JP2009047627A - 薄切する試料を収容・保持するためのセル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ショアA硬度75以上の有機弾性重合体から作製した薄切する試料を収容・保持するためのセル、或いはショアD硬度30以上のエチレン系重合体又は四弗化エチレン系重合体から作製した薄切する試料を収容・保持するためのセル、当該セルを用いて試料を薄切する方法、薄切した試料を観察、分析して、試料に係る二次元及び/又は三次元の情報を取得する方法。
【選択図】 図1
Description
本発明のセルを用いる場合は、試験のたびごとに試料をパラフィンや硬化性樹脂で包埋・固定したり、凍結するという手間および時間のかかる処理を行うことなく、試料を本発明のセルに収容・固定し、それをミクロトームなどの薄切装置で薄切することで、試料を常温で簡単に且つ均一な厚さに薄切して、顕微鏡で観察および/または分析したり、各種分析装置で分析するための、変形や破壊のない、高精度の平滑な薄切片または切削断面を迅速に且つ簡単に作製することができ、それによって試料の正確な二次元または三次元の画像情報などを迅速に、正確に且つ簡単に得ることができる。
また、物質内部の組織構造中の成長過程に係る形態情報、特定成分情報(例えば、空気、気泡、臓器形態、発現部位、機能成分の有無など)、安全性情報(例えば肥料や農薬の残留状態や細菌による汚染状況など)などを、目視によって容易に観察できるようにしたり、デジタル化による二次元画像化や三次元グラフィック化することが近年強く求められている。
しかしながら、OTCコンパウンドやパラフィンを用いて凍結して薄切する方法は、試料によっては凍結によって組織の破壊や変質が生ずることがあり、また薄切操作中や薄切した試料の観察時に試料が解凍しないようにするための温度管理が必要であり、更に、観察および分析が長時間になると、凍結状態にある薄切片または切削断面に空気中の水蒸気などが霜状に析出して、正確な分析結果や画像が得られにくい。
しかも、OTCコンパウンドを用いる凍結方法は、薄切により得られる薄切片または切削断面から得られる波長は温度依存性があるため、観察および/または分析時の温度によって変化し、正確な情報が得られない。また、OTCコンパウンドは試料との接着性が低いため、薄切時に試料の移動が生ずることがあり、高精度の平滑な薄切片および切削断面を形成できないことがある。
さらに、パラフィンに包埋して薄切する方法は、一般に加熱溶融したパラフィンを用いて包埋が行われるため、包埋時に熱によって試料の変質や組織破壊などが生じ易く、しかもパラフィンに包埋した試料を薄切する際の摩擦熱でパラフィンが溶けてしまい、試料を所定の均一な厚さに薄切できないという問題が生じ易い。
しかしながら、そのような従来法による場合には、生産時期、生産場所、入手時期などの異なる原料小麦ごとに、多量の原料小麦をサンプルとして用いて一連の製粉操作を行う必要があるため、コスト、手間および時間のかかるものであった。
原料小麦の品質を判定するための製粉操作を行わずに、原料小麦自体の品質などをそのまま直接調べることができれば、品質などの検査のために多量の原料小麦を使用する必要がなくなり、しかも手間および時間のかかる品質判定用の製粉操作が不要となる。そのための方策として、小麦粒をミクロトームなどによって所定の厚さに順次薄切すると共に、それによって得られた薄切片または切削断面を観察および/または分析し、それにより得られる二次元情報を立体的に構築して三次元のグラフィック情報などとして取得し、それに基づいて小麦粒自体の品質の良否を判定する方法が考えられる。
しかしながら、OTCコンパウンドやパラフィンを用いて試料(小麦粒)を凍結したり、硬化性樹脂中に包埋して薄切する上記した従来の方法を採用した場合には、上記したような種々の問題があるため、小麦粒に係る三次元での情報を、短い時間で簡単に正確に得ることは極めて困難である。
そして、本発明の目的は、ミクロトームなどの薄切装置によって、試料を、常温で、簡単に且つ迅速に、均一な所定の厚さで、高精度の平滑面を形成しながら薄切することで、試料の観察および/または分析、それに基づく正確な二次元または三次元の情報を構築することのできる方法を提供することである。
そして、本発明者らは、上記した特定のセルを用いる場合は、セルへの試料の収容と保持、試料の薄切、薄切した試料の観察、分析、測定、解析などを、常温で円滑に行えることを見出した。
