JP2009048829A - 有機el白色発光パネルおよび電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な色バランスの白色発光を安定して実現可能な有機EL白色発光パネルを提供する。
【解決手段】有機EL白色発光パネル100は、放出光の色が異なる複数の発光素子10,20を備える。各発光素子は、陽極51と、陰極52と、陽極と陰極との間に配置された発光層とを備え、発光層は、異なる発光色の発光小層41,42,43を有する。緑青色放出発光素子20では、赤色発光小層41と緑色発光小層42の間に正孔輸送性かつ電子阻止性を持つ中間層57が配置され、緑青色放出発光素子20では中間層57が配置されていない。
【選択図】図1

Description

本発明は、陽極と陰極の間に有機膜の発光層を有する有機EL白色発光パネルおよびこれを有する電子機器に関する。
近年、液晶素子に代わる次世代の発光デバイスとして、有機EL素子(organic electroluminescent device)つまりOLED(organic light emitting diode)素子が注目を集めている。この有機EL素子を用いた表示装置は、有機EL素子が自発光型であるために視野角依存性が少なく、また、バックライトや反射光が不要であるために低消費電力化や薄型化に向いている。
有機EL素子を用いてフルカラーの表示装置や照明装置等の発光装置を構成する場合には、色バランスのよい安定した白色発光が得られることが望ましい。しかしながら、一般に、単体の発光層で白色光を得るのは困難である。このため、有機EL素子で白色を発光させる技術として、陽極と陰極との間に赤色発光層、緑色発光層、青色発光層を積層させることが知られている。
単に赤色発光層、緑色発光層、青色発光層を積層しただけでは各色の発光強度のバランスが十分適切でなく、色再現性の良好な表示装置を得ることが困難である。このため特許文献1に記載の技術では、発光層間に有機材料からなる中間層を設けることで、特定の発光層の発光効率の低下を防止し、各色の発光層における発光強度のバランスを改善しようとしている。
特開2005−100921号公報
特許文献1に記載の技術で中間層を設ける目的は、有機EL素子の各々から放出される光の色を良好な白色にすることである。しかし、個々の有機EL素子において中間層の膜厚がわずかに変化するだけでキャリアのバランスが崩れて色の強弱が生じる。このため、現実的には有機EL素子の各々から放出される光の色を同じにするのは困難であり、有機EL白色発光パネル全体として、良好な色バランスの白色発光の実現や安定した白色発光を得ることは困難である。
そこで、本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
一つの態様では本発明に係る有機EL白色発光パネルは、第1の発光素子と、前記第1の発光素子とは放出光の色が異なる第2の発光素子とを少なくとも備え、前記第1の発光素子と前記第2の発光素子の各々が、陽極と、陰極と、前記陽極と前記陰極との間に配置された発光層とを備え、前記第1の発光素子と前記第2の発光素子の各々における前記発光層は、積層された、発光強度のピークの波長が異なる複数の発光小層を有しており、前記第1の発光素子では、前記発光小層の間に、正孔輸送性かつ電子阻止性または電子輸送性かつ正孔阻止性を持つ中間層が配置されており、前記第2の発光素子では、前記発光小層の間に、前記中間層が配置されていない。
この有機EL白色発光パネルでは、中間層が配置された第1の発光素子と、中間層が配置されていない第2の発光素子では、発光層のうち強く発光する発光小層を異ならせることができる。従って、第1の発光素子から放出される光の色と第2の発光素子から放出される光の色を異ならせることができる。発光素子の各々から放出される光の色を同じにするのは現実には困難であるのに対して、本発明のように、特定色に偏った発光素子を2次元的に組み合わせて、全体として望ましい色バランスの白色光を得る方がはるかに容易であり、また安定した白色光を得ることが可能である。第1の発光素子と第2の発光素子は、中間層の有無を除けば、類似した構造を有しており、中間層以外は同一の構造にすることもできる。
具体的には、前記第1の発光素子と前記第2の発光素子の各々における前記発光層は、第1の発光小層と第2の発光小層とを少なくとも有しており、前記第1の発光小層の発光強度のピークの波長は前記第2の発光小層の発光強度のピークの波長よりも長く、前記第1の発光素子と前記第2の発光素子の各々における前記発光層では、最も前記陽極に近い方の発光小層として、前記第1の発光小層が配置されており、前記第1の発光素子では、前記第1の発光小層と前記第2の発光小層の間に、正孔輸送性かつ電子阻止性を持つ前記中間層が配置されていてもよい。つまり、第1の発光素子では、陽極に近く発光波長が長い第1の発光小層と陰極に近く発光波長が短い第2の発光小層の間に、正孔輸送性かつ電子阻止性を持つ中間層を配置すると好ましい。
一般に、発光色が異なる発光小層が積層され有機EL構造に通電した場合には、エネルギレベルが低い長波長で発光する発光小層で多く発光する。例えば、赤色の発光小層で緑色の発光小層よりも多く発光するのが通例である。従って、中間層がない第2の発光素子では、長波長で発光する第1の発光小層で多く発光しやすいので、長波長の色を強く放出しやすい。他方、第1の発光素子では、陽極側にあり長波長で発光する第1の発光小層と陰極側にあり短波長で発光する第2の発光小層の間に、電子阻止性を持つ中間層が配置されているので、第2の発光小層からの第1の発光小層への電子の移動が阻害され、第1の発光小層での発光が低減し、第2の発光小層での発光が増大する。つまり第1の発光素子では、第2の発光素子に比べて、短波長の光を強く放出しやすい。このようにして、第1の発光素子から放出される光の色と第2の発光素子から放出される光の色を異ならせることができる。
前記第1の発光素子と前記第2の発光素子の各々における前記発光層は、第1の発光小層と第2の発光小層とを少なくとも有しており、前記第1の発光小層の発光強度のピークの波長は前記第2の発光小層の発光強度のピークの波長よりも長く、前記第1の発光素子と前記第2の発光素子の各々における前記発光層では、最も前記陰極に近い方の発光小層として、前記第1の発光小層が配置されており、前記第1の発光素子では、前記第1の発光小層と前記第2の発光小層の間に、電子輸送性かつ正孔阻止性を持つ前記中間層が配置されていてもよい。つまり、第1の発光素子では、陰極に近く発光波長が長い第1の発光小層と陽極に近く発光波長が短い第2の発光小層の間に、電子輸送性かつ正孔阻止性を持つ中間層を配置すると好ましい。
この場合には、第1の発光素子では、陰極側にあり長波長で発光する第1の発光小層と陽極側にあり短波長で発光する第2の発光小層の間に、正孔阻止性を持つ中間層が配置されているので、第2の発光小層からの第1の発光小層への正孔の移動が阻害され、第1の発光小層での発光が低減し、第2の発光小層での発光が増大する。つまり第1の発光素子では、第2の発光素子に比べて、短波長の光を強く放出しやすい。このようにして、第1の発光素子から放出される光の色と第2の発光素子から放出される光の色を異ならせることができる。
他の一つの態様では本発明に係る有機EL白色発光パネルは、第1の発光素子と、前記第1の発光素子とは放出光の色が異なる第2の発光素子とを少なくとも備え、前記第1の発光素子と前記第2の発光素子の各々が、陽極と、陰極と、前記陽極と前記陰極との間に配置された発光層とを備え、前記第1の発光素子と前記第2の発光素子の各々における前記発光層は、積層された、発光強度のピークの波長が異なる複数の発光小層と、前記発光小層の間に配置された正孔輸送性かつ電子阻止性または電子輸送性かつ正孔阻止性を持つ中間層とを有しており、前記第1の発光素子での前記中間層の電子阻止性または正孔阻止性が、前記第2の発光素子での前記中間層の電子阻止性または正孔阻止性よりも高い。
この有機EL白色発光パネルでは、中間層の性質が異なる第1の発光素子と第2の発光素子で、発光層のうち強く発光する発光小層を異ならせることができる。従って、第1の発光素子から放出される光の色と第2の発光素子から放出される光の色を異ならせることができる。発光素子の各々から放出される光の色を同じにするのは現実には困難であるのに対して、本発明のように、特定色に偏った発光素子を2次元的に組み合わせて、全体として望ましい色バランスの白色光を得る方がはるかに容易であり、また安定した白色光を得ることが可能である。第1の発光素子と第2の発光素子は、中間層の性質を除けば、類似した構造を有しており、中間層以外は同一の構造にすることもできる。
前記第1の発光素子での前記中間層の厚さが、前記第2の発光素子での前記中間層の厚さより大きくなるように形成して、第1の発光素子と第2の発光素子で、中間層の電子阻止性または正孔阻止性を異ならせてもよい。これに代えてあるいはこれに加えて、前記第1の発光素子での前記中間層の電子移動度または正孔移動度が、前記第2の発光素子での前記中間層の電子移動度または正孔移動度よりも低いように中間層の材料を選択して、第1の発光素子と第2の発光素子で、中間層の電子阻止性または正孔阻止性を異ならせてもよい。いずれの場合にも、中間層の性質を異ならせることが容易である。
具体的には、前記第1の発光素子と前記第2の発光素子の各々における前記発光層は、第1の発光小層と第2の発光小層とを少なくとも有しており、前記第1の発光小層の発光強度のピークの波長は前記第2の発光小層の発光強度のピークの波長よりも長く、前記第1の発光素子と前記第2の発光素子の各々における前記発光層では、最も前記陽極に近い方の発光小層として、前記第1の発光小層が配置されており、前記第1の発光小層と前記第2の発光小層の間に、正孔輸送性かつ電子阻止性を持つ前記中間層が配置されており、前記第1の発光素子での前記中間層の電子阻止性が、前記第2の発光素子での前記中間層の電子阻止性よりも高いと好ましい。つまり、第1の発光素子と第2の発光素子の各々では、陽極に近く発光波長が長い第1の発光小層と陰極に近く発光波長が短い第2の発光小層の間に、正孔輸送性かつ電子阻止性を持つ中間層を配置し、第1の発光素子での中間層の電子阻止性がより高いと好ましい。
この場合には、中間層の電子阻止性がより低い第2の発光素子では、長波長で発光する第1の発光小層で多く発光しやすいので、長波長の色を強く放出しやすい。他方、第1の発光素子では、陽極側にあり長波長で発光する第1の発光小層と陰極側にあり短波長で発光する第2の発光小層の間に、電子阻止性がより高い中間層が配置されているので、第2の発光小層からの第1の発光小層への電子の移動がより阻害され、第1の発光小層での発光が低減し、第2の発光小層での発光が増大する。つまり第1の発光素子では、第2の発光素子に比べて、短波長の光を強く放出しやすい。このようにして、第1の発光素子から放出される光の色と第2の発光素子から放出される光の色を異ならせることができる。
