JP2008213398A - ラミネート装置及び長尺シートの加工方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一対のシート供給手段とシート圧着手段を備えたラミネート装置に、紫外線硬化性の塗剤を塗布する塗剤塗布手段と乾燥手段と塗剤硬化手段と一対のシート巻き取り手段とを設け、両シート供給手段から基材シートと賦型シートをそれぞれ送り出し、基材シートに塗剤を塗布し必要に応じ乾燥させ、当該塗布面に賦型シートを貼り合わせて圧着した状態で塗剤を硬化させた後、基材シートから賦型シートを剥離して両シートをシート巻き取り手段で巻き取る。
【選択図】図1
Description
然しながら、紫外線硬化性樹脂を用いてラベルの表面に凹凸溝を形成する前記従来の加工装置は、縦横の寸法が短い短冊形のラベルの加工に対応したものであり、長尺のプラスチックシートを連続的に加工することはできなかった。
また、従来の加工装置では、紫外線ランプで紫外線を照射する時に加工ラベルと型用フィルムとに多くの熱がかかってしまうため、加工ラベルと型用フィルムが変形を来すおそれがあった。
さらに、従来の加工装置では、加工ラベルと型用フィルムは、両フィルム間に介在する硬化前の紫外線硬化性樹脂の粘着性によって粘着させたのみの状態で、紫外線を照射し樹脂を硬化させていたので、型用フィルムの凹凸溝の転写精度が悪く、加工ラベル表面に凹凸溝を綺麗に精度良く転写することが困難であった。
前記賦型シートを供給する第2のシート供給手段がロール状であり、
前記圧着手段で貼り合わされた両シートを分離してそれぞれに巻き取る一対のシート巻き取り手段を前記塗剤硬化手段の後段に設けた構成を有することを特徴とする。
また、前記塗剤塗布手段の後段で前記塗剤硬化手段の間に、塗剤乾燥手段を設けることがより好ましい。この塗剤乾燥手段を備えることにより、溶剤を含む場合でも塗剤を確実に乾燥させることができる。
本発明における光硬化性樹脂とは、光の照射により流動性を失って固体又はゲル状態になる樹脂、或いは樹脂組成物などをいう。例えば、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂などがある。また、可視光、X線、α線、β線、γ線などのその他の光線により硬化する樹脂、樹脂組成物などもこれに含まれる。
特に、光硬化性樹脂として紫外線硬化性樹脂を使用することが好ましい。紫外線硬化性樹脂は光硬化性樹脂の中では最も取り扱いが簡便であり、種類も多いからである。また、電子線硬化性樹脂を用いることも好ましい。電子線硬化性樹脂は、一般的には重合開始剤を含んでいないため、硬化後の樹脂硬化物の物性に優れているという利点がある。
塗剤硬化手段は、塗剤が紫外線硬化性樹脂のときは紫外光放射装置、電子線硬化性樹脂のときは電子線放射装置のように、塗剤塗布手段で塗布する光硬化性樹脂に応じた光放射手段、或いは発光装置が用いられる。
一般に紫外線などを放射する発光装置は、発光に伴って多大な熱を発生する。ラミネート装置では、プラスチックフィルムなどの熱に弱い基材を主に扱うので、発光に伴う熱の影響を受けて基材シートが熱変形するおそれがある。とりわけ、厚さ100μm以下の薄膜フィルムは熱に弱く、熱の影響がある中でフィルム表面に極めて微細な、例えば2〜5μmの幅の凹凸溝を形成加工は困難である。
そこで、本発明では、塗剤硬化手段として光放射手段や発光装置を用いる場合は、貼り合わせたシートを冷却する手段を含んだ構成とし、貼り合わせたシートを冷却しながら光を照射することで、基材シートへの熱の影響を少なくして、シートが熱変形するのを防止している。
このように貼り合わせたシートにテンションをかけてドラムに密着させた状態にて塗剤硬化手段で塗剤を硬化させるので、賦型シート表面の極めて微細な凹凸溝などを、基材シート上により確実に転写することが可能である。
前記賦型シートを供給する第2のシート供給手段がロール状であり、