また、本発明者らは、その際にセルの形状を、前記特定の有機重合体から形成した短尺の柱状のブロック体または盤状のブロック体とし、当該ブロック体内に外部に開口する試料の収容・保持用の孔を設けた構造にし、そのような構造のセルを観察や分析しようとする試料の種類や数に応じて、予め必要な数だけ製作しておくと、試料をセル内に毎回同じ方向(XYZ方向)で収容・保持させた状態で薄切することができ、それによって観察や分析しようとする試料に対して正確な情報が繰り返して得られることを見出した。
また、本発明者らは、セルを形成するブロック体に設けた前記取付部の構造を、外部に開口した取付孔とし、その取付孔に薄切装置におけるセル取り付け装置(例えばセル取り付け用の棒など)を嵌合させると、薄切装置にセルを簡単に、迅速に且つ確実に取り付け得ること、そしてセルにおける試料収容保持孔と当該取付孔を連通させると、セルの試料収容保持孔内に試料を収容した際に、またセルの試料収容保持孔内に試料を固定させるために接着剤を注入したときに、試料収容保持孔内の空気が前記取付孔を通ってセル外に円滑に排出されて、試料収容保持孔への試料の収容および接着剤の注入が円滑に行われることを見出した。
(1) 薄切する試料を収容して保持するためのセルであって、JIS K 6253Aに従って測定したショアA硬度が75以上である弾性重合体から形成されているか、或いはJIS K 6253Dに従って測定したショアD硬度が30以上であるエチレン系重合体または四弗化エチレン系重合体から形成されていることを特徴とする、薄切する試料を収容して保持するためのセルである。
(2) ショアA硬度が80以上である弾性重合体から形成されているか、或いはショアD硬度が50以上であるエチレン系重合体または四弗化エチレン系重合体から形成されている前記(1)のセル;
(3) セルを形成する弾性重合体、エチレン系重合体および四弗化エチレン系重合体のJIS K 6251に従って測定した引裂強度が45N/mm以上である前記(1)または(2)のセル;および、
(4) セルを形成する弾性重合体が、ポリウレタン弾性体、ポリブタジエンゴム、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、ニトリルゴム、ポリクロロプレンゴム、アクリルゴムおよびエピクロルヒドリンゴムから選ばれる1種または2種以上の弾性重合体であり、エチレン系重合体がポリエチレンであり、四弗化エチレン系重合体がポリテトラフルオロエチレンである前記(1)〜(3)のいずれかのセル;
である。
(5) セルが、前記した弾性重合体、エチレン系重合体または四弗化エチレン系重合体から形成されたブロック体内に試料を収容して保持するための試料収容保持孔を設けたものである前記(1)〜(4)のいずれかのセル;
(6) セルが、前記した弾性重合体、エチレン系重合体または四弗化エチレン系重合体から形成された短尺の柱状のブロック体または盤状のブロック体からなり、当該ブロック体の内部に上面で外部に開口した試料収容保持孔を有し且つ当該ブロック体の側周壁部分および/または下部にセルを薄切装置に取り付けるための取付部を有する前記(1)〜(5)のいずれかのセル;
(7) セルを薄切装置に取り付けるための取付部が、セルを形成するブロック体の下部に設けた外部に開口した取付孔である前記(6)のセル;
(8) セルを形成するブロック体内で、試料収容保持孔とセルを薄切装置に取り付けるための取付孔が連通している前記(7)のセル;および、
(9) 短尺の柱状のブロック体または盤状のブロック体が、正方形または円形の横断面を有するブロック体であり、当該ブロック体の横断面の中心部分に試料収容保持孔を設けてなる前記(6)〜(8)のいずれかのセル;
である。
(10) 前記(5)〜(9)のいずれかのセルの試料収容保持孔に薄切する試料を収容し、試料収容保持孔への試料の収容前、収容時または収容後に試料収容保持孔に接着剤を注入して試料を試料収容保持孔内に固定して保持することを特徴とするセル内への薄切する試料の収容・固定方法;、
(11) 前記(5)〜(9)のいずれかのセルの試料収容保持孔内に薄切する試料を収容し、試料収容保持孔内への試料の収容前、収容時または収容後に試料収容保持孔に接着剤を注入して試料を試料収容保持孔内に固定して保持し、試料収容保持孔内に試料を収容し固定・保持したセルを薄切装置に取り付けて、当該薄切装置によってセルごと試料を薄切することを特徴とする試料の薄切方法;および、
(12) 前記(11)の薄切方法によって形成された試料の薄切片またはセルの試料収容保持孔内に残留している試料の切削断面を観察および/または分析する方法;
である。
(13) 前記(5)〜(9)のいずれかのセルの試料収容保持孔内に薄切する試料を収容し、試料収容保持孔内への試料の収容前、収容時または収容後に試料収容保持孔に接着剤を注入して試料を試料収容保持孔内に固定して保持し、試料収容保持孔内に試料を固定・保持したセルを薄切装置に取り付けて、該薄切装置によってセルと一緒に試料を所定の厚さに順次に薄切し、薄切した試料の各薄切片またはセルの充填孔内に残留している試料の各切削断面を観察、分析および/または測定して試料に係る二次元情報を取得し、それにより得られた各二次元情報を立体的に構築して、試料の三次元情報を取得する方法;、
