JP2009054428A - 吸引装置、吸引システムおよびこれらを備えた液滴吐出装置、並に電気光学装置の製造方法および電気光学装置 - Google Patents

吸引装置、吸引システムおよびこれらを備えた液滴吐出装置、並に電気光学装置の製造方法および電気光学装置 Download PDF

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Abstract

【課題】キャップユニット単位で、異なる吸引圧力による吸引処理を同時に行うと共に、スペース効率の向上および構造の単純化を図る。
【解決手段】1以上のヘッドキャップ301を搭載した複数のキャップユニット303と、各ヘッドキャップ301を離接動作させる昇降機構と、複数のキャップユニット303に接続され、各ヘッドキャップ301から機能液を吸引すると共に相互に吸引圧力が異なる複数の吸引手段と、上流側を各キャップユニット303に接続したキャップ側流路111、キャップ側流路111から分岐して各吸引手段に接続した個別流路131から成る複数組の吸引流路と、各吸引流路を選択的に流路切換えする複数の流路切換え手段と、を備えた。
【選択図】図8

Description

本発明は、インクジェット方式の複数の機能液滴吐出ヘッドのノズル面に対し、離接自在に密接する複数のヘッドキャップを備えた吸引装置、吸引システムおよびこれらを備えた液滴吐出装置、並に電気光学装置の製造方法および電気光学装置に関するものである。
従来、12個の機能液滴吐出ヘッドを搭載した7台のキャリッジユニットに対応して、12個のヘッドキャップを搭載した7台の吸引ユニット(吸引装置)を備えた吸引システムが知られている(特許文献1参照)。
各吸引装置(吸引ユニット)は、12個のヘッドキャップをキャッププレートに搭載したキャップユニットと、キャッププレートを介して12個のヘッドキャップを12個の機能液滴吐出ヘッドに対し離接させる離接機構と、12個のヘッドキャップに連なる廃液タンクと、二次側を廃液タンクに接続して廃液タンクに吸引圧力を作用させるイジェクタと、12個のヘッドキャップと廃液タンクを接続する吸引流路と、を備えている。
各ヘッドキャップを各機能液滴吐出ヘッドに密接させておいて、一次側に圧縮エアーを導入するようにしてイジェクタを駆動すると、廃液タンクのタンク内および吸引流路が負圧になり、12個のヘッドキャップを介してから12個の機能液滴吐出ヘッドから機能液の吸引が行われる。また、各ヘッドキャップを各機能液滴吐出ヘッドから僅かに離間させておいて、各機能液滴吐出ヘッドの捨て吐出(フラッシング)を行わせながらイジェクタを駆動することで、捨て吐出を受け得るようになっている。このように、2つの機能により、12個の機能液滴吐出ヘッドの機能維持および機能回復が行われる。
特開2005−254798号公報
このような従来の吸引システムでは、7台の吸引装置(吸引ユニット)がそれぞれ独立しているため、廃液タンクおよびイジェクタも独立に設けられている。このため、スペース効率が悪化すると共に構造が複雑になる問題があった。この場合、7台の吸引装置の廃液タンクおよびイジェクタを単一のものに統合すれば、かかる問題は解消される。
しかし、多数の吐出ノズルから機能液を吸引する吸引圧力と、ヘッドキャップの吐出された機能液を吸引する吸引圧力とでは、前者が高く後者が低いため、上記の構成では、吸引を行う吸引装置と捨て吐出を受ける吸引装置とが混在する運転方法をとる場合、両作業を同時に実施することが不可能になってしまう。
本発明は、キャップユニット単位で、異なる吸引圧力による吸引処理を同時に行うことができると共に、スペース効率の向上および構造の単純化を図ることができる吸引装置、吸引システムおよびこれらを備えた液滴吐出装置、並に電気光学装置の製造方法および電気光学装置を提供することを課題としている。
本発明の吸引装置は、インクジェット方式の複数の機能液滴吐出ヘッドのノズル面に対し、離接自在に密接する複数のヘッドキャップを備えた吸引装置であって、1以上のヘッドキャップを搭載した複数のキャップユニットと、各ヘッドキャップをキャップユニット単位で離接動作させる離接機構と、それぞれが複数のキャップユニットに接続され、キャップユニット単位で各ヘッドキャップから機能液を吸引すると共に相互に吸引圧力が異なる複数の吸引手段と、上流側を各キャップユニットに接続した主流路、および分岐部を介して主流路から分岐し下流側を各吸引手段に接続した複数の個別流路から成る複数組の吸引流路と、各吸引流路の分岐部に介設され、各吸引流路を任意の1の吸引手段に選択的に流路切換えする複数の流路切換え手段と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、各流路切換え手段により、各吸引流路を任意の1の吸引手段に選択的に流路切換えすることにより、複数のキャップユニットをキャップユニット単位で、相互に吸引圧力が異なる複数の吸引手段と連通させることができる。すなわち、吸引処理において、ヘッドキャップを介して機能液滴吐出ヘッドに、キャップユニット単位で、高低の吸引圧力を選択的に作用させることができる。これにより、複数のキャップユニットに対し、同時並行的に異なる吸引圧力による吸引処理を行うことができる。また、各吸引手段は、複数のキャップユニットの吸引処理を行う構成であるため、キャップユニット単位で吸引手段を設ける場合に比して、その数を少なくすることができ、スペース効率の向上および構造の単純化を図ることができる。
この場合、各吸引手段は、個別流路の下流端が接続された廃液タンクと、一次側に圧縮エアーを導入すると共に二次側を廃液タンクの上部空間に接続したイジェクタと、を有していることが好ましい。
この構成によれば、吸引手段の構造を単純化することができると共に、機能液に対する耐薬品性に優れた構造とすることができる。
この場合、各吸引手段は、一次側圧縮エアーの圧力を調整する圧力調整手段と、圧力調整手段を制御する制御手段と、を更に有していることが好ましい。
この構成によれば、各廃液タンクに導入する吸引のための負圧(吸引圧力)を、機能液の粘性や吸引処理の形態に合わせて簡単に調整することができる。もちろん、異種の機能液を新たに導入する場合や吸引形態を変更する場合等にも、簡単に対応させることができる。なお、圧力調整手段として、レギュレータ(電空レギュレータ)を用いることが、好ましい。
この場合、各吸引手段に接続した個別流路には、個別流路を開閉する流路開閉手段がそれぞれ介設されており、各制御手段は、各キャップユニットにおける吸引圧力が一定になるように、複数の流路開閉手段のうちの開放している流路開閉手段の開放数に応じて、圧力調整手段を制御することが好ましい。
この構成によれば、流路開閉手段により個別流路を開閉することにより、各キャップユニットと各吸引手段の流路接続を開閉することができる。これにより、複数の機能液滴吐出ヘッドにおいて、吸引処理を行うものと行わないものがある場合、各流路開閉手段の開閉によりこれを実行することができると共に、開放している流路開閉手段の開放数に応じて、圧力調整手段を制御することで、各キャップユニット(ヘッドキャップ)における吸引圧力を一定にすることができる。これにより、吸引処理を行う機能液滴吐出ヘッドの数に関係なく、各キャップユニット(ヘッドキャップ)の吸引流量を一定量とすることができる。
この場合、吸引時の各廃液タンクの圧力を検出する圧力検出手段を、更に備え、各制御手段は、廃液タンク内の圧力が開放数に応じた所定の圧力なるように、圧力調整手段を制御することが好ましい。
同様に、吸引より各廃液タンクに流入する機能液流量を検出する流量検出手段を、更に備え、制御手段は、廃液タンクに流入する機能液流量が開放数に応じた所定の流量なるように、圧力調整手段を制御することが好ましい。
これらの構成によれば、いずれのキャップユニット(ヘッドキャップ)においても、吸引圧力が常に一定になるように制御することができ、機能液の種別を考慮しつつ機能液滴吐出ヘッドに対する吸引処理を適切に行うことができる。
これらの場合、複数の吸引手段は、2つの吸引手段で構成されており、一方の吸引手段は、各ヘッドキャップを各機能液滴吐出ヘッドに密接した状態で吸引するためのものであり、他方の吸引手段は、各ヘッドキャップを各機能液滴吐出ヘッドから離間させた状態で吸引するためのものであることが、好ましい。
この構成によれば、例えば一方の吸引手段を、機能液滴吐出ヘッドから機能液を吸引する機能回復用とし、他方の吸引手段を、機能液滴吐出ヘッドから捨て吐出された機能液をヘッドキャップから吸引する機能維持用とすることができる。これにより、各機能液滴吐出ヘッドの目詰り等の状態により、吸引手段を使い分けることができる。
これらの場合、複数の個別流路は、マニホールドにより合流し、合流流路を介して各吸引手段に接続されており、マニホールドは、上端を円板状の蓋体により閉蓋されてロート状に形成され、複数の個別流路の下流端は、周方向に均等配置するようにして蓋体に接続されていることが、好ましい。
この構成によれば、複数の個別流路が、ロート状に形成したマニホールドの蓋体に、周方向に均等配置するように接続されているため、複数の個別流路から合流流路に至る流路において、複数の個別流路の圧力損失を均一にすることができる。すなわち、複数の個別流路の流路長および流路径が同一に構成すれば、吸引手段毎に、これにより吸引される複数のキャップユニットにおける吸引圧力を同一にすることができる。
本発明の吸引システムは、複数の機能液滴吐出ヘッドが、機能液の色別に複数組設けられており、上記した吸引装置を、機能液の色別に複数組を備えたことを特徴とする。
この場合、複数組の吸引装置は、6色の機能液に対応して6組の吸引装置で構成されていることが、好ましい。
これらの場合、キャリッジユニットは、1以上のヘッドキャップを色別に複数組搭載していることが、好ましい。
これらの構成によれば、色別の複数の機能液滴吐出ヘッドに対し、複数のキャップユニットを介して、同時並行的に異なる吸引圧力による吸引処理を行うことができ、各色の機能液滴吐出ヘッドの機能維持および機能回復を適切に行うことができる。
