JP2009049219A - 炭化珪素半導体素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】加熱工程において不純物がドープされた炭化珪素基板の反りを発生させることなく、炭化珪素半導体素子を製造する方法を提供する。
【解決手段】炭化珪素基板1の主面上に形成された炭化珪素層2の少なくとも一部に不純物イオンを注入し、不純物注入領域4を形成する工程(A)と、炭化珪素層の表面にキャップ層5を形成する工程(B)と、炭化珪素基板を第一の設定温度まで第一の昇温レートで加熱する工程(C)と、加熱工程(C)の後に、前記第一の昇温レートよりも小さい第二の昇温レートで第二の設定温度まで炭化珪素基板1を加熱する工程(D)と、を包含することにより、炭化珪素基板1が熱処理によって反ることを少なくすることできる。
【選択図】図1
【解決手段】炭化珪素基板1の主面上に形成された炭化珪素層2の少なくとも一部に不純物イオンを注入し、不純物注入領域4を形成する工程(A)と、炭化珪素層の表面にキャップ層5を形成する工程(B)と、炭化珪素基板を第一の設定温度まで第一の昇温レートで加熱する工程(C)と、加熱工程(C)の後に、前記第一の昇温レートよりも小さい第二の昇温レートで第二の設定温度まで炭化珪素基板1を加熱する工程(D)と、を包含することにより、炭化珪素基板1が熱処理によって反ることを少なくすることできる。
【選択図】図1
Description
本発明は、炭化珪素を用いた半導体素子の製造方法に関する。
炭化珪素(シリコンカーバイド、SiC)は、珪素(Si)に比べてバンドギャップが大きく、絶縁破壊電界強度が高いことなどから、次世代の低損失パワーデバイス等へ応用されることが期待される半導体材料である。炭化珪素は、立方晶系の3C−SiCや六方晶系の6H−SiC、4H−SiC等、多くのポリタイプを有する。この中で、実用的な炭化珪素半導体素子を作製するために一般的に使用されているのが4H−SiCである。そして、c軸の結晶軸に対し垂直な(0001)面にほぼ一致する面を主面とする基板が広く用いられる。
炭化珪素半導体素子(SiC半導体素子)を形成するためには、炭化珪素基板(SiC基板)上に半導体素子の活性領域となるエピタキシャル成長層を形成し、この層の選択された領域で導電型やキャリア濃度を制御することが必要となる。選択された局所的な領域に不純物ドープ層を形成するためには、不純物ドーパントをエピタキシャル成長層中にイオン注入することが必要不可欠である。
以下、図6(a)〜(d)を参照しながら、従来の不純物ドープ層の形成方法について、MOSFETにおけるp型ウェル領域を形成する方法を例に説明する。
まず、図6(a)に示すように、SiC基板40にn型ドリフト層として機能する炭化珪素層41を形成する。SiC基板40として、(0001)面より数度(オフ角)傾けてステップ密度を増大させた表面(ステップ構造表面)を有する直径が50mm以上の基板が用いられ、炭化珪素層41はステップの横方向成長によるステップフローを利用してエピタキシャル成長させる。続いて、炭化珪素層41の表面にイオン注入マスク42を形成する。注入マスク42は、炭化珪素層41のうち、p型ウェル領域43が形成される領域以外の領域上に設けられる。
次に、図6(b)に示すように、注入マスク42の上方から炭化珪素層41に不純物イオン(Alイオン)44を注入する。
その後、図6(c)に示すように、注入マスク42を除去した後、不純物イオン注入層43が形成された炭化珪素層41の表面のみにキャップ層45(例えばカーボン膜)を形成する。
その後、図6(d)に示すように、イオン注入による損傷の回復と不純物イオンの活性化のために活性化アニール処理を行う。活性化アニール処理は炭化珪素基板40を1700℃以上の温度まで加熱することにより行う。活性化アニール処理によって、炭化珪素層41の一部に不純物ドープ層としてp型ウェル領域46が形成される。炭化珪素層41のうちp型ウェル領域46が形成されていない領域はn型ドリフト領域47となる。
特許第3760688号明細書
従来、炭化珪素半導体素子は、数センチ角程度のカット基板を用いて作製されていた。これは、大きな炭化珪素単結晶を得るのが難しかったこと、および、炭化珪素半導体素子が研究開発段階にあったことによる。
しかし、近年、大きな炭化珪素単結晶を製造する技術も確立され、2インチ以上の炭化珪素ウエハが利用できるようになってきた。また、炭化珪素半導体素子の開発も進み、商業的製品を試作、あるいは製造する段階にある。このため、2インチあるいはそれ以上の大きさの炭化珪素基板を用いて炭化珪素半導体素子を製造する技術を開発することが課題となっている。
