JP2009053374A - 立体型樹脂層の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】遮光層の開口部に残る残滓を低減できる立体型樹脂層の製造方法を提供する。
【解決手段】電離放射線硬化樹脂(3)を金型(4)に塗布し、金型に塗布された電離放射線硬化樹脂(3)に透明基材(1)を積層し、電離放射線が通過する押圧ロール(5)で透明基材(1)を介して電離放射線硬化樹脂(3)を金型(4)の金型遮光層パターンに充填するとともに、押圧ロール(5)を通して電離放射線硬化樹脂(3)に電離放射線を照射して電離放射線硬化樹脂を硬化させ、電離放射線硬化樹脂(3)の硬化物(8)と透明基材(1)との積層体を金型(4)から離型させる。
【選択図】図1
【解決手段】電離放射線硬化樹脂(3)を金型(4)に塗布し、金型に塗布された電離放射線硬化樹脂(3)に透明基材(1)を積層し、電離放射線が通過する押圧ロール(5)で透明基材(1)を介して電離放射線硬化樹脂(3)を金型(4)の金型遮光層パターンに充填するとともに、押圧ロール(5)を通して電離放射線硬化樹脂(3)に電離放射線を照射して電離放射線硬化樹脂を硬化させ、電離放射線硬化樹脂(3)の硬化物(8)と透明基材(1)との積層体を金型(4)から離型させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、プロジェクションテレビの透過型スクリーン等に用いられる立体型樹脂層の製造方法、より詳細には立体型遮光層の製造方法に関する。
プロジェクションテレビは、光学エンジンにより形成された画像を投射レンズで拡大し、背面ミラーにて反射させ、プロジェクションテレビ前面に配置された透過型スクリーンに画像を映し出すという非常にシンプルな構造からなる。このプロジェクションテレビは、大画面化が容易であり、低消費電力という特徴を有するため、近年、大画面薄型テレビの一つとして注目されている。
しかしながら、液晶テレビ、プラズマテレビ等、他の大画面薄型テレビとの競争が非常に激しくなっており、更なる高画質化、高輝度化が求められている。プロジェクションテレビの高画質化を左右するキーパーツの一つとして、映像光学系の最終段に位置し、画像を映し出す役割を果たす透過型スクリーンが挙げられる。透過型スクリーンは、レンズ部と遮光層から構成され、レンズ部は光を集光拡散させテレビの視野角を拡大させる役割、遮光層は黒色材料からなり画像に対して明所でのコントラストを向上させる役割を有する。この透過型スクリーンの遮光層は、平面型遮光層と立体型遮光層とに分類される。
図7は平面型遮光層を用いた透過型スクリーンを示す模式図であり、透明基材1の上に一定ピッチで平面型遮光層16が配置され、さらにその上に、映像光を集光、拡散させるレンズ17が形成されている。
図8は、立体型遮光層を用いた透過型スクリーンを示す模式図であり、透明基材1の上に、立体型遮光層8が一定ピッチで配置され、平面型遮光層を用いたスクリーンと同様、遮光層の上に、映像光を集光、拡散させるレンズ17が形成されている。
この立体型遮光層は図9に示すように、結像に有害な光である迷光18、外光19をカットし、映像光20のみ透過できるという特徴を有し、投射画像の黒レベルを向上させることができるため、プロジェクションテレビの高画質化に大きく寄与することが期待されている。
この立体型遮光層の製造法として、黒色に着色した電離放射線(紫外線など)硬化樹脂と金型を用い、立体型遮光層を透明基材上に転写する方法が提案されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
図10は特許文献1に記載の方法を示す。
まず、黒色粒子を添加した電離放射線硬化樹脂3を、遮光層パターンが形成されたロール金型12に対して塗布する。ロール金型12には、遮光層パターンに対応する微細な溝が形成されており、溝部が遮光層パターンの黒色材、リブ部が遮光層パターンの開口部に対応する。