本発明の液滴吐出装置は、ワークに対し、インクジェット方式の複数の機能液滴吐出ヘッドを移動させながら、各機能液滴吐出ヘッドから機能液滴を吐出させて描画を行なう描画手段と、上記した吸引装置と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、機能液滴吐出ヘッドの機能維持および機能回復を適切に行うことができ、ワーク処理における生産性を向上させることができる。
本発明の他の液滴吐出装置は、ワークに対し、インクジェット方式の複数の機能液滴吐出ヘッドを移動させながら、各機能液滴吐出ヘッドから機能液滴を吐出させて描画を行なう描画手段と、上記した吸引システムと、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、複数色の機能液を用いて、ワークに描画を行なうことができると共に、色別の機能液滴吐出ヘッドの機能維持および機能回復を適切に行うことができ、ワーク処理における生産性を向上させることができる。
本発明の電気光学装置の製造方法は、上記した液滴吐出装置を用い、ワーク上に機能液滴による成膜部を形成することを特徴とする。
同様に、本発明の電気光学装置は、上記した液滴吐出装置を用い、ワーク上に機能液滴による成膜部を形成したことを特徴とする。
この構成によれば、高品質の電気光学装置を効率良く製造することができる。なお、機能材料としては、有機EL装置の発光材料(Electro-Luminescence発光層・正孔注入層)は元より、液晶表示装置に用いるカラーフィルタのフィルタ材料(フィルタエレメント)、電子放出装置(Field Emission Display, FED)の蛍光材料(蛍光体)、PDP(plasma Display Panel)装置の蛍光材料(蛍光体)、電気泳動表示装置の泳動体材料(泳動体)等であって、機能液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)により吐出可能な液体材料を言う。また、電気光学装置(Flat Panel Display, FPD)としては、有機EL装置、液晶表示装置、電子放出装置、PDP装置、電気泳動表示装置等がある。
以下、添付の図面を参照して、本発明の機能液供給装置を適用した液滴吐出装置について説明する。この液滴吐出装置は、フラットパネルディスプレイの製造ラインに組み込まれており、例えば、特殊なインクや発光性の樹脂液である機能液を導入した機能液滴吐出ヘッドを用い、液晶表示装置のカラーフィルタや有機EL装置の各画素となる発光素子等を形成するものである。
図1、図2および図3に示すように、液滴吐出装置1は、石定盤に支持されたX軸支持ベース2上に配設され、主走査方向となるX軸方向に延在して、ワークWをX軸方向(主走査方向)に移動させるX軸テーブル11と、複数本の支柱4を介してX軸テーブル11を跨ぐように架け渡された1対(2つ)のY軸支持ベース3上に配設され、副走査方向となるY軸方向に延在するY軸テーブル(移動テーブル)12と、複数の機能液滴吐出ヘッド17が搭載された10個のキャリッジユニット51と、から成り、10個のキャリッジユニット51は、Y軸テーブル12に移動自在に吊設されている。さらに、液滴吐出装置1は、これらの装置を温度および湿度が管理された雰囲気内に収容するチャンバ6と、チャンバ6を貫通して、チャンバ6の外部から内部の機能液滴吐出ヘッド17に機能液を供給する機能液供給ユニット7と、を備えている。X軸テーブル11およびY軸テーブル12の駆動と同期して機能液滴吐出ヘッド17を吐出駆動させることにより、機能液供給ユニット7から供給された6色の機能液滴を吐出させ、ワークWに所定の描画パターンが描画される。なお、請求項にいう描画手段は、X軸テーブル11、Y軸テーブル12および10個のキャリッジユニット51により構成されている。
また、液滴吐出装置1は、フラッシングユニット14、吸引ユニット(吸引システム)15、ワイピングユニット16、吐出性能検査ユニット18から成るメンテナンス装置5を備えており、これらユニットを機能液滴吐出ヘッド17の保守に供して、機能液滴吐出ヘッド17の機能維持・機能回復を図るようになっている。なお、メンテナンス装置5を構成する各ユニットのうち、フラッシングユニット14および吐出性能検査ユニット18は、X軸テーブル11に搭載され、吸引ユニット15およびワイピングユニット16は、X軸テーブル11から直角に延び、かつY軸テーブル12によりキャリッジユニット51が移動可能である位置に配設された架台上に配設されている(厳密には、吐出性能検査ユニット18は、後述するステージユニット77がX軸テーブル11に搭載され、カメラユニット78がY軸支持ベース3に支持されている。)。
フラッシングユニット14は、一対の描画前フラッシングユニット71,71と、定期フラッシングユニット72とを有し、機能液滴吐出ヘッド17の吐出直前や、ワークWの載換え時等の描画処理休止時に行われる、機能液滴吐出ヘッド17の捨て吐出(フラッシング)を受ける。吸引ユニット15は、10台のキャップユニット303を有し、各機能液滴吐出ヘッド17の吐出ノズル98から機能液を強制的に吸引すると共に、キャッピングを行う。ワイピングユニット16は、ワイピングシート75を有し、吸引後の機能液滴吐出ヘッド17のノズル面97を拭取る。吐出性能検査ユニット18は、機能液滴吐出ヘッド17から吐出された機能液滴を受ける検査シート83を搭載したステージユニット77と、ステージユニット77上の機能液滴を画像認識により検査するカメラユニット78を有し、機能液滴吐出ヘッド17の吐出性能(吐出の有無および飛行曲り)を検査する。
次に、液滴吐出装置1の構成要素について簡単に説明する。図2または図3に示すように、X軸テーブル11は、ワークWをセットするセットテーブル21と、セットテーブル21をX軸方向にスライド自在に支持するX軸第1スライダ22と、上記のフラッシングユニット14およびステージユニット77をX軸方向にスライド自在に支持するX軸第2スライダ23と、X軸方向に延在し、X軸第1スライダ22を介してセットテーブル21(ワークW)をX軸方向に移動させると共に、X軸第2スライダ23を介してフラッシングユニット14およびステージユニット77をX軸方向に移動させる左右一対のX軸リニアモータ(図示省略)と、X軸リニアモータに並設され、X軸第1スライダ22およびX軸第2スライダ23の移動を案内する一対(2本)のX軸共通支持ベース24と、を備えている。
セットテーブル21は、ワークWを吸着セットする吸着テーブル31と、吸着テーブル31を支持し、吸着テーブル31にセットしたワークWの位置をθ軸方向に補正するためのθテーブル32等を有している。また、セットテーブル21のY軸方向と平行な一対の辺には、それぞれ上記の描画前フラッシングユニット71が添設されている。
Y軸テーブル12は、10個の各キャリッジユニット51をそれぞれ吊設した10個のブリッジプレート52と、10個のブリッジプレート52を両持ちで支持する10組のY軸スライダ(図示省略)と、上記した一対のY軸支持ベース3上に設置され、10組のY軸スライダを介してブリッジプレート52をY軸方向に移動させる一対のY軸リニアモータ(図示省略)と、を備えている。また、Y軸テーブル12は、各キャリッジユニット51を介して描画時に機能液滴吐出ヘッド17を副走査するほか、機能液滴吐出ヘッド17をメンテナンス装置5(吸引ユニット15およびワイピングユニット16)に臨ませる。
一対のY軸リニアモータを(同期して)駆動すると、各Y軸スライダが一対のY軸支持ベース3を案内にして同時にY軸方向を平行移動する。これにより、ブリッジプレート52がY軸方向を移動し、これと共にキャリッジユニット51がY軸方向に移動する。なお、この場合、Y軸リニアモータの駆動を制御することにより、各キャリッジユニット51を独立させて個別に移動させることも可能であるし、10個のキャリッジユニット51を一体として移動させることも可能である。
また、Y軸テーブル12の両脇には、これに平行にケーブル坦持体81が配設されている。両ケーブル坦持体81は、一端がY軸支持ベース3に固定されると共に他端が各ブリッジプレート52の1つに固定されている。このケーブル坦持体81には、各キャリッジユニット51用のケーブル類、エアーチューブ類および機能液流路等が収容されている。
各キャリッジユニット51は、R・G・B・C・M・Yの6色各2個(計12個)の機能液滴吐出ヘッド17と、12個の機能液滴吐出ヘッド17を6個ずつ2群に分けて支持するヘッドプレート53と、から成るヘッドユニット13を備えている(図4参照)。また、各キャリッジユニット51は、ヘッドユニット13をθ補正(θ回転)可能に支持するθ回転機構61と、θ回転機構61を介して、ヘッドユニット13をY軸テーブル12(各ブリッジプレート52)に支持させる吊設部材62と、を備えている。加えて、各キャリッジユニット51は、その上部にサブタンク121が配設されており(実際には、ブリッジプレート52上に配設)、このサブタンク121から自然水頭を利用し、かつ減圧弁(図示省略)を介して各機能液滴吐出ヘッド17に機能液が供給されるようになっている。
図5に示すように、機能液滴吐出ヘッド17は、いわゆる2連のものであり、2連の接続針92を有する機能液導入部91と、機能液導入部91に連なる2連のヘッド基板93と、機能液導入部91の下方に連なり、内部に機能液で満たされるヘッド内流路が形成されたヘッド本体94と、を備えている。接続針92は、機能液供給ユニット7に接続され、機能液導入部91に機能液を供給する。ヘッド本体94は、キャビティ95(ピエゾ圧電素子)と、多数の吐出ノズル98が開口したノズル面97を有するノズルプレート96と、で構成されている。機能液滴吐出ヘッド17を吐出駆動すると(ピエゾ圧電素子に電圧が印加され)、キャビティ95のポンプ作用により、吐出ノズル98から機能液滴が吐出される。
なお、ノズル面97には、多数の吐出ノズル98からなる2つのノズル列98bが相互に平行に形成されている。そして、2つのノズル列98b同士は、相互に半ノズルピッチ分位置ずれしている。