(14) 試料が穀粒である前記(13)の方法;および、
(15) 試料が小麦粒である前記(14)の方法;
である。
本発明のセルを用いて、当該セル内に薄切しようとする試料を収容し固定保持させた後に、セル内に収容・保持した試料をセルごとミクロトームなどの薄切装置で薄切することによって、試料を収容・保持したセルが薄切装置の切削刃によって、破損したり変形したりすることなく当初の形状を保持しながら、高精度の平滑面を形成して所定の均一な厚さに薄切され、それと共にセル内に収容・保持されている試料がセルを形成している特定の有機高分子材料によって包囲保護された状態でセルと一緒に所定の厚さに高精度の平滑面を形成しながら円滑に薄切される。
その結果、それにより得られる試料の薄切片および/またはセル中に残留する試料の切削断面を顕微鏡やその他の装置を用いて、観察、分析、測定することで、試料に係る種々の情報を正確に取得することができる。
特に、前記特定の硬度を有し、しかも前記特定の引裂強度を有する弾性重合体、エチレン系重合体または四弗化エチレン系重合体から形成した本発明のセルは、試料の薄切時にセルの変形や破損が一層少なく、セル内に収容・保持した試料をより円滑に薄切することができる。
さらに、セルを形成するブロック体内に設けた前記取付部の構造を、外部に開口した取付孔とした本発明のセルは、その取付孔に薄切装置におけるセル取り付け装置(例えばセル取り付け用の棒など)を嵌合させるという簡単な操作で、試料を収容・保持したセルを薄切装置に簡単に、迅速に且つ確実に取り付けることができる。
また、セルを形成するブロック体内に設けた試料収容保持孔と前記取付孔を連通させた本発明のセルは、セルの試料収容保持孔内に試料を収容する際に、またセルの試料収容保持孔内に試料を固定させるために接着剤を注入したときに、試料収容保持孔内の空気が前記取付孔を通ってセル外に円滑に排出されて、試料収容保持孔への試料の収容および接着剤の注入を円滑に行うことができる。
かかる方法を小麦(小麦粒)についての三次元情報を取得のために採用した場合には、小麦(小麦粒)の品質や内容に係る情報を正確に且つ総合的に取得できるため、原料小麦の一部をサンプルとして用いて製粉を行って原料小麦の品質を判定するという従来の繁雑で手間およびコストのかかる方法を採用する必要がなくなる。そして、本発明の方法で原料小麦の品質に係る三次元情報を迅速に正確に取得し、その情報に基づいて、品質判定のための製粉試験を行うことなく、適正な原料小麦を選択したり、原料小麦をブレンドしたりすることによって、製品としての小麦粉を製造するための製粉作業を実施することができる。
本発明のセルは、試料をミクロトームなどの薄切装置で薄切する際に、試料を収容して保持し、当該試料をセルごと薄切装置で薄切するのに用いるセルである。
なお、本明細書でいう「薄切装置」とは、光学顕微鏡、蛍光顕微鏡、透過型顕微鏡、走査型電子顕微鏡、レーザー顕微鏡、SPM、AFMなどの顕微鏡や、IR、NIR、ラマン、X線などによる分析装置を用いて観察、分析、測定するために試料を薄切するための装置の総称である。
本発明で用い得る薄切装置の代表例としては、通常のミクロトーム、ウルトラミクロトーム、クリオスタットなどを挙げることができ、本発明のセルは、ミクロトームまたはウルトラミクロトームを用いて試料を薄切するためのセルとして特に適している。
セルが弾性重合体から形成されている場合であっても、ショアA硬度が75よりも低い弾性重合体から形成されていると、セルに試料を収容・保持して薄切装置によって薄切したときに、セルの変形、セルの固定不備などが生じて、セルおよびセル内に収容・保持された試料の薄切を円滑に行うことが困難になる。
また、セルがエチレン系重合体または四弗化エチレン系重合体から形成されている場合であっても、セルを形成するエチレン系重合体または四弗化エチレン系重合体のショアD硬度が30よりも低いと、セルに試料を収容・保持してミクロトームによって薄切したときに、セルの変形、セルの固定不備などが生じて、セルおよびセル内に収容・保持された試料の薄切を円滑に行うことが困難になる。
また、セルが、例えば、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネート、硬質塩化ビニル樹脂、ポリアセタールなどの上記以外の硬質の有機重合体から形成されている場合も、ミクロトームなどの薄切装置の切削刃によってセルが円滑に薄切されなかったり、薄切時にセルの破損が生じたり、切削刃の破損が生じて、試料の薄切が困難になる。