前記圧着手段で貼り合わされた両シートを分離してそれぞれに巻き取る一対のシート巻き取り手段を前記塗剤硬化手段の後段に設けた構成を有するラミネート装置を用いた加工方法であって、
前記第1のシート供給手段から基材シート、第2のシート供給手段から賦型シートをそれぞれ送り出す工程、基材シート又は賦型シートの表面に塗剤を塗布する工程、塗剤が塗布された面を他方のシートの表面に向けて基材シートと賦型シートを貼り合わせる工程、塗剤を硬化させる工程、及び基材シートから賦型シートを剥離する工程を経て、基材シートの表面を賦型シートの表面型に加工することを特徴とするものである。
前記構成の長尺シートの加工方法において、塗剤が光硬化性樹脂であり、塗剤を硬化させる工程が光の照射を含んだ工程であり、且つ、貼り合わせたシートを冷却しながら前記塗剤を硬化させる工程を有することが好ましく、これにより、光放射源からの熱ダメージを受けることなく、基材シートの表面を高精度に加工することが可能となる。
さらに、貼り合わせたシートにテンションをかけてドラムに密着させ、その状態で塗剤硬化手段で塗剤を硬化させる工程を有することが好ましい。
このように長尺シート同士をラミネートする一連の工程でシート表面に加工を施すことができるので、表面に凹凸溝などが形成されたシートを、使用する長さを問わず、様々な分野及び用途で利用することが可能となる。
また、基材シートと貼り合わす賦型シートを、その表面型を異ならせて幾つか設けておくことにより、例えば微細な凹凸溝が形成されたもの(半艶面)、粗い凹凸溝が形成されたもの(艶消し面)、表面が平滑なもの(艶面)などというように異なる表面型のものを準備しておき、これらを選択的に用いて基材シートと貼り合わせ、剥離することで、表面が半艶面、艶消し面、艶面など賦型シートの表面型に対応した形状の表面加工がなされた基材シートを得ることが可能である。
図1は本発明のラミネート装置の一実施形態を示しており、図中、符号BSは基材シート、PSは賦型シート、1、2はシート供給手段、3は塗剤塗布手段、4は乾燥手段、5は圧着手段、6は塗剤硬化手段、7、7は剥離ローラー、8、9はシート巻き取り手段、10は各手段間に配したテンションローラー、11は冷却手段である。
塗剤として紫外線硬化性樹脂組成物を用い、長尺な基材シートBSの表面に、賦型シートPSの微細な凹凸型を連続的に転写する加工を行った。
基材シートBSは、長さ1000m、厚さ50μm、幅1280mmの易接着PETフィルム(東洋紡社製)を用い、賦型シートPSは、長さ1000m、厚さ50μm、幅1280mmのPETフィルム(東レ株式会社製の「ルミラー」(登録商標))を用いた。このフィルムは、表面に2〜5μmのランダムな凹凸を形成して艶消しエンボス加工がなされたフィルムである。
ビームセット577(荒川化学社製) 50重量部
ビームセット371(荒川化学社製) 50重量部
アエロジルR7200(日本アエロジル社製)5重量部
イルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ)3重量部
BYK−333(ビックケミー社製) 0.01重量部
酢酸ブチル 80重量部
エチレングリコールモノメチルエーテル 10重量部
2−プロパノール 10重量部
また、塗剤硬化手段6の紫外線照射装置6bとして、120W/cmのメタルハライドランプを使用した。
塗剤である前記紫外線硬化性樹脂組成物を塗剤塗布手段3に供給し、当該手段のコーターヘッドの位置を調整することで、基材シートBSの送り出し速度を20m/分とした時に、基材シートBS上に前記塗剤が約20μmの厚さで塗布されるように設定した。
乾燥手段4の乾燥炉4aは、上記の塗布条件とした場合に、基材シートBSの変形が起きず、且つ溶剤が完全に蒸発しきる温度に設定した。
シート供給手段2の賦型原反給紙ローラーには、賦型シートPSをその凹凸加工面が内巻きとなるようにセットした。
