JP2009047475A - 固体撮像素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】 正確な距離画像の計測が可能な固体撮像素子及び距離画像測定装置を提供する。
【解決手段】 固体撮像素子1は、パルス光が入射する固体撮像素子であって、画素P(m,n)へのパルス光の入射光量に応じた電圧(節点Aの電圧)を出力するアンプBAと、アンプBAの後段に接続された第1キャパシタCS1と、アンプBAの後段に接続された第2キャパシタCL1と、第1キャパシタCS1にショートゲート期間の間、アンプBAの出力を入力するための第1スイッチSS1と、第2キャパシタCL1にロングゲート期間、アンプBAの出力を入力するための第2スイッチSL1とを備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】 固体撮像素子1は、パルス光が入射する固体撮像素子であって、画素P(m,n)へのパルス光の入射光量に応じた電圧(節点Aの電圧)を出力するアンプBAと、アンプBAの後段に接続された第1キャパシタCS1と、アンプBAの後段に接続された第2キャパシタCL1と、第1キャパシタCS1にショートゲート期間の間、アンプBAの出力を入力するための第1スイッチSS1と、第2キャパシタCL1にロングゲート期間、アンプBAの出力を入力するための第2スイッチSL1とを備えている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、固体撮像素子及び距離画像測定装置に関する。
下記特許文献1は、TOF(Time Of Flight)型の距離画像測定装置を開示している。この距離画像測定装置は、所定のパルス幅を有するプローブ光を被写体に向けて繰り返し出射し、プローブ光の出射時刻から戻り時刻までの期間、すなわち、プローブ光の飛行時間を計測することで、被写体までの三次元距離画像を測定している。この装置では、プローブ光の出射時のパルスと戻り時のパルスの間の位相差を飛行時間として計測している。
飛行時間の1つの計測手法では、2つのフォトダイオードを用いている。一方のフォトダイオードは、出射時のプローブ光のパルス幅と同じ期間だけ動作しており(ショートシャッターモード)、他方のフォトダイオードは出射時のプローブ光のパルス幅よりも十分に長く、且つ、パルスの繰り返し周期よりも短い期間だけ動作している(ロングシャッターモード)。ショートシャッターモードとロングシャッターモードにおけるフォトダイオードの計測値の差分又は比率は飛行時間に関連する。したがって、飛行時間、すなわち被写体までの距離(=光速×飛行時間×(1/2))は、これら2つのフォトダイオードの出力に基づいて求めることが可能である。
また、飛行時間のもう1つの計測手法では、2つのフォトダイオードに代えて、時分割で動作する1つのフォトダイオードを用いたものである。1つのフォトダイオードをショートシャッターモードで動作させた後、同様に、ロングシャッターモードで動作させると、それぞれのモードに対応した2つの計測値を時系列として得ることができる。
下記特許文献2は、距離画像と実画像(RGB画像)を同時に1つの固体撮像素子から出力する距離画像測定装置を開示している。この固体撮像素子は、RGB画像取得用画素と、距離画像取得用画素を別々に備えている。
米国特許6373557号明細書
米国特許出願公開第2005/0285966号明細書
しかしながら、上記従来の発明の概念によれば、空間的に離間した2点における反射光の計測、又は、時間的に離間した2時刻における反射光の計測が必須とされている。すなわち、固体撮像素子を構成する別々の画素からそれぞれ距離測定用データを測定し、このデータから距離を求める場合には空間的な同一性が無いため計測の正確性に劣り、更に、1つの計測に複数の画素を必要とするため、撮像領域の開口率も低下する。また、1つの画素から時系列として距離測定用データを計測する場合には、計測の同時性が乏しいため、動体までの距離を正確に計測することができない。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、正確な距離画像の計測が可能な固体撮像素子及び距離画像測定装置を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明に係る固体撮像素子は、パルス光が入射する固体撮像素子であって、画素へのパルス光の入射光量に応じた電圧を出力するアンプと、アンプの後段に接続された第1キャパシタと、アンプの後段に接続された第2キャパシタと、第1キャパシタに第1期間の間、アンプの出力を入力するための第1スイッチと、第2キャパシタに第1期間を含み、第1期間よりも長い第2期間の間、アンプの出力を入力するための第2スイッチとを備えることを特徴とする。
パルス光が入射すると、画素において発生した電荷に応じてアンプから電圧が出力される。このアンプの出力は、第1キャパシタに第1期間、第2キャパシタに第2期間、入力される。この構造の場合、1つの画素からの出力を利用するので、距離計測における空間的な同一性を確保することができる。また、第2期間は第1期間を含んで設定されているので、計測時の同時性も確保することができる。第1キャパシタからは、ショートシャッターモード(第1期間)の信号が出力され、第2キャパシタからはロングシャッターモード(第2期間)の信号が出力される。ショートシャッターモードとロングシャッターモードにおける第1及び第2キャパシタの出力信号の差分(又は比率)は被写体までの距離に依存するので、これらの出力信号を元データとし、この元データに基づいて被写体までの距離を測定することができる。
なお、上記画素は、一端がアンプに接続されたフォトダイオードと、フォトダイオードの前記一端にゲートが接続されたトランジスタとを有し、トランジスタの出力は輝度画像読出回路に接続されていることが好ましい。フォトダイオードの一端の出力は、上記アンプに入力されるが、この一端は、増幅用のトランジスタのゲートにも入力されている。すなわち、この画素は、増幅用のトランジスタを含むAPS(Active Pixel Sensor)としても機能しており、増幅用トランジスタの出力は輝度画像読出回路に入力されるので、高品質な輝度画像を輝度画像読出回路から出力することができる。