まず、黒色粒子を添加した電離放射線硬化樹脂3を、遮光層パターンが形成されたロール金型12に対して塗布する。ロール金型12には、遮光層パターンに対応する微細な溝が形成されており、溝部が遮光層パターンの黒色材、リブ部が遮光層パターンの開口部に対応する。
次に、押圧ロール2を介して、電離放射線硬化樹脂3をロール金型12の金型遮光層パターン内に充填しつつ透明基材1を電離放射線硬化樹脂3が充填されたロール金型12の上に積層する。
積層後、電離放射線源13から電離放射線14(紫外線など)を照射し、電離放射線硬化樹脂3を硬化させた後、透明基材1と硬化した電離放射線硬化樹脂3の積層体をリリースロール15を経由してロール金型12から離型している。
図11は特許文献2に記載の方法を示す。
先ず、黒色粒子を添加した電離放射線硬化樹脂3を、遮光層パターンが形成されたロール金型12に対してインクフィーダ21Aによって塗布する。
先ず、黒色粒子を添加した電離放射線硬化樹脂3を、遮光層パターンが形成されたロール金型12に対してインクフィーダ21Aによって塗布する。
次に、ロール金型12に塗布された電離放射線硬化樹脂3の余剰分をドクターブレード22によって掻き落とし、電離放射線14Aを電離放射線源13Aから照射して電離放射線硬化樹脂3を硬化させる。
さらにその上に、接着層として機能する透明樹脂23をインクフィーダー21Bによって塗布しつつ、押圧ロール2を介して透明基材1を積層する。積層後、電離放射線源13Bから電離放射線14Bを照射して透明樹脂23を硬化させた後、リリースロール15を経由して透明基材1と硬化した黒色粒子添加電離放射線硬化樹脂3の積層体をロール金型12から離型している。
特開平4−304443号公報(図4)
特開2004−4148号公報(図20)
しかしながら、図10に示した立体型遮光層の製造方法では、押圧ロール2により押圧してから電離放射線14が照射されるまで時間差があるため、押圧ロール2により金型遮光層パターン溝内に充填された電離放射線硬化樹脂3が、金型遮光層パターン溝の金型表面に拡散した状態で硬化して、立体型遮光層開口部に残渣24が残り光線透過率が低下するという問題がある。これを図12によって具体的に説明する。
図12(a)は開口部9に残渣24が残らない場合、図12(b)は開口部9に残渣24が残った場合を示しており、図12(b)の場合には、開口部9の残渣24により入射光25が吸収され、残渣24の厚みに比例して出射光26は減衰することがわかる。この残渣24は、透過型スクリーンの光線透過率、すなわち輝度を低下させるばかりでなく、画像の色調の悪化を招く原因となる。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、スクリーンを金型から離型する際に遮光層を形成する樹脂の残渣が、立体型遮光層の開口部に残らない立体型樹脂層の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の立体型樹脂層の製造方法は、電離放射線硬化樹脂を金型に塗布し、前記金型に塗布された電離放射線硬化樹脂に透明基材を積層し、電離放射線が通過する押圧ロールで前記透明基材を介して前記電離放射線硬化樹脂を前記金型の金型遮光層パターンに充填するとともに、前記押圧ロールを通して前記電離放射線硬化樹脂に電離放射線を照射して前記電離放射線硬化樹脂を硬化させ、前記電離放射線硬化樹脂の硬化物と前記透明基材との積層体を前記金型から離型させることを特徴とする。
さらに、本発明の立体型樹脂層の製造方法は、前記押圧ロールが、外層の方が内層よりも弾性率の低い材料からなる多層構造であることを特徴とする。
さらに、本発明の立体型樹脂層の製造方法は、前記押圧ロールの電離放射線入光部と前記透明基材接触部を除いた外周部が遮光カバーで被覆されていることを特徴とする。
さらに、本発明の立体型樹脂層の製造方法は、前記押圧ロールの電離放射線入光部と前記透明基材接触部を除いた外周部が遮光カバーで被覆されていることを特徴とする。
