以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の概念を適用した概念的な実施形態の一例を示すブロック図である。なお、本実施形態では、本発明の概念を芳香伝達装置100に適用した場合を例示している。
この芳香伝達装置100は、例えば芳香射出手段9、芳香制御情報記憶手段13、設定変更手段19a及び制御手段19を有する。この芳香射出手段9は、後述する芳香射出装置の一例に相当し、芳香を射出する。なおこの芳香射出手段9は、射出済の芳香を消臭するための脱臭気体を射出しても良い。この芳香制御情報記憶手段13は、後述する記憶部の一例に相当し、上記芳香射出手段9による芳香の射出を制御するための芳香制御情報を記憶している。
この設定変更手段19aは、後述する設定変更画面の一例に相当し、その芳香制御情報記憶手段13に記憶しているその芳香制御情報の設定内容を変更する。その制御手段19は、後述する制御部の一例に相当し、上記設定変更手段によって変更された新たな芳香制御情報に基づいて、その芳香射出手段9による芳香の射出を制御する。本実施形態では、このような芳香伝達装置100が次のような芳香伝達方法を実行すると例示する。
この芳香伝達方法は、次のような設定変更ステップ及び制御ステップを含んでいる。すなわち、まず設定変更ステップでは、設定変更手段19aによって、芳香を射出する芳香射出手段9による芳香の射出を制御するための芳香制御情報の設定内容を変更し、その変更後の新たな芳香制御情報を芳香制御情報記憶手段13に記憶する。この制御ステップでは、設定変更手段19aによって変更された上記芳香制御情報記憶手段13の新たな芳香制御情報に基づいて、制御手段19が上記芳香射出手段9による芳香の射出を制御する。以下、このような概念を、芳香伝達装置100を備える表示装置に適用した一例を、各実施形態に分けて具体的に説明する。
<第1実施形態>
図2は、第1実施形態としての芳香伝達装置100を備える表示装置1の外観の一例を示す正面図である。
表示装置1は筐体2及び脚部5を有する。この筐体2は、脚部5によって設置面において支えられている。この筐体2は、その外観上、表示パネル7及び2つのスピーカー4を備えている。この筐体2は芳香伝達装置100を内蔵している。この芳香伝達装置100については後述する。
この表示パネル7は筐体2の中央部に設けられている。この表示パネル7は、その筐体2の中央部において、外部から入力された画像データに基づく映像を表示する機能を有する。この筐体2の下部には、その右側及び左側に各々スピーカー4が設けられている。
このスピーカー4は、図示しない駆動回路の制御によって、表示パネル7に表示された映像に同期して音を出力する機能を有する。この筐体2は、その内部に図示しない駆動回路を備えている。この駆動回路は、上記画像データに基づく映像を表示パネル7に表示させるための駆動制御を行う。
上記スピーカー4の間には、上記芳香伝達装置100の一部を構成する芳香射出装置9が設けられている。この芳香射出装置9(芳香射出手段)は、例えば、出力源としての表示パネル7又はスピーカー4の近傍に配置しており、視聴者(対象者)に対して芳香を射出する機能を有する。
この芳香射出装置9は、外観上、上記表示装置1の下部の中心に円形の射出開口部9aが露出しており、その円形の射出開口部9aの外側に沿ってドーナツ形状の吸引開口部9bが露出している。本実施形態では、これら射出開口部9a及び吸引開口部9bを総称して「ノズル」ともいう。
この芳香射出装置9は、その中心部に位置する円形の射出開口部9aから芳香を射出し、やや遅れてその外側のドーナツ形状の吸引開口部9bから、ノズル周囲の空気を吸引する。すると、ノズル近傍における中心部の流速と周辺部との差により、芳香の塊はドーナツ状となり、直進性を持って進行するようになる。また、この芳香射出装置9は、例えば、射出済みの芳香を消失させるための脱臭気体を射出する機能を有する。この芳香射出装置9は、このような脱臭気体を射出する場合、同様の手法によりドーナツ状の脱臭気体を直線性を持って射出することができる。
上記表示パネル7は、いわゆる、プラズマディスプレイパネル、液晶表示素子又は有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)を用いた表示パネルである。本実施形態においては、この表示パネル7が多数の有機エレクトロルミネッセンス素子(有機電界発光素子)を備えているものとする。この表示パネル7は、多数の有機電界発光素子がマトリクス状に配列した構成となっている。これらマトリクス状に配列した有機電界発光素子は、図示しない駆動回路の制御によって各画素ごとに駆動制御されている。
また筐体2の上部における左右には、それぞれ距離計測装置6が設けられている。これら距離計測装置6(距離計測手段に相当)は、上述した芳香伝達装置100の一部を構成しており、芳香伝達装置9から視聴者の鼻までの離間距離を計測する機能を有する。
これら一対の距離計測装置6は、光、超音波、画像認識角度などの方法を用いて距離を測定する機能を有する。具体的には、この距離計測装置6は、例えばカメラによって撮影した視聴者の顔の画像から視聴者の鼻を周知のパターン認識や画像認識技術を用いて視覚的に認識し、例えば光又は超音波を用いて自らから視聴者の鼻までの距離(離間距離)を計測する機能を有する。
この表示装置1は、図示しないリモートコントローラによって、チャンネル操作や各種の設定操作(後述する設定処理に相当)を行うことができるようになっている。このリモートコントローラは、このようなチャンネル操作に必要なチャンネル操作ボタンの他にも、図示しない設定ボタン及び選択ボタンを有する。設定ボタンは、操作することによって設定操作に移行させ、表示パネル7に設定画面を表示させるためのボタンである。選択ボタンは、表示パネル7に表示された設定画面において後述するように所定の項目を選択するために操作するボタンである。
またこのリモートコントローラには、図示しない電源スイッチが設けられており、例えば無線で操作することによって表示装置1に電力の供給を開始したり電力の供給を遮断する電源操作機能を有する。また表示装置1には、このようなリモートコントローラとは別に、直接的に操作することによってこのような電源操作機能を発揮する電源スイッチを備えている。この電源スイッチの操作は、制御部19が外部通信部12を経由して操作状態を把握することができるようになっている。
図3は、図2に示す表示装置1が内蔵する芳香伝達装置100の電気的な構成例を示すブロック図である。
芳香伝達装置100は、距離計測装置6、芳香射出装置9及び制御部19を有する。この芳香伝達装置100は、さらに映像音入出力部11、外部通信部12、状態表示部15、記憶部13及びスイッチ部17を備えている。これら距離計測装置6などは、それぞれバスライン16に接続されている。このバスライン16は、これら接続されている距離計測装置6、芳香射出装置9及び制御部19等との間でデータなどの交換や制御を行うことができる。
距離計測装置6(距離計測手段に相当)は、芳香射出装置9(芳香射出手段に相当)から視聴者の鼻までの離間距離を計測する機能を有する。具体的には、この距離計測装置6は、例えばカメラによって撮影した視聴者の顔に関する画像からこの視聴者の鼻を画像処理によって認識するとともに、この視聴者の鼻までの距離を光や超音波によって計測する機能を有する。本実施形態では、この距離計測装置6によって計測された自ら(距離計測装置6)の位置から視聴者の鼻までの距離を「離間距離」と呼ぶ。
芳香射出装置9(芳香射出手段に相当)は、例えば空気砲の原理によって視聴者に対して芳香を射出する機能を有する。この芳香射出装置9の具体的な構成については後述する。
映像音入出力部11は、外部から映像データ及び音データの少なくとも一方(以下「映像データなど」という)を少なくとも入力するインターフェースとしての機能を有する。記憶部13は、例えばランダムアクセスメモリ及びフラッシュメモリ13aを含む情報記憶媒体である。この記憶部13は、このように入力された映像データ、制御部19で用いられるプログラムや各種パラメータ、各種設定などを記憶可能なメモリである。本実施形態では、このような各種設定などとして、後述する芳香制御情報を例示している。
この芳香制御情報は、後述するDVD(Degital Versatile Disk)から読み出され、例えばフラッシュメモリ13a(芳香制御情報記憶手段の一例)に記憶される。以下の説明では、このようなフラッシュメモリ13aを総称して記憶部13に芳香制御情報が記憶されていると表現する。この記憶部13においては、この芳香制御情報に対応するコンテンツデータを表すコンテンツIDに対応付けてこの芳香制御情報を管理している。
