JP2009052818A - 蓄冷型冷凍機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 蓄冷器の熱交換、圧力損失、死容積および加工・組付け工数を改善することとで、コストが安く、効率の高い、性能の安定した蓄冷型冷凍機を提供すること。
【解決手段】 作動ガスを圧縮する第1圧縮空間2、3および第2圧縮空間5と、第1圧縮空間2、3と第2圧縮空間5とで圧縮された作動ガスの熱を放熱する放熱器6と、放熱器6を流出入する作動ガスと熱交換する蓄冷器7と、蓄冷器7で冷却された作動ガスが膨張する膨張空間9と、を備える蓄冷型冷凍機1であって、蓄冷器7はメッシュシート7aとフィルムシート7bを重ね合わせてロール状に巻回形成される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、例えばスターリング冷凍機、パルス管冷凍機あるいはGM冷凍機などの蓄冷器を使って冷凍を発生する蓄冷型冷凍機に関するものである。
従来技術の蓄冷型冷凍機に使われる蓄冷器を図8に示す。従来技術の蓄冷型冷凍機は、高温端で高温空間と連通するとともに低温端で低温空間と連通し、高温端と低温端との間で温度勾配方向に伸びる側壁部が筒体で形成されている断熱容器と、断熱容器に内包され、作動ガスが断熱容器を経由して高温空間と低温空間とを往復流動する際に作動ガスと熱交換を行う、プラスチック材料を含む蓄冷材とを備えた蓄冷器80(図8)が設けられる蓄冷式冷凍機で、側壁部が円筒体であって、蓄冷材がプラスチック材料の細い線材を織って形成されるメッシュシート81を円筒体の中心軸の周りにロール状に巻きつけることにより形成される(例えば、特許文献1)。
また、細い線材で折られた金網などのメッシュシートをプレスで打抜いて形成される例えば円形のメッシュプレートを容器に多数枚積層した蓄冷器を備えた蓄冷型冷凍機がある(例えば、特許文献2)。
特許第3642980号公報 特開平09−229502号公報
しかしながら、特許文献1によれば、図8の蓄冷器80に示すように、ロール状に巻かれ互いに交叉する線材81x、81yからなるメッシュシート81の間を作動ガスが往復流動する。図9は、ロール状に巻かれたメッシュシート81の流れに直交する断面DDの一部を展開した図で、図9の(a)、(b)は、断面DDに直交する線材81yが各ロール層の間で規則正しく配列しており線材81x、81yで囲まれて形成される個々の流路a1、b1の形状と面積が、同じになる理想的な状態を示す。図9の(c)は、細い線材80a、80bで囲まれて形成される個々の流路c1、c2、c3、c4、c5、c6、c7が多数形成され、形状と面積が異なり、流路c1、c7のように面積の広い流路もあれば、流路c2、c4のように面積の狭い流路もある実際の状態を示す。広い面積流路では、作動ガスの流速が遅くなり熱伝達率が低下し作動ガスと蓄冷材との熱交換が良好に行われず、蓄冷器の熱損失が増大して蓄冷型冷凍機の冷凍能力が低下する問題がある。また、蓄冷器80の流路c1、c2、c3、c4、c5、c6、c7において作動ガスの流速が均一にならず、狭い面積の流路では局所的な圧力損失が発生し、消費電力が増大する問題がある。さらに、ロール状に巻かれたメッシュシートの間の流路断面が不規則であるため、蓄冷器ごとに個体差が生じて冷凍性能がバラツキやすく性能が安定しない問題がある。
また、特許文献2によれば、金網などのメッシュシートから例えば円形のメッシュプレートを多数枚プレスで打ち抜き、蓄冷容器に充填するため、加工費、組付け費が高く、蓄冷器のコストが高くなり、その結果、蓄冷型冷凍機のコストが高くなる問題がある。さらに、メッシュプレートを充填した蓄冷器は、充填率が低く死容積が大きいので作動ガスの圧力振幅低下を防ぐため、圧縮容積を大きくしなければならず、圧縮ピストンの往復動に基づく機械損失が増大し、蓄冷型冷凍機の効率が低下する問題がある。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、蓄冷器の熱交換、圧力損失、死容積および加工・組付け工数を改善することとで、従来に対して、コストが安く、効率の高い、性能の安定した蓄冷型冷凍機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、作動ガスを圧縮する圧縮部と、