すなわち、単一の画素の出力から正確な距離画像と高品質な輝度画像の双方を読み出すことができ、人物、車両、飛行機、搬送品、軍用ミサイル等の被写体を測定することができ、画像認識技術を含めた多彩な応用が可能である。
本発明に係る距離画像測定装置は、上述の固体撮像素子と、パルス光を出射する光源と、第1キャパシタ及び第2キャパシタの出力からパルス光が照射される物体までの距離を演算する演算回路とを備えている。光源から出射されたパルス光は、被写体としての物体で反射され、固体撮像素子の画素にパルス光として入射する。パルス光の往復に要する飛行時間は、ショートシャッターモードとロングシャッターモードにおける第1及び第2キャパシタの出力信号の差分(又は比率)に依存するので、演算回路は画素出力に基づいて距離演算を行うことができる。
本発明の固体撮像素子によれば、正確な距離画像の計測に用いるデータを出力することが可能であり、距離画像測定装置によれば正確な距離画像測定を行うことができる。
以下、実施の形態に係る固体撮像素子を備えた距離画像測定装置について説明する。同一要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
図1は、距離画像測定装置の概要を説明するための図である。
この距離画像測定装置は、車両VGに搭載されており、車両前方に位置する物体Hを計測している。
距離画像測定装置は、固体撮像素子1、固体撮像素子1の駆動を制御する制御回路2、パルス光を出射する光源3、光源3の駆動回路4、及び固体撮像素子1の出力から物体Hまでの距離を演算する演算回路を内蔵した出力処理回路5を備えている。制御回路2は、固体撮像素子1にショートパルスSS、ロングパルスSLを入力しており、また、駆動回路4には投光用の駆動パルスSPを入力している。駆動パルスSPは出力処理回路5にも入力されており、固体撮像素子1から距離を演算する際に用いられる。
制御回路2から出力された駆動パルスSPに同期して、駆動回路4から光源3に駆動電流が供給される。光源3からは、駆動パルスSPと同一パルス幅のプローブ光が出射される。プローブ光は、投光用のレンズL1を介して物体Hに照射される。物体Hの表面において反射されたプローブ光は、結像用のレンズL2,L3を介して固体撮像素子1の撮像領域に入射する。したがって、固体撮像素子1の撮像領域には物体Hの像が結像することになる。
固体撮像素子1からは、物体Hの距離画像(の元データ)と輝度画像(実画像)が出力されており、これらのデータは出力処理回路5によって処理され、カーナビゲーションシステムの表示器6に表示される。表示器6には、距離画像及び輝度画像を独立に表示することができるが、これらの画像を重畳して表示することも可能である。なお、距離画像の示す物体Hが所定距離以内に存在する場合には、物体Hが存在する旨の警告表示を輝度画像に重畳して表示することもできる。
図2は、固体撮像素子1の斜視図である。
固体撮像素子1は、二次元状に配列した複数の画素P(1,1),P(1,2),・・・P(m,n),・・・P(M,N)からなる撮像領域1IPを備えている。m,n,M,Nは自然数である。なお、説明の明確化のため、同図では実際よりも少ない数の画素を示している。撮像領域1IPの画素列に平行に垂直シフトレジスタ1Vが配置されており、画素行に平行に第1水平シフトレジスタ1H1、第2水平シフトレジスタ1H2が配置されている。
垂直シフトレジスタ1Vは、列方向に配列した画素P(m,n)の出力を、列方向に沿って順次読み出すための垂直転送信号を各画素P(m,n)に順次印加する。各画素列において、一垂直方向に転送された画素出力は、距離情報読出回路J1、J2・・・Jn・・・JNに入力され、逆の垂直方向に転送された画素出力は輝度画像読出回路K1,K2・・・Kn・・・KNに入力される。距離情報読出回路J1、J2・・・Jn・・・JNに入力された画素出力は、距離画像(の元データ)として、行方向に沿って順次読み出される。
すなわち、距離画像測定モードにおいては、1行目の画素P(1,1)、P(1,2)・・・P(1,n)・・・P(1,N)の出力が、それぞれ、距離情報読出回路J1、J2・・・Jn・・・JNに入力された場合、距離情報読出回路J1、J2・・・Jn・・・JNは、入力された各画素出力毎に距離画像の元データを作成し、作成された元データは水平方向に沿った順番で、出力バッファアンプ1Dを介して外部に順次読みされる。この水平方向の読み出しは、水平シフトレジスタ1H1から各距離情報読出回路J1、J2・・・Jn・・・JNの出力スイッチをONする信号を、水平方向に沿って当該出力スイッチに順次入力することで行う。
次に、2行目の画素P(2,1)、P(2,2)・・・P(2,n)・・・P(2,N)の出力が、それぞれ、距離情報読出回路J1、J2・・・Jn・・・JNに入力され、以後、上記と同じ操作が行われる。以後、3行目、4行目・・・M行目まで、上記と同じ操作が行われると、撮像領域1IP内の全ての画素が距離情報として読み出されることになる。
輝度画像測定モードにおいては、1行目の画素P(1,1)、P(1,2)・・・P(1,n)・・・P(1,N)の出力が、それぞれ、輝度画像読出回路K1、K2・・・Kn・・・KNに入力された場合、輝度画像読出回路K1、K2・・・Kn・・・KNは、入力された各画素出力毎に輝度画像データを作成し、作成されたデータは水平方向に沿った順番で、出力バッファアンプ1Iを介して外部に順次読み出される。この水平方向の読み出しは、水平シフトレジスタ1H2から各輝度画像読出回路K1、K2・・・Kn・・・KNの出力スイッチをONする信号を、水平方向に沿って当該出力スイッチに順次入力することで行う。次に、2行目の画素P(2,1)、P(2,2)・・・P(2,n)・・・P(2,N)の出力が、それぞれ、輝度画像読出回路K1、K2・・・Kn・・・KNに入力され、以後、上記と同じ操作が行われる。以後、3行目、4行目・・・M行目まで、上記と同じ操作が行われると、撮像領域1IP内の全ての画素が輝度画像として読み出されることになる。