制御部19(制御手段に相当)は、芳香伝達装置100全体をコントロールするCPUなどから構成される。この制御部19は、例えば外部通信部12を介して、表示パネル7に次のような設定変更画面を表示させる機能を有する。
この制御部19は、例えば視聴者によってこの設定変更画面を操作させ、その操作結果に応じて、記憶部13に記憶済の芳香制御情報の設定内容を変更する機能を有する(設定変更手段に相当)。この芳香制御情報に関する詳細な設定内容については後述する。
具体的には、この制御部19は、表示パネル7に、元々の芳香制御情報の設定内容をその設定変更画面に含めて表示させる機能を有する(設定情報表示手段に相当)。また制御部19は、表示パネル7に表示された設定変更画面に含まれる芳香制御情報に応じて、所望の変更内容を入力可能な入力項目を、その設定変更画面に含めて表示させる機能を有する(入力手段に相当)。さらに制御部19は、その入力項目にて入力された所望の変更内容に基づいて、記憶部13に記憶されている芳香制御情報を新たな芳香制御情報に更新する機能を有する(更新手段に相当)。この制御部19は、このような新たな芳香制御情報に基づいて後述するように芳香射出装置9を制御する。
また、この制御部19は、その離間距離に基づいて、この芳香射出装置9から射出された芳香が視聴者の鼻に到達するまでの所要時間を演算する機能を有する。このとき制御部19は、芳香射出装置9による芳香の伝送速度を考慮してこの所要時間を演算してもよい。さらにこの制御部19は、この所要時間に応じてこの芳香射出装置9による芳香の射出タイミングを補正する。この制御部19は、このような演算結果に基づいても、後述するように芳香射出装置9を制御する。
外部通信部12は、例えばリモートコントローラのような芳香射出装置100の外部との間でデータ通信を行う機能を有する。状態表示部15は、例えば、この芳香射出装置9の状態を表示する表示部である。スイッチ部17は、この芳香射出装置9を操作するスイッチ部である。
図4は、図3に示す芳香射出装置9の構成例を示すブロック図である。
芳香射出装置9は、芳香メインタンク29、コック28、芳香混合部21、芳香サブタンク23、芳香射出部25及び芳香射出制御部27を備えている。芳香射出部25における芳香26を射出する口付近には、ノズル9a,9bが設けられている。これらノズル9a,9bについては後述する。
芳香射出制御部27は、制御部19の制御下の元、後述するように芳香メインタンク29、コック28、芳香サブタンク23及び芳香射出部25の動作を制御する。ここで、この制御部19は、上記芳香制御情報の設定内容に従って芳香射出制御部27を制御する。従って、この芳香制御情報が新たな芳香制御情報に更新された場合には、この制御部19は、この新たな芳香制御情報に従って、この芳香射出制御部27を制御するようになる。
芳香メインタンク29は、第1基本芳香29a、第2基本芳香29b、第3基本芳香29c、第4基本芳香29d及び第5基本芳香29eを備えている。これら第1基本芳香29aなどは、それぞれ視聴者に対して射出すべき芳香を生成するために混合される基本的な芳香を表している。
また芳香メインタンク29は、さらに基本消臭剤29gを備えている。すなわち芳香伝達装置100は、芳香射出装置9によって射出済みの芳香を消失させる脱臭気体を射出する機能を有する。
芳香混合部21は、コック28を介して芳香メインタンク29と接続されている。この芳香混合部21は、芳香射出制御部27の制御によるコック28の開閉状況に応じて、芳香メインタンク29内の第1基本芳香29aなど又はこれらいずれかの組み合わせを混合する。
芳香サブタンク23は、芳香混合部21内で混合されて生成された新たな芳香を一時的に貯蔵するためのタンクである。このうち芳香サブタンク23は、芳香射出制御部27の制御によって、次の芳香を芳香射出部25に送り込むためにこの芳香を一時的に貯留する機能を有する。そして芳香射出部25は、芳香射出制御部27の制御によって、内部に貯留した芳香を射出し、上述した視聴者に対して芳香の気団26(以下、省略して「芳香26」という)を放出する機能を有する。
芳香射出部25における芳香26を射出する口付近には、ノズル9a,9bが設けられている。これらノズル9a,9bは、二重の同心円筒形状のパイプ構造である。ノズル9aは中心寄りの部分を構成しており、ノズル9bは外周寄りの部分を構成している。芳香は、中心寄りのノズル9aから射出され、その外側の開口部をなすノズル9bは、芳香の射出速度よりも遅い速度の空気射出及び吸引を行う。
図5は、図4に示す芳香射出部25の構成例を示す断面図である。なお、図5においては、説明の都合上、併せて芳香射出制御部27も図示している。
芳香射出部25は、射出用タンク25a、圧電素子25b及び逆流防止弁25cを備えている。またこの芳香射出部25が芳香26を射出する口には、上述のようにノズル9a,9bが設けられている。なお、これらノズル9a,9bの構造は簡素化して図示している。
射出用タンク25aは、芳香サブタンク23から供給された芳香を一時的に貯留するタンクである。この射出用タンク25aにおける芳香サブタンク23からの芳香の供給口には逆流防止弁25cが設けられている。この逆流防止弁25cは、芳香サブタンク23から射出用タンク25aに既に供給された芳香がその芳香サブタンク23に逆流しないように堰き止める機能を有する。
圧電素子25bは、例えばピエゾ素子を用いたものである。この圧電素子25bは、芳香射出制御部27による印加電圧に基づく圧電効果によって射出用タンク25aの内部の容積を瞬間的に変化させ、貯留している芳香26を射出する機能を有する。
図6は、芳香伝達装置100が視聴者に対して芳香26を射出する様子を上方から見た場合の一例を示す平面図である。
この表示パネル7の両端には、それぞれ距離計測装置6が設けられている。また、この表示パネル7のほぼ中央部には芳香射出装置9が設けられている。視聴者31は、表示装置1の表示パネル7の映像表示面に対面するように、その表示パネル7の映像表示面に沿った方向おけるほぼ中心に位置している。すなわち視聴者は、例えば芳香射出装置9のほぼ正面に位置している。
上述のように距離計測装置6(距離計測手段に相当)は、例えば光又は超音波によって視聴者との距離を計測する。ここで本実施形態では、制御部19は、両端の距離計測装置6によって各々計測された視聴者までの第1の距離及び第2の距離に基づいて、芳香射出装置9から視聴者までの離間距離を間接的に計測している(距離計測手段に相当)。芳香伝達装置100は、制御部19の制御によって芳香射出装置9に、補正タイミングにて視聴者の方向に芳香26を射出させている。
図7は、芳香伝達装置100が視聴者に対して芳香26を射出する様子を側方から見た場合の一例を示す平面図である。
この例では、表示パネル7には映像が表示されており、この映像では、例えば時刻T1において爆発のシーンが表示される。なお、再生タイミング時間と補正タイミング時間との時間差を、例えばΔTと設定し、芳香射出装置9から視聴者31の鼻までの距離をDとしている。
すると、芳香伝達装置100は、この芳香射出装置9が、例えば一定の伝送速度Vで芳香26を射出するとした場合、芳香射出装置9から射出された芳香26が視聴者に到達するまでの時間ΔT=D/Vとなる。なお、芳香射出装置9から視聴者までは例えば距離がDである。よって芳香伝達装置100は、時刻T1−ΔTに火薬の芳香26を伝送速度Vで射出すれば、時刻T1においてこの芳香26が視聴者に到達することとなる。すると、視聴者は、視覚的に認識している爆発のシーンに同期して、火薬の芳香26を嗅覚的に認識することができるため、映像や音によって各々視覚や聴覚によって楽しむことができるばかりでなく、嗅覚によって芳香26も楽しむことができる。従って視聴者は、より臨場感豊かに映像(や音)を楽しむことができる。
また、視聴者と表示装置1との間の距離に関らず、芳香が漂う場面のコンテンツの視聴タイミングと視聴者の鼻に芳香が届くタイミングが同一になるように、芳香が視聴者に到達する所要時間を補正して芳香を発生することができる。これにより、視聴者に視聴位置を表示装置に対して固定にするような制限がなくなり、視聴者が自由な位置で芳香を伴うコンテンツを楽しむことができる。
<芳香制御情報の記録媒体への記録方法例>
上述した芳香制御情報のDVDへの記録方法としては、次のような記録装置300を用いた記録方法を採用することができる。
図8は、上記DVDへコンテンツデータ及び上記芳香制御情報を記録する記録装置300の構成例を示すブロック図である。
この記録装置300は、DVDへ記録すべきコンテンツデータをVTR(Video Tape Recorder)70に用意しておき、このVTR70から読み出したコンテンツデータを記録媒体の一例であるDVDに記録する機能を有する。