前記圧縮部で圧縮された前記作動ガスの熱を放熱する筒状の放熱器と、
前記放熱器を往復流動する前記作動ガスと熱交換する蓄冷器と、
前記蓄冷器で冷却された前記作動ガスが膨張する膨張部とを備える蓄冷型冷凍機であって、
前記蓄冷器は、メッシュシートとフィルムシートを重ね合わせて巻回形成される。
また、請求項2に記載の発明は、メッシュシートを形成する線材は、メッシュシートを巻回中心に対し傾斜する。
また、請求項3に記載の発明は、傾斜は、45度の角度である。
また、請求項4に記載の発明は、フィルムシートは、作動ガスが流動する複数の孔を備える。
また、請求項5に記載の発明は、メッシュシートおよびフィルムシートの少なくとも一つは、樹脂材である。
請求項1に記載の発明では、蓄冷器は、メッシュシートとフィルムシートを重ね合わせてメッシュシートとフィルムシートを重ね合わせて巻回形成されるので、フィルムシートと、メッシュシートを形成する線材とで囲まれた個々の流路は、同じ形状、同じ面積で、規則正しく配列され、メッシュシートを巻回する軸(以下、巻回軸)に直交する蓄冷器の断面全体に渡り作動ガスは均等に流動し、個々の流路の流速、熱伝達率が均等になる。個々の流路の流速が均等になることで、局所的な圧力損失がなくなり消費電力が低減でき、熱伝達率が均等になることで蓄冷器の伝熱性能が高くなり、また個々の流路の形状、面積が同じになることで蓄冷器毎の圧力損失と熱伝達率のバラツキがなくなる。従って、効率の高い、性能の安定した蓄冷型冷凍機を提供できる。
蓄冷器は、重ね合わせたメッシュシートとフィルムシートとをロール状に巻回して形成されるので、従来技術のメッシュシートをプレスで打抜いたメッシュプレートを容器に多数枚積層する必要はなく、加工・組付け工数が少なくなり、蓄冷器のコストが安くでき、コストの安い蓄冷型冷凍機を提供できる。
さらには、蓄冷器の死容積はフィルムシートの体積分、少なくなり、蓄冷器の充填率は、上記のメッシュプレートを多数枚積層する従来技術の蓄冷器より充填率が高く、圧縮部の容積を増大することなく作動ガスの圧力振幅を大きくでき、コンパクトで冷凍能力の大きい蓄冷型冷凍機を提供できる。
また、請求項2に記載の発明では、メッシュシートを形成する線材は、メッシュシートの巻回中心に対し傾斜するので、互いに交叉する各々の線材とフィルムシートとで囲まれて形成される個々の流路を流動する作動ガスは、初めの線材に沿い流動し、次に初めの線材に交叉する線材を越えてその越えた線材に沿って流動する。引続き順次、隣の桝目の交叉する線材へと同じように流動を繰返しながら、蓄冷器の高温端から低温端に至る(図6)。また同じようにして、作動ガスは蓄冷器の低温端から高温端に至る。従って、作動ガスが、メッシュシートの桝目ごとに互いに交叉する線材に沿って流動することで、巻回軸方向に対して線材が傾斜せずにロール状に巻回された蓄冷器の巻回軸方向に直交する線材によって生じる流動抵抗が低減できる(図3)。さらに、蓄冷器の同じ長さでは、流れの曲がる箇所数が巻回軸方向に対し線材を傾斜して巻回した蓄冷器の方が線材を傾斜せず巻回した蓄冷器より少ないので、曲がりによる圧力損失は少なくなる。従って、蓄冷器の圧力損失が小さなることで、消費電力が低減でき、結果、蓄冷型冷凍機の効率が高くなる。
また、請求項3に記載の発明では、メッシュシートを形成する線材は、メッシュシートを巻回する軸に対し45度傾斜することで、作動ガスは交叉する両方の線材に沿って均等に流動するので、蓄冷器の圧力損失が小さなり、消費電力が低減でき、結果、蓄冷型冷凍機の効率が高くなる。
