JP2009050857A - プレス機械 - Google Patents

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Hirohide Sato
宏秀 佐藤
Takumi Sakano
匠 坂野
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Abstract

【課題】騒音を小さくできるとともにねじれや揺れが少ないプレス機械の提供。
【解決手段】サーボモータ17に連結されるメインピニオン27にメインギア28が噛合されるとともにこのメインギア28にスライド昇降機構が連結される駆動系統が偶数系統設けられる。メインピニオン27とメインギア28とがそれぞれハス歯で構成されるとともに隣り合う駆動系統でハス歯の歯スジの向きが逆の関係になり、隣り合うメインギア28の回転方向が逆となる。
【選択図】図8

Description

本発明は、スライドの昇降動でワークをプレス加工するプレス機械に関する。
プレス機械は、モータから出力される回転運動をスライドの昇降運動に変換してプレス加工を行うものである。
このプレス機械は、モータに連結されるメインピニオンにメインギアが噛合されるとともにこのメインギアにスライド昇降機構が連結される駆動系統が設けられることが一般的である。
従来例として、2個のサーボモータにそれぞれピニオンを連結し、これらのピニオンにそれぞれメインギアを噛合し、これらのメインギア同士を噛合するとともに、それぞれのメインギアにクランク軸及びコンロッドを介してスライドに連結する構造のプレス機械がある(特許文献1)。
異なる従来例として、回転駆動力が伝達される1個のピニオンにそれぞれ2個の大きな中間ギアを噛合し、これらの中間ギアに同軸に設けられたギアに1個のメインギアを噛合したプレス機械がある(特許文献2)。
特開2004−17089号公報(図4) 特開2004−42075号公報
ギアとして、製造が容易な点から平歯車が多用されているが、この平歯車に比べ伝動がきわめて円滑で振動音も少ないという利点があるため、ハス歯歯車が用いられる。
プレス機械においても大きな駆動力がかかる部分にハス歯歯車を用いられることが考えられる。
特許文献1のプレス機械では、メインピニオンとメインギアとをハス歯にすることが考えられるが、メインギア同士が噛合されているため、左右に配置されるメインギアの歯スジが対称な形状となる。
そのため、メインピニオンの回転に伴ってメインギアが回転すると、2個のメインギアのうち一方にプレス機械前方へのスラスト力が生じ、他方にプレス機械後方へのスラスト力が生じる。
メインギアはプレス機械の駆動系統を構成する歯車の中で大きな歯車であるため、メインギアに生じるスラスト力も大きなものになり、プレス機械の前後方向という異なる2方向のスラスト力によってプレス機械全体にねじれが生じ、当該前後方向でのスライドの下死点位置が異なることになる。
特許文献2のプレス機械では、1個のピニオンと2個の中間ギアとをそれぞれハス歯にすることが考えられるが、中心にあるピニオンに対して中間ギアが両側に配置される構成となっているため、中間ギアの回転方向が同方向となる。
これらの中間ギアは大きいものであるため、その回転に伴ってプレス機械自体が振動することがあり、2個の中間ギアの回転方向が同じであると同調して大きな振動を生じ、プレス機械が揺れる。
本発明の目的は、騒音を小さくできるとともにねじれや揺れが少ないプレス機械を提供することである。
本発明の請求項1に記載のプレス機械は、回転駆動源に連結されるメインピニオンにメインギアが噛合されるとともにこのメインギアにスライド昇降機構が連結される駆動系統が偶数系統設けられ、これらの駆動系統にスライドが連結されたプレス機械であって、前記駆動系統の前記メインピニオンと前記メインギアとがそれぞれハス歯で構成されるとともに隣り合う駆動系統でハス歯の歯スジの向きが逆の関係になり、隣り合う前記メインギアの回転方向が逆であることを特徴とする。
本発明の請求項2に記載のプレス機械は、請求項1に記載されたプレス機械において、前記メインピニオンと前記メインギアとの間のギア比は前記偶数の駆動系統で同じであることを特徴とする。
本発明の請求項3に記載のプレス機械は、請求項1又は請求項2に記載されたプレス機械において、前記メインピニオンと前記メインギアとは前記偶数の駆動系列において略同一平面内に配置されていることを特徴とする。