具体的には、この記録装置300は、VTR70、メモリ71、信号処理部72、ハードディスク(HD)装置73、ハードディスク(HD)装置74、コントローラ75、多重器76、変調器77及びマスタリング装置78を有する。
VTR70には、DVDに記録すべき映像や音等のコンテンツ(素材)である記録情報R(上記コンテンツデータに相当)が記録されている。このVTR70に記録されている記録情報Rは、信号処理部72からの要求により、この信号処理部72に出力される。
この信号処理部72は、この記録情報RをA/D変換した後、例えばMPEG2方式により圧縮処理する。さらにこの信号処理部72は、この記録情報Rを構成する映像情報(映像信号)及び音情報(音信号)を時間軸多重して圧縮多重信号Srとして出力する。その後、出力された圧縮多重信号Srは、ハードディスク装置73に一時的に記憶される。
これと並行して、メモリ71では、上記記録情報Rを部分記録情報Prに予め区分し、各部分記録情報Prが生成される。さらにこのメモリ71上では、それぞれの部分記録情報Prに関する、特にDVDについての最低読み出しレートが記載されたキューシートSTに基づき、予め入力されたこの部分記録情報Prに関する内容情報を一時的に記憶する。そしてメモリ71は、上記信号処理部72からの要求に基づいてこの内容情報について内容情報信号Siとして出力する。
この信号処理部72は、VTR70から出力される上記記録情報Rに対応したタイムコードTt及び、メモリ71から出力される内容情報信号Siに基づきタイムコードTtを参照し、上記部分記録情報Prに対応するアクセス情報信号Sacを生成して出力する。このアクセス情報信号Sacはハードディスク装置74に一時的に記憶される。
以上の処理が、記録情報R全体について実行される。記録情報Rの全てについて上記の処理が終了すると、コントローラ75は、ハードディスク装置73から圧縮多重信号Srを読み出すとともにハードディスク装置74からアクセス情報信号Sacを読み出す。そしてコントローラ75は、これら圧縮多重信号Sr及びアクセス情報信号Sacに基づいて付加情報DAを生成する。この付加情報DAは、ハードディスク装置74に記憶される。
一方、コントローラ75は、上記信号処理部72、ハードディスク装置73及びハードディスク装置74について各々の動作の時間管理を行う。このコントロ−ラ75は、この付加情報DAに対応する付加情報信号Saを、ハードディスク装置74から読み出して多重器76に出力する。
この付加情報DAの一部に、芳香制御情報である。この芳香制御情報のデータとしては、必要に応じて次のような内容のいずれか又はこれらいずれかの組み合わせを選択して採用することができる。具体的には、芳香発生タイミング情報(芳香26を発生させたい時分秒などのタイムスタンプ)、芳香持続時間情報(再生期間に相当)、芳香の強さ情報(例えば1〜5のような5段階で表した芳香物質の量)、芳香成分情報、消臭剤(脱臭気体)発生タイミング情報、消臭剤成分情報が採用できる。これら以外の芳香に関する情報を芳香制御情報として含むことができることはいうまでもない。
これと共に、このコントロ−ラ75は、圧縮多重信号Srと付加情報信号Saを時間軸多重するための信号として情報選択信号Sccを生成し、多重器76に出力する。
この多重器76は、情報選択信号Sccに基づき、これら圧縮多重信号Srと付加情報信号Saを時間軸多重し、その結果としての情報付加圧縮多重信号Sapを変調器77に出力する。
つまり、このコントロ−ラ75は、このアクセス情報信号Sacに応じたタイミングで、上記付加情報信号Saを選択すべき旨を表す信号として情報選択信号Sccを、多重器76に対して出力する。この多重器76は、この情報選択信号Sccに基づき付加情報信号Sa側にスイッチし、端子76aと端子76cを接続する。
一方、このコントローラ75は、圧縮多重信号Srを選択すべき旨を表す信号として情報選択信号Scを、多重器76に対して出力する。この多重器76は、圧縮多重信号Sr側にスイッチし、端子76aと端子76bを接続する。すると、この多重器77は、上記VOBU92にあるビデオデータ(映像信号)、オーディオデータ(音信号)を情報付加圧縮多重信号Sapとして、順次、変調器77に入力する。このような動作が複数のVOBU92について繰り返し行われ、更に複数のVTS83について繰り返される。
上記変調器77は、入力された情報付加圧縮多重信号Sapに対してリードソロモン符号等のエラー訂正コード(ECC)の付加をして、さらに8−16変調等の変調を施してディスク記録信号Smを生成する。さらにこの変調器77は、このディスク記録信号Smをマスタリング装置78に対して出力する。
このマスタリング装置78は、このディスク記録信号Smをスタンパディスクに対して記録する。このスタンパディスクは、光ディスクを製造する際のマスタ(抜き型)となるものである。そして図示しないレプリケーション装置は、このスタンパディスクを用いて一般向けに販売すべきレプリカディスクとしての光ディスク、即ちDVDを製造する。このように製造されたDVDには、上述した映像信号及び音信号が記録されているのみならず、上述したDSI93b及びPCI93aの少なくとも一方に、上記芳香制御情報が記録されていることになる。
図9は、上述の記録装置により作成されるビデオファイルのフォーマットの一例を示す図である。
ビデオファイルは、例えば記録媒体としてDVDを挙げると、映像を表示するためのビデオデータ(映像信号)や音を出力するためのオーディオデータ(音信号)などのコンテンツデータの他にも、次のような情報データを備えている。すなわちこのビデオファイルは、マルチアングルやパレンタル再生、ランダム・シャッフル再生などのDVD独自の機能を実現する情報データや、早送り、巻き戻しなどの特殊再生をサポートするための情報データを有している。ここでは、前者をプレゼンテーションデータ、後者をナビゲーションデータと呼ぶ。
DVDビデオゾーンには、DVDビデオの再生に必要な全てのファイルが格納されている。このDVDビデオゾーンは、ひとつのVMG(Video Manager)80及び少なくとも1つのVTS(Video Title Set)81,82,83を含んでいる。
VMG80は、VMGI(Video Manager Information)80a、VMGM_VOBS(Video Object Set VMG Menu)80b及びバックアップのためのVMGI(BUP)80cを含んでいる。VMGI80aは、DVDビデオゾーン全体についての制御情報である。このVMGI80aは、例えばVIDEO_TS.IFOという1つのファイルで構成されている。
VMGM_VOBS80bは、タイトル選択メニューのためのコンテンツである。VMGM_VOBS80bは、例えばVIDEO_TS.VOBというひとつのファイルで構成されている。VMGI(BUP)80cは、上述したVMGI80aと同一の内容である。このVMGI(BUP)80cは、例えばVIDEO_TS.BUPというひとつのファイルで構成されている。なお、このVMGM_VOBS80bは省略することもできる。
VTS(VTS2を例示する)83は、VTSI(Video Title Set Information)83a、VTSM_VOBS(Video Object Set for the VTS Menu)83b、VTSTT_VOBS(Video Object Set for Titles in a VTS)83c及びバックアップのためのVTSI(BUP)83dを含んでいる。VTSI83aは、そのVTSに対する制御情報である。このVTSI83aは、このVTS_##_0.IFOというひとつのファイルで構成されている。なお、「##」は01から99までの整数、「@」は1から9までの整数を表わしている。
VTSM_VOBS83bは、VTS83(VTS2)内の各種メニューのためのコンテンツである。このVTSM_VOBS83bは、例えばVTS_##_0.VOBというひとつのファイルで構成されている。VTSTT_VOBS83cは、タイトル再生のためのコンテンツである。このVTSTT_VOBS83cは、例えばVTS_##_@.VOBという複数のファイルで構成されている。VTSI(BUP)83dは、上記VMGI80aと同一の内容である。このVTSI(BUP)83dは、例えばVTS_##_0.BUPというひとつのファイルで構成されている。なお、VTSM_VOBS83cは省略しても良い。
図10は、制御部19が用いる芳香制御情報などを含むビデオデータのフォーマット例を示す図である。
セル(図示の「CELL」に相当)91は、それぞれ少なくとも1つのVOBU(Video Object Unit)92で構成されている。1つのVOBU92は、例えば0.4secから1secの再生時間長を有する。
