JP2008246458A - 機能液供給装置における機能液の初期充填方法、機能液供給装置、液滴吐出装置、並びに電気光学装置の製造方法、電気光学装置および電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】サブタンクへの機能液の初期充填動作時において、気泡除去手段により適切に機能液の気泡を除去することができる機能液供給装置における機能液の初期充填方法等を提供することを課題とする。
【解決手段】機能液滴吐出ヘッド17に連なるサブタンク121に、メインタンク181から機能液を通液して充填する初期充填方法であって、メインタンクとサブタンクとを接続する機能液流路に、機能液内のマイクロバブルを除去すると共に、その除去率が通液流量に依存する気泡除去手段135を介設したものにおいて、メインタンクからの機能液の通液を開始した後、機能液が気泡除去手段に充填されたところで通液を停止し、気泡除去手段内の機能液が所定の除去率になるまで時間をおき、その後、通液を再開し、気泡除去手段内の機能液をほぼ通液したところで通液を停止する個別充填工程を、全てのサブタンクに機能液を充填されるまで、繰り返す。
【選択図】図7
【解決手段】機能液滴吐出ヘッド17に連なるサブタンク121に、メインタンク181から機能液を通液して充填する初期充填方法であって、メインタンクとサブタンクとを接続する機能液流路に、機能液内のマイクロバブルを除去すると共に、その除去率が通液流量に依存する気泡除去手段135を介設したものにおいて、メインタンクからの機能液の通液を開始した後、機能液が気泡除去手段に充填されたところで通液を停止し、気泡除去手段内の機能液が所定の除去率になるまで時間をおき、その後、通液を再開し、気泡除去手段内の機能液をほぼ通液したところで通液を停止する個別充填工程を、全てのサブタンクに機能液を充填されるまで、繰り返す。
【選択図】図7
Description
本発明は、メインタンクに貯留した機能液をサブタンクに供給する機能液供給装置における機能液の初期充填方法、機能液供給装置、液滴吐出装置、並びに電気光学装置の製造方法、電気光学装置および電子機器に関するものである。
従来、この種の機能液供給装置における機能液の供給方法として、インクを貯留した1つのメインタンクから、複数のサブタンクへインクを供給するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この機能液補給方法では、各サブタンク内のインク残量が僅かになったことを検出したら、メインタンク内をエアポンプにより加圧して、各サブタンクへインクを補給している。
特開2002−307707号公報
ところで、メインタンクおよび複数のサブタンクを接続するインク流路には、サブタンクに連なる機能液滴吐出ヘッドの水頭差管理を行うために必要な、サブタンク内の液位検出を良好に行うべく、気泡(マイクロバブル)を除去する気泡除去手段を介設することが考えられており、この気泡除去手段は、気泡の除去率が通液流量に依存している。
この構成において、メインタンクからインク流路、気泡除去手段およびサブタンクへインクを初期充填する場合は、通常、メインタンク内をエアポンプにより加圧してサブタンクへインクを充填することが考えられる。このとき、メインタンクに対し、サブタンクが高い位置にある場合、サブタンクにインクを送液するためには、インクの流路抵抗やインクの水頭による抵抗を考慮して、メインタンク内を加圧し、インクを送り出さなければならない。
しかしながら、インクの初期充填時において、この加圧でメインタンクからインクの送液を始めると、インク流路に介設された気泡除去手段内を通過するインクの流速は、インク補給時の流速に比して、速くなってしまう。これは、初期充填時においては、インク流路および気泡除去手段は、空となっているため、インクの流路抵抗やインクの水頭による抵抗が小さい(送液負荷小)ためである。
この結果、気泡除去手段を通過する通液流量が多くなってしまい、適切に気泡を除去することができず、これにより、初期充填が完了した時点で、気泡が混入したインクを廃棄しなければならない問題が考えられる。
この構成において、メインタンクからインク流路、気泡除去手段およびサブタンクへインクを初期充填する場合は、通常、メインタンク内をエアポンプにより加圧してサブタンクへインクを充填することが考えられる。このとき、メインタンクに対し、サブタンクが高い位置にある場合、サブタンクにインクを送液するためには、インクの流路抵抗やインクの水頭による抵抗を考慮して、メインタンク内を加圧し、インクを送り出さなければならない。
しかしながら、インクの初期充填時において、この加圧でメインタンクからインクの送液を始めると、インク流路に介設された気泡除去手段内を通過するインクの流速は、インク補給時の流速に比して、速くなってしまう。これは、初期充填時においては、インク流路および気泡除去手段は、空となっているため、インクの流路抵抗やインクの水頭による抵抗が小さい(送液負荷小)ためである。
この結果、気泡除去手段を通過する通液流量が多くなってしまい、適切に気泡を除去することができず、これにより、初期充填が完了した時点で、気泡が混入したインクを廃棄しなければならない問題が考えられる。
本発明は、サブタンクへの機能液の初期充填動作時において、気泡除去手段により適切に機能液の気泡を除去することができる機能液供給装置における機能液の初期充填方法、機能液供給装置、液滴吐出装置、並びに電気光学装置の製造方法、電気光学装置および電子機器を提供することを課題とする。
本発明の機能液供給装置における機能液の初期充填方法は、インクジェット方式の1以上の機能液滴吐出ヘッドに連なる1以上のサブタンクに、メインタンクから機能液を通液して充填する機能液供給装置における機能液の初期充填方法であって、メインタンクと1以上のサブタンクとを接続する機能液流路に、機能液内のマイクロバブルを除去すると共に、その除去率が通液流量に依存する気泡除去手段を介設したものにおいて、メインタンクからの機能液の通液を開始した後、機能液が気泡除去手段に充填されたところで通液を停止し、気泡除去手段内の機能液が所定の除去率になるまで時間をおき、その後、通液を再開し、気泡除去手段内の機能液をほぼ通液したところで通液を停止する個別充填工程を、全てのサブタンクに機能液を充填されるまで、繰り返すことを特徴とする。
本発明の機能液供給装置は、機能液供給源となるメインタンクと、インクジェット方式の1以上の機能液滴吐出ヘッドに連なる1以上のサブタンクと、メインタンクと1以上のサブタンクとを接続する機能液流路と、機能液流路を介して、メインタンクの機能液を1以上のサブタンクに個々に送液可能な送液手段と、機能液流路に介設され、機能液内のマイクロバブルを除去すると共に、その除去率が通液流量に依存する気泡除去手段と、気泡除去手段の下流側近傍の機能液流路に介設され、機能液の通液を検出する通液検出手段と、送液手段を制御する制御手段と、を備え、機能液をメインタンクから1以上のサブタンクに通液する機能液の初期充填時において、制御手段は、送液手段を駆動して機能液の通液を開始させた後、通液検出手段が通液検出したら通液を停止させ、気泡除去手段内の機能液が所定の除去率になるまで時間をおき、その後、通液を再開させ、気泡除去手段内の機能液をほぼ通液したところで通液を停止させる個別充填動作を、全てのサブタンクに機能液を充填されるまで、繰り返すことを特徴とする。
この構成によれば、機能液の初期充填動作時において、気泡除去手段内に機能液をいったん貯留して、気泡(マイクロバブル)の除去を行うことで、気泡を除去した機能液をサブタンクおよびサブタンクに至る機能液流路へ通液させることができる。これにより、サブタンクへ向けて送る機能液からマイクロバブルを完全に除去することができるため、マイクロバブルの混入を防止しつつ、適切に機能液の初期充填を行うことができる。
前者の場合、個別充填工程は、任意の1のサブタンクへの機能液充填毎に繰り返され、気泡除去手段内の機能液の容量は、1のサブタンクの充填容量に、気泡除去手段から1のサブタンクに至る機能液流路の容量を加算した容量より、大きいことが、好ましい。
後者の場合、制御手段は、個別充填動作を任意の1のサブタンクへの機能液充填毎に繰り返し、気泡除去手段内の機能液の容量は、1のサブタンクの充填容量に、気泡除去手段から1のサブタンクに至る機能液流路の容量を加算した容量より、大きいことが、好ましい。
この構成によれば、個別充填動作を一度行うことで、サブタンクおよびサブタンクに至る機能液流路に機能液を充填することができる。これにより、機能液の充填効率を向上させることができるため、充填時間を短縮することができる。
この場合、機能液流路は、上流側をメインタンクに接続した主流路、上流側を主流路に接続した分岐流路および上流側を分岐流路に接続され下流側を複数のサブタンクに接続した複数の枝流路から成り、送液手段は、メインタンクの機能液を加圧送液する加圧送液手段と、各枝流路に介設され、各枝流路を開閉する複数の枝流路開閉手段と、通液検出手段の近傍の主流路に介設され、主流路を開閉する主流路開閉手段と、を有していることが、好ましい。
この構成によれば、枝流路開閉手段および主流路開閉手段の開閉を行うと共に、加圧送液手段によりメインタンク内を加圧することで、簡易な構成により、所望のサブタンクに機能液を充填することができる。
本発明の液滴吐出装置は、ワークに対し、インクジェット方式の機能液滴吐出ヘッドを移動させながら、機能液滴吐出ヘッドから機能液滴を吐出させて描画を行なう描画手段と、機能液滴吐出ヘッドに機能液を供給する上記の機能液供給装置と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、機能液の初期充填を行う際、気泡が混入した機能液をサブタンクへ送液することなく、気泡を除去した機能液をサブタンクへ送液することができる。このため、サブタンク内の液位を良好に検出することができ、機能液滴吐出ヘッドの水頭差を適切に管理することができる。
本発明の電気光学装置の製造方法は、上記した液滴吐出装置を用い、ワーク上に機能液滴による成膜部を形成することを特徴とする。
本発明の電気光学装置は、上記した液滴吐出装置を用い、ワーク上に機能液滴による成膜部を形成したことを特徴とする。
この構成によれば、高品質の電気光学装置を製造することができる。なお、機能材料としては、有機EL装置の発光材料(Electro-Luminescence発光層・正孔注入層)は元より、液晶表示装置に用いるカラーフィルタのフィルタ材料(フィルタエレメント)、電子放出装置(Field Emission Display, FED)の蛍光材料(蛍光体)、PDP(plasma Display Panel)装置の蛍光材料(蛍光体)、電気泳動表示装置の泳動体材料(泳動体)等であって、機能液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)により吐出可能な液体材料を言う。また、電気光学装置(Flat Panel Display, FPD)としては、有機EL装置、液晶表示装置、電子放出装置、PDP装置、電気泳動表示装置等がある。