プローブ光の非照射時においては、撮像領域1IPには、太陽や街灯などの外光が物体Hの表面で反射されて形成される輝度画像が投影されている。プロープ光の照射時においては、撮像領域1IPには、かかる輝度画像に重畳して、プローブ光の反射光から構成される、物体Hまでの距離取得用の画像が投影されている。通常の輝度画像については、各画素に入射した光量の大きさによって、その像を構成するため、格段の説明を必要としない。距離取得用の画像は、距離画像を演算するための元データの集合である。
図3は、撮像領域1IPに投影された距離取得用の画像から生成される距離画像を示す図である。M軸、N軸及びD軸からなる直交座標系を設定する。同図では、撮像領域1IP内の各画素出力が示す距離を結んだ線が網目状に示されている。この距離画像は出力処理回路5において演算される。撮像領域1IP内においては、各画素がM行、N列だけ配列しており、撮像領域1IPに垂直な距離はD軸上に示される。物体Hの距離画像は、D軸上の距離(dとする)の情報の集合である。
図4は、物体Hまでの距離dの測定原理について説明するための図である。
駆動回路4は、電源4aと光源3との間に介在するスイッチ4bを有しており、スイッチ4bに投光用の駆動パルスSPを入力すると、駆動パルスSPに同期した駆動電流が光源3に供給され、駆動パルスSPに同期したプローブ光LP(パルス光)が光源3から出射される。本例の光源3は、パルス光の立ち上がり及び立下りの急峻性に優れた発光ダイオード又はレーザダイオードからなることとするが、もちろん、他の種類の光源を用いることも可能である。なお、好適には、光源3は、赤外線発光ダイオードからなる。
プローブ光LPが、距離dの位置にある物体Hの表面に照射されると、プローブ光はこの表面で反射され、反射したプローブ光はパルス光として固体撮像素子1に入射する。固体撮像素子1に入射するパルス光をLDとし、パルス光が入射することによって画素から出力される検出パルスをSDとする。固体撮像素子1には、上述の距離情報読出回路Jと、輝度画像読出回路Kが設けられており、距離情報読出回路Jには上述のショートパルスSSとロングパルスSLが入力される。
輝度画像読出回路Kからは、各画素P(m,n)から出力された輝度画像q(m,n)が入力されており、輝度画像q(m,n)は画像処理回路5bに入力される。パルス光LDの入射に応じて、距離情報読出回路Jからは、距離画像の元データとしての距離情報d’(m,n)が各画素P(m,n)に対応して読み出される。距離情報d’(m,n)は、演算回路5aに入力され、駆動パルスSPを用いて距離画像d(m,n)に変換される。距離情報d’(m,n)は、物体Hまでのプローブ光の飛行時間に依存した値である。距離画像d(m,n)は、輝度画像q(m,n)と共に画像処理回路5bに入力される。画像処理回路5bでは、上述の重畳処理などを行うことができる。
図5は、駆動パルスSP、検出パルスSD、ショートパルスSS、ロングパルスSLのタイミングチャートである。駆動パルスSPのパルス幅をTPとする。
駆動パルスSPの立ち上がり時刻t1に同期して、ショートパルスSS及びロングパルスSLが立ち上がる。駆動パルスSPの立ち下がり時刻t3に同期して、ショートパルスSSは立ち下がる。検出パルスSDは反射光LDによるパルスであるため、駆動パルスSPの立ち上がり時刻t1よりも遅れた時刻t2において立ち上がる。ショートパルスSSは、検出パルスSDの立下り時刻t4よりも前の時刻t3において立ち下がるが、ロングパルスSLは、検出パルスSDの立下り時刻t4よりも後の時刻t5において立ち下がる。
検出パルスSDにショートパルスSSでゲートをかけた場合(重複成分のみを取り出した場合)、これらのパルスの重複成分(計測値V1)が得られ、検出パルスSDにロングパルスSLでゲートをかけた場合(重複成分のみを取り出した場合)、これらのパルスの重複成分(計測値V2)が得られる。各画素P(m,n)に対応して距離情報読出回路Jから出力されるV1,V2は、距離情報d’(m,n)として取り扱うことができる。
図6は、距離dの演算について説明するためのブロック図である。
距離情報読出回路Jには、各画素から出力される検出パルスSDが入力され、検出パルスSDとショートパルスSSの積を、これらのパルスの重複期間t2〜t3の間、時間積分した値をV1として演算する。また、検出パルスSDとロングパルスSLの積を、これらのパルスの重複期間t2〜t4の間、時間積分した値をV2として演算する。
計測値V1,V2は、駆動パルスSPのパルス幅TPと共に、後段の演算回路5aに入力され、距離dを求める演算が行われる。なお、d=(c/2)×(TP×(V2−V1)/V2))=(c/2)×TP×(1−(V1/V2))である。なお、cは光速である。したがって、演算回路5aからは、各画素P(m,n)毎の距離d(m,n)が出力される。なお、画素列又は画素行毎にビニング動作を行っても良い。この場合には、ビニングによって積算される画素列又は画素行に入射した検出パルスが示す平均距離が得られることになる。
図7は、固体撮像素子1内の回路図である。
列方向に配列した各画素P(m、n)は、それぞれスイッチQxr、垂直転送ラインVLn(D)を介して1つのバッファアンプBAに接続されている。なお、nは1〜Nの値をとり、mは1〜Mの値をとる。垂直シフトレジスタ1Vは、垂直方向に配列した画素列に設けられたスイッチQxrを順番にONしていく。バッファアンプBAの後段には、距離情報読出回路Jnが設けられている。距離情報読出回路Jnは、ショートパルスSSが入力されるショートゲート回路JSnと、ロングパルスSLが入力されるロングゲート回路JLnとを備えている。
距離情報読出回路Jnのショートゲート回路JSn側の出力は、出力スイッチSS3を介して水平ラインHSに接続され、ロングゲート回路JLn側の出力は、出力スイッチSL3を介して水平ラインHLに接続されている。出力スイッチSS3及び出力スイッチSL3は、水平シフトレジスタ1H1によって各列毎に、行方向に沿って、順次、同時にONされていき、各水平ラインHS,HLの出力は、出力バッファアンプ1Dに入力される。出力バッファアンプ1Dからは、各画素P(m,n)毎の計測値V1(m,n)、V2(m,n)が順次出力される。