このVOBU92は、先頭にNV_PCK(Navigation Pack:図示の「N」に相当)93が挿入されており、続いてGOP(Group Of Picture)整数個分のビデオデータ、オーディオデータ、サブピクチャデータなどがパック化されて時分割で挿入されている。ただし、NV_PCK93以外のデータは、例えば、常に存在している必要はなく、VOBU92の再生時間長よりも短くてもよい。
また、GOPのフレーム数は自由であり、その終端にMPEGのシーケンス・エンド・コードを置けば、GOP最後のフレームで静止画となる。したがって、任意再生時間の静止画を動画中の任意の位置に挿入することができ、オーディオ情報の付加も自由に行えるのである。NV_PCK93は、PCI(Presentation Control Information)93aとDSI(Data Search Information)93bの二つのパケットを有する。
一般的にDVDビデオプレーヤは、可変レート再生とシームレス再生を実現するために、ピックアップとデコーダの間にトラック・バッファと呼ばれる大容量メモリを有する。そのため、ピックアップがDVDから読み取っている信号と、デコードされて再生されている映像や音との間に時間ずれを生じる。
そこで、リアルタイムの制御情報をPCI93aとDSI93bの二つのパケットに分割して、PCI93aには再生に関する制御情報を格納するとともに、DSI93bにはアクセスに関する制御情報を格納する。すると、DVDプレーヤは、DSI93bとPCI93aをそれぞれトラック・バッファの前と後で処理するのである。
本実施形態では、制御部19が芳香射出装置9による芳香26の射出制御にあたり利用する芳香制御情報が、例えば図10に示す再生表示制御PCI93a及びアクセス制御DSI93bの少なくとも一方に含まれているものとする。この芳香制御情報は、例えば射出タイミング時刻、射出すべき芳香の種類、及び、射出しているべき期間を表す芳香射出期間を含んでいる。本実施形態では、これらの情報を総称して「芳香フラグ」と呼ぶ。
より具体的には、この芳香制御情報のデータ項目としては、必要に応じて次のような内容のいずれか又はこれらいずれかの組み合わせを選択して採用することができる。
図11は、芳香制御情報のデータ項目の一例を示す図である。なお、この芳香制御情報は、芳香を発生させるべきシーン(場面)ごとに定義されるものである。このシーンごとの芳香制御情報は、1つのコンテンツ自体(タイトル)或いは、そのコンテンツをいくつかに分けたチャプターごとの論理構造単位にまとめられて、所定のデータ構造にて記録されている。各芳香制御情報のデータ項目としては、次のような項目を例示することができる。
項目1は芳香発生タイミング情報を表し、この芳香発生タイミング情報は、例えば芳香26を発生させたい時分秒などのタイムスタンプを含んでいる。項目2は、芳香持続時間情報を表し、この芳香持続時間情報は再生期間に相当する。項目3は、芳香の強さ情報を表し、この芳香の強さ情報は、例えば1〜5のような5段階で表した芳香物質の量を表している。
項目4から項目8は、各々、芳香成分情報1から芳香成分情報5を表している。芳香成分情報1〜5は各々の芳香成分名称を示す情報と各々の芳香成分の割合が記述されている。芳香成分情報1〜5としては次のような内容を例示することができる。
芳香成分情報1 名称:物質A 混合量50
芳香成分情報2 名称:物質B 混合量20
芳香成分情報3 名称:物質C 混合量10
芳香成分情報4 名称:物質D 混合量15
芳香成分情報5 名称:物質E 混合量5
名称は、文字列であっても良いしコードで記述し、記憶部13などに予め記憶されている辞書テーブルを使って文字列に変換するようにしてもよい。混合量は特定の芳香を5種類の芳香成分を使って表現するときの各芳香成分の量を全体を100としたときの割合を示す数値で表現したものである。各混合量は、全体を100としたときに各芳香成分の混合量が数値または数値を示すコードで記述されている。
項目9は、消臭剤(脱臭気体)発生タイミング情報を表しており、この消臭剤発生タイミング情報は、消臭剤を発生すべきタイミングに関する情報を表している。項目10から項目14は、各々、消臭剤成分情報1から消臭剤成分情報5を表している。消臭剤成分情報1〜5についても芳香成分情報1〜5と同様な形式で名称と混合量が記述されている。
項目15は、芳香発生場面情報を表しており、この芳香発生場面情報は、例えば芳香を発生すべき場面(シーン)を表している。本実施形態では、芳香を発生させるべきシーンとして、爆発シーン、海辺シーン、田園シーン、食堂シーン及び病院シーンを例示する。これら各シーンにはシーン番号が割り当てられている。このシーン番号の具体例としては、爆発シーンには01、海辺シーンには02、田園シーンには03、食堂シーンには04、病院シーンには05と割り当てられている。なおシーン番号06〜99は割り当て済みとなっている。
項目16は、芳香カテゴリーを表しており、この芳香カテゴリーは、例えば射出すべき芳香のカテゴリーを表している。本実施形態では、芳香のカテゴリーとして、シトラス系、ミント系、ラベンダー系、ローズマリー系及びココナッツ系を例示することができる。これら各芳香のカテゴリーにはカテゴリー番号が割り当てられている。このカテゴリー番号の具体例としては、シトラス系には01、ミント系には02、ラベンダー系には03、ローズマリー系には04、ココナッツ系には04と割り当てられている。なお、芳香のカテゴリー番号06〜99は割り当て済みである。
従って芳香制御情報を参照すれば、その芳香フラグによって、逐次再生される映像などに同期して、どのようなシーンで、どのような種類の芳香をどのようなタイミングで、どの程度の期間(再生期間)にわたり射出すべきかについて分かるようになっている。このような芳香制御情報は、コンテンツフォーマットの時間軸に沿ってコンテンツデータに同期するように記録媒体に記録されている。この芳香制御情報としては、例えば、ある特定種類の芳香を、射出タイミング時刻が12分15秒から射出時間として30秒間にわたり指定されていることなどを例示することができる。
本実施形態では、この芳香制御情報が後述するDVD制御情報に含められて、映像信号(や音信号)とともにDVDなどの記録媒体に記録されている。この記録媒体は、映像音響機器の一例としてのDVDプレーヤによって映像信号(や音信号)及びDVD制御情報が読み出されることと並列して、芳香伝達装置100によって芳香制御情報が読み出される。なお、この記録媒体に記録されている芳香制御情報は、コンテンツ作成者の意思により自由に設定することができる。また、上述以外のパラメータを芳香制御情報として定義してもよい。たとえば、芳香を射出する射出速度(伝送速度)を記述し、記述された射出速度に応じて芳香射出制御部27が芳香射出部25を制御するようにすることも可能である。
図12は、表示パネル7に表示される設定画面の構成例を示す図である。
この設定画面は、その項目として表示設定項目、サウンド設定項目、芳香設定項目及び終了指示項目を有する。これらの各項目は、上述したリモートコントローラを操作することによって選択できるようになっている。
各項目の概要について簡単に説明する。まず表示設定項目は、選択すると、表示設定画面を表示させるための項目である。この表示設定画面では、例えば、コントラストなどの表示パネル7による表示態様を調整することができる。次にサウンド設定項目は、選択すると、サウンド設定画面を表示させるための項目である。
このサウンド設定画面では、例えば、左右の音のバランスなどを調整することができる。次に芳香設定項目は、選択すると、芳香設定画面を表示させるための項目である。この芳香設定画面では、例えば、芳香射出装置9が射出する芳香の態様を調整することができる。また、終了指示項目は、選択すると、このような設定処理を終了し、設定画面を消すための項目である。
図13は、表示パネル7に表示される芳香設定画面の構成例を示す図である。
この芳香設定画面は、大きく分けて芳香射出機能設定、芳香場面(シーン)設定及び芳香カテゴリー設定に分類することができる。なお、これら芳香射出機能設定、芳香場面設定及び芳香カテゴリー設定は、これらのうちいずれかの組み合わせが芳香設定画面に含まれる形態であってもよい。
このうち芳香射出機能設定は、芳香射出装置9から芳香を射出すべきか又は射出を規制すべきかについて設定するための項目である。この芳香射出機能設定としては、視聴者の設定に応じてONである場合には芳香射出装置9から芳香を射出し、OFFである場合には芳香射出装置9から芳香を射出しないように設定することができる。なお、芳香設定画面におけるON及びOFFの表示は、選択する度に、制御部19が互いに逆の表示(例えば、「ON」と「OFF」という文字表示を上記リモートコントローラの操作により選択指示がなされるたびに「ON」→「OFF」、「OFF」→「ON」となるようの表示文字を変える表示形態)になるように制御している。または制御部19は、「ON」と「OFF」を両方表示しておき、選択された方をハイライトで表示し、選択されなかった方を色のトーンを落として表示するようにしてもよい。このようにすると、例えば、ONが選択された場合は「ON」がハイライト表示され、もう一方の「OFF」はグレーの文字で表示されるという表示形態となる。