前記第1の発光素子と前記第2の発光素子の各々における前記発光層は、第1の発光小層と第2の発光小層とを少なくとも有しており、前記第1の発光小層の発光強度のピークの波長は前記第2の発光小層の発光強度のピークの波長よりも長く、前記第1の発光素子と前記第2の発光素子の各々における前記発光層では、最も前記陰極に近い方の発光小層として、前記第1の発光小層が配置されており、前記第1の発光小層と前記第2の発光小層の間に、電子輸送性かつ正孔阻止性を持つ前記中間層が配置されており、前記第1の発光素子での前記中間層の正孔阻止性が、前記第2の発光素子での前記中間層の正孔阻止性よりも高くてもよい。つまり、第1の発光素子と第2の発光素子の各々では、陰極に近く発光波長が長い第1の発光小層と陽極に近く発光波長が短い第2の発光小層の間に、電子輸送性かつ正孔阻止性を持つ中間層を配置し、第1の発光素子での中間層の正孔阻止性がより高いと好ましい。
この場合には、中間層の正孔阻止性がより低い第2の発光素子では、長波長で発光する第1の発光小層で多く発光しやすいので、長波長の色を強く放出しやすい。他方、第1の発光素子では、陰極側にあり長波長で発光する第1の発光小層と陽極側にあり短波長で発光する第2の発光小層の間に、正孔阻止性がより高い中間層が配置されているので、第2の発光小層からの第1の発光小層への正孔の移動がより阻害され、第1の発光小層での発光が低減し、第2の発光小層での発光が増大する。つまり第1の発光素子では、第2の発光素子に比べて、短波長の光を強く放出しやすい。このようにして、第1の発光素子から放出される光の色と第2の発光素子から放出される光の色を異ならせることができる。
上述したいずれの有機EL白色発光パネルについても、複数の前記第1の発光素子と、複数の前記第2の発光素子とを備え、複数の前記第1の発光素子と複数の前記第2の発光素子とが平面内に混在していると好ましい。発光素子の各々から放出される光の色を同じにするのは現実には困難であるのに対して、本発明のように、各々が特定色に偏った発光素子を2次元的に組み合わせて、全体として望ましい色バランスの白色光を得る方がはるかに容易であり、また安定した白色光を得ることが可能である。
複数の前記第1の発光素子と複数の前記第2の発光素子の配置パターンとしては、各種のものが考えられる。例えば、前記平面上のいずれかの方向において第1の発光素子同士の間に規則的に1つまたは複数の第2の発光素子が出現するパターンで、複数の前記第1の発光素子と複数の前記第2の発光素子とが配列されていてもよい。例えば、X方向に、第1、第2、第2、第1、第2、第2、第1...のように発光素子が並んでいてもよいし、第1、第2、第1、第2、第1...のように発光素子が並んでいてもよい。このようにX方向に規則的に第1の発光素子と第2の発光素子が配列されていれば、Y方向には第1と第2の発光素子のうち一タイプのみが配列されていてもよいし、Y方向においても第1と第2の発光素子が規則的に配列されていてもよい。例えば市松模様に第1と第2の発光素子が配置されていてもよい。
あるいは、前記平面上のいずれかの方向において第2の発光素子同士の間に規則的に1つまたは複数の第1の発光素子が出現するパターンで、複数の前記第1の発光素子と複数の前記第2の発光素子とが配列されていてもよい。例えば、X方向に、第2、第1、第1、第2、第1、第1、第2、第1、第1...のように発光素子が並んでいてもよいし、第1、第2、第1、第2、第1...のように発光素子が並んでいてもよい。このようにX方向に規則的に第1の発光素子と第2の発光素子が配列されていれば、Y方向には第1と第2の発光素子のうち一タイプのみが配列されていてもよいし、Y方向においても第1と第2の発光素子が規則的に配列されていてもよい。例えば市松模様に第1と第2の発光素子が配置されていてもよい。
他の一つの態様では本発明に係る有機EL白色発光パネルは、第1の発光素子と、前記第1の発光素子とは放出光の色が異なる第2の発光素子と、前記第1の発光素子および前記第2の発光素子とは放出光の色が異なる第3の発光素子とを備え、前記第1の発光素子と前記第2の発光素子と前記第3の発光素子の各々が、陽極と、陰極と、前記陽極と前記陰極との間に配置された発光層とを備え、前記第1の発光素子と前記第2の発光素子と前記第3の発光素子の各々における前記発光層は、積層された、発光色が赤色の発光小層と発光色が緑色の発光小層と発光色が青色の発光小層とを有しており、発光色が緑色の前記発光小層が発光色が赤色の前記発光小層と発光色が青色の前記発光小層の間に配置されており、前記第1の発光素子と前記第2の発光素子と前記第3の発光素子のうち少なくとも二つには、いずれかの発光小層の間に、正孔輸送性かつ電子阻止性または電子輸送性かつ正孔阻止性を持つ中間層が配置されており、前記第1の発光素子と前記第2の発光素子と前記第3の発光素子では、中間層の状態が異なる。
この有機EL白色発光パネルでは、第1の発光素子と第2の発光素子と第3の発光素子では中間層の状態が異なるので、発光素子に応じて、発光層のうち強く発光する発光小層を異ならせることができる。従って、第1の発光素子から放出される光の色、第2の発光素子から放出される光の色、および第3の発光素子から放出される光の色を異ならせることができる。例えば、赤色が強い光、緑色が強い光、青色が強い光を、異なる発光素子から放出させることができる。発光素子の各々から放出される光の色を同じにするのは現実には困難であるのに対して、本発明のように、特定色に偏った発光素子を2次元的に組み合わせて、全体として望ましい色バランスの白色光を得る方がはるかに容易であり、また安定した白色光を得ることが可能である。第1の発光素子と第2の発光素子と第3の発光素子は、中間層の性質を除けば、類似した構造を有しており、中間層以外は同一の構造にすることもできる。
この態様の有機EL白色発光パネルについて、複数の前記第1の発光素子と、複数の前記第2の発光素子と、複数の前記第3の発光素子とを備え、複数の前記第1の発光素子と複数の前記第2の発光素子と複数の前記第3の発光素子とが平面内に混在していると好ましい。発光素子の各々から放出される光の色を同じにするのは現実には困難であるのに対して、本発明のように、各々が特定色に偏った発光素子を2次元的に組み合わせて、全体として望ましい色バランスの白色光を得る方がはるかに容易であり、また安定した白色光を得ることが可能である。
複数の前記第1の発光素子と複数の前記第2の発光素子と複数の前記第3の発光素子の配置パターンとしては、各種のものが考えられる。例えば、前記平面上のいずれかの方向において第1の発光素子同士の間に規則的に1つまたは複数の第2の発光素子と1つまたは複数の第3の発光素子とが出現するパターンで、複数の前記第1の発光素子と複数の前記第2の発光素子と複数の前記第3の発光素子とが配列されていてもよい。例えば、X方向に、第1、第2、第3、第1、第2、第3、第1...のように発光素子が並んでいてもよいし、第1、第2、第2、第3、第1、第2、第2、第3、第1...のように発光素子が並んでいてもよい。このようにX方向に規則的に第1の発光素子と第2の発光素子と第3の発光素子が配列されていれば、Y方向には第1と第2と第3の発光素子のうち一タイプのみが配列されていてもよいし、Y方向においても第1と第2と第3の発光素子が規則的に配列されていてもよい。
あるいは、前記平面上のいずれかの方向において第2の発光素子同士の間に規則的に1つまたは複数の第1の発光素子と1つまたは複数の第3の発光素子とが出現するパターンで、複数の前記第1の発光素子と複数の前記第2の発光素子と複数の前記第3の発光素子とが配列されていてもよい。例えば、X方向に、第1、第2、第3、第1、第2、第3、第1...のように発光素子が並んでいてもよいし、第1、第2、第3、第3、第1、第2、第3、第3、第1、第2...のように発光素子が並んでいてもよい。このようにX方向に規則的に第1の発光素子と第2の発光素子と第3の発光素子が配列されていれば、Y方向には第1と第2と第3の発光素子のうち一タイプのみが配列されていてもよいし、Y方向においても第1と第2と第3の発光素子が規則的に配列されていてもよい。
あるいは、前記平面上のいずれかの方向において第3の発光素子同士の間に規則的に1つまたは複数の第1の発光素子と1つまたは複数の第2の発光素子とが出現するパターンで、複数の前記第1の発光素子と複数の前記第2の発光素子と複数の前記第3の発光素子とが配列されていてもよい。例えば、X方向に、第1、第2、第3、第1、第2、第3、第1...のように発光素子が並んでいてもよいし、第1、第2、第3、第1、第1、第2、第3、第1、第1、第2、第3...のように発光素子が並んでいてもよい。このようにX方向に規則的に第1の発光素子と第2の発光素子と第3の発光素子が配列されていれば、Y方向には第1と第2と第3の発光素子のうち一タイプのみが配列されていてもよいし、Y方向においても第1と第2と第3の発光素子が規則的に配列されていてもよい。
本発明に係る電子機器は、上記の有機EL白色発光パネルを備える。
フルカラー表示装置として使用される電子機器は、複数の前記第1の発光素子と複数の前記第2の発光素子とが平面内に混在している有機EL白色発光パネルと、前記有機EL白色発光パネルのうちそれぞれ異なる領域に対面して、前記有機EL白色発光パネルから進行する光の一部が透過する複数のカラーフィルタとを備え、前記カラーフィルタに対面する各領域内で、複数の前記第1の発光素子と複数の前記第2の発光素子とが混在していると好ましい。このような配置では、各カラーフィルタに、複数の第1の発光素子と複数の第2の発光素子から出射する色バランスの良好な白色光が入射する。従って、各カラーフィルタの透過作用で実現される色が良好になる。
あるいは、フルカラー表示装置として使用される電子機器は、複数の前記第1の発光素子と複数の前記第2の発光素子と複数の前記第3の発光素子とが平面内に混在している有機EL白色発光パネルと、前記有機EL白色発光パネルのうちそれぞれ異なる領域に対面して、前記有機EL白色発光パネルから進行する光の一部が透過する複数のカラーフィルタとを備え、前記カラーフィルタに対面する各領域内で、複数の前記第1の発光素子と複数の前記第2の発光素子と複数の前記第3の発光素子とが混在していると好ましい。このような配置では、各カラーフィルタに、複数の第1の発光素子と複数の第2の発光素子と複数の第3の発光素子から出射する色バランスの良好な白色光が入射する。従って、各カラーフィルタの透過作用で実現される色が良好になる。
以下、添付の図面を参照しながら本発明に係る様々な実施の形態を説明する。なお、図面においては、各部の寸法の比率は実際のものとは適宜に異なる。
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る有機EL白色発光パネル100の基本的構造を示す断面図である。図1に示すように有機EL白色発光パネル100は、赤色放出発光素子(第2の発光素子)10、緑青色放出発光素子(第1の発光素子)20を備える。それぞれの発光素子は基板50上に形成され、陽極51と陰極52との間に、複数の有機層が積層されている。図では、2つの発光素子しか示さないが、実際には、図示よりも多数の画素が設けられている。
有機EL白色発光パネル100は、ボトムエミッションタイプでもトップエミッションタイプでもデュアルエミッションタイプでもよい。図示の例は、ボトムエミッションタイプであり、基板50が例えばガラスなどの透明材料で形成されている。