一方、列方向に配列した各画素P(m、n)は、それぞれ別の垂直転送ラインVLn(I)を介して、各列毎の輝度画像読出回路Knに接続されている。垂直シフトレジスタ1Vは、垂直方向に配列した画素列に設けられた後述のスイッチを順番にONしていく。各画素列の画素毎の信号は、順次、輝度画像読出回路Knに入力される。輝度画像読出回路Knでは、画素毎の信号成分とノイズ成分を蓄積しており、読出回路側の信号成分用の出力スイッチSWS2及びノイズ成分用の出力スイッチSWN2は、水平シフトレジスタ1H2によって各列毎に、行方向に沿って、順次、同時にONされていき、各水平ラインHD,HNの出力は、出力バッファアンプ1Iに入力される。なお、水平ラインHDは信号成分用の出力スイッチSWS2に接続され、水平ラインHNはノイズ成分用の出力スイッチSWN2に接続されている。出力バッファアンプ1Iからは、各画素P(m,n)毎の輝度値q(m,n)が輝度画像信号として順次出力される。
まず、距離計測側の構成について説明する。
図8は、1つの画素P(m,n)と距離情報読出回路Jnとの詳細関係を示す回路図である。なお、各スイッチは電界効果トランジスタからなる。
画素P(m,n)は、カソード(一端)が、(バッファ)アンプBAに接続されたフォトダイオードD1を備えている。すなわち、フォトダイオードD1のカソードは、スイッチQX、スイッチQXR及び垂直転送ラインVLn(D)を順次介して、バッファアンプBAの非反転入力端子に接続されている。なお、フォトダイオードD1のアノードは基準電位に接続されている。本例では、基準電位はグランドに設定されている。
また、スイッチQXと電源電位Vccとの間には、リセットスイッチQResが介在している。スイッチQXとリセットスイッチQResをONし、フォトダイオードD1に逆バイアス電圧をかけた後、リセットスイッチQResをOFFし、電源電位VccからフォトダイオードD1を切り離した状態を初期状態とする。初期状態から、スイッチQXRをONし、計測可能状態に移行する。なお、スイッチQXRは、理解を容易にするために図7に示したスイッチQxrと同一である。計測可能状態において、フォトダイオードD1に光が入射すると、入射光量に応じて、フォトダイオードD1のカソード電位が低下する。すなわち、バッファアンプBAへの入力電圧が低下するので、バッファアンプBAの出力端子(節点A)の電圧が低下する。
バッファアンプBAの後段には、ショートゲート回路JSn、及びロングゲート回路JLnが並列に接続されている。
ショートゲート回路JSnは、オペアンプASの反転入力端子とバッファアンプBAの出力端子との間に介在するキャパシタCS1と、オペアンプASの反転入力端子と出力端子間に並列に接続されたキャパシタCS2及びスイッチSS2を備えている。なお、キャパシタCS1とバッファアンプBAの出力端子との間にはショートパルスSSによって制御されるスイッチSS1が介在している。オペアンプASの非反転入力端子は参照電位に接続されている。
ロングゲート回路JLnは、オペアンプALの反転入力端子とバッファアンプBAの出力端子との間に介在するキャパシタCL1と、オペアンプALの反転入力端子と出力端子間に並列に接続されたキャパシタCL2及びスイッチSL2を備えている。なお、キャパシタCL1とバッファアンプBAの出力端子との間にはロングパルスSLによって制御されるスイッチSL1が介在している。オペアンプALの非反転入力端子は参照電位に接続されている。
計測可能状態において、画素P(m,n)にパルス光LD(検出パルスSD)が入射した場合、バッファアンプBAの出力は徐々に低下するが、検出パルスSDとショートパルスSSの重複する期間だけ、キャパシタCS1に電荷が蓄積される。スイッチSS2を開放した状態の場合、キャパシタCS1に蓄積された電荷がキャパシタCS2に移動し、ショートゲート回路JSnの出力端子(節点B)の電圧として、V1が出力される。すなわち、光の入射に伴って、バッファアンプBAの出力電位は低下し、ショートゲート回路JSnの出力端子(節点B)の電位は上昇する。出力端子(節点B)の電位の上昇分が、上述の計測値V1に相当する。なお、計測の前後において、スイッチSS2をONすると、キャパシタCS2に蓄積された電荷は放電される。
また、計測値V1を出力させるにあたり、ノイズ成分を除去することも可能である。すなわち、パルス光を撮像領域に入射させない状態で、スイッチSS2をONし、上記と同一の動作を実行すると、キャパシタCS1に背景光(外光)・ノイズ成分に対応する電荷「q1」が蓄積される。その後、パルス光を撮像領域に入射させ、スイッチSS2をOFFして、上記動作を実行すると、ショートゲートをかけたパルス光に対応する電荷「Q1」と背景光・ノイズ成分に対応する電荷「q1」の加算値「q1+Q1」が、キャパシタCS1,CS2に振り分けて蓄積される。もともとキャパシタCS1には電荷「q1」が蓄積されているので、オペアンプASに並列接続されたキャパシタCS2には、結果的にはパルス光に対応する電荷「Q1」が蓄積される。
計測可能状態において、画素P(m,n)にパルス光LD(検出パルスSD)が入射した場合、バッファアンプBAの出力は徐々に低下するが、検出パルスSDとロングパルスSLの重複する期間だけ、キャパシタCL1に電荷が蓄積される。なお、本例では、ロングパルスSLは、検出パルスSDの全ての期間において検出パルスSDと重複する。スイッチSL2を開放した状態の場合、キャパシタCL1に蓄積された電荷がキャパシタCL2に移動し、ロングゲート回路JLnの出力端子(節点C)の電圧として、V2が出力される。すなわち、光の入射に伴って、バッファアンプBAの出力電位は低下し、ロングゲート回路JLnの出力端子(節点C)の電位は上昇する。出力端子(節点C)の電位の上昇分が、上述の計測値V2に相当する。なお、計測の前後において、スイッチSL2をONすると、キャパシタCL2に蓄積された電荷は放電される。
また、計測値V2を出力させるにあたり、ノイズ成分を除去することも可能である。すなわち、パルス光を撮像領域に入射させない状態で、スイッチSL2をONし、上記と同一の動作を実行すると、キャパシタCL1に背景光(外光)・ノイズ成分に対応する電荷「q2」が蓄積される。その後、パルス光を撮像領域に入射させ、スイッチSL2をOFFして、上記動作を実行すると、ロングゲートをかけたパルス光に対応する電荷「Q2」と背景光・ノイズ成分に対応する電荷「q2」の加算値「q2+Q2」が、キャパシタCL1,CL2に振り分けて蓄積される。もともとキャパシタCL1には電荷「q2」が蓄積されているので、オペアンプALに並列接続されたキャパシタCS2には、結果的にはパルス光に対応する電荷「Q2」が蓄積される。