本発明の電子機器は、上記した電気光学装置の製造方法により製造した電気光学装置または上記した電気光学装置を搭載したことを特徴とする。
この場合、電子機器としては、いわゆるフラットパネルディスプレイを搭載した携帯電話、パーソナルコンピュータのほか、各種の電気製品がこれに該当する。
以下、添付の図面を参照して、本発明の機能液供給装置を適用した液滴吐出装置について説明する。この液滴吐出装置は、フラットパネルディスプレイの製造ラインに組み込まれており、例えば、特殊なインクや発光性の樹脂液である機能液を導入した機能液滴吐出ヘッドを用い、液晶表示装置のカラーフィルタや有機EL装置の各画素となる発光素子等を形成するものである。
図1、図2および図3に示すように、液滴吐出装置1は、石定盤に支持されたX軸支持ベース2上に配設され、主走査方向となるX軸方向に延在して、ワークWをX軸方向(主走査方向)に移動させるX軸テーブル11と、複数本の支柱4を介してX軸テーブル11を跨ぐように架け渡された1対(2つ)のY軸支持ベース3上に配設され、副走査方向となるY軸方向に延在するY軸テーブル12と、複数の機能液滴吐出ヘッド17(図示省略)が搭載された8個のキャリッジユニット51と、から成り、8個のキャリッジユニット51は、Y軸テーブル12に吊設されている。さらに、液滴吐出装置1は、これらの装置を温度および湿度が管理された雰囲気内に収容するチャンバ6と、チャンバ6を貫通して、チャンバ6の外部から内部の機能液滴吐出ヘッド17に機能液を供給する3組の機能液供給装置101を有した機能液供給ユニット7と、を備えている。X軸テーブル11およびY軸テーブル12の駆動と同期して機能液滴吐出ヘッド17を吐出駆動させることにより、機能液供給ユニット7から供給されたR・G・B3色の機能液滴を吐出させ、ワークWに所定の描画パターンが描画される。なお、請求項にいう描画手段は、X軸テーブル11、Y軸テーブル12および8個のキャリッジユニット51により構成されている。
また、液滴吐出装置1は、フラッシングユニット14、吸引ユニット15、ワイピングユニット16、吐出性能検査ユニット18から成るメンテナンス装置5を備えており、これらユニットを機能液滴吐出ヘッド17の保守に供して、機能液滴吐出ヘッド17の機能維持・機能回復を図るようになっている。なお、メンテナンス装置5を構成する各ユニットのうち、フラッシングユニット14および吐出性能検査ユニット18は、X軸テーブル11に搭載され、吸引ユニット15およびワイピングユニット16は、X軸テーブル11から直角に延び、かつY軸テーブル12によりキャリッジユニット51が移動可能である位置に配設された架台上に配設されている(厳密には、吐出性能検査ユニット18は、後述するステージユニット77がX軸テーブル11に搭載され、カメラユニット78がY軸支持ベース3に支持されている。)。
フラッシングユニット14は、一対の描画前フラッシングユニット71,71と、定期フラッシングユニット72とを有し、機能液滴吐出ヘッド17の吐出直前や、ワークWの載換え時等の描画処理休止時に行われる、機能液滴吐出ヘッド17の捨て吐出(フラッシング)を受ける。吸引ユニット15は、複数の分割吸引ユニット74を有し、各機能液滴吐出ヘッド17の吐出ノズル98から機能液を強制的に吸引すると共に、キャッピングを行う。ワイピングユニット16は、ワイピングシート75を有し、吸引後の機能液滴吐出ヘッド17のノズル面97を拭取る。吐出性能検査ユニット18は、機能液滴吐出ヘッド17から吐出された機能液滴を受ける検査シート83を搭載したステージユニット77と、ステージユニット77上の機能液滴を画像認識により検査するカメラユニット78を有し、機能液滴吐出ヘッド17の吐出性能(吐出の有無および飛行曲り)を検査するものである。
次に、液滴吐出装置1の構成要素について簡単に説明する。図2または図3に示すように、X軸テーブル11は、ワークWをセットするセットテーブル21と、セットテーブル21をX軸方向にスライド自在に支持するX軸第1スライダ22と、上記のフラッシングユニット14およびステージユニット77をX軸方向にスライド自在に支持するX軸第2スライダ23と、X軸方向に延在し、X軸第1スライダ22を介してセットテーブル21(ワークW)をX軸方向に移動させると共に、X軸第2スライダ23を介してフラッシングユニット14およびステージユニット77をX軸方向に移動させる左右一対のX軸リニアモータ(図示省略)と、X軸リニアモータに並設され、X軸第1スライダ22およびX軸第2スライダ23の移動を案内する一対(2本)のX軸共通支持ベース24と、を備えている。
セットテーブル21は、ワークWを吸着セットする吸着テーブル31と、吸着テーブル31を支持し、吸着テーブル31にセットしたワークWの位置をθ軸方向に補正するためのθテーブル32等を有している。また、セットテーブル21のY軸方向と平行な一対の辺には、それぞれ上記の描画前フラッシングユニット71が添設されている。
Y軸テーブル12は、8個の各キャリッジユニット51をそれぞれ吊設した8個のブリッジプレート52と、8個のブリッジプレート52を両持ちで支持する8組のY軸スライダ(図示省略)と、上記した一対のY軸支持ベース3上に設置され、8組のY軸スライダを介してブリッジプレート52をY軸方向に移動させる一対のY軸リニアモータ(図示省略)と、を備えている。また、Y軸テーブル12は、各キャリッジユニット51を介して描画時に機能液滴吐出ヘッド17を副走査するほか、機能液滴吐出ヘッド17をメンテナンス装置5(吸引ユニット15及びワイピングユニット16)に臨ませる。
一対のY軸リニアモータを(同期して)駆動すると、各Y軸スライダが一対のY軸支持ベース3を案内にして同時にY軸方向を平行移動する。これにより、ブリッジプレート52がY軸方向を移動し、これと共にキャリッジユニット51がY軸方向に移動する。なお、この場合、Y軸リニアモータの駆動を制御することにより、各キャリッジユニット51を独立させて個別に移動させることも可能であるし、8個のキャリッジユニット51を一体として移動させることも可能である。
また、Y軸テーブル12の両脇には、これに平行にケーブル坦持体81が配設されている。両ケーブル坦持体81は、一端がY軸支持ベース3に固定されると共に他端が各ブリッジプレート52の1つに固定されている。このケーブル坦持体81には、各キャリッジユニット51用のケーブル類、エアーチューブ類および機能液流路等が収容されている。
各キャリッジユニット51は、12個の機能液滴吐出ヘッド17と、12個の機能液滴吐出ヘッド17を6個ずつ2群に分けて支持するキャリッジプレート53と、から成るヘッドユニット13を備えている(図4参照)。また、各キャリッジユニット51は、ヘッドユニット13をθ補正(θ回転)可能に支持するθ回転機構61と、θ回転機構61を介して、ヘッドユニット13をY軸テーブル12(各ブリッジプレート52)に支持させる吊設部材62と、を備えている。加えて、各キャリッジユニット51は、その上部に後述するサブタンク121が配設されており(実際には、ブリッジプレート52上に配設)、このサブタンク121から各機能液滴吐出ヘッド17に機能液が供給されるようになっている。
図5に示すように、機能液滴吐出ヘッド17は、いわゆる2連のものであり、2連の接続針92を有する機能液導入部91と、機能液導入部91に連なる2連のヘッド基板93と、機能液導入部91の下方に連なり、内部に機能液で満たされるヘッド内流路が形成されたヘッド本体94と、を備えている。接続針92は、機能液供給ユニット7に接続され、機能液導入部91に機能液を供給する。ヘッド本体94は、キャビティ95(ピエゾ圧電素子)と、多数の吐出ノズル98が開口したノズル面97を有するノズルプレート96と、で構成されている。機能液滴吐出ヘッド17を吐出駆動すると(ピエゾ圧電素子に電圧が印加され)、キャビティ95のポンプ作用により、吐出ノズル98から機能液滴が吐出される。
なお、ノズル面97には、多数の吐出ノズル98からなる2つのノズル列98bが相互に平行に形成されている。そして、2つのノズル列98b同士は、相互に半ノズルピッチ分位置ずれしている。
チャンバ6は、内部温度及び湿度を一定に保つように構成されたクリーンブースであり、液滴吐出装置1によるワークWへの描画は、温度および湿度が管理された雰囲気中で行われる。そして、チャンバ6の側壁の一部には、後述するタンクユニット122を収納するためのタンクキャビネット84が設けられている。なお、有機EL等を作成する場合には、チャンバ6内の雰囲気を、不活性ガス(窒素ガス)にして行うことが好ましい。
次に、図1および図6ないし図9を参照して機能液供給ユニット7について説明する。機能液供給ユニット7は、R・G・B3色に対応した3組の機能液供給装置101を備えている。また、機能液供給ユニット7は、後述するメインタンク181およびサブタンク121等の制御用の圧縮窒素ガスを供給する窒素ガス供給設備85と、各種開閉弁の制御用の圧縮エアーを供給する圧縮エアー供給設備86と、各部からガス排気を行うためのガス排気設備87と、後述する気泡除去ユニット135に接続された真空設備89と、を備えている。3組の機能液供給装置101は、それぞれR・G・B3色に対応した機能液滴吐出ヘッド17に接続されており、これにより、各色の機能液滴吐出ヘッド17には対応する色の機能液が供給される。
図6および図7に示すように、各機能液供給装置101は、機能液の供給源を構成する2つのメインタンク181,181を有するタンクユニット122と、各キャリッジユニット51に対応して設けた8つのサブタンク121と、タンクユニット122と8つのサブタンク121を接続する上流側機能液流路126と、各サブタンク121と各機能液滴吐出ヘッド17とを接続する8組の下流側機能液流路127と、を備えている。
各メインタンク181内の機能液は、これに接続して窒素ガス供給設備85からの圧縮窒素ガスにより加圧され、上流側機能液流路126を介して8つのサブタンク121に選択的に供給される。その際、圧縮エアー供給設備86の圧縮エアーにより、各種開閉弁が開閉制御される。また同時に、各サブタンク121は、ガス排気設備87を介して大気開放され、必要量の機能液を受容する。各サブタンク121の機能液は、これに連なる機能液滴吐出ヘッド17の駆動により、所定の水頭圧を維持しながら、下流側機能液流路127を介して機能液滴吐出ヘッド17に供給される。詳細は後述するが、各サブタンク121からの機能液逆送時には、圧縮窒素ガスが各サブタンク121に供給される一方、各メインタンク181は、ガス排気設備87を介して大気開放される。
タンクユニット122は、機能液の供給源となる一対のメインタンク181,181と、一対のメインタンク181,181の重量をそれぞれ測定する一対の重量測定装置182,182と、一対のメインタンク181,181に接続されると共に、上流側機能液流路126に接続した切替え機構183と、を備えている。
各メインタンク181には、機能液を圧送するための加圧制御および機能液を逆送するための負圧制御(大気開放に相当)を行うべく、窒素ガス供給流路210を介して窒素ガス供給設備(加圧送液手段)85およびガス排気設備87に接続されている。窒素ガス供給流路210には、各メインタンク内に供給される圧縮窒素ガスの流量をコントロールする電空レギュレータ211が介設されており、電空レギュレータ211は、後述する制御部197によって制御され、各メインタンク181内に供給する圧縮窒素ガスの流量をコントロールすることで、各メインタンク181からサブタンク121へ向けて送液される機能液の流量を自在にコントロールしている。