本願発明者が、従来の製造技術を用いて、2インチ以上の炭化珪素ウエハに炭化珪素半導体素子を作製したところ、上述した不純物ドープ領域を形成した後に炭化珪素ウエハが大きく反ってしまうという問題が生じることが分かった。炭化珪素ウエハが反ってしまうと、リソグラフィ工程において正確なパターンの形成が困難になるだけでなく、炭化珪素ウエハを種々の半導体製造装置において正しく取り扱うことが困難となり、炭化珪素半導体素子を作製するための種々の製造工程を全く行うことができなくなる。
本発明は、このような従来技術の課題を解決し、基板の反りを発生させることなく、炭化珪素半導体素子を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明の炭化珪素半導体素子の製造方法は、炭化珪素基板の主面上に形成された炭化珪素層の少なくとも一部に不純物イオンを注入し、不純物イオン注入領域を形成する工程(A)と、前記炭化珪素層の表面にキャップ層を形成する工程(B)と、前記炭化珪素基板を第一の設定温度まで第一の昇温レートで加熱する工程(C)と、前記加熱工程(C)の後に、前記第一の昇温レートよりも小さい第二の昇温レートで第二の設定温度まで前記炭化珪素基板を加熱する工程(D)と、を包含する。
好適な実施形態として、前記加熱工程(C)は、前記炭化珪素基板を前記第一の設定温度で保持する。
好適な実施形態として、前記加熱工程(C)における前記第一の昇温レートが、200℃/分以上1000℃/分以下である。
好適な実施形態として、前記加熱工程(D)における前記第二の昇温レートが、10℃/分以上50℃/分以下である。
好適な実施形態として、前記加熱工程(C)において前記第一の設定温度が、1400℃より高く1700℃以下である。
好適な実施形態として、前記炭化珪素基板は、少なくとも50mm以上の直径を有する。
本発明の炭化珪素半導体素子の製造方法によると、不純物ドープ領域が形成された主面を有する炭化珪素基板の表面にキャップ層を形成し、キャップ層が形成された後に第一の昇温レートよりも小さい第二の昇温レートで第二の設定温度まで炭化珪素基板を加熱する工程を含むことにより、炭化珪素基板が熱処理によって反ることを少なくすることできる。
本願発明者は従来の活性化アニール処理後に炭化珪素基板が反る原因について詳細に検討を行った。その結果、炭化珪素基板が反る原因は、活性化アニール処理の際の昇温レートが関係していることが分かった。
具体的には、直径75mm(3インチ)のウエハ状の4H−SiC基板を用い、不純物を注入後にカーボンのキャップ層(カーボン膜)を表面に形成し、種々のアニール温度で基板をアニール後、キャップ層を除去して基板の反りを調べた。平均的な昇温速度は約400℃/分とした。図2にアニール温度が1800℃の場合の活性化アニール処理の温度プロファイルを示す。
図3は、アニール温度と基板の反りの大きさとの関係を示している。図3の横軸はアニール処理温度(℃)であり、縦軸は曲率(1/m)である。ここで、曲率は、図4(a)に示すように、キャップ層が存在する面が凸状に反っている場合をマイナスにとり、図4(b)に示すようにキャップ層が存在する面が凹状に反っている場合をプラスにとっている。
図3の白丸のポイントが示すように、アニール温度が1700℃以下では曲率が0.01(1/m)以下である。しかしながら、1750℃の場合(曲率0.032)では、白丸のポイントの曲率は0.30(1/m)よりも大きくなる。このように、アニール温度が1700℃よりも高くなると、炭化珪素基板の反りが顕著になる。本願発明者の検討によれは、直径が50mm以上のウエハ、あるいは長辺の長さが50mm以上の矩形の基板を用い、アニール温度が1700℃より高くなる場合に炭化珪素基板の反りが顕著になることが分かった。キャップ層を除去した後でも炭化珪素基板が反っていることから、この炭化珪素基板の反りは、キャップ層と炭化珪素基板との熱膨張率の差によって生じているのではないことが分かる。
このように基板が反ってしまうと、たとえばフォトリソ工程において、ステッパやレジストコーター等の装置の基板ホルダーへ基板を吸着させることが不可能となり、事実上、それ以降の半導体製造工程を炭化珪素基板に施すことができず、デバイス作製が不可能となってしまう。
