径ミストの衝突位置の上流側(すなわち、2次ガスの流れの上流側)に、2次ガス導入路の円形断面の中央位置において2次ガス導入路を横断する流れ制御部材が配置されており、流れ制御部材により2次ガスの流れが制御される(すなわち、2次ガスの流れが2次ガス導入路の上部および下部に分けられる)ことにより、小粒径ミストの衝突が2次ガスにより妨げられることが防止されている。
特開2006−128332号公報 特開平5−208148号公報 特開2000−317358号公報
ところで、近年では、基板に形成されるパターンの微細化に伴って基板上の異物の除去率の向上、および、洗浄時における基板上のパターンへの影響の低減(すなわち、低ダメージ化)が求められている。一般的に、異物の除去率は、基板に噴射される液滴の速度を高くすることにより向上することが可能であるが、この場合、基板上のパターンへのダメージが増大してしまう。
また、異物の除去率は、基板上に噴射される液滴の径(液滴の平均粒径)を小さくし、多数の液滴を基板上に噴射する(すなわち、基板に噴射される液滴の密度を高くする)ことによっても向上することが可能であるが、2流体ノズルから噴射される液滴の径を小さくするには、2流体ノズルに供給する気体の流量を増大しなければならず、液滴の噴射速度が高くなって基板上のパターンへのダメージが大きくなってしまう。さらに、2流体ノズルに供給する液体の流量を増大することも考えられるが、実際には、ノズルに供給する液体の流量を増大しても、主に液滴の径が大きくなるだけであり、異物の除去率の向上を図ることはできない。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、所望の粒径の微粒子を所望の速度にて基板上の所望の範囲に向けて噴射することができ、これにより、微粒子が衝突する際における基板へのダメージを低減しつつ好ましい基板処理を容易に実現することを目的としている。また、微粒子の噴出速度の均一性を向上することも目的としている。
請求項1に記載の発明は、基板を処理する基板処理装置であって、基板を保持する保持部と、前記保持部にて保持される基板の主面に向けて液体の微粒子を噴射するノズルユニットとを備え、前記ノズルユニットが、気体を噴射するとともに液体を吐出することにより、外部にて前記気体と前記液体とを混合して前記液体の1次微粒子を所定の衝突位置に向けて噴射する第1ノズル部と、気体を噴射するとともに液体を吐出することにより、外部にて前記気体と前記液体とを混合して前記液体の1次微粒子を前記第1ノズル部とは異なる方向から前記衝突位置に向けて噴射する第2ノズル部と、前記衝突位置を含む内部空間を形成するとともに前記第1ノズル部および前記第2ノズル部がそれぞれの先端を前記内部空間内に位置させつつ固定され、前記衝突位置における前記1次微粒子の衝突により生成された前記1次微粒子よりも粒径が小さい2次微粒子が外部へと導かれる噴出口が形成されたカバー部と、前記衝突位置を挟んで前記噴出口の反対側にて前記カバー部に接続され、前記第1ノズル部および前記第2ノズル部からの前記気体の噴射速度よりも小さい速度にて気体を前記衝突位置に向けて送出する気体送出部とを備える。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の基板処理装置であって、前記第1ノズル部および前記第2ノズル部のそれぞれにおいて前記液体と前記気体とがを混合される混合点が、前記衝突位置近傍に位置する。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の基板処理装置であって、前記第1ノズル部および前記第2ノズル部のそれぞれが、前記液体の吐出口の周囲から前記気体を旋回流として噴射する。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の基板処理装置であって、前記ノズルユニットが、前記カバー部の前記噴出口に接続されるとともに前記気体送出部からの前記気体の送出方向に沿って前記保持部に向かって伸びる筒状の補助管をさらに備える。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の基板処理装置であって、前記第1ノズル部および前記第2ノズル部が、前記カバー部に対して着脱自在である。
本発明では、所望の粒径の2次微粒子を所望の速度にて基板上の所望の範囲に向けて噴射することができ、これにより、2次微粒子が衝突する際における基板へのダメージを低減しつつ好ましい基板処理を容易に実現することができる。また、2次微粒子の噴出速度の均一性を向上することもできる。
図1は、本発明の一の実施の形態に係る基板処理装置1を備える基板処理システム8の構成を示す図である。図1に示すように、基板処理システム8は、半導体基板9(例えば、シリコン基板であり、以下、単に「基板9」という。)に対して所定の処理を行う処理部81、および、処理部81に接続されたインデクサ部82を備える。
インデクサ部82は、それぞれに複数の基板9が収容された複数のカセット821を有するカセット保持部822、および、各カセット821に対する基板9の搬入および搬出を行うインデクサロボット823を備える。処理部81は、それぞれに基板9を処理する基板処理装置1が配置された4つのユニット配置部811、および、4つのユニット配置部811に囲まれる位置に配置されてインデクサ部82と各基板処理装置1との間で基板9を搬送する基板搬送ロボット812を備える。各基板処理装置1にて利用される処理流体(液体および気体)の供給および排出のための構成は、収容部813,814に収容されている。