さらに、本発明の立体型樹脂層の製造方法は、前記押圧ロールの押圧力が、線圧4kg/cm以上であることを特徴とする。
さらに、本発明の立体型樹脂層の製造方法は、前記透明基材の前記押圧ロールとの非接触部に、遮光カバーが設けてあることを特徴とする。
さらに、本発明の立体型樹脂層の製造方法は、前記透明基材の前記押圧ロールとの非接触部に、遮光カバーが設けてあることを特徴とする。
さらに、本発明の立体型樹脂層の製造方法は、前記立体型樹脂層の樹脂に着色材又は遮光材を含有していることを特徴とする。
この構成によると、押圧ロールで電離放射線硬化樹脂を金型の金型遮光層パターンに充填するとともに、押圧ロールを通して電離放射線硬化樹脂に電離放射線を照射して電離放射線硬化樹脂を硬化させるので、スクリーンを金型から離型する際に遮光層を形成する樹脂の残渣が開口部に残らない。
以下に、本発明の立体型樹脂層の製造方法を具体的な各実施の形態に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1と図2は本発明の実施の形態1を示す。
(実施の形態1)
図1と図2は本発明の実施の形態1を示す。
図1(a)〜(e)は本発明の立体型樹脂層の製造方法を示す。
先ず、図1(a)(b)では、金型面に多数の突起4aからなる金型遮光層パターンが形成された金型4に、ディスペンサーを用いて100μmの厚みに電離放射線硬化樹脂3を塗布し、その上に透明基材1として、厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを重ねて、押圧ロール(線圧1kg/cm)2を進行方向(矢印27方向)に転がして透明基材1を電離放射線硬化樹脂3を塗布した金型4に積層した。
先ず、図1(a)(b)では、金型面に多数の突起4aからなる金型遮光層パターンが形成された金型4に、ディスペンサーを用いて100μmの厚みに電離放射線硬化樹脂3を塗布し、その上に透明基材1として、厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを重ねて、押圧ロール(線圧1kg/cm)2を進行方向(矢印27方向)に転がして透明基材1を電離放射線硬化樹脂3を塗布した金型4に積層した。
なお、このとき電離放射線硬化樹脂3は押圧ロール2の圧力により、金型遮光層パターン内に充填されるとともに、過剰な前記樹脂は金型から排斥される。しかしながら、押圧ロール2により金型樹脂層パターン溝内に充填された電離放射線硬化樹脂は、図1(c)に示すように、時間の経過とともに再び金型表面に拡散する。
図1(d)では、透明基材1と電離放射線硬化樹脂3および金型4の積層体に、電離放射線を照射して電離放射線硬化樹脂3を硬化させる。
電離放射線が通過する押圧ロールとしての押圧ロール5は、金型4と一定の距離を維持して透明基板1の上を進行方向(矢印27方向)に転がる。押圧ロール5は、具体的には、紫外光域〜可視光域の波長300nm〜700nmにおいて、光吸収が無いか実質的にほとんど無視できる光学特性の材料で形成されている。時間の経過とともに金型表面に拡散した電離放射線硬化樹脂3は、進行方向(矢印27方向)に転がる押圧ロール5によって、金型4の金型樹脂層パターン溝内に再充填されるとともに、余剰分の電離放射線硬化樹脂3が取り除かれる。この際に、透明基材1を介して押圧ロール5によって押圧された部分の前記金型樹脂層パターン溝内の電離放射線硬化樹脂3に対して、押圧ロール5を通して前記押圧と同時に、紫外線源7から波長365nmの紫外線6を照射して電離放射線硬化樹脂3を硬化させる。この時、透明な押圧ロール5の押圧力は、線圧で0〜8kg/cmとした。