出力端子(節点B)及び出力端子(節点C)において、計測値V1,V2が現れた後、スイッチSS3、SL3をONすると、各計測値V1,V2が各水平ラインHS,HLを介して読み出される。
なお、トランジスタからなるスイッチQRes、QX、QXRのゲートには、上述のように、それぞれの導通を制御する制御信号Res、TX、TXRが入力される。
次に、輝度画像取得側の構成について説明する。
図9は、1つの画素P(m,n)と輝度画像読出回路Knとの詳細関係を示す回路図である。なお、各スイッチは電界効果トランジスタからなる。
画素P(m,n)は、フォトダイオードD1のカソードに、スイッチQX、QTGを介して、ゲートが接続されたトランジスタQADを有しており、トランジスタQADの出力は、選択用のスイッチQSEL、垂直転送ラインVLn(I)を介して、画像読出回路Knに接続されている。選択用のスイッチQSELは、垂直シフトレジスタ1Vからの選択信号SELによって、列方向に沿って順次ONされる。
上述のように、スイッチQXとリセットスイッチQResをONし、フォトダイオードD1を初期状態とした後、転送ゲートとなるスイッチQTGをONすると、フォトダイオードD1のカソード電位がトランジスタQADのゲートに入力される。トランジスタQADをP型の電界効果トランジスタで構成しておく場合、カソード電位が低下すると、電源電位VccからトランジスタQADに流れ込もうとする電流量が増加する。トランジスタQADのゲートに、検出信号を入力した後、選択スイッチQSELをONすると、電源電位Vccから、読出回路KnのキャパシタCS又はCNに電流が流れ込む。信号成分蓄積用のキャパシタCSとノイズ成分蓄積用のキャパシタCNは、それぞれ垂直転送ラインVLn(I)と基準電位(グランド)との間に接続されており、キャパシタCSと垂直転送ラインVLn(I)との間にはスイッチSWS1が介在し、キャパシタCNと垂直転送ラインVLn(I)との間にはスイッチSWN1が介在している。
信号光を検出した場合のカソード電位を、トランジスタQADのゲートに入力し、制御信号SSIGによってスイッチSWS1をONし、この時のトランジスタQADの出力電圧を信号成分蓄積用のキャパシタCSの一端に入力する。また、スイッチQXをOFFした状態で、リセット時の電位、すなわち、リセットスイッチQRes、QTGをONし、この時のトランジスタQADの出力電圧を、制御信号SNOISEをONすることによってノイズ成分蓄積用のキャパシタCNの一端に入力する。信号成分とノイズ成分がキャパシタCS,CNに蓄積された後、水平シフトレジスタ1H2を制御して、出力スイッチSWS2,SWN2をONし、水平ラインHD、HNにそれぞれのキャパシタCS,CNの電圧を入力する。元の信号光にはノイズ成分が含まれているので、後段回路において、水平ラインHDと水平ラインHNの電圧の差分を演算すれば、ノイズが除去された信号光(輝度画像信号)q(m,n)を得ることができる。
なお、トランジスタからなるスイッチQSEL、QTGのゲートには、上述のように、それぞれの導通を制御する制御信号SEL、TGが入力される。
上述のように、実施の形態に係る固体撮像素子1は、パルス光LDが入射する固体撮像素子であって、画素P(m,n)へのパルス光の入射光量に応じた電圧(節点Aの電圧)を出力するアンプBAと、アンプBAの後段に接続された第1キャパシタCS1と、アンプBAの後段に接続された第2キャパシタCL1と、第1キャパシタCS1に第1期間(ショートゲート期間:t1−t3:図5参照)の間、アンプBAの出力を入力するための第1スイッチSS1と、第2キャパシタCL1に第1期間を含み、第1期間よりも長い第2期間の間(ロングゲート期間:t1−t5:図5参照)、アンプBAの出力を入力するための第2スイッチSL1と、を備えている。
パルス光LDが入射すると、画素P(m,n)において発生した電荷に応じてアンプBAから電圧が出力される。このアンプBAの出力は、第1キャパシタCS1に第1期間、第2キャパシタCL1に第2期間、入力される。この構造の場合、1つの画素P(m,n)からの出力を利用するので、距離計測における空間的な同一性を確保することができる。また、第2期間は第1期間を含んで設定されているので、計測時の同時性も確保することができる。第1キャパシタCS1からは、ショートシャッターモード(第1期間)の信号が出力され、第2キャパシタCL1からはロングシャッターモード(第2期間)の信号が出力される。ショートシャッターモードとロングシャッターモードにおける第1及び第2キャパシタの出力信号V1、V2の差分(=V2−V1)又は比率(=V1/V2)は被写体までの距離(d)に依存するので、これらの出力信号を元データとし、この元データに基づいて被写体までの距離(d)を測定することができる。
また、図1に示した光源3から出射されたパルス光LPは、被写体としての物体Hで反射され、固体撮像素子1の画素P(m,n)にパルス光LDとして入射する。パルス光の往復に要する飛行時間は、ショートシャッターモードとロングシャッターモードにおける第1及び第2キャパシタCS1,CL1の出力信号の差分又は比率に依存するので、演算回路5aは画素出力に基づいて距離演算を行うことができる。
また、フォトダイオードD1のカソードの出力は、アンプBAに入力されるが、カソードは、増幅用のトランジスタQADのゲートにも入力されている。すなわち、この画素P(m,n)は、増幅用のトランジスタを含むAPSとしても機能しており、増幅用トランジスタの出力は輝度画像読出回路Knに入力されるので、高品質な輝度画像を画像読出回路から出力することができる。
すなわち、単一の画素P(m,n)の出力から正確な距離画像と高品質な輝度画像の双方を読み出すことができ、人物、車両、飛行機、搬送品、軍用ミサイル等の被写体を測定することができ、画像認識技術を含めた多彩な応用が可能である。