なお、基板処理システム8では、4つのユニット配置部811のうち、少なくとも1つのユニット配置部811に後述する基板処理装置1が配置されていれば、他のユニット配置部811には他の装置(例えば、基板に対して薬液を付与して薬液処理を行う装置)が配置されていてもよい。
図2は、基板処理装置1の構成を示す図である。基板処理装置1は、基板9の表面を洗浄し、基板9の表面に付着したパーティクル等の異物を除去する枚葉式の基板洗浄装置である。図2に示すように、基板処理装置1は、円板状の基板9を水平に保持する基板保持部2、基板9の洗浄用の液体(すなわち、洗浄液であり、本実施の形態では、純水(脱イオン水(deionized water)))の微粒子である液滴を生成しつつ基板保持部2にて保持される基板9の主面(図2中における上側の主面であり、以下、「上面」という。)に向けて噴射するノズルユニット4、ノズルユニット4に洗浄液である純水を供給する純水供給部31、並びに、ノズルユニット4に気体(本実施の形態では、窒素ガス(N))を供給する第1ガス供給部32および第2ガス供給部33を備え、また、これらの機構を制御する制御部を備える。
基板保持部2は、基板9を下側から保持する略円板状のチャック21を備え、チャック21の外周上には、基板9を把持する複数のチャックピン211が設けられる。チャック21の下面にはシャフト22が設けられ、シャフト22はモータ23に接続される。基板9は、基板9の中心がシャフト22の中心軸上に位置するようにチャック21に保持される。基板保持部2では、制御部の制御によりモータ23が駆動されることによりシャフト22が回転し、基板9がチャック21およびシャフト22と共にシャフト22の中心軸を中心として回転する。なお、基板保持部2における基板9の保持は、例えば、基板9の下側(ノズルユニット4とは反対側)の主面の中央部のみを吸引吸着する等して実現されてもよい。
ノズルユニット4は、アーム48を介して図示省略のノズル移動機構に接続されており、基板9の上方においてノズルユニット4がアーム48と共に水平方向(すなわち、基板9の上面に平行な方向)に移動可能とされる。
図3.Aは、ノズルユニット4を拡大して示す断面図であり、基板9の一部を併せて描いている。また、図3.Bおよび図3.Cはそれぞれ、ノズルユニット4の平面図および底面図である。図3.Aないし図3.Cに示すように、ノズルユニット4は、基板9に垂直な面に関して対称となるように互いに近接して配置されるとともに純水の微粒子を先端から噴出する2つのノズル部41a,41b(以下、それぞれ「第1ノズル部41a」および「第2ノズル部41b」という。)、並びに、第1ノズル部41aおよび第2ノズル部41bがそれぞれの先端を内部空間421(図3.Aのみに示す。)内に位置させつつ固定されるカバー部42を備える。
図3.Aに示す第1ノズル部41aおよび第2ノズル部41bはそれぞれ、カバー部42に形成されたノズル取り付け用の開口に螺合することによりカバー部42に対して着脱自在に取り付けられる。本実施の形態では、第1ノズル部41aの中心軸J1と第2ノズル部41bの中心軸J2との為す角度が90°となるように、第1ノズル部41aおよび第2ノズル部41bがカバー部42に固定される。
第1ノズル部41aおよび第2ノズル部41bはそれぞれ、先端から気体を噴射するとともに液体を吐出することにより、各ノズル部の外部にて気体と液体とを混合して液体の微粒子を生成するとともに当該微粒子を噴射する外部混合型の2流体ノズルである。第1ノズル部41aは、図2に示す配管311,321を介して純水供給部31および第1ガス供給部32に接続され、配管311,321には、開度調整が可能なバルブ312,322がそれぞれ設けられる。また、配管311にはバルブ312と第1ノズル部41aとの間にて配管313が分岐して設けられており、配管313により第2ノズル部41bが純水供給部31に接続される。同様に、配管321にはバルブ322と第1ノズル部41aとの間にて配管323が分岐して設けられており、配管323により第2ノズル部41bが第1ガス供給部32に接続される。
基板処理装置1では、バルブ312の開度を調整することにより、第1ノズル部41aおよび第2ノズル部41bの双方へとほぼ同じ量だけ供給される純水の流量(単位時間当たりの供給量)が調整可能とされ、バルブ322の開度を調整することにより、第1ノズル部41aおよび第2ノズル部41bの双方へとほぼ同じ量だけ供給される窒素ガスの流量が調整可能とされる。そして、バルブ312,322が開放されて第1ノズル部41aおよび第2ノズル部41bから純水が吐出されるとともに窒素ガスが噴射されることにより純水の微粒子が生成される。なお、配管311と配管313との接続位置から第1ノズル部41a側および第2ノズル部41b側にそれぞれバルブが設けられ、第1ノズル部41aおよび第2ノズル部41bに供給される純水が同じ流量に精度良く調整されてもよい(窒素ガスにおいても同様)。
ノズルユニット4では、図3.Aに示すカバー部42の内部空間421において、第1ノズル部41aから第1ノズル部41aの中心軸J1(すなわち、噴射軸)に沿って噴射された純水の微粒子と、第2ノズル部41bにより第1ノズル部41aとは異なる方向から第2ノズル部41bの中心軸J2(すなわち、噴射軸)に沿って噴射された純水の微粒子とが、第1ノズル部41aおよび第2ノズル部41bの中心軸J1,J2の交点P1近傍において衝突する。換言すれば、第1ノズル部41aおよび第2ノズル部41bの中心軸J1,J2の交点P1(以下、「衝突位置P1」という。)を含んで形成されたカバー部42の内部空間421において、第1ノズル部41aおよび第2ノズル部41bから衝突位置P1に向けて噴射された微粒子が衝突位置P1近傍(すなわち、衝突位置P1およびその近傍)にて衝突する。