チャンバ6は、内部温度および湿度を一定に保つように構成されている。すなわち、液滴吐出装置1によるワークWへの描画は、温度および湿度が一定値に管理された雰囲気中で行われる。そして、チャンバ6の側壁の一部には、メインタンク181等を収納するためのタンクキャビネット84が設けられている。なお、有機EL装置等を製造する場合には、チャンバ6内を、不活性ガス(窒素ガス)の雰囲気で構成することが好ましい。
図1および図2に示すように、ワイピングユニット16と10台(複数)のキャップユニット303を搭載した吸引ユニット15とが配設された領域は、メンテナンスエリア213となっており、液滴吐出装置1の稼動停止時には、Y軸テーブル12により10個のキャリッジユニット51が吸引ユニット15(10台のキャップユニット303)の位置まで移動し、全機能液滴吐出ヘッド17に対し、いわゆるキャッピングが行われる。一方、稼動開始時には、全機能液滴吐出ヘッド17に対し、吸引処理が行なわれ、続いてキャリッジユニット51単位でワイピング処理が行なわれ、10台のキャリッジユニット51は順次、X軸テーブル11上の描画エリア214に移動する。
また、稼動中に、例えばメンテナンスエリア213側から3つ目のキャリッジユニット51に吐出不良が検出されると、1つ目から3つ目までの3つのキャリッジユニット51が描画エリア214側の3台のキャップユニット303上に移動し、該当する1のキャリッジユニット51には、キャップユニット303による吸引処理が行なわれ、その間他の2つのキャリッジユニット51では、各機能液滴吐出ヘッド17からキャップユニット303に捨て吐出(フラッシング)が行われる。このように、10個のキャリッジユニット51は個別に制御されており、これに合わせて10個のキャップユニット303それぞれにおいて、適切な処理を行うことができる。
次に、図6および図7を参照して、吸引ユニット15について説明する。吸引ユニット15は、各12個の機能液滴吐出ヘッド17に対応する12個のヘッドキャップ301を、キャッププレート302に配置した10台のキャップユニット303と、各キャップユニット303をそれぞれ支持する10台の支持部材305と、支持部材305を介して各キャップユニット303を昇降させる10台の昇降機構(離接機構)306と、各ヘッドキャップ301に連なると共に、6色の機能液滴吐出ヘッド17に対応した6組の吸引機構100(図8参照)と、を備えている。
また、吸引ユニット15は、後述する圧力制御機構103等に制御用の圧縮エアーを供給する圧縮エアー供給設備85と、各部から排気を行うための排気設備87と、後述する廃液タンク101に接続され、貯留された機能液を廃液する機能液廃液設備89と、を備えている。なお、請求項にいう吸引装置は、キャップユニット303(1色の機能液滴吐出ヘッド17に対応したヘッドキャップ301)、支持部材305、昇降機構306および当該1色に対応した吸引機構100で構成されている。すなわち、本実施形態においては、各吸引装置は、共通の支持部材305および昇降機構306を有し、キャップユニット303単位で離接動作を行うように構成されている。
図6に示すように、昇降機構306は、支持部材305を介してヘッドキャップ301を直接昇降させる昇降シリンダ311と、昇降シリンダ311による昇降をガイドする一対のリニアガイド314と、これらを支持するベース部341と、を有している。昇降シリンダ311は、ヘッドユニット13の交換時にヘッドキャップ301を大きく下降させると共に、機能液滴吐出ヘッド17のノズル面97からヘッドキャップ301を離接させるものである。すなわち、昇降シリンダ311は、吸引用の密接位置と、フラッシング用の離間位置と、ヘッドユニット13の交換やキャップユニット303の消耗品交換(メンテナンス)用の交換位置との間でキャップユニット303を3段階に昇降させる。
支持部材305は、上端にキャップユニット303を支持する支持フレーム342を有する支持部材本体343と、12個のヘッドキャップ301の大気開放弁(図示省略)を一括して開放するための大気開放フレーム312と、大気開放フレーム312を下動させる一対のエアーシリンダ313,313と、を有している。
図7に示すように、キャップユニット303は、12個のヘッドキャップ301とこれを搭載したキャッププレート302とから成り、12個のヘッドキャップ301は、12個の機能液滴吐出ヘッド17と同じ並びで且つ同じ傾き姿勢で、キャッププレート302に搭載されている。
上記したように各キャップユニット303は、ヘッドユニット13の各色2個、計12個の機能液滴吐出ヘッド17に対応して、各色2個、計12個のヘッドキャップ301を有している。本実施形態の吸引機構100は、この色別に吸引処理を行なえるようになっている。すなわち、図8に示すように、各ヘッドキャップ301には、6色の機能液滴吐出ヘッド17に対応して、別個独立の6組の吸引機構100が接続されている。
ここで、各吸引機構100の構成および機能は同じであるため、吸引機構100について、R色の吸引機構100を例に挙げ説明する。図8に示すように、R色の吸引機構100は、R色の機能液を廃液する一対の廃液タンク101と、各ヘッドキャップ301(R色)と一対の廃液タンク101を接続する機能液吸引流路102と、一対の廃液タンク101に接続されると共に、各廃液タンク101の内部圧力を制御する一対の圧力制御機構103と、を備えている。圧力制御機構103により、廃液タンク101の内部圧力が個別に調整され、これにより、機能液吸引流路102を介して各ヘッドキャップ301が負圧(吸引)に制御される。
機能液吸引流路102は、10個のキャップユニット303におけるR色の各2個の各ヘッドキャップ301(計20個)に接続した20本のキャップ側流路(主流路)111と、共通のキャップユニット303に対応する2本のキャップ側流路111を合流する10個のキャップ側合流部112と、上流側を、10個のキャップ側合流部112にそれぞれ接続し、下流側を一対の廃液タンク101,101に接続した2組のタンク側流路113と、を備えている。また、各キャップ側流路111には、ヘッドキャップ301への接続を個別に開閉するための個別バルブ114が介設されている。なお、請求項にいう吸引流路は、1のキャップユニットに接続した2本のキャップ側流路111、その下流側に位置する1個のキャップ側合流部112、およびそのさらに下流側に位置する2組のタンク側流路113の、後述する2本の個別流路131にて構成されている。
各タンク側流路113は、上流側を10個のキャップ側合流部112に接続した10本の個別流路131と、10本の個別流路131を合流するタンク側合流部(マニホールド)132と、上流側をタンク側合流部132に接続し、下流側を廃液タンク101に接続した合流流路133と、を備えている。すなわち、各キャップ側合流部112には、2組のタンク側流路113における2本の個別流路131が接続されている。当該2本の個別流路131のキャップ側合流部112近傍(分岐部)には、それぞれ切換バルブ134が介設されており、その上流側に位置するヘッドキャップ301への流路接続を、各個別流路131の下流側に位置する一対の廃液タンク101間で切り替えることができる。また、各合流流路133には、各廃液タンク101に流入する機能液の流量を検出する流量計(流量検出手段)135が介設されている。なお、各切換バルブ134は、単なる開閉弁であり、一方を「開」、他方を「閉」とすることで、流路切換え手段が構成されている。また、両方を「閉」とすることで、ヘッドキャップ301への流路接続を閉塞することができる。さらに、合流流路133の先端は、廃液タンク101の底面近傍まで深く挿入されている。またさらに、請求項にいう流路開閉手段は、切換バルブ134で構成されている。なお、本実施形態においては、切換バルブ134により流路切換え手段と流路開閉手段とが構成されているが、流路切換え手段と流路開閉手段を別々の開閉バルブによって構成するようにしても良い。
タンク側合流部132は、上端を円板状の蓋体により閉塞されたロート状に形成された円盤状マニホールドで構成されている。10本の個別流路131の下流端は、円盤状マニホールドの周方向に均等配置するように、蓋体に接続されている。
このような構成により、複数の個別流路131が、ロート状に形成したマニホールドの蓋体に、周方向に均等配置するように接続されているため、複数の個別流路131から合流流路133に至る流路において、複数の個別流路131の圧力損失を均一にすることができる。すなわち、複数の個別流路131の流路長および流路径が同一に構成すれば、廃液タンク101毎に、これにより吸引される10台のキャップユニット303における負圧(吸引力)を同一にすることができる。
廃液タンク101は、いわゆる密閉タンクで構成されたタンク本体141と、タンク本体141の上部空間に接続され、内部圧力を検出する圧力計(圧力検出手段)142と、タンク本体141の側方に配設され貯留された機能液の液位を検出する液位検出手段143と、を備えている。また、廃液タンク101には、貯留した機能液を廃液する機能液廃液設備89が接続されている。詳細は後述するが、圧力計142により検出した内部圧力に基いて廃液タンク101内の圧力制御が行われる。
液位検出手段143は、貯留された機能液の液位を検出して、タンク本体141の満液状態および減液状態を検出するものである。吸引処理により機能液の液位が上限液位まで上昇すると(満液状態)、機能液廃液設備89側の流路に介設された廃液開閉弁151を開放し機能液廃液設備89に機能液を廃液する。なお、本実施形態においては、満液状態を検出した後であって、吸引ユニット15の非駆動時に廃液開閉弁151を開弁する。また、下限液位を検出すると、廃液開閉弁151を閉弁する。これにより、合流流路133の先端が常に機能液に挿入されている状態を維持する。