本発明の請求項4に記載のプレス機械は、請求項1から請求項3のいずれかに記載されたプレス機械において、前記回転駆動源はサーボモータであることを特徴とする。
本発明の請求項5に記載のプレス機械は、請求項4に記載されたプレス機械において、 前記メインギアの回転角度を検出するエンコーダを前記駆動系統毎に備え、これらのエンコーダからの検出値に基づいて前記サーボモータをそれぞれフィードバック制御することを特徴とする。
請求項1のプレス機械では、各駆動系列毎に、回転駆動源から出力される回転力はメインピニオン、メインギア及びスライド昇降機構に伝達され、スライド昇降機構からスライドに伝達されてスライドが昇降される。
本発明では、メインピニオンとメインギアとがそれぞれハス歯で構成されているため、歯車同士の動力伝達が滑らか、かつ、静かに行われる。
そして、隣り合う駆動系統でハス歯の歯スジの向きが逆の関係、つまり、一方の駆動系統のメインギアと他方の駆動系統のメインギアとの歯スジが逆に形成されており、かつ、隣り合うメインギアの回転方向が逆、つまり、一方のメインギアが時計方向に回転し、他方のメインギアが反時計方向に回転する。そのため、隣り合うメインギア同士に生じるスラスト力が同じ方向であるため、プレス機械自体がねじれることがなく、その上、メインギアの回転が互いに逆であるため、メインギアの回転に伴う振動が相殺されることになってプレス機械の揺れが少なくなる。
請求項2のプレス機械によれば、メインピニオンとメインギアとの間のギア比が各駆動系統で同じであるため、メインギアのスラスト力や回転数が各駆動系統で同じとなり、プレス機械のねじれや揺れを効率的に防止することができる。
請求項3のプレス機械によれば、メインピニオンとメインギアとが略同一平面内に配置されているので、プレス機械内での駆動系統の配置が容易となる。
請求項4のプレス機械によれば、回転駆動源がサーボモータであるため、スライドの昇降制御を容易に行うことができる。しかも、プレス機械にねじれや揺れを生じないようにメインギアの回転数を容易に制御することができる。
請求項5のプレス機械によれば、前記メインギアの回転角度を検出するエンコーダを前記駆動系統毎に備え、これらのエンコーダからの検出値に基づいて前記サーボモータをそれぞれフィードバック制御するから、メインギアの角度が確実にフィードバックされ、サーボ制御の精度を向上させることができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1、図2及び図3には本実施形態にかかるプレス機械の全体構成がそれぞれ示されている。図1はプレス機械の斜視図であり、図2は図1と逆の方向から見た斜視図であり、図3は一部を破断したプレス機械の正面図である。
図1から図3において、プレス機械は、ベッド11と、ベッド11の側面に設けられるとともに下部が固定されたサイドフレーム12と、このサイドフレーム12の上部に設置されるクラウン13とを備えている。
サイドフレーム12はサイドプレート132と、このサイドプレート132に両側に沿って配置された補強部材136とを備えている。
クラウン13の下方にはスライド14が設けられており、クラウン13に支持されるスライド昇降機構15によって昇降動可能とされている。このスライド14の下面には上金型(図示せず)が取り付けられている。なお、図3中、符号14Aはバランサシリンダである。
ベッド11上にはボルスタ16が設置されており、このボルスタ16には下金型(図示せず)が取り付けられている。スライド昇降機構15の駆動によってスライド14が昇降動すると、上金型及び下金型の間に載置されたワーク(図示せず)がプレス成形される。
2つのサイドフレーム12のうちプレス機械背面側にはテーブル121が架け渡され、このテーブル121にはタンク120が設置されている(図7参照)。テーブル121の両端部にはサーボ盤122が設けられている。
クラウン13は、互いに対向配置されたクラウンフレーム131と、頂部に設けられた天板133と、底部に設けられた底板134とを備えている。
クラウンフレーム131はプレス機械正面側と背面側とにそれぞれ配置されており、正面に配置されたクラウンフレーム131の正面にカバー135が設けられ、背面に配置されたクラウンフレーム131には回転駆動源としてのサーボモータ17が2個設けられている。
これらのサーボモータ17は、それぞれクラウンフレーム131側に配置された基端部171と、この基端部171に連接されクラウンフレーム131から突出した突出部172とを有する構造である。突出部172はブラケット18で支持されている。
