JP2009051084A - 型、型の製造方法、および、型の製造装置 - Google Patents

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藤 峰 明 衛
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澤 朝 彦 穴
Shota Kimura
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Abstract

【課題】優れたコントラストを有する模様を転写し得る型であって、優れた生産効率で安価に製造され得る型を提供する。
【解決手段】型10は、シート状部材50に凹凸模様12を形成するための型である。型は、シート状の基材22と、前記基材の一方の表面上に積層された金属層24と、を備える。前記シート状部材に転写されるべき凹凸模様が、前記金属層の側の表面から前記金属層および前記基材を変形させて形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、被加工体に凹凸模様を形成するための型に係り、とりわけ、優れたコントラストを有する模様を転写することができるとともに、優れた生産効率で安価に製造され得る型に関する。
また、本発明は、被加工体に凹凸模様を形成するための型を製造する製造方法および製造装置に係り、とりわけ、優れたコントラストを有する模様を転写し得る型を、優れた生産効率で安価に製造することができる製造方法および製造装置に関する。
合皮製品、化粧シート、内装材等に用いられるシート状部材(被加工体の一例)は、離型紙と呼ばれる型(型紙)を用い、離型紙に形成された凹凸模様を転写されることによって製造され得る。離型紙は、樹脂等からなる原反にエンボス加工を施すことによって、作製され得る(例えば、特許文献1)。
特開2002−205311号公報
このような離型紙において、離型紙に形成された凹凸模様における凹部と凸部とのギャップの大きさは、意匠性評価において、重要な項目となる。凹凸模様における凹部と凸部とのギャップが小さい場合、離型紙を用いて作製されたシート状材料のコントラスト(明暗の差)が十分ではない、つまり、シート状材料の模様が平坦化して視認される、という不具合が生じてしまうからである。
その一方で、離型紙に形成される凹凸模様における凹部と凸部とのギャップを大きくするためには、エンボス加工における加工圧力を増大させなければならない。そして、エンボス加工中の加工圧力を増大させようとすると、加工装置や原反への負荷を増大させてしまうだけでなく、生産効率を悪化させてしまうという不具合も生じる。とりわけ、樹脂等からなる原反を用いる場合、原反を確実に塑性変形させるためには、エンボス加工中に加工圧力を長時間にわたって原反に加えておく必要が生じる。このため、生産効率がさらに悪化して、離型紙が高価となってしまう。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、優れたコントラストを有する模様を転写し得る型であって、優れた生産効率で安価に製造され得る型を提供することを目的とする。また、本発明は、優れたコントラストを有する模様を転写し得る型を、優れた生産効率で安価に製造することができる製造方法および製造装置を提供することを目的とする。
ところで、離型紙は複数回使用され、一枚の離型紙によって複数枚の被加工体に凹凸模様が転写されるようになる。しかしながら、被加工体に凹凸模様を転写する際に、被加工体および離型紙は互いに向けて押圧される。したがって、いったん離型紙に形成された凹凸模様の形状が、離型紙の使用回数の増加にともなって、変形していく。本発明による型において、使用回数の増加にともなった凹凸模様の変形を抑制することができれば、非常に都合がよい。
本発明による型は、被加工体に凹凸模様を形成するための型であって、シート状の基材と、前記基材の一方の表面上に積層された金属層と、を備え、前記被加工体に転写されるべき凹凸模様が、前記金属層の側の表面から形成されていることを特徴とする。