そして、第1ノズル部41aおよび第2ノズル部41bからの微粒子の衝突位置P1近傍における衝突により、衝突前の微粒子よりも(平均)粒径が小さい微粒子が生成され、カバー部42の下部(すなわち、基板9側の端部)に形成されている噴出口422からカバー部42の外部へと導かれる。以下の説明では、衝突位置P1における衝突前の純水の微粒子を「1次微粒子」と呼び、衝突位置P1における1次微粒子の衝突により生成された純水の微粒子を「2次微粒子」と呼ぶ。カバー部42の噴出口422は平面視において円形とされ、衝突位置P1と噴出口422の中心とを通る直線は基板9の上面に垂直となっている。
ノズルユニット4は、また、衝突位置P1を挟んで噴出口422の反対側(すなわち、カバー部42の基板9とは反対側の端部)にてカバー部42に接続されてカバー部42の内部空間421内の衝突位置P1に向けて窒素ガスを送出する筒状の気体送出部43、および、カバー部42の噴出口422に接続されるとともに気体送出部43からの窒素ガスの送出方向に沿って基板保持部2(図2参照)上の基板9に向かって伸びる(すなわち、基板9の上面に垂直な)筒状の補助管44をさらに備え、補助管44の下端の開口441は、基板9の上面近傍に配置される。
図3.Aおよび図3.Bに示す気体送出部43の内径は4〜6mm(ミリメートル)とされ、本実施の形態では4mmとされる。また、図3.Aおよび図3.Cに示す補助管44の内径は4mm〜8mmとされ、本実施の形態では6mmとされる。補助管44の内径は、図3.Aに示す第1ノズル部41a、第2ノズル部41bおよび気体送出部43からカバー部42の内部空間421に流入する窒素ガスの流量に基づいて、補助管44から噴射される窒素ガスの速度が好適な範囲となるように決定される。
気体送出部43は、図2に示す配管331を介して第2ガス供給部33に接続され、配管331には、開度調整が可能なバルブ332が設けられる。基板処理装置1では、バルブ332の開度を調整することにより、気体送出部43に供給される窒素ガスの流量が調整可能とされており、気体送出部43からの窒素ガス(いわゆる、2次ガス)の噴射速度は、第1ノズル部41aおよび第2ノズル部41bからの窒素ガス(いわゆる、1次ガス)の噴射速度よりも小さくされる。
図4は、第1ノズル部41aを示す断面図であり、図3.Aないし図3.Cに示す第2ノズル部41bも、図4に示す第1ノズル部41aと同様の構造を有する。図4では、実際には鉛直方向に対して傾斜する第1ノズル部41aの中心軸J1を図4中の上下方向に向けた状態で第1ノズル部41aを図示している(図5ないし図7においても同様)。
図4に示すように、第1ノズル部41aは、略円筒状の外筒45、および、外筒45の内部に嵌め込まれた略円筒状の内筒46を備え、外筒45および内筒46は、中心軸J1を共有するように配置されている。内筒46の内部空間は、直線状の純水流路461となっており、純水流路461の基板9とは反対側(図4中の上側)の端部は、配管311(第2ノズル部41bにおいては、配管313)(図2参照)に接続される純水導入口462として開口している。純水流路461の基板9側(図4中の下側)の端部は、純水流路461に導入された純水を吐出する純水吐出口463として開口している。第1ノズル部41aでは、内筒46により、純水の搬送方向が中心軸J1に沿う直線状に規制され、純水吐出口463から中心軸J1に沿う方向(すなわち、噴射方向)に純水が噴射される。
第1ノズル部41aでは、外筒45はほぼ一定の内径を有する。一方、内筒46は、噴射方向の各部で外径が変化し、内筒46の噴射方向における中間部46aは、外筒45の内径より小さな外径を有する。内筒46の純水吐出口463側および純水導入口462側の端部近傍には、内筒46の外周面から張り出すように、内筒46と一体的に形成されたフランジ46b,46cがそれぞれ設けられている。フランジ46b,46cは外筒45の内径にほぼ等しい外径を有しているため、外筒45の内部に嵌め込まれた内筒46は、フランジ46b,46cの外周面にて外筒45の内周面に密接する。そして、内筒46の中間部46aと外筒45の内周面との間に、中心軸J1を中心とする略円筒状の間隙である円筒流路471が形成される。外筒45の噴射方向における中間近傍には、配管321(第2ノズル部41bにおいては、配管323)(図2参照)に接続される窒素ガス導入口451が形成されており、窒素ガスが窒素ガス導入口451を介して円筒流路471に導入される。
図5および図6は、内筒46のフランジ46b近傍を拡大して示す正面図および底面図である。図5および図6に示すように、フランジ46bは、円筒状の部位の下側に中空の円錐台が設けられた形状を有しており、中心軸J1に対して略垂直に突出している。フランジ46bには、噴射方向にフランジ46bを貫通する6つのスリット464が形成されている。各スリット464は、フランジ46bの外周面からフランジ46bの内側に向かって、中心軸J1に略平行、かつ、中心軸J1を含まない平面に沿うように、互いにほぼ等角度間隔で形成されている。各スリット464は、噴射方向に見て、フランジ46bの外周面における開口(以下、「側面開口」という。)465と中心軸J1とを結ぶ径方向に対して所定の角度にて斜交しており、また、フランジ46bから下方に突出して設けられた円筒状の内筒先端部46dの外周面にほぼ接する。