図4から図7は、それぞれプレス機械の内部構造が示されている。図4はプレス機械の縦断面図であり、図5は図1のV−V線に沿う矢視断面図であり、図6は図3のVI−VI線に沿う矢視断面図であり、図7はサーボモータを取り外した状態のプレス機械の背面図である。
図4から図7において、2個のサーボモータ17は、それぞれスライド駆動機構19を介してスライド14に連結されている。スライド駆動機構19は、前記スライド昇降機構15と、このスライド昇降機構15とサーボモータ17との間に設けられた減速機構20とを備えている。
減速機構20は、サーボモータ17に連結機構21を介して連結された高速ギア群22と、この高速ギア群22に連結された低速ギア群23とを備えている。高速ギア群22はサーボモータ17の高速回転を急激に減速させるものであり、互いに噛合する歯車のギア比は大きい。これに対して、低速ギア群23は高速ギア群22で出力される回転数を緩やかに減速させるものであり、互いに噛合する歯車のギア比は小さい。本実施形態では、高速ギア群22と低速ギア群23との区分けは適宜設定できるものである。
連結機構21は箱形のケーシング211と、このケーシング211の内部に設けられたカップリング部材212とを備えている。
高速ギア群22は、図示しない複数の歯車列から構成され、かつ、ギアボックス24の内部に配置されている。そして、高速ギア群22は、出力軸22Aを備え、この出力軸22Aはギアボックス24及びクラウンフレーム131を貫通して、その先端部がクラウン13の内部に露出されている。
本実施形態では、サーボモータ17、減速機構20及びスライド昇降機構15が2系統設けられており、これらの2系統毎にギアボックス24が設けられている。連結機構21はギアボックス24に設けられている。
ギアボックス24は直方体状の箱から形成されており、その材料は断熱性の高いものが用いられる。本実施形態では、ギアボックス24の材料自体を断熱性の高い材質を使用することに変えてギアボックス24の表面に断熱材を設ける構成としてもよい。
ギアボックス24の内部には潤滑油が収納されている。ギアボックス24の潤滑油はオイルバス方式としてもよい。ギアボックス24をオイルバス方式にすることで、配管や潤滑油供給用ポンプを設けることを要しないので、潤滑装置の構造を簡易なものにできる。これに対して、本実施形態では、ギアボックス24に配管を接続し、この配管を通じて潤滑油供給用ポンプから潤滑油を供給するものでもよい。この場合、ギアボックス24から排出される潤滑油を冷却手段で冷却した後フィルタを通して再度ギアボックス24に供給する構成としてもよい。潤滑油をギアボックス24に供給する構成を採用することで、汚れがなく冷却された潤滑油で高速ギア群22を潤滑することができる。いずれの構成を採用するにしても本実施形態では、減速機構20のうち発熱が大きな高速ギア群22が低速ギア群23とは独立して潤滑されることになり、潤滑油温度上昇を効率的に防ぐことで、スライド昇降機構15に伝達される熱の温度が低くなる。
ギアボックス24は、そのプレス機械正面側が背面側のクラウンフレーム131にスペーサ25を介して取り付けられている。スペーサ25は断熱性の材料から形成されるものでもよく、あるいは、表面に断熱材を設ける構成でもよい。
図7に示される通り、スペーサ25は、ギアボックス24の4箇所の隅部とクラウンフレーム131との間に設けられている。そのため、ギアボックス24とクラウンフレーム131との間には所定の隙間が形成されている。なお、中央部に配置されるスペーサ25は隣り合うギアボックス24を受けるために他のスペーサ25に比べて面積が大きい。
ギアボックス24のサーボモータ側に連結機構21のケーシング211が取り付けられている。
図5及び図6に示される通り、低速ギア群23は、高速ギア群22の出力軸22Aと結合される回転軸26と、この回転軸26に結合されるメインピニオン27と、このメインピニオン27と噛合するメインギア28とを備えて構成されている。
このメインギア28は、その回転軸28Aの両端側が互いに対向配置されたクラウンフレーム131に軸受け29を介して回転自在に設けられている。
メインギア28の回転軸28Aは、その一端部が背面側のクラウンフレーム131から突出して設けられており、この突出した部分の中間位置が蓋部材30に軸支されている。そして、回転軸28Aの蓋部材30から突出した部分の先端にはメインギア28の回転角度を検出するエンコーダ31が対向配置されており、このエンコーダ31は取付金具32を介して蓋部材30に取り付けられている。