切替え機構183は、一対のメインタンク181,181に接続した一対のタンク流路186,186と、上流側に一対のタンク流路186,186が接続されると共に、下流側に上流側機能液流路126が接続されたタンク流路継手187と、各タンク流路186,186に介設されたタンク開閉弁188と、を備えている。一方のタンク開閉弁188を開弁し、他方のタンク開閉弁188を閉弁することにより、上流側機能液流路126への接続が、一対のメインタンク181,181の間で交互に切替えられる。
重量測定装置182は、例えばロードセル等で構成され、メインタンク181内の機能液が消費され所定の重量になると、交換を促す警報を発するようになっている。また、各タンク流路186には、気泡検出センサ189(2つの光センサで構成されている)が設けられており、一方のメインタンク181が所定の重量になった後、この気泡検出センサ189が気泡を検出したところで、他方のメインタンク181に流路切替えする(自動または手動)。なお、重量測定装置182に代えて、液位検出センサあるいは気泡検出センサ等により警報を出すようにしてもよい。
このように、重量測定装置182および気泡検出センサ189により一方のメインタンク181が要交換であると判断された場合、切替え機構183を介して上流側機能液流路126への接続を他方のメインタンク181に切り替えることにより、他方のメインタンク181によりサブタンク121への補給を行うことができる。すなわち、一方のメインタンク181を交換する際にも、他方のメインタンク181によりサブタンク121への補給を継続的に行うことができる。これにより、メインタンク181交換の際に、機能液滴吐出ヘッド17による描画処理を停止する必要がなく、生産性を向上させることができる。
上流側機能液流路126は、上流側から、上流側をタンクユニット122に接続した主流路131と、上流側を主流路131に接続した8分岐流路(分岐流路)132と、上流側を8分岐流路132に接続され、下流側をサブタンク121に接続した8本の枝流路133と、を備えている。タンクユニット122から供給された機能液は、8分岐流路132により8つに分流して各サブタンク121に供給される。
また、主流路131には、上流側から気泡除去ユニット(気泡除去手段)135、主流路弁(主流路開閉手段)215、通液検出センサ(通液検出手段)216、第1開閉弁136、エアー抜きユニット137、第2開閉弁138がそれぞれ介設され、主流路弁215および通液検出センサ216は気泡除去ユニット135の近傍に配設されるまた、各8分岐流路132には、各サブタンク121の近傍に位置して第3開閉弁(枝流路開閉手段)139がそれぞれ介設されている。上記の各開閉弁は、後述する制御部197により開閉制御されている。
各下流側機能液流路127は、上流側から、上流側を各サブタンク121に接続したヘッド側主流路146と、上流側をヘッド側主流路146に接続した4分岐流路147と、上流側を4分岐流路147に接続した複数の個別流路148と、により構成されている。これにより、機能液が各サブタンク121から4方に分岐して、それぞれの機能液滴吐出ヘッド17に接続されている。すなわち、上流側機能液流路126の8分岐と、下流側機能液流路127の4分岐により、8×4個の機能液滴吐出ヘッド17に機能液が供給されている。加えて、機能液供給ユニット7は、R・G・Bで3組の機能液供給装置101を有しているため、8×12個の機能液滴吐出ヘッド17に機能液が供給される。更に、ヘッド側主流路146には、第4開閉弁149および減圧弁150が介設されている。
気泡除去ユニット135には、上記の真空設備89が接続されており、気体透過膜で隔てられた内部流路を真空引きし、気体透過膜を介して内部流路の機能液から気泡を透過させ除去する。このとき、気泡除去ユニット135内に滞留する機能液の容量は、気泡除去ユニット135から1のサブタンク121へ至る機能液流路(主流路131の一部および枝流路133)と、1のサブタンク121に充填される機能液の容量と、を合わせた容量よりも、多くなるよう構成されている。このような気泡除去ユニット135を備えることにより、機能液内のマイクロバブルによる大きな気泡の発生を抑えることができる。そのため、気泡が含有した機能液がサブタンク121に達することを抑えることができ、サブタンク121内において、後述する液位検出センサ177による液位誤検出を抑えることができる。これにより機能液の厳密な液位検出を行うことができ、機能液滴吐出ヘッド17の水頭値を安定に維持することができるため、機能液滴吐出ヘッド17の吐出不良を抑えることができる。なお、気泡除去ユニット135は消耗品であるため、交換を迅速に行えるように、予備の気泡除去ユニット135を用意しておくことが、好ましい(図6参照)。
エアー抜きユニット137は、主流路131に介設したエアー抜き継手(155と、開閉弁および気泡検出センサから成るエアー抜き弁157と、エアー抜き弁157に連なるエアー抜き流路156と、エアー抜き流路156の下流端に設けた貯液タンク158と、を有している。エアー抜きユニット137は、機能液供給装置101に機能液を初期充填するときに機能するものであり、メインタンク181からの機能液の送液に際し、エアー抜き弁157を開弁し且つ第2開閉弁138を閉弁して主流路131内のエアーを排出する。そして、エアー抜き弁157が気泡を検出したところ(少し時間をおく)で、エアー抜き弁157を閉弁し且つ第2開閉弁138を開弁してエアー抜きを終了する。
このようなエアー抜きユニット137を有することにより、初期充填の際に、無用なエアーを適切にエアー抜きすることができる。これにより、初期充填時の無用なエアーを簡単に排除することができる。なお、貯液タンク158に流下した機能液を再利用する場合には、貯液タンク158を各色に対応させて3つとし、再利用しない場合には、貯液タンク158を1つとする。
各サブタンク121の上流側および下流側近傍に設けた第3開閉弁139および第4開閉弁149は、容積変化なく開閉可能なオペレートバルブで構成されており、開閉弁を開閉した際に発生する機能液の脈動を抑えることができる。そのため、機能液滴吐出ヘッド17に脈動が伝わることを抑え、機能液滴吐出ヘッド17による吐出不良を抑えることができる。なお、これらの開閉弁は、特にダイヤフラム式のエアーオペレートバルブで構成されており、これにより、圧縮エアー供給設備86からの圧縮エアーにより開閉が制御できると共に、開閉弁の開閉をゆっくり行うことができるため、容易に容積変化なく開閉可能に構成に為されている。また、エアーオペレートバルブを使用することにより、防爆機能の他、開閉弁を通過する機能液の温度上昇を抑えることができる。
8分岐流路132は、上流側端から下流側端まで、T字継手で形成された2分岐継手161と、2分岐継手161の下流側に接続された一対の接続短管162と、による2分岐を3段に亘って繰り返して構成されている(図9(a)参照)。8分岐流路132は、上流側を下にし、下流側を上にして配置し、タンクユニット122から供給された機能液が下から上に流れるように構成されている。このような8分岐流路132を使用することにより、8分岐流路132の下流端において圧力損失が同一となるため、8本の枝流路133の流速(流量)を一定にすることができる。また、上流側を下にし、下流側を上にすることにより、機能液が下から上に流れるため、8分岐流路132内にエアーが残留することを抑えることができる。さらに、2分岐継手161として安価なT字継手を使用することにより、8分岐流路132を安価の構成にすることができる。
8分岐流路132は、最下流段に属する2分岐継手161および一対の接続短管162,162に比して、最上流段に属する2分岐継手161および一対の接続短管162,162は、太径に形成されている。これにより、8分岐流路132での圧力損失を極力小さくすることができる。
なお、本実施形態においては8分岐の分岐流路であるため、端数が生じることがないが、端数が生じる場合、例えば10分岐(10分岐流路)である場合、6方の分岐については、3つの2分岐継手161と3本の接続短管162と通るのに対し、他4方の分岐については、4つの2分岐継手161と4本の接続短管162と通ることになる(図9(b)参照)。この際、6方の分岐と他4方の分岐の流路長に違いが出ると、サブタンク121への機能液の流量が同一にならないため、最下流段の一対の接続短管162,162(他4方の分岐)と、その上流段の接続短管162(6方の分岐)との間において、配管長で圧力損失が調整するよう構成する。
また、各下流側機能液流路127の4分岐流路147も、上記の8分岐流路132と同様の構成とすることが、好ましい。但しこの場合には、4分岐流路147の上流側を上にし、下流側を下にすることが好ましい。これにより、下流側機能液流路127に気泡が混入することがあっても、気泡をサブタンク121側に抜くようにする。
減圧弁150は、大気圧基準で作動すると共に対応する機能液滴吐出ヘッド17との間の水頭値を所定の許容範囲に維持するものである。この減圧弁150を使用することにより、機能液滴吐出ヘッド17のノズル面97における機能液の水頭値を精度良く管理することができる。
図10に示すように、サブタンク121は、機能液を貯留するサブタンク本体171と、サブタンク本体171に落し蓋様に浮かした蓋体フロート172と、サブタンク本体171の側方に配設された透明なバイパスチューブ176と、バイパスチューブ176に臨み、貯留された機能液の液位を検出する液位検出機構173と、サブタンク本体171の側方下部に配設された液圧センサ174と、を備えている。また、サブタンク121は、サブタンク本体171の上部には、窒素ガス供給設備85およびガス排気設備87が接続されており(図6参照)、サブタンク本体171の内部を、メインタンク181からの送液の際の大気開放およびメインタンク181への加圧制御可能に構成されている。加えて、サブタンク本体171の下方には、枝流路133が接続される流入ジョイント163、およびヘッド側主流路146が接続される流出ジョイント164が設けられており、機能液は、サブタンク本体171の下方から流入し、下方から流出するように構成されている。
液位検出機構173は、バイパスチューブ176に臨んでおり、上限となる機能液の液位を検出する上限検出センサ178と、上下中間位置に配設され、補給時の機能液の液位を検出する液位検出センサ177と、下限となる機能液の液位を検出する下限検出センサ179と、を備えている。上限検出センサ178は、サブタンク121のオーバーフローを防止すべく設けられており、上限検出センサ178が上限液位を検出した場合には、メインタンク181からの送液を停止させる。一方、下限検出センサ179は、サブタンク121が空になるのを防止すべく設けられており、下限検出センサ179が下限液位を検出した場合には、現時点のワークWの描画が終了したところで液滴吐出装置1を停止させる。