芳香場面設定は、例えば芳香制御情報で定義されている複数のシーンのうち芳香を漂わせたくないシーンを指定するためのエリアである。つまりこの芳香場面設定は、シーンごとに芳香を射出すべきか否かを設定するための項目である。具体的には、上述した制御部19が、その芳香制御情報に基づいて、表示パネル7に、映像の各シーンに応じて芳香射出装置9から芳香を射出すべきか否かを設定するための設定項目を表示させる(設定情報表示手段に相当)。この芳香場面設定としては、爆発シーン、海辺シーン、田園シーン、食堂シーン及び病院シーンの少なくとも1つにおいて芳香を射出すべきか否かを設定することができる。ここで制御部19は、各シーンについて、例えばOFFからONに設定が変わった場合、後述する調整場面画面に遷移させるようになっている。この調整場面画面については後述する。
芳香カテゴリー設定は、例えば、芳香制御情報で定義されているカテゴリのうち好まないカテゴリーの芳香を射出しないように設定するためのエリアである。つまりこの芳香カテゴリ設定は、芳香の種類ごとに、各種類の芳香を射出するか否かを設定するための項目である。
具体的には、上述した制御部19が、その芳香制御情報に基づいて、表示パネル7に、映像の各シーンに応じて芳香射出装置9から射出すべき芳香の種類を設定するための設定項目を表示させる。具体的には、芳香カテゴリ設定としては、シトラス系、ミント系、ラベンダー系、ローズマリー系及びココナッツ系の芳香の種類について各々芳香を射出すべきか否かを設定することができる。
またこの芳香設定画面は、確定ボタン31及び戻るボタン32を有する。このうち確定ボタン31は、上述した入力内容を確定するためのボタンである。この確定ボタン31を操作すると、制御部19は、この芳香設定画面における入力内容に基づく新たな芳香制御情報で元々の芳香制御情報を更新する。
一方、戻るボタン32は、その入力内容を放棄し、図12に示す設定画面に遷移するためのボタンである。この場合、制御部19は、この芳香設定画面における入力内容に基づく新たな芳香制御情報を破棄し、元々の芳香制御情報(デフォルトの芳香制御情報)を更新しない。芳香サンプルボタン33は、操作されると、その左側に並んでいるシーンに対応した芳香を試験的に強制射出させるためのボタンである。
図14は、表示パネル7に表示される調整場面画面の一例を示す図である。
設定情報表示手段としての制御部19は、芳香制御情報に基づいて、射出場面設定項目として、各シーンにおいて射出すべき芳香を構成する各基本芳香の混合割合を示す混合割合表示項目を調整場面画面に表示させるとともに、各基本芳香の混合割合を調整するための混合割合調整項目(後述する混合割合項目に相当)を表示させる。
この調整場面画面は、例えば調整したい芳香の種類を選択するための選択項目及び、その選択した芳香を構成する成分の混合割合を表示するための混合割合項目を有する。この選択項目は、何も入力されていない状態においては、上述した制御部19が、元々の芳香制御情報に基づくシーンの種類を表示させている。
一方、混合割合項目は、何も入力されていない状態においては、制御部19が、元々の芳香制御情報に基づいて、その選択項目で選択したシーンに該当する芳香の成分の混合割合を表示させる。
この混合割合項目は、デフォルトボタン36、調整バー37及び混合量38を含んでいる。混合量38は、ある1つのシーンを構成すべき各芳香の成分の混合量を百分率及び帯状の表示オブジェクトで表すようになっている。調整バー37は、混合量38を調整するためのオブジェクトであり、左右に移動させることで混合量38を調整できるようになっている。この調整バー37の操作に応じて、混合割合項目の右側に表示している百分率の値が変更されるようになっている。
またデフォルトボタン36は、以上のような調整バー37の操作によって芳香の混合割合を変更したものの初期値に戻したい場合に操作するボタンである。このデフォルトボタン36を操作すると、制御部19は、元々の芳香制御情報に基づく混合割合に戻す表示を行う。
また、この調整場面画面は、確定ボタン33戻るボタン34を有する。このうち確定ボタン33は、上述した入力内容を確定するためのボタンである。この確定ボタン31を操作すると、制御部19は、この芳香設定画面における入力内容に基づく新たな芳香制御情報で元々の芳香制御情報を更新する。
この制御部19は、上述した芳香射出制御部27を制御し、芳香混合部21(芳香混合手段に相当)に、複数の基本芳香(例えば第1基本芳香29aなど)のうち、上記設定項目に対する所望の変更事項に基づく新たな芳香制御情報に基づいて選択した基本芳香によって所望の芳香を生成させる。この芳香混合部21は、上述のように所望の芳香を構成するために組み合わせた複数の基本芳香を混合する機能を有する。
一方、戻るボタン34は、その入力内容を放棄し、図13に示す設定画面に遷移するためのボタンである。この場合、制御部19は、この芳香設定画面における入力内容に基づく新たな芳香制御情報で元々の芳香制御情報を更新せず放棄する。
ここで制御部19は、上記芳香混合制御手段27が上記芳香混合手段21に上記所望の芳香を生成させた場合、芳香射出装置9に、その所望の芳香の射出を試行させるための芳香サンプルボタン35を、表示パネル7に表示させる。つまり、芳香サンプルボタン35は、その混合割合項目に表示されている混合割合とした芳香を試験的に強制射出させるためのボタンである。
芳香伝達装置100を内蔵する表示装置1は以上のような構成であり、次に図2〜図14を参照しつつこの芳香伝達装置100を内蔵する表示装置1の動作例について説明する。
図15は、芳香伝達装置100を含む表示装置1の設定処理の手順を表すフローチャートである。この設定処理は、例えば表示装置1の電源スイッチを最初に操作し、この表示装置1を立ち上げた場合に実行される手順の一例を表している。この設定処理(設定ステップに相当)は、芳香設定画面によって、芳香を射出する芳香射出装置9による芳香の射出を制御するための芳香制御情報の設定内容を変更する処理である。
上述した制御部19は、外部通信部12を介して、例えばリモートコントローラの電源スイッチが操作され、表示装置1が表示処理を開始したことを契機として、図15に示す設定処理を実行する。なお、この設定処理は、表示装置1が表示パネル7に映像を表示している場合に、制御部19が、例えば視聴者が任意のタイミングでリモートコントローラの設定ボタンを操作したことを契機に実行するようにしても良い。
まずステップS101では、制御部19が、記憶部13(のフラッシュメモリ13a)から芳香制御情報を読み出して、この芳香制御情報に基づいて図12に示す設定画面を表示する。この設定画面は、射出すべき芳香に関する設定項目(以下「芳香設定項目」と呼ぶ)及び、上述した表示や音の出力の設定に関する項目(以下「その他の項目」と呼ぶ)を含んでいる。
このとき記憶部13においては、この芳香制御情報がコンテンツIDに対応して管理されており、制御部19は、過去に再生したコンテンツデータのコンテンツIDと同一のコンテンツデータを再生する場合においては、記憶部13に過去に記憶済の芳香制御情報を用いる。つまり制御部19は、このようにコンテンツIDが同一である場合、この過去の芳香制御情報或いは過去に変更済みの芳香制御情報を用いることができるようになる。
一方、この制御部19は、あるコンテンツデータを初めて再生する場合には、上述したDVDから読み出して記憶部13に記憶しておいた芳香制御情報を用いる。そしてこの制御部19は、この初めての芳香制御情報をコンテンツIDに対応付けて記憶部13に記憶させておく。
次にステップS102では、制御部19は、この設定画面のうち芳香設定項目が選択されたか否かを検出する。制御部19は、芳香設定項目が選択されなかった場合、表示パネル7に、その他の項目を設定するための画面を表示する(ステップS103)。以下、この画面を「その他の設定画面」と呼ぶ。次にステップS103aでは、制御部19が、所望の設定項目の設定処理を実行する。一方、制御部19は、芳香設定項目が選択された場合、表示パネル7に、図13に示すような芳香設定画面を表示させる(ステップS104)。
視聴者は、図示しないリモートコントローラの選択ボタンを操作することで、この芳香設定画面において所望の項目を所望の態様となるように設定する。具体的には、まずこの芳香設定画面は、上述した制御部19が、元々の芳香制御情報に基づいて各項目の既に登録済の設定内容を表示させている。