本発明による型が、前記金属層の前記基材に対面する側とは反対の側に設けられた層であって、シリコーンを含有する表面層をさらに備え、前記表面層は、前記被加工体に前記凹凸模様を形成する際に前記被加工体に当接する側の表面をなすようにしてもよい。このような型において、前記表面層は、シリコーンを含有する硬化型の樹脂からなるようにしてもよい。
また、本発明による型が、前記金属層の前記基材に対面する側とは反対側の表面上に積層された層であって、硬化型樹脂からなる硬化型樹脂層をさらに備えるようにしてもよい。
本発明による型の製造方法は、被加工体に凹凸模様を形成するための型を製造する製造方法であって、シート状の基材と、前記基材の一方の表面上に積層された金属層と、を含む原反を準備する工程と、エンボス加工により、前記原反の前記金属層の側の表面から前記金属層および前記基材を変形させて、前記被加工体に転写されるべき凹凸模様を前記原反に形成する工程と、を備えることを特徴とする。
本発明による型の製造方法の前記原反を準備する工程において、前記基材と、前記金属層と、前記金属層の前記基材に対面する側とは反対の側に設けられ、原反の表面をなす表面層であって、シリコーンを含有する表面層と、を含む原反が準備されるようにしてもよい。
本発明による型の製造方法の前記原反を準備する工程において、前記基材と、前記金属層と、前記金属層の前記基材に対面する側とは反対側の表面上に積層された層であって、硬化型樹脂からなる硬化型樹脂層と、を含む原反が準備され、前記凹凸模様を前記原反に形成する工程において、エンボス加工により、前記硬化型樹脂層、前記金属層および前記基材を変形させて、前記被加工体に転写されるべき凹凸模様が前記原反に形成され、前記凹凸模様を前記原反に形成する工程の後に、前記変形させられた前記硬化型樹脂層をなす前記硬化型樹脂を硬化させる工程がさらに実施されるようにしてもよい。
本発明による型の製造装置は、被加工体に凹凸模様を形成するための型を製造する製造装置であって、シート状の基材と、前記基材の一方の表面上に積層された金属層と、を含む原反を作製する手段と、エンボス加工により、前記原反の前記金属層の側の表面から前記金属層および前記基材を変形させて、前記被加工体に転写されるべき凹凸模様を前記原反に形成する手段と、を備えることを特徴とする。
本発明による型の製造装置において、前記原反を作製する手段は、前記基材の一方の表面上に金属層を積層し、その後、前記金属層の前記基材に対面する側とは反対の側に、原反の表面をなす表面層であって、シリコーンを含有する表面層を積層して、原反を作製するようにしてもよい。
また、本発明による型の製造装置において、前記原反を作製する手段は、前記基材の一方の表面上に金属層を積層し、その後、前記金属層の前記基材に対面する側とは反対側の表面上に、硬化型樹脂からなる硬化型樹脂層を積層して、原反を作製し、前記凹凸模様を前記原反に形成する手段は、エンボス加工により、前記硬化型樹脂層、前記金属層および前記基材を変形させて、前記被加工体に転写されるべき凹凸模様を前記原反に形成し、前記変形させられた前記硬化型樹脂層を硬化させる手段がさらに設けられているようにしてもよい。
本発明による型は、優れたコントラストを有する模様を転写することができるとともに、優れた生産効率で安価に製造され得る。また、本発明による型の製造方法によれば、優れたコントラストを有する模様を転写し得る型を、優れた生産効率で安価に製造することができる。さらに、本発明による型の製造装置によれば、優れたコントラストを有する模様を転写し得る型を、優れた生産効率で安価に製造することができる。
発明を実施するための形態
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。
図1乃至図3は、本発明の一実施の形態を説明するための図である。このうち、図1は離型紙(型)を示す断面図であり、図2は離型紙を用いた被加工体の作製方法を説明するための図であり、図3は離型紙の製造方法および製造装置を説明するための図であり、図4は離型紙(型)の変形例を示す断面図である。
まず、主に図1および図2を参照しながら、離型紙10について説明する。