また、請求項4に記載の発明では、フィルムシートは、複数の孔を備えるので、蓄冷器内の作動ガスは複数の孔を通ってフィルムシートで隔てられた各層間を行き来し、蓄冷器の巻回軸に直交する断面で圧力が均等になり、作動ガスはメッシュシート、フィルムシートと各断面全面でそれぞれ均等に流れて熱交換され、蓄冷器の伝熱性能が向上し、蓄冷型冷凍機の効率が高くなる。
また、請求項5に記載の発明では、メッシュシートおよび前記フィルムシートの少なくとも一つは、樹脂材である。樹脂材の体積当たりの熱容量は作動ガスの熱容量より十分大きいく蓄冷器の熱容量を適切に確保でき、しかも熱伝導率はメッシュシートの金属材料に比べ小さく、蓄冷器の流れ方向の熱伝導損失を低減できるので、蓄冷型冷凍機の効率が高くなる。
以下に本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
(実施例1)
図1は、本発明に係わる蓄冷型冷凍機の断面図である。蓄冷型冷凍機1は、第1圧縮空間2(圧縮部)が流路4aを介し、第1圧縮空間3(圧縮部)は流路4b介し、流路4cで合流して第2圧縮空間5(圧縮部)に連通する。第2圧縮空間5は、順次、多数個の流路孔4d、リング形状の流路4eを介して放熱器6、蓄冷器7、吸熱器8、リング形状の流路9aを介在して膨張空間9(膨張部)に連通し、作動ガスにヘリウムを充填し、スターリングサイクル機関が形成される。
シリンダブロック31は、ピストン32が摺動可能に外接するシリンダ部31a(シリンダ)と、シリンダ部31aの下側に位置するマニホールド部31bと、マニホールド部31bの下側に位置する駆動ケース部31cと、駆動ケース部31c用の蓋31dとを備える。
膨張空間9は、シリンダブロック31のシリンダ部31aと、樹脂摺動材のピストン32と、シリンダ部31aを内部に収納する圧力容器34の閉じた端面のコールドヘッド34aとで囲まれ形成される。ピストン32の温端側の外径は低温側より僅かに大きく、この温端側の外周面はシリンダ部31aの内周面と微小間隙を持って、シリンダ部31aに挿入され、滑り軸受の機能とヘリウム(作動ガス)をシールするクリアランスシール機能とを備える。この滑り軸受機能によりピストン32の小径側の外周面とシリンダ部31aの内周面との接触が阻止される。
第1圧縮空間2は、マニホールド部31bと、一端が閉じ他端がマニホールド部31bの凹部に気密に篏合固定した非磁性材の圧縮シリンダ14と、圧縮シリンダ14の内周面を摺動する可動体12とで囲まれて形成される。可動体12を介在して第1圧縮空間2の反対側には、圧縮シリンダ14と可動体12とでバッファ空間13が形成される。同様に第1圧縮空間3は、マニホールド部31bと、一端が閉じ他端がマニホールド部31bの凹部に気密に篏合固定した非磁性材の圧縮シリンダ24と、圧縮シリンダ24の内周面を摺動する可動体22とで囲まれて形成され、可動体22を介在して第1圧縮空間3の反対側には、圧縮シリンダ24と可動体22とでバッファ空間23が形成される。
第2圧縮空間5は、マニホールド31bと、ピストン32の背面と、背面に固定されたロッド33とで囲まれた空間で形成され、マニホールド31bに配備した流路4cを介し流路4aと、4bに連通する。流路4cには、ロッド33が貫通しており、ヘリウムはロッド33の外周面の外側を流動する。
圧縮シリンダ14、24の外周面には、それぞれ可動体12、22を駆動するリニアモータ10、20の固定子11、21が篏合固定され、固定子11と21は互いにマニホールド部31bに対して対称に位置する。リニアモータ10、20は、それぞれ固定子11、21と可動体12、22から構成され、固定子11、21は磁性材の外ヨーク11a、21aと、コイル11b、21bとを備える。可動体12、22は、磁性材の内ヨーク12a、22aと、内ヨーク12a、22aの外周部中央の溝に接着された永久磁石12b、22bと、内ヨーク12a、22aの一端の凸部に篏合固定した非磁性材の圧縮ピストン12c、22cと、他端の凸部に篏合固定した非磁性材の調整部材12d、22dとを備える。圧縮ピストン12c、22cと調整部材12d、22dの外周面には樹脂摺動材の薄いリング12f、22fが接着され、リング12f、22fは滑り軸受の機能とともに、圧縮シリンダ14、24の内周面に対し僅かな隙間を持ってヘリウムをシールするクリアランスシール機能とを備える。この滑り軸受機能により内ヨーク12a、22aおよび永久磁石12b、22bの外周面と圧縮シリンダ14、24の内周面との接触が阻止される。