図4に示すように、外筒45は基板9側の先端に外筒先端部45aを備える。外筒先端部45aは、純水吐出口463側の先端に向かうに従って内径が漸次小さくなるテーパ状の内周面、および、テーパ状の内周面の下方に設けられる中心軸J1に平行な内周面を有する。第1ノズル部41aでは、各スリット464の側面開口465(図5および図6参照)が外筒45の内周面により閉塞され、側面開口465の下部が外筒先端部45aのテーパ状の内周面により閉塞されることにより、円筒流路471と連通するとともに円筒流路471からの窒素ガスの流れの方向を変更する方向変更部472が形成される。
また、外筒先端部45aの内径は内筒先端部46dの外径よりも大きいため、外筒先端部45aと内筒先端部46dとの間に中心軸J1の周囲を囲む略円筒状の間隙であって、方向変更部472からの窒素ガスが導かれて旋回流を形成する旋回流形成部473が形成される。旋回流形成部473の基板9側の先端は、純水吐出口463の周囲を囲む円環状の窒素ガス噴射口474として、純水吐出口463に近接して開口している。上述のように、スリット464は内筒先端部46dの外周面にほぼ接するように形成されているため(図6参照)、ノズルユニット4を基板9側から見た場合、方向変更部472の中心軸J1側の部位は、窒素ガス噴射口474と重なっている。
第1ノズル部41aでは、周囲にスリット464が形成された内筒46を外筒45の内部に嵌め込むことにより、窒素ガスが流れる円筒流路471、方向変更部472および旋回流形成部473(以下、これらをまとめて、「窒素ガス流路47」という。)が容易に形成される。
ここで、第1ノズル部41aに窒素ガスおよび純水を供給した場合における第1ノズル部41aのみに注目した液滴の噴射について説明する。なお、第2ノズル部41bのみに窒素ガスおよび純水を供給した場合の液滴の噴射も、以下の第1ノズル部41aに関する説明と同様である。
第1ノズル部41aに窒素ガスおよび純水が供給されると、窒素ガスは、図4に示す円筒流路471内を窒素ガス流路47の母線方向(すなわち、噴射方向)に沿って下方に流れ、方向変更部472へと導かれる。方向変更部472では、各スリット464(図6参照)の外周側において下方へと流れる窒素ガスが、外筒先端部45aのテーパ状の内周面に沿って図6中の矢印Kにて示すフランジ46bの中心軸J1(すなわち、噴射軸)側に向かって流れつつ図4に示す旋回流形成部473へと導かれる。このように、方向変更部472では、窒素ガスの向き(すなわち、窒素ガスが流れる方向)が噴射方向から、中心軸J1を中心とする円周方向に沿う成分を有する方向へと変換される。
方向変更部472の6つのスリット464を通過した窒素ガスは、旋回流形成部473(図4参照)において中心軸J1を中心とする円周方向に沿って、図6中における反時計回りに旋回しつつ下方へと流れる。窒素ガスは、中心軸J1を中心とする円周上において互いにほぼ等角度間隔に配列された6つのスリット464から旋回流形成部473へと導かれるため、円周方向(すなわち、旋回方向)に関して均一な旋回流となる。
図4に示す旋回流形成部473を通過した窒素ガスは、窒素ガス噴射口474を介して純水吐出口463の周囲全周から旋回流として噴射される。純水吐出口463の周囲の各方向から噴射された窒素ガスは、純水吐出口463から吐出される純水の移動経路上において互いに衝突する。これにより、窒素ガス噴射口474および純水吐出口463の外部にて純水と窒素ガスとが混合されて純水の液滴(すなわち、1次微粒子)が効率よく生成されつつ、液滴および窒素ガスが中心軸J1に沿って移動する。すなわち、第1ノズル部41aから純水の液滴が窒素ガスと共に中心軸J1に沿って噴射される。第1ノズル部41aでは、窒素ガス噴射口474から噴出される窒素ガスの速度が大きくされることにより、生成される純水の液滴の粒径が小さくなるとともに液滴の移動速度(すなわち、噴射速度)が大きくなる。
図7は、第1ノズル部41aのみに注目した場合における窒素ガス噴射口474から噴射される窒素ガスの進行方向を示す斜視図であり、第2ノズル部41bのみに窒素ガスおよび純水を供給した場合の窒素ガスの進行方向も図7と同様である。図7中の矢印Nは、窒素ガスの進行方向を示す。第1ノズル部41aでは、旋回流形成部473(図4参照)において窒素ガスが純水流路461(図4参照)の周囲を均一に旋回しつつ流れることにより、窒素ガス噴射口474から噴射される窒素ガスが、窒素ガス噴射口474近傍にて旋回方向に均一な渦巻き気流となり、既述のように、純水吐出口463から中心軸J1に沿って噴射される純水の液滴の周囲を囲みつつ純水と混合され、純水の液滴が生成される。
図6に示すように、第1ノズル部41aでは、スリット464が内筒先端部46dの外周面(すなわち、図4に示す窒素ガス噴射口474の内周)にほぼ接するように形成されているため、窒素ガスが窒素ガス噴射口474の接線方向の成分を有する方向に向けて噴射される。その結果、図7に示すように、第1ノズル部41aから噴射された純水の液滴および窒素ガスが流れる領域の輪郭(図7中において二点鎖線にて示す。)は、純水吐出口463の近傍に形成される絞り部L1と、中心軸J1に沿って絞り部L1から第1ノズル部41aとは反対側に向かうに従って側方に(中心軸J1から離れる方向に)広がる拡散部M1とを有する形状となる。