図10は、距離情報読出回路Jnの変形例を示す回路図である。
この距離情報読出回路Jnの図8に示したものとの相違点は、スイッチSS1がキャパシタCS1とアンプASの反転入力端子との間に位置している点と、スイッチSL1がキャパシタCL1とオペアンプALの反転入力端子との間に位置している点である。その他の構成は図8に示したものと同一である。
初期状態から計測可能状態に移行した後、画素P(m,n)からバッファアンプBAに検出パルスSDが入力されると、キャパシタCS1,CL1のバッファアンプBA側の電位が低下し始める。パルス光の出射時に立ち上がりタイミングを同期させて、スイッチSS1にショートパルスSSを入力し、スイッチSL1にロングパルスSLを入力すると、これらのスイッチSS1,SL1がON状態にある期間のみ、キャパシタCS1、CL1に蓄積された電荷が、それぞれキャパシタCS2,CL2に移動し、計測値V1,V2を発生する。この電荷の移動時には、スイッチSS2,SL2は開放しておくが、計測前後にスイッチSS2、SL2を閉じると、キャパシタCS2,CL2の放電が行われる。
この構造の固体撮像素子1においても、アンプBAの後段に接続された第1キャパシタCS2と、アンプBAの後段に接続された第2キャパシタCL2と、第1キャパシタCS2に第1期間(ショートゲート期間:t1〜t3:図5参照)の間、アンプBAの出力を入力するための第1スイッチSS1と、第2キャパシタCL2に第1期間を含み、第1期間よりも長い第2期間の間(ロングゲート期間:t1〜t5:図5参照)、アンプBAの出力を入力するための第2スイッチSL1と、を備えており、上記実施形態と同様に機能する。
図11は、距離情報読出回路Jnの別の変形例を示す回路図である。
この距離情報読出回路Jnの図8に示したものとの相違点は、キャパシタCS1の代わりに抵抗RSを、アンプASの反転入力端子とバッファアンプBAの出力端子との間に介在させた点と、キャパシタCL1の代わりに抵抗RLを、オペアンプALの反転入力端子とバッファアンプBAの出力端子との間に介在させた点である。その他の構成は図8に示したものと同一である。
初期状態から計測可能状態に移行した後、画素P(m,n)からバッファアンプBAに検出パルスSDが入力されると、バッファアンプBAの出力電位が低下し始める。パルス光の立ち上がりに同期して立ち上がるように、スイッチSS1にショートパルスSSを入力し、スイッチSL1にロングパルスSLを入力すると、これらのスイッチSS1,SL1がON状態にある期間のみ、キャパシタCS2、CL2に電荷が蓄積され、計測値V1,V2が発生する。なお、この蓄積時にはスイッチSS2,SL2は開放しており、蓄積の前後の期間ではONしている。
図12は、距離情報読出回路Jnの更に別の変形例を示す回路図である。
この距離情報読出回路Jnの図8に示したものとの相違点は、キャパシタCS1及びキャパシタCL1を削除した点である。その他の構成は図8に示したものと同一である。
初期状態から計測可能状態に移行した後、画素P(m,n)からバッファアンプBAに検出パルスSDが入力されると、バッファアンプBAの出力電位が低下し始める。パルス光の立ち上がりに同期して立ち上がるように、スイッチSS1にショートパルスSSを制御入力し、スイッチSL1にロングパルスSLを制御入力すると、これらのスイッチSS1,SL1がON状態にある期間のみ、キャパシタCS2、CL2に電荷が蓄積され、計測値V1,V2が発生する。なお、この電荷の蓄積時にはスイッチSS2,SL2は開放しており、蓄積の前後の期間ではONしている。
図13は、画像の読み出し順序の一例について説明するための図である。
図2に示した固体撮像素子1の撮像領域1IPからは、距離画像のデータと輝度画像のデータが交互に出力される。
図13(a)に示すように、距離画像のデータは距離画像読出期間T1において出力され、輝度画像のデータは輝度画像読出期間T2において出力される。画像の1フレームは、距離画像読出期間T1と輝度画像読出期間T2からなることとする。
図13(b)に示すように、1つの距離画像読出期間T1は、i行目の画素群の距離画像データの読出期間Piからi+k行目の画素群の距離画像のデータの読出期間Pi+kまでの積算期間からなる(i+k=M)。
図13(c)に示すように、i行目の画素群の距離画像データの読出期間Piは、i行目の画素データの読出期間(各画素から各距離情報読出回路Jまでの信号読出期間)と、各距離情報読出回路Jに蓄積された距離画像データを、水平ラインを介して1列目からN列目まで順次読み出す期間からなる。
図13(d)に示すように、1つの輝度画像読出期間T2は、i行目の画素群の輝度画像データの読出期間Qiからi+k行目の画素群の輝度画像のデータの読出期間Qi+kまでの積算期間からなる(i+k=M)。
図13(e)に示すように、i行目の画素群の輝度画像データの読出期間Qiは、i行目の画素データの読出期間(各画素から各輝度画像読出回路Kまでの信号読出期間)と、各輝度画像読出回路Kに蓄積された輝度画像データを、水平ラインを介して1列目からN列目まで順次読み出す期間からなる。
図14は、距離画像読出期間T1におけるi行目の画素群から距離画像データを読み出す場合の読出期間Pi内のタイミングチャートである。なお、i+k行目の画素群まで、同図のタイミングは繰り返される。以下の説明では、図8を再び参照する。
短絡信号電圧φは、キャパシタCS2,CL2の短絡指令を出す信号であり、ハイレベルの「1」の場合には、スイッチSS2,SL2がONし、ローレベルの「0」の場合には、スイッチSS2,SL2はOFFする。時刻t1〜時刻t3までの間、短絡信号電圧φは「1」となり、スイッチSS2,SL2がONして、キャパシタCS2,CL2に蓄積されている電荷が放電する。
リセット信号Resは、リセットスイッチQResの短絡指令を出す信号であり、ハイレベルの「1」の場合には、リセットスイッチQResがONし、ローレベルの「0」の場合には、リセットスイッチQResはOFFする。放電時のスイッチSS2,SL2の立ち上がりに同期して、時刻t1〜t2の間、リセット信号Resは「1」となり、スイッチQResがONし、電源電位VccがスイッチQXにかかる。