電離放射線が通過する押圧ロールとしての押圧ロール5は、金型4と一定の距離を維持して透明基板1の上を進行方向(矢印27方向)に転がる。押圧ロール5は、具体的には、紫外光域〜可視光域の波長300nm〜700nmにおいて、光吸収が無いか実質的にほとんど無視できる光学特性の材料で形成されている。時間の経過とともに金型表面に拡散した電離放射線硬化樹脂3は、進行方向(矢印27方向)に転がる押圧ロール5によって、金型4の金型樹脂層パターン溝内に再充填されるとともに、余剰分の電離放射線硬化樹脂3が取り除かれる。この際に、透明基材1を介して押圧ロール5によって押圧された部分の前記金型樹脂層パターン溝内の電離放射線硬化樹脂3に対して、押圧ロール5を通して前記押圧と同時に、紫外線源7から波長365nmの紫外線6を照射して電離放射線硬化樹脂3を硬化させる。この時、透明な押圧ロール5の押圧力は、線圧で0〜8kg/cmとした。
電離放射線硬化樹脂3を硬化させた後、透明基材1を離型させて図1(e)に示す透明基材1と立体型遮光層8の積層体を得た。
この構成によると、押圧と紫外線照射を同時に行うことができ、金型遮光層パターン溝内に電離放射線硬化樹脂3を充填した状態で、電離放射線硬化樹脂3を硬化させて、金型表面への電離放射線硬化樹脂3の拡散を防止し開口部9の残渣を低減させることができる。また、この透明な押圧ロール5はそのレンズ作用により紫外線6を押圧部近傍のみに選択的に集光する。したがって、微弱な紫外線であっても、集光作用によって効果的に電離放射線硬化樹脂3を硬化することができる。また、電離放射線硬化樹脂3が金型遮光層パターン溝内に確実に充填され、かつ、遮光層開口部に残渣の無い押圧ロールの押圧部及びその近傍への選択的な紫外線露光が可能となるため、開口部9の残渣を低減させることができる。
この構成によると、押圧と紫外線照射を同時に行うことができ、金型遮光層パターン溝内に電離放射線硬化樹脂3を充填した状態で、電離放射線硬化樹脂3を硬化させて、金型表面への電離放射線硬化樹脂3の拡散を防止し開口部9の残渣を低減させることができる。また、この透明な押圧ロール5はそのレンズ作用により紫外線6を押圧部近傍のみに選択的に集光する。したがって、微弱な紫外線であっても、集光作用によって効果的に電離放射線硬化樹脂3を硬化することができる。また、電離放射線硬化樹脂3が金型遮光層パターン溝内に確実に充填され、かつ、遮光層開口部に残渣の無い押圧ロールの押圧部及びその近傍への選択的な紫外線露光が可能となるため、開口部9の残渣を低減させることができる。
電離放射線硬化樹脂3としては、ウレタンアクリレート溶液に対し、カーボンブラックからなる黒色顔料ペーストおよび光重合開始剤を添加、攪拌し、黒色に着色した電離放射線硬化樹脂を調整したものを使用したが、電離放射線硬化性の樹脂に着色材または遮光を含有しているものを使用できる。
金型4は、縦方向が30μmピッチ、横方向が60μmピッチである楕円形状のパターン溝が刻まれた平金型を使用した。樹脂の微細成形加工は、アンカー効果による離型不良が生じやすいため、金型に使用する素材としては、表面エネルギーの低いニッケルが好適である。また、金型に対して事前にフッ素コーティング、クロムメッキ等の表面処理を施しても良い。また、電離放射線硬化樹脂に対して、シリコン系等の離型剤を添加しておくことで離型性を改善させることも可能である。
電離放射線硬化樹脂3として使用したウレタンアクリレートは、優れた柔軟性、耐久性、コストパフォーマンスを有するため、樹脂の微細成形に非常に好適な材料である。しかしながら、これに限るものではなく、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、マレイミド、オキセタン化合物、ビニルエーテル化合物もしくはこれらの混合物等の電離放射線硬化樹脂を用いることができる。また、実施の形態では、カーボンブラックからなる黒色顔料ペーストを用いて電離放射線硬化樹脂3を黒色に着色したが、これに限るものではなく、黒色染料等を使用しても良い。
また、実施の形態では、ディスペンサーを用いて電離放射線硬化樹脂3を金型4に塗布したが、これに限るものではなく、ロールコーター、ベーカーアプリケーター、ダイコーター、コンマロール、スプレーコーターもしくはこれらを複合して塗布することも可能である。