絞り部L1は、液滴の噴射方向に直交する略円形断面の径が、中心軸J1に沿う方向の各部で第1ノズル部41aから離れるに従って漸次減少する略逆円錐台形状を有している。拡散部M1は、噴射方向に直交する略円形断面の径が第1ノズル部41aから離れるに従って漸次増大する略円錐台形状を有している。換言すれば、絞り部L1と拡散部M1とにより、いわゆる鼓型の形状が形成される。なお、図7では、拡散部M1において中心軸J1に垂直な一の断面の外形をN1を付す実線にて示している。
ノズルユニット4の第1ノズル部41aおよび第2ノズル部41bのそれぞれでは、中心軸J1,J2上において、絞り部L1にて略円形断面の径が最も小さくなる位置が純水と窒素ガスとが高密度にて混合される混合点とされており、一般的な2流体ノズル(液滴および窒素ガスが流れる領域の輪郭において、噴射軸に垂直な断面の径の最小位置が不明瞭なものも含む。)では、混合点の位置はノズルの仕様として定められている。本実施の形態では、第1ノズル部41aおよび第2ノズル部41bにおける混合点は、各ノズル部の先端から中心軸J1,J2に沿って3mmだけ離れた位置とされる。
ノズルユニット4では、第1ノズル部41aおよび第2ノズル部41bのそれぞれの混合点が、図3.Aに示す衝突位置P1近傍(好ましくは、衝突位置P1から3mmの範囲内)に位置するように第1ノズル部41aおよび第2ノズル部41bが配置されている。後述する実際の基板洗浄の際には、第1ノズル部41aから中心軸J1に沿って移動する純水および窒素ガスが第1ノズル部41aの混合点において混合されて1次微粒子が生成され、また、第2ノズル部41bから中心軸J2に沿って移動する同量の純水および窒素ガスが第2ノズル部41bの混合点において混合されて1次微粒子が生成された後、第1ノズル部41aおよび第2ノズル部41bからの1次微粒子が衝突位置P1近傍にて衝突して1次微粒子よりも微小な粒径の2次微粒子が生成される。
そして、気体送出部43から衝突位置P1に向けて送出される窒素ガスにより、カバー部42の内部空間421内にて生成された2次微粒子が噴出口422を介して補助管44へと送出され、補助管44に沿って基板9側へと導かれて補助管44の開口441から基板9の上面に向けて噴射される。このとき、基板処理装置1から送出される窒素ガスの速度が、第1ノズル部41aおよび第2ノズル部41bからの窒素ガスの噴射速度よりも小さくされることにより、衝突位置P1近傍における1次微粒子の衝突が阻害されることなく、2次微粒子が効率良く生成されて補助管44へと送出される。
ノズルユニット4では、基板9に向けて噴射される2次微粒子の噴射速度は、気体送出部43から送出される窒素ガスの流量に大きく依存しており、第1ノズル部41aおよび第2ノズル部41bから噴出される1次微粒子の噴射速度の影響は小さい。したがって、基板処理装置1では、気体送出部43からの窒素ガスの送出速度が調整されることにより、2次微粒子の噴射速度が、1次微粒子および2次微粒子の粒径とは無関係に、要求される洗浄処理の程度に合わせて調整される。
なお、ノズルユニット4では、第1ノズル部41aおよび第2ノズル部41bのそれぞれの混合点が衝突位置P1上に位置するように第1ノズル部41aおよび第2ノズル部41bが配置されてもよい。この場合、第1ノズル部41aからの純水および窒素ガスと、第2ノズル部41bからの純水および窒素ガスとが、衝突位置P1にて混合されて2次微粒子が生成される。換言すれば、第1ノズル部41aおよび第2ノズル部41bによる1次微粒子の生成および衝突位置P1に向けての噴射、並びに、衝突位置P1における1次微粒子の衝突による2次微粒子の生成が、ほぼ並行して行われる。
ところで、ノズルユニット4において生成されて基板9に噴射される2次微粒子の粒径は、第1ノズル部41aおよび第2ノズル部41bに供給される窒素ガスの流量に依存する。次に、2次微粒子の粒径と窒素ガスの流量との関係について述べる。表1は、基板9に噴射される2次微粒子の平均粒径と、第1ノズル部41aおよび第2ノズル部41bに供給される窒素ガスの流量との関係を示す表である。
表1では、第1ノズル部41aおよび第2ノズル部41bに供給される純水の流量を毎分100ミリリットル(すなわち、100mL/min)にて一定とし、窒素ガスの流量を毎分20リットル(すなわち、20L/min)、25L/min、40L/minのそれぞれに変更した場合に、ノズルユニット4にて生成される2次微粒子の平均粒径(すなわち、ノズルユニット4から基板9上に噴射される液滴の平均粒径)を「液滴の平均粒径」と記す欄の下に「ツインノズル」と記して示している。また、表1では、カバー部42、気体送出部43および補助管44を省略するとともに第1ノズル部41aおよび第2ノズル部41bのうちの一方のみを、その中心軸を基板に垂直に配置した比較例のノズルユニット(すなわち、第1ノズル部41aおよび第2ノズル部41bと同様の構造を有する単体配置された2流体ノズル)から基板上に噴射される液滴の平均粒径を「液滴の平均粒径」と記す欄の下に「シングルノズル」と記して示す。なお、表1に示す液適の平均粒径は、レーザ光散乱方式による粒度分布測定器(東日コンピュータアプリケーションズ株式会社製のLDSA−1300A型)を使用して測定したものである。
Figure 2009054755
表1に示すように、ノズル部から噴射される窒素ガスの流量を20L/minとした場合には、ノズルユニット4にて生成される液滴(2次微粒子)の平均粒径が、比較例のノズルユニットにて生成される液滴の平均粒径よりも大きくなっているが、窒素ガスの流量を25L/min,40L/minとした場合(すなわち、窒素ガスの流量を純水の流量の250倍,400倍とした場合)には、ノズルユニット4にて生成される液滴の平均粒径が10μm以下となり、比較例のノズルユニットにて生成される液滴の平均粒径よりも小さくなる(すなわち、第1ノズル部41aおよび第2ノズル部41bのそれぞれが単体にて噴射する場合における液滴である1次微粒子の平均粒径よりも小さくなる)。
