JP2009051284A - 配線接続構造および車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】ケーブルの張力が増大した場合にも漏電の発生が抑制される配線接続構造および該構造を含む車両を提供する。
【解決手段】配線接続構造は、導線を有するケーブル500と、ケーブル500の一端部に設けられ、導線にカシメにより固定されるとともに駆動ユニット200の端子台200Aに接続される端子511および端子511を囲む絶縁カバー512を有するコネクタ部510と、ケーブル500の他端部に設けられ、導線に固定されるとともにPCU300の端子台300Aに接続される端子521および端子521を囲む絶縁カバー522を有するコネクタ部520とを備え、ケーブル500の引張破断荷重(F1)、コネクタ部510,520の引張破壊荷重(F2,F3)および端子511からの導線の引張抜け荷重(F4)は、いずれも、端子521からの導線の引張抜け荷重(F5)よりも大きい。
【選択図】図4
【解決手段】配線接続構造は、導線を有するケーブル500と、ケーブル500の一端部に設けられ、導線にカシメにより固定されるとともに駆動ユニット200の端子台200Aに接続される端子511および端子511を囲む絶縁カバー512を有するコネクタ部510と、ケーブル500の他端部に設けられ、導線に固定されるとともにPCU300の端子台300Aに接続される端子521および端子521を囲む絶縁カバー522を有するコネクタ部520とを備え、ケーブル500の引張破断荷重(F1)、コネクタ部510,520の引張破壊荷重(F2,F3)および端子511からの導線の引張抜け荷重(F4)は、いずれも、端子521からの導線の引張抜け荷重(F5)よりも大きい。
【選択図】図4
Description
本発明は、配線接続構造および車両に関し、特に、回転電機の動力を用いて車両を駆動する駆動ユニットと、駆動ユニットを制御する電気機器とを接続する配線の接続構造および該構造を含む車両に関する。
複数の機器を電気的に接続する従来の配線接続構造としては、たとえば、特開2006−88871号公報(特許文献1)、特開2002−13573号公報(特許文献2)および特開平8−96861号公報(特許文献3)に記載されたものなどが挙げられる。
たとえば、特許文献1においては、車両の衝突時に、インバータおよびモータを衝突前の状態を保ったまま移動させることにより、強電ハーネスの断線を防止することが記載されている。また、特許文献2においては、高圧電線の荷重の変位を緩衝する緩衝装置が記載されている。さらに、特許文献3においては、電線の絶縁被覆の切り裂きに起因する固定強度の低下や電線の抜けを防止するための接続端子が記載されている。
特開2006−88871号公報
特開2002−13573号公報
特開平8−96861号公報
車両に搭載された複数の機器をケーブルによって電気的に接続した場合、車両衝突時等において、複数の機器の位置関係が変化すると、ケーブルの張力が増大する場合がある。ケーブルの張力が過度に増大すると、たとえばケーブルが破断するなどして、漏電が発生することが考えられる。
特許文献1,2に記載の構造を設けたとしても、ケーブルの張力の増大を確実に防止することができるとは限らない。また、特許文献3のように、電線の接続端子からの抜けを防止しても、該電線の破断が生じ得る。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、ケーブルの張力が増大した場合にも漏電の発生が抑制される配線接続構造および該構造を含む車両を提供することにある。
本発明に係る配線接続構造は、1つの局面では、回転電機の動力を用いて車両を駆動する駆動ユニットと、コンデンサを有し、駆動ユニットを制御する電気機器とを接続する配線の接続構造であって、導線を有するケーブルと、ケーブルの一端部に設けられ、導線に固定されるとともに駆動ユニットの端子台に接続される第1端子および該第1端子を囲む第1絶縁部を有する第1コネクタ部と、ケーブルの他端部に設けられ、導線に固定されるとともに電気機器の端子台に接続される第2端子および該第2端子を囲む第2絶縁部を有する第2コネクタ部とを備え、ケーブルの引張破断荷重、第1コネクタ部の引張破壊荷重、第2コネクタ部の引張破壊荷重および第1端子からの導線の引張抜け荷重は、いずれも、第2端子からの導線の引張抜け荷重よりも大きい。