図1に示すように、本実施の形態において、離型紙10は、凹部12bと凸部12aとを有する凹凸模様12が一方の側の面に形成されたシート状の部材として構成されている。離型紙10は、シート状の基材22と、基材22の一方の表面22a上に積層された金属層24と、金属層24の基材22に対面する側とは反対の側に設けられた表面層26と、を備えている。本実施の形態において、表面層26は、金属層24の基材22に対面する側とは反対の側の表面上に配置されている。また、図1に示すように、凹凸模様12は、離型紙10の表面層26の側の表面から形成されている。
基材22は、例えば、紙、より具体的には、80g/m2〜200g/m2程度の坪量を有したクラフト紙から構成され得る。基材22の厚みは、数百μm、より具体的には100μm〜200μm程度とすることができる。金属層24は、例えば、アルミニウムや銅等のような、樹脂と比較して弾性変形量が少ない金属の箔から形成され得る。また、金属層24の厚みは、数μm〜数十μm程度、より具体的には5μm〜80μm程度とすることができる。表面層26は、シリコーンを含有した樹脂から構成されている。表面層26の厚みは、例えば0.1μm〜10μm程度とすることができる。
図2に示すように、このような離型紙10は、ビニールレザーや壁紙等のシート状部材(被加工体の一例)50を作製するための型紙として用いられる。具体的には、離型紙10の表面層26の側の表面を熱硬化性樹脂等からなる塗料でコーティングし、さらに基布58をラミネートする。その後、離型紙10と基布58とを互いに向けて押圧しながら、塗料を硬化させて塗料からなる塗料層57を形成する。次に、塗料層57を離型紙10から剥離させることにより、基布58と塗料層57とを有したシート状部材50を得ることができる(図2参照)。このとき、塗料層57に当接する表面層26は、シリコーン樹脂からなり、これにより剥離性を有している。したがって、シート状部材50の離型紙10からの離型が促進され、塗料層57を破壊してしまうことなく表面層26から引き離すことができる。
このようにして得られたシート状部材50の塗料層57には、離型紙10の凹凸模様12が転写されており、転写された凹凸模様52により、シート状部材50の意匠性を向上させている。なお、離型紙10は繰り返し用いられ、複数枚のシート状部材50を作製することができる。
なお、離型紙10によって、合成皮革として用いられるシート状部材50を作製する場合には、シート状部材50の塗料層57を、例えば、ポリウレタン樹脂に着色剤を配合してなる塗料から形成することができる。
次に、主に図3を参照して、上述した離型紙10を製造することができる製造装置および製造方法の一例について説明する。まず、離型紙の製造装置60について説明する。
図3に示すように、離型紙の製造装置60は、シート状の基材22および基材22の一方の表面22a上に積層された金属層24を含む原反20を作製する手段(原反作製装置)61と、原反20に対してエンボス加工を施して、シート状部材50に転写されるべき凹凸模様12を原反20に形成する手段(エンボス加工装置)71と、を備えている。
図3に示すように、原反作製装置61は、帯状に延びる基材22を巻き取った供給ローラ62と、帯状に延びる金属シート25を巻き取った供給ローラ64と、二つの供給ローラ62,64の下流側に配置されたニップローラ65と、を有している。ニップローラ65は、供給ローラ62から供給された基材22と、供給ローラ64から供給された金属シート25と、をラミネートするようになっている。
また、供給ローラ62とニップローラ65との間には、粘着剤(図示せず)を供給する粘着剤供給装置63が設けられている。粘着剤供給装置63は、供給ローラ62から供給されてニップローラ65へと向かう基材22に対面するようにして、配置されている。さらに、ニップローラ65の下流側には、シリコーン樹脂を含んだ塗工液(図示せず)を供給する塗工液供給装置66と、供給された塗工液を乾燥させるための乾燥装置67とが、設けられている。塗工液供給装置66は、ニップローラ65によって基材22と積層された後の金属シート25(金属層24)に対面するようにして、配置されている。粘着剤供給装置63および塗工液供給装置66は、コータ等の既知の供給装置(塗工装置)から構成され得る。