後述するように、赤色放出発光素子10は赤色が強い白色光を放出し、緑青色放出発光素子20は緑色と青色が強い白色光を放出する。但し、発光素子の面積は微少であるので、各発光素子の面積および発光時の輝度を適切に設定することにより、赤色放出発光素子10と緑青色放出発光素子20が発光すると、人間の目には、赤色、緑色および緑色の光が混合した白色に見える。従って、有機EL白色発光パネル100は白光を放出する白色発光パネルである。
いずれの発光素子10,20とも陽極51側に正孔注入層53と正孔輸送層54が形成され、陰極52側に電子注入層55と電子輸送層56が形成されており、これらの層に挟まれた発光層に正孔あるいは電子を供給できるようになっている。陽極51の材料および厚さは、エミッションタイプに応じて適宜選択されうる。つまり陽極51に透光性が要求される場合には、陽極51は、例えばITO(indium tin oxide)のような透明材料を主成分として形成されるか、より導電性が高い金属または合金で極めて薄く形成される。陽極51に透光性が要求されない場合には、陽極51は、導電性が高い金属または合金で厚く不透明に形成されるか、または導電性が高い金属または合金と、ITOのような透明材料とが積層された構造にすることができる。
陰極52の材料および厚さも、エミッションタイプに応じて適宜選択されうる。つまり陰極52に透光性が要求される場合には、陰極52は、例えばITOのような透明材料を主成分として形成されるか、より導電性が高い金属または合金で極めて薄く形成される。陰極52に透光性が要求されない場合には、陰極52は、導電性が高い金属または合金で厚く不透明に形成される。
正孔注入層53は例えばCuPc(銅フタロシアニン)により陽極51に接して形成されており、正孔輸送層54は例えばα−NPDにより正孔注入層53に接して形成されている。電子注入層55は例えばLiF(フッ化リチウム)により陰極52に接して形成されており、電子輸送層56は例えばAlq3(トリス8-キノリノラトアルミニウム錯体)により電子注入層55に接して形成されている。
図示のように、緑青色放出発光素子20では、赤色発光小層(第1の発光小層)41、中間層57、緑色発光小層(第2の発光小層)42、青色発光小層43が積層されており、陽極51に最も近い発光小層として赤色発光小層41が配置され、陰極52に最も近い発光小層として青色発光小層43が配置されている。そして、赤色発光小層41と緑色発光小層42との間に中間層57が設けられている。
一方、赤色放出発光素子10の発光層は、中間層を有さず、ここでは赤色発光小層41、緑色発光小層42、青色発光小層43が積層されており、やはり陽極51に最も近い発光小層として赤色発光小層41が配置され、陰極52に最も近い発光小層として青色発光小層43が配置されている。赤色放出発光素子10は、緑青色放出発光素子20に対して中間層の有無を除いて同じ構造である。このように、本実施の形態の有機EL白色発光パネル100は、中間層を有する発光素子と、中間層を有さない発光素子を備える。
赤色発光小層41の発光強度のピークの波長は赤色に相当する。緑色発光小層42の発光強度のピークの波長は緑色に相当する。青色発光小層43の発光強度のピークの波長は青色に相当する。つまり赤色発光小層41は、これらの小層のうち最も長い波長に発光強度のピークを有する。例えば、赤色発光小層41のホスト材料としては出光興産株式会社製の商品名「BH−215」を使用し、そのドーパントの材料としては出光興産株式会社製の商品名「RD−001」を使用することができる。例えば、緑色発光小層42のホスト材料としては出光興産株式会社製の商品名「BH−215」を使用し、そのドーパントの材料としては出光興産株式会社製の商品名「GD−206」を使用することができる。例えば、青色発光小層43のホスト材料としては出光興産株式会社製の商品名「BH−215」を使用し、そのドーパントの材料としては出光興産株式会社製の商品名「BD−102」を使用することができる。
このような構成の有機EL白色発光パネル100の発光時における作用について図2から図4を参照して説明する。図2は、各発光素子の発光層での発光の様子を模式的に示したものである。つまり図2の赤、緑、青の文字の大きさは、発光の強さを示す。
赤色放出発光素子10は、中間層を有さず、赤色発光小層41、緑色発光小層42、青色発光小層43が積層されている。陰極側からは電子が注入され、陽極側からは正孔が注入される。この結果、各発光層では、電子と正孔との再結合により励起子が形成され、すぐに基底状態に戻ることによりエネルギーが放出され、発光層の材料に応じた色の発光が行なわれる。
一般に、発光色が異なる発光小層が積層された有機EL構造に通電した場合には、エネルギレベルが低い長波長で発光する発光小層で多く発光する。つまり、中間層がない場合は、波長の長い赤色の光を強く放出する傾向がある。さらに、中間層がない赤色放出発光素子10では、緑色発光小層42、青色発光小層43で形成された励起子は赤色発光小層41に移動しやすくなるため、赤色放出発光素子10からは、赤色の強い白色光が放出されがちである。
図3は、赤色放出発光素子10の一例での放出光のスペクトルを示す。赤色放出発光素子10から放出される光における赤色の光の割合は、発光小層の成分および厚さなどの要因によって変わりうるが、図3に示すような極めて赤色の割合が強い光が赤色放出発光素子10から放出することもありうる。
図4は、緑青色放出発光素子20の一例での放出光のスペクトルを示す。緑青色放出発光素子20においては、赤色発光小層41と緑色発光小層42との間に中間層57が形成されている。中間層57は、正孔輸送性かつ電子阻止性を持つ有機物質で形成されている。この中間層57により、陰極側から注入された電子が赤色発光小層41に到達することが妨げられる(つまり到達しにくくなる)。これにより、赤色発光小層41での電子と正孔との再結合が制限される。また、緑色発光小層42と青色発光小層43で形成された励起子が赤色発光小層41に移動することも妨げられる。この結果、赤色発光小層41での発光強度が小さくなり、緑色発光小層42および青色発光小層43での発光強度が大きくなる。つまり緑青色放出発光素子20では、赤色放出発光素子10に比べて、より短波長の光を強く放出しやすく、青緑色の強い白色光が放出される。このように、本実施の形態では、放出される光の色が発光素子に応じて異なる。
図5は、有機EL白色発光パネル100の拡大平面図である。図5に示すように、有機EL白色発光パネル100は、赤色放出発光素子10と緑青色放出発光素子20とが市松模様のパターンで配置されている。赤色放出発光素子10は赤色の強い白色光を出射し、緑青色放出発光素子20は緑色と青色の強い白色光を出射するため、有機EL白色発光パネル100全体としては安定した白色光が得られる。発光素子の各々から放出される光の色を同じにするのは現実には困難であるのに対して、本実施の形態のように、特定色に偏った発光素子を2次元的に組み合わせて、全体として望ましい色バランスの白色光を得る方がはるかに容易であり、また安定した白色光を得ることが可能である。
有機EL白色発光パネル100における赤色放出発光素子10と緑青色放出発光素子20の配置パターンは、図5の例に限られず、種々の他のパターンを採用することができる。例えば、両発光素子をライン状に配置したり、一方の発光素子を他方の発光素子で囲むように配置してもよい。
例えば、前記平面上のいずれかの方向において第1の発光素子(緑青色放出発光素子)同士の間に規則的に1つまたは複数の第2の発光素子(赤色放出発光素子)が出現するパターンで、複数の前記第1の発光素子と複数の前記第2の発光素子とが配列されていてもよい。図示しないが、例えば、X方向に、第1、第2、第2、第1、第2、第2、第1...のように発光素子が並んでいてもよいし、第1、第2、第1、第2、第1...のように発光素子が並んでいてもよい。このようにX方向に規則的に第1の発光素子と第2の発光素子が配列されていれば、Y方向には第1と第2の発光素子のうち一タイプのみが配列されていてもよいし、Y方向においても第1と第2の発光素子が規則的に配列されていてもよい。上記の市松模様のパターンは、第1と第2の発光素子がX方向およびY方向に規則的に配置された一例である。
あるいは、前記平面上のいずれかの方向において第2の発光素子(赤色放出発光素子)同士の間に規則的に1つまたは複数の第1の発光素子(緑青色放出発光素子)が出現するパターンで、複数の前記第1の発光素子と複数の前記第2の発光素子とが配列されていてもよい。図示しないが、例えば、X方向に、第2、第1、第1、第2、第1、第1、第2、第1、第1...のように発光素子が並んでいてもよいし、第1、第2、第1、第2、第1...のように発光素子が並んでいてもよい。このようにX方向に規則的に第1の発光素子と第2の発光素子が配列されていれば、Y方向には第1と第2の発光素子のうち一タイプのみが配列されていてもよいし、Y方向においても第1と第2の発光素子が規則的に配列されていてもよい。上記の市松模様のパターンは、第1と第2の発光素子がX方向およびY方向に規則的に配置された一例である。
また、それぞれの発光素子の個数比率あるいは面積比率も同一に限られず、一方を他方より多く、あるいは大きく形成することができる。さらには、発光素子の形状は、矩形型に限られず、円形、その他の形状とすることができる。
赤色発光領域10と緑青色発光領域20の配置パターンや面積比等を実験的、あるいは、理論的に調整することで、有機EL白色発光パネル100が全体として出射する白色光の色バランスを最適化することができる。例えば、図5に示したような赤色放出発光素子10と緑青色放出発光素子20との配置パターンにおいて、放出される白色光が赤色の強いものであれば、緑青色放出発光素子20の面積比率が高まるような配置パターンに変更することで、有機EL白色発光パネル100全体として、望ましい色バランスの安定した白色発光を得ることができる。
中間層57として使用するのに好適な性質は、まず正孔輸送性かつ電子阻止性である。また、緑色発光小層42と青色発光小層43で形成された励起子が赤色発光小層41に移動しないように、中間層57のHOMO−LOMO間のエネルギギャップは、赤色発光小層41の構成材料のHOMO−LOMO間のエネルギギャップよりも高いと好ましい。さらには、赤色発光小層41で形成された励起子が緑色発光小層42または青色発光小層43に移動したり中間層57自体が発光したりしないように、中間層57のHOMO−LOMO間のエネルギギャップは、緑色発光小層42の構成材料のHOMO−LOMO間のエネルギギャップよりも高いと好ましい。
このような性質を有する中間層57に適した材料としては、通常、正孔輸送層として使用されている材料と同じ材料がある。例えば、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(略称:α−NPD)や4,4’−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(略称:TPD)や4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニル−アミノ)−トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−トリフェニルアミン(略称:MTDATA)などの芳香族アミン系(即ち、ベンゼン環−窒素の結合を有する)の化合物が使用されうる。
