JP2009046731A - スケール剥離性に優れたSi、Cr含有条鋼材の製造方法 - Google Patents

スケール剥離性に優れたSi、Cr含有条鋼材の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2009046731A
JP2009046731A JP2007214025A JP2007214025A JP2009046731A JP 2009046731 A JP2009046731 A JP 2009046731A JP 2007214025 A JP2007214025 A JP 2007214025A JP 2007214025 A JP2007214025 A JP 2007214025A JP 2009046731 A JP2009046731 A JP 2009046731A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
scale
heating
rolling
temperature
steel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007214025A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5064934B2 (ja
Inventor
Mikako Takeda
実佳子 武田
Tomohide Tahira
知秀 多比良
Katsuya Takaoka
克也 高岡
Shohei Nakakubo
昌平 中久保
Takashi Onishi
隆 大西
Takeshi Ishida
健 石田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP2007214025A priority Critical patent/JP5064934B2/ja
Publication of JP2009046731A publication Critical patent/JP2009046731A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5064934B2 publication Critical patent/JP5064934B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Metal Rolling (AREA)

Abstract

【課題】条鋼材を熱間圧延する際に形成される表面疵の発生を大きな設備投資をすることなく抑制することができ、近年の厳しい表面疵保証を満足する条鋼材製品を製造することができる条鋼材の熱間圧延方法を提供すること。
【解決手段】0.05質量%(%と略記。以下同様。)以上のSiおよび0.1%以上のCrを含有する鋼ビレットを加熱炉内で1000℃以上1150℃の温度で60分以内保持した後、抽出前に、1200〜1350℃の温度で5℃/min.以上で加熱した後、10分以内保持して加熱炉より抽出後、露点:30〜60℃の湿潤雰囲気中に2秒以下の短時間曝す水蒸気酸化処理を1回もしくは2回以上行ない、高圧水デスケーリングならびに圧延するスケール剥離性に優れたSi、Cr含有条鋼材の製造方法。
【選択図】図3