一方、図3に示すように、エンボス加工装置71は、原反20に形成されるべき凹凸模様12に対応した凹凸部(図示せず)を有するエンボス型72と、エンボス型72に対向して配置され、エンボス型72との間で原反20を圧するようになるバックアップ体73と、を有している。本実施の形態において、エンボス型72は、ロール状のエンボスロールとして構成されている。そして、エンボスロール72の外周面に、凹凸模様12に対応した凹凸部が形成されている。また、本実施の形態において、バックアップ体73は、エンボスロール72に対向して配置され、原反20の移動速度に同期して回転可能なバックアップロールとして構成されている。バックアップロール73は、エンボスロール72との間で原反20を挟圧する。
次に、以上のような構成からなる離型紙の製造装置60を用いて、離型紙10を製造する方法を説明する。
まず、供給ローラ62から、ウェブ状の基材22が連続的に供給される。そして、供給ローラ62から供給されニップローラ65へと搬送される基材22の一方の表面22a上に、粘着剤供給装置63から粘着剤が供給されていく。また、供給ローラ62からの基材22の供給と並行して、供給ローラ64から、金属層24をなすようになるウェブ状の金属シート25が連続的に供給される。そして、図3に示すように、ニップローラ65によって、供給ローラ62から供給された基材22および供給ローラ64から供給された金属シート25が、粘着剤を介し、互いに向けて押圧される。この結果、基材22および金属シート25が互いに接着されて、基材22と、基材22上に積層された金属シート25からなる金属層24と、の積層体28が得られる。
その後、基材22と金属層24とを含む積層体28は、ニップローラ65から、塗工液供給装置66および乾燥装置67に対面する位置へと搬送される。そして、塗工液供給装置66から、積層体28の金属層24側の表面に塗工液が供給され、金属層24上に塗工液膜が形成される。その後、乾燥装置67によって塗工液膜が乾燥され、塗工液膜から溶剤が蒸発する。この結果、金属層24側の表面に、塗工液中に含まれていたシリコーン樹脂からなる表面層26が形成される。
以上のようにして、シート状の基材22と、基材22の一方の表面22a上に積層された金属層24と、金属層24の基材22に対面する側とは反対の側に設けられ、原反20の表面をなす表面層26であって、シリコーンを含有する表面層26と、を含む原反20が準備される。
図3に示すように、得られた原反20は、エンボス装置71のエンボスロール72とバックアップロール73との間に送り込まれ、エンボスロール72とバックアップロール73との間で挟圧される。なお、図3に示すように、原反20の表面層26がエンボス装置71のエンボスロール72に対面し、原反20の基材22がバックアップロール73に対面するようになる。これにより、エンボスロール72の凹凸部の形状に対応した凹凸模様(本実施の形態においては、皮模様)12が、表面層26の側から、表面層26、金属層24および基材22を変形させて、形成されるようになる。
ところで、原反20は、表面層26と基材22との間に、樹脂と比べて弾性変形量が少ない金属からなる金属層24を含んでいる。したがって、従来用いられていた原反と比較して、凸部12aと凹部12bとの間のギャップが大きくなっている凹凸模様12を精度良く形成することができる。また、金属層24の塑性変形量は、樹脂の塑性変形量と比べて加工速度の影響を受けにくい。すなわち、エンボス加工によって凹凸模様12を原反20に形成する際に、エンボス型72を長時間にわたって原反20に押しつけておくことなく、所望の形状の凹凸模様12を原反20に精度良く形成することができる。
以上のようにして、帯状に延びる離型紙10が製造されていく。図3に示す例において、製造された離型紙10は、回収ローラ79に巻き取られていく。ただし、回収ローラ79に離型紙10を巻き取ることに代え、離型紙10を適当な長さに切断して、所望の大きさを有した枚葉状の離型紙が製造されていくようにしてよい。