また、上限検出センサ178が上限液位を検出した場合には、その後サブタンク121の機能液をメインタンク181に戻す逆送動作が行われる。この逆送動作は、第4開閉弁149を閉弁すると共に第3開閉弁139を開弁し、且つメインタンク181への加圧を解除(負圧制御)した後、サブタンク121内を加圧(加圧制御)して機能液を逆流させる。そして、液位検出センサ177が液位を検出したところで、逆送動作を終了する。このような逆送動作により、サブタンク121に過剰供給された機能液を廃棄することなく、適切に処理することができる。
液位検出センサ177は、機能液滴吐出ヘッド17の理想の水頭値を考慮した液位を検出するものであり、液位検出センサ177により機能液の液位が検出されると、後述する制御部197との協働により、満液もしくは減液と判断される。すなわち、液位検出センサ177より上に液位がある状態から、吐出動作により機能液が減り、液位検出センサ177により液位が検出されることで減液と判断される。また、液位検出センサ177より下に液位がある状態から、補給動作により機能液が増え、液位検出センサ177により液位が検出された後、一定時間経過すると満液と判断される。このような液位検出センサ177により、サブタンク121内の機能液の液位が上下中間部位置に制御されている。このように機能液の液位がサブタンク121の上下中間部位置に制御されていることにより、サブタンク121内で、機能液が満たされていない大きな空間(気体容量)を常に構成することができる。これにより、サブタンク121の上流側で発生した機能液の脈動を吸収することができ、機能液滴吐出ヘッド17の吐出不良を抑えることができる。
図8に示すように、各機能液供給装置101のタンクユニット122から8分岐流路132までの各構成要素は、チャンバ6の側壁に配設されたタンクキャビネット84に収納されている(図1参照)。図8に示すように、タンクキャビネット84は、各タンクユニット122が収納されたメインタンク収納部111と、メインタンク収納部111の上方に配設され、各気泡除去ユニット135が収納されたユニット収納部112と、ユニット収納部112に隣設され、各8分岐流路132が収納された分岐流路収納部113と、を備えている。
メインタンク収納部111は、その開閉扉105aがチャンバ6の外側に開閉し、図示しないがユニット収納部112および分岐流路収納部113の開閉扉は、それぞれチャンバ6の内側に開閉する。すなわち、各気泡除去ユニット135および各8分岐流路132は、チャンバ6内に配設され、各タンクユニット122は、チャンバ6外に配設されている。したがって、タンクユニット122は、チャンバ6内を大気置換することなく、そのメインタンク181を交換可能に構成されている。このように、チャンバ6外にタンクユニット122を配設することにより、メインタンク181の交換の際に、チャンバ6を開放することない。これにより、メインタンク181の交換の都度、チャンバ6内の雰囲気を壊すことが無いため、再度温度及び湿度の調整を行なう必要なく(チャンバ6内を不活性ガス雰囲気にしている場合には、不活性ガスが外部に漏れることない)、メインタンク181の交換を行うことができるため、装置の生産性を向上させることができる。
次に、図11を参照して、液滴吐出装置1の主制御系について説明する。同図に示すように、液滴吐出装置1は、ヘッドユニット13(機能液滴吐出ヘッド17)を有する液滴吐出部191と、X軸テーブル11、を有し、ワークWをX軸方向へ移動させるためのワーク移動部192と、Y軸テーブル12を有し、ヘッドユニット13をY軸方向へ移動させるヘッド移動部193と、メンテナンス手段の各ユニットを有するメンテナンス部194と、機能液供給ユニット7を有し、機能液滴吐出ヘッド17に機能液を供給する機能液供給部198と、各種センサを有し、各種検出を行う検出部195と、各部を駆動制御する各種ドライバを有する駆動部196と、各部に接続され、液滴吐出装置1全体の制御を行う制御部197と、を備えている。
制御部197には、各手段を接続するためのインタフェース201と、一時的に記憶可能な記憶領域を有し、制御処理のための作業領域として使用されるRAM202と、各種記憶領域を有し、制御プログラムや制御データを記憶するROM203と、ワークWに所定の描画パターンを描画するための描画データや、各手段からの各種データ等を記憶すると共に、各種データを処理するためのプログラム等を記憶するハードディスク204と、ROM203やハードディスク204に記憶されたプログラム等に従い、各種データを演算処理するCPU205と、これらを互いに接続するバス206と、が備えられている。
そして、制御部197は、各手段からの各種データを、インタフェース201を介して入力すると共に、ハードディスク204に記憶された(または、CD−ROMドライブ等により順次読み出される)プログラムに従ってCPU205に演算処理させ、その処理結果を、駆動部196(各種ドライバ)を介して各手段に出力する。
ここで、機能液滴吐出ヘッド17への機能液供給動作について説明する。この動作は、各メインタンク181および各サブタンク121に機能液が貯液されていると共に、各流路に機能液が充液されている状態にて行われるものとする。加えて、窒素ガス供給設備85により、上流側機能液流路126に接続された一方のメインタンク181が加圧されているものとする。
まず、サブタンク121の上流側に介設された第3開閉弁139を閉弁した状態で、機能液滴吐出ヘッド17を駆動して機能液滴の吐出を行う。第3開閉弁139が閉弁されているため、メインタンク181からの圧力は縁切りされ、機能液滴吐出ヘッド17のポンプ作用により、機能液が各サブタンク121から各機能液滴吐出ヘッド17に送液される。なお、機能液滴吐出ヘッド17のノズル面97における水頭値は、下流側機能液流路127に介設された減圧弁150により最終調整されている。
次に、サブタンク121への機能液の補給について説明する。機能液滴吐出ヘッド17の吐出動作により、サブタンク121内の機能液が一定量減ると、液位検出機構173によって減液状態であると判断される。減液状態であると判断された場合、第3開閉弁139を開弁してメインタンク181からサブタンク121に機能液を補給する。メインタンク181は加圧されているため、第3開閉弁139を開弁することでメインタンク181の機能液が自動的にサブタンク121に送液される。なお、この際、機能液滴吐出ヘッド17の吐出動作は継続的に行われる。
メインタンク181からサブタンク121に機能液が送液され、サブタンク121内の機能液が一定量貯まると、液位検出機構173によって、サブタンク121内が満液状態であると判断される。満液状態と判断されると、第3開閉弁139を閉弁して補給動作を終了する。なお、上記した機能液の逆送動作も、上記の制御系により行われる。
次に、上流側機能液流路126に接続されたメインタンク181において、機能液が無くなった際の対処動作について説明する。サブタンク121への補給動作を繰り返すと、メインタンク181内の機能液が減り、対応した重量測定装置182により、メインタンク181が要交換であると判断される。メインタンク181が要交換であると判断されると、切替え機構183により上流側機能液流路126への接続を、要交換のメインタンク181から他方のメインタンク181(満液状態のメインタンク181)に切り替える。そして、他方のメインタンク181によりサブタンク121への補給動作が行われる。この際、要交換のメインタンク181を交換することができ、サブタンク121への供給動作(機能液滴吐出ヘッド17の吐出駆動)を止めることなく、メインタンク181の交換を行うことができる。
最後に、図7を参照して、機能液供給装置101における機能液の初期充填動作について説明する。この初期充填動作では、8つのサブタンク121に対し、個別に機能液を充填するよう構成されている。つまり、充填される1のサブタンク121における第3開閉弁139を開けた状態で、メインタンク181内を加圧し、このサブタンク121へ向けて機能液の送液を開始する。すると機能液は、主流路131を通って気泡除去ユニット135に充填された後、再び主流路131を通って送液される。このとき、主流路131に介設した通液検出センサ216により、機能液が通過したことを検出すると、制御部197は、主流路弁215を閉じて、機能液の送液をいったん停止させる。この状態において、気泡除去ユニット135内に滞留した機能液は、気泡の除去がなされ、機能液の気泡除去率が、所定以下となると、制御部197は、主流路弁215を開けて、機能液の送液を再び開始させる。なお、上記したように、気泡除去ユニット135内の機能液の容量は、気泡除去ユニット135から1のサブタンク121へ至る機能液流路と、1のサブタンク121に充填される機能液の容量と、を合わせた容量よりも、多くなるよう構成されているため、サブタンク121が充填されるまで、気泡除去がなされた機能液を送液し続けることができる。
この後、主流路131および枝流路133を通ってサブタンク121に機能液が充填され、液位検出機構177によりサブタンク121の充填が完了すると、制御部197は、第3開閉弁139および主流路弁215を閉じて、機能液の送液をいったん停止させると共に、次に充填されるサブタンク121における第3開閉弁139を開ける。そして、気泡除去ユニット135内の機能液が、所定の気泡除去率となったら、再び主流路131を開けて、サブタンク121に機能液を充填する。この個別充填動作をサブタンク121の数だけ行うことで、初期充填動作が完了する。
以上のような構成によれば、機能液の初期充填動作時において、気泡除去ユニット135内に機能液をいったん貯留して、気泡(マイクロバブル)の除去を行うことで、気泡を除去した機能液をサブタンク121およびサブタンク121に至る機能液流路へ通液させることができる。これにより、サブタンク121へ向けて送る機能液からマイクロバブルを完全に除去することができるため、マイクロバブルの混入を防止しつつ、適切に機能液の初期充填を行うことができる。
なお、本実施形態においては、8個のキャリッジユニット51を備えた液滴吐出装置1を備えたものを使用しているが、キャリッジユニット51の個数は任意である。また、実施形態では複数のサブタンク121に対し、1つずつ初期充填を行うようにしているが、気泡除去ユニット135の容量が十分にある場合は、2つずつ等、複数のサブタンク121に対し、同時に初期充填を行うことが可能である。
次に、本実施形態の液滴吐出装置1を用いて製造される電気光学装置(フラットパネルディスプレイ)として、カラーフィルタ、液晶表示装置、有機EL装置、プラズマディスプレイ(PDP装置)、電子放出装置(FED装置、SED装置)、さらにこれら表示装置に形成されてなるアクティブマトリクス基板等を例に、これらの構造およびその製造方法について説明する。なお、アクティブマトリクス基板とは、薄膜トランジスタ、および薄膜トランジスタに電気的に接続するソース線、データ線が形成された基板をいう。
まず、液晶表示装置や有機EL装置等に組み込まれるカラーフィルタの製造方法について説明する。図12は、カラーフィルタの製造工程を示すフローチャート、図13は、製造工程順に示した本実施形態のカラーフィルタ500(フィルタ基体500A)の模式断面図である。