本実施の形態では、緑青色放出発光素子20は、赤色放出発光素子10と中間層57の有無だけが異なっている。このため、例えば蒸着のような堆積法で発光小層を形成する場合、中間層以外はマスクでの堆積の区分が不要である。但し、本発明は堆積法で形成される発光層に限定されるのではなく、発光層はインクジェット法、ディスペンサ法などの液体供給方法で形成してもよい。
図6は、有機EL白色発光パネル100の全体を断面を示す断面図である。図6に示すように有機EL白色発光パネル100では、共通の基板50上に、陽極51、正孔注入層53、正孔輸送層54、赤色発光小層41が形成される。これらの層は、各発光素子で共通するため、各発光素子につき同一工程で形成することができる。そして、緑青色放出発光素子20に相当する箇所にのみ中間層57を形成する。これは、例えば、中間層57に対応した開口部が設けられたマスクを用いて成膜することで形成することができる。あるいは、インクジェット方式でその材料を滴下してもよい。
有機EL白色発光パネル100は、さらに、緑色発光層42、青色発光層43、電子輸送層56、電子注入層55、陰極52を各発光素子につき同一工程で形成することで製造することができる。
本実施の形態の有機EL白色発光パネル100は、望ましい色バランスの白色を得ることができる。従って、例えば、図7に示すように、有機EL白色発光パネル100の3つの領域101,102,103に、それぞれ赤色のカラーフィルタCFR、緑色のカラーフィルタCFG、青色のカラーフィルタCFBを対面させることで、フルカラー表示装置の単位画素を構成することができる。このようなフルカラー表示装置として使用される電子機器において、カラーフィルタに対面する各領域内で、複数の緑青色放出発光素子と複数の赤色放出発光素子とが混在している配置のために、各カラーフィルタに、複数の緑青色放出発光素子と複数の赤色放出発光素子から出射する色バランスの良好な白色光が入射する。従って、各カラーフィルタの透過作用で実現される色が良好になる。
また、本実施の形態の有機EL白色発光パネル100は、カラーフィルタCFR,CFG,CFBを使用せずに、白色の照明装置、液晶表示装置のバックライト等としても用いることができる。さらには、本実施の形態の有機EL白色発光パネル100は、カラーフィルタを用いずに、発光状態と、非発光状態とで表示内容を変えるセグメント型のモノクロ表示装置に適用することもできる。
実施の形態において、正孔注入層53、正孔輸送層54は厳密に区別されて無くてもよく、一方が他方を兼ねたり、陽極51がこれらの機能を担ってもよい。電子注入層55、電子輸送層56についても同様である。
図8は、第1の実施の形態の変形例の基本的構造を示す断面図である。図8において第1の実施の形態と共通する構成要素は同一の符号で示し、それらを詳細には説明しない。第1の実施の形態の発光素子は、陽極51側から赤色発光小層41、緑色発光小層42、青色発光小層43の順に積層している。しかし、図8に示すように、例えば、陽極51側から赤色発光小層(第1の発光小層)41、青色発光小層(第2の発光小層)43、緑色発光小層43の順で積層してもよい。また、図示しないが、いずれかの色の発光層を省いたり、他の色の発光層を設けるようにしてもよい。いずれの場合も、正孔輸送性かつ電子阻止性を持つ中間層57と陽極51との間に挟まれた発光小層の発光強度が弱まり、この中間層57と陰極52との間に挟まれた発光小層の発光強度が強まるため、各色の発光強度を調整することができる。
図9は、第1の実施の形態の他の変形例の基本的構造を示す断面図である。図9において第1の実施の形態と共通する構成要素は同一の符号で示し、それらを詳細には説明しない。この変形例では、発光層として黄色発光小層(第1の発光小層)61と青色発光小層(第2の発光小層)62が積層されている。陽極51に最も近い発光小層として黄色発光小層61が配置され、陰極52に最も近い発光小層として青色発光小層62が配置されている。黄色発光小層61の発光強度のピークの波長は黄色に相当し、青色発光小層62の発光強度のピークの波長は青色に相当する。つまり黄色発光小層61は、青色発光小層62よりも長い波長に発光強度のピークを有する。但し、当業者には明らかなように、黄色発光小層61は、純粋な黄色の波長の光のみではなく、赤色および緑色の波長の光も発する。
黄色放出発光素子(第2の発光素子)35は、中間層が配置されていない構造を有する。他方、青色放出発光素子(第1の発光素子)36の黄色発光小層61と青色発光小層62の間には中間層57が設けられている。
図9の構造では、中間層がない黄色放出発光素子35では、長波長で発光する黄色発光小層61で多く発光しやすいので、黄色の波長付近の色の光を強く放出しやすい。つまり、黄色放出発光素子35は、赤色および緑色の光を含み黄色が強い白色光を放出する。他方、青色放出発光素子36では、正孔輸送性かつ電子阻止性を持つ中間層57により、陰極側から注入された電子が黄色発光小層61に到達することが妨げられる。このため青色放出発光素子36は青色が強い白色光を放出する。
但し、発光素子の面積は微少であるので、各発光素子の面積および発光時の輝度を適切に設定することにより、黄色放出発光素子35と青色放出発光素子36が発光すると、人間の目には、黄色および青色の光が混合した白色に見える。従って、図9に示す有機EL白色発光パネルは白光を放出する白色発光パネルである。図9に示す構造では、黄色発光小層61が使用されているが、これに代えて、橙色発光小層を使用してもよい。橙色発光小層は、橙色に相当する波長に発光強度のピークを持ち、赤色および緑色の波長の光も発する。
<第2の実施の形態>
次に第2の実施の形態について説明する。図10は、本発明の第2の実施の形態に係る有機EL白色発光パネル100aの基本的構造を示す断面図である。図10において第1の実施の形態と共通する構成要素は同一の符号で示し、それらを詳細には説明しない。この変形例では、発光層として赤色発光小層(第1の発光小層)41、緑色発光小層(第2の発光小層)42、青色発光小層43が積層されている。陰極52に最も近い発光小層として赤色発光小層41が配置され、陽極51に最も近い発光小層として青色発光小層43が配置されている。
赤色放出発光素子(第2の発光素子)10は、中間層が配置されていない構造を有する。他方、緑青色放出発光素子(第1の発光素子)20では、赤色発光小層41と緑色発光小層42の間に中間層157が設けられている。この中間層157は、電子輸送性かつ正孔阻止性を持つ。つまり、緑青色放出発光素子20では、陰極52に近く発光波長が長い赤色発光小層41と陽極51に近く発光波長が短い緑色発光小層42の間に、電子輸送性かつ正孔阻止性を持つ中間層157が配置されている。
中間層がない赤色放出発光素子10では、エネルギレベルが低い長波長で発光する赤色発光小層41で多く発光し、波長の長い赤色の光を強く放出する傾向がある。さらに、中間層がない赤色放出発光素子10では、緑色発光小層42、青色発光小層43で形成された励起子は赤色発光小層41に移動しやすくなるため、赤色放出発光素子10からは、赤色の強い白色光が放出されがちである。従って、第1の実施の形態と同様に、図3に示すような極めて赤色の割合が強い光が赤色放出発光素子10から放出することもありうる。
緑青色放出発光素子20においては、赤色発光小層41と緑色発光小層42との間に中間層157が形成されている。中間層157は、電子輸送性かつ正孔阻止性を持つ有機物質で形成されている。この中間層157により、陽極側から注入された正孔が赤色発光小層41に到達することが妨げられる(つまり到達しにくくなる)。これにより、赤色発光小層41での電子と正孔との再結合が制限される。また、緑色発光小層42と青色発光小層43で形成された励起子が赤色発光小層41に移動することも妨げられる。この結果、赤色発光小層41での発光強度が小さくなり、緑色発光小層42および青色発光小層43での発光強度が大きくなる。つまり緑青色放出発光素子20では、赤色放出発光素子10に比べて、より短波長の光を強く放出しやすく、青緑色の強い白色光が放出される。従って、第1の実施の形態と同様に、図4に示すようなスペクトルを持つ光を緑青色放出発光素子20およびが放出する。
このように、本実施の形態では、放出される光の色が発光素子に応じて異なる。発光素子の各々から放出される光の色を同じにするのは現実には困難であるのに対して、本実施の形態のように、特定色に偏った発光素子を2次元的に組み合わせて、全体として望ましい色バランスの白色光を得る方がはるかに容易であり、また安定した白色光を得ることが可能である。発光素子の面積は微少であるので、各発光素子の面積および発光時の輝度を適切に設定することにより、赤色放出発光素子10と緑青色放出発光素子20が発光すると、人間の目には、赤色、緑色および緑色の光が混合した白色に見える。従って、図10の有機EL白色発光パネルは白光を放出する白色発光パネルである。
中間層157として使用するのに好適な性質は、まず電子輸送性かつ正孔阻止性である。また、緑色発光小層42と青色発光小層43で形成された励起子が赤色発光小層41に移動しないように、中間層157のHOMO−LOMO間のエネルギギャップは、赤色発光小層41の構成材料のHOMO−LOMO間のエネルギギャップよりも高いと好ましい。さらには、赤色発光小層41で形成された励起子が緑色発光小層42または青色発光小層43に移動したり中間層157自体が発光したりしないように、中間層157のHOMO−LOMO間のエネルギギャップは、緑色発光小層42の構成材料のHOMO−LOMO間のエネルギギャップよりも高いと好ましい。
このような性質を有する中間層157に適した材料としては、通常、電子輸送層として使用されている材料と同じ材料がある。例えば、B-Alq、Alq3、8−ヒドロキシメチルキノリンアルミニウム、アントラセン、ナフタレン、フェナントレン、ピレン、クリセン、ペリレン、ブタジエン、クマリン、アクリジン、スチルベン、バソクプロイン、又はこれらの誘導体等が使用されうる。
本実施の形態では、緑青色放出発光素子20は、赤色放出発光素子10と中間層157の有無だけが異なっている。このため、例えば蒸着のような堆積法で発光小層を形成する場合、中間層以外はマスクでの堆積の区分が不要である。但し、本発明は堆積法で形成される発光層に限定されるのではなく、発光層はインクジェット法、ディスペンサ法などの液体供給方法で形成してもよい。
第1の実施の形態に関連して述べた各種の変形は、第2の実施の形態にも応用可能である。例えば、青色発光小層43と緑色発光小層43の位置を入れ替えてもよい。さらには、陰極側に黄色または橙色発光小層を配置し、陽極側に青色発光小層を配置し、青色放出発光素子では、これらの発光小層の間に電子輸送性かつ正孔阻止性の中間層を配置し、黄色放出発光素子では中間層を配置しないようにしてもよい。