上記構成において、ケーブルの引張破断荷重とは、ケーブルに作用する張力が増大して、ケーブル自体がその途中で分断されるような引張荷重を意味する。
また、上記構成において、第1コネクタ部の引張破壊荷重とは、ケーブルに作用する張力が増大して、駆動ユニットの端子台、第1端子およびそれらの接合部のいずれかが破壊され、第1端子と駆動ユニットの端子台との電気的導通が遮断されるような引張荷重を意味する。
また、上記構成において、第2コネクタ部の引張破壊荷重とは、ケーブルに作用する張力が増大して、電気機器の端子台、第2端子およびそれらの接合部のいずれかが破壊され、第2端子と電気機器の端子台との電気的導通が遮断されるような引張荷重を意味する。
また、上記構成において、第1端子からの導線の引張抜け荷重は、ケーブルに作用する張力が増大して、第1端子に固定された導線が該第1端子から外れるような引張荷重を意味する。
また、上記構成において、第2端子からの導線の引張抜け荷重は、ケーブルに作用する張力が増大して、第2端子に固定された導線が該第2端子から外れるような引張荷重を意味する。
上記構成によれば、ケーブルの張力が増大した場合に、導線と第2端子との接続部分を最初に破損させることができる。ここで、電気機器のコンデンサには電荷が蓄積されている場合があるが、電気機器の端子台に接続された第2端子の周囲は、第2絶縁部により囲まれているため、第2端子を介して漏電が生じることは抑制されている。他方、駆動ユニット側には、上記コンデンサのように電荷を蓄積する機構が設けられていないため、第2端子から外れた導線から漏電が生じることは抑制されている。以上のように、本発明に係る配線接続構造によれば、意図的に張力に対する最弱部分を設定することにより、ケーブルの張力が増大した場合にも漏電の発生を抑制することができる。
上記配線接続構造において、好ましくは、ケーブルの引張破断荷重は、第1コネクタ部の引張破壊荷重以上であり、第1コネクタ部の引張破壊荷重は、第2コネクタ部の引張破壊荷重以上であり、第2コネクタ部の引張破壊荷重は、第1端子からの導線の引張抜け荷重以上である。
上記構成によれば、漏電がより生じやすい部分の耐荷重を大きく設定することにより、ケーブルの張力が増大した場合の漏電の発生を、より効果的に抑制することができる。
上記配線接続構造において、好ましくは、導線は、第1端子および第2端子にカシメにより固定される。
上記構成によれば、簡易な構成により、導線の第1端子および第2端子からの引張抜け荷重をそれぞれ設定することができる。
本発明に係る配線接続構造は、他の局面では、回転電機の動力を用いて車両を駆動する駆動ユニットと、コンデンサを有し、駆動ユニットを制御する電気機器とを接続する配線の接続構造であって、導線を有するケーブルと、ケーブルの一端部に設けられ、導線にカシメにより固定されるとともに駆動ユニットの端子台に接続される第1端子および該第1端子を囲む第1絶縁部を有する第1コネクタ部と、ケーブルの他端部に設けられ、導線にカシメにより固定されるとともに電気機器の端子台に接続される第2端子および該第2端子を囲む第2絶縁部を有する第2コネクタ部とを備え、第1端子からの導線の引張抜け荷重は、第2端子からの前記導線の引張抜け荷重よりも大きい。
上記構成によれば、第1端子からの導線の引張抜け荷重を、第2端子からの前記導線の引張抜け荷重よりも大きくすることにより、ケーブルの張力が増大した場合に、導線と第2端子との接続部分を最初に破損させることができるので、上記と同様に、漏電の発生を抑制することができる。
本発明に係る車両は、上述した配線接続構造を含む。これにより、衝突時等においても電気機器からの漏電の発生が抑制された車両が提供される。
本発明によれば、駆動ユニットと電気機器との配線接続構造において、ケーブルの張力が増大した場合にも、該構造からの漏電を抑制することができる。
以下に、本発明の実施の形態について説明する。なお、同一または相当する部分に同一の参照符号を付し、その説明を繰返さない場合がある。
なお、以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。また、以下の実施の形態において、各々の構成要素は、特に記載がある場合を除き、本発明にとって必ずしも必須のものではない。また、以下に複数の実施の形態が存在する場合、特に記載がある場合を除き、各々の実施の形態の構成を適宜組合わせることは、当初から予定されている。