圧力制御機構103は、上流側をタンク本体141の上部空間に接続した連通流路161と、連通流路161、圧縮エアー供給設備85および排気設備87に接続されたイジェクタ162と、イジェクタ162と圧縮エアー供給設備85の間の流路に介設され、イジェクタ162に供給される圧縮エアーの圧力を調整する電空レギュレータ(圧力調整手段)163と、電空レギュレータ163に隣接して介設された流量センサ164と、を備えている。すなわち、イジェクタ162は、圧縮エアー供給設備85から一次側に圧縮エアーを導入すると共に、二次側を廃液タンク101の上部空間に接続している。電空レギュレータ163により圧力が調整され、イジェクタ162に供給された圧縮エアーの随伴流によって、連通流路161中のエアーが排気設備87側に引っ張られる形で、タンク本体141の内部が減圧される。すなわち、各廃液タンク101は、圧力制御機構103により個別に圧力調整される。なお、一対の廃液タンク101は、イジェクタ162(電空レギュレータ163)の圧力制御により、吸引用の第1廃液タンク101aと、フラッシング用の第2廃液タンク101bとを構成している。
次に、図9を参照して、液滴吐出装置1の主制御系について説明する。同図に示すように、液滴吐出装置1は、ヘッドユニット13(機能液滴吐出ヘッド17)を有する液滴吐出部191と、X軸テーブル11を有し、ワークWをX軸方向へ移動させるためのワーク移動部192と、Y軸テーブル12を有し、ヘッドユニット13をY軸方向へ移動させるヘッド移動部193と、メンテナンス手段の各ユニットを有するメンテナンス部194と、機能液供給ユニット7を有し、機能液滴吐出ヘッド17に機能液を供給する機能液供給部198と、各種センサを有し、各種検出を行う検出部195と、各部を駆動制御する各種ドライバを有する駆動部196と、各部に接続され、液滴吐出装置1全体の制御を行う制御部(制御手段)197と、を備えている。
制御部197には、各手段を接続するためのインタフェース201と、一時的に記憶可能な記憶領域を有し、制御処理のための作業領域として使用されるRAM202と、各種記憶領域を有し、制御プログラムや制御データを記憶するROM203と、ワークWに所定の描画パターンを描画するための描画データや、各手段からの各種データ等を記憶すると共に、各種データを処理するためのプログラム等を記憶するハードディスク204と、ROM203やハードディスク204に記憶されたプログラム等に従い、各種データを演算処理するCPU205と、これらを互いに接続するバス206と、が備えられている。
そして、制御部197は、各手段からの各種データを、インタフェース201を介して入力すると共に、ハードディスク204に記憶された(または、CD−ROMドライブ等により順次読み出される)プログラムに従ってCPU205に演算処理させ、その処理結果を、駆動部196(各種ドライバ)を介して各手段に出力する。これにより、装置全体が制御され、液滴吐出装置1の各種処理が行われる。
ここで、吸引ユニット15によって行われる吸引用の吸引処理とフラッシング用の吸引処理の同時並行処理について説明する。この同時並行処理では、各キャリッジユニット51(機能液滴吐出ヘッド17)に対し、吸引用の吸引処理およびフラッシング用の吸引処理のうち所望の処理を同時に行う。基本的には、吸引用の吸引は高圧吸引(負圧大)であり、フラッシング用の吸引は低圧吸引(負圧小)である。ここでは、1例として、10個のキャリッジユニット51のうち、5個のキャリッジユニット51に対しフラッシングを行い、他5個のキャリッジユニット51に対し吸引を行うものとする。
吸引用の吸引処理を行うキャリッジユニット51では、対応する昇降機構306によりキャップユニット303を密接位置に移動すると共に、切換バルブ134を制御して、当該キャップユニット303への流路接続を吸引用の第1廃液タンク101a(第1廃液タンク101a側のタンク側流路113)に切り替える。
フラッシング用の吸引処理を行う5個のキャリッジユニット51では、対応する昇降機構306により5個のキャップユニット303を離間位置に移動すると共に、切換バルブ134を制御して、当該キャップユニット303への流路接続をフラッシング用の第2廃液タンク101b(第2廃液タンク101b側のタンク側流路113)に切り換える。
これらの状態で、同時並行処理を行う。吸引を行う5個のキャリッジユニット51では、圧力制御機構103により第1廃液タンク101aが吸引処理に適した圧力に調整され、キャリッジユニット51に密着した状態で複数の(5個の)キャップユニット303が負圧(吸引)される。この吸引動作では、機能液を機能液滴吐出ヘッド17に初期充填する場合の吸引や、通常の機能回復のための吸引があり、これらは、実験により求めた最良の吸引圧力により吸引動作を行うようになっている。特に、上記の初期充填では、流路内の気泡排除のため、吸引初期は強い吸引力で吸引を行い、吸引終期は弱い吸引力で吸引を行う等の制御(プロセス制御)も行うようになっている。
一方、フラッシングを行う5個のキャリッジユニット51では、機能液滴吐出ヘッド17により捨て吐出を行うと共に、圧力制御機構103により第2廃液タンク101bがフラッシングに適した圧力に調整され、キャリッジユニット51に離間した状態で複数の(5個の)キャップユニット303の吸引が行われる。この場合の吸引は、フラッシングによりヘッドキャップ301に溜まった機能液を吸引することの他、フラッシングより生ずる機能液滴のミストも周囲エアーと共にヘッドキャップ301に吸引するようになっている。このため、吸引機構100による吸引動作を開始した後(数秒後)、フラッシングを開始し、フラッシングを終了した後(数秒後)、吸引動作を終了する。また、吸引圧(負圧)は、ヘッドキャップ301の機能液吸収材から機能液を吸引可能であって、且つ周囲エアーの流れにより、吐出ノズル98のメニスカスを構成する機能液が乾燥しない程度のものとしている。
このように、一対の切換バルブ134,134により、機能液吸引流路102を任意の1の廃液タンク101に選択的に流路切換えすることにより、複数のキャップユニット303をキャップユニット303単位で、相互に吸引圧力が異なる複数の廃液タンク101と連通させることができる。すなわち、吸引処理において、ヘッドキャップ301を介して機能液滴吐出ヘッド17に、キャップユニット303単位で、高低の吸引圧力を選択的に作用させることができる。これにより、複数のキャップユニット303に対し、同時並行的に異なる吸引圧力による吸引処理を行うことができる。また、各吸引手段(廃液タンク101および圧力制御機構103)は、複数のキャップユニット303の吸引処理を行う構成であるため、キャップユニット303単位で吸引手段を設ける場合に比して、その数を少なくすることができ、スペース効率の向上および構造の単純化を図ることができる。
また、各吸引手段を、廃液タンク101およびイジェクタ162で構成することにより、吸引手段の構造を単純化することができると共に、機能液に対する耐薬品性に優れた構造とすることができる。
さらに、各吸引手段が、イジェクタ162に供給される圧縮エアーの圧力を調整する電空レギュレータ163を有し、制御部197によって電空レギュレータ163を制御することにより 各廃液タンク101に導入する吸引のための負圧(吸引圧力)を、機能液の粘性や吸引処理の形態に合わせて簡単に調整することができる。もちろん、異種の機能液を新たに導入する場合や吸引形態を変更する場合等にも、簡単に対応させることができる。
またさらに、一方の吸引手段(第1廃液タンク101aおよびその圧力制御機構103)は、各ヘッドキャップ301を各機能液滴吐出ヘッド17に密接した状態で吸引し、他方の吸引手段(第2廃液タンク101bおよびその圧力制御機構103)は、各ヘッドキャップ301を各機能液滴吐出ヘッド17から離間させた状態で吸引するためのものであることで、一方の吸引手段を、機能液滴吐出ヘッド17から機能液を吸引する機能回復用とし、他方の吸引手段を、機能液滴吐出ヘッド17から捨て吐出された機能液をヘッドキャップ301から吸引する機能維持用とすることができる。これにより、各機能液滴吐出ヘッド17の目詰り等の状態により、吸引手段を使い分けることができる。
なお、一例として、5個のキャリッジユニット51に対し吸引用の吸引処理を行い、他5個のキャリッジユニット51にフラッシング用の吸引処理を行うものを表記したが、上記したように、各キャリッジユニット51に対する吸引処理の選択は、一対の切換バルブ134により行うことができる。各廃液タンク101による適正圧力(フラッシング用の適正圧力もしくは吸引用の適正圧力)は、流路接続されたヘッドキャップ301の数に応じて異なるため、電空レギュレータ163による各廃液タンク101の圧力制御は、切換バルブ134の開閉(開放数)および圧力計142の検出値に基づいて行われる。なお、吸引するかフラッシングするかは、上記の吐出性能検査ユニット18の検査結果に基づいて決定される。
まず、切換バルブ134により当該廃液タンク101に流路接続されたキャップユニット303の数から流路接続されたヘッドキャップ301の数を算出する(圧力制御する廃液タンク101のタンク側流路113に接続された切換バルブ134の開放数×2)。算出されたヘッドキャップ301から、予め実験で得られた係数テーブルにより適正圧力を求める。その後、圧力計142により検出した廃液タンク101の圧力が適正圧力となるように電空レギュレータ163を制御する(フィードバック制御)。
このように、切換バルブ134の開放数に応じて、電空レギュレータ163を制御することで、各キャップユニット303(ヘッドキャップ301)における吸引圧力を一定にすることができる。これにより、吸引処理を行う機能液滴吐出ヘッド17の数に関係なく、各キャップユニット303(ヘッドキャップ301)の吸引流量を一定量とすることができる。また、圧力計142の検出値に基づいて電空レギュレータ163を制御することにより、いずれのキャップユニット303(ヘッドキャップ301)においても、吸引圧力が常に一定になるように制御することができ、機能液の種別を考慮しつつ機能液滴吐出ヘッド17に対する吸引処理を適切に行うことができる。なお、係数テーブルは、ヘッドキャップ301の数に加え、機能液の粘性に基づいて適正圧力が設定されていることが好ましい。