このように、ノズルユニット4では、第1ノズル部41aおよび第2ノズル部41bから適切な流量にて窒素ガスを噴出することにより、1つのノズル部のみを有する比較例のノズルユニットにて基板上に噴射される液滴の個数の2倍よりも多い個数の液滴を基板9上に噴射することができ、基板9上における液滴の密度(すなわち、単位時間当たりに基板表面の単位面積に到達する液滴数)を高くして、基板9上の異物の除去率を向上することができる。
なお、ノズルユニット4には、比較例のノズルユニットに供給される純水の2倍の流量の純水が供給されているが、仮に、比較例のノズルユニットに供給される純水の流量を2倍にした場合、基板上に噴射される液滴の平均粒径はさらに大きくなってしまうため、基板上の異物を効率良く除去することができなくなる。
また、比較例のノズルユニットにおいても、窒素ガスの流量を40L/minとすることにより、液滴の平均粒径をノズルユニット4にて窒素ガスの流量を25L/minとした場合におけるものと同等にすることが可能であるが、この場合、生成された液滴がノズルユニット(すなわち、2流体ノズル)からの窒素ガスの噴射速度に近い速度にて基板9上に到達するため、液滴との衝突により基板9上のパターンが損傷する場合がある。
これに対し、ノズルユニット4では、第1ノズル部41aおよび第2ノズル部41bからの窒素ガスが衝突位置P1近傍にて互いに衝突することにより減速され、さらに、第1ノズル部41aおよび第2ノズル部41bからの窒素ガスの噴射速度よりも小さい速度にて気体送出部43から送出される窒素ガスにより2次微粒子が基板9に向けて送出されるため、基板9上のパターンのダメージが低減される。
図8は、基板処理装置1による基板9の洗浄の流れを示す図である。基板9が洗浄される際には、まず、図1に示す基板搬送ロボット812により基板9が基板処理装置1へと搬入され、図2に示す基板保持部2上に基板9が載置されて保持される(ステップS11)。続いて、モータ23が制御部により駆動されて基板9の回転が開始される(ステップS12)。
次に、バルブ312,322が開放されることにより、ノズルユニット4の第1ノズル部41aおよび第2ノズル部41bに純水と窒素ガスとが供給され、第1ノズル部41aおよび第2ノズル部41bから噴射された1次微粒子が衝突位置P1近傍において衝突することにより1次微粒子よりも粒径が小さい2次微粒子が生成される。また、バルブ332が開放されることにより、気体送出部43から衝突位置P1に向けて窒素ガスが送出され、2次微粒子がカバー部42の噴出口422を介して補助管44へと導かれて補助管44の開口441から基板9の上面に向けて噴射される(ステップS13)。そして、基板9上の異物が2次微粒子との衝突により効率良く除去される。
ノズルユニット4では、第1ノズル部41aおよび第2ノズル部41bにそれぞれ供給される窒素ガスの流量は、好ましくは、22L/min以上30L/min以下とされ、本実施の形態では、25L/minとされる。また、第1ノズル部41aおよび第2ノズル部41bからの窒素ガスの噴射速度はそれぞれ、好ましくは、毎秒100メートル(すなわち、100m/sec)以上、かつ、120m/sec以下とされ、本実施の形態では、110m/secとされる。
気体送出部43に供給される窒素ガスの流量は、好ましくは、20L/min以上100L/min以下とされ、本実施の形態では、30L/minとされる。また、気体送出部43から送出される窒素ガスの速度は、好ましくは、約10m/sec以上、かつ、120m/sec未満とされ、本実施の形態では約40m/secとされる。そして、補助管44から噴射される窒素ガスの速度(すなわち、基板9に向けて噴射される2次微粒子の速度)は、好ましくは、30m/sec以上60m/secとされ、本実施の形態では約45m/secとされる。
基板9への2次微粒子の噴射が開始されると、図2に示す基板保持部2により回転する基板9の上方において、ノズル移動機構によりノズルユニット4が移動を開始し、基板9の中心と外周上の1点との間の上方にて、すなわち、図2中に実線にて示す位置と二点鎖線にて示す位置との間にて、往復移動を繰り返して基板9の上面全体(あるいは、所定の範囲)の洗浄が行われる。このようにして、ノズルユニット4からの2次微粒子の噴射およびノズルユニット4の往復移動が所定時間だけ継続されると、ノズルユニット4に対する純水および窒素ガスの供給が停止され、ノズルユニット4の移動および基板9の回転も停止されて基板9の洗浄処理が終了する(ステップS14)。
基板処理装置1では、複数の基板9に対して上記の洗浄処理が順次繰り返されてもよい(ただし、図8では、繰り返しに係る工程は図示していない。)。この場合、洗浄後の基板9が次の洗浄対象の基板9に交換された後(ステップS11)、上記ステップS12〜S14の処理が行われる。
以上に説明したように、基板処理装置1では、ノズルユニット4において互いに傾斜して配置された第1ノズル部41aおよび第2ノズル部41bから衝突位置P1に向けて純水の1次微粒子を噴射することにより、1次微粒子よりも粒径が小さい2次微粒子がカバー部42の内部空間421内に生成され、さらに、気体送出部43から衝突位置P1に向けて窒素ガスが送出されることにより、2次微粒子がカバー部42の噴出口422および補助管44を介して基板9の上面に噴射される。