まず、ブラックマトリクス形成工程(S101)では、図13(a)に示すように、基板(W)501上にブラックマトリクス502を形成する。ブラックマトリクス502は、金属クロム、金属クロムと酸化クロムの積層体、または樹脂ブラック等により形成される。金属薄膜からなるブラックマトリクス502を形成するには、スパッタ法や蒸着法等を用いることができる。また、樹脂薄膜からなるブラックマトリクス502を形成する場合には、グラビア印刷法、フォトレジスト法、熱転写法等を用いることができる。
まず、ブラックマトリクス形成工程(S101)では、図13(a)に示すように、基板(W)501上にブラックマトリクス502を形成する。ブラックマトリクス502は、金属クロム、金属クロムと酸化クロムの積層体、または樹脂ブラック等により形成される。金属薄膜からなるブラックマトリクス502を形成するには、スパッタ法や蒸着法等を用いることができる。また、樹脂薄膜からなるブラックマトリクス502を形成する場合には、グラビア印刷法、フォトレジスト法、熱転写法等を用いることができる。
続いて、バンク形成工程(S102)において、ブラックマトリクス502上に重畳する状態でバンク503を形成する。即ち、まず図13(b)に示すように、基板501およびブラックマトリクス502を覆うようにネガ型の透明な感光性樹脂からなるレジスト層504を形成する。そして、その上面をマトリクスパターン形状に形成されたマスクフィルム505で被覆した状態で露光処理を行う。
さらに、図13(c)に示すように、レジスト層504の未露光部分をエッチング処理することによりレジスト層504をパターニングして、バンク503を形成する。なお、樹脂ブラックによりブラックマトリクスを形成する場合は、ブラックマトリクスとバンクとを兼用することが可能となる。
このバンク503とその下のブラックマトリクス502は、各画素領域507aを区画する区画壁部507bとなり、後の着色層形成工程において機能液滴吐出ヘッド17により着色層(成膜部)508R、508G、508Bを形成する際に機能液滴の着弾領域を規定する。
さらに、図13(c)に示すように、レジスト層504の未露光部分をエッチング処理することによりレジスト層504をパターニングして、バンク503を形成する。なお、樹脂ブラックによりブラックマトリクスを形成する場合は、ブラックマトリクスとバンクとを兼用することが可能となる。
このバンク503とその下のブラックマトリクス502は、各画素領域507aを区画する区画壁部507bとなり、後の着色層形成工程において機能液滴吐出ヘッド17により着色層(成膜部)508R、508G、508Bを形成する際に機能液滴の着弾領域を規定する。
以上のブラックマトリクス形成工程およびバンク形成工程を経ることにより、上記フィルタ基体500Aが得られる。
なお、本実施形態においては、バンク503の材料として、塗膜表面が疎液(疎水)性となる樹脂材料を用いている。そして、基板(ガラス基板)501の表面が親液(親水)性であるので、後述する着色層形成工程においてバンク503(区画壁部507b)に囲まれた各画素領域507a内への液滴の着弾位置のばらつきを自動補正できる。
なお、本実施形態においては、バンク503の材料として、塗膜表面が疎液(疎水)性となる樹脂材料を用いている。そして、基板(ガラス基板)501の表面が親液(親水)性であるので、後述する着色層形成工程においてバンク503(区画壁部507b)に囲まれた各画素領域507a内への液滴の着弾位置のばらつきを自動補正できる。
次に、着色層形成工程(S103)では、図13(d)に示すように、機能液滴吐出ヘッド17によって機能液滴を吐出して区画壁部507bで囲まれた各画素領域507a内に着弾させる。この場合、機能液滴吐出ヘッド17を用いて、R・G・Bの3色の機能液(フィルタ材料)を導入して、機能液滴の吐出を行う。なお、R・G・Bの3色の配列パターンとしては、ストライプ配列、モザイク配列およびデルタ配列等がある。
その後、乾燥処理(加熱等の処理)を経て機能液を定着させ、3色の着色層508R、508G、508Bを形成する。着色層508R、508G、508Bを形成したならば、保護膜形成工程(S104)に移り、図13(e)に示すように、基板501、区画壁部507b、および着色層508R、508G、508Bの上面を覆うように保護膜509を形成する。
即ち、基板501の着色層508R、508G、508Bが形成されている面全体に保護膜用塗布液が吐出された後、乾燥処理を経て保護膜509が形成される。
そして、保護膜509を形成した後、カラーフィルタ500は、次工程の透明電極となるITO(Indium Tin Oxide)などの膜付け工程に移行する。
即ち、基板501の着色層508R、508G、508Bが形成されている面全体に保護膜用塗布液が吐出された後、乾燥処理を経て保護膜509が形成される。
そして、保護膜509を形成した後、カラーフィルタ500は、次工程の透明電極となるITO(Indium Tin Oxide)などの膜付け工程に移行する。
図14は、上記のカラーフィルタ500を用いた液晶表示装置の一例としてのパッシブマトリックス型液晶装置(液晶装置)の概略構成を示す要部断面図である。この液晶装置520に、液晶駆動用IC、バックライト、支持体などの付帯要素を装着することによって、最終製品としての透過型液晶表示装置が得られる。なお、カラーフィルタ500は図13に示したものと同一であるので、対応する部位には同一の符号を付し、その説明は省略する。
この液晶装置520は、カラーフィルタ500、ガラス基板等からなる対向基板521、および、これらの間に挟持されたSTN(Super Twisted Nematic)液晶組成物からなる液晶層522により概略構成されており、カラーフィルタ500を図中上側(観測者側)に配置している。
なお、図示していないが、対向基板521およびカラーフィルタ500の外面(液晶層522側とは反対側の面)には偏光板がそれぞれ配設され、また対向基板521側に位置する偏光板の外側には、バックライトが配設されている。
なお、図示していないが、対向基板521およびカラーフィルタ500の外面(液晶層522側とは反対側の面)には偏光板がそれぞれ配設され、また対向基板521側に位置する偏光板の外側には、バックライトが配設されている。
カラーフィルタ500の保護膜509上(液晶層側)には、図14において左右方向に長尺な短冊状の第1電極523が所定の間隔で複数形成されており、この第1電極523のカラーフィルタ500側とは反対側の面を覆うように第1配向膜524が形成されている。
一方、対向基板521におけるカラーフィルタ500と対向する面には、カラーフィルタ500の第1電極523と直交する方向に長尺な短冊状の第2電極526が所定の間隔で複数形成され、この第2電極526の液晶層522側の面を覆うように第2配向膜527が形成されている。これらの第1電極523および第2電極526は、ITOなどの透明導電材料により形成されている。
一方、対向基板521におけるカラーフィルタ500と対向する面には、カラーフィルタ500の第1電極523と直交する方向に長尺な短冊状の第2電極526が所定の間隔で複数形成され、この第2電極526の液晶層522側の面を覆うように第2配向膜527が形成されている。これらの第1電極523および第2電極526は、ITOなどの透明導電材料により形成されている。
液晶層522内に設けられたスペーサ528は、液晶層522の厚さ(セルギャップ)を一定に保持するための部材である。また、シール材529は液晶層522内の液晶組成物が外部へ漏出するのを防止するための部材である。なお、第1電極523の一端部は引き回し配線523aとしてシール材529の外側まで延在している。
そして、第1電極523と第2電極526とが交差する部分が画素であり、この画素となる部分に、カラーフィルタ500の着色層508R、508G、508Bが位置するように構成されている。
そして、第1電極523と第2電極526とが交差する部分が画素であり、この画素となる部分に、カラーフィルタ500の着色層508R、508G、508Bが位置するように構成されている。
通常の製造工程では、カラーフィルタ500に、第1電極523のパターニングおよび第1配向膜524の塗布を行ってカラーフィルタ500側の部分を作成すると共に、これとは別に対向基板521に、第2電極526のパターニングおよび第2配向膜527の塗布を行って対向基板521側の部分を作成する。その後、対向基板521側の部分にスペーサ528およびシール材529を作り込み、この状態でカラーフィルタ500側の部分を貼り合わせる。次いで、シール材529の注入口から液晶層522を構成する液晶を注入し、注入口を閉止する。その後、両偏光板およびバックライトを積層する。
実施形態の液滴吐出装置1は、例えば上記のセルギャップを構成するスペーサ材料(機能液)を塗布すると共に、対向基板521側の部分にカラーフィルタ500側の部分を貼り合わせる前に、シール材529で囲んだ領域に液晶(機能液)を均一に塗布することが可能である。また、上記のシール材529の印刷を、機能液滴吐出ヘッド17で行うことも可能である。さらに、第1・第2両配向膜524,527の塗布を機能液滴吐出ヘッド17で行うことも可能である。
図15は、本実施形態において製造したカラーフィルタ500を用いた液晶装置の第2の例の概略構成を示す要部断面図である。
この液晶装置530が上記液晶装置520と大きく異なる点は、カラーフィルタ500を図中下側(観測者側とは反対側)に配置した点である。
この液晶装置530は、カラーフィルタ500とガラス基板等からなる対向基板531との間にSTN液晶からなる液晶層532が挟持されて概略構成されている。なお、図示していないが、対向基板531およびカラーフィルタ500の外面には偏光板等がそれぞれ配設されている。
この液晶装置530が上記液晶装置520と大きく異なる点は、カラーフィルタ500を図中下側(観測者側とは反対側)に配置した点である。
この液晶装置530は、カラーフィルタ500とガラス基板等からなる対向基板531との間にSTN液晶からなる液晶層532が挟持されて概略構成されている。なお、図示していないが、対向基板531およびカラーフィルタ500の外面には偏光板等がそれぞれ配設されている。
カラーフィルタ500の保護膜509上(液晶層532側)には、図中奥行き方向に長尺な短冊状の第1電極533が所定の間隔で複数形成されており、この第1電極533の液晶層532側の面を覆うように第1配向膜534が形成されている。
対向基板531のカラーフィルタ500と対向する面上には、カラーフィルタ500側の第1電極533と直交する方向に延在する複数の短冊状の第2電極536が所定の間隔で形成され、この第2電極536の液晶層532側の面を覆うように第2配向膜537が形成されている。
対向基板531のカラーフィルタ500と対向する面上には、カラーフィルタ500側の第1電極533と直交する方向に延在する複数の短冊状の第2電極536が所定の間隔で形成され、この第2電極536の液晶層532側の面を覆うように第2配向膜537が形成されている。