このとき、共通画素データ通過信号TXも時刻t1〜t9において「1」となるため、スイッチQXがONし、フォトダイオードD1のカソードには、電源電位Vccが印加され、フォトダイオードD1がチャージアップされる。時刻t2においてリセット信号Resは「0」となり、フォトダイオードD1が電源から切り離される。
その後、距離情報読み出し回路Jnへの入力スイッチSS1,SL1はOFFしたままで、距離画像用画素データ通過信号TXRを時刻t3から「1」にしてスイッチQXRをONする一方で、短絡信号電圧φは「0」にして、スイッチSS2,SL2はOFFにする。この状態で、時刻t4から時刻t6の間においてONとなる駆動パルスSPを光源3(図1参照)に印加する。光源3からはプローブ光LPが物体に向けて出射され、物体からの反射光像が撮像領域内の画素群に入射し、各画素のフォトダイオードD1からは、駆動パルスSPに応答して発生した検出パルスSDが出力される。検出パルスSDは駆動パルスSPよりも遅延しており、時刻t5〜t7の期間において「1」となる。
ショートパルスSS及びロングパルスSLは、それぞれ駆動パルスSPの立ち上がりに同期して時刻t4において立ち上がる。ショートパルスSSはスイッチSS1に印加され、時刻t4からt6の期間において「1」となり、バッファアンプBAの出力端子とキャパシタCS1とを接続する。ロングパルスSLのパルス幅はショートパルスSSのパルス幅よりも大きく、スイッチSL1に印加され、時刻t4からt8の期間において「1」となり、バッファアンプBAの出力端子とキャパシタCL1とを接続する。
距離情報読出回路Jnへの入力電位(節点Aの電位)Aは、フォトダイオードD1に光が照射されると低下する。すなわち、フォトダイオードD1のカソード電位は、光の入射に応答して低下し、バッファアンプBAの出力端子の電位(節点Aの電位)も低下する。初期状態におけるバッファアンプBAの出力端子の電位をV0とすると、一度のパルス光の照射によって、この電位は時刻t5〜t7においてV0’まで低下する。
ここで、ショートパルスSSは、時刻t4〜t6まで「1」になっているため、検出パルスSDが「1」である期間(t5〜t7)と、ショートパルスSSが「1」である期間(t4〜t6)の重複期間(t5〜t6)において、キャパシタCS1に電荷が蓄積され、スイッチSS2が開放している場合には、パルス光による蓄積電荷がキャパシタCS2に移動し、距離情報読出回路Jnからの出力電位(節点Bの電位)Bは、参照電位(=0Vとする)からV1まで上昇する。
また、ロングパルスSLは、時刻t4〜t8まで「1」になっているため、検出パルスSDが「1」である期間(t5〜t7)と、ロングパルスSLが「1」である期間(t4〜t8)の重複期間(t5〜t7)において、キャパシタCL1に電荷が蓄積され、スイッチSL2が開放している場合には、パルス光による蓄積電荷がキャパシタCL2に移動し、距離情報読出回路Jnからの出力電位(節点Cの電位)Cは、参照電位(=0Vとする)からV2まで上昇する。
双方の計測値V1,V2は、スイッチSS3、SL3をONすることによって、それぞれ水平ラインHS、HLに出力される。
上記の電荷蓄積をキャパシタにおいて繰り返し行うことで、計測値を積分し、S/N比を向上させることができる。
図15は、距離画像読出期間T1におけるi行目の画素群から距離画像データを積分して読み出す場合の読出期間Pi内のタイミングチャートである。なお、i+k行目の画素群まで、同図のタイミングは繰り返される。以下の説明では、図8を再び参照する。
時刻t1〜t8までの動作は図14の場合と同一である。
本例では積分動作を3回行うので、スイッチQXRは時刻t3〜時刻t9までONしておき、スイッチQXは時刻t1〜時刻t9までONしておく。また、短絡信号電圧φは積分が終了する時刻t3〜時刻t9まではOFF「0」にしておき、リセット信号Resは時刻t3以降はOFF「0」にしておく。
その他の時刻t4’〜t8’までの動作、及び時刻t4”〜t8”までの動作は、時刻t4〜t8までの動作と同一である。キャパシタCS1、CL1には、パルス光の入射毎に電荷が積算して蓄積され、スイッチSS2,SL2が開放している場合には、パルス光による蓄積電荷がキャパシタCS2,CL2に移動し、信号が3回の積分動作の対象期間内に変わらないとすれば、計測値V1,V2が積分回数に比例して大きくなる(本例では3回)。双方の計測値3×V1,3×V2は、スイッチSS3、SL3をONすることによって、それぞれ水平ラインHS、HLに出力される。
なお、図8において説明したように、外光蓄積と距離情報蓄積を時系列として行って、外光除去を行ってもよい。
図16は、外光除去を行う場合のタイミングチャートであり、このタイミングチャートでは距離画像読出期間T1におけるi行目の画素群から距離画像データを読み出す場合の読出期間Pi内のタイミングを示している。なお、i+k行目の画素群まで、同図のタイミングは繰り返される。以下の説明では、図8を再び参照する。
なお、リセット信号Resは、距離画像読出期間T1より前の輝度画像読出期間T2において既に一度ONされているものとする。
時刻t3以降の動作(距離情報蓄積)は、図14に示したものと同一である。また、短絡信号電圧φがON「1」である時刻t1〜時刻t3までの期間において、共通画素データ通過信号TX、及び距離画像用画素データ通過信号TXRは共にON「1」であり、このとき、時刻t1からtAまでの間に、駆動パルスSPがONすることなく、ショートパルスSSがON「1」となり、時刻t1からt3までの間に、駆動パルスSPがONすることなく、ロングパルスSLがON「1」となり、キャパシタCS1,CL1に外光に対応する電荷が行われる(外光蓄積)。
時刻t3以降の動作では、外光にパルス光を加算した光が各画素に入射するため、キャパシタCS2,CL2にパルス光に対応する電荷が蓄積され、外光(ノイズ成分)が除去された計測値V1,V2が、スイッチSS3,SL3をONした場合には、水平ラインHS,HLに出力される。なお、上述の動作は図11などの構成の距離情報読出回路Jnにも適用できる。
次に、輝度画像読出期間T2について説明する。
図17は、輝度画像読出期間T2におけるi行目の画素群から輝度画像データを読み出す場合の読出期間Qi内のタイミングチャートである。なお、i+k行目の画素群まで、同図のタイミングは繰り返される。以下の説明では、図9を再び参照する。