図1は、本発明の1つの実施の形態に係る配線接続構造が適用されるハイブリッド車両の構成を示す概略図である。図1を参照して、本実施の形態に係るハイブリッド車両は、エンジン100と、駆動ユニット200と、PCU300と、バッテリ400とを含んで構成される。駆動ユニット200は、ケーブル500を介してPCU300と電気的に接続される。また、PCU300は、ケーブル600を介してバッテリ400と電気的に接続される。
内燃機関であるエンジン100は、ガソリンエンジンであってもよいし、ディーゼルエンジンであってもよい。駆動ユニット200は、エンジン100とともに車両を駆動する駆動力を発生させる。エンジン100および駆動ユニット200は、ともにハイブリッド車両のエンジンルーム内に設けられている。また、PCU300は、駆動ユニット200の動作を制御する制御装置である。
次に、図2を用いて、駆動ユニット200の構成について説明する。図2を参照して、駆動ユニット200は、モータジェネレータ210と、動力分割機構220と、カウンタギヤ230と、ディファレンシャルギヤ240とを含んで構成される。
モータジェネレータ210は、モータジェネレータ211,212を含む。モータジェネレータ211,212は、電動機および発電機の少なくとも一方の機能を有する回転電機である。動力分割機構220は、モータジェネレータ211,212の間に設けられる。カウンタギヤ230は、動力分割機構220とディファレンシャルギヤ240との間に設けられる。そして、ディファレンシャルギヤ240は、ドライブシャフトと接続される。モータジェネレータ211,212、動力分割機構220、カウンタギヤ230およびディファレンシャルギヤ240は、ケーシング(図示せず)内に設けられる。
モータジェネレータ211,212は、それぞれ、ロータ211A,212Aと、ステータ211B,212Bと、ステータ211B,212Bに巻回されるステータコイル211C,212Cとを含んで構成される。
動力分割機構220は、プラネタリギヤ221,222を含んで構成される。プラネタリギヤ221,222は、それぞれ、サンギヤ221A,222A、ピニオンギヤ221B,222B、プラネタリキャリヤ221C,222Cおよびリングギヤ221D,222Dを含んで構成される。
エンジン100のクランクシャフト100Aと、モータジェネレータ211のロータ211Aと、モータジェネレータ212のロータ212Aとは、同じ軸を中心に回転する。
プラネタリギヤ221におけるサンギヤ221Aは、クランクシャフト100Aに軸中心を貫通された中空のサンギヤ軸に結合される。リングギヤ221Dは、クランクシャフト100Aと同軸上で回転可能に支持されている。ピニオンギヤ221Bは、サンギヤ221Aとリングギヤ221Dとの間に配置され、サンギヤ221Aの外周を自転しながら公転する。プラネタリキャリヤ221Cは、クランクシャフト100Aの端部に結合され、各ピニオンギヤ221Bの回転軸を支持する。
モータジェネレータ212のロータ212Aは、減速機としてのプラネタリギヤ222を介して、プラネタリギヤ221のリングギヤ221Dと一体的に回転するリングギヤケースに結合されている。
プラネタリギヤ222は、回転要素の1つであるプラネタリキャリヤ222Cがケーシングに固定された構造により減速を行なう。すなわち、プラネタリギヤ222は、ロータ212Aのシャフトに結合されたサンギヤ222Aと、リングギヤ221Dと一体的に回転するリングギヤ222Dと、リングギヤ222Dおよびサンギヤ222Aに噛み合い、サンギヤ222Aの回転をリングギヤ222Dに伝達するピニオンギヤ222Bとを含む。
車両の走行時において、エンジン100から出力された動力は、クランクシャフト100Aに伝達され、動力分割機構220により2経路に分割される。
上記2経路のうちの一方は、カウンタギヤ230から、ディファレンシャルギヤ240を介してドライブシャフトに伝達される経路である。ドライブシャフトに伝達された駆動力は、駆動輪に回転力として伝達されて、車両を走行させる。
もう一方は、モータジェネレータ211を駆動させて発電する経路である。モータジェネレータ211は、動力分割機構220により分配されたエンジン100の動力により発電する。モータジェネレータ211により発電された電力は、車両の走行状態や、バッテリ400の状態に応じて使い分けられる。たとえば、車両の通常走行時および急加速時においては、モータジェネレータ211により発電された電力はそのままモータジェネレータ212を駆動させる電力となる。一方、バッテリ400において定められた条件の下では、モータジェネレータ211により発電された電力は、PCU300内に設けられたインバータおよびコンバータを介してバッテリ400に蓄えられる。