エンコーダ31で検出されたメインギア28の回転角度のデータは図示しない制御手段に送られ、この制御手段によってサーボモータ17がフィードバック制御される。
メインピニオン27とメインギア28との噛合関係が図8で模式的に示されている。
図8において、サーボモータ17、メインピニオン27及びメインギア28が2系統示されており、本実施形態では、高寿命化を図るために、メインピニオン27とメインギア28とは互いに噛合するハス歯で構成されている。このハス歯の向きは2系統で互いに逆の関係となっている。つまり、図8中、左右2個配置されるメインピニオン27は、その歯スジが逆であり、これらのメインピニオン27と噛合するメインギア28は、メインピニオン27と歯スジが逆であり、その結果、メインギア28同士も歯スジは逆となる。
ここで、各サーボモータ17を作動させてメインピニオン27を互いに異なる回転方向、例えば、一方のメインピニオン27を時計方向、他方のメインピニオン27を反時計方向に回転させると、一方のメインピニオン27に噛合するメインギア28は反時計方向に回転し、他方のメインピニオン27に噛合するメインギア28は時計方向に回転する。
そのため、メインギア28同士の歯スジが逆の関係にある(左右のメインギア28で歯スジが対称である)ため、サーボモータ17から出力される回転力がメインピニオン27及びメインギア28を介してスライド昇降機構15に伝達される際に、スラスト力の向きが2系統で同じになり、メインピニオン27やメインギア28を支持するクラウン13にねじりが生じない。そして、大きなメインギア28同士が互いに逆方向に回転するので、回転に伴う振動が相殺され、プレス機械自体の揺れが大幅に抑制される。
特に、本実施形態では、2個のメインギア28の回転数がそれぞれエンコーダ31で検出されてフィードバック制御されるプレス機械であるため、メインギア28に生じるスラスト力が同じ方向に働くことになり、メインギア28同士の相対的な変位が少ないので、制御が正確に行える。
そして、2系統において、メインピニオン27とメインギア28とのギア比が同じである。さらに、2系統のメインピニオン27及びメインギア28は略同一平面内に配置されている。そのため、この点からも、クラウン13にねじりが生じにくくなっている。
図3から図5において、スライド昇降機構15はメインギア28に結合されたエキセンドラム33と、このエキセンドラム33に接続されるコンロッド34と、このコンロッド34に連結されるとともに下端部がスライド14に接続されたプランジャ35とを備えている。
ここで、メインピニオン27、メインギア28及びエキセンドラム33はクラウン13の内部に配置されており、これらの部品は、クラウン13の内部に収納された潤滑油で潤滑されている。本実施形態では、クラウン13の内部における潤滑はギアボックス24の内部の潤滑とは別に行われていればよい。例えば、潤滑油が収納された状態のオイルバス方式としてもよく、クラウン13に配管を接続し、この配管を通じて潤滑油供給用ポンプから潤滑油を供給するものでもよい。この際、配管にフィルタを設け、ポンプとクラウン13との間で潤滑油を循環させるものでもよい。
コンロッド34は、上方に形成されるリング状部34Aと、リング状部34Aの外周から径方向外側に向かって突出する棒状部34Bとを備えている。
リング状部34Aはエキセンドラム33の外周側に配置され、リング状部34Aの内周がエキセンドラム33の外周に対して摺動可能となっている。棒状部34Bはクラウンフレーム131の下方に突出し、先端側がプランジャ35に軸支されている。
プランジャ35は、クラウンフレーム131に取り付けられたガイドフレーム36によって鉛直上下方向に移動可能となっている。
サーボモータ17を支持するブラケット18の構成が図9から図12に示されている。
図9はブラケット18が取り付けられた状態を示すプレス機械の平面図であり、図10はプレス機械にブラケットが取り付けられた状態を示す側面図であり、図11は、図10の平面図であり、図12はブラケットの背面図である。
これらの図において、ブラケット18は、背面側のクラウンフレーム131に取り付けられる取付部37と、サーボモータ17の突出部172を支持する支持部38と、これらの取付部37と支持部38との間に設けられたトラス部39とを備え、サーボモータ17の振動を抑制し、軸振れやモータ取付部の破損を防止する構造である。特に、本実施形態では、トラス部39が取付部37と支持部38との間に設けられているので、重量の大きなサーボモータ17をブラケット18で確実に支持することができる。