本実施の形態の有機EL白色発光パネルは、カラーフィルタCFR,CFG,CFBを使用して、フルカラー表示装置として利用することができる。また、本実施の形態の有機EL白色発光パネルは、カラーフィルタCFR,CFG,CFBを使用せずに、白色の照明装置、液晶表示装置のバックライト等としても用いることができる。さらには、カラーフィルタを用いずに、発光状態と、非発光状態とで表示内容を変えるセグメント型のモノクロ表示装置に適用することもできる。
<第3の実施の形態>
次に第3の実施の形態について説明する。図11は、本発明の第3の実施の形態に係る有機EL白色発光パネル100bの基本的構造を示す断面図である。第1の実施の形態では、緑青色放出発光素子20には、赤色発光小層41と緑色発光小層42との間に中間層57が設けられ、赤色放出発光素子10には中間層が設けられていなかった。しかし、第3の実施の形態では、赤色放出発光素子(第2の発光素子)10aにおいて、赤色発光小層(第1の発光小層)41と緑色発光小層(第2の発光小層)42との間に中間層57aが設けられている点で第1の実施の形態と異なる。図11において第1の実施の形態と共通する構成要素は同一の符号で示し、それらを詳細には説明しない。
第3の実施の形態において、赤色放出発光素子(第2の発光素子)10aに形成された中間層57aは、緑青色放出発光素子(第1の発光素子)20に形成された中間層57と同じ材料を用いることができる。ただし、赤色放出発光素子10aの中間層57aは、中間層57の厚さより小さい。例えば、中間層57の厚さを20nmとし、中間層57aの厚さを5nmとすることができる。このため、中間層57aの電子阻止性は、中間層57の電子阻止性に比べて小さくなる。
このような構成の有機EL白色発光パネル100bの発光時における作用について図12を参照して説明する。図12は、各発光素子の発光層での発光の様子を模式的に示したものである。つまり図12の赤、緑、青の文字の大きさは、発光の強さを示す。
この実施の形態では、いずれの発光素子10a,20においても、赤色発光小層41と緑色発光小層42との間に電子阻止性の中間層57aまたは57が形成されている。中間層57aまたは57により、陰極側から注入された電子が赤色発光小層41に到達することが妨げられる(つまり到達しにくくなる)。これにより、赤色発光小層41での電子と正孔との再結合が制限される。また、緑色発光小層42と青色発光小層43で形成された励起子が赤色発光小層41に移動することも妨げられる。しかし、赤色放出発光素子10aの中間層57aは厚さが小さいため電子阻止性は強くなく、陰極側から注入された電子が赤色発光小層41に到達することを妨げる能力が弱い。このため、中間層57aが設けられているにもかかわらず、赤色放出発光素子10aからは、赤色の強い白色光が出射される。緑青色放出発光素子20においては、赤色発光小層41での発光強度が小さくなり、緑色発光小層42および青色発光小層43での発光強度が大きくなる。つまり緑青色放出発光素子20では、赤色放出発光素子10aに比べて、より短波長の光を強く放出しやすく、青緑色の強い白色光が放出される。
このように、本実施の形態では、放出される光の色が発光素子に応じて異なる。発光素子の各々から放出される光の色を同じにするのは現実には困難であるのに対して、本実施の形態のように、特定色に偏った発光素子を2次元的に組み合わせて、全体として望ましい色バランスの白色光を得る方がはるかに容易であり、また安定した白色光を得ることが可能である。発光素子の面積は微少であるので、各発光素子の面積および発光時の輝度を適切に設定することにより、赤色放出発光素子10と緑青色放出発光素子20が発光すると、人間の目には、赤色、緑色および緑色の光が混合した白色に見える。従って、図11の有機EL白色発光パネルは白光を放出する白色発光パネルである。
第3の実施の形態によれば、いずれの発光素子10a,20においても、赤色発光小層41と緑色発光小層42との間に中間層57aまたは57を設けることにより、赤色発光小層41と緑色発光小層42とが混じり合ってしまうことを防ぐことができる。従って、緑青色放出発光素子20とだけでなく、赤色放出発光素子10aの寿命が延びることが期待される。
本実施の形態では、緑青色放出発光素子20は、赤色放出発光素子10aと中間層の厚さだけが異なっている。このため、例えば蒸着のような堆積法で発光小層を形成する場合、中間層以外はマスクでの堆積の区分が不要である。但し、本発明は堆積法で形成される発光層に限定されるのではなく、発光層はインクジェット法、ディスペンサ法などの液体供給方法で形成してもよい。
第1の実施の形態に関連して述べた各種の変形は、第3の実施の形態にも応用可能である。例えば、青色発光小層43と緑色発光小層43の位置を入れ替えてもよい。さらには、陽極側に黄色または橙色発光小層を配置し、陰極側に青色発光小層を配置し、黄色放出発光素子では、これらの発光小層の間に正孔輸送性かつ電子阻止性を持つ厚い中間層を配置し、青色放出発光素子36では黄色または橙色発光小層と青色発光小層の間に正孔輸送性かつ電子阻止性を持つ薄い中間層を配置してもよい。
本実施の形態の有機EL白色発光パネルは、カラーフィルタCFR,CFG,CFBを使用して、フルカラー表示装置として利用することができる。また、本実施の形態の有機EL白色発光パネルは、カラーフィルタCFR,CFG,CFBを使用せずに、白色の照明装置、液晶表示装置のバックライト等としても用いることができる。さらには、カラーフィルタを用いずに、発光状態と、非発光状態とで表示内容を変えるセグメント型のモノクロ表示装置に適用することもできる。
<第4の実施の形態>
次に第4の実施の形態について説明する。図13は、本発明の第4の実施の形態に係る有機EL白色発光パネル100cの基本的構造を示す断面図である。図13において上述した実施の形態と共通する構成要素は同一の符号で示し、それらを詳細には説明しない。この変形例では、発光層として赤色発光小層(第1の発光小層)41、緑色発光小層(第2の発光小層)42、青色発光小層43が積層されている。陰極52に最も近い発光小層として赤色発光小層41が配置され、陽極51に最も近い発光小層として青色発光小層43が配置されている。
赤色放出発光素子(第2の発光素子)10aは、赤色発光小層41と緑色発光小層42の間に薄い中間層157aが配置された構造を有する。他方、緑青色放出発光素子(第1の発光素子)20では、赤色発光小層41と緑色発光小層42の間に厚い中間層157が設けられている。中間層157,157aは、電子輸送性かつ正孔阻止性を持つ同材料から形成されている。つまり、発光素子10a,20の各々では、陽極51に近く発光波長が長い赤色発光小層41と陰極52に近く発光波長が短い緑色発光小層42の間に、電子輸送性かつ正孔阻止性を持つ中間層157,157aが配置され、緑青色放出発光素子20での中間層157の正孔阻止性がより高い。
正孔阻止性が低い中間層157aを有する赤色放出発光素子10aでは、エネルギレベルが低い長波長で発光する赤色発光小層41で多く発光し、波長の長い赤色の光を強く放出する傾向がある。さらに、厚さが小さい中間層157aを有する赤色放出発光素子10aでは、緑色発光小層42、青色発光小層43で形成された励起子は赤色発光小層41に移動しやすくなるため、赤色放出発光素子10aからは、赤色の強い白色光が放出されがちである。
緑青色放出発光素子20においては、赤色発光小層41と緑色発光小層42との間に正孔阻止性が高い中間層157が形成されている。この中間層157により、陽極側から注入された正孔が赤色発光小層41に到達することが妨げられる(つまり到達しにくくなる)。これにより、赤色発光小層41での電子と正孔との再結合が制限される。また、中間層157が厚いため、緑色発光小層42と青色発光小層43で形成された励起子が赤色発光小層41に移動することも妨げられる。この結果、赤色発光小層41での発光強度が小さくなり、緑色発光小層42および青色発光小層43での発光強度が大きくなる。つまり緑青色放出発光素子20では、赤色放出発光素子10aに比べて、より短波長の光を強く放出しやすく、青緑色の強い白色光が放出される。
このように、本実施の形態では、放出される光の色が発光素子に応じて異なる。発光素子の各々から放出される光の色を同じにするのは現実には困難であるのに対して、本実施の形態のように、特定色に偏った発光素子を2次元的に組み合わせて、全体として望ましい色バランスの白色光を得る方がはるかに容易であり、また安定した白色光を得ることが可能である。
本実施の形態では、緑青色放出発光素子20は、赤色放出発光素子10aと中間層の厚さだけが異なっている。このため、例えば蒸着のような堆積法で発光小層を形成する場合、中間層以外はマスクでの堆積の区分が不要である。但し、本発明は堆積法で形成される発光層に限定されるのではなく、発光層はインクジェット法、ディスペンサ法などの液体供給方法で形成してもよい。
第1の実施の形態に関連して述べた各種の変形は、第4の実施の形態にも応用可能である。例えば、青色発光小層43と緑色発光小層43の位置を入れ替えてもよい。さらには、陰極側に黄色または橙色発光小層を配置し、陽極側に青色発光小層を配置し、青色放出発光素子では、これらの発光小層の間に電子輸送性かつ正孔阻止性を持つ厚い中間層を配置し、黄色放出発光素子では黄色または橙色発光小層と青色発光小層の間に電子輸送性かつ正孔阻止性を持つ薄い中間層を配置してもよい。
本実施の形態の有機EL白色発光パネルは、カラーフィルタCFR,CFG,CFBを使用して、フルカラー表示装置として利用することができる。また、本実施の形態の有機EL白色発光パネルは、カラーフィルタCFR,CFG,CFBを使用せずに、白色の照明装置、液晶表示装置のバックライト等としても用いることができる。さらには、カラーフィルタを用いずに、発光状態と、非発光状態とで表示内容を変えるセグメント型のモノクロ表示装置に適用することもできる。
<第5の実施の形態>
次に第5の実施の形態について説明する。図14は、本発明の第5の実施の形態に係る有機EL白色発光パネル100dの基本的構造を示す断面図でる。第1の実施の形態では、緑青色放出発光素子20には、赤色発光小層41と緑色発光小層42との間に中間層57が設けられ、赤色放出発光素子10には中間層が設けられていなかった。しかし、第5の実施の形態では、赤色放出発光素子(第2の発光素子)10bにおいて、赤色発光小層(第1の発光小層)41と緑色発光小層(第2の発光小層)42との間に中間層58が設けられている点で第1の実施の形態と異なる。図14において第1の実施の形態と共通する構成要素は同一の符号で示し、それらを詳細には説明しない。
第5の実施の形態において、赤色放出発光素子(第2の発光素子)10bに形成された中間層58は、緑青色放出発光素子(第1の発光素子)20に形成された中間層57よりも電子阻止性の弱い材料(電子移動度が高い材料)を用いて形成されている。例えば、中間層57を電子移動度1×10−5(cm/Vs)の材料で形成し、中間層58を電子移動度1×10−4(cm/Vs)の材料で形成することができる。中間層58は、中間層57より電子移動度が大きいため、中間層58の電子阻止性は、中間層57の電子阻止性に比べて小さくなる。