以上のように本実施の形態によれば、樹脂に比べて弾性変形量が少ない金属からなる金属層24が、基材22の一方の表面22a上に形成されている。そして、離型紙10は、この金属層24の側の表面から凹凸模様12を形成されている。したがって、主に樹脂からなる従来の離型紙10と比較して、凸部12aと凹部12bとの間のギャップが大きくなっている凹凸模様12を精度良く形成することができる。これにより、この離型紙10によれば、優れたコントラストを有する所望の模様をシート状部材50に転写することができる。また、金属層24の塑性変形量は、樹脂の塑性変形量と比較して加工速度の影響を受けにくい。すなわち、エンボス加工によって凹凸模様12を原反20に形成する際に、エンボス型72を長時間にわたって原反20に押しつけることなく、所望の形状の凹凸模様12を原反20に形成することができる。以上のことから、本実施の形態によれば、優れたコントラストを有する所望の模様12を転写し得る離型紙10を、短時間で、またこれにより安価に製造することができる。
なお、上述した実施の形態に関し、本発明の要旨の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、上述した実施の形態において、離型紙10が、金属層24の基材22に対面しない側に設けられ、シリコーンを含有した樹脂からなる表面層26を有する例を示したが、これに限られず、表面層26を省略することができる。
また、上述した実施の形態において、金属層24の基材22に対面しない側の表面上に、剥離性を有した表面層26を設ける例を示したが、これに限られない。図4に示すように、金属層24の基材22に対面する側とは反対の側の表面上に、金属層24に隣接して、硬化型の樹脂からなる硬化型樹脂層27を積層するようにしてもよい。なお、図4に示す変形例は、離型紙11(原反21)が表面層26に代えて硬化型樹脂層27を有する点において異なり、その他は上述した実施の形態と略同一である。図4において、上述した実施の形態と同一部分には同一符号を付し、重複する詳細な説明は省略する。
図4に示された硬化型樹脂層27は、上述した表面層26と同様にして形成することができる。すなわち、塗工液供給装置66から硬化型の樹脂を含んだ塗工液を、金属層24上に供給することによって、硬化型樹脂層27を形成することができる。そして、この硬化型樹脂層27の硬化処理は、エンボス加工後に実施されることが好ましい。すなわち、図3において二点鎖線で示すように、エンボス加工装置71の下流側に配置された硬化装置77によって、硬化型樹脂層27を硬化することが好ましい。この場合、エンボス加工時に硬化型樹脂層27がまだ硬化していないので、エンボス加工における成型性に悪影響を与えることはない。その一方で、エンボス加工によって凹凸模様12を形成した後に硬化型樹脂層27を硬化させることにより、いったん離型紙10に形成された凹凸模様12の形状が変形してしまうことを抑制することができる。すなわち、いったん離型紙10に形成された凹凸模様12の形状が、離型紙10の使用回数の増加にともなって、変形していくことを大幅に抑制することができる。これにより、離型紙10を長寿命化することができる。また、硬化型樹脂層27をなす樹脂は、一般的に、金属層24をなす金属よりも弾性変形しやすい。したがって、離型紙10の取り扱い中に外部の物にぶつける等して離型紙10を損傷してしまうことを大幅に抑制することができる。
なお、硬化型樹脂層27の厚みは、数μm〜数十μm程度、一例として5μmとすることができる。また、硬化装置77の構成は、塗工液供給装置66から供給される樹脂の硬化方法に応じて適宜選定され得る。例えば、塗工液供給装置66から熱硬化型の樹脂が供給される場合には、硬化装置77は塗工液膜を加熱し得るヒータとして構成され得る。また、塗工液供給装置66からUV硬化型の樹脂が供給される場合には、硬化装置77は塗工液膜にUV光を照射し得るUV光照射装置として構成され得る。さらに、塗工液供給装置66から電子線硬化型の樹脂が供給される場合には、硬化装置77は塗工液膜に電子線を照射し得る電子線照射装置として構成され得る。
ところで、この硬化型樹脂層27の金属層24に対面しない側の表面上に、上述したシリコーンを含有する樹脂からなる表面層26をさらに形成してもよい。あるいは、シリコーンを含有する硬化型樹脂から上述した表面層26を形成することにより、表面層26に硬化型樹脂層27の機能を持たせるようにしてもよい。
