JP5226987B2 - プレス機械 - Google Patents
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Description
プレス機械には、出力軸が水平となるようにモータをフレームに取り付けるとともに、当該出力軸と連結し減速機構を構成する複数の歯車の軸をそれぞれ出力軸と平行に位置させる平行軸タイプがある。この平行軸タイプでは、モータの出力軸側基端部が取付部を介してフレームに固定されており、モータの先端部がフレームから突出した突出部とされる。このタイプのプレス機械では、モータの先端部がフレームから突出しているのでプレス高速運転に際してモータが振動し、軸振れや取付部の破損が懸念される。
この特許文献1では、出力軸に連結されたはずみ車がローラに案内されることで出力軸の軸振れを防止する。
また、従来例には、出力軸側のギアボックス外枠に同心円状の波形が複数形成された蛇腹部分の金属製側板を設けるプレス機(特許文献2)がある。
この特許文献2では、モータに連結されたラム等の動作によってフレームからの振動が蛇腹部分によりモータに伝達されない。
さらに、回転駆動源の突出部が連結部材とコ字型部材とで覆われてブラケットに支持固定される構造となるため、プレス成形時のプレス機械の振動あるいは地震等でプレス機械が上下方向及び水平方向に揺れたとしても、回転駆動源が十分にブラケットに支持されることになり、回転駆動源がクラウンから脱落することがない。
図1、図2及び図3には本実施形態にかかるプレス機械の全体構成がそれぞれ示されている。図1はプレス機械の斜視図であり、図2は図1と逆の方向から見た斜視図であり、図3は一部を破断したプレス機械の正面図である。
図1から図3において、プレス機械は、ベッド11と、ベッド11の側面に設けられるとともに下部が固定されたサイドフレーム12と、このサイドフレーム12の上部に設置されるクラウン13とを備えている。
サイドフレーム12はサイドプレート132と、このサイドプレート132に両側に沿って配置された補強部材136とを備えている。
クラウン13の下方にはスライド14が設けられており、クラウン13に支持されるスライド昇降機構15によって昇降動可能とされている。このスライド14の下面には上金型(図示せず)が取り付けられている。なお、図3中、符号14Aはバランサシリンダである。
2つのサイドフレーム12のうちプレス機械背面側にはテーブル121が架け渡され、このテーブル121にはタンク120が設置されている(図7参照)。テーブル121の両端部にはサーボ盤122が設けられている。
クラウンフレーム131はプレス機械正面側と背面側とにそれぞれ配置されており、正面に配置されたクラウンフレーム131の正面にカバー135が設けられ、背面に配置されたクラウンフレーム131には回転駆動源としてのサーボモータ17が2個設けられている。
これらのサーボモータ17は、それぞれクラウンフレーム131側に配置された基端部171と、この基端部171に連接されクラウンフレーム131から突出した突出部172とを有する構造である。突出部172はブラケット18で支持されている。
図4から図7において、2個のサーボモータ17は、それぞれスライド駆動機構19を介してスライド14に連結されている。スライド駆動機構19は、前記スライド昇降機構15と、このスライド昇降機構15とサーボモータ17との間に設けられた減速機構20とを備えている。
連結機構21は箱形のケーシング211と、このケーシング211の内部に設けられたカップリング部材212とを備えている。
高速ギア群22は、図示しない複数の歯車列から構成され、かつ、ギアボックス24の内部に配置されている。そして、高速ギア群22は、出力軸22Aを備え、この出力軸22Aはギアボックス24及びクラウンフレーム131を貫通して、その先端部がクラウン13の内部に露出されている。
本実施形態では、サーボモータ17、減速機構20及びスライド昇降機構15が2系統設けられており、これらの2系統毎にギアボックス24が設けられている。連結機構21はギアボックス24に設けられている。
ギアボックス24の内部には潤滑油が収納されている。ギアボックス24の潤滑油はオイルバス方式としてもよい。ギアボックス24をオイルバス方式にすることで、配管や潤滑油供給用ポンプを設けることを要しないので、潤滑装置の構造を簡易なものにできる。これに対して、本実施形態では、ギアボックス24に配管を接続し、この配管を通じて潤滑油供給用ポンプから潤滑油を供給するものでもよい。この場合、ギアボックス24から排出される潤滑油を冷却手段で冷却した後フィルタを通して再度ギアボックス24に供給する構成としてもよい。潤滑油をギアボックス24に供給する構成を採用することで、汚れがなく冷却された潤滑油で高速ギア群22を潤滑することができる。いずれの構成を採用するにしても本実施形態では、減速機構20のうち発熱が大きな高速ギア群22が低速ギア群23とは独立して潤滑されることになり、潤滑油温度上昇を効率的に防ぐことで、スライド昇降機構15に伝達される熱の温度が低くなる。