なお、上記吸引動作例では、制御方法として、圧力計142の検出値に基づいて、電空レギュレータ163を制御する方法を用いたが、次のような制御方法を用いても良い。
本別制御方法では、流量計135を用いて電空レギュレータ163の制御を行う。適正流量を求め、廃液タンク101に流入する機能液流量が適正流量になるよう電空レギュレータ163の圧力制御を調整する(フィードバック制御)。
この構成によれば、流量計135に基づいて電空レギュレータ163の制御することにより、圧力計142を用いた場合と同様、いずれのキャップユニット303(ヘッドキャップ301)においても、吸引圧力が常に一定になるように制御することができ、機能液の種別を考慮しつつ機能液滴吐出ヘッド17に対する吸引処理を適切に行うことができる。
なお、本実施形態においては、10個のキャリッジユニット51を備えた液滴吐出装置1を備えたものを使用しているが、キャリッジユニット51の個数および各キャリッジユニット51に搭載される機能液滴吐出ヘッド17の個数は任意である。
また、本実施形態においては、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)、C(シアン)、M(マゼンダ)、Y(イエロー)の6色の機能液が供給される機能液滴吐出ヘッド17を用いたものを使用しているが、供給される機能液の色数、色種は任意であり、例えば、RGB3色や単色、R・G・B・LR(ライトレット)・LG(ライトグリーン)・LB(ライトブルー)6色の機能液を供給する液滴吐出装置1に本発明を用いても良い。さらに、本実施形態では、10組の吸引装置を用いているが、その数は任意であり、単一の吸引装置のみ備えたものを使用しても良い。またさらに、本実施形態においては、10個のキャリッジユニット51に対応して10台のキャップユニット303を備えているが、例えば、各キャップユニット303に単一のヘッドキャップ301を搭載し、10×12個の機能液滴吐出ヘッド17に対応して10×12台のキャップユニット303を用いても良い。かかる場合には、各キャップユニット303を支持する10×12台の支持部材305と、支持機構305を介して各キャップユニット303を昇降する10×12台の昇降機構306を有する必要がある。このような構成によれば、同時並行処理にて、各機能液滴吐出ヘッド17(各ヘッドキャップ301)において、吸引するか、フラッシングするかを選択することができる。
次に、本実施形態の液滴吐出装置1を用いて製造される電気光学装置(フラットパネルディスプレイ)として、カラーフィルタ、液晶表示装置、有機EL装置、プラズマディスプレイ(PDP装置)、電子放出装置(FED装置、SED装置)、さらにこれら表示装置に形成されてなるアクティブマトリクス基板等を例に、これらの構造およびその製造方法について説明する。なお、アクティブマトリクス基板とは、薄膜トランジスタ、および薄膜トランジスタに電気的に接続するソース線、データ線が形成された基板をいう。
まず、液晶表示装置や有機EL装置等に組み込まれるカラーフィルタの製造方法について説明する。図10は、カラーフィルタの製造工程を示すフローチャート、図11は、製造工程順に示した本実施形態のカラーフィルタ500(フィルタ基体500A)の模式断面図である。
まず、ブラックマトリクス形成工程(S101)では、図11(a)に示すように、基板(W)501上にブラックマトリクス502を形成する。ブラックマトリクス502は、金属クロム、金属クロムと酸化クロムの積層体、または樹脂ブラック等により形成される。金属薄膜からなるブラックマトリクス502を形成するには、スパッタ法や蒸着法等を用いることができる。また、樹脂薄膜からなるブラックマトリクス502を形成する場合には、グラビア印刷法、フォトレジスト法、熱転写法等を用いることができる。
続いて、バンク形成工程(S102)において、ブラックマトリクス502上に重畳する状態でバンク503を形成する。即ち、まず図11(b)に示すように、基板501およびブラックマトリクス502を覆うようにネガ型の透明な感光性樹脂からなるレジスト層504を形成する。そして、その上面をマトリクスパターン形状に形成されたマスクフィルム505で被覆した状態で露光処理を行う。
さらに、図11(c)に示すように、レジスト層504の未露光部分をエッチング処理することによりレジスト層504をパターニングして、バンク503を形成する。なお、樹脂ブラックによりブラックマトリクスを形成する場合は、ブラックマトリクスとバンクとを兼用することが可能となる。
このバンク503とその下のブラックマトリクス502は、各画素領域507aを区画する区画壁部507bとなり、後の着色層形成工程において機能液滴吐出ヘッド17により着色層(成膜部)508R、508G、508B、508C,508M,508Yを形成する際に機能液滴の着弾領域を規定する。
以上のブラックマトリクス形成工程およびバンク形成工程を経ることにより、上記フィルタ基体500Aが得られる。
なお、本実施形態においては、バンク503の材料として、塗膜表面が疎液(疎水)性となる樹脂材料を用いている。そして、基板(ガラス基板)501の表面が親液(親水)性であるので、後述する着色層形成工程においてバンク503(区画壁部507b)に囲まれた各画素領域507a内への液滴の着弾位置のばらつきを自動補正できる。
次に、着色層形成工程(S103)では、図11(d)に示すように、機能液滴吐出ヘッド17によって機能液滴を吐出して区画壁部507bで囲まれた各画素領域507a内に着弾させる。この場合、機能液滴吐出ヘッド17を用いて、R・G・B・C・M・Yの6色の機能液(フィルタ材料)を導入して、機能液滴の吐出を行う。なお、R・G・B・C・M・Yの6色の配列パターンとしては、ストライプ配列、モザイク配列およびデルタ配列等がある。
その後、乾燥処理(加熱等の処理)を経て機能液を定着させ、6色の着色層508R、508G、508B、508C,508M、508Yを形成する。着色層508R、508G、508B、508C,508M、508Yを形成したならば、保護膜形成工程(S104)に移り、図11(e)に示すように、基板501、区画壁部507b、および着色層508R、508G、508B、508C,508M、508Yの上面を覆うように保護膜509を形成する。
即ち、基板501の着色層508R、508G、508B、508C,508M、508Yが形成されている面全体に保護膜用塗布液が吐出された後、乾燥処理を経て保護膜509が形成される。
そして、保護膜509を形成した後、カラーフィルタ500は、次工程の透明電極となるITO(Indium Tin Oxide)などの膜付け工程に移行する。
図12は、上記のカラーフィルタ500を用いた液晶表示装置の一例としてのパッシブマトリックス型液晶装置(液晶装置)の概略構成を示す要部断面図である。この液晶装置520に、液晶駆動用IC、バックライト、支持体などの付帯要素を装着することによって、最終製品としての透過型液晶表示装置が得られる。なお、カラーフィルタ500は図11に示したものと同一であるので、対応する部位には同一の符号を付し、その説明は省略する。
この液晶装置520は、カラーフィルタ500、ガラス基板等からなる対向基板521、および、これらの間に挟持されたSTN(Super Twisted Nematic)液晶組成物からなる液晶層522により概略構成されており、カラーフィルタ500を図中上側(観測者側)に配置している。
なお、図示していないが、対向基板521およびカラーフィルタ500の外面(液晶層522側とは反対側の面)には偏光板がそれぞれ配設され、また対向基板521側に位置する偏光板の外側には、バックライトが配設されている。
カラーフィルタ500の保護膜509上(液晶層側)には、図12において左右方向に長尺な短冊状の第1電極523が所定の間隔で複数形成されており、この第1電極523のカラーフィルタ500側とは反対側の面を覆うように第1配向膜524が形成されている。
一方、対向基板521におけるカラーフィルタ500と対向する面には、カラーフィルタ500の第1電極523と直交する方向に長尺な短冊状の第2電極526が所定の間隔で複数形成され、この第2電極526の液晶層522側の面を覆うように第2配向膜527が形成されている。これらの第1電極523および第2電極526は、ITOなどの透明導電材料により形成されている。
液晶層522内に設けられたスペーサ528は、液晶層522の厚さ(セルギャップ)を一定に保持するための部材である。また、シール材529は液晶層522内の液晶組成物が外部へ漏出するのを防止するための部材である。なお、第1電極523の一端部は引き回し配線523aとしてシール材529の外側まで延在している。
そして、第1電極523と第2電極526とが交差する部分が画素であり、この画素となる部分に、カラーフィルタ500の着色層508R、508G、508B、508C,508M、508Yが位置するように構成されている。
通常の製造工程では、カラーフィルタ500に、第1電極523のパターニングおよび第1配向膜524の塗布を行ってカラーフィルタ500側の部分を作成すると共に、これとは別に対向基板521に、第2電極526のパターニングおよび第2配向膜527の塗布を行って対向基板521側の部分を作成する。その後、対向基板521側の部分にスペーサ528およびシール材529を作り込み、この状態でカラーフィルタ500側の部分を貼り合わせる。次いで、シール材529の注入口から液晶層522を構成する液晶を注入し、注入口を閉止する。その後、両偏光板およびバックライトを積層する。
実施形態の液滴吐出装置1は、例えば上記のセルギャップを構成するスペーサ材料(機能液)を塗布すると共に、対向基板521側の部分にカラーフィルタ500側の部分を貼り合わせる前に、シール材529で囲んだ領域に液晶(機能液)を均一に塗布することが可能である。また、上記のシール材529の印刷を、機能液滴吐出ヘッド17で行うことも可能である。さらに、第1・第2両配向膜524,527の塗布を機能液滴吐出ヘッド17で行うことも可能である。
図13は、本実施形態において製造したカラーフィルタ500を用いた液晶装置の第2の例の概略構成を示す要部断面図である。