モータジェネレータ212は、バッテリ400に蓄えられた電力およびモータジェネレータ211により発電された電力のうちの少なくとも一方の電力により駆動する。モータジェネレータ212の駆動力は、カウンタギヤ230からディファレンシャルギヤ240を介してドライブシャフトに伝達される。このようにすることで、モータジェネレータ212からの駆動力によりエンジン100の駆動力をアシストしたり、モータジェネレータ212からの駆動力のみにより車両を走行させたりすることができる。
一方、車両の回生制動時には、駆動輪は車体の慣性力により回転させられる。駆動輪からの回転力によりディファレンシャルギヤ240およびカウンタギヤ230を介してモータジェネレータ212が駆動される。このとき、モータジェネレータ212が発電機として作動する。このように、モータジェネレータ212は、制動エネルギーを電力に変換する回生ブレーキとして作用する。モータジェネレータ212により発電された電力は、PCU300内に設けられたインバータを介してバッテリ400に蓄えられる。
図3は、PCU300の主要部の構成を示す回路図である。図3を参照して、PCU300は、コンバータ310と、インバータ320(321,322)と、制御装置330と、コンデンサC1,C2とを含む。コンバータ310は、バッテリ400とインバータ320との間に接続され、インバータ321,322は、それぞれ、モータジェネレータ211,212と接続される。
コンバータ310は、パワートランジスタQ1,Q2と、ダイオードD1,D2と、リアクトルLとを含む。パワートランジスタQ1,Q2は直列に接続され、制御装置330からの制御信号をベースに受ける。ダイオードD1,D2は、それぞれパワートランジスタQ1,Q2のエミッタ側からコレクタ側へ電流を流すようにパワートランジスタQ1,Q2のコレクタ−エミッタ間にそれぞれ接続される。リアクトルLは、バッテリ400の正極と接続される電源ラインに一端が接続され、パワートランジスタQ1,Q2の接続点に他端が接続される。
このコンバータ310は、リアクトルLを用いてバッテリ400から受ける直流電圧を昇圧し、その昇圧した昇圧電圧を電源ラインに供給する。また、コンバータ310は、インバータ320から受ける直流電圧を降圧してバッテリ400を充電する。
インバータ321,322は、それぞれ、U相アーム321U,322U、V相アーム321V,322VおよびW相アーム321W,322Wを含む。U相アーム321U、V相アーム321VおよびW相アーム321Wは、ノードN1とノードN2との間に並列に接続される。同様に、U相アーム322U、V相アーム322VおよびW相アーム322Wは、ノードN1とノードN2との間に並列に接続される。
U相アーム321Uは、直列接続された2つのパワートランジスタQ3,Q4を含む。同様に、U相アーム322U、V相アーム321V,322VおよびW相アーム321W,322Wは、それぞれ、直列接続された2つのパワートランジスタQ5〜Q14を含む。また、各パワートランジスタQ3〜Q14のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD3〜D14がそれぞれ接続されている。
インバータ321,322の各相アームの中間点は、それぞれ、モータジェネレータ211,212の各相コイルの各相端に接続されている。そして、モータジェネレータ211,212においては、U,V,W相の3つのコイルの一端が中点に共通接続されて構成される。
コンデンサC1は、バッテリ400に並列に接続される。また、コンデンサC2は、インバータ321,322に並列に接続される。コンデンサC1,C2は、電源ラインの電圧レベルを平滑化する。
インバータ321,322は、制御装置330からの駆動信号に基づいて、コンデンサC2からの直流電圧を交流電圧に変換してモータジェネレータ211,212を駆動する。
電流センサ340U,340V,340W,350U,350V,350Wは、それぞれ、モータジェネレータ211,212に流れる電流を検出し、その検出した電流を制御装置330へ出力する。