市販の弾性重合体では、その硬度がショアA硬度で測定または表されておらず、ショアD硬度で測定または表されていることがある。その場合には、ショアD硬度28がショアA硬度75にほぼ相当し、ショアD硬度30がショアA硬度80にほぼ相当する。そのため、本発明のセルを形成する弾性重合体の硬度をショアD硬度でいうと、本発明のセルは、ショアD硬度が28以上の弾性重合体から形成されていることが必要であり、ショアD硬度が30以上の弾性重合体から形成されていることが好ましい。
本発明のセルが弾性重合体が形成されている場合には、ショアA硬度が75以上、好ましくは80以上(ショアD硬度が28以上、好ましくは30以上)である限りは、当該セルは、1種類の弾性重合体から形成されていてもよいし、2種類以上の弾性重合体のブレンド物から形成されていてもよいし、または1種または2種以上の弾性重合体と他の重合体(例えば他の熱可塑性重合体など)とのブレンド物から形成されていてもよい。
限定されるものではないが、本発明のセルの形成に用い得るポリウレタン弾性体のうち、エステル系ポリウレタンの具体例としては、
○三井化学ポリウレタン社製の製品である、
・「タケネートL−1280」(ショアA硬度81、引裂強度61N/mm);
・「タケネートL−1290」(ショアA硬度92、引裂強度108N/mm);
・「タケネートL−1680」(ショアA硬度80、引裂強度61N/mm);
・「タケネートL−1390」(ショアA硬度90、引裂強度91N/mm);
・「タケネートL−1395」(ショアA硬度96、引裂強度123N/mm);
○同社製の製品である、
・「サイアナプレンA−8QM」(ショアA硬度81、引裂強度65N/mm);
・「サイアナプレンA−85QM」(ショアA硬度86、引裂強度80N/mm);
・「サイアナプレンA−9QM」(ショアA硬度91、引裂強度94N/mm);
・「サイアナプレンD−5QM」(ショアA硬度97、引裂強度118N/mm);
などを挙げることができる。
○同社製の製品である、
・「ハイプレンL−80」(ショアA硬度80、引裂強度69N/mm);
・「ハイプレンL−100」(ショアA硬度90、引裂強度70N/mm);
・「ハイプレンL−167」(ショアA硬度95、引裂強度90N/mm);
・「ハイプレンL−315」(ショアD硬度71、引裂強度198N/mm);
・「ハイプレンHL−651」(ショアD硬度64、引裂強度152N/mm);
・「ハイプレンU−31」(ショアA硬度90、引裂強度70N/mm);
○同社製の製品である、
・「タケネートL−2710」(ショアA硬度80、引裂強度69);
・「タケネートL−2760」(ショアA硬度95、引裂強度83);
・「タケネートL−2761」(ショアD硬度60、引裂強度98N/mm);
・「タケネートL−2790」(ショアD硬度67、引裂強度147N/mm);
・「タケネートL−2690」(ショアA硬度90、引裂強度78N/mm);
・「タケネートL−2695」(ショアA硬度95、引裂強度105N/mm);
・「タケネートL−2665D」(ショアD硬度65、引裂強度112N/mm);
・「タケネートL−2380」(ショアA硬度81、引裂強度74N/mm);
・「タケネートL−2390」(ショアA硬度91、引裂強度90N/mm);
・「タケネートL−2395」(ショアA硬度95、引裂強度85N/mm);
・「タケネートL−1128」(ショアA硬度90、引裂強度49N/mm);
・「タケネートL−1158」(ショアA硬度91、引裂強度75N/mm);
・「タケネートL−1195RN」(ショアA硬度95、引裂強度105N/mm);
・「タケネートL−1150」(ショアA硬度97、引裂強度88N/mm);
・「タケネートL−1080D」(ショアD硬度81、引裂強度235N/mm);
・「タケネートL−1155B」(ショアA硬度90、引裂強度90N/mm);
・「タケネートL−1156」(ショアA硬度96、引裂強度93N/mm);
などを挙げることができる。
・ポリブタジエンゴムの具体例としては、日本ゼオン社製「Nipol BR」(ショアA硬度90、引裂強度54N/mm);
・エチレン−プロピレン共重合体ゴムの具体例としては、三井化学社製「三井EPT」(ショアA硬度90、引裂強度51N/mm);
・ニトリルゴムの具体例としては、宇部興産社製「ハイカー」(ショアA硬度90、引裂強度54N/mm);
・ポリクロロプレンゴムの具体例としてはデュポンエラストマー社製「ネオプレン」(ショアA硬度90、引裂強度52N/mm);
・アクリルゴムの具体例としては日本メクトロン社製「ノックスタイト」(ショアA硬度85、引裂強度52N/mm);