コイル11b、21bが共に電流を流さない状態において、可動体12は固定子11に対し、可動体22は固定子21に対しそれぞれ中立点に位置し、圧縮ピストン12cと22cとがマニホールド31bに対し互いに対称になるよう、固定子11、21の位置が定められる。第1圧縮空間2と3は、マニホールド31bに配備した流路4a、4bを介して互いに連通する。第1圧縮空間2の容積と第1圧縮空間3の容積は同じで、バッファ空間13の容積とバッファ空間23の容積も同じであり、可動体12の質量と可動体22の質量は同じである。また、リニアモータ10と20は同一である。
第1圧縮空間2のガスバネ、バッファ空間13のガスバネ、リニアモータ10の磁気バネを合成した合成バネと、可動体12の質量とで、可動体12はバネ・質量の固有の共振周波数を持つ振動系を形成し、同様に第1圧縮空間3のガスバネ、バッファ空間23のガスバネ、リニアモータ20の磁気バネとを合成した合成バネと、可動体22の質量とで、可動体22はバネ・質量の固有の共振周波数を持つ振動系を形成し、可動体12と22の共振周波数は同じになる。この共振周波数の交流電流をリニアモータ10、20に通電すると可動体12と22の往復動のストロークは、大きくなり、高い効率でヘリウムを圧縮できる。
放熱器6は、第1圧縮空間2、3、第2圧縮空間5とで圧縮されたヘリウムの熱を外部に放熱する。そして放熱器6は、シリンダ部31aの常温側外周面側に配備され、放熱器6の一端はマニホールド31bの上方に気密に固定され、他端は圧力容器34の開放した端部に気密に固定される。放熱器6とマニホールド部31bの上面との間にリング形状の流路4eが形成され、流路4eは放熱器6とシリンダ部31aに設けた多数個の流路孔4dとに連通する。
蓄冷器7は、放熱器6と吸熱器8の間でシリンダ部31aの外周面と圧力容器34の内周面との間に配備され、第1圧縮空間2、3、第2圧縮空間5と膨張空間9を往復流動するヘリウムと熱交換し、膨張空間9へ流れるヘリウムを冷却し、第1圧縮空間2、3、第2圧縮空間5へ流れるヘリウムを加熱する。
吸熱器8は、シリンダ部31aの低温側外周面と圧力容器34の低温側内周面との間に配備され、吸熱器8の外周面に対応するシリンダ部31aの壁を介在して非冷却体40を冷却する。吸熱器8と圧力容器34の閉じた端面の外周側内面との間には、リング形状の流路9aが形成され、流路9aは吸熱器8と膨張空間9とに連通する。尚、吸熱器8を配備しない場合、膨張空間9を形成する圧力容器34のコールドヘッド34aが吸熱器となる。
ロッド33は、流路4cと、マニホールド31bに挿入された樹脂摺動材のリング38の孔を貫通してシリンダブロック31の駆動ケース部31cに突出し、ロッド33の下端面は保持器37に固定される。保持器37の上面と駆動ケース部31cの内側の上面との間と、保持器37の下面と駆動ケース部31cの蓋31dとの間にはそれぞれバネ35、36が配備される。ロッド33とリング38との間には、微少な間隙が設けられ、リング38はロッド33が往復動可能にする滑り軸受の機能と、クリアランスシール機能とを備える。
ピストン32も可動体12、22と同じようにバネ・質量の固有振動系を形成する。即ち、バネ35、36の撓みで生じる力と、ピストン32の質量、ロッド33の質量、保持器37の質量の合計質量とで、バネ・質量の固有の共振周波数を持つ振動系を形成し、ピストン32の前面と背面に作用する圧力による力とロッド33の下端面に作用する圧力による力との合力がピストン32を往復動させる駆動力となって、その共振周波数でピストン32の往復動のストロークが大きくなり、膨張空間9で大きな冷凍能力が得られる。ピストン32の共振周波数と前述の可動体12、22の共振周波数とが合うように可動体12、22の調整部材12d、22dの質量を増減する。共振周波数を合わせることにより、少ない電力で大きな冷凍能力が得られ、効率よく冷却が出来る。