基板の反りを回避するためには、上述のサイズの炭化珪素基板に活性化アニール処理を施す場合には、アニール処理温度を1700℃以下に設定することが考えられる。しかし、イオン注入種の活性化はアニール処理温度に大きく依存し、処理温度が高ければ高いほど活性化率は向上する。これは、処理温度が低い場合には注入の際に発生した欠陥の回復が不十分となり、高密度の欠陥が存在することにより、注入された元素がSiC結晶の最適なサイト(Alの場合はSiサイト)に入らずに、格子間元素となり、キャリアとして機能しなくなる。したがって、活性化アニールの処理温度を低くすれば、注入種の活性化が不十分になり、炭化珪素本来の優れた物性値から期待されるような電気的特性を有する炭化珪素半導体素子を得ることが困難となる。
さらに詳細に実験を行ったところ、昇温速度が比較的遅い場合(約200℃/分より低い場合)には、注入により生じた結晶欠陥が回復する際、最初の結晶系とは異なるポリタイプの結晶が部分的に再成長し、半導体特性が変化してしまうことがわかった。たとえば、4H−SiCは3C−SiCに変化してしまう。
本願発明者は、活性化アニール処理において第一の昇温レートで加熱した後、第一の昇温レートよりも小さい第二の昇温レートで加熱する昇温過程にすることによって、このような課題を解決し、基板の反りを解消するとともに、優れた特性を有する半導体素子を作製することが可能であることを見出した。
以下、本発明による炭化珪素半導体素子の製造方法を具体的に説明する。
図1(a)に示すように炭化珪素半導体基板1を用意する。炭化珪素半導体基板1には、直径が50mm以上のウエハ、あるいは、長辺の長さが50mm以上の矩形の基板を用いる。炭化珪素半導体基板1は、第1の主面11aと第2の主面12aとを有している。本実施形態では、[11−20](112バー0)方向に8度のオフ角度を有する直径75mmの炭化珪素基板(4H−SiC基板)を用いる。また、本実施形態では、第1の主面11aはSi面であり第2の主面12aはC面であるが、第1の主面11aおよび第2の主面12aがC面およびSi面であってもよい。
次に、図1(b)に示すように、炭化珪素半導体基板1の第1の主面11a上にたとえば厚さ10μmの炭化珪素層2をCVD法によってエピタキシャル成長させる。その後、図1(c)に示すように、イオン注入装置を用いて炭化珪素層2に不純物イオン3を注入することにより、不純物イオン注入領域(厚さ:たとえば400nm)4を炭化珪素層2中に形成する。本実施形態では、p型不純物ドープ領域を形成するため、不純物イオン3としてアルミニウムイオンを選択する。
不純物イオンの注入は、異なる加速エネルギーで複数回行ってもよい。また、炭化珪素層2の上面2aの所定の領域を覆う注入マスクを形成後に不純物イオンを注入することにより、炭化珪素層2の所定の領域にのみ選択的に不純物イオンを注入してもよい。この際、異なる注入マスクを複数用いて、それぞれ異なる不純物イオンを注入してもよい。
次に、図1(d)に示すように、炭化珪素層2の上面2aを覆うようにキャップ層5を形成する。キャップ層5は、炭化珪素よりも高い熱伝導率を有し、高温において炭化珪素と反応しない性質を備えていることが好ましい。また、その後に行われる活性化アニール処理のアニール温度においても、熱によって容易に分解したり、蒸発しないことが好ましい。活性化アニール処理後、除去が容易な物質であることも好ましい。活性化アニール処理は1700℃よりも高い温度で行うため、1700℃よりも高い温度においてキャップ層5はこうした性質を備えていることが好ましい。
このような特徴を備えたキャップ層5に適した物質として、炭素を主として含む物質が挙げられる。炭素は高い熱伝導性および高い融点を備え、また、炭化珪素基板の構成元素でもあるため、炭化珪素との反応性は低い。また、酸素プラズマなどに曝すことにより、炭素は比較的容易に除去が可能である。たとえば、アモルファスカーボン、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、などの結晶性カーボン、耐熱性を有するレジストなどの有機膜からなるキャップ層5を用いることができる。キャップ層5の形成方法に制限はなく、半導体製造技術で用いられるスパッタリング法、CVD法などを用いることができる。
キャップ層5は、活性化アニール処理の間、炭化珪素層2の上面2aおよび炭化珪素基板1の第2の主面12aから珪素の蒸発を抑制するのに十分な厚さを有していることが好ましい。このために必要なキャップ層5の厚さは、キャップ層5を構成する物質および形成方法、活性化アニール処理の時間および温度などに依存する。
キャップ層5を構成する物質、形成方法、および膜厚は、活性化アニール処理の温度における上述した条件に加えて、コストおよび生産性を考慮して決定される。