Description

本発明は、SiおよびCrを含有する熱間圧延条鋼材の製造方法に関し、熱間圧延時に不可避に発生するスケールとくに鋼中に含まれるSiおよびCr由来のサブスケールに起因する表面疵の発生を徹底的に抑制することができ、表面性状に優れた条鋼材を製造する熱間圧延方法に関する。
棒鋼および鋼線材あるいは形鋼等の条鋼製品に求められる表面品質が厳しさを増す状況下で、これらの用途面から必要とされるSiおよびCr等の易酸化性合金元素を多く含む鋼種では、加熱・圧延過程でそれら合金元素を含むサブスケールの生成は避けられない。このスケールロスは、ビレットの加熱をより低温、たとえば1150℃以下で行なうことにより、多少とも低減させることができる。しかし、1150℃までの低温時に生成するSi・Cr由来の組成・構造を有するサブスケールは緻密で薄く、高圧水デスケーリングを行なっても除去が困難である。そして、このサブスケールがビレットの表面に残ったまま圧延されると、それが鋼内に押し込まれてスケール疵となり、製品の表面品質を悪化させる。とくにNi含有鋼の場合は、鋼とサブスケールとの密着性をさらに高めることが問題である。
このようなサブスケール対策として、加水によりサブスケールを脆弱化し、デスケーリング性を向上させることにより、すぐれた表面性状の条鋼を製造する方法がすでに周知されている。
下記特許文献1あるいは同2はその代表的な例を開示しており、前者1の方法は、加熱炉内で水分を供給しながら、ビレットを1100℃以上で10分以上もしくは1200℃以上で5分以上加熱することにより、サブスケール内に気孔を生じさせて脆弱化させている。
また、特許文献2は水蒸気を加えた雰囲気下で2段階の加熱を実施する方法を提案する。1段目は温度1200〜1350℃・水蒸気濃度20〜30%の高温加熱、そして2段目は温度1000〜1200℃・水蒸気濃度20%以下の低温加熱である。この2段階にわたる水蒸気加熱により、高圧水デスケーリング時のサブスケールの剥離性を向上させる方法である。
上記2種の発明は、基本的には、サブスケールの剥離性を向上させるのによい方法であるが、つぎのような生産管理面での難点をともなう問題がある。まず、加熱炉内の高温加熱は、ビレットがその温度レベルのままで加熱炉内に長時間滞留するような現場での事態が発生した場合に、大量のスケールロスを発生させるおそれがある。つぎに、加熱炉内への水蒸気添加は、そのライン上の都合で水蒸気添加を必要としない他の鋼種への切り替えが必要になった時、炉内雰囲気をただちに安定させる操作が容易でないために、後続鋼種のスケール安定性を確保する操業上の難点が懸念される。
特開2002−316207号公報 特開2003−119517号公報
本発明は、水分を利用したサブスケールの剥離性を改善する手法を基本にした上で、設備ならびに操業の両面で実用性が十分に勘案された、そして表面性状のすぐれたSi・Cr含有条鋼材の製造を意図した方法である。したがって、本発明は、加熱炉内ではビレットを低温加熱と急速加熱とを組合せ、そして加熱炉外にあって水蒸気添加による湿潤雰囲気制御をすることによって、加熱炉で生成したスケールを剥離性の良い性状に改質することが、実操業面で無理なく実施できる方法を提供することを課題とする。すなわち、本発明は、条鋼材を熱間圧延する際に形成される表面疵の発生を大きな設備投資をすることなく抑制することができ、近年の厳しい表面疵保証を満足する条鋼材製品を製造することができる条鋼材の熱間圧延方法を提供することを具体的課題とするものである。
本発明は、上記課題を解決するために、下記手段を特徴とする。
(1)0.05質量%(%と略記。以下同様。)以上のSiおよび0.1%以上のCrを含有する鋼ビレットを加熱炉内で1000℃以上1150℃の温度で60分以内保持する低温加熱をおこなったのち、その抽出前に、1200〜1350℃の温度まで5℃/min.以上の加熱速度で急速加熱をおこない、10分以内保持して加熱炉より抽出後、露点:30〜60℃の湿潤雰囲気中に2秒以下の短時間曝す水蒸気酸化処理を1回もしくは2回以上行ない、高圧水デスケーリングならびに圧延するスケール剥離性に優れたSi、Cr含有条鋼材の製造方法。
(2)加熱炉より抽出直後、露点:30〜60℃の湿潤雰囲気中に2秒以下の短時間曝す水蒸気酸化処理を行なったのち、高圧水デスケーリングならびに圧延する上記(1)に記載のスケール剥離性に優れたSi、Cr含有条鋼材の製造方法。
(3)圧延工程中における前後の圧延機間において、露点:30〜60℃の湿潤雰囲気中に2秒以下の短時間曝す水蒸気酸化処理を行なったのち、高圧水デスケーリングする上記(1)に記載のスケール剥離性に優れたSi、Cr含有条鋼材の製造方法。
(4)加熱炉より抽出後、露点:30〜60℃の湿潤雰囲気中に2秒以下の短時間曝す水蒸気酸化処理を行なったのち、高圧水デスケーリングならびに圧延する上記(2)に記載のスケール剥離性に優れたSi、Cr含有条鋼材の製造方法。
(5)0.1%以上のNiを含有する鋼ビレットを使用する上記(1)(2)(3)もしくは(4)に記載のスケール剥離性に優れたSi、Cr含有条鋼材の製造方法。