この実施の形態では、いずれの発光素子10b,20においても、赤色発光小層41と緑色発光小層42との間に電子阻止性の中間層58または57が形成されている。中間層58または57により、陰極側から注入された電子が赤色発光小層41に到達することが妨げられる(つまり到達しにくくなる)。これにより、赤色発光小層41での電子と正孔との再結合が制限される。しかし、赤色放出発光素子10bの中間層58は電子移動度が高いため電子阻止性は強くなく、陰極側から注入された電子が赤色発光小層41に到達することを妨げる能力が弱い。このため、中間層58が設けられているにもかかわらず、赤色放出発光素子10bからは、赤色の強い白色光が出射される。緑青色放出発光素子20においては、赤色発光小層41での発光強度が小さくなり、緑色発光小層42および青色発光小層43での発光強度が大きくなる。つまり緑青色放出発光素子20では、赤色放出発光素子10bに比べて、より短波長の光を強く放出しやすく、青緑色の強い白色光が放出される。
このように、本実施の形態では、放出される光の色が発光素子に応じて異なる。発光素子の各々から放出される光の色を同じにするのは現実には困難であるのに対して、本実施の形態のように、特定色に偏った発光素子を2次元的に組み合わせて、全体として望ましい色バランスの白色光を得る方がはるかに容易であり、また安定した白色光を得ることが可能である。発光素子の面積は微少であるので、各発光素子の面積および発光時の輝度を適切に設定することにより、赤色放出発光素子10と緑青色放出発光素子20が発光すると、人間の目には、赤色、緑色および緑色の光が混合した白色に見える。従って、図14の有機EL白色発光パネルは白光を放出する白色発光パネルである。
第5の実施の形態によれば、いずれの発光素子10b,20においても、赤色発光小層41と緑色発光小層42との間に中間層58または57を設けることにより、赤色発光小層41と緑色発光小層42とが混じり合ってしまうことを防ぐことができる。従って、緑青色放出発光素子20とだけでなく、赤色放出発光素子10bの寿命が延びることが期待される。
本実施の形態では、緑青色放出発光素子20は、赤色放出発光素子10bと中間層の性質だけが異なっている。このため、例えば蒸着のような堆積法で発光小層を形成する場合、中間層以外はマスクでの堆積の区分が不要である。但し、本発明は堆積法で形成される発光層に限定されるのではなく、発光層はインクジェット法、ディスペンサ法などの液体供給方法で形成してもよい。
第1の実施の形態に関連して述べた各種の変形は、第5の実施の形態にも応用可能である。例えば、青色発光小層43と緑色発光小層43の位置を入れ替えてもよい。さらには、陽極側に黄色または橙色発光小層を配置し、陰極側に青色発光小層を配置し、青色放出発光素子では、これらの発光小層の間に電子阻止性が高い中間層を配置し、黄色放出発光素子では黄色または橙色発光小層と青色発光小層の間に電子阻止性が低い中間層を配置してもよい。
本実施の形態の有機EL白色発光パネルは、カラーフィルタCFR,CFG,CFBを使用して、フルカラー表示装置として利用することができる。また、本実施の形態の有機EL白色発光パネルは、カラーフィルタCFR,CFG,CFBを使用せずに、白色の照明装置、液晶表示装置のバックライト等としても用いることができる。さらには、カラーフィルタを用いずに、発光状態と、非発光状態とで表示内容を変えるセグメント型のモノクロ表示装置に適用することもできる。
第5の実施の形態において、中間層58,57の厚さは同じでもよいし違っていてもよい。中間層58を中間層57よりも薄くすれば、中間層58,57の電子阻止性の相違を大きくすることができる。
図15は、第5の実施の形態の有機EL白色発光パネル100dの一部の斜視図である。本図に示すように有機EL白色発光パネル100dにおいては、共通の基板50上に、陽極51、正孔注入層53、正孔輸送層54、赤色発光層41を各発光素子について共通に同一工程で形成することができる。そして、緑青色放出発光素子20に対応する箇所に中間層57を形成し、赤色放出発光素子10bに対応する箇所に中間層58を形成する。これは、例えば、中間層57に対応した開口部が設けられたマスクおよび中間層58に対応した開口部が設けられたマスクを用いて成膜することで形成することができる。あるいは、インクジェット方式で塗り分けるようにしてもよい。
有機EL白色発光パネル100dは、さらに、緑色発光層42、青色発光層43、電子輸送層56、電子注入層55、陰極52を各発光素子につき同一工程で形成することで製造することができる。有機EL白色発光パネル100dについても、赤色放出発光素子10bと緑青色放出発光素子20の配置パターン等を実験的、あるいは、理論的に調整することで、有機EL白色発光パネル全体として出射する白色光の色バランスを最適化することができる。
<第6の実施の形態>
次に第6の実施の形態について説明する。図16は、本発明の第6の実施の形態に係る有機EL白色発光パネル100eの基本的構造を示す断面図である。図16において上述した実施の形態と共通する構成要素は同一の符号で示し、それらを詳細には説明しない。この変形例では、発光層として赤色発光小層(第1の発光小層)41、緑色発光小層(第2の発光小層)42、青色発光小層43が積層されている。陰極52に最も近い発光小層として赤色発光小層41が配置され、陽極51に最も近い発光小層として青色発光小層43が配置されている。
赤色放出発光素子(第2の発光素子)10bは、赤色発光小層41と緑色発光小層42の間に中間層158が配置された構造を有する。他方、緑青色放出発光素子(第1の発光素子)20では、赤色発光小層41と緑色発光小層42の間に中間層157が設けられている。中間層157,158は、電子輸送性かつ正孔阻止性を持つ材料から形成されている。但し、中間層158は中間層157よりも正孔阻止性の弱い材料(正孔移動度が高い材料)を用いて形成されている。例えば、中間層157を1.4×10−3(cm/Vs)のα−NPDで形成し、中間層158を正孔移動度が1.0×10−3(cm/Vs)のTPDで形成することができる。中間層158は、中間層157より正孔移動度が大きいため、中間層158の正孔阻止性は、中間層157の正孔阻止性に比べて小さくなる。つまり、発光素子10b,20の各々では、陽極51に近く発光波長が長い赤色発光小層41と陰極52に近く発光波長が短い緑色発光小層42の間に、電子輸送性かつ正孔阻止性を持つ中間層157,158が配置され、緑青色放出発光素子20での中間層157の正孔阻止性がより高い。
正孔阻止性が低い中間層158を有する赤色放出発光素子10bでは、エネルギレベルが低い長波長で発光する赤色発光小層41で多く発光し、波長の長い赤色の光を強く放出する傾向がある。つまり、赤色放出発光素子10bからは、赤色の強い白色光が放出されがちである。
緑青色放出発光素子20においては、赤色発光小層41と緑色発光小層42との間に正孔阻止性が高い中間層157が形成されている。この中間層157により、陽極側から注入された正孔が赤色発光小層41に到達することが妨げられる(つまり到達しにくくなる)。これにより、赤色発光小層41での電子と正孔との再結合が制限される。この結果、赤色発光小層41での発光強度が小さくなり、緑色発光小層42および青色発光小層43での発光強度が大きくなる。つまり緑青色放出発光素子20では、赤色放出発光素子10bに比べて、より短波長の光を強く放出しやすく、青緑色の強い白色光が放出される。
このように、本実施の形態では、放出される光の色が発光素子に応じて異なる。発光素子の各々から放出される光の色を同じにするのは現実には困難であるのに対して、本実施の形態のように、特定色に偏った発光素子を2次元的に組み合わせて、全体として望ましい色バランスの白色光を得る方がはるかに容易であり、また安定した白色光を得ることが可能である。
本実施の形態では、緑青色放出発光素子20は、赤色放出発光素子10bと中間層の性質だけが異なっている。このため、例えば蒸着のような堆積法で発光小層を形成する場合、中間層以外はマスクでの堆積の区分が不要である。但し、本発明は堆積法で形成される発光層に限定されるのではなく、発光層はインクジェット法、ディスペンサ法などの液体供給方法で形成してもよい。
第1の実施の形態に関連して述べた各種の変形は、第6の実施の形態にも応用可能である。例えば、青色発光小層43と緑色発光小層43の位置を入れ替えてもよい。さらには、陰極側に黄色または橙色発光小層を配置し、陽極側に青色発光小層を配置し、青色放出発光素子では、これらの発光小層の間に正孔阻止性が高い中間層を配置し、黄色放出発光素子では黄色または橙色発光小層と青色発光小層の間に正孔阻止性が低い中間層を配置してもよい。
本実施の形態の有機EL白色発光パネルは、カラーフィルタCFR,CFG,CFBを使用して、フルカラー表示装置として利用することができる。また、本実施の形態の有機EL白色発光パネルは、カラーフィルタCFR,CFG,CFBを使用せずに、白色の照明装置、液晶表示装置のバックライト等としても用いることができる。さらには、カラーフィルタを用いずに、発光状態と、非発光状態とで表示内容を変えるセグメント型のモノクロ表示装置に適用することもできる。
<第7の実施の形態>
次に第7の実施の形態について説明する。図17は、本発明の第7の実施の形態に係る有機EL白色発光パネル100fの基本的構造を示す断面図である。図17において上述した実施の形態と共通する構成要素は同一の符号で示し、それらを詳細には説明しない。この変形例では、発光層として赤色発光小層41、緑色発光小層42、青色発光小層43が積層されている。陽極51に最も近い発光小層として発光ピーク波長が最も長い赤色発光小層41が配置され、陰極52に最も近い発光小層として発光ピーク波長が最も短い青色発光小層43が配置され、緑色発光小層42は赤色発光小層41と青色発光小層43の間に配置されている。
有機EL白色発光パネル100fには、赤色放出発光素子10c、緑色放出発光素子15cおよび青色放出発光素子30cが設けられている。青色放出発光素子(第1の発光素子)30cでは、青色発光小層43と緑色発光小層42の間に、正孔輸送性かつ電子阻止性を持つ中間層258が配置されている。従って、青色放出発光素子30cでは、青色発光小層43での発光が他の発光小層での発光より強く、青色が強い光を放出する。緑色放出発光素子(第2の発光素子)15cでは、緑色発光小層42と赤色発光小層41の間に、正孔輸送性かつ電子阻止性を持つ中間層257が配置されている。従って、緑色放出発光素子15cでは、緑色発光小層42での発光が他の発光小層での発光より強く、緑色が強い光を放出する。赤色放出発光素子(第3の発光素子)10cでは、発光小層の間に、中間層が配置されていない。従って、赤色放出発光素子10cでは、赤色発光小層41での発光が他の発光小層での発光より強く、赤色が強い光を放出する。
このように、有機EL白色発光パネル100fでは、発光素子10c,15c,30cでは中間層の状態が異なるので、発光素子に応じて、発光層のうち強く発光する発光小層を異ならせることができ、赤色が強い光、緑色が強い光、青色が強い光を、異なる発光素子から放出させることができる。発光素子10c,15c,30cは、中間層の性質を除けば、類似した構造を有しており、中間層以外は同一の構造にすることもできる。この実施の形態では、放出される光の色が発光素子に応じて異なる。発光素子の各々から放出される光の色を同じにするのは現実には困難であるのに対して、本実施の形態のように、特定色に偏った発光素子を2次元的に組み合わせて、全体として望ましい色バランスの白色光を得る方がはるかに容易であり、また安定した白色光を得ることが可能である。