ノズルユニット4では、第1ノズル部41aおよび第2ノズル部41bに供給される純水および窒素ガスの流量を調整することにより、各ノズル部から所望の粒径の1次微粒子が噴射されるとともに、各ノズル部からの1次微粒子の衝突により所望の粒径の2次微粒子が生成される。そして、気体送出部43から送出される窒素ガスの流量を調整することにより、所望の粒径の2次微粒子を所望の速度にて基板9に向けて噴射することができる。その結果、2次微粒子が衝突する際における基板9へのダメージを低減しつつ、基板9上の異物の除去率を向上することが容易に実現される。
また、第1ノズル部41aおよび第2ノズル部41bがカバー部42に固定され、両ノズル部からの1次微粒子の衝突位置P1が、カバー部42の内部空間421内に位置することにより、生成された2次微粒子が広い範囲に拡散してしまうことが防止され、さらに、カバー部42に形成された比較的小さい噴出口422のみから2次微粒子を噴出することにより、基板9上の所望の範囲に高密度の2次微粒子を噴射することができる。その結果、基板9上に噴射される2次微粒子の密度(すなわち、単位時間当たりに基板上面の単位面積に到達する2次微粒子の個数)を高くすることができ、基板9上の異物の除去率をより向上することができる。
さらには、気体送出部43が1次微粒子の衝突位置P1を挟んでカバー部42の噴出口422の反対側に設けられ、気体送出部43からの窒素ガスが衝突位置P1に向けて送出されることにより、生成直後の高密度の2次微粒子が噴出口422に向けて滑らかに移動されるため、噴出口422から噴出される2次微粒子の速度の均一性を向上することができる。その結果、基板9へのダメージの更なる低減および異物の除去率の更なる向上(すなわち、洗浄処理の質の更なる向上)を実現することができる。
ノズルユニット4では、第1ノズル部41aおよび第2ノズル部41bのそれぞれが、純水吐出口463の周囲から窒素ガスを旋回流として噴出することにより、微小な粒径の1次微粒子を効率良く生成することができる。これにより、2次微粒子の生成も効率良く行われ、基板9が効率良く洗浄される。また、第1ノズル部41aおよび第2ノズル部41bのそれぞれにおいて、純水と窒素ガスとが混合される混合点が、1次微粒子の衝突位置P1近傍に位置することにより、各ノズル部から噴射された1次微粒子が広い範囲に拡散してしまう前にこれらの1次微粒子を衝突させることができるため、2次微粒子をより効率良く生成することができるとともに2次微粒子の粒径をより小さくすることができる。その結果、基板9上の異物の除去率をより向上することができる。
基板処理装置1では、カバー部42の噴出口422に接続された補助管44により、噴出口422から2次微粒子と共に噴出される窒素ガスが拡散して速度が低下することが抑制される。これにより、噴出口422から噴出される2次微粒子の速度低下を抑制することができる。換言すれば、ノズルユニット4では、補助管44が設けられることにより、ノズルユニット4に補助管44が設けられない場合に比べて、噴出口422から噴出される2次微粒子を加速することができる。すなわち、補助管44は、2次微粒子を加速する加速管の役割を果たす。その結果、基板9に対する2次微粒子の噴射速度を維持しつつ、気体送出部43からの気体の送出量を低減することができる。
また、補助管44により、噴出口422から噴出された2次微粒子の拡散(すなわち、2次微粒子の移動範囲が側方に広がってしまうこと)が防止され、基板9上における2次微粒子の被噴射範囲が制限されるため、基板9上に噴射される2次微粒子の密度をより高くすることができる。その結果、基板9上の異物の除去率をさらに向上することができる。
ノズルユニット4では、第1ノズル部41aおよび第2ノズル部41bがカバー部42に対して着脱自在とされることにより、別途設計された2流体ノズルである第1ノズル部41aおよび第2ノズル部41bをカバー部42に取り付けるのみでノズルユニット4を容易に作成することができる。また、ノズルユニット4のメンテナンスの際には第1ノズル部41aおよび第2ノズル部41bを取り外して各ノズル部、並びに、カバー部42、気体送出部43および補助管44の洗浄等の作業を容易に行うことができる。
さらに、内径が異なる補助管を有する他のカバー部に第1ノズル部41aおよび第2ノズル部41bを取り付けることにより、基板9上に噴射される2次微粒子の速度および密度を容易に変更して基板9上の異物の除去率を容易に変更することもできる。なお、ノズルユニット4では、気体送出部43および補助管44がそれぞれ、カバー部42に着脱自在に取り付けられていてもよい。これにより、ノズルユニット4のメンテナンスや除去率の変更が更に容易とされる。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
ノズルユニット4では、第1ノズル部41aおよび第2ノズル部41bから旋回流として噴射される窒素ガスは、必ずしも純水吐出口463の周囲全周から噴射される必要はない。図9は、第1ノズル部41aの他の例を示す底面図である。図9に示す例では、純水吐出口463の周囲を囲む互いに離れた3箇所に窒素ガス噴射口474が設けられ、純水吐出口463から噴出される純水が3方向から窒素ガスに囲まれて窒素ガスと混合される(第2ノズル部41bにおいても同様)。このように、各ノズル部において、純水吐出口463の周囲から(好ましくは、3以上の方向から)窒素ガスが旋回流として噴射されることにより、上記実施の形態と同様に、微小な粒径の1次微粒子および2次微粒子を効率良く生成することができ、基板9の洗浄を効率良く行うことができる。もちろん、ノズルユニット4の設計によっては、窒素ガスを旋回させずに噴射するものを用いることも可能である。