この液晶装置530が上記液晶装置520と大きく異なる点は、カラーフィルタ500を図中下側(観測者側とは反対側)に配置した点である。
この液晶装置530は、カラーフィルタ500とガラス基板等からなる対向基板531との間にSTN液晶からなる液晶層532が挟持されて概略構成されている。なお、図示していないが、対向基板531およびカラーフィルタ500の外面には偏光板等がそれぞれ配設されている。
カラーフィルタ500の保護膜509上(液晶層532側)には、図中奥行き方向に長尺な短冊状の第1電極533が所定の間隔で複数形成されており、この第1電極533の液晶層532側の面を覆うように第1配向膜534が形成されている。
対向基板531のカラーフィルタ500と対向する面上には、カラーフィルタ500側の第1電極533と直交する方向に延在する複数の短冊状の第2電極536が所定の間隔で形成され、この第2電極536の液晶層532側の面を覆うように第2配向膜537が形成されている。
液晶層532には、この液晶層532の厚さを一定に保持するためのスペーサ538と、液晶層532内の液晶組成物が外部へ漏出するのを防止するためのシール材539が設けられている。
そして、上記した液晶装置520と同様に、第1電極533と第2電極536との交差する部分が画素であり、この画素となる部位に、カラーフィルタ500の着色層508R、508G、508B、508C,508M、508Yが位置するように構成されている。
図14は、本発明を適用したカラーフィルタ500を用いて液晶装置を構成した第3の例を示したもので、透過型のTFT(Thin Film Transistor)型液晶装置の概略構成を示す分解斜視図である。
この液晶装置550は、カラーフィルタ500を図中上側(観測者側)に配置したものである。
この液晶装置550は、カラーフィルタ500と、これに対向するように配置された対向基板551と、これらの間に挟持された図示しない液晶層と、カラーフィルタ500の上面側(観測者側)に配置された偏光板555と、対向基板551の下面側に配設された偏光板(図示せず)とにより概略構成されている。
カラーフィルタ500の保護膜509の表面(対向基板551側の面)には液晶駆動用の電極556が形成されている。この電極556は、ITO等の透明導電材料からなり、後述の画素電極560が形成される領域全体を覆う全面電極となっている。また、この電極556の画素電極560とは反対側の面を覆った状態で配向膜557が設けられている。
対向基板551のカラーフィルタ500と対向する面には絶縁層558が形成されており、この絶縁層558上には、走査線561および信号線562が互いに直交する状態で形成されている。そして、これらの走査線561と信号線562とに囲まれた領域内には画素電極560が形成されている。なお、実際の液晶装置では、画素電極560上に配向膜が設けられるが、図示を省略している。
また、画素電極560の切欠部と走査線561と信号線562とに囲まれた部分には、ソース電極、ドレイン電極、半導体、およびゲート電極とを具備する薄膜トランジスタ563が組み込まれて構成されている。そして、走査線561と信号線562に対する信号の印加によって薄膜トランジスタ563をオン・オフして画素電極560への通電制御を行うことができるように構成されている。
なお、上記の各例の液晶装置520,530,550は、透過型の構成としたが、反射層あるいは半透過反射層を設けて、反射型の液晶装置あるいは半透過反射型の液晶装置とすることもできる。
次に、図15は、有機EL装置の表示領域(以下、単に表示装置600と称する)の要部断面図である。
この表示装置600は、基板(W)601上に、回路素子部602、発光素子部603および陰極604が積層された状態で概略構成されている。
この表示装置600においては、発光素子部603から基板601側に発した光が、回路素子部602および基板601を透過して観測者側に出射されると共に、発光素子部603から基板601の反対側に発した光が陰極604により反射された後、回路素子部602および基板601を透過して観測者側に出射されるようになっている。
回路素子部602と基板601との間にはシリコン酸化膜からなる下地保護膜606が形成され、この下地保護膜606上(発光素子部603側)に多結晶シリコンからなる島状の半導体膜607が形成されている。この半導体膜607の左右の領域には、ソース領域607aおよびドレイン領域607bが高濃度陽イオン打ち込みによりそれぞれ形成されている。そして陽イオンが打ち込まれない中央部がチャネル領域607cとなっている。
また、回路素子部602には、下地保護膜606および半導体膜607を覆う透明なゲート絶縁膜608が形成され、このゲート絶縁膜608上の半導体膜607のチャネル領域607cに対応する位置には、例えばAl、Mo、Ta、Ti、W等から構成されるゲート電極609が形成されている。このゲート電極609およびゲート絶縁膜608上には、透明な第1層間絶縁膜611aと第2層間絶縁膜611bが形成されている。また、第1、第2層間絶縁膜611a、611bを貫通して、半導体膜607のソース領域607a、ドレイン領域607bにそれぞれ連通するコンタクトホール612a,612bが形成されている。
そして、第2層間絶縁膜611b上には、ITO等からなる透明な画素電極613が所定の形状にパターニングされて形成され、この画素電極613は、コンタクトホール612aを通じてソース領域607aに接続されている。
また、第1層間絶縁膜611a上には電源線614が配設されており、この電源線614は、コンタクトホール612bを通じてドレイン領域607bに接続されている。
このように、回路素子部602には、各画素電極613に接続された駆動用の薄膜トランジスタ615がそれぞれ形成されている。
上記発光素子部603は、複数の画素電極613上の各々に積層された機能層617と、各画素電極613および機能層617の間に備えられて各機能層617を区画するバンク部618とにより概略構成されている。
これら画素電極613、機能層617、および、機能層617上に配設された陰極604によって発光素子が構成されている。なお、画素電極613は、平面視略矩形状にパターニングされて形成されており、各画素電極613の間にバンク部618が形成されている。
バンク部618は、例えばSiO、SiO2、TiO2等の無機材料により形成される無機物バンク層618a(第1バンク層)と、この無機物バンク層618a上に積層され、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等の耐熱性、耐溶媒性に優れたレジストにより形成される断面台形状の有機物バンク層618b(第2バンク層)とにより構成されている。このバンク部618の一部は、画素電極613の周縁部上に乗上げた状態で形成されている。
そして、各バンク部618の間には、画素電極613に対して上方に向けて次第に拡開した開口部619が形成されている。
上記機能層617は、開口部619内において画素電極613上に積層状態で形成された正孔注入/輸送層617aと、この正孔注入/輸送層617a上に形成された発光層617bとにより構成されている。なお、この発光層617bに隣接してその他の機能を有する他の機能層をさらに形成しても良い。例えば、電子輸送層を形成することも可能である。
正孔注入/輸送層617aは、画素電極613側から正孔を輸送して発光層617bに注入する機能を有する。この正孔注入/輸送層617aは、正孔注入/輸送層形成材料を含む第1組成物(機能液)を吐出することで形成される。正孔注入/輸送層形成材料としては、公知の材料を用いる。
発光層617bは、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)、シアン色(C)、マゼンダ色(M)またはイエロー色(Y)のいずれかに発光するもので、発光層形成材料(発光材料)を含む第2組成物(機能液)を吐出することで形成される。第2組成物の溶媒(非極性溶媒)としては、正孔注入/輸送層617aに対して不溶な公知の材料を用いることが好ましく、このような非極性溶媒を発光層617bの第2組成物に用いることにより、正孔注入/輸送層617aを再溶解させることなく発光層617bを形成することができる。
そして、発光層617bでは、正孔注入/輸送層617aから注入された正孔と、陰極604から注入される電子が発光層で再結合して発光するように構成されている。
陰極604は、発光素子部603の全面を覆う状態で形成されており、画素電極613と対になって機能層617に電流を流す役割を果たす。なお、この陰極604の上部には図示しない封止部材が配置される。
次に、上記の表示装置600の製造工程を図16〜図24を参照して説明する。
この表示装置600は、図16に示すように、バンク部形成工程(S111)、表面処理工程(S112)、正孔注入/輸送層形成工程(S113)、発光層形成工程(S114)、および対向電極形成工程(S115)を経て製造される。なお、製造工程は例示するものに限られるものではなく必要に応じてその他の工程が除かれる場合、また追加される場合もある。
まず、バンク部形成工程(S111)では、図17に示すように、第2層間絶縁膜611b上に無機物バンク層618aを形成する。この無機物バンク層618aは、形成位置に無機物膜を形成した後、この無機物膜をフォトリソグラフィ技術等によりパターニングすることにより形成される。このとき、無機物バンク層618aの一部は画素電極613の周縁部と重なるように形成される。
無機物バンク層618aを形成したならば、図18に示すように、無機物バンク層618a上に有機物バンク層618bを形成する。この有機物バンク層618bも無機物バンク層618aと同様にフォトリソグラフィ技術等によりパターニングして形成される。
このようにしてバンク部618が形成される。また、これに伴い、各バンク部618間には、画素電極613に対して上方に開口した開口部619が形成される。この開口部619は、画素領域を規定する。