この芳香設定画面では、例えば芳香射出機能設定、芳香場面設定及び芳香カテゴリ設定の3つの設定を行うことができる。芳香射出機能設定では、芳香射出装置9によって芳香を射出させるか否かをON又はOFFで設定可能となっており、図示の例では、この芳香射出機能設定がONと設定されている。
芳香場面設定では、上述した爆発シーンなどのうち食堂シーンについてのみOFFと設定されており、この食堂シーンにおいて芳香を射出しないものの、その他の爆発シーンなどにおいてはONと設定されているため、芳香を射出するようになっている。
芳香カテゴリー設定では、シトラス系などのうち、ミント系及びラベンダー系においてONと設定されており、これらミント系及びラベンダー系の芳香についてのみ射出されるようなっている。このようにすると、視聴者は自らの嗜好に応じた芳香のみを楽しむことができる。
ここで、この芳香設定画面には、芳香場面設定における各シーンの横に、対応する芳香サンプルボタン33が設けられているとともに、芳香カテゴリー設定における各芳香の種類の横に、対応する芳香サンプルボタン33が設けられている。視聴者は、いずれかの芳香サンプルボタン33を操作すると、上述した制御部19が、この芳香設定画面で設定された項目(元々の芳香制御情報に相当)に基づいて芳香射出制御部27を制御する。
この芳香射出制御部27は、芳香混合部21を制御し、芳香メインタンク29のうちこの項目に対応した第1基本芳香29cなどを選択して混合する。このようにすると、対応するシーン或いは芳香の種類に対応した芳香を試験的に射出させ、試しで嗅覚により確認することができる。
この芳香設定画面では、視聴者が所望の項目について入力できるようになっており、視聴者による入力項目は、制御部19が、確定ボタン31が押されたことを契機として、後述するように新たな芳香制御情報として元々の芳香制御情報の代わりに登録される。なお、視聴者が戻るボタン32を操作した場合、制御部19は、このような登録作業をせず、視聴者による入力項目がある場合でもその入力項目を破棄する。
ここで視聴者が、この芳香設定画面において、例えばONと設定した項目を選択した場合、制御部19は、図14に示す調整場面画面を表示させる。この調整場面画面では、例えば選択項目において海辺シーンが選択されている。上述した制御部19は、登録済の元々の芳香制御情報に基づいて、混合割合項目に、この海辺シーンに対応した芳香の成分に関する全ての混合割合を表示する。視聴者は、調整バー37を操作し、各成分ごとに、この表示した混合割合を所望の混合割合となるよう変更できる。
ここで、この調整場面画面の設定が変更された場合において芳香サンプルボタン35を操作すると、制御部19は、この芳香サンプルボタン35の操作を契機として、芳香射出制御部27に次のように制御させる。すなわち芳香射出制御部27は、コック28を制御し、芳香メインタンク29から、この海辺シーンに対応した第1基本芳香29aなどのうちから所定の組み合わせを芳香混合部21で混合させ、芳香射出部25から試験的に射出させる。以上のように視聴者は、変更すいた設定に応じた芳香を試験的に体感することができ、妥当な芳香を体感した場合、次のようにその新たな設定内容を登録する。なお、この登録先としては、上述した記憶部13であってもよいし、DVD自体であってもよい。
次にステップS107では、制御部19が、その確定ボタン33などを押した時点で、芳香設定画面の入力項目に基づく新たな芳香制御情報が元々の芳香制御情報から変更されているか否かを判断する。制御部19は、このような変更がない場合には、再度、上述した芳香設定画面を表示させる(ステップS101)。
一方、制御部19は、このような変更がある場合には元々の芳香制御情報を新たな芳香制御情報で更新する(ステップS107)。次にステップS108では、制御部19が、図示しないリモートコントローラの設定ボタンが再度操作されたか否かを判断する。制御部19は、この設定ボタンが再度操作されない場合には芳香設定画面を表示パネル7に表示させる一方(ステップS104)、この設定ボタンが再度操作された場合にはこの設定処理の実行を終了する。
図16は、芳香伝達装置100の動作例を示すフローチャートである。この動作例(制御ステップに相当)では、上述した設定ステップにおいて変更された新たな芳香制御情報に基づいて、制御部19が芳香射出装置9による芳香の射出を制御する処理を含んでいる。
次にステップS1では、制御部19によって、スイッチ部17の一部としてのプレイボタン(再生ボタン)がオン(ON)されたか否かを検出する。このプレイボタンがONとされた場合、指定されたタイトルのコンテンツを再生すべく、図示しないDVDプレーヤに内蔵するピックアップがDVDからコンテンツデータを読み出してコンテンツの再生の準備をする一方、この制御部19が次のようなステップS2を実行する。
このステップS2では、DVDからDVD制御ファイルが読み出される。次にステップS3では、このDVD制御ファイルに含まれる芳香制御情報の芳香フラグが制御部19に転送される。
このステップS4では、距離計測装置6が、出力源の一例としての表示パネル7の映像表示面と視聴者との離間距離を計測する。具体的には、まず、この距離計測装置6が、例えばカメラによって撮影した視聴者の顔に関する画像から、この視聴者の鼻を画像処理によって認識する。次にこの距離計測装置6が、この視聴者の鼻に向けて光や超音波を照射し、上記離間距離を計測している。なお、この距離計測装置6による離間距離の計測は、ステップS4を実行する時点の代わりに、電源スイッチがオンされた直後に行われるようにしても良い。
次にステップS5では、制御部19が、芳香26の伝送速度及びこの離間距離に基づいて、この芳香射出装置9から射出された芳香26が視聴者の鼻に到達するまでの所要時間を演算する。この演算式としては、次の式(1)のようになっている。芳香26の伝送速度は、室温(例えば20度)における芳香気団の移動速度が記憶部13に記憶されており、ステップS5の実行前に予め設定されているものとする。また、芳香制御情報に射出速度が記述されている場合は記述されている射出速度を伝送速度とする。
「補正タイミング時間」=「再生タイミング時間」−「映像表示面と芳香を感じる視聴者の鼻との距離」÷「芳香の伝送速度」 ・・・ (1)
なお、式(1)における「映像表示面と芳香を感じ取る視聴者の鼻との距離」は上記「離間距離」に相当し、「芳香の伝送速度」は上記「伝送速度」に相当する。
次にステップS6では、この制御部19が、この演算結果としての所要時間に応じて、上記補正タイミング時間を、芳香射出装置9によって実際に芳香26を射出すべきタイミングとしてセットする。
次にステップS7では、DVDに記録されているコンテンツデータに基づくコンテンツ(実体内容情報)が再生される。制御部19は、このようなコンテンツの再生に同期させて、この芳香制御情報の芳香フラグに基づいて、補正タイミング時間にて再生期間にわたり芳香射出装置9を作動させるべく準備する。
この準備としては、例えば、上述のようにセットされたタイミングによって、上述のように芳香射出装置9を作動させようとした本来の再生タイミング(本実施形態では「再生タイミング」と呼んでいる)から、上記所要時間分、この芳香射出装置9の射出タイミングをシフトさせる。本実施形態では、このようにシフトさせた射出タイミングを「補正タイミング」と呼んでいる。
次にステップS8では、制御部19が、現在の時刻が補正タイミング時間であるか否かを確認する。現在の時刻がこの補正タイミング時間でない場合、制御部19が、現在の時刻がこの補正タイミング時間となるまで繰り返し、現在の時刻が上述した補正タイミング時間であるか否かの確認処理を繰り返す一方、現在の時刻がこの補正タイミング時間である場合、この制御部19が、次のステップS9を実行する。
このステップS9では、この芳香射出装置9が、このような制御部19の制御によって、上記再生タイミングから補正タイミングにシフトさせて芳香26を次のように射出するようになる。具体的には、制御部19は、芳香制御情報の芳香フラグに応じて、芳香メインタンク29から第1基本芳香29aなどの好適な基本芳香のいずれか又はこれらいずれかの組み合わせを選択すべくコック28を制御する。
すると、芳香混合部21には、このコック28を経由して所望の基本芳香29aなどが蓄積され、所望の種類の芳香(の気団)26が蓄積される。この制御部19は、芳香サブタンク23を制御し、芳香混合部21にて混合し終わった芳香26を取り込む。そして芳香射出制御部27は、芳香射出部25が未使用状態であることを確認した後に、芳香サブタンク23に取り込んだ芳香26を芳香射出部25に取り込む。
そして制御部19は、芳香制御情報の芳香フラグに応じた条件で圧電素子25bを作動させ、この芳香射出部25の内部の体積を再生期間にわたり変化させることにより、この芳香射出部25に取り込まれた芳香26を所定の伝送速度で射出する。