乾燥手段4を通って送り出される基材シートBSの塗剤塗布面と、シート供給手段2から送り出される賦型シートPSの凹凸加工面とを重ね、これを対になっている圧着手段5の押圧ローラー5a、5a間を通して一体に圧着させた。
押圧ローラー5a、5aで一体に圧着されたシートを、テンションローラー10でテンションを与え、引っ張ることにより、ドラム6aに密着させた。
ドラム6aは冷却手段11で十分に冷却した状態に保っておき、ドラム6aの周面に重なった前記一体のシートの表面に、紫外線照射装置6b、6bで紫外線を照射して、前記両シート間の塗剤を硬化させた。
塗剤を硬化させた一体のシートを剥離ローラー7、7を通して、塗膜が形成された基材フィルムBSをシート巻き取り手段8のローラーに、賦型シートPSをシート巻き取り手段9のローラーにそれぞれ巻き取った。
Claims (7)
- 基材シートが巻かれた原反ロールを支持して前記シートを送り出す第1のシート供給手段と、賦型された賦型シートを支持して前記シートを送り出す第2のシート供給手段と、第1又は第2のシート供給手段の後段にシート表面に塗剤を塗布する塗剤塗布手段と、前記塗剤塗布手段の後段に送り出されるシート同士を貼り合わせる二本の圧着ロールからなる圧着手段と、圧着手段の後段に前記塗布された塗剤を硬化させる塗剤硬化手段とを備えたラミネート装置において、
前記賦型シートを供給する第2のシート供給手段がロール状であり、
前記圧着手段で貼り合わされた両シートを分離してそれぞれに巻き取る一対のシート巻き取り手段を前記塗剤硬化手段の後段に設けた構成を有することを特徴とするラミネート装置。 - 塗剤塗布手段で光硬化性樹脂を基材シートに塗布し、貼り合わせたシートに、塗剤硬化手段で光を照射する構成を備えた請求項1に記載のラミネート装置。
- 塗剤硬化手段は、貼り合わせたシートを冷却する手段を含んで構成されたことを特徴とする請求項2に記載のラミネート装置。
- 貼り合わせたシートにテンションをかけてドラムに密着させ、その状態で塗剤硬化手段で塗剤を硬化させる構成を備えた請求項1〜3のいずれかに記載のラミネート装置。
- 基材シートが巻かれた原反ロールを支持して前記シートを送り出す第1のシート供給手段と、賦型された賦型シートを支持して前記シートを送り出す第2のシート供給手段と、第1又は第2のシート供給手段の後段にシート表面に塗剤を塗布する塗剤塗布手段と、前記塗剤塗布手段の後段に送り出されるシート同士を貼り合わせる二本の圧着ロールからなる圧着手段と、圧着手段の後段に前記塗布された塗剤を硬化させる塗剤硬化手段とを備えていて、
前記賦型シートを供給する第2のシート供給手段がロール状であり、
前記圧着手段で貼り合わされた両シートを分離してそれぞれに巻き取る一対のシート巻き取り手段を前記塗剤硬化手段の後段に設けた構成を有するラミネート装置を用いた長尺シートの加工方法であって、
前記第1のシート供給手段から基材シート、第2のシート供給手段から賦型シートをそれぞれ送り出す工程、基材シート又は賦型シートの表面に塗剤を塗布する工程、塗剤が塗布された面を他方のシートの表面に向けて基材シートと賦型シートを貼り合わせる工程、塗剤を硬化させる工程、及び基材シートから賦型シートを剥離する工程を経て、基材シートの表面を賦型シートの表面型に加工することを特徴とする長尺シートの加工方法。 - 塗剤が光硬化性樹脂であり、塗剤を硬化させる工程が光の照射を含んだ工程であり、且つ、貼り合わせたシートを冷却しながら前記塗剤を硬化させる工程を有することを特徴とする請求項5に記載の長尺シートの加工方法。
- 貼り合わせたシートにテンションをかけてドラムに密着させ、その状態で塗剤硬化手段で塗剤を硬化させる工程を有することを特徴とする請求項5又は6に記載の長尺シートの加工方法。
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