表面処理工程(S112)では、親液化処理および撥液化処理が行われる。親液化処理を施す領域は、無機物バンク層618aの第1積層部618aaおよび画素電極613の電極面613aであり、これらの領域は、例えば酸素を処理ガスとするプラズマ処理によって親液性に表面処理される。このプラズマ処理は、画素電極613であるITOの洗浄等も兼ねている。
また、撥液化処理は、有機物バンク層618bの壁面618sおよび有機物バンク層618bの上面618tに施され、例えば四フッ化メタンを処理ガスとするプラズマ処理によって表面がフッ化処理(撥液性に処理)される。
この表面処理工程を行うことにより、機能液滴吐出ヘッド17を用いて機能層617を形成する際に、機能液滴を画素領域に、より確実に着弾させることができ、また、画素領域に着弾した機能液滴が開口部619から溢れ出るのを防止することが可能となる。
そして、以上の工程を経ることにより、表示装置基体600Aが得られる。この表示装置基体600Aは、図1に示した液滴吐出装置1のセットテーブル21に載置され、以下の正孔注入/輸送層形成工程(S113)および発光層形成工程(S114)が行われる。
図19に示すように、正孔注入/輸送層形成工程(S113)では、機能液滴吐出ヘッド17から正孔注入/輸送層形成材料を含む第1組成物を画素領域である各開口部619内に吐出する。その後、図20に示すように、乾燥処理および熱処理を行い、第1組成物に含まれる極性溶媒を蒸発させ、画素電極(電極面613a)613上に正孔注入/輸送層617aを形成する。
次に発光層形成工程(S114)について説明する。この発光層形成工程では、上述したように、正孔注入/輸送層617aの再溶解を防止するために、発光層形成の際に用いる第2組成物の溶媒として、正孔注入/輸送層617aに対して不溶な非極性溶媒を用いる。
しかしその一方で、正孔注入/輸送層617aは、非極性溶媒に対する親和性が低いため、非極性溶媒を含む第2組成物を正孔注入/輸送層617a上に吐出しても、正孔注入/輸送層617aと発光層617bとを密着させることができなくなるか、あるいは発光層617bを均一に塗布できない虞がある。
そこで、非極性溶媒並びに発光層形成材料に対する正孔注入/輸送層617aの表面の親和性を高めるために、発光層形成の前に表面処理(表面改質処理)を行うことが好ましい。この表面処理は、発光層形成の際に用いる第2組成物の非極性溶媒と同一溶媒またはこれに類する溶媒である表面改質材を、正孔注入/輸送層617a上に塗布し、これを乾燥させることにより行う。
このような処理を施すことで、正孔注入/輸送層617aの表面が非極性溶媒になじみやすくなり、この後の工程で、発光層形成材料を含む第2組成物を正孔注入/輸送層617aに均一に塗布することができる。
そして次に、図21に示すように、各色のうちのいずれか(図21の例では青色(B))に対応する発光層形成材料を含有する第2組成物を機能液滴として画素領域(開口部619)内に所定量打ち込む。画素領域内に打ち込まれた第2組成物は、正孔注入/輸送層617a上に広がって開口部619内に満たされる。なお、万一、第2組成物が画素領域から外れてバンク部618の上面618t上に着弾した場合でも、この上面618tは、上述したように撥液処理が施されているので、第2組成物が開口部619内に転がり込み易くなっている。
その後、乾燥工程等を行うことにより、吐出後の第2組成物を乾燥処理し、第2組成物に含まれる非極性溶媒を蒸発させ、図22に示すように、正孔注入/輸送層617a上に発光層617bが形成される。この図の場合、青色(B)に対応する発光層617bが形成されている。
同様に、機能液滴吐出ヘッド17を用い、図23に示すように、上記した青色(B)に対応する発光層617bの場合と同様の工程を順次行い、他の色(赤色(R)、緑色(G)、シアン色(C)、マゼンダ色(M)およびイエロー色(Y))に対応する発光層617bを形成する。なお、発光層617bの形成順序は、例示した順序に限られるものではなく、どのような順番で形成しても良い。例えば、発光層形成材料に応じて形成する順番を決めることも可能である。
以上のようにして、画素電極613上に機能層617、即ち、正孔注入/輸送層617aおよび発光層617bが形成される。そして、対向電極形成工程(S115)に移行する。
対向電極形成工程(S115)では、図24に示すように、発光層617bおよび有機物バンク層618bの全面に陰極604(対向電極)を、例えば蒸着法、スパッタ法、CVD法等によって形成する。この陰極604は、本実施形態においては、例えば、カルシウム層とアルミニウム層とが積層されて構成されている。
この陰極604の上部には、電極としてのAl膜、Ag膜や、その酸化防止のためのSiO2、SiN等の保護層が適宜設けられる。
このようにして陰極604を形成した後、この陰極604の上部を封止部材により封止する封止処理や配線処理等のその他処理等を施すことにより、表示装置600が得られる。
次に、図25は、プラズマ型表示装置(PDP装置:以下、単に表示装置700と称する)の要部分解斜視図である。なお、同図では表示装置700を、その一部を切り欠いた状態で示してある。
この表示装置700は、互いに対向して配置された第1基板701、第2基板702、およびこれらの間に形成される放電表示部703を含んで概略構成される。放電表示部703は、複数の放電室705により構成されている。これらの複数の放電室705のうち、赤色放電室705R、緑色放電室705G、青色放電室705B、シアン色放電室705C、マゼンダ色放電室705M、イエロー色放電室705Yの6つの放電室705が組になって1つの画素を構成するように配置されている。
第1基板701の上面には所定の間隔で縞状にアドレス電極706が形成され、このアドレス電極706と第1基板701の上面とを覆うように誘電体層707が形成されている。誘電体層707上には、各アドレス電極706の間に位置し、且つ各アドレス電極706に沿うように隔壁708が立設されている。この隔壁708は、図示するようにアドレス電極706の幅方向両側に延在するものと、アドレス電極706と直交する方向に延設された図示しないものを含む。
そして、この隔壁708によって仕切られた領域が放電室705となっている。
放電室705内には蛍光体709が配置されている。蛍光体709は、赤(R)、緑(G)、青(B)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)のいずれかの色の蛍光を発光するもので、赤色放電室705Rの底部には赤色蛍光体709Rが、緑色放電室705Gの底部には緑色蛍光体709Gが、青色放電室705Bの底部には青色蛍光体709Bが、シアン色放電室705Cの底部にはシアン色蛍光体709Cが、マゼンダ色放電室705Mにはマゼンダ色蛍光体709Mが、イエロー色放電室705Yにはイエロー蛍光体709Yが、各々配置されている。
第2基板702の図中下側の面には、上記アドレス電極706と直交する方向に複数の表示電極711が所定の間隔で縞状に形成されている。そして、これらを覆うように誘電体層712、およびMgOなどからなる保護膜713が形成されている。
第1基板701と第2基板702とは、アドレス電極706と表示電極711が互いに直交する状態で対向させて貼り合わされている。なお、上記アドレス電極706と表示電極711は図示しない交流電源に接続されている。
そして、各電極706,711に通電することにより、放電表示部703において蛍光体709が励起発光し、カラー表示が可能となる。
本実施形態においては、上記アドレス電極706、表示電極711、および蛍光体709を、図1に示した液滴吐出装置1を用いて形成することができる。以下、第1基板701におけるアドレス電極706の形成工程を例示する。
この場合、第1基板701を液滴吐出装置1のセットテーブル21に載置された状態で以下の工程が行われる。
まず、機能液滴吐出ヘッド17により、導電膜配線形成用材料を含有する液体材料(機能液)を機能液滴としてアドレス電極形成領域に着弾させる。この液体材料は、導電膜配線形成用材料として、金属等の導電性微粒子を分散媒に分散したものである。この導電性微粒子としては、金、銀、銅、パラジウム、またはニッケル等を含有する金属微粒子や、導電性ポリマー等が用いられる。
補充対象となるすべてのアドレス電極形成領域について液体材料の補充が終了したならば、吐出後の液体材料を乾燥処理し、液体材料に含まれる分散媒を蒸発させることによりアドレス電極706が形成される。
ところで、上記においてはアドレス電極706の形成を例示したが、上記表示電極711および蛍光体709についても上記各工程を経ることにより形成することができる。
表示電極711の形成の場合、アドレス電極706の場合と同様に、導電膜配線形成用材料を含有する液体材料(機能液)を機能液滴として表示電極形成領域に着弾させる。
また、蛍光体709の形成の場合には、各色(R,G,B,C,M,Y)に対応する蛍光材料を含んだ液体材料(機能液)を機能液滴吐出ヘッド17から液滴として吐出し、対応する色の放電室705内に着弾させる。
次に、図26は、電子放出装置(FED装置あるいはSED装置ともいう:以下、単に表示装置800と称する)の要部断面図である。なお、同図では表示装置800を、その一部を断面として示してある。
この表示装置800は、互いに対向して配置された第1基板801、第2基板802、およびこれらの間に形成される電界放出表示部803を含んで概略構成される。電界放出表示部803は、マトリクス状に配置した複数の電子放出部805により構成されている。
第1基板801の上面には、カソード電極806を構成する第1素子電極806aおよび第2素子電極806bが相互に直交するように形成されている。また、第1素子電極806aおよび第2素子電極806bで仕切られた部分には、ギャップ808を形成した導電性膜807が形成されている。すなわち、第1素子電極806a、第2素子電極806bおよび導電性膜807により複数の電子放出部805が構成されている。導電性膜807は、例えば酸化パラジウム(PdO)等で構成され、またギャップ808は、導電性膜807を成膜した後、フォーミング等で形成される。