このようにすると、視聴者が、接している映像や音に同期させた芳香26を感じ取ることができることから、視覚や聴覚によりこれら映像や音を楽しむことができるばかりでなく、さらに嗅覚により、これら映像や音に合わせた芳香26を楽しむことができる。
次にステップS10では、制御部19が、このような再生期間が経過すると、このように射出した芳香26を消失させるべく、この芳香射出装置9に脱臭気体を射出させる。具体的には、制御部19は、芳香メインタンク29から基本消臭剤29gを選択すべくコック28を制御する。なお、この基本消臭剤29gは、上述した脱臭気体を生じさせるためのものである。
すると、芳香混合部21には、このコック28を経由して基本消臭剤29gが脱臭気体として蓄積される。この制御部19は、芳香サブタンク23を制御し、芳香混合部21から脱臭気体を取り込む。そして制御部19は、芳香射出部25が未使用状態であることを確認した後に、この芳香サブタンク23に取り込んだ脱臭気体を芳香射出部25に取り込む。
そして制御部19は、芳香制御情報の芳香フラグに応じた条件で圧電素子25bを作動させ、この芳香射出部25の内部の体積を再生期間にわたり変化させることにより、この芳香射出部25に取り込まれた脱臭気体を所定の伝送速度で射出する。
このようにすると、視聴者が、接している映像や音に同期させた芳香26を感じつつも、このような脱臭気体によりその芳香26が好適なタイミングで消臭されることから、新たに射出された他の芳香26と混合せず、これら映像や音に合わせた芳香26を楽しむことができる。
次にステップS11では、再生している1つのタイトルのコンテンツが終了であるか否か、つまり、DVDプレーヤがDVDから読み出すべきコンテンツデータが終了であるか否かを判断する。1つのタイトルのコンテンツの終了にまでに至っていない場合には、DVDプレーヤがDVDからこのタイトルのコンテンツの再生を継続する。一方、制御部19は、上記ステップS8〜ステップS10の実行を再度行う。一方、その1つのタイトルの再生を終了する場合には、そのDVDプレーヤがDVDからのコンテンツの再生(プレイ)を停止(オフ)とする(ステップS12)。
上記実施形態における芳香伝達装置100は、芳香を射出する芳香射出手段9(芳香射出装置に相当)と、上記芳香射出手段9による芳香の射出を制御するための芳香制御情報を記憶する芳香制御情報記憶手段13(記憶部に相当)と、上記芳香制御情報記憶手段13に記憶している上記芳香制御情報の設定内容を変更する設定変更手段(設定変更画面に相当)と、上記設定変更手段によって変更された新たな芳香制御情報に基づいて、上記芳香射出手段9による芳香の射出を制御する制御手段19(制御部に相当)とを有する。
上記実施形態における芳香伝達方法は、設定変更手段によって、芳香を射出する芳香射出手段9(芳香射出装置に相当)による芳香の射出を制御するための芳香制御情報の設定内容を変更し、新たな芳香制御情報を芳香制御情報記憶手段13(記憶部に相当)に記憶する設定変更ステップと、上記設定変更手段によって変更された上記芳香制御情報記憶手段13の新たな芳香制御情報に基づいて、制御手段19が上記芳香射出手段9による芳香の射出を制御する制御ステップとを有する。
以上のようにすると、例えば視聴者が自らの好みに応じて、設定変更手段によって芳香制御情報の設定内容を変更すれば、制御手段19が、その変更後の芳香制御情報に基づいて、芳香射出手段による芳香の射出を制御するようになる。このため、芳香射出手段によって射出される芳香の射出状態を、視聴者の好みに合わせて所望の態様に制御することができる。
上記実施形態における芳香伝達装置100は、上記構成に加えてさらに、映像を表示する表示手段7(表示パネルに相当)を有し、上記設定変更手段19(制御部に相当)は、上記表示手段7(表示パネルに相当)に、上記芳香制御情報の設定内容を表示させる設定情報表示手段と、上記表示手段7に表示された上記芳香制御情報に応じて、所望の変更内容を入力する入力手段(表示ボタンなどに粗相当)と、上記入力手段によって入力された所望の変更内容に基づいて、上位芳香制御情報を上記新たな芳香制御情報に更新する更新手段とを有する。
このようにすると、視聴者が、現在の芳香制御情報の内容を視覚的に確認した上で、意図した芳香が射出されるようにすることができる。このため視聴者は、自ら意図した態様で芳香が射出されることになり、心地よく芳香を楽しむことができる。
上記実施形態における芳香伝達装置100は、上記構成に加えてさらに、上記設定情報表示手段19は、上記表示手段15に、上記芳香射出手段9から芳香を射出すべきか又は射出を規制すべきかについて設定するための設定項目(芳香射出機能設定)を表示させる。
このようにすると、視聴者が望む場合にのみ芳香射出手段9が芳香を射出するようになる。このため視聴者が、所望の場面でのみ射出された芳香を楽しむことができる。
上記実施形態における芳香伝達装置100は、上記構成に加えてさらに、上記設定情報表示手段19は、上記芳香制御情報に基づいて、上記表示手段7に、上記映像を構成する各場面(シーンに相当)に応じて上記芳香射出手段9から芳香を射出すべきか否かを設定するための設定項目(射出場面設定項目に相当)を表示させる。
このようにすると、視聴者の所望の場面でのみ芳香射出手段9が芳香を射出するようになるため、視聴者は、例えば特定の場面で射出されていたであろう意図しない場面で射出された芳香所望の場面でのみ射出された芳香を楽しむことができる。
上記実施形態における芳香伝達装置100は、上記構成に加えてさらに、上記設定情報表示手段19は、上記芳香制御情報に基づいて、上記表示手段7に、上記映像を構成する各場面に応じて前上記記芳香射出手段9から射出すべき芳香の種類を設定するための設定項目を表示させる。
このような構成とすると、芳香射出手段9が、映像を構成する各場面において所望の種類の芳香のみを射出するようになる。このため視聴者が、映像を見るにあたり所望の種類の芳香のみに接するようになるため、心地よく映像を楽しむことができる。
上記実施形態における芳香伝達装置100は、上記構成に加えてさらに、上記設定情報表示手段19は、上記芳香制御情報に基づいて、上記射出場面設定項目として、各上記場面において射出すべき芳香を構成する各基本芳香29aなどの混合割合を示す混合割合表示項目を表示させるとともに、各基本芳香29aなどの混合割合を調整するための混合割合調整項目を表示させる。
このような構成とすると、視聴者の嗅覚に応じて微調整を行うことができる。このため視聴者は、さらに心地よく嗅覚により芳香を楽しむことができる。
上記実施形態における芳香伝達装置100は、上記構成に加えてさらに、所望の芳香を構成するために組み合わせるべき複数の基本芳香を混合する芳香混合手段と、上記芳香混合手段21(芳香混合部に相当)に、上記複数の基本芳香のうち、上記設定項目に対する所望の変更事項に基づく新たな芳香制御情報に基づいて選択した基本芳香によって上記所望の芳香を生成させる芳香混合制御手段27(芳香射出制御部)とを有する。
このような構成とすると、芳香混合制御手段27は、新たな芳香制御情報に基づいて芳香混合手段21に様々な種類の芳香を生成させることができる。
上記実施形態における芳香伝達装置100は、上記構成に加えてさらに、上記設定情報表示手段19は、上記芳香混合制御手段27が上記芳香混合手段21に上記所望の芳香を生成させた場合、上記所望の芳香を、試行的に、上記芳香射出手段9に射出させるためのボタンを上記表示手段7に表示させる。
このようにすると、所望の芳香を実際の映像とともに射出する前に、この所望の芳香が意図した香りとなっているか否かを確認することができる。
上記実施形態における芳香伝達装置100は、上記構成に加えてさらに、芳香を射出する芳香射出手段9(芳香射出部に相当)を有し、上記制御手段19(制御部に相当)上記芳香射出手段9から対象者31(視聴者に相当)の鼻までの離間距離を計測する距離計測手段6(距離計測装置に相当)と、上記離間距離に基づいて、上記芳香射出手段9から射出された上記芳香が上記対象者31の鼻に到達するまでの所要時間ΔTを演算し、上記所要時間に応じて上記芳香射出手段9による上記芳香26の射出タイミングを補正して上記芳香射出手段9を制御する制御手段19(制御部に相当)とを備える。
このようにすると、芳香射出手段9が射出した芳香26は、映像及び音の少なくとも一方に合わせて、適切なタイミング(補正タイミング時間)で視聴者31の鼻に到達する。このため、この映像などに接している視聴者31は、この映像などに同期して提供された芳香26によって違和感なくより臨場感豊かに、この映像などを楽しむことができる。