取付部37は、クラウンフレーム131にそれぞれ固定された4本の片持ち梁から構成されており、これらの4本の片持ち梁は、その取付位置を結ぶ長方形の中に2個のサーボモータ17が配列されている。
支持部38は、突出部172の先端部と連結される連結部材40と、この連結部材40に両端部が支持固定されるとともに突出部172の周囲を覆うコ字型部材41とを有し、サーボモータ17をブラケット18に確実に固定する構造である。そのため、プレス成形時あるいは地震等でプレス機械に振動が加わっても、サーボモータ17がブラケット18から脱落することがない。
連結部材40は、水平方向に延びる連結梁42と、この連結梁42の中間部の異なる2箇所にそれぞれ設けられた連結プレート43と、これらの連結プレート43を連結梁42に支持するための支持片44とを有する。連結梁42は2個のサーボモータ17に挟まれるように配置される。
2個の連結プレート43のうち一方の連結プレート43は一方のサーボモータ17の突出部172の下面と当接し、この連結プレート43の下面と連結梁42の鉛直面との間に支持片44が接合される。他方の連結プレート43は他方のサーボモータ17の突出部172の上面と当接し、この連結プレート43の上面と連結梁42の鉛直面との間に支持片44が接合される。そのため、本実施形態では、2個のサーボモータ17を1個のブラケット18で同時に支持固定することができる。
コ字型部材41は、連結プレート43において突出部172を挟んでそれぞれ立設される2本の支柱部411と、これらの支柱部411の先端部同士を連結するロッド412とを有する。ロッド412は、サーボモータ17に設けられた端子(図示せず)との干渉を防止するために、サーボモータ17の軸心に対して斜めに配置されている。
ロッド412には突出部172を連結プレート43に向かって付勢する押え部材413が設けられている。この押え部材413は、突出部172を当接する当接ブロック414と、この当接ブロック414と先端で固定するとともにロッド412に進退自在に設けられた2本の進退部材415と、これらの進退部材415とロッド412との間に設けられ当接ブロック414を突出部172に向けて付勢する図示しないばねとを有する。
トラス部39は、連結梁42の両側にそれぞれ設けられており、上下に並んだ取付金具47にそれぞれ連結された直線部45と、この直線部45の両端側に一端がそれぞれ連結されるとともに連結梁42に他端が連結される2本の傾斜部46とを有し、鉛直面内に位置する略二等辺三角形である。
これらの直線部45及び傾斜部46は、それぞれアングル材から形成されている。
以上の構成のプレス機械では、サーボモータ17が作動されると、減速機構20及びスライド昇降機構15を介してスライド14が昇降操作され、このスライド14の操作に伴ってプレス加工が行われる。ここで、減速機構20を構成する高速ギア群22がギアボックス24の内部で潤滑され、低速ギア群23等がクラウン13の内部で潤滑される。そして、低速ギア群23を構成するメインピニオン27とメインギア28とは互いに歯溝が逆となるハス歯で構成されているため、2個のメインギア28は同じ方向にスラスト力が働くことになり(図8参照)、メインギア28を支持するクラウン13の変形が大幅に抑制される。
プレス加工に伴ってスライド14とボルスタ16との間に反力が生じ、スライド14を介してクラウン13が変形しようとする力が働くが、ブラケット18でサーボモータ17が支持されているので、サーボモータ17の変位が極めて少ない。
次に、本実施形態の効果を確認するための実施例について図13に基づいて説明する。
本実施例では、ギアボックス24の内部潤滑を、潤滑油を収納したオイルバス方式とし、クラウン13の内部潤滑を、配管、潤滑油供給用ポンプ及びフィルタを用いた潤滑油循環方式とした。これに対して、比較例は減速機構を構成する高速ギア群及び低速ギア群をクラウン内で一緒に潤滑するもので、配管、潤滑油供給用ポンプ及びフィルタを用いた潤滑油循環方式とした。
これらの実施例と比較例とで減速機構を潤滑した際の経過時間とダイハイト変化との関係を実験した。その実験結果を図13のグラフで示す。
図13において、符号Pで示すグラフは実施例であり、符号Qで示すグラフは比較例である。図13のグラフからわかる通り、実施例が比較例より、経過時間が長くなってもダイハイト変化が小さい。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、回転駆動源をサーボモータ17としたが、本発明では、回転駆動源を通常のモータとしてもよい。