制御装置330は、モータトルク指令値、モータジェネレータ211,212の各相電流値、およびインバータ321,322の入力電圧に基づいてモータジェネレータ211,212の各相コイル電圧を演算し、その演算結果に基づいてパワートランジスタQ3〜Q14をオン/オフするPWM(Pulse Width Modulation)信号を生成してインバータ321,322へ出力する。
また、制御装置330は、上述したモータトルク指令値およびモータ回転数に基づいてインバータ320の入力電圧を最適にするためのパワートランジスタQ1,Q2のデューティ比を演算し、その演算結果に基づいてパワートランジスタQ1,Q2をオン/オフするPWM信号を生成してコンバータ310へ出力する。
さらに、制御装置330は、モータジェネレータ211,212によって発電された交流電力を直流電力に変換してバッテリ400を充電するため、コンバータ310およびインバータ320におけるパワートランジスタQ1〜Q14のスイッチング動作を制御する。
図4は、本実施の形態に係る配線接続構造の構成を示す図である。図4を参照して、本実施の形態に係る配線接続構造は、駆動ユニット200とPCU300とを電気的に接続するものであり、ケーブル500と、駆動ユニット200側のコネクタ部510と、PCU300側のコネクタ部520とを含んで構成される。
コネクタ部510は、端子511と、絶縁カバー512と、締結部材であるボルト513とを含んで構成される。絶縁カバー512は、端子511の外側を覆うように形成され、端子511からの漏電を抑制している。ボルト513は、端子511と駆動ユニット200の端子台200Aとを締結するための部材である。端子511と端子台200Aとがボルト513により締結されることで、ケーブル500と駆動ユニット200とが電気的に接続される。
コネクタ部520は、端子521と、絶縁カバー522と、締結部材であるボルト523とを含んで構成される。絶縁カバー522は、端子521の外側を覆うように形成され、端子521からの漏電を抑制している。ボルト523は、端子521とPCU300の端子台300Aとを締結するための部材である。端子521と端子台300Aとがボルト523により締結されることで、ケーブル500とPCU300とが電気的に接続される。
上記のように、車両に搭載された駆動ユニット200とPCU300とをケーブル500によって電気的に接続する場合、車両の衝突時等において、駆動ユニット200とPCU300との相対的な位置関係が変動して両者間の距離が増大すると、ケーブル500の張力が増大する。ケーブル500の張力が過度に増大し、駆動ユニット200−PCU300間の給電経路の一部が破損すると、PCU300内のコンデンサC1,C2に蓄えられた電荷が漏洩することによる漏電が発生することが考えられる。
駆動ユニット200−PCU300間の給電経路の破損の形態としては、以下の5つの形態が考えられる。
1.ケーブル500に作用する張力が増大して、ケーブル500自体がその途中で分断される形態(ケーブル500の引張破断)
2.ケーブル500に作用する張力が増大して、駆動ユニット200の端子台200A、端子511およびそれらの接合部のいずれかが破壊され、端子511と端子台200Aとの電気的導通が遮断される形態(コネクタ部510の引張破壊)
3.ケーブル500に作用する張力が増大して、PCU300の端子台300A、端子521およびそれらの接合部のいずれかが破壊され、端子521と端子台300Aとの電気的導通が遮断される形態(コネクタ部520の引張破壊)
4.ケーブル500に作用する張力が増大して、端子511に固定された導線が端子511から外れる形態(端子511からの導線の引張抜け)
5.ケーブル500に作用する張力が増大して、端子521に固定された導線が端子521から外れる形態(端子521からの導線の引張抜け)
本願明細書では、ケーブル500の引張破断が生じるようなケーブル500の引張荷重を、ケーブル500の引張破断荷重(F1)と称し、コネクタ部510の引張破壊が生じるようなケーブル500の引張荷重を、コネクタ部510の引張破壊荷重(F2)と称し、コネクタ部520の引張破壊が生じるようなケーブル500の引張荷重を、コネクタ部520の引張破壊荷重(F3)と称し、端子511からの導線の引張抜けが生じるようなケーブル500の引張荷重を、端子511からの導線の引張抜け荷重(F4)と称し、端子521からの導線の引張抜けが生じるようなケーブル500の引張荷重を、端子521からの導線の引張抜け荷重(F5)と称する。