上記実施形態における芳香伝達装置100は、上記構成に加えてさらに、上記映像及び音の少なくとも一方を出力する出力源7,4(表示パネル、スピーカー)を有し、上記制御手段19は、上記対象者が芳香を伴う映像または音を視聴するタイミングと、上記芳香を感じるタイミングが一致するように、上記射出タイミングを補正する。
以上のようにすると、芳香射出手段9が射出した芳香26は、出力源7,4から出力された映像及び音の少なくとも一方に合わせて、適切なタイミング(補正タイミング時間)で視聴者31の鼻に到達する。このため、この映像などに接している視聴者31は、この出力源7,4から出力された映像などに同期して提供された芳香26によって違和感なくより臨場感豊かに、この映像などを楽しむことができる。
上記実施形態における芳香伝達装置100は、上記構成に加えてさらに、上記映像及び音の少なくとも一方がコンテンツデータとして記録媒体(DVD)に記録されており、この記録媒体は、上記映像及び音の少なくとも一方の内容自体を表す実体内容情報と、上記芳香制御情報とを含み、上記制御手段19(芳香射出制御部)は、上記記録媒体から取得した上記芳香制御情報に基づいて上記芳香射出手段9を制御する。
このような構成とすると、芳香制御情報を記録した記録媒体を用意しておけば、制御手段19は、この記録媒体から取得した芳香制御情報に基づいて、映像などの再生に同期させて所望の芳香を射出することができる。すると視聴者31は、再生された映像などを視覚などによって楽しむことができるとともに、この映像などに同期した芳香26を嗅覚によって楽しむことで、より臨場感豊かに映像などを楽しむことができる。
<第2実施形態>
図17は、第2実施形態における芳香伝達装置100に提供すべき芳香制御情報などを送信する送信装置50の構成例を示すブロック図である。
図18は、第2実施形態における芳香伝達装置100に提供すべき芳香制御情報を受信する受信装置60の構成例を示すブロック図である。
第2実施形態における芳香伝達装置100及び表示装置1は、各々、第1実施形態における芳香伝達装置100及び表示装置1とほぼ同様の構成でありほぼ同様の動作である。このため第2実施形態では、同一の構成及び動作については第1実施形態における図2乃至図16と同一の符号を用いるとともに、その説明を省略し、以下の説明では異なる点を中心として説明する。
第1実施形態では、制御部19が、DVDからコンテンツデータ(実体内容情報)とともに芳香制御情報を取得していたが、第2実施形態では、この制御部19が、いわゆるディジタル放送における放送データから、コンテンツデータ(実体内容情報)とともに芳香制御情報(前述のDVDと同様な)を取得している。つまり第2実施形態では、第1実施形態のようにDVDなどの記録媒体に芳香制御情報を入れておいたのに対して、ストリーム系の放送データにおける制御ファイルに芳香制御情報を入れておく点が異なっている。
図17に示す送信装置50は、例えばいわゆるディジタル放送事業者において設置された送信設備の一部である。この送信装置50は、所定のコンテンツの再生に用いる放送データを送信する機能を有する。この送信装置50は、符号化部51,52,53、グループ化パケット多重化部54(以下「パケット多重化部54」という)、変調部55、送信部56及びアンテナ57を備えている。
符号化部51,52,53は、それぞれ、芳香制御情報、映像信号及び音信号を符号化(圧縮)する機能を有する。パケット多重化部54は、これら符号化された芳香制御情報、映像信号及び音信号をグループ化しつつパケット単位で多重化する機能を有する。
このときパケット多重化部54は、例えば多重化したデータに誤り訂正符号を付している。変調部55は、多重化されたこれらデータをディジタル変調し、送信部56に出力する。この送信部56は、引き渡されたデータをアンテナ57を経由して放送データとして送信する。
一方、図18に示す受信装置60は、例えば一般家庭に設置される受信チューナである。この受信チューナは、その放送データを受信する機能を有する。この受信装置60は、符号化部61,62,63、誤り訂正多重分離部64、変調部65、送信部66及びアンテナ67を備えている。
受信部66は、アンテナ67を介して受信した放送データを復調部66に引き渡す。この復調部66は、この放送データをディジタル復調し、誤り訂正多重分離部64に引き渡す。
この誤り訂正多重分離部64は、ディジタル復調された放送データを誤り訂正処理を実行する。次にこの誤り訂正多重分離部64は、多重化された芳香制御情報、映像信号及び音信号を各々分離し、符号化部61,62,63に引き渡す。これら符号化部61,62,63は、各々芳香制御情報、映像信号及び音信号を各々復号化し、芳香制御情報、映像信号及び音信号を生成する。
上記制御部19は、以上のように受信装置60によって送信装置50から受信した芳香制御情報を取得する。この制御部19は、この映像信号に基づいて表示パネル7に表示された映像に同期させるとともに、この音信号に基づいてスピーカー4に出力された音に同期させて、この芳香制御情報に基づいて芳香射出装置9を制御する。このとき、この制御部19は、第1実施形態と同様に芳香制御情報の芳香フラグの内容に応じて、芳香射出装置9に、上記再生タイミング時間の代わりに、補正タイミング時間から再生期間に渡り、所望の芳香26を射出させるように制御している。
第2実施形態における芳香伝達装置100は、上記第1実施形態の構成に加えてさらに、映像及び音の少なくとも一方がコンテンツデータとして配信されており、このコンテンツデータは、上記映像及び音の少なくとも一方の内容自体を表す実体内容情報と、上記芳香射出手段9による芳香の射出を制御するための芳香制御情報とを含み、上記制御手段19(制御部)は、受信した上記芳香制御情報に基づいて上記芳香射出手段9(芳香射出部)を制御する。
このような構成とすると、配信すべき実体内容情報(コンテンツデータ)とともに芳香制御情報を用意しておけば、制御手段19(制御部)は、この取得した芳香制御情報に基づいて、映像などの再生に同期させて、芳香射出装置9に所望の芳香26を射出させる。すると視聴者31は、再生された映像などを楽しむことができるとともに、この映像などに同期しているとともに視聴者の好みの態様に調整された芳香26が提供されることで、より臨場感豊かに映像などを楽しむことができる。
なお、本実施形態は、上記に限られず、種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
上記第2実施形態では、いわゆるディジタル放送に適用した形態を例示したが、これに限られず、いわゆるアナログ放送に適用しても良い。
上記実施形態では、記録媒体の一例としてのDVDに、コンテンツとともに芳香制御情報を記録していたが、例えばいわゆるBlu−Rayディスクのユーザエリアに記録しておき、コンテンツの出力に同期させて芳香26を出力するようにしても良い。また、ディジタル/アナログ放送波に限らずインターネットで配信されるデータストリーム中に芳香制御情報を記録しても良い。また上記コンテンツデータが芳香制御情報を含んでいてもよい。
上記実施形態においては、芳香伝達装置100が、映像などのコンテンツの出力に同期させて芳香26を出力している場合に、このコンテンツの聴従させて芳香26を射出している旨の表示(例えば「芳香タイム」という表示)を行うことができる。
上記実施形態では、芳香伝達装置100が、映像などのコンテンツの出力に同期させて好適なタイミングで芳香26を射出することを例示しているが、これに限られない。すなわち、上記実施形態では、例えば視聴者31が食事中である場合のように、このように射出すべき芳香26の他にも香りが存在しうるときには、芳香伝達装置100に、芳香26の射出についてオン又はオフを切り替える機能を備えていても良い。なお、このオン又はオフを切り替える機能としては、視聴者31がリモートコントローラによって芳香伝達装置100に指示を与えることができるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、視聴者31が1名であることを例示しているが、これに限られず、視聴者31が複数名であっても良い。この場合、芳香伝達装置100は、その距離計測装置6によって視聴者31が複数いることを認識した場合、制御部19が、芳香射出装置9に射出させるべき芳香26の量を増加させるようにしてもよい。
上記実施形態においては、芳香射出装置9が、芳香26のみならず脱臭気体の両方を射出しているが、これに限られず、芳香26と脱臭気体を別々の射出部から射出する形態を採用しても良い。
上記実施形態では、表示装置1が芳香伝達装置100を内蔵している形態を例示しているが、これに限られず、芳香伝達装置100が表示装置1とは別体となっている形態であっても良い。さらに芳香伝達装置100自体が、映像及び音の少なくとも一方を出力する出力源(表示パネル7及びスピーカー4の少なくとも一方)を含んだ表示装置1であってもよい。