複数の前記第1の発光素子と複数の前記第2の発光素子と複数の前記第3の発光素子の配置パターンとしては、各種のものが考えられる。例えば、前記平面上のいずれかの方向において第1の発光素子同士の間に規則的に1つまたは複数の第2の発光素子と1つまたは複数の第3の発光素子とが出現するパターンで、複数の前記第1の発光素子と複数の前記第2の発光素子と複数の前記第3の発光素子とが配列されていてもよい。図示しないが、例えば、X方向に、第1、第2、第3、第1、第2、第3、第1...のように発光素子が並んでいてもよいし、第1、第2、第2、第3、第1、第2、第2、第3、第1...のように発光素子が並んでいてもよい。このようにX方向に規則的に第1の発光素子と第2の発光素子と第3の発光素子が配列されていれば、Y方向には第1と第2と第3の発光素子のうち一タイプのみが配列されていてもよいし、Y方向においても第1と第2と第3の発光素子が規則的に配列されていてもよい。
あるいは、前記平面上のいずれかの方向において第2の発光素子同士の間に規則的に1つまたは複数の第1の発光素子と1つまたは複数の第3の発光素子とが出現するパターンで、複数の前記第1の発光素子と複数の前記第2の発光素子と複数の前記第3の発光素子とが配列されていてもよい。図示しないが、例えば、X方向に、第1、第2、第3、第1、第2、第3、第1...のように発光素子が並んでいてもよいし、第1、第2、第3、第3、第1、第2、第3、第3、第1、第2...のように発光素子が並んでいてもよい。このようにX方向に規則的に第1の発光素子と第2の発光素子と第3の発光素子が配列されていれば、Y方向には第1と第2と第3の発光素子のうち一タイプのみが配列されていてもよいし、Y方向においても第1と第2と第3の発光素子が規則的に配列されていてもよい。
あるいは、前記平面上のいずれかの方向において第3の発光素子同士の間に規則的に1つまたは複数の第1の発光素子と1つまたは複数の第2の発光素子とが出現するパターンで、複数の前記第1の発光素子と複数の前記第2の発光素子と複数の前記第3の発光素子とが配列されていてもよい。図示しないが、例えば、X方向に、第1、第2、第3、第1、第2、第3、第1...のように発光素子が並んでいてもよいし、第1、第2、第3、第1、第1、第2、第3、第1、第1、第2、第3...のように発光素子が並んでいてもよい。このようにX方向に規則的に第1の発光素子と第2の発光素子と第3の発光素子が配列されていれば、Y方向には第1と第2と第3の発光素子のうち一タイプのみが配列されていてもよいし、Y方向においても第1と第2と第3の発光素子が規則的に配列されていてもよい。
なお、第7の実施の形態で、上記の最も強く発光する発光小層が維持される範囲で、他の中間層(電子阻止性が弱い中間層)を配置してもよい。
本実施の形態の有機EL白色発光パネルは、カラーフィルタCFR,CFG,CFBを使用して、フルカラー表示装置として利用することができる。このようなフルカラー表示装置として使用される電子機器において、カラーフィルタに対面する各領域内で、複数の青色放出発光素子と複数の緑色放出発光素子と複数の赤色放出発光素子とが混在している配置のために、各カラーフィルタに、複数の青色放出発光素子と複数の緑色放出発光素子と複数の赤色放出発光素子から出射する色バランスの良好な白色光が入射する。従って、各カラーフィルタの透過作用で実現される色が良好になる。また、本実施の形態の有機EL白色発光パネルは、カラーフィルタCFR,CFG,CFBを使用せずに、白色の照明装置、液晶表示装置のバックライト等としても用いることができる。さらには、カラーフィルタを用いずに、発光状態と、非発光状態とで表示内容を変えるセグメント型のモノクロ表示装置に適用することもできる。
<第8の実施の形態>
次に第8の実施の形態について説明する。図18は、本発明の第8の実施の形態に係る有機EL白色発光パネル100gの基本的構造を示す断面図である。図18において上述した実施の形態と共通する構成要素は同一の符号で示し、それらを詳細には説明しない。この変形例では、発光層として赤色発光小層41、緑色発光小層42、青色発光小層43が積層されている。陰極52に最も近い発光小層として発光ピーク波長が最も長い赤色発光小層41が配置され、陽極51に最も近い発光小層として発光ピーク波長が最も短い青色発光小層43が配置され、緑色発光小層42は赤色発光小層41と青色発光小層43の間に配置されている。
青色放出発光素子30cでは、青色発光小層43と緑色発光小層42の間に、電子輸送性かつ正孔阻止性を持つ中間層358が配置されている。従って、青色放出発光素子(第1の発光素子)30cでは、青色発光小層43での発光が他の発光小層での発光より強く、青色が強い光を放出する。緑色放出発光素子(第2の発光素子)15cでは、緑色発光小層42と赤色発光小層41の間に、電子輸送性かつ正孔阻止性を持つ中間層357が配置されている。従って、緑色放出発光素子15cでは、緑色発光小層42での発光が他の発光小層での発光より強く、緑色が強い光を放出する。赤色放出発光素子(第3の発光素子)10cでは、発光小層の間に、中間層が配置されていない。従って、赤色放出発光素子10cでは、赤色発光小層41での発光が他の発光小層での発光より強く、赤色が強い光を放出する。
このように、有機EL白色発光パネル100gでは、発光素子10c,15c,30cでは中間層の状態が異なるので、発光素子に応じて、発光層のうち強く発光する発光小層を異ならせることができ、赤色が強い光、緑色が強い光、青色が強い光を、異なる発光素子から放出させることができる。発光素子10c,15c,30cは、中間層の性質を除けば、類似した構造を有しており、中間層以外は同一の構造にすることもできる。この実施の形態では、放出される光の色が発光素子に応じて異なる。発光素子の各々から放出される光の色を同じにするのは現実には困難であるのに対して、本実施の形態のように、特定色に偏った発光素子を2次元的に組み合わせて、全体として望ましい色バランスの白色光を得る方がはるかに容易であり、また安定した白色光を得ることが可能である。複数の前記第1の発光素子と複数の前記第2の発光素子と複数の前記第3の発光素子の配置パターンとしては、第7の実施の形態と同様に、各種のものが考えられる。
なお、第8の実施の形態で、上記の最も強く発光する発光小層が維持される範囲で、他の中間層(正孔阻止性が弱い中間層)を配置してもよい。
本実施の形態の有機EL白色発光パネルは、カラーフィルタCFR,CFG,CFBを使用して、フルカラー表示装置として利用することができる。このようなフルカラー表示装置として使用される電子機器において、カラーフィルタに対面する各領域内で、複数の青色放出発光素子と複数の緑色放出発光素子と複数の赤色放出発光素子とが混在している配置のために、各カラーフィルタに、複数の青色放出発光素子と複数の緑色放出発光素子と複数の赤色放出発光素子から出射する色バランスの良好な白色光が入射する。従って、各カラーフィルタの透過作用で実現される色が良好になる。また、本実施の形態の有機EL白色発光パネルは、カラーフィルタCFR,CFG,CFBを使用せずに、白色の照明装置、液晶表示装置のバックライト等としても用いることができる。さらには、カラーフィルタを用いずに、発光状態と、非発光状態とで表示内容を変えるセグメント型のモノクロ表示装置に適用することもできる。
<応用>
次に、本発明に係る有機EL白色発光パネルを適用した電子機器について説明する。図19は、上記実施形態に係る有機EL白色発光パネルを画像表示装置に利用したモバイル型のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。パーソナルコンピュータ2000は、有機EL白色発光パネルを含む表示装置1と本体部2010とを備える。本体部2010には、電源スイッチ2001およびキーボード2002が設けられている。
図20に、上記実施形態に係る有機EL白色発光パネルを適用した携帯電話機を示す。携帯電話機3000は、複数の操作ボタン3001およびスクロールボタン3002、ならびに有機EL白色発光パネルを含む表示装置1を備える。スクロールボタン3002を操作することによって、表示装置1に表示される画面がスクロールされる。
図21に、上記実施形態に係る有機EL白色発光パネルを適用した情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistant)を示す。情報携帯端末4000は、複数の操作ボタン4001および電源スイッチ4002、ならびに有機EL白色発光パネルを含む表示装置1を備える。電源スイッチ4002を操作すると、住所録やスケジュール帳といった各種の情報が表示装置1に表示される。
本発明に係る有機EL白色発光パネルが適用される電子機器としては、図19から図21に示したもののほか、デジタルスチルカメラ、テレビ、ビデオカメラ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電子ペーパー、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、ビデオプレーヤ、タッチパネルを備えた機器等が挙げられる。その他、上述の通り白色の照明装置にも適用される。
本発明の第1の実施の形態に係る有機EL白色発光パネルの基本的構造を示す断面図である。 図1の有機EL白色発光パネルの発光時における作用について説明する図である。 図1の有機EL白色発光パネルの赤色放出発光素子の一例での放出光のスペクトルを示すグラフである。 図1の有機EL白色発光パネルの緑青色放出発光素子および青色表示用発光素子の一例での放出光のスペクトルを示すグラフである。 図1の有機EL白色発光パネルの拡大平面図である。 図1の有機EL白色発光パネルの全体を断面を示す断面図である。 図1の有機EL白色発光パネルを使用したフルカラー画像表示装置を示す平面図である。 第1の実施の形態の変形例の基本的構造を示す断面図である。 第1の実施の形態の他の変形例の基本的構造を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る有機EL白色発光パネルの基本的構造を示す断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る有機EL白色発光パネルの基本的構造を示す断面図である。 図11の有機EL白色発光パネルの発光時における作用について説明する図である。 本発明の第4の実施の形態に係る有機EL白色発光パネルの基本的構造を示す断面図である。 本発明の第5の実施の形態に係る有機EL白色発光パネルの基本的構造を示す断面図である。 第5の実施の形態の有機EL白色発光パネルの一部の斜視図である。 本発明の第6の実施の形態に係る有機EL白色発光パネルの基本的構造を示す断面図である。 本発明の第7の実施の形態に係る有機EL白色発光パネルの基本的構造を示す断面図である。 本発明の第8の実施の形態に係る有機EL白色発光パネルの基本的構造を示す断面図である。 本発明に係る有機EL白色発光パネルを適用した電子機器を示す斜視図である。 本発明に係る有機EL白色発光パネルを適用した他の電子機器を示す斜視図である。 本発明に係る有機EL白色発光パネルを適用したさらに他の電子機器を示す斜視図である。