本実施形態では、スパッタリング法により厚さ150nmのアモルファスカーボン膜をキャップ層5として、炭化珪素層2の上面2aおよび炭化珪素基板1の第2の主面12aに形成した。この厚さは、活性化アニール処理を1800℃で行う場合に適した値である。活性化アニール処理を1850℃で行う場合には、アモルファスカーボン膜の昇華が生じるため、キャップ層5は、1μm程度の厚さを有していることが好ましい。
続いて、図1(d)に示すように、炭化珪素層2に熱を加え、炭化珪素層2の不純物注入領域4中の不純物イオンを活性化し、不純物ドープ領域6を炭化珪素層2中に形成する。アニール処理温度を1800℃とし、アニール時間を5分間と設定した。
活性化アニールの昇温過程として次の2種類を検討した。図5に活性化アニール処理の温度プロファイルを示す。図5(a)に示した昇温過程Aは、1550℃まで昇温速度約400℃/分で加熱する第一昇温過程の後に、アニール処理温度の1800℃まで平均15℃/分で加熱する第二昇温過程を含む。図5(b)に示した昇温過程Bは、1550℃まで昇温速度約400℃/分で加熱する第一昇温過程の後に、1550℃で5分間温度を保持した後に、アニール処理温度の1800℃まで平均15℃/分で加熱する第二昇温過程を含む。
注入により生じた結晶欠陥の回復および不純物の活性化が十分に行うことができるように、アニール温度は1700℃よりも高い温度で行うことが好ましい。より好ましくは、アニール温度は1800℃以上である。アニール温度が高いほど、注入した不純物イオンの活性化率は向上するからである。
第一の昇温過程における昇温レートは200℃/分以上、1000℃/分以下であることが好ましい。1400℃以下の温度領域では、昇温レートが200℃/分よりも小さい場合、不純物イオンの注入によって破壊された結晶が再結晶化する際、元とは異なるポリタイプの結晶になる領域が多くなってしまう。特に、4H−SiCの炭化珪素基を用いる場合、昇温レートが遅いと、再結晶により、3C−SiCの結晶となる領域が多くなる可能性がある。また、1000℃/分よりも昇温レートが大きいと、基板への熱衝撃により基板が割れる可能性があるからである。
第二の昇温過程における昇温レートは10℃/分以上、50℃/分以下であることが好ましい。昇温レートが10℃/分よりも小さい場合、昇温に時間がかかりアニールプロセスのスループットが低下するからである。また、50℃/分よりも昇温レートが大きいと、基板の反りが発生するからである。
本実施の形態では、1550℃で昇温レートを第一昇温過程における400℃/分から第二昇温過程の15℃/分に変化させたが、昇温レートを変化させる温度は1400℃より高く、1700℃以下であることが好ましい。1400℃より低いと、基板中に3C−SiCの結晶となる領域が多くなる可能性があり、1700℃より高いと基板が反る可能性がある。
活性化アニール処理の際、キャップ層5が保護膜として働き、ステップバンチングが炭化珪素層2の上面2aに形成されるのを抑制する。
図1(e)に示すように活性化アニール処理後、キャップ層5をそれぞれ炭化珪素層2の上面2aおよび炭化珪素基板1の第2の主面12aから除去する。キャップ層5の除去方法は特に限定されないが、キャップ層5がカーボン膜である場合は、酸素プラズマアッシングによって除去することが好ましい。このようにして、表面に不純物ドープ領域6が形成された炭化珪素層2を有する炭化珪素基板(以下、「注入エピ基板」と呼ぶ)7が得られる。
上述したようにキャップ層を除去後、得られた注入エピ基板7に対して公知の半導体製造工程を施すことにより、MOSFET、MESFET、ショットキーダイオードなど種々の炭化珪素半導体素子を得ることができる。
特に、活性化アニール処理の際、ステップバンチングが炭化珪素層2の上面2aに形成されるのを抑制することができるため、炭化珪素層2の上に酸化膜を形成し、さらに電極を形成することにより、良好な酸化膜−半導体界面を備え、ゲート耐圧が高く、良好な電流電圧特性を示すMIS構造の炭化珪素半導体素子が実現する。
また、注入した不純物イオンの活性化率が高いため、高濃度の不純物ドープ領域を得ることができる。したがって、炭化珪素層2(あるいは不純物ドープ領域6)の表面と接触するオーミック電極を形成することによって、低抵抗なオーミック接合を備え、良好な電流電圧特性を有する炭化珪素半導体素子が実現する。
このようにして、作製された注入エピ基板7の反りを測定した。注入エピ基板7の反りの測定はストレス検査機を用いて行い、曲率の値で評価した。
比較のために、アニール処理温度の1800℃まで400℃/分で昇温したことを除いて同じ条件で比較例の注入エピ基板を作製した。比較例における活性化アニールは、アルゴンガス雰囲気中で、基板温度を1800℃に設定して5分間行う。比較例の注入エピ基板についても、注入エピ基板7と同様に、基板の反りを測定した。