図7に示される通り、スペーサ25は、ギアボックス24の4箇所の隅部とクラウンフレーム131との間に設けられている。そのため、ギアボックス24とクラウンフレーム131との間には所定の隙間が形成されている。なお、中央部に配置されるスペーサ25は隣り合うギアボックス24を受けるために他のスペーサ25に比べて面積が大きい。
ギアボックス24のサーボモータ側に連結機構21のケーシング211が取り付けられている。
このメインギア28は、その回転軸28Aの両端側が互いに対向配置されたクラウンフレーム131に軸受け29を介して回転自在に設けられている。
メインギア28の回転軸28Aは、その一端部が背面側のクラウンフレーム131から突出して設けられており、この突出した部分の中間位置が蓋部材30に軸支されている。そして、回転軸28Aの蓋部材30から突出した部分の先端にはメインギア28の回転角度を検出するエンコーダ31が対向配置されており、このエンコーダ31は取付金具32を介して蓋部材30に取り付けられている。
エンコーダ31で検出されたメインギア28の回転角度のデータは図示しない制御手段に送られ、この制御手段によってサーボモータ17がフィードバック制御される。
図8において、サーボモータ17、メインピニオン27及びメインギア28が2系統示されており、本実施形態では、高寿命化を図るために、メインピニオン27とメインギア28とは互いに噛合するハス歯で構成されている。このハス歯の向きは2系統で互いに逆の関係となっている。つまり、図8中、左右2個配置されるメインピニオン27は、その歯スジが逆であり、これらのメインピニオン27と噛合するメインギア28は、メインピニオン27と歯スジが逆であり、その結果、メインギア28同士も歯スジは逆となる。
そのため、メインギア28同士の歯スジが逆の関係にある(左右のメインギア28で歯スジが対称である)ため、サーボモータ17から出力される回転力がメインピニオン27及びメインギア28を介してスライド昇降機構15に伝達される際に、スラスト力の向きが2系統で同じになり、メインピニオン27やメインギア28を支持するクラウン13にねじりが生じない。そして、大きなメインギア28同士が互いに逆方向に回転するので、回転に伴う振動が相殺され、プレス機械自体の揺れが大幅に抑制される。
そして、2系統において、メインピニオン27とメインギア28とのギア比が同じである。さらに、2系統のメインピニオン27及びメインギア28は略同一平面内に配置されている。そのため、この点からも、クラウン13にねじりが生じにくくなっている。
ここで、メインピニオン27、メインギア28及びエキセンドラム33はクラウン13の内部に配置されており、これらの部品は、クラウン13の内部に収納された潤滑油で潤滑されている。本実施形態では、クラウン13の内部における潤滑はギアボックス24の内部の潤滑とは別に行われていればよい。例えば、潤滑油が収納された状態のオイルバス方式としてもよく、クラウン13に配管を接続し、この配管を通じて潤滑油供給用ポンプから潤滑油を供給するものでもよい。この際、配管にフィルタを設け、ポンプとクラウン13との間で潤滑油を循環させるものでもよい。
リング状部34Aはエキセンドラム33の外周側に配置され、リング状部34Aの内周がエキセンドラム33の外周に対して摺動可能となっている。棒状部34Bはクラウンフレーム131の下方に突出し、先端側がプランジャ35に軸支されている。
プランジャ35は、クラウンフレーム131に取り付けられたガイドフレーム36によって鉛直上下方向に移動可能となっている。
図9はブラケット18が取り付けられた状態を示すプレス機械の平面図であり、図10はプレス機械にブラケットが取り付けられた状態を示す側面図であり、図11は、図10の平面図であり、図12はブラケットの背面図である。
これらの図において、ブラケット18は、背面側のクラウンフレーム131に取り付けられる取付部37と、サーボモータ17の突出部172を支持する支持部38と、これらの取付部37と支持部38との間に設けられたトラス部39とを備え、サーボモータ17の振動を抑制し、軸振れやモータ取付部の破損を防止する構造である。特に、本実施形態では、トラス部39が取付部37と支持部38との間に設けられているので、重量の大きなサーボモータ17をブラケット18で確実に支持することができる。