1.ケーブル500に作用する張力が増大して、ケーブル500自体がその途中で分断される形態(ケーブル500の引張破断)
2.ケーブル500に作用する張力が増大して、駆動ユニット200の端子台200A、端子511およびそれらの接合部のいずれかが破壊され、端子511と端子台200Aとの電気的導通が遮断される形態(コネクタ部510の引張破壊)
3.ケーブル500に作用する張力が増大して、PCU300の端子台300A、端子521およびそれらの接合部のいずれかが破壊され、端子521と端子台300Aとの電気的導通が遮断される形態(コネクタ部520の引張破壊)
4.ケーブル500に作用する張力が増大して、端子511に固定された導線が端子511から外れる形態(端子511からの導線の引張抜け)
5.ケーブル500に作用する張力が増大して、端子521に固定された導線が端子521から外れる形態(端子521からの導線の引張抜け)
本願明細書では、ケーブル500の引張破断が生じるようなケーブル500の引張荷重を、ケーブル500の引張破断荷重(F1)と称し、コネクタ部510の引張破壊が生じるようなケーブル500の引張荷重を、コネクタ部510の引張破壊荷重(F2)と称し、コネクタ部520の引張破壊が生じるようなケーブル500の引張荷重を、コネクタ部520の引張破壊荷重(F3)と称し、端子511からの導線の引張抜けが生じるようなケーブル500の引張荷重を、端子511からの導線の引張抜け荷重(F4)と称し、端子521からの導線の引張抜けが生じるようなケーブル500の引張荷重を、端子521からの導線の引張抜け荷重(F5)と称する。
駆動ユニット200−PCU300間の給電経路の一部が破損した場合、どの部分が破損するかによって漏電が発生する可能性が変動する。より具体的には、漏電が生じる可能性が最も高いのは、ケーブル500の引張破断が生じた場合であり、漏電が生じる可能性がその次に高いのは、コネクタ部510の引張破壊が生じた場合であり、漏電が生じる可能性がその次に高いのは、コネクタ部520の引張破壊が生じた場合であり、漏電が生じる可能性がその次に高いのは、端子511からの導線の引張抜けが生じた場合であり、漏電が生じる可能性が最も低いのは、端子521からの導線の引張抜けが生じた場合である。
本実施の形態では、ケーブル500の引張破断荷重(F1)に対してコネクタ部510の引張破壊荷重(F2)を同等またはそれより小さく設定し、コネクタ部510の引張破壊荷重(F2)に対してコネクタ部520の引張破壊荷重(F3)を同等またはそれより小さく設定し、コネクタ部520の引張破壊荷重(F3)に対して端子511からの導線の引張抜け荷重(F4)を同等またはそれより小さく設定し、端子511からの導線の引張抜け荷重(F4)に対して端子521からの導線の引張抜け荷重(F5)を小さく設定している(すなわち、F1≧F2≧F3≧F4>F5)。
このように、本実施の形態では、端子521からの導線の引張抜け荷重(F5)を相対的に小さくすることにより、ケーブル500の張力が増大した場合に、端子521からの導線の引張抜けが生じるようにしている。このようにすることで、ケーブル500の張力が増大した場合であっても、漏電発生の可能性を低く抑えることができる。
なお、ケーブル500の引張破断荷重(F1)は、ケーブル500の仕様により一義的に定まるものであり、コネクタ部510,520の引張破壊荷重(F2,F3)は、端子511,512、端子台200A,300Aおよびボルト513,523の強度ならびにボルト513,523による締結力によって一義的に定まるものである。
次に、図5〜図10を用いて、コネクタ部510に含まれる端子511の構造について説明する。なお、図5〜図7は、導線とカシメられる前の端子511を示し、図8〜図10は、導線とカシメられた後の端子511を示す。図6,図7は、端子511を図5中の矢印VI,矢印VII方向から見た状態を示し、図9は、端子511およびケーブル500を図8中の矢印IX方向から見た状態を示し、図10は、図9におけるX−X断面を示す。
図5〜図10に示すように、端子511は、ボルト513が挿通される孔部511Aと、ケーブル500の導線500Aを受け入れる凹部511Bとを含んで構成される。ケーブル500の端部を端子511に固定する際は、凹部511Bに導線500Aを嵌入した後、図8〜図10に示すように、端子511を曲げて導線500Aと係合させる。これにより、導線500Aと端子511とがカシメ結合される。