ノズルユニット4では、補助管44が省略され、カバー部42の内部空間421にて生成された2次微粒子が、基板9に近接して配置された噴出口422から基板9の上面に直接噴射されてもよい。この場合であっても、カバー部42により2次微粒子の拡散が防止されるとともに噴出口422のみから2次微粒子が噴出されることにより、上記実施の形態と同様に、所望の粒径の2次微粒子を所望の速度にて基板9上の所望の範囲に向けて噴射することができる。また、2次微粒子の速度の均一性を向上することができる。
ノズルユニット4では、第1ノズル部41aおよび第2ノズル部41bに純水以外の液体が供給されることにより、当該液体の微粒子が生成されてもよい。また、各ノズル部および気体送出部43に供給される気体も、窒素ガス以外の他の気体であってもよい。
基板処理装置1は、プリント配線基板やフラットパネル表示装置に使用されるガラス基板等、半導体基板以外の様々な基板の洗浄に利用されてよい。なお、基板の種類や大きさ等に合わせて、基板の洗浄時における回転は省略されてもよい。
上記実施の形態では、基板を洗浄する基板洗浄装置について説明したが、上述の基板処理装置1は、基板表面へ様々な処理液の微粒子(すなわち、液滴)を噴射して基板に対して様々な処理を行う装置として利用されてよい。例えば、基板処理装置により、基板表面の露光済みのレジスト膜を現像する現像液の塗布が行われる場合、図1に示すノズルユニット4の第1ノズル部41aおよび第2ノズル部41bには現像液および窒素ガスが供給され、現像液の微粒子が窒素ガスと共に基板9に対して噴射されて基板9の現像が行われる。また、基板処理装置は、液体の微粒子の噴射による表面処理等に利用されてもよい。いずれの場合であっても、基板処理装置では、所望の粒径の多数の微粒子を所望の速度にて基板上の所望の範囲に噴射することができ、これにより、微粒子が衝突する際における基板へのダメージを低減しつつ好ましい基板処理を容易に実現することができる。
基板処理装置を備える基板処理システムの構成を示す図である。 基板処理装置の構成を示す図である。 ノズルユニットを拡大して示す断面図である。 ノズルユニットの平面図である。 ノズルユニットの底面図である。 第1ノズル部を示す断面図である。 内筒のフランジ近傍を拡大して示す正面図である。 内筒のフランジ近傍を拡大して示す底面図である。 1つのノズル部のみから噴射される窒素ガスの進行方向を示す斜視図である。 基板を洗浄する処理の流れを示す図である。 ノズル部の他の例を示す底面図である。
符号の説明
1 基板処理装置
2 基板保持部
4 ノズルユニット
9 基板
41a 第1ノズル部
41b 第2ノズル部
42 カバー部
43 気体送出部
44 補助管
421 内部空間
422 噴出口
463 純水吐出口
P1 衝突位置
S11〜S14 上記ステップ

Claims (5)

  1. 基板を処理する基板処理装置であって、
    基板を保持する保持部と、
    前記保持部にて保持される基板の主面に向けて液体の微粒子を噴射するノズルユニットと、
    を備え、
    前記ノズルユニットが、
    気体を噴射するとともに液体を吐出することにより、外部にて前記気体と前記液体とを混合して前記液体の1次微粒子を所定の衝突位置に向けて噴射する第1ノズル部と、
    気体を噴射するとともに液体を吐出することにより、外部にて前記気体と前記液体とを混合して前記液体の1次微粒子を前記第1ノズル部とは異なる方向から前記衝突位置に向けて噴射する第2ノズル部と、
    前記衝突位置を含む内部空間を形成するとともに前記第1ノズル部および前記第2ノズル部がそれぞれの先端を前記内部空間内に位置させつつ固定され、前記衝突位置における前記1次微粒子の衝突により生成された前記1次微粒子よりも粒径が小さい2次微粒子が外部へと導かれる噴出口が形成されたカバー部と、
    前記衝突位置を挟んで前記噴出口の反対側にて前記カバー部に接続され、前記第1ノズル部および前記第2ノズル部からの前記気体の噴射速度よりも小さい速度にて気体を前記衝突位置に向けて送出する気体送出部と、
    を備えることを特徴とする基板処理装置。
  2. 請求項1に記載の基板処理装置であって、
    前記第1ノズル部および前記第2ノズル部のそれぞれにおいて前記液体と前記気体とがを混合される混合点が、前記衝突位置近傍に位置することを特徴とする基板処理装置。
  3. 請求項1または2に記載の基板処理装置であって、
    前記第1ノズル部および前記第2ノズル部のそれぞれが、前記液体の吐出口の周囲から前記気体を旋回流として噴射することを特徴とする基板処理装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の基板処理装置であって、
    前記ノズルユニットが、前記カバー部の前記噴出口に接続されるとともに前記気体送出部からの前記気体の送出方向に沿って前記保持部に向かって伸びる筒状の補助管をさらに備えることを特徴とする基板処理装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の基板処理装置であって、
    前記第1ノズル部および前記第2ノズル部が、前記カバー部に対して着脱自在であることを特徴とする基板処理装置。
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