本実施形態の昇温過程Aと昇温過程B(第一昇温過程と第二昇温過程との間に第一の設定温度で保持する過程を含むもの)により作製された注入エピ基板の曲率はそれぞれ0.2と0.15(1/m)であるのに対し、比較例の注入エピ基板の曲率は0.3(1/m)であり、本実施形態に比べて約2倍大きい。また、昇温工程Aよりも第一の設定温度で保持する過程を含む昇温工程Bの方が、曲率が小さい。これは、温度を保持する間に温度の基板面内分布が一定になり、温度の分布に起因する基板の反りが抑制される理由によるものと推測する。
実際の半導体製造装置に本実施形態および比較例の注入エピ基板をセットしたところ、本実施形態の注入エピ基板はステッパを含めすべてのプロセス装置において、吸着エラーは発生しなかった。これに対し、比較例の注入エピ基板は、ステッパの基板ホルダーへの吸着エラーが生じ、フォトリソプロセスが不可能であった。
これらの結果から明らかなように、本実施形態によれば、昇温プロファイルである設定温度まで高い昇温レートで加熱した後に、低い昇温レートで加熱することによって、炭化珪素基板が反ることを防止できる。また、アニール温度を高くすることができるため、注入により生じた結晶欠陥を十分に回復させ、活性化率を高めることができる。これにより、不純物濃度が高く、キャリア移動度の高い半導体領域を備えた半導体素子を製造することが可能となる。
また、炭化珪素基板1の結晶系も4H−SiCに限られず、4H−SiC以外のポリタイプからなる基板を用いてもよい。
本発明によると、製造プロセスを複雑にすることなく、電気的特性に優れた信頼性の高い炭化珪素素子を提供できる。
本発明は、MOSFET、MESFET、ショットキーダイオードなどを含む種々の炭化珪素素子に広く適用できる。本発明の炭化珪素素子は、家電製品や自動車、電力輸送・変換装置、産業用機器などの各種電力・電気機器に使用可能な低損失パワーデバイスに用いられ得る。
1 炭化珪素基板
2 炭化珪素層
3 不純物イオン
4 不純物イオン注入領域
5 キャップ層
6 不純物ドープ領域
7 注入エピ基板
11a 第1の主面
12a 第2の主面
40 SiC基板
41 炭化珪素層
42 注入マスク
43 不純物イオン注入領域
44 不純物イオン
45 キャップ層
46 p型ウェル領域
47 n型ドリフト領域
2 炭化珪素層
3 不純物イオン
4 不純物イオン注入領域
5 キャップ層
6 不純物ドープ領域
7 注入エピ基板
11a 第1の主面
12a 第2の主面
40 SiC基板
41 炭化珪素層
42 注入マスク
43 不純物イオン注入領域
44 不純物イオン
45 キャップ層
46 p型ウェル領域
47 n型ドリフト領域
Claims (6)
- 炭化珪素基板の主面上に形成された炭化珪素層の少なくとも一部に不純物イオンを注入し、不純物イオン注入領域を形成する工程(A)と、
前記炭化珪素層の表面にキャップ層を形成する工程(B)と、
前記炭化珪素基板を第一の設定温度まで第一の昇温レートで加熱する工程(C)と、
前記加熱工程(C)の後に、前記第一の昇温レートよりも小さい第二の昇温レートで第二の設定温度まで前記炭化珪素基板を加熱する工程(D)と、
を包含することを特徴とする炭化珪素半導体素子の製造方法。 - 前記加熱工程(C)は、前記炭化珪素基板を前記第一の設定温度で保持することを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素半導体素子の製造方法。
- 前記加熱工程(C)における前記第一の昇温レートが、200℃/分以上1000℃/分以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の炭化珪素半導体素子の製造方法。
- 前記加熱工程(D)における前記第二の昇温レートが、10℃/分以上50℃/分以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の炭化珪素半導体素子の製造方法。
- 前記加熱工程(C)において前記第一の設定温度が、1400℃より高く1700℃以下である請求項1から4のいずれか一つに記載の炭化珪素半導体素子の製造方法。
- 前記炭化珪素基板は、少なくとも50mm以上の直径を有することを特徴とする炭化珪素ウエハである請求項1から5のいずれか一つに記載の炭化珪素半導体素子の製造方法。
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