導線500Aに対して端子511を強く押し付けると、図10中のWおよびHは小さくなる。この状態を、「カシメ強度」が高い状態と称する。他方、導線500Aに対して端子511を弱く押し付けると、図10中のWおよびHは大きくなる。この状態を、「カシメ強度」が低い状態と称する。
なお、図5〜図10では、導線500Aと端子511とのカシメ結合について説明したが、導線500Aと端子521とのカシメ結合についても、図5〜図10と同様の構造を有する。
なお、端子511,521からの導線500Aの引張抜け荷重(F4,F5)は、たとえば、端子511,521と導線500Aとのカシメ強度により調整される。また、引張抜け荷重(F4,F5)は、たとえば、端子511,521と導線500Aとを溶接後カシメるか、溶接せずにカシメるかによっても調整可能である。
上述したように、本実施の形態に係る配線接続構造によれば、ケーブル500の張力が増大した場合に、導線500Aと端子521との接続部分を最初に破損させることができる。なお、PCU300のコンデンサC1,C2には電荷が蓄積されているが、PCU300の端子台300Aに接続された端子521の周囲は、絶縁部522により囲まれているため、コンデンサC1,C2に蓄積された電荷によって漏電が生じることは抑制されている。他方、駆動ユニット200側には、コンデンサC1,C2のように電荷を蓄積する機構が設けられていないため、端子522から外れた導線500Aから漏電が生じることは抑制されている。以上のように、本実施の形態に係る配線接続構造によれば、意図的に最弱部分を設定することにより、ケーブル500の張力が増大した場合にも漏電の発生を抑制することができる。
また、導線500Aを端子511,521にカシメにより固定することにより、簡易な構成で導線500Aの端子511,521からの引張抜け荷重をそれぞれ設定することができる。
上述した内容について要約すると、以下のようになる。すなわち、本実施の形態に係る配線接続構造は、「回転電機」としてのモータジェネレータ210の動力を用いて車両を駆動する駆動ユニット200と、コンデンサC1,C2を有し、駆動ユニット200を制御する「電気機器」としてのPCU300とを接続する配線の接続構造であって、導線500Aを有するケーブル500と、ケーブル500の駆動ユニット200側の端部(一端部)に設けられ、導線500Aにカシメにより固定されるとともに駆動ユニット200の端子台200Aに接続される「第1端子」としての端子511および端子511を囲む「第1絶縁部」としての絶縁カバー512を有する「第1コネクタ部」としてのコネクタ部510と、ケーブル500のPCU300側の端部(他端部)に設けられ、導線500Aに固定されるとともにPCU300の端子台300Aに接続される「第2端子」としての端子521および端子521を囲む「第2絶縁部」としての絶縁カバー522を有する「第2コネクタ部」としてのコネクタ部520とを備え、ケーブル500の引張破断荷重(F1)、コネクタ部510,520の引張破壊荷重(F2,F3)および端子511からの導線500Aの引張抜け荷重(F4)は、いずれも、端子521からの導線500Aの引張抜け荷重(F5)よりも大きい。
より具体的には、ケーブル500の引張破断荷重(F1)は、コネクタ部510の引張破壊荷重(F2)以上であり、コネクタ部510の引張破壊荷重(F2)は、コネクタ部520の引張破壊荷重(F3)以上であり、コネクタ部520の引張破壊荷重(F3)は、端子511からの導線500Aの引張抜け荷重(F4)以上である。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100 エンジン、100A クランクシャフト、200 駆動ユニット、200A 端子台、210,211,212 モータジェネレータ、211A,212A ロータ、211B,212B ステータ、211C,212C ステータコイル、220 動力分割機構、221,222 プラネタリギヤ、221A,222A サンギヤ、221B,222B ピニオンギヤ、221C,222C プラネタリキャリヤ、221D,222D リングギヤ、230 カウンタギヤ、240 ディファレンシャルギヤ、300 PCU、300A 端子台、310 コンバータ、320 インバータ、321U,322U U相アーム、321V,322V V相アーム、321W,322W W相アーム、330 制御装置、340U,340V,340W,350U,350V,350W 電流センサ、400 バッテリ、500,600 ケーブル、500A 導線、510,520 コネクタ部、511,521 端子、511A 孔部、511B 凹部、512,522 絶縁カバー、513,523 ボルト、C1,C2 コンデンサ、D1〜D14 ダイオード、L リアクトル、Q1〜Q14 パワートランジスタ。