距離情報読出回路Jnは基本的には動作していないので、短絡信号電圧φ、距離画像用画素データ通過信号TXRはOFF「0」のままであり、パルス光の発光、ショートパルス、ロングパルスの印加は行わない。
まず、同図の時刻t1〜t2において、リセット信号ResをON「1」する。
次に、時刻t3〜t6の期間において共通画素データ通過信号TXをON「1」し、また、この期間内の時刻t4〜t5において転送信号TGをON「1」して転送スイッチQTGをONし、フォトダイオードD1のカソード電位をトランジスタQADのゲートに転送する(同時シャッター)。フォトダイオードD1は前回の周期において、初期状態とされた後、輝度画像の入射によって、カソード電位が低下しているものとすると、同時シャッターによって、入射光量に応じた電位(信号成分)がトランジスタQADのゲートに与えられることになる。
次に、転送信号TGをOFFしてフォトダイオードD1のカソードをトランジスタQADから切り離した後、時刻t7〜t8において、リセット信号Resと共通画素データ通過信号TXを共にON「1」し、フォトダイオードD1をチャージアップし、初期状態とする。しかる後、時刻t9〜t10まで選択信号SELをON「1」することで、スイッチQSELをONし、入射光量に応じた電流をトランジスタQADから出力させる。この電流は、スイッチSWS1をONすることによって、キャパシタCSに流れ、電流量に対応した電荷として蓄積される。この時、スイッチSWN1はOFFしておく。
更に、時刻t10〜t14まで選択信号SELをON「1」した状態で、時刻t10〜t13においてリセット信号ResをON「1」し、また、時刻t11〜t12において転送信号TGを同時にONし、リセット電位をトランジスタQADのゲートに与え、これに対応する電流(ノイズ成分)をトランジスタQADから出力させる。この電流は、スイッチSWN1をONすることによって、キャパシタCNに流れ、電流量に対応した電荷として蓄積される。この時、スイッチSWS1はOFFしておく。
したがって、信号成分とノイズ成分がそれぞれキャパシタCS,CNに蓄積されているので、後段の出力スイッチSWS2,SWN2をONすることによって、それぞれの蓄積電荷が水平ラインHD,HNに流れ、輝度画像信号として読み出される。
なお、距離画像測定において、水平方向のビニング読み出し動作を行う場合には、図7に示した距離情報読出回路Jnの出力側のスイッチSS3,SL3を各行毎に同時にONするように、水平シフトレジスタ1H1を駆動すればよい。
なお、距離画像測定において、垂直方向のビニング動作を行う場合には、図7の行方向に隣接するスイッチQXRへの制御信号は独立に入力する構成とし、図7の列方向に並んだスイッチQXRを同時にONし、このON動作を、各列毎に順次行うように垂直シフトレジスタ1Vを駆動すればよい。また、全画素を同時にリセットするグローバルシャッターモードを実行することも可能である。
1・・・固体撮像素子、2・・・制御回路、3・・・光源、4・・・駆動回路、4a・・・電源、4b・・・スイッチ、5・・・出力処理回路、5a・・・演算回路、5b・・・画像処理回路、6・・・表示器、A・・・節点、B・・・節点、C・・・節点、AP,AS,AL・・・オペアンプ、C1・・・キャパシタ、C2・・・キャパシタ、C3・・・キャパシタ、C4・・・キャパシタ、CS1,CL1・・・キャパシタ、CS2,CL2・・・キャパシタ、CS,CN・・・キャパシタ、J・・・距離情報読出回路、JLn・・・ロングゲート回路、JSn・・・ショートゲート回路、K・・・輝度画像読出回路、L1,L2,L3・・・レンズ、P(m,n)・・・画素、QAD・・・トランジスタ、QRes・・・リセットスイッチ、QSEL・・・選択スイッチ、QTG・・・転送スイッチ、QX・・・スイッチ、Qxr・・・スイッチ、QXR・・・スイッチ、D1・・・フォトダイオード、d・・・距離、H・・・物体、HD,HN・・・水平ライン、HS,HL・・・水平ライン、1IP・・・撮像領域、Pi・・・読出期間、Qi・・・読出期間、RL・・・抵抗、RS・・・抵抗、SP・・・駆動パルス、SD・・・検出パルス、SL・・・ロングパルス、SS・・・ショートパルス、V1,V2・・・計測値、1D・・・出力バッファアンプ、1I・・・出力バッファアンプ、1V・・・垂直シフトレジスタ、1H1・・・水平シフトレジスタ、1H2・・・水平シフトレジスタ、SS1,SL1・・・スイッチ、SS2,SL2・・・スイッチ、SS3,SL3・・・スイッチ、Res・・・リセット信号、SEL・・・選択信号、SSIG,SNOISE・・・制御信号、T1・・・距離画像読出期間、T2・・・輝度画像読出期間、TX・・・共通画素データ通過信号、TXR・・・距離画像用画素データ通過信号、VG・・・車両、VLn(D)・・・垂直転送ライン、VLn(I)・・・垂直転送ライン。
Claims (3)
- パルス光が入射する固体撮像素子であって、
画素への前記パルス光の入射光量に応じた電圧を出力するアンプと、
前記アンプの後段に接続された第1キャパシタと、
前記アンプの後段に接続された第2キャパシタと、
前記第1キャパシタに第1期間の間、前記アンプの出力を入力するための第1スイッチと、
前記第2キャパシタに前記第1期間を含み、前記第1期間よりも長い第2期間の間、前記アンプの出力を入力するための第2スイッチと、
を備えることを特徴とする固体撮像素子。 - 前記画素は、
一端が前記アンプに接続されたフォトダイオードと、
前記フォトダイオードの前記一端にゲートが接続されたトランジスタと、
を有し、
前記トランジスタの出力は輝度画像読出回路に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の固体撮像素子。 - 請求項1又は2に記載の固体撮像素子と、
前記パルス光を出射する光源と、
前記第1キャパシタ及び第2キャパシタの出力から前記パルス光が照射される物体までの距離を演算する演算回路と、
を備えたことを特徴とする距離画像測定装置。
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