さらに、サーボモータ17、減速機構20及びスライド昇降機構15を2系統設けたが、本発明では、3系統以上であってもよく、あるいは1系統であってもよい。
ギアボックス24はプレス機械背面側のクラウンフレーム131に取り付けられた構成であったが、本発明では、プレス機械正面側のクラウンフレーム131に設けるものであってもよく、さらには、サイドフレーム132、その他、クラウン13以外の場所にギアボックス24を設けるものでもよい。
さらに、スペーサ25は必ずしも設けることを要せず、ギアボックス24を直接にクラウン13に設ける構造であってもよい。
前記実施形態では、減速機構20を高速ギア群22と低速ギア群23とにわけ、高速ギア群22をギアボックス24に配置するとともに、ギアボックス24の内部に潤滑油を収納した構成としたが、本発明では、減速機構20を高速ギア群22と低速ギア群23とにわけることなくクラウン13の内部に配置し、クラウン13の内部で一括して潤滑する構成としてもよい。
さらに、本発明では、ブラケット18を不要とし、サーボモータ17を直接にクラウン13に固定する構造でもよい。
本発明は、単独のプレス機械として利用できる他、複数のプレス機械を連続配置するタンデムプレス、あるいは、多工程を有するトランスファプレスにも利用することができる。
本発明の一実施形態にかかるプレス機械の斜視図。 図1と逆の方向から見たプレス機械の斜視図。 一部を破断したプレス機械の正面図。 プレス機械の縦断面図。 図1のV−V線に沿う矢視断面図。 図3のVI−VI線に沿う矢視断面図。 サーボモータを取り外した状態のプレス機械の背面図。 メインピニオンとメインギアとの噛合関係を示す模式図。 ブラケットが取り付けられた状態を示すプレス機械の平面図。 プレス機械にブラケットが取り付けられた状態を示す側面図。 図10の平面図。 ブラケットの背面図。 減速機構を潤滑した際の経過時間とダイハイト変化との関係を示すグラフ。
符号の説明
13…クラウン、131…クラウンフレーム、132…サイドプレート、14…スライド、15…スライド昇降機構、17…サーボモータ(回転駆動源)、172…突出部、18…ブラケット、19…スライド駆動機構、20…減速機構、22…高速ギア群、23…低速ギア群、24…ギアボックス、25…スペーサ、27…メインピニオン、28…メインギア、34…コンロッド、37…取付部、38…支持部、39…トラス部、40…連結部材、41…コ字型部材、43…連結プレート、45…直線部、46…傾斜部

Claims (5)

  1. 回転駆動源に連結されるメインピニオンにメインギアが噛合されるとともにこのメインギアにスライド昇降機構が連結される駆動系統が偶数系統設けられ、これらの駆動系統にスライドが連結されたプレス機械であって、
    前記駆動系統の前記メインピニオンと前記メインギアとがそれぞれハス歯で構成されるとともに隣り合う駆動系統でハス歯の歯スジの向きが逆の関係になり、隣り合う前記メインギアの回転方向が逆であることを特徴とするプレス機械。
  2. 請求項1に記載されたプレス機械において、前記メインピニオンと前記メインギアとの間のギア比は前記偶数の駆動系統で同じであることを特徴とするプレス機械。
  3. 請求項1又は請求項2に記載されたプレス機械において、前記メインピニオンと前記メインギアとは前記偶数の駆動系列において略同一平面内に配置されていることを特徴とするプレス機械。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載されたプレス機械において、前記回転駆動源はサーボモータであることを特徴とするプレス機械。
  5. 請求項4に記載されたプレス機械において、
    前記メインギアの回転角度を検出するエンコーダを前記駆動系統毎に備え、これらのエンコーダからの検出値に基づいて前記サーボモータをそれぞれフィードバック制御することを特徴とするプレス機械。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH03258500A (ja) * 1990-03-05 1991-11-18 Aida Eng Ltd プレス機械のスライドストローク調整装置
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