図2は、図1の蓄冷器7の斜視図を示し、図3は図2のメッシュシート7aの一部を拡大し平面上に展開した図である。図2に示すように、蓄冷器7は、図3の細い互いに直交する多数本の線材X1、Y1とで織られたメッシュシート7aとフィルムシート7bを重ね合わせて巻回軸A(軸)回りにロール状に巻回し形成される。巻回軸Aは蓄冷器7の高温側の中心と低温側の中心とを結ぶ線である。
図4は、本発明に係わる蓄冷器の巻回軸Aに直交する任意の断面の一部を平面上に展開した図である。図4に示すように、メッシュシート7aの線材X1と、線材Y1と、フィルムシート7bで囲まれた流路S1は蓄冷器7の巻回軸Aに直交する断面全体に渡り同じ形状、同じ面積である。メッシュシート7aのメッシュサイズは、例えば、線材X1、Y1の線径は共に0.02〜0.2mm、目開き0.05〜0.2mmが用いられる。フィルムシート7bの厚さは、例えば0.02〜0.05mmが用いられる。メッシュシート7aとフィルムシート7bの材質は、金属あるいは樹脂材のいずれでも良いが、蓄冷器7の流れ方向の熱伝導損失の低減の観点から熱伝導の小さい樹脂材の方が金属より望ましい。また、樹脂材の熱容量は作動ガスであるヘリウムの熱容量より十分大きいので、メッシュシート7aとフィルムシート7bを樹脂材にしてもよい。
次に、本発明の作用と効果について説明する。
リニアモータ10、20のコイル11b、21bに前述の共振周波数の交流電流を通電すると、可動体12と22は、互いに対向し往復動し、第1圧縮空間2、3と、第2圧縮空間5とを合計した空間でヘリウムが圧縮、膨張される。第1圧縮空間2と、第1圧縮空間3で圧縮されたヘリウムは、それぞれ流路4a、流路4bを通って流路4cで合流し、順次、第2圧縮空間5、多数個の流路孔4d、リング形状の流路4eを通って放熱器6に流入する。ピストン32の図1の下方向への移動により第2圧縮空間5で圧縮されたヘリウムも流路孔4d、流路4eを通って放熱器6に流入する。放熱器6は流入したヘリウムの圧縮熱を外部に放熱する。放熱器6から蓄冷器7に流入するヘリウムは蓄冷材であるメッシュシート7aおよびフィルムシート7bと熱交換し流れ方向に沿って順次、低い温度に冷却され、吸熱器8、リング形状の流路9aを通って膨張空間9に流入すると、ピストン32の下方向の移動により膨張空間9で膨張し冷凍を発生する。続いて、ピストン32が上方向へ移動すると、ヘリウムは上述の逆方向の流れになり、蓄冷器7であるメッシュシート7aおよびフィルムシート7bにより流れ方向に沿い徐々に暖められ、放熱器6を通って第1圧縮空間2、3と第2圧縮空間5へ戻り、1サイクルを終了する。吸熱器8は、往復流動する温度の低いヘリウムにより冷却され、冷却された吸熱器8は吸熱器8を形成する圧力容器34の壁を介在して被冷却体40を冷却する。
図3の太実線は、流路S1(図4)を流れるヘリウムの代表的な流れを示す。蓄冷器7では、メッシュシート7aを形成する線材X1、Y1とフィルムシート7bとで囲まれた流路S1をヘリウムが流動し、ヘリウムと線材X1、Y1、フィルムシート7bとの間で熱交換が行われる。即ち、蓄冷器7の高温端から低温端に向かう流れでは、ヘリウムは線材X1、Y1、フィルムシート7bによって冷却され、流れに沿って徐々に温度が低くなり蓄冷器7の低温端ではほぼ膨張空間9の温度近くまで冷却される。蓄冷器7の低温端から高温端に向かう流れでは、線材X1、Y1、フィルムシート7bは膨張空間9で膨張し低い温度になったヘリウムによって冷却され、一方ヘリウムは線材X1、Y1、フィルムシート7bにより加熱され、蓄冷器7の高温端ではほぼ放熱器6の温度近くまで昇温される。