支持部38は、突出部172の先端部と連結される連結部材40と、この連結部材40に両端部が支持固定されるとともに突出部172の周囲を覆うコ字型部材41とを有し、サーボモータ17をブラケット18に確実に固定する構造である。そのため、プレス成形時あるいは地震等でプレス機械に振動が加わっても、サーボモータ17がブラケット18から脱落することがない。
2個の連結プレート43のうち一方の連結プレート43は一方のサーボモータ17の突出部172の下面と当接し、この連結プレート43の下面と連結梁42の鉛直面との間に支持片44が接合される。他方の連結プレート43は他方のサーボモータ17の突出部172の上面と当接し、この連結プレート43の上面と連結梁42の鉛直面との間に支持片44が接合される。そのため、本実施形態では、2個のサーボモータ17を1個のブラケット18で同時に支持固定することができる。
ロッド412には突出部172を連結プレート43に向かって付勢する押え部材413が設けられている。この押え部材413は、突出部172を当接する当接ブロック414と、この当接ブロック414と先端で固定するとともにロッド412に進退自在に設けられた2本の進退部材415と、これらの進退部材415とロッド412との間に設けられ当接ブロック414を突出部172に向けて付勢する図示しないばねとを有する。
これらの直線部45及び傾斜部46は、それぞれアングル材から形成されている。このため、プレス成形時のプレス機械の振動あるいは地震等で、サーボモータ17の突出部172に大きな荷重がかかっても、トラス構造によってブラケット18が変形することがなく、サーボモータ17を確実に支持できる。
プレス加工に伴ってスライド14とボルスタ16との間に反力が生じ、スライド14を介してクラウン13が変形しようとする力が働くが、ブラケット18でサーボモータ17が支持されているので、サーボモータ17の変位が極めて少ない。
本実施例では、ギアボックス24の内部潤滑を、潤滑油を収納したオイルバス方式とし、クラウン13の内部潤滑を、配管、潤滑油供給用ポンプ及びフィルタを用いた潤滑油循環方式とした。これに対して、比較例は減速機構を構成する高速ギア群及び低速ギア群をクラウン内で一緒に潤滑するもので、配管、潤滑油供給用ポンプ及びフィルタを用いた潤滑油循環方式とした。
これらの実施例と比較例とで減速機構を潤滑した際の経過時間とダイハイト変化との関係を実験した。その実験結果を図13のグラフで示す。
図13において、符号Pで示すグラフは実施例であり、符号Qで示すグラフは比較例である。図13のグラフからわかる通り、実施例が比較例より、経過時間が長くなってもダイハイト変化が小さい。
例えば、前記実施形態では、回転駆動源をサーボモータ17としたが、本発明では、回転駆動源を通常のモータとしてもよい。
さらに、サーボモータ17、減速機構20及びスライド昇降機構15を2系統設けたが、本発明では、3系統以上であってもよく、あるいは1系統であってもよい。
本発明では、メインピニオン27とメインギア28とはハス歯で構成しなくてもよく、例えば、平歯車でもよい。
Claims (4)
- 回転駆動源と、この回転駆動源に連結されるとともにクラウン内に配置されたスライド駆動機構と、このスライド駆動機構に連結されるスライドとを備え、
前記回転駆動源は、前記クラウンから突出した突出部を有し、この突出部をブラケットで支持し、このブラケットは、前記クラウンに取り付けられる取付部と前記突出部を支持する支持部とを有するとともに、
前記取付部に連結された直線部と、この直線部の両端側に一端がそれぞれ連結されるとともに前記支持部に他端が連結される傾斜部とを有するトラス部を備え、
前記支持部は前記突出部の先端部と連結される連結部材と、
この連結部材に両端部が支持固定されるとともに前記突出部の周面を覆うコ字型部材とを備えたことを特徴とするプレス機械。 - 請求項1に記載されたプレス機械において、
前記トラス部は略鉛直面内に位置することを特徴とするプレス機械。 - 請求項1又は請求項2に記載されたプレス機械において、
前記回転駆動源は複数設けられ、これらの回転駆動源は、その突出部が前記連結部材を挟むように配置されることを特徴とするプレス機械。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載されたプレス機械において、
前記回転駆動源はサーボモータであることを特徴とするプレス機械。
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