さらに、上述した実施の形態において、合成皮革用の離型紙10を製造する例を示したが、これに限られず、その他の用途に用いられる離型紙(一例として、壁紙用の離型紙)を製造するようにしてもよい。
さらに、上述した実施の形態において、離型紙の製造装置60が、原反作製装置61およびエンボス加工装置71を一つのライン内に含んでいる例を示したが、これに限られない。原反作製装置61およびエンボス加工装置71が別々のラインとして構成されていてもよい。
さらに、上述した実施の形態において、エンボス加工装置71がエンボスロールからなるエンボス型72を有する例を示したが、これに限られず、種々の既知なエンボス装置を採用することができる。例えば、ベルト式や平板式のエンボス型を被加工体に押圧するプレス装置を、エンボス加工装置として採用することができる。また、バックアップ体72のバックアップロールの外周面に、エンボス型72の凹凸部に対応した凹凸を形成してもよいし、あるいは、平坦面としてもよい。さらに、上述した実施の形態において、バックアップ体72がバックアップロールとして構成された例を示したが、これに限られず、エンボス型72との間で原反20を安定して支持することができる既知の装置類、例えば受け台をバックアップ体72として採用することができる。
変形例
実施例をあげて本発明をさらに説明する。
実施例として、厚さが200μmで坪量が200g/m2のクラフト紙を基材として用いるとともに、厚さが10μmのアルミニウム箔を金属シート(金属層)として用い、図3に示す製造方法により、図1に示す原反を作製した。膜厚が3μmのポリエステル系粘着剤(日本合成化学から入手可能な「XI−0001」)の塗布膜を、基材と金属シートとを接合する粘着剤として用いた。なお、ポリエステル系粘着剤の塗布膜は、ポリエステル系粘着剤を溶剤(トルエン)に溶かした状態で基材上に塗布し、その後、塗布膜を乾燥させることにより、基材上に形成した。表面層は、シリコーンを含有する熱硬化型の樹脂(信越化学から入手可能な「KE−103」)からなる膜厚0.6〜1.0μmの層とした。表面層は、シリコーンを含有する熱硬化型の樹脂を溶剤(トルエン)に溶かし込んだ状態で金属層上に塗布し、その後、溶剤を乾燥除去することによって、形成した。
一方、比較例として、厚さが150μmで坪量が200g/m2のクラフト紙を基材として用いるとともに、基材上に厚さが60μmのポリプロピレン樹脂からなる樹脂層を形成し、原反を作製した。
作製された二種類の原反に対して、同一のエンボス加工装置を用い、同一のエンボス加工条件により凹凸模様を形成した。エンボス加工条件は、通常用いられている一般的な条件とした。実施例としての原反に対して形成された凹凸模様と、比較例としての原反に対して形成された凹凸模様と、を目視で比較した。実施例としての原反に形成された凹凸模様の凸部と凹部との間のギャップは、比較例としての原反に形成された凹凸模様の凸部と凹部との間のギャップよりも大きくなっていた。
また、実施例としての原反に対して形成された凹凸模様の深さ(JISB0601に準拠して測定したRzで評価)は、比較例としての原反に対して形成された凹凸模様の深さ(JISB0601に準拠して測定したRzで評価)よりも、略3割ほど深くなっていた。なお、エンボス加工前における実施例としての原反の表面粗さ(JISB0601に準拠して測定したRzで評価)は、エンボス加工前における比較例としての原反の表面粗さ(JISB0601に準拠して測定したRzで評価)と、ほぼ同じであった。
図1は、本発明による一実施の形態を説明するための図であって、離型紙(型)の厚さ方向に沿った断面図である。 図2は、図1に示された離型紙を用いたシート状部材の作製方法を説明するための図である。 図3は、本発明による一実施の形態を説明するための図であって、離型紙(型)の製造方法および製造装置を示す図である。 図4は、図1に対応する図であって、離型紙(型)の変形例を示す断面図である。
符号の説明
10,11 型(離型紙)
12 凹凸模様
12a 凹凸模様の凸部
12b 凹凸模様の凹部
20,21 原反
22 基材
24 金属層