フィルムシート7aと、メッシュシート7bを形成する線材X1、Y1とで囲まれる個々の流路S1は、図4に示すように同じ形状、同じ面積で、規則正しく配列されるので、巻回軸Aに直交する蓄冷器7の断面全体に渡り作動ガスは均等に流動し、個々の流路S1の流速、熱伝達率が均等になる。流路S1の流速が均等になることで局所的な圧力損失がなくなり消費電力が低減でき、熱伝達率が均等なることで蓄冷器7の伝熱性能が高くなり、また個々の流路S1の形状、面積が同じになることで蓄冷器毎の圧力損失と熱伝達率のバラツキがなくなる。従って、効率の高い、性能の安定した蓄冷型冷凍機1を提供できる。
蓄冷器7は、重ね合わせたメッシュシート7aとフィルムシート7bとをロール状に巻回して形成されるので、従来技術のメッシュシート7aをプレスで打抜いた例えば、円環形状のメッシュプレートを容器に多数枚積層する必要はなく、加工・組付け工数が少なくなり、蓄冷器7のコストが安くでき、コストの安い蓄熱型冷凍機1を提供できる。
さらには、蓄冷器の死容積はフィルムシート7bの体積分、少なくなり、蓄冷器7の充填率は、上記のメッシュプレートを多数枚積層する従来技術の蓄冷器より充填率が高く、第1圧縮空間2、3の容積を増大することなく作動ガスの圧力振幅を大きくでき、コンパクトで冷凍能力の大きい蓄冷型冷凍機1を提供できる。
また、メッシュシート7aおよびフィルムシート7bの少なくとも一つは、樹脂材であるので、樹脂材の体積当たりの熱容量は作動ガスの熱容量より十分大きいく蓄冷器7の熱容量を適切に確保でき、しかも熱伝導率は金属に比べ小さく、蓄冷器7の流れ方向の熱伝導損失を低減できるので、膨張空間9で発生する冷凍能力が増大し、蓄冷型冷凍機1の効率が高くなる。
(実施例2)
図5は、本発明に係わる蓄冷器の斜視図を示し、図6は図5のメッシュシートの一部を拡大し平面上に展開した図で、図中の太実線はメッシュシート57aの交叉する各線材X2、Y2と、フィルムシート57bとで形成される流路を流れるヘリウムの代表的な流れを示す。蓄冷器57は、図1の蓄冷型冷凍機1の蓄冷器7を変更したものである。蓄冷器57は、メッシュシート57aとフィルムシート57bを重ね合わせて巻回軸B(軸)回りにロール状に巻回して形成されると共に、線材X2、Y2がメッシュシート57aの巻回軸B方向に対し傾斜する。傾斜することで、フィルムシート57bと、メッシュシート57aを形成する線材X2と、Y2とで囲まれて形成される個々の流路を流動するヘリウムは、図6に示すように、初めの線材Y2に沿い、次に初めの線材Y2に交差する線材X2を越えてその越えた線材X2に沿い流動し、引続き順次、隣の桝目の線材Y2、次に線材X2を越えてその越えた線材X2に沿っての流動を繰り返して蓄冷器57の高温端から低温端に至る。また、同じようにして、ヘリウムは蓄冷器57の低温端から高温端へ至る。ヘリウムが、メッシュシート57aの桝目ごとに斜め(線材X2、Y2)に沿って流動することで、図3の太実線で示される流れのように巻回軸B方向に直交する線材X1に当って生じる流動抵抗は低減できる。さらに、図3、図6から判るように蓄冷器が同じ長さ(図3のLと図6のLは同じ長さで図示)では、流れの曲がる箇所数が、図6の巻回軸B方向に対し線材X2が傾斜して巻回した蓄冷器57の方が、巻回軸A方向に対し線材X1が傾斜せず巻回した蓄冷器7より、少ないので曲がりによる圧力損失を低減できる。従って、蓄冷器57の圧力損失が小さなることで、消費電力が低減でき、結果、蓄冷器57を組込んだ蓄冷型冷凍機1の効率が高くなる。
また、線材X2がメッシュシート57aを巻回する軸に対し45度傾斜すると、作動ガスは交叉する両方の線材X2、Y2を均等に各流路S1を流動するので、蓄冷器57の圧力損失が小さなり、消費電力が低減でき、冷器57を組込んだ蓄冷型冷凍機1の効率が高くなる。
尚、現象を判り易くするため、図3と図6の太実線で示すヘリウムの流れ線の曲がり部は直角で示しているが、実際の流れは曲線である。