・エピクロルヒドリンゴムの具体例としては日本ゼオン社製「ヒドリン」(ショアA硬度85、引裂強度55N/mm);
などを挙げることができる。
また、本発明のセルを形成し得るショアD硬度が30以上、好ましくは40以上、より好ましくは50〜75である四弗化エチレン系重合体の具体例としては、ポリテトラフルオロエチレンである、デュポン社製「テフロン」(登録商標)(ショアD硬度55)、ダイキン工業社製「ポリフロン」(ショアD硬度55)などを挙げることができる。
その際に、セルを形成するブロック体の形状は、薄切する試料の形状や種類、薄切装置の種類や構造などに応じて決めることができ、例えば、短尺の柱状のブロック体、盤状のブロック体、球形、ラグビーボール形、ハート形、V字形、波形などを挙げることができる。
そのうちでも、セルを形成するブロック体は、短尺の柱状のブロック体または盤状のブロック体であることが、構造が簡単でブロック体の製造が容易であり、当該ブロック体内に外部に開口した試料収容保持孔を容易に設けることができ、しかも安価であることから好ましい。
セルを横断面形状が正方形または長方形の柱状のブロック体または盤状のブロック体から形成する場合は、ブロック体の横断面における縦と横のサイズ、高さ(厚さ)のサイズは特に制限されず、薄切する試料のサイズや形状、薄切装置の種類、構造、規模などに応じて決めればよい。セルを形成するブロック体が、正方形または長方形の横断面形状を有する柱状のブロック体または盤状のブロック体である場合は、一般的に、横断面における縦のサイズを10〜80mm、横のサイズを10〜80mm、高さ(厚さ)を5〜50mm程度にすると、通常のミクロトームやウルトラミクロトームなどに共通して使用することができる。
また、セルを横断面形状が円形の柱状のブロック体または盤状のブロック体から形成する場合は、ブロック体の横断面の直径、高さ(厚さ)などは特に制限されず、薄切する試料のサイズや形状、薄切装置の種類、構造、規模などに応じて決めればよい。セルを形成するブロック体が、円形の横断面形状を有する柱状のブロック体または盤状のブロック体である場合は、一般的に、横断面の直径を10〜50mm、高さ(厚さ)を5〜50mm程度にすると、通常のミクロトームやウルトラミクロトームなどに共通して使用することができる。
ブロック体内に設ける試料収容保持孔の大きさは、当該試料収容保持孔に試料を容易に収容でき、かつ収容した試料が試料収容保持孔内で移動することなく安定に保持され、しかも少量の接着剤などの注入によって試料収容保持孔内に試料を安定に強固に固定・保持できるような大きさであることが好ましく、一般的には薄切する試料のサイズ(外径など)よりも僅かに大きなサイズとしておく、特に試料を試料収容保持孔に収容したときに試料収容保持孔の壁面と試料の外周との間の隙間が0.1〜3mm程度であるようなサイズにしておくとよい。
前記距離(厚さ)が小さすぎると(試料収容保持孔を包囲している重合体層の厚さが小さすぎると)、薄切装置によってセルごと試料を薄切する際に、セルの変形、破損などが生じ、それに伴ってセルによって包囲・保護されている試料の変形、破損、ひび割れなどが生じて、高精度で平滑に薄切することが困難になる。一方、前記距離(厚さ)が大きすぎると(試料収容保持孔を包囲している重合体層の厚さが大きすぎると)、薄切装置によってセルごと試料を薄切する際に、セル部分を薄切するのに要するエネルギーが大きくなり、薄切に要する時間が長くなり、しかもセルの製造に用いる重合体量が多くなりコストの上昇を招き易くなる。
セルを薄切装置に取り付けるための取付部の構造は、薄切装置の種類や構造[特に薄切装置における試料(セル)取り付け部の構造]に応じて設計すればよい。薄切装置における試料(セル)取り付け部分が、棒状体からなる場合は、セルを形成するブロック体に設ける前記取付部を、薄切装置におけるセル取付用棒状体の先端と緊密に嵌合する構造にしておくと、薄切装置の試料(セル)取付用の棒状体に簡単に且つ迅速に取り付けることができる。そのような取付部の構造の代表例としては、薄切装置の試料(セル)取付用の棒状体の先端の外径よりも僅かに小さい内径を有する孔を挙げることができる。本発明のセルを形成する上記した弾性重合体、エチレン系重合体、四弗化エチレン系重合体は、伸縮性、柔軟性または可撓性を有しているので、セルを形成しているブロック体の取付孔にそれよりも径が僅かに大きな薄切装置の試料(セル)取付用の棒状体の先端を嵌入したときに、取付孔が拡張して棒状体の先端が容易に挿入でき、棒状体が挿入した後は取付孔が元のサイズに収縮して、棒状体の先端にセルが安定した状態で取り付けられる。
図1〜図4において、(a)はセルの該略図(鳥瞰図)を示し、(b)は(a)のセルをX−Xの位置で切断したときの縦断面図、(c)は(a)のセルの上面図を示す。