また、実施の形態では、透明基材1としてポリエチレンテレフタレートフィルムを使用したが、これに限るものではなく、ポリメタクリル酸メチル、メタクリルスチレン共重合体、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、シクロオレフィンポリマー等の透明樹脂基材を用いることができる。
また、透明基材1の厚みは実施の形態で使用した100μmに限るものではないが、強度の低下、皺を防止する観点から10μm以上が特に好適である。
また、これら透明基材1の立体型樹脂層形成面側にプライマー処理あるいはコロナ放電処理等を施しておくことで、立体型樹脂層の密着力を向上させることができる。
また、これら透明基材1の立体型樹脂層形成面側にプライマー処理あるいはコロナ放電処理等を施しておくことで、立体型樹脂層の密着力を向上させることができる。
図2は実施の形態に基づいて製造した立体型遮光層の光学特性の評価結果を示す。
本図において、横軸は透明な押圧ロールの押圧力(線圧)、縦軸は光線透過率およびヘイズ値を示す。線圧0kg/cmの時、すなわち透明な押圧ロールを用いずに製造した立体型遮光層の光線透過率およびヘイズ値を100に規格化している。このように、透明な押圧ロール5を用いることにより光線透過率は改善し、最大で17.8%増大した(線圧8kg/cm時)。また、光線透過率は、線圧4kg/cmまでは線圧にほぼ比例して改善したが、4kg/cm以上の線圧ではほとんど変化が観察されなかった。したがって、押圧力は光線透過率を高く安定して得られる4kg/cm以上の線圧が望ましい。
本図において、横軸は透明な押圧ロールの押圧力(線圧)、縦軸は光線透過率およびヘイズ値を示す。線圧0kg/cmの時、すなわち透明な押圧ロールを用いずに製造した立体型遮光層の光線透過率およびヘイズ値を100に規格化している。このように、透明な押圧ロール5を用いることにより光線透過率は改善し、最大で17.8%増大した(線圧8kg/cm時)。また、光線透過率は、線圧4kg/cmまでは線圧にほぼ比例して改善したが、4kg/cm以上の線圧ではほとんど変化が観察されなかった。したがって、押圧力は光線透過率を高く安定して得られる4kg/cm以上の線圧が望ましい。
また、フィルムの曇度を示すヘイズ値は、透明な押圧ロール5を用いた場合であっても大きな変化は観察されなかった。すなわち、実施の形態において、他の光学特性の劣化を招くことなく光線透過率のみ選択的に改善されていることがわかった。また、透明な押圧ロール5に用いる材料の屈折率は、1.9が特に好適である。それは、次に示す球レンズの焦点距離を算出する式から理解できる。
F = nr/{2(n−1)}
F:焦点距離、n:球レンズの屈折率、r:球レンズの半径である。
本式において、球面収差を考慮した場合、nが1.9の時に透明な押圧ロール5の後面に焦点を結ぶことになる。したがって、押圧ロール5が前記屈折率のときに、押圧部のみに紫外線が集光され開口部の残渣を確実に低減させることができる。
F:焦点距離、n:球レンズの屈折率、r:球レンズの半径である。
本式において、球面収差を考慮した場合、nが1.9の時に透明な押圧ロール5の後面に焦点を結ぶことになる。したがって、押圧ロール5が前記屈折率のときに、押圧部のみに紫外線が集光され開口部の残渣を確実に低減させることができる。
このように、本発明の立体型樹脂層の製造方法によれば、開口部9における残渣を低減させ、光線透過率を改善させることができる。すなわち、本発明の製造方法により作製した立体型樹脂層を用いた透過型スクリーンをリアプロジェクションテレビに採用した場合、リアプロジェクションテレビの大きな課題の一つである明るさ不足を改善させるほか色調等の画質をも向上させることができる。
(実施の形態2)
図3は本発明の実施の形態2を示す。