26 表面層
27 硬化型樹脂層
50 シート状部材(被加工体の一例)
60 製造装置
61 手段(原反作製装置)
71 手段(エンボス加工装置)
77 手段(硬化装置)

Claims (10)

  1. 被加工体に凹凸模様を形成するための型であって、
    シート状の基材と、
    前記基材の一方の表面上に積層された金属層と、を備え、
    前記被加工体に転写されるべき凹凸模様が、前記金属層の側の表面から形成されている
    ことを特徴とする型。
  2. 前記金属層の前記基材に対面する側とは反対の側に設けられた層であって、シリコーンを含有する表面層をさらに備え、
    前記表面層は、前記被加工体に前記凹凸模様を形成する際に前記被加工体に当接する側の表面をなす
    ことを特徴とする請求項1に記載の型。
  3. 前記表面層は、シリコーンを含有する硬化型の樹脂からなる
    ことを特徴とする請求項2に記載の型。
  4. 前記金属層の前記基材に対面する側とは反対側の表面上に積層された層であって、硬化型樹脂からなる硬化型樹脂層をさらに備える
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の型。
  5. 被加工体に凹凸模様を形成するための型を製造する製造方法であって、
    シート状の基材と、前記基材の一方の表面上に積層された金属層と、を含む原反を準備する工程と、
    エンボス加工により、前記原反の前記金属層の側の表面から前記金属層および前記基材を変形させて、前記被加工体に転写されるべき凹凸模様を前記原反に形成する工程と、を備える
    ことを特徴とする型の製造方法。
  6. 前記原反を準備する工程において、
    前記基材と、
    前記金属層と、
    前記金属層の前記基材に対面する側とは反対の側に設けられ、原反の表面をなす表面層であって、シリコーンを含有する表面層と、を含む原反が準備される
    ことを特徴とする型の製造方法。
  7. 前記原反を準備する工程において、
    前記基材と、
    前記金属層と、
    前記金属層の前記基材に対面する側とは反対側の表面上に積層された層であって、硬化型樹脂からなる硬化型樹脂層と、を含む原反が準備され、
    前記凹凸模様を前記原反に形成する工程において、エンボス加工により、前記硬化型樹脂層、前記金属層および前記基材を変形させて、前記被加工体に転写されるべき凹凸模様が前記原反に形成され、
    前記凹凸模様を前記原反に形成する工程の後に、前記変形させられた前記硬化型樹脂層をなす前記硬化型樹脂を硬化させる工程がさらに実施される
    ことを特徴とする請求項5または6に記載の型の製造方法。
  8. 被加工体に凹凸模様を形成するための型を製造する製造装置であって、
    シート状の基材と、前記基材の一方の表面上に積層された金属層と、を含む原反を作製する手段と、
    エンボス加工により、前記原反の前記金属層の側の表面から前記金属層および前記基材を変形させて、前記被加工体に転写されるべき凹凸模様を前記原反に形成する手段と、を備える
    ことを特徴とする型の製造装置。
  9. 前記原反を作製する手段は、前記基材の一方の表面上に金属層を積層し、その後、前記金属層の前記基材に対面する側とは反対の側に、原反の表面をなす表面層であって、シリコーンを含有する表面層を積層して、原反を作製する
    ことを特徴とする型の製造装置。
  10. 前記原反を作製する手段は、前記基材の一方の表面上に金属層を積層し、その後、前記金属層の前記基材に対面する側とは反対側の表面上に、硬化型樹脂からなる硬化型樹脂層を積層して、原反を作製し、
    前記凹凸模様を前記原反に形成する手段は、エンボス加工により、前記硬化型樹脂層、前記金属層および前記基材を変形させて、前記被加工体に転写されるべき凹凸模様を前記原反に形成し、
    前記変形させられた前記硬化型樹脂層を硬化させる手段がさらに設けられている
    ことを特徴とする請求項8または9に記載の型の製造装置。
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