Claims (5)
- 回転電機の動力を用いて車両を駆動する駆動ユニットと、コンデンサを有し、前記駆動ユニットを制御する電気機器とを接続する配線の接続構造であって、
導線を有するケーブルと、
前記ケーブルの一端部に設けられ、前記導線に固定されるとともに前記駆動ユニットの端子台に接続される第1端子および該第1端子を囲む第1絶縁部を有する第1コネクタ部と、
前記ケーブルの他端部に設けられ、前記導線に固定されるとともに前記電気機器の端子台に接続される第2端子および該第2端子を囲む第2絶縁部を有する第2コネクタ部とを備え、
前記ケーブルの引張破断荷重、前記第1コネクタ部の引張破壊荷重、前記第2コネクタ部の引張破壊荷重および前記第1端子からの前記導線の引張抜け荷重は、いずれも、前記第2端子からの前記導線の引張抜け荷重よりも大きい、配線接続構造。 - 前記ケーブルの引張破断荷重は、前記第1コネクタ部の引張破壊荷重以上であり、
前記第1コネクタ部の引張破壊荷重は、前記第2コネクタ部の引張破壊荷重以上であり、
前記第2コネクタ部の引張破壊荷重は、第1端子からの前記導線の引張抜け荷重以上である、請求項1に記載の配線接続構造。 - 前記導線は、前記第1端子および前記第2端子にカシメにより固定される、請求項1または請求項2に記載の配線接続構造。
- 回転電機の動力を用いて車両を駆動する駆動ユニットと、コンデンサを有し、前記駆動ユニットを制御する電気機器とを接続する配線の接続構造であって、
導線を有するケーブルと、
前記ケーブルの一端部に設けられ、前記導線にカシメにより固定されるとともに前記駆動ユニットの端子台に接続される第1端子および該第1端子を囲む第1絶縁部を有する第1コネクタ部と、
前記ケーブルの他端部に設けられ、前記導線にカシメにより固定されるとともに前記電気機器の端子台に接続される第2端子および該第2端子を囲む第2絶縁部を有する第2コネクタ部とを備え、
前記第1端子からの前記導線の引張抜け荷重は、前記第2端子からの前記導線の引張抜け荷重よりも大きい、配線接続構造。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の配線接続構造を含む、車両。
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---|---|---|---|
JP2007218161A JP2009051284A (ja) | 2007-08-24 | 2007-08-24 | 配線接続構造および車両 |
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JP2007218161A Withdrawn JP2009051284A (ja) | 2007-08-24 | 2007-08-24 | 配線接続構造および車両 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101114375B1 (ko) * | 2010-09-17 | 2012-02-14 | 기아자동차주식회사 | 모터의 전력 케이블 단선 검출방법 |
JP2013016384A (ja) * | 2011-07-05 | 2013-01-24 | Toyota Motor Corp | コネクタ構造 |
FR2990569A1 (fr) * | 2012-05-14 | 2013-11-15 | Peugeot Citroen Automobiles Sa | Equipement electrique a boitier(s) de protection de borne(s) electrique(s) et de cosse(s) associee(s) |
-
2007
- 2007-08-24 JP JP2007218161A patent/JP2009051284A/ja not_active Withdrawn
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