実施の形態1において押圧ロール5の屈折率が1.9であったが、押圧ロール5の屈折率が1.9でない場合には、図3に示すように、透明な押圧ロール5の外周部のうち、電離放射線入光部28と透明基材1との接触部11を除いた部分を遮光カバー10Aで被覆することによって、透明な押圧ロール5の押圧部のみを選択的に紫外線6で露光することができ、開口部9の残渣を低減させることができる。
図3は本発明の実施の形態2を示す。
実施の形態1において押圧ロール5の屈折率が1.9であったが、押圧ロール5の屈折率が1.9でない場合には、図3に示すように、透明な押圧ロール5の外周部のうち、電離放射線入光部28と透明基材1との接触部11を除いた部分を遮光カバー10Aで被覆することによって、透明な押圧ロール5の押圧部のみを選択的に紫外線6で露光することができ、開口部9の残渣を低減させることができる。
(実施の形態3)
図4は本発明の実施の形態3を示す。
実施の形態1において押圧ロール5の屈折率が1.9であったが、押圧ロール5の屈折率が1.9でない場合には、図4に示すように、透明基材1と透明な押圧ロール5との接触部の前後に、押圧ロール5を通過した紫外線6が電離放射線硬化樹脂3を露光しないように遮光カバー10B,10Cを、透明基材1に近接して配置することにより、透明基材1のうち透明な押圧ロール5の押圧部11のみ選択的に紫外線6を露光することができ、開口部9の残渣を低減させることができる。
図4は本発明の実施の形態3を示す。
実施の形態1において押圧ロール5の屈折率が1.9であったが、押圧ロール5の屈折率が1.9でない場合には、図4に示すように、透明基材1と透明な押圧ロール5との接触部の前後に、押圧ロール5を通過した紫外線6が電離放射線硬化樹脂3を露光しないように遮光カバー10B,10Cを、透明基材1に近接して配置することにより、透明基材1のうち透明な押圧ロール5の押圧部11のみ選択的に紫外線6を露光することができ、開口部9の残渣を低減させることができる。
(実施の形態4)
図5は本発明の実施の形態4を示す。
上記の各実施の形態において押圧ロール5は、図5に示すように外層5aの方が内層5bよりも弾性率の低い材料からなる多層であれば、より好適である。
図5は本発明の実施の形態4を示す。
上記の各実施の形態において押圧ロール5は、図5に示すように外層5aの方が内層5bよりも弾性率の低い材料からなる多層であれば、より好適である。
金型4に反りがある場合等において、金型4と透明基材1との接触性が悪くなり、反り部分に黒色樹脂残渣が多く残るため、光線透過率が低下するばかりでなく、スクリーンのムラの原因ともなり著しくスクリーンの光学特性が劣化してしまう。
金型4に反りがあっても外層5aの方が内層5bよりも弾性率の低い材料からなる押圧ロール5を使用して製造した場合には、押圧ロール5の外層5aの緩衝作用により、透明基材1を金型4に沿って押圧することができ、押圧部の線圧分布精度を向上させることができる。使用する外層5aの材料としては、シリコンゴム、フッ素樹脂などの透明な低弾性率の材料が考えられる。また、使用する外層5aの材料としては集光の観点から屈折率は1.9であることがより好ましい。
(実施の形態5)
図6は本発明の実施の形態5を示す。
上記の各実施の形態では平金型を用いて本発明の実証を行ったが、これに限るものではなく、ロール金型を使用したロールトゥーロールの連続プロセスを用いることができる。
図6は本発明の実施の形態5を示す。
上記の各実施の形態では平金型を用いて本発明の実証を行ったが、これに限るものではなく、ロール金型を使用したロールトゥーロールの連続プロセスを用いることができる。
図6は、ロール金型を用いた場合における、本発明の立体型樹脂層製造方法を示す模式図である。
先ず、電離放射線硬化樹脂3を、遮光層パターンが形成されたロール金型12に対して塗布する。
先ず、電離放射線硬化樹脂3を、遮光層パターンが形成されたロール金型12に対して塗布する。