液晶層532には、この液晶層532の厚さを一定に保持するためのスペーサ538と、液晶層532内の液晶組成物が外部へ漏出するのを防止するためのシール材539が設けられている。
そして、上記した液晶装置520と同様に、第1電極533と第2電極536との交差する部分が画素であり、この画素となる部位に、カラーフィルタ500の着色層508R、508G、508Bが位置するように構成されている。
そして、上記した液晶装置520と同様に、第1電極533と第2電極536との交差する部分が画素であり、この画素となる部位に、カラーフィルタ500の着色層508R、508G、508Bが位置するように構成されている。
図16は、本発明を適用したカラーフィルタ500を用いて液晶装置を構成した第3の例を示したもので、透過型のTFT(Thin Film Transistor)型液晶装置の概略構成を示す分解斜視図である。
この液晶装置550は、カラーフィルタ500を図中上側(観測者側)に配置したものである。
この液晶装置550は、カラーフィルタ500を図中上側(観測者側)に配置したものである。
この液晶装置550は、カラーフィルタ500と、これに対向するように配置された対向基板551と、これらの間に挟持された図示しない液晶層と、カラーフィルタ500の上面側(観測者側)に配置された偏光板555と、対向基板551の下面側に配設された偏光板(図示せず)とにより概略構成されている。
カラーフィルタ500の保護膜509の表面(対向基板551側の面)には液晶駆動用の電極556が形成されている。この電極556は、ITO等の透明導電材料からなり、後述の画素電極560が形成される領域全体を覆う全面電極となっている。また、この電極556の画素電極560とは反対側の面を覆った状態で配向膜557が設けられている。
カラーフィルタ500の保護膜509の表面(対向基板551側の面)には液晶駆動用の電極556が形成されている。この電極556は、ITO等の透明導電材料からなり、後述の画素電極560が形成される領域全体を覆う全面電極となっている。また、この電極556の画素電極560とは反対側の面を覆った状態で配向膜557が設けられている。
対向基板551のカラーフィルタ500と対向する面には絶縁層558が形成されており、この絶縁層558上には、走査線561および信号線562が互いに直交する状態で形成されている。そして、これらの走査線561と信号線562とに囲まれた領域内には画素電極560が形成されている。なお、実際の液晶装置では、画素電極560上に配向膜が設けられるが、図示を省略している。
また、画素電極560の切欠部と走査線561と信号線562とに囲まれた部分には、ソース電極、ドレイン電極、半導体、およびゲート電極とを具備する薄膜トランジスタ563が組み込まれて構成されている。そして、走査線561と信号線562に対する信号の印加によって薄膜トランジスタ563をオン・オフして画素電極560への通電制御を行うことができるように構成されている。
なお、上記の各例の液晶装置520,530,550は、透過型の構成としたが、反射層あるいは半透過反射層を設けて、反射型の液晶装置あるいは半透過反射型の液晶装置とすることもできる。
次に、図17は、有機EL装置の表示領域(以下、単に表示装置600と称する)の要部断面図である。
この表示装置600は、基板(W)601上に、回路素子部602、発光素子部603および陰極604が積層された状態で概略構成されている。
この表示装置600においては、発光素子部603から基板601側に発した光が、回路素子部602および基板601を透過して観測者側に出射されると共に、発光素子部603から基板601の反対側に発した光が陰極604により反射された後、回路素子部602および基板601を透過して観測者側に出射されるようになっている。
この表示装置600においては、発光素子部603から基板601側に発した光が、回路素子部602および基板601を透過して観測者側に出射されると共に、発光素子部603から基板601の反対側に発した光が陰極604により反射された後、回路素子部602および基板601を透過して観測者側に出射されるようになっている。
回路素子部602と基板601との間にはシリコン酸化膜からなる下地保護膜606が形成され、この下地保護膜606上(発光素子部603側)に多結晶シリコンからなる島状の半導体膜607が形成されている。この半導体膜607の左右の領域には、ソース領域607aおよびドレイン領域607bが高濃度陽イオン打ち込みによりそれぞれ形成されている。そして陽イオンが打ち込まれない中央部がチャネル領域607cとなっている。
また、回路素子部602には、下地保護膜606および半導体膜607を覆う透明なゲート絶縁膜608が形成され、このゲート絶縁膜608上の半導体膜607のチャネル領域607cに対応する位置には、例えばAl、Mo、Ta、Ti、W等から構成されるゲート電極609が形成されている。このゲート電極609およびゲート絶縁膜608上には、透明な第1層間絶縁膜611aと第2層間絶縁膜611bが形成されている。また、第1、第2層間絶縁膜611a、611bを貫通して、半導体膜607のソース領域607a、ドレイン領域607bにそれぞれ連通するコンタクトホール612a,612bが形成されている。
そして、第2層間絶縁膜611b上には、ITO等からなる透明な画素電極613が所定の形状にパターニングされて形成され、この画素電極613は、コンタクトホール612aを通じてソース領域607aに接続されている。
また、第1層間絶縁膜611a上には電源線614が配設されており、この電源線614は、コンタクトホール612bを通じてドレイン領域607bに接続されている。
また、第1層間絶縁膜611a上には電源線614が配設されており、この電源線614は、コンタクトホール612bを通じてドレイン領域607bに接続されている。
このように、回路素子部602には、各画素電極613に接続された駆動用の薄膜トランジスタ615がそれぞれ形成されている。
上記発光素子部603は、複数の画素電極613上の各々に積層された機能層617と、各画素電極613および機能層617の間に備えられて各機能層617を区画するバンク部618とにより概略構成されている。
これら画素電極613、機能層617、および、機能層617上に配設された陰極604によって発光素子が構成されている。なお、画素電極613は、平面視略矩形状にパターニングされて形成されており、各画素電極613の間にバンク部618が形成されている。
これら画素電極613、機能層617、および、機能層617上に配設された陰極604によって発光素子が構成されている。なお、画素電極613は、平面視略矩形状にパターニングされて形成されており、各画素電極613の間にバンク部618が形成されている。
バンク部618は、例えばSiO、SiO2、TiO2等の無機材料により形成される無機物バンク層618a(第1バンク層)と、この無機物バンク層618a上に積層され、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等の耐熱性、耐溶媒性に優れたレジストにより形成される断面台形状の有機物バンク層618b(第2バンク層)とにより構成されている。このバンク部618の一部は、画素電極613の周縁部上に乗上げた状態で形成されている。
そして、各バンク部618の間には、画素電極613に対して上方に向けて次第に拡開した開口部619が形成されている。
そして、各バンク部618の間には、画素電極613に対して上方に向けて次第に拡開した開口部619が形成されている。
上記機能層617は、開口部619内において画素電極613上に積層状態で形成された正孔注入/輸送層617aと、この正孔注入/輸送層617a上に形成された発光層617bとにより構成されている。なお、この発光層617bに隣接してその他の機能を有する他の機能層をさらに形成しても良い。例えば、電子輸送層を形成することも可能である。
正孔注入/輸送層617aは、画素電極613側から正孔を輸送して発光層617bに注入する機能を有する。この正孔注入/輸送層617aは、正孔注入/輸送層形成材料を含む第1組成物(機能液)を吐出することで形成される。正孔注入/輸送層形成材料としては、公知の材料を用いる。
正孔注入/輸送層617aは、画素電極613側から正孔を輸送して発光層617bに注入する機能を有する。この正孔注入/輸送層617aは、正孔注入/輸送層形成材料を含む第1組成物(機能液)を吐出することで形成される。正孔注入/輸送層形成材料としては、公知の材料を用いる。
発光層617bは、赤色(R)、緑色(G)、または青色(B)のいずれかに発光するもので、発光層形成材料(発光材料)を含む第2組成物(機能液)を吐出することで形成される。第2組成物の溶媒(非極性溶媒)としては、正孔注入/輸送層617aに対して不溶な公知の材料を用いることが好ましく、このような非極性溶媒を発光層617bの第2組成物に用いることにより、正孔注入/輸送層617aを再溶解させることなく発光層617bを形成することができる。
そして、発光層617bでは、正孔注入/輸送層617aから注入された正孔と、陰極604から注入される電子が発光層で再結合して発光するように構成されている。
陰極604は、発光素子部603の全面を覆う状態で形成されており、画素電極613と対になって機能層617に電流を流す役割を果たす。なお、この陰極604の上部には図示しない封止部材が配置される。
次に、上記の表示装置600の製造工程を図18〜図26を参照して説明する。
この表示装置600は、図18に示すように、バンク部形成工程(S111)、表面処理工程(S112)、正孔注入/輸送層形成工程(S113)、発光層形成工程(S114)、および対向電極形成工程(S115)を経て製造される。なお、製造工程は例示するものに限られるものではなく必要に応じてその他の工程が除かれる場合、また追加される場合もある。
この表示装置600は、図18に示すように、バンク部形成工程(S111)、表面処理工程(S112)、正孔注入/輸送層形成工程(S113)、発光層形成工程(S114)、および対向電極形成工程(S115)を経て製造される。なお、製造工程は例示するものに限られるものではなく必要に応じてその他の工程が除かれる場合、また追加される場合もある。
まず、バンク部形成工程(S111)では、図19に示すように、第2層間絶縁膜611b上に無機物バンク層618aを形成する。この無機物バンク層618aは、形成位置に無機物膜を形成した後、この無機物膜をフォトリソグラフィ技術等によりパターニングすることにより形成される。このとき、無機物バンク層618aの一部は画素電極613の周縁部と重なるように形成される。
無機物バンク層618aを形成したならば、図20に示すように、無機物バンク層618a上に有機物バンク層618bを形成する。この有機物バンク層618bも無機物バンク層618aと同様にフォトリソグラフィ技術等によりパターニングして形成される。
このようにしてバンク部618が形成される。また、これに伴い、各バンク部618間には、画素電極613に対して上方に開口した開口部619が形成される。この開口部619は、画素領域を規定する。