(実施例3)
図7は、本発明に係わる蓄冷器67の斜視図を示す。蓄冷器67は、メッシュシート67aとフィルムシート67bを重ね合わせ巻回軸C(軸)回りにロール状に巻回して形成され、フィルムシート67bに複数個の小さな孔67c(直径略1mm)が備えられる。メッシュシート67aを形成する線材X3、Y3は、図5と同様、メッシュシート67aの巻回軸C方向に対し傾斜している。
蓄冷器67内のヘリウムは、複数個の孔67cと通ってフィルムシート67bで隔てられた各層間を行き来するので、蓄冷器67の巻回軸Cに直交する断面で圧力が均等になり、該断面を流れる作動ガスは均等に流れて熱交換され、蓄冷器67の効率が高くなり、蓄冷器67を組込んだ蓄冷型冷凍機1の効率が高くなる。
尚、吸熱器8に外部から高温で加熱し、放熱器6を例えば冷却水で冷却することで、蓄冷型冷凍機1はスターリングエンジンになり、リニアモータ10、20はリニア発電機に変わり電力を得ることが出来る。また、吸熱器8を温水で加熱し、放熱器6を液化天然ガス(−162℃)で冷却することで、温水が熱源となり、蓄冷型冷凍機1はスターリングサイクルの低温エンジンに変わり電力を得ることが出来る。
本発明に係わる実施例1の蓄冷型冷凍機の断面図である。 図1の蓄冷器の斜視図である。 図2のメッシュシートの一部を拡大し平面上に展開した図である。 図1の蓄冷器の巻回軸に直交する断面の一部を平面上に展開した図である。 本発明に係わる実施例2の蓄冷器の斜視図である。 図5のメッシュシートの一部を拡大し平面上に展開した図である。 本発明に係わる実施例3の蓄冷器の斜視図である。 本発明に係わる従来技術の蓄冷器の斜視図である。 図8の蓄冷器メッシュシートの一部を拡大し平面上に展開した図で(a)と(b)は各ロール層が規則正しく並んだ理想図で、(c)は実際の図である。
符号の説明
1 蓄冷型冷凍機
2、3 第1圧縮空間(圧縮部)
5 第2圧縮空間(圧縮部)
6 放熱器
7、57、67 蓄冷器
7a、57a、67a メッシュシート
7b、57b、67b フィルムシート
8 吸熱器
9 膨張空間(膨張部)
67c 孔
A、B、C 巻回軸(軸)
X1、Y1、X2、Y2、X3、Y3 線材

Claims (5)

  1. 作動ガスを圧縮する圧縮部と、
    前記圧縮部で圧縮された前記作動ガスの熱を放熱する筒状の放熱器と、
    前記放熱器を往復流動する前記作動ガスと熱交換する蓄冷器と、
    前記蓄冷器で冷却された前記作動ガスが膨張する膨張部とを備える蓄冷型冷凍機であって、
    前記蓄冷器は、メッシュシートとフィルムシートを重ね合わせてにロール状に巻回形成される、ことを特徴とする蓄冷型冷凍機。
  2. 前記メッシュシートを形成する線材は、前記メッシュシートを巻回中心に対し傾斜する、ことを特徴とする請求項1に記載の蓄冷型冷凍機。
  3. 前記傾斜は、45度の角度である、ことを特徴とする請求項2に記載の蓄冷型冷凍機。
  4. 前記フィルムシートは、前記作動ガスが流動する複数の孔を備える、ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の蓄冷型冷凍機。
  5. 前記メッシュシートおよび前記フィルムシートの少なくとも一つは、樹脂材である、ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の蓄冷型冷凍機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013257074A (ja) * 2012-06-12 2013-12-26 Sumitomo Heavy Ind Ltd 極低温冷凍機及びディスプレーサ
JP2015145752A (ja) * 2014-02-03 2015-08-13 東邦瓦斯株式会社 熱音響装置用の蓄熱器

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