次に、押圧ロール2を介して、電離放射線硬化樹脂3を金型遮光層パターン内に充填しつつ透明基材1を電離放射線硬化樹脂3が充填されたロール金型12の上に積層する。積層後、電離放射線源13から電離放射線14を透明な押圧ロール5を介して透明基材1に照射して電離放射線硬化樹脂3を硬化させた後、透明基材1と硬化した電離放射線硬化樹脂の積層体をリリースロール15を経由して離型する。この方法は、ロールトゥーロールの連続プロセスで立体型樹脂層を製造できるため、生産性の飛躍的な向上が期待できるという優れた特徴を有する。
本発明にかかる立体型樹脂層の製造方法は、リアプロジェクションテレビのスクリーンなどの製造方法として有用である。
1 透明基材
2 押圧ロール
3 電離放射線硬化樹脂
4 金型
4a 突起
5 押圧ロール
5a 押圧ロール5の外層
5b 押圧ロール5の内層
6 紫外線
7 紫外線源
8 立体型遮光層
9 開口部
10A,10B,10C 遮光カバー
11 接触部
12 ロール金型
28 電離放射線入光部
24 残渣
2 押圧ロール
3 電離放射線硬化樹脂
4 金型
4a 突起
5 押圧ロール
5a 押圧ロール5の外層
5b 押圧ロール5の内層
6 紫外線
7 紫外線源
8 立体型遮光層
9 開口部
10A,10B,10C 遮光カバー
11 接触部
12 ロール金型
28 電離放射線入光部
24 残渣
Claims (6)
- 電離放射線硬化樹脂を金型に塗布し、
前記金型に塗布された電離放射線硬化樹脂に透明基材を積層し、電離放射線が通過する押圧ロールで前記透明基材を介して前記電離放射線硬化樹脂を前記金型の金型遮光層パターンに充填するとともに、前記押圧ロールを通して前記電離放射線硬化樹脂に電離放射線を照射して前記電離放射線硬化樹脂を硬化させ、
前記電離放射線硬化樹脂の硬化物と前記透明基材との積層体を前記金型から離型させる
立体型樹脂層の製造方法。 - 前記押圧ロールは、外層の方が内層よりも弾性率の低い材料からなる多層構造であることを特徴とする
請求項1記載の立体型樹脂層の製造方法。 - 前記押圧ロールは、電離放射線入光部と前記透明基材接触部を除いた外周部が遮光カバーで被覆されていることを特徴とする
請求項1記載の立体型樹脂層の製造方法。 - 前記押圧ロールの押圧力は、線圧4kg/cm以上であることを特徴とする
請求項1記載の立体型樹脂層の製造方法。 - 前記透明基材と前記押圧ロールとの接触部の前後に、前記押圧ロールを通過した電離放射線が前記電離放射線硬化樹脂を露光しないように遮光カバーを前記透明基材に近接して配置する
請求項1記載の立体型樹脂層の製造方法。 - 前記立体型樹脂層の樹脂に着色材または遮光材を含有していることを特徴とする
請求項1記載の立体型樹脂層の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007219146A JP2009053374A (ja) | 2007-08-27 | 2007-08-27 | 立体型樹脂層の製造方法 |
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KR20190082132A (ko) * | 2017-12-29 | 2019-07-09 | 주식회사 창성시트 | 건식 접착 기능을 할 수 있는 미세 패턴 구조물 및 그 제조 방법 |
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2007
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KR20190082132A (ko) * | 2017-12-29 | 2019-07-09 | 주식회사 창성시트 | 건식 접착 기능을 할 수 있는 미세 패턴 구조물 및 그 제조 방법 |
KR102142307B1 (ko) * | 2017-12-29 | 2020-08-07 | 주식회사 창성시트 | 건식 접착 기능을 할 수 있는 미세 패턴 구조물 및 그 제조 방법 |
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