第2基板802の下面には、カソード電極806に対峙するアノード電極809が形成されている。アノード電極809の下面には、格子状のバンク部811が形成され、このバンク部811で囲まれた下向きの各開口部812に、電子放出部805に対応するように蛍光体813が配置されている。蛍光体813は、赤(R)、緑(G)、青(B)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)のいずれかの色の蛍光を発光するもので、各開口部812には、赤色蛍光体813R、緑色蛍光体813Gおよび青色蛍光体813B、並びにシアン色蛍光体、マゼンダ色蛍光体およびイエロー色蛍光体が、箇所所定のパターンで配置されている(シアン、マゼンダ、イエローについては図示省略)。
そして、このように構成した第1基板801と第2基板802とは、微小な間隙を存して貼り合わされている。この表示装置800では、導電性膜(ギャップ808)807を介して、陰極である第1素子電極806aまたは第2素子電極806bから飛び出す電子を、陽極であるアノード電極809に形成した蛍光体813に当てて励起発光し、カラー表示が可能となる。
この場合も、他の実施形態と同様に、第1素子電極806a、第2素子電極806b、導電性膜807およびアノード電極809を、液滴吐出装置1を用いて形成することができると共に、各色(R,G,B,C,M,Y)の蛍光体813を、液滴吐出装置1を用いて形成することができる。
第1素子電極806a、第2素子電極806bおよび導電性膜807は、図27(a)に示す平面形状を有しており、これらを成膜する場合には、図27(b)に示すように、予め第1素子電極806a、第2素子電極806bおよび導電性膜807を作り込む部分を残して、バンク部BBを形成(フォトリソグラフィ法)する。次に、バンク部BBにより構成された溝部分に、第1素子電極806aおよび第2素子電極806bを形成(液滴吐出装置1によるインクジェット法)し、その溶剤を乾燥させて成膜を行った後、導電性膜807を形成(液滴吐出装置1によるインクジェット法)する。そして、導電性膜807を成膜後、バンク部BBを取り除き(アッシング剥離処理)、上記のフォーミング処理に移行する。なお、上記の有機EL装置の場合と同様に、第1基板801および第2基板802に対する親液化処理や、バンク部811,BBに対する撥液化処理を行うことが、好ましい。
また、他の電気光学装置としては、金属配線形成、レンズ形成、レジスト形成および光拡散体形成等の装置が考えられる。上記した液滴吐出装置1を各種の電気光学装置(デバイス)の製造に用いることにより、各種の電気光学装置を効率的に製造することが可能である。
実施形態に係る液滴吐出装置の斜視図である。 液滴吐出装置の平面図である。 液滴吐出装置の側面図である。 ヘッド群を構成する機能液滴吐出ヘッドの図である。 機能液滴吐出ヘッドの外観斜視図である。 キャップユニット周りの断面図である。 キャップユニットの平面図である。 吸引ユニットの配管系統図である。 液滴吐出装置の主制御系について説明したブロック図である。 カラーフィルタ製造工程を説明するフローチャートである。 (a)〜(e)は、製造工程順に示したカラーフィルタの模式断面図である。 本発明を適用したカラーフィルタを用いた液晶装置の概略構成を示す要部断面図である。 本発明を適用したカラーフィルタを用いた第2の例の液晶装置の概略構成を示す要部断面図である。 本発明を適用したカラーフィルタを用いた第3の例の液晶装置の概略構成を示す要部断面図である。 有機EL装置である表示装置の要部断面図である。 有機EL装置である表示装置の製造工程を説明するフローチャートである。 無機物バンク層の形成を説明する工程図である。 有機物バンク層の形成を説明する工程図である。 正孔注入/輸送層を形成する過程を説明する工程図である。 正孔注入/輸送層が形成された状態を説明する工程図である。 青色の発光層を形成する過程を説明する工程図である。 青色の発光層が形成された状態を説明する工程図である。 各色の発光層が形成された状態を説明する工程図である。 陰極の形成を説明する工程図である。 プラズマ型表示装置(PDP装置)である表示装置の要部分解斜視図である。 電子放出装置(FED装置)である表示装置の要部断面図である。 表示装置の電子放出部廻りの平面図(a)およびその形成方法を示す平面図(b)である。
符号の説明
1:液滴吐出装置、 11:X軸テーブル、 12:Y軸テーブル、 15:吸引ユニット、 17:機能液滴吐出ヘッド、 51:キャリッジユニット、 97:ノズル面、 100:吸引機構、 101:廃液タンク、 101a:第1廃液タンク、 101b:第2廃液タンク、 111:キャップ側流路、 112:キャップ側合流部、 131:個別流路、 132:タンク側合流部、 133:合流流路、 134:切換バルブ、 135:流量計、 142:圧力計、 162:イジェクタ、 163:電空レギュレータ、 197:制御部、 301:ヘッドキャップ、 302:キャッププレート. 303:キャップユニット、 305:支持部材、 306:昇降機構、 W:ワーク

Claims (15)

  1. インクジェット方式の複数の機能液滴吐出ヘッドのノズル面に対し、離接自在に密接する複数のヘッドキャップを備えた吸引装置であって、
    1以上の前記ヘッドキャップを搭載した複数のキャップユニットと、
    前記各ヘッドキャップを前記キャップユニット単位で離接動作させる離接機構と、
    それぞれが前記複数のキャップユニットに接続され、前記キャップユニット単位で前記各ヘッドキャップから機能液を吸引すると共に相互に吸引圧力が異なる複数の吸引手段と、
    上流側を前記各キャップユニットに接続した主流路、および分岐部を介して前記主流路から分岐し下流側を前記各吸引手段に接続した複数の個別流路から成る複数組の吸引流路と、
    前記各吸引流路の前記分岐部に介設され、前記各吸引流路を任意の1の前記吸引手段に選択的に流路切換えする複数の流路切換え手段と、を備えたことを特徴とする吸引装置。
  2. 前記各吸引手段は、前記個別流路の下流端が接続された廃液タンクと、
    一次側に圧縮エアーを導入すると共に二次側を前記廃液タンクの上部空間に接続したイジェクタと、を有していることを特徴とする請求項1に記載の吸引装置。
  3. 前記各吸引手段は、前記一次側圧縮エアーの圧力を調整する圧力調整手段と、
    前記圧力調整手段を制御する制御手段と、を更に有していることを特徴とする請求項2に記載の吸引装置。
  4. 前記各吸引手段を接続した前記個別流路には、前記個別流路を開閉する流路開閉手段がそれぞれ介設されており、
    前記各制御手段は、前記各キャップユニットにおける吸引圧力が一定になるように、前記複数の流路開閉手段のうちの開放している前記流路開閉手段の開放数に応じて、前記圧力調整手段を制御することを特徴とする請求項3に記載の吸引装置。
  5. 吸引時の前記各廃液タンクの圧力を検出する圧力検出手段を、更に備え、
    前記各制御手段は、前記廃液タンク内の圧力が前記開放数に応じた所定の圧力なるように、前記圧力制御手段を制御することを特徴とする請求項4に記載の吸引装置。
  6. 吸引より前記各廃液タンクに流入する機能液流量を検出する流量検出手段を、更に備え、
    前記制御手段は、前記廃液タンクに流入する機能液流量が前記開放数に応じた所定の流量なるように、前記圧力制御手段を制御することを特徴とする請求項4に記載の吸引装置。
  7. 前記複数の吸引手段は、2つの吸引手段で構成されており、
    一方の前記吸引手段は、前記各ヘッドキャップを前記各機能液滴吐出ヘッドに密接した状態で吸引するためのものであり、
    他方の前記吸引手段は、前記各ヘッドキャップを前記各機能液滴吐出ヘッドから離間させた状態で吸引するためのものであることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の吸引装置。
  8. 前記複数の個別流路は、マニホールドにより合流し、合流流路を介して前記各吸引手段に接続されており、
    前記マニホールドは、上端を円板状の蓋体により閉蓋されてロート状に形成され、前記複数の個別流路の下流端は、周方向に均等配置するようにして前記蓋体に接続されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の吸引装置。
  9. 前記複数の機能液滴吐出ヘッドが、機能液の色別に複数組設けられており、
    請求項1ないし8のいずれかに記載された吸引装置を、機能液の色別に複数組を備えたことを特徴とする吸引システム。
  10. 前記複数組の吸引装置は、6色の機能液に対応して6組の吸引装置で構成されていることを特徴とする請求項9に記載の吸引システム。
  11. 前記キャリッジユニットは、1以上の前記ヘッドキャップを色別に複数組搭載していることを特徴とする請求項9または10に記載の吸引システム。
  12. ワークに対し、インクジェット方式の複数の機能液滴吐出ヘッドを移動させながら、前記各機能液滴吐出ヘッドから機能液滴を吐出させて描画を行なう描画手段と、
    請求項1ないし8のいずれかに記載された吸引装置と、を備えたことを特徴とする液滴吐出装置。
  13. ワークに対し、インクジェット方式の複数の機能液滴吐出ヘッドを移動させながら、前記各機能液滴吐出ヘッドから機能液滴を吐出させて描画を行なう描画手段と、
    請求項9ないし11のいずれかに記載の吸引システムと、を備えたことを特徴とする液滴吐出装置。
  14. 請求項12または13に記載の液滴吐出装置を用い、前記ワーク上に機能液滴による成膜部を形成することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  15. 請求項12または13に記載の液滴吐出装置を用い、前記ワーク上に機能液滴による成膜部を形成したことを特徴とする電気光学装置。
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