無機物バンク層618aを形成したならば、図20に示すように、無機物バンク層618a上に有機物バンク層618bを形成する。この有機物バンク層618bも無機物バンク層618aと同様にフォトリソグラフィ技術等によりパターニングして形成される。
このようにしてバンク部618が形成される。また、これに伴い、各バンク部618間には、画素電極613に対して上方に開口した開口部619が形成される。この開口部619は、画素領域を規定する。
表面処理工程(S112)では、親液化処理および撥液化処理が行われる。親液化処理を施す領域は、無機物バンク層618aの第1積層部618aaおよび画素電極613の電極面613aであり、これらの領域は、例えば酸素を処理ガスとするプラズマ処理によって親液性に表面処理される。このプラズマ処理は、画素電極613であるITOの洗浄等も兼ねている。
また、撥液化処理は、有機物バンク層618bの壁面618sおよび有機物バンク層618bの上面618tに施され、例えば四フッ化メタンを処理ガスとするプラズマ処理によって表面がフッ化処理(撥液性に処理)される。
この表面処理工程を行うことにより、機能液滴吐出ヘッド17を用いて機能層617を形成する際に、機能液滴を画素領域に、より確実に着弾させることができ、また、画素領域に着弾した機能液滴が開口部619から溢れ出るのを防止することが可能となる。
また、撥液化処理は、有機物バンク層618bの壁面618sおよび有機物バンク層618bの上面618tに施され、例えば四フッ化メタンを処理ガスとするプラズマ処理によって表面がフッ化処理(撥液性に処理)される。
この表面処理工程を行うことにより、機能液滴吐出ヘッド17を用いて機能層617を形成する際に、機能液滴を画素領域に、より確実に着弾させることができ、また、画素領域に着弾した機能液滴が開口部619から溢れ出るのを防止することが可能となる。
そして、以上の工程を経ることにより、表示装置基体600Aが得られる。この表示装置基体600Aは、図1に示した液滴吐出装置1のセットテーブル21に載置され、以下の正孔注入/輸送層形成工程(S113)および発光層形成工程(S114)が行われる。
図21に示すように、正孔注入/輸送層形成工程(S113)では、機能液滴吐出ヘッド17から正孔注入/輸送層形成材料を含む第1組成物を画素領域である各開口部619内に吐出する。その後、図22に示すように、乾燥処理および熱処理を行い、第1組成物に含まれる極性溶媒を蒸発させ、画素電極(電極面613a)613上に正孔注入/輸送層617aを形成する。
次に発光層形成工程(S114)について説明する。この発光層形成工程では、上述したように、正孔注入/輸送層617aの再溶解を防止するために、発光層形成の際に用いる第2組成物の溶媒として、正孔注入/輸送層617aに対して不溶な非極性溶媒を用いる。
しかしその一方で、正孔注入/輸送層617aは、非極性溶媒に対する親和性が低いため、非極性溶媒を含む第2組成物を正孔注入/輸送層617a上に吐出しても、正孔注入/輸送層617aと発光層617bとを密着させることができなくなるか、あるいは発光層617bを均一に塗布できない虞がある。
そこで、非極性溶媒並びに発光層形成材料に対する正孔注入/輸送層617aの表面の親和性を高めるために、発光層形成の前に表面処理(表面改質処理)を行うことが好ましい。この表面処理は、発光層形成の際に用いる第2組成物の非極性溶媒と同一溶媒またはこれに類する溶媒である表面改質材を、正孔注入/輸送層617a上に塗布し、これを乾燥させることにより行う。
このような処理を施すことで、正孔注入/輸送層617aの表面が非極性溶媒になじみやすくなり、この後の工程で、発光層形成材料を含む第2組成物を正孔注入/輸送層617aに均一に塗布することができる。
しかしその一方で、正孔注入/輸送層617aは、非極性溶媒に対する親和性が低いため、非極性溶媒を含む第2組成物を正孔注入/輸送層617a上に吐出しても、正孔注入/輸送層617aと発光層617bとを密着させることができなくなるか、あるいは発光層617bを均一に塗布できない虞がある。
そこで、非極性溶媒並びに発光層形成材料に対する正孔注入/輸送層617aの表面の親和性を高めるために、発光層形成の前に表面処理(表面改質処理)を行うことが好ましい。この表面処理は、発光層形成の際に用いる第2組成物の非極性溶媒と同一溶媒またはこれに類する溶媒である表面改質材を、正孔注入/輸送層617a上に塗布し、これを乾燥させることにより行う。
このような処理を施すことで、正孔注入/輸送層617aの表面が非極性溶媒になじみやすくなり、この後の工程で、発光層形成材料を含む第2組成物を正孔注入/輸送層617aに均一に塗布することができる。
そして次に、図23に示すように、各色のうちのいずれか(図23の例では青色(B))に対応する発光層形成材料を含有する第2組成物を機能液滴として画素領域(開口部619)内に所定量打ち込む。画素領域内に打ち込まれた第2組成物は、正孔注入/輸送層617a上に広がって開口部619内に満たされる。なお、万一、第2組成物が画素領域から外れてバンク部618の上面618t上に着弾した場合でも、この上面618tは、上述したように撥液処理が施されているので、第2組成物が開口部619内に転がり込み易くなっている。
その後、乾燥工程等を行うことにより、吐出後の第2組成物を乾燥処理し、第2組成物に含まれる非極性溶媒を蒸発させ、図24に示すように、正孔注入/輸送層617a上に発光層617bが形成される。この図の場合、青色(B)に対応する発光層617bが形成されている。
同様に、機能液滴吐出ヘッド17を用い、図25に示すように、上記した青色(B)に対応する発光層617bの場合と同様の工程を順次行い、他の色(赤色(R)および緑色(G))に対応する発光層617bを形成する。なお、発光層617bの形成順序は、例示した順序に限られるものではなく、どのような順番で形成しても良い。例えば、発光層形成材料に応じて形成する順番を決めることも可能である。また、R・G・Bの3色の配列パターンとしては、ストライプ配列、モザイク配列およびデルタ配列等がある。
以上のようにして、画素電極613上に機能層617、即ち、正孔注入/輸送層617aおよび発光層617bが形成される。そして、対向電極形成工程(S115)に移行する。
対向電極形成工程(S115)では、図26に示すように、発光層617bおよび有機物バンク層618bの全面に陰極604(対向電極)を、例えば蒸着法、スパッタ法、CVD法等によって形成する。この陰極604は、本実施形態においては、例えば、カルシウム層とアルミニウム層とが積層されて構成されている。
この陰極604の上部には、電極としてのAl膜、Ag膜や、その酸化防止のためのSiO2、SiN等の保護層が適宜設けられる。
この陰極604の上部には、電極としてのAl膜、Ag膜や、その酸化防止のためのSiO2、SiN等の保護層が適宜設けられる。
このようにして陰極604を形成した後、この陰極604の上部を封止部材により封止する封止処理や配線処理等のその他処理等を施すことにより、表示装置600が得られる。
次に、図27は、プラズマ型表示装置(PDP装置:以下、単に表示装置700と称する)の要部分解斜視図である。なお、同図では表示装置700を、その一部を切り欠いた状態で示してある。
この表示装置700は、互いに対向して配置された第1基板701、第2基板702、およびこれらの間に形成される放電表示部703を含んで概略構成される。放電表示部703は、複数の放電室705により構成されている。これらの複数の放電室705のうち、赤色放電室705R、緑色放電室705G、青色放電室705Bの3つの放電室705が組になって1つの画素を構成するように配置されている。
この表示装置700は、互いに対向して配置された第1基板701、第2基板702、およびこれらの間に形成される放電表示部703を含んで概略構成される。放電表示部703は、複数の放電室705により構成されている。これらの複数の放電室705のうち、赤色放電室705R、緑色放電室705G、青色放電室705Bの3つの放電室705が組になって1つの画素を構成するように配置されている。
第1基板701の上面には所定の間隔で縞状にアドレス電極706が形成され、このアドレス電極706と第1基板701の上面とを覆うように誘電体層707が形成されている。誘電体層707上には、各アドレス電極706の間に位置し、且つ各アドレス電極706に沿うように隔壁708が立設されている。この隔壁708は、図示するようにアドレス電極706の幅方向両側に延在するものと、アドレス電極706と直交する方向に延設された図示しないものを含む。
そして、この隔壁708によって仕切られた領域が放電室705となっている。
そして、この隔壁708によって仕切られた領域が放電室705となっている。
放電室705内には蛍光体709が配置されている。蛍光体709は、赤(R)、緑(G)、青(B)のいずれかの色の蛍光を発光するもので、赤色放電室705Rの底部には赤色蛍光体709Rが、緑色放電室705Gの底部には緑色蛍光体709Gが、青色放電室705Bの底部には青色蛍光体709Bが各々配置されている。
第2基板702の図中下側の面には、上記アドレス電極706と直交する方向に複数の表示電極711が所定の間隔で縞状に形成されている。そして、これらを覆うように誘電体層712、およびMgOなどからなる保護膜713が形成されている。
第1基板701と第2基板702とは、アドレス電極706と表示電極711が互いに直交する状態で対向させて貼り合わされている。なお、上記アドレス電極706と表示電極711は図示しない交流電源に接続されている。
そして、各電極706,711に通電することにより、放電表示部703において蛍光体709が励起発光し、カラー表示が可能となる。
第1基板701と第2基板702とは、アドレス電極706と表示電極711が互いに直交する状態で対向させて貼り合わされている。なお、上記アドレス電極706と表示電極711は図示しない交流電源に接続されている。
そして、各電極706,711に通電することにより、放電表示部703において蛍光体709が励起発光し、カラー表示が可能となる。
本実施形態においては、上記アドレス電極706、表示電極711、および蛍光体709を、図1に示した液滴吐出装置1を用いて形成することができる。以下、第1基板701におけるアドレス電極706の形成工程を例示する。
この場合、第1基板701を液滴吐出装置1のセットテーブル21に載置された状態で以下の工程が行われる。
まず、機能液滴吐出ヘッド17により、導電膜配線形成用材料を含有する液体材料(機能液)を機能液滴としてアドレス電極形成領域に着弾させる。この液体材料は、導電膜配線形成用材料として、金属等の導電性微粒子を分散媒に分散したものである。この導電性微粒子としては、金、銀、銅、パラジウム、またはニッケル等を含有する金属微粒子や、導電性ポリマー等が用いられる。
この場合、第1基板701を液滴吐出装置1のセットテーブル21に載置された状態で以下の工程が行われる。