図1〜図4において、1はセル、2aは短尺の柱状のブロック体、2bは盤状のブロック体、3は試料収容保持孔、4は薄切装置にセルを取り付けるための取付孔、5は通路を示す。
図2のセル1は、短尺の横断面が円形をなす柱状のブロック体2aの中央に、上面で外部に開口している柱状の試料収容保持孔3が形成されていて、セル(ブロック体2a)の下部(下面)側には、セル1をミクロトームに取り付けるための、下面側で開口した取付孔4が設けられ、試料収容保持孔3と取付孔4とが通路5で連通しているセルである。
図3のセル1は、横断面が四角形をなす盤状のブロック体2bの中央に、上面で外部に開口している柱状の試料収容保持孔3が形成されていて、セル(ブロック体2b)の下部(下面)側には、セル1をミクロトームに取り付けるための、下面側で開口した取付孔4が設けられ、試料収容保持孔3と取付孔4とが連通しているセルである。
図4のセル1は、横断面が円形をなす盤状のブロック体2bの中央に、上面で外部に開口している柱状の試料収容保持孔3が形成されていて、セル(ブロック体2b)の下部(下面)側には、セル1をミクロトームに取り付けるための、下面側で開口した取付孔4が設けられ、試料収容保持孔3と取付孔4とが通路5で連通しているセルである。
試料収容保持孔3と取付孔4とが連通していることによって、試料収容保持孔3に試料を収容したときに、また試料収容保持孔3に試料を収容し、接着剤を注入して試料を試料収容保持孔内に固定・保持するときに、試料収容保持孔3の気体がブロック体2a,2bから排出されて、試料収容保持孔3への試料の収容および接着剤の注入が円滑に行われる。
限定されるものではないが、本発明のセルに収容して薄切し得る試料の具体例としては、小麦(小麦粒)、米、豆類、大麦、ライ麦、オーツ麦などの穀類(穀粒)、木材、植物の根、茎、葉、種、骨、歯、有機重合体、有機重合体組成物、有機重合体と他の材料との複合材料、小麦粉等による二次加工製品およびその製造工程品などを挙げることができる。
本発明で好ましく用い得る接着剤としては、例えば、エポキシ樹脂系接着剤、ポリサルファイド−エポキシ樹脂系接着剤、ポリウレタン系接着剤、レゾルシノールホルムアルデヒド樹脂系接着剤、フェノールホルムアルデヒド樹脂系接着剤などを挙げることができ、そのうちでもエポキシ樹脂系接着剤が好ましく用いられる。本発明で好ましく用いられるエポキシ樹脂系接着剤の具体例としてはハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ社製「アラルダイト ラピッド」、新日鐵化学社製「マリンバラスターHS−速乾−」などを挙げることができる。
試料収容保持孔への接着剤の注入量は、試料収容保持孔に収容した試料と試料収容保持孔との間の空隙を埋めて試料を試料収容保持孔内に強固に安定して固定し得る量とするのがよい。
試料収容保持孔への接着剤の注入を、シリンジ(注射器)、特に目盛の付いているシリンジを用いて行うと、接着剤を必要な量で試料収容保持孔内に円滑に注入することができる。
ミクロトームによって薄切を行うに当たっては、本発明のセル(特に上記したブロック体から形成されるセル)の横断面に対して平行な面に沿って切断して薄切を行うようにする。
それによって、試料が本発明のセル(セルを形成している上記した弾性重合体、エチレン系重合体または四弗化エチレン系重合体)によってその全周囲を包囲・保護された状態でセルを形成している重合体材料の薄切と同時に試料の薄切が行われるため、試料の変形や破壊などを生ずることなく、試料を高精度で平滑に薄切することができる。
ミクロトームを用いる場合は、例えば、試料(試料を収容・保持したセル)を定位置で僅かずつ押し出し(上昇させ)、切削刃を試料の方に回転させながらまたは回転させずに滑らせて薄切する滑走型のミクロトーム、切削刃を定位置で回転させ、試料(試料を収容・保持したセル)を切削刃の方に移動させて薄切するミクロトーム、クリオスタットなどを挙げることができる。
限定されるものではないが、本発明で用い得るミクロトームの具体例としては、ライカ社製の「Leica CM1850」、「Leica CM1100」、「回転式ミクロトーム Leica RM2265」、「滑走式ミクロトーム Leica SM2400」などを挙げることができる。
本発明のセルに収容・保持した試料をセルごと薄切するに当たって、切削刃を回転させながら薄切する形式の薄切装置を用いる場合は、切削刃の回転速度を、試料の種類、材質、切削刃の材質や薄さなどに応じて調整する。例えば、ライカ社製のミクロトームを用いて、サクラファインテックジャパン社製の切削刃「ミクロトーム替刃S35」(商品名)[切削刃の材質;特殊ステンレス製、刃の薄さ(刃先の角度)35度]を使用して本発明のセルに収容・保持した試料をセルごと薄切する場合は、通常、切削刃の回転速度を5〜150rpm、特に30〜60rpmにすると、円滑に薄切することができる。