符号の説明
10,10a,10b…赤色放出発光素子(第2の発光素子)、10c…赤色放出発光素子(第3の発光素子)、15c…緑色放出発光素子(第2の発光素子)、20…緑青色放出発光素子(第1の発光素子)、30c…青色放出発光素子(第1の発光素子)、35…黄色放出発光素子(第2の発光素子)、36…青色放出発光素子(第1の発光素子)、41…赤色発光小層(第1の発光小層)、42…緑色発光小層(第2の発光小層)、43…青色発光小層(第2の発光小層)、50…基板、51…陽極、52…陰極、53…正孔注入層、54…正孔輸送層、55…電子注入層、56…電子輸送層、57,57a,58,157,157a,158,257,258,357,358…中間層、61…黄色発光小層(第1の発光小層)、62…青色発光小層(第2の発光小層)、100,100a,100b,100c,100d,100e,100f,100g…有機EL白色発光パネル。

Claims (19)

  1. 第1の発光素子と、
    前記第1の発光素子とは放出光の色が異なる第2の発光素子とを少なくとも備え、
    前記第1の発光素子と前記第2の発光素子の各々が、
    陽極と、
    陰極と、
    前記陽極と前記陰極との間に配置された発光層とを備え、
    前記第1の発光素子と前記第2の発光素子の各々における前記発光層は、積層された、発光強度のピークの波長が異なる複数の発光小層を有しており、
    前記第1の発光素子では、前記発光小層の間に、正孔輸送性かつ電子阻止性または電子輸送性かつ正孔阻止性を持つ中間層が配置されており、
    前記第2の発光素子では、前記発光小層の間に、前記中間層が配置されていないことを特徴とする有機EL白色発光パネル。
  2. 前記第1の発光素子と前記第2の発光素子の各々における前記発光層は、第1の発光小層と第2の発光小層とを少なくとも有しており、前記第1の発光小層の発光強度のピークの波長は前記第2の発光小層の発光強度のピークの波長よりも長く、
    前記第1の発光素子と前記第2の発光素子の各々における前記発光層では、最も前記陽極に近い方の発光小層として、前記第1の発光小層が配置されており、
    前記第1の発光素子では、前記第1の発光小層と前記第2の発光小層の間に、正孔輸送性かつ電子阻止性を持つ前記中間層が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の有機EL白色発光パネル。
  3. 前記第1の発光素子と前記第2の発光素子の各々における前記発光層は、第1の発光小層と第2の発光小層とを少なくとも有しており、前記第1の発光小層の発光強度のピークの波長は前記第2の発光小層の発光強度のピークの波長よりも長く、
    前記第1の発光素子と前記第2の発光素子の各々における前記発光層では、最も前記陰極に近い方の発光小層として、前記第1の発光小層が配置されており、
    前記第1の発光素子では、前記第1の発光小層と前記第2の発光小層の間に、電子輸送性かつ正孔阻止性を持つ前記中間層が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の有機EL白色発光パネル。
  4. 第1の発光素子と、
    前記第1の発光素子とは放出光の色が異なる第2の発光素子とを少なくとも備え、
    前記第1の発光素子と前記第2の発光素子の各々が、
    陽極と、
    陰極と、
    前記陽極と前記陰極との間に配置された発光層とを備え、
    前記第1の発光素子と前記第2の発光素子の各々における前記発光層は、積層された、発光強度のピークの波長が異なる複数の発光小層と、前記発光小層の間に配置された正孔輸送性かつ電子阻止性または電子輸送性かつ正孔阻止性を持つ中間層とを有しており、
    前記第1の発光素子での前記中間層の電子阻止性または正孔阻止性が、前記第2の発光素子での前記中間層の電子阻止性または正孔阻止性よりも高いことを特徴とする有機EL白色発光パネル。
  5. 前記第1の発光素子での前記中間層の厚さが、前記第2の発光素子での前記中間層の厚さより大きいことを特徴とする請求項4に記載の有機EL白色発光パネル。
  6. 前記第1の発光素子での前記中間層の電子移動度または正孔移動度が、前記第2の発光素子での前記中間層の電子移動度または正孔移動度よりも低いことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の有機EL白色発光パネル。
  7. 前記第1の発光素子と前記第2の発光素子の各々における前記発光層は、第1の発光小層と第2の発光小層とを少なくとも有しており、前記第1の発光小層の発光強度のピークの波長は前記第2の発光小層の発光強度のピークの波長よりも長く、
    前記第1の発光素子と前記第2の発光素子の各々における前記発光層では、最も前記陽極に近い方の発光小層として、前記第1の発光小層が配置されており、前記第1の発光小層と前記第2の発光小層の間に、正孔輸送性かつ電子阻止性を持つ前記中間層が配置されており、
    前記第1の発光素子での前記中間層の電子阻止性が、前記第2の発光素子での前記中間層の電子阻止性よりも高いことを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか1項に記載の有機EL白色発光パネル。
  8. 前記第1の発光素子と前記第2の発光素子の各々における前記発光層は、第1の発光小層と第2の発光小層とを少なくとも有しており、前記第1の発光小層の発光強度のピークの波長は前記第2の発光小層の発光強度のピークの波長よりも長く、
    前記第1の発光素子と前記第2の発光素子の各々における前記発光層では、最も前記陰極に近い方の発光小層として、前記第1の発光小層が配置されており、前記第1の発光小層と前記第2の発光小層の間に、電子輸送性かつ正孔阻止性を持つ前記中間層が配置されており、
    前記第1の発光素子での前記中間層の正孔阻止性が、前記第2の発光素子での前記中間層の正孔阻止性よりも高いことを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか1項に記載の有機EL白色発光パネル。
  9. 複数の前記第1の発光素子と、複数の前記第2の発光素子とを備え、
    複数の前記第1の発光素子と複数の前記第2の発光素子とが平面内に混在していることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の有機EL白色発光パネル。
  10. 前記平面上のいずれかの方向において第1の発光素子同士の間に規則的に1つまたは複数の第2の発光素子が出現するパターンで、複数の前記第1の発光素子と複数の前記第2の発光素子とが配列されていることを特徴とする請求項9に記載の有機EL白色発光パネル。
  11. 前記平面上のいずれかの方向において第2の発光素子同士の間に規則的に1つまたは複数の第1の発光素子が出現するパターンで、複数の前記第1の発光素子と複数の前記第2の発光素子とが配列されていることを特徴とする請求項9に記載の有機EL白色発光パネル。
  12. 第1の発光素子と、
    前記第1の発光素子とは放出光の色が異なる第2の発光素子と、
    前記第1の発光素子および前記第2の発光素子とは放出光の色が異なる第3の発光素子とを備え、
    前記第1の発光素子と前記第2の発光素子と前記第3の発光素子の各々が、
    陽極と、
    陰極と、
    前記陽極と前記陰極との間に配置された発光層とを備え、
    前記第1の発光素子と前記第2の発光素子と前記第3の発光素子の各々における前記発光層は、積層された、発光色が赤色の発光小層と発光色が緑色の発光小層と発光色が青色の発光小層とを有しており、発光色が緑色の前記発光小層が発光色が赤色の前記発光小層と発光色が青色の前記発光小層の間に配置されており、
    前記第1の発光素子と前記第2の発光素子と前記第3の発光素子のうち少なくとも二つには、いずれかの発光小層の間に、正孔輸送性かつ電子阻止性または電子輸送性かつ正孔阻止性を持つ中間層が配置されており、
    前記第1の発光素子と前記第2の発光素子と前記第3の発光素子では、中間層の状態が異なることを特徴とする有機EL白色発光パネル。
  13. 複数の前記第1の発光素子と、複数の前記第2の発光素子と、複数の前記第3の発光素子とを備え、
    複数の前記第1の発光素子と複数の前記第2の発光素子と複数の前記第3の発光素子とが平面内に混在していることを特徴とする請求項12に記載の有機EL白色発光パネル。
  14. 前記平面上のいずれかの方向において第1の発光素子同士の間に規則的に1つまたは複数の第2の発光素子と1つまたは複数の第3の発光素子とが出現するパターンで、複数の前記第1の発光素子と複数の前記第2の発光素子と複数の前記第3の発光素子とが配列されていることを特徴とする請求項13に記載の有機EL白色発光パネル。
  15. 前記平面上のいずれかの方向において第2の発光素子同士の間に規則的に1つまたは複数の第1の発光素子と1つまたは複数の第3の発光素子とが出現するパターンで、複数の前記第1の発光素子と複数の前記第2の発光素子と複数の前記第3の発光素子とが配列されていることを特徴とする請求項13に記載の有機EL白色発光パネル。
  16. 前記平面上のいずれかの方向において第3の発光素子同士の間に規則的に1つまたは複数の第1の発光素子と1つまたは複数の第2の発光素子とが出現するパターンで、複数の前記第1の発光素子と複数の前記第2の発光素子と複数の前記第3の発光素子とが配列されていることを特徴とする請求項13に記載の有機EL白色発光パネル。
  17. 請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の有機EL白色発光パネルを備える電子機器。
  18. 請求項9から請求項11のいずれか1項に記載の有機EL白色発光パネルと、
    前記有機EL白色発光パネルのうちそれぞれ異なる領域に対面して、前記有機EL白色発光パネルから進行する光の一部が透過する複数のカラーフィルタとを備え、
    前記カラーフィルタに対面する各領域内で、複数の前記第1の発光素子と複数の前記第2の発光素子とが混在していることを特徴とする電子機器。
  19. 請求項13から請求項16のいずれか1項に記載の有機EL白色発光パネルと、
    前記有機EL白色発光パネルのうちそれぞれ異なる領域に対面して、前記有機EL白色発光パネルから進行する光の一部が透過する複数のカラーフィルタとを備え、
    前記カラーフィルタに対面する各領域内で、複数の前記第1の発光素子と複数の前記第2の発光素子と複数の前記第3の発光素子とが混在していることを特徴とする電子機器。
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