まず、機能液滴吐出ヘッド17により、導電膜配線形成用材料を含有する液体材料(機能液)を機能液滴としてアドレス電極形成領域に着弾させる。この液体材料は、導電膜配線形成用材料として、金属等の導電性微粒子を分散媒に分散したものである。この導電性微粒子としては、金、銀、銅、パラジウム、またはニッケル等を含有する金属微粒子や、導電性ポリマー等が用いられる。
補充対象となるすべてのアドレス電極形成領域について液体材料の補充が終了したならば、吐出後の液体材料を乾燥処理し、液体材料に含まれる分散媒を蒸発させることによりアドレス電極706が形成される。
ところで、上記においてはアドレス電極706の形成を例示したが、上記表示電極711および蛍光体709についても上記各工程を経ることにより形成することができる。
表示電極711の形成の場合、アドレス電極706の場合と同様に、導電膜配線形成用材料を含有する液体材料(機能液)を機能液滴として表示電極形成領域に着弾させる。
また、蛍光体709の形成の場合には、各色(R,G,B)に対応する蛍光材料を含んだ液体材料(機能液)を機能液滴吐出ヘッド17から液滴として吐出し、対応する色の放電室705内に着弾させる。
表示電極711の形成の場合、アドレス電極706の場合と同様に、導電膜配線形成用材料を含有する液体材料(機能液)を機能液滴として表示電極形成領域に着弾させる。
また、蛍光体709の形成の場合には、各色(R,G,B)に対応する蛍光材料を含んだ液体材料(機能液)を機能液滴吐出ヘッド17から液滴として吐出し、対応する色の放電室705内に着弾させる。
次に、図28は、電子放出装置(FED装置あるいはSED装置ともいう:以下、単に表示装置800と称する)の要部断面図である。なお、同図では表示装置800を、その一部を断面として示してある。
この表示装置800は、互いに対向して配置された第1基板801、第2基板802、およびこれらの間に形成される電界放出表示部803を含んで概略構成される。電界放出表示部803は、マトリクス状に配置した複数の電子放出部805により構成されている。
この表示装置800は、互いに対向して配置された第1基板801、第2基板802、およびこれらの間に形成される電界放出表示部803を含んで概略構成される。電界放出表示部803は、マトリクス状に配置した複数の電子放出部805により構成されている。
第1基板801の上面には、カソード電極806を構成する第1素子電極806aおよび第2素子電極806bが相互に直交するように形成されている。また、第1素子電極806aおよび第2素子電極806bで仕切られた部分には、ギャップ808を形成した導電性膜807が形成されている。すなわち、第1素子電極806a、第2素子電極806bおよび導電性膜807により複数の電子放出部805が構成されている。導電性膜807は、例えば酸化パラジウム(PdO)等で構成され、またギャップ808は、導電性膜807を成膜した後、フォーミング等で形成される。
第2基板802の下面には、カソード電極806に対峙するアノード電極809が形成されている。アノード電極809の下面には、格子状のバンク部811が形成され、このバンク部811で囲まれた下向きの各開口部812に、電子放出部805に対応するように蛍光体813が配置されている。蛍光体813は、赤(R)、緑(G)、青(B)のいずれかの色の蛍光を発光するもので、各開口部812には、赤色蛍光体813R、緑色蛍光体813Gおよび青色蛍光体813Bが、上記した所定のパターンで配置されている。
そして、このように構成した第1基板801と第2基板802とは、微小な間隙を存して貼り合わされている。この表示装置800では、導電性膜(ギャップ808)807を介して、陰極である第1素子電極806aまたは第2素子電極806bから飛び出す電子を、陽極であるアノード電極809に形成した蛍光体813に当てて励起発光し、カラー表示が可能となる。
この場合も、他の実施形態と同様に、第1素子電極806a、第2素子電極806b、導電性膜807およびアノード電極809を、液滴吐出装置1を用いて形成することができると共に、各色の蛍光体813R,813G,813Bを、液滴吐出装置1を用いて形成することができる。
第1素子電極806a、第2素子電極806bおよび導電性膜807は、図29(a)に示す平面形状を有しており、これらを成膜する場合には、図29(b)に示すように、予め第1素子電極806a、第2素子電極806bおよび導電性膜807を作り込む部分を残して、バンク部BBを形成(フォトリソグラフィ法)する。次に、バンク部BBにより構成された溝部分に、第1素子電極806aおよび第2素子電極806bを形成(液滴吐出装置1によるインクジェット法)し、その溶剤を乾燥させて成膜を行った後、導電性膜807を形成(液滴吐出装置1によるインクジェット法)する。そして、導電性膜807を成膜後、バンク部BBを取り除き(アッシング剥離処理)、上記のフォーミング処理に移行する。なお、上記の有機EL装置の場合と同様に、第1基板801および第2基板802に対する親液化処理や、バンク部811,BBに対する撥液化処理を行うことが、好ましい。
また、他の電気光学装置としては、金属配線形成、レンズ形成、レジスト形成および光拡散体形成等の装置が考えられる。上記した液滴吐出装置1を各種の電気光学装置(デバイス)の製造に用いることにより、各種の電気光学装置を効率的に製造することが可能である。
1:液滴吐出装置、 6:チャンバ、 11:X軸テーブル、 12:Y軸テーブル、 17:機能液滴吐出ヘッド、 51:キャリッジユニット、 85:窒素ガス供給設備、 101:機能液供給装置、 121:サブタンク、 122:タンクユニット、 126:上流側機能液流路、 127:下流側機能液流路、 131:主流路、 132:8分岐流路、 133:枝流路、 135:気泡除去ユニット、 139:第3開閉弁、 149:第4開閉弁、 150:減圧弁、 155:エアー抜き継手、 156:エアー抜き流路、 157:エアー抜き弁、 161:2分岐継手、 162:接続短管、 178:上限検出センサ、 181:メインタンク、 183:切替え機構、 197:制御部、 W:ワーク
Claims (9)
- インクジェット方式の1以上の機能液滴吐出ヘッドに連なる1以上のサブタンクに、メインタンクから機能液を通液して充填する機能液供給装置における機能液の初期充填方法であって、
前記メインタンクと前記1以上のサブタンクとを接続する機能液流路に、機能液内のマイクロバブルを除去すると共に、その除去率が通液流量に依存する気泡除去手段を介設したものにおいて、
前記メインタンクからの機能液の通液を開始した後、機能液が前記気泡除去手段に充填されたところで通液を停止し、前記気泡除去手段内の機能液が所定の前記除去率になるまで時間をおき、その後、通液を再開し、前記気泡除去手段内の機能液をほぼ通液したところで通液を停止する個別充填工程を、
全ての前記サブタンクに機能液を充填されるまで、繰り返すことを特徴とする機能液供給装置における機能液の初期充填方法。 - 前記個別充填工程は、任意の1の前記サブタンクへの機能液充填毎に繰り返され、
前記気泡除去手段内の機能液の容量は、1の前記サブタンクの充填容量に、前記気泡除去手段から1の前記サブタンクに至る前記機能液流路の容量を加算した容量より、大きいことを特徴とする請求項1に記載の機能液供給装置における機能液の初期充填方法。 - 機能液供給源となるメインタンクと、
インクジェット方式の1以上の機能液滴吐出ヘッドに連なる1以上のサブタンクと、
前記メインタンクと前記1以上のサブタンクとを接続する機能液流路と、
前記機能液流路を介して、前記メインタンクの機能液を前記1以上のサブタンクに個々に送液可能な送液手段と、
前記機能液流路に介設され、機能液内のマイクロバブルを除去すると共に、その除去率が通液流量に依存する気泡除去手段と、
前記気泡除去手段の下流側近傍の前記機能液流路に介設され、機能液の通液を検出する通液検出手段と、
前記送液手段を制御する制御手段と、を備え、
機能液を前記メインタンクから前記1以上のサブタンクに通液する機能液の初期充填時において、前記制御手段は、前記送液手段を駆動して機能液の通液を開始させた後、前記通液検出手段が通液検出したら通液を停止させ、前記気泡除去手段内の機能液が所定の前記除去率になるまで時間をおき、その後、通液を再開させ、前記気泡除去手段内の機能液をほぼ通液したところで通液を停止させる個別充填動作を、
全ての前記サブタンクに機能液を充填されるまで、繰り返すことを特徴とする機能液供給装置。 - 前記制御手段は、前記個別充填動作を任意の1の前記サブタンクへの機能液充填毎に繰り返し、
前記気泡除去手段内の機能液の容量は、1の前記サブタンクの充填容量に、前記気泡除去手段から1の前記サブタンクに至る前記機能液流路の容量を加算した容量より、大きいことを特徴とする請求項3に記載の機能液供給装置。 - 前記機能液流路は、上流側を前記メインタンクに接続した主流路、上流側を前記主流路に接続した分岐流路および上流側を前記分岐流路に接続され下流側を複数の前記サブタンクに接続した複数の枝流路から成り、
前記送液手段は、前記メインタンクの機能液を加圧送液する加圧送液手段と、
前記各枝流路に介設され、前記各枝流路を開閉する複数の枝流路開閉手段と、
前記通液検出手段の近傍の前記主流路に介設され、前記主流路を開閉する主流路開閉手段と、を有していることを特徴とする請求項3または4に記載の機能液供給装置。 - ワークに対し、インクジェット方式の機能液滴吐出ヘッドを移動させながら、前記機能液滴吐出ヘッドから機能液滴を吐出させて描画を行なう描画手段と、
前記機能液滴吐出ヘッドに機能液を供給する請求項3ないし5のいずれかに記載の機能液供給装置と、を備えたことを特徴とする液滴吐出装置。 - 請求項6に記載の液滴吐出装置を用い、前記ワーク上に機能液滴による成膜部を形成することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
- 請求項6に記載の液滴吐出装置を用い、前記ワーク上に機能液滴による成膜部を形成したことを特徴とする電気光学装置。
- 請求項7に記載の電気光学装置の製造方法により製造した電気光学装置または請求項8に記載の電気光学装置を搭載したことを特徴とする電子機器。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007094584A JP2008246458A (ja) | 2007-03-30 | 2007-03-30 | 機能液供給装置における機能液の初期充填方法、機能液供給装置、液滴吐出装置、並びに電気光学装置の製造方法、電気光学装置および電子機器 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017126415A (ja) * | 2016-01-12 | 2017-07-20 | 東京エレクトロン株式会社 | ディスプレイパネルの製造装置及びディスプレイパネルの製造方法 |
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2007
- 2007-03-30 JP JP2007094584A patent/JP2008246458A/ja active Pending
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