この方法は、例えば、ラトックシステムエンジニアリング社製のソフトウエア「TRI/3D−VOL」などを使用して行うことができる。
この方法を、試料として小麦(小麦粒)を用いて行う場合は、小麦(小麦粒)の品質や内容に係る情報を正確に且つ総合的に取得できるため、当該取得した内容に基づいて小麦の品質を判定し、その判定結果を利用して、製粉に使用する原料小麦の選択、原料小麦のブレンド比率の決定、製粉特性の判別などを行って、製品として販売する小麦粉を製造するための製粉作業を円滑に実施することができる。
以下の例において、ショアA硬度はJIS K 6253Aに従って測定したショアA硬度であり、ショアD硬度はJIS K 6253Dに従って測定したショアD硬度であり、ロックウエル硬度はJIS K 7202−2に従って測定してロックウエル硬度である。
(1) 図1に示す形状および構造を有し、各部のサイズが図6に記載するとおりのセル1を、以下の表2〜表4に示す各種の有機重合体から作製した。すなわち、表2〜表4に記載する各種の有機重合体からつくった縦×横×高さ=15mm×15mm×30mmのブロック体2a(正方形の横断面を有する短尺の柱状のブロック体)に、図1および図6に示す形状、構造およびサイズを有する試料収容保持孔3、取付孔4[セル1を薄切片作製装置(東芝機械社製「AST−024」)内のミクロトームに取付けるための取付孔]、試料収容保持孔3と取付孔4を結ぶ通路5を後加工(切削加工)によって形成して、試料を収容・保持するためのセル1をそれぞれ作製した。なお、図6において、(a)は図1のセル1をその中央で縦方向に切断したときの縦断面図、(b)はセルを上部からみた平面図である。
(2) 上記(1)で作製したそれぞれのセル1を、その試料収容保持孔3には試料を収容しない状態で、薄切片作製装置(東芝機械社製「AST−024」)のサンプルホルダに取り付けた。
次いで、ミクロトームに取り付けたセル1をステップモーターで1μmずる上昇させながら、ミクロトームの切削刃(サクラファインテックジャパン社製「S35」、切削刃の材質:特殊ステンレス)を60rpmの回転速度で回転させながら、常温(25℃)でセルを1μmの厚さに薄切し、それによって形成されたセル1の切削面を目視により観察して、下記の表1に記載した基準にしたがってセルの薄切性(切削性)の良否を判定した。
その結果を、下記の表2〜表4に示す。
(1) エステル系ポリウレタン(三井化学ポリウレタン社製「タケネートL−2760」、ショアA硬度95、引裂強度83N/mm)を用いて、実施例1の(1)と同様にして、図1および図6に示す形状、構造および寸法を有するセル1を作製した。セル1は、1個のみ作製するのではなく、以下の(2)〜(3)の試験(検査)を複数回にわたって行えるように、多数個作製した。
(2) 上記(1)で作製したセル1の試料収容保持孔3に、図7に示すように1個の小麦粒6a(薄切する試料)を縦方向に収容した後、そこに接着剤(ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ社製「アラルダイト ラピッド」、2液型エポキシ樹脂系接着剤)の1ml(2液を混合した混合液)をシリンジ(注射器)で試料収容保持孔3の上部から注入して硬化させて、小麦粒6aをセル1の試料収容保持孔3内に収容・保持した[なお、図7は、図1および図6のセルの試料収容保持孔3に試料である小麦粒6aを収容・保持したものの縦断面図である]。
この際に、試料収容保持孔3中の空気は、試料収容保持孔3の下の通路5および取付孔4を通ってセル1の外部に排出させた。また、小麦粒6aの外周と試料収容保持孔3の内壁との間には接着剤が完全に充填されていて隙間はなかった。接着剤を注入した後、約10分後から硬化が始まり、1時間後に十分に硬化して切削が可能になった。
(1) 図8に示す形状、構造および寸法を有すること以外は、実施例2の(1)と同様にして、セル1を多数個作製した。
(2) 実施例2の(2)と同様にして、1個の小麦粒6aを試料収容保持孔3内に収容・保持した。
(3) 上記(2)で得られた小麦粒6aを試料収容保持孔3に収容・保持したセル1を、汎用型ミクロトーム(ライカ社製「RM2145」)に取り付け、ミクロトームの切削刃(サクラファインテックジャパン社製「A35」、材質:特殊ステンレス)を用いて、切削厚10μmで連続的に切削し、それによって形成されたセル1の切削断面を目視により観察して、表1に記載した基準に従ってセル1の薄切性(切削性)の良否を判定した。その結果、セルの変形、歪み、凹凸、亀裂および破損を全く生ずることなく、セルの当初の形状を良好に保った状態で、平滑な切削断面を形成しながら薄切可能であることが分かった。
2 ブロック体を形成している有機重合体からなる層
2a 短尺の柱状のブロック体
2b 盤状のブロック体
3 試料収容保持孔
4 薄切装置にセルを取り付けるための取付孔
5 通路
6 試料
6a 小麦粒
Claims (15)
- 薄切する試料を収容して保持するためのセルであって、JIS K 6253Aに従って測定したショアA硬度が75以上である弾性重合体から形成されているか、或いはJIS K 6253Dに従って測定したショアD硬度が30以上であるエチレン系重合体または四弗化エチレン系重合体から形成されていることを特徴とする、薄切する試料を収容して保持するためのセル。
- ショアA硬度が80以上である弾性重合体から形成されているか、或いはショアD硬度が50以上であるエチレン系重合体または四弗化エチレン系重合体から形成されている請求項1に記載のセル。
- セルを形成する弾性重合体、エチレン系重合体および四弗化エチレン系重合体のJIS K 6251に従って測定した引裂強度が45N/mm以上である請求項1または2に記載のセル。
- セルを形成する弾性重合体が、ポリウレタン弾性体、ポリブタジエンゴム、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、ニトリルゴム、ポリクロロプレンゴム、アクリルゴムおよびエピクロルヒドリンゴムから選ばれる1種または2種以上の弾性重合体であり、エチレン系重合体がポリエチレンであり、四弗化エチレン系重合体がポリテトラフルオロエチレンである請求項1〜3のいずれか1項に記載のセル。
- セルが、前記した弾性重合体、エチレン系重合体または四弗化エチレン系重合体から形成されたブロック体内に試料を収容して保持するための試料収容保持孔を設けたものである請求項1〜4のいずれか1項に記載のセル。
- セルが、前記した弾性重合体、エチレン系重合体または四弗化エチレン系重合体から形成された短尺の柱状のブロック体または盤状のブロック体からなり、当該ブロック体の内部に上面で外部に開口した試料収容保持孔を有し、且つ当該ブロック体の側周壁部分および/または下部にセルを薄切装置に取り付けるための取付部を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載のセル。
- セルを薄切装置に取り付けるための取付部が、セルを形成するブロック体の下部に設けた外部に開口した取付孔である請求項6に記載のセル。
- セルを形成するブロック体内で、試料収容保持孔とセルを薄切装置に取り付けるための取付孔が連通している請求項7に記載のセル。
- 短尺の柱状のブロック体または盤状のブロック体が、正方形または円形の横断面を有するブロック体であり、当該ブロック体の横断面の中心部分に試料収容保持孔を設けてなる請求項6〜8のいずれか1項に記載のセル。
- 請求項5〜9のいずれか1項に記載のセルの試料収容保持孔に薄切する試料を収容し、試料収容保持孔への試料の収容前、収容時または収容後に試料収容保持孔に接着剤を注入して試料を試料収容保持孔内に固定して保持することを特徴とするセル内への薄切する試料の収容・固定方法。
- 請求項5〜9のいずれか1項に記載のセルの試料収容保持孔内に薄切する試料を収容し、試料収容保持孔内への試料の収容前、収容時または収容後に試料収容保持孔に接着剤を注入して試料を試料収容保持孔内に固定して保持し、試料収容保持孔内に試料を収容し固定・保持したセルを薄切装置に取り付けて、当該薄切装置によってセルごと試料を薄切することを特徴とする試料の薄切方法。
- 請求項11の薄切方法によって形成された試料の薄切片またはセルの試料収容保持孔内に残留している試料の切削断面を観察および/または分析する方法。
- 請求項5〜9のいずれか1項に記載のセルの試料収容保持孔内に薄切する試料を収容し、試料収容保持孔内への試料の収容前、収容時または収容後に試料収容保持孔に接着剤を注入して試料を試料収容保持孔内に固定して保持し、試料収容保持孔内に試料を固定・保持したセルを薄切装置に取り付けて、該薄切装置によってセルと一緒に試料を所定の厚さに順次に薄切し、薄切した試料の各薄切片またはセルの充填孔内に残留している試料の各切削断面を観察、分析および/または測定して試料に係る二次元情報を取得し、それにより得られた各二次元情報を立体的に構築して、試料の三次元情報を取得する方法。
- 試料が穀粒である請求項13に記載の方法。
- 試料が小麦粒である請求項14に記載の方法。
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