本発明は、鋼ビレットを最初に低温加熱することと、抽出前での高温加熱は急速かつ短時間に制御することでスケールロスをできる限り少なくすることのできる点がひとつの効果である。そして、不可避のサブスケールに対しては、一定条件での湿潤雰囲気中における1回以上の曝露をほどこすことにより、サブスケール自体を脆弱化して高圧水によるデスケーリングをより効果的にすることができる。その結果として、残留サブスケールに起因する表面疵を極限まで低減し、表面性状に優れた条鋼材の製造を可能にしたのである。
しかも、この方法は、多品種素材の熱間圧延に容易に対応できる操業上の簡易性があるため、多大の設備投資を必要としないで、近年の厳しい表面疵保証を満足する条鋼材製品を製造することが可能である。
本発明は、多種の用途面から要求されるもっとも実用性の高い条鋼材の品種として、0.05%以上のSiおよび0.1%以上のCrを含有する条鋼材を基本的な鋼組成として製造対象とする。なお、本発明の効果が発現されるSi量の上限は3%、Cr量の上限は5%程度までである。また、用途面の要求から、合金化元素として、さらに0.1%以上のNiを追加的に含有させる場合もある。
本発明は、鋼ビレットを低温加熱後、抽出前に急速加熱して短時間の高温加熱を行なうこと、さらに鋼ビレットを加熱炉から抽出した後に水蒸気添加による湿潤雰囲気処理を行なうことの組み合わせにより、低温加熱時に生成する緻密なサブスケールを脆弱化して剥離しやすくすることを基本思想とする。
通常の雰囲気下では、鋼ビレットの熱間圧延時におけるスケールロスの発生は不可避であるが、加熱温度が低いほどスケールロスを減少させるので、たとえば1150℃以下の低温加熱が望まれる。ところが、SiおよびCr等の易酸化性合金元素を多く含む鋼種では、低温加熱でも図1aに示すようなFeCr24、Fe2SiO4から構成される緻密なサブスケールがスケールと地鉄との界面に発生し、デスケーリング不良を誘発させる。そして、これらの緻密なサブスケールはSi量が0.05%以上、Cr量が0.1%以上含有する鋼の場合に発生しやすいことがわかっている。また、合金化元素として、さらにNiを添加する場合、その添加量が0.1%を超えると、Niがスケールと鋼材との界面に不均一に濃化するため図1b参照)、デスケーリング性はさらに悪化する。
そして、デスケーリングされずに取り残されたこれらのサブスケールは、圧延中に地鉄表面に押し込まれて、表面疵発生の原因となることは、既述のとおりである。
そこで、本発明では、鋼ビレットをまず加熱炉内で1000℃以上1150℃の温度で60分以内保持する低温加熱をおこなった後、その抽出前に、5℃/min.以上の加熱速度のもとで、1200〜1350℃の温度まで急速加熱した後、10分以内保持して加熱炉より抽出することを特徴とする。
このように、低温加熱と高温での急速加熱とを組み合わせると、低温加熱のためにサブスケールの生成がより少なめに抑制されるとともに、抽出に先立つ高温で短時間保持することにより、サブスケールの急成長による成長応力が発生して、界面のサブスケールが破壊される。
なお、上記低温加熱が1000℃未満では、加熱炉からの抽出温度(圧延温度+α)との差が大きく、急速加熱の時間、さらには圧延に必要な温度を確保するために、急速加熱後の保持時間を延長せざるを得ず、結果的に高温域での滞在時間が長くなり、スケールロスが多くなる。なお、1000℃以上とする低温加熱の下限温度は、圧延に必要とされる温度が確保されるように決定すればよい。
また、この低温加熱が1150℃より高い温度で行なわれると、後続する高温加熱とあいまって、サブスケール(FeCr24、Fe2SiO4)はもとより、その上層のスケール(FeO、Fe34、Fe23)までもが過剰に成長しすぎて、スケールロスを増加させる。
そして、上記低温加熱の保持時間の上限は60分とする。60分を超えると、後続工程の急速加熱ならびに水蒸気添加の効果もあいまってスケールロスが増加する。また、保持時間の下限は、生成するサブスケールの厚みを考慮して決定されるが、保持時間が不足すると、サブスケールが薄くなりすぎて剥離性がかえって困難となる。したがって、サブスケールが適度に生成する低温加熱の保持時間の下限としては、15分が好ましい。
つぎに、本発明は、低温加熱を終えた鋼ビレットを、毎分5℃以上の加熱速度で制御しながら、1200〜1350℃の温度域に上昇させ、これを10分以内保持する急速加熱を行なうことを特徴とする。
この高温急速加熱により、低温加熱時に生成していたスケールが一気に成長し、その作用によって、サブスケール(FeCr24、Fe2SiO4)が破壊される。そして、このためには、加熱速度は5℃/min以上が必要で、これ未満ではスケールの成長がサブスケールを破壊するには不十分である。
また、急速加熱後の最終到達温度が1200℃未満では、サブスケール(FeCr24、Fe2SiO4)の破壊効果が少なく、1350℃を超えるとスケール成長が過剰となってスケールロスが増えるばかりか、かえってスケール除去を困難にする。また10分を超える高温加熱は、やはりスケール成長が促進されすぎて、スケールロスや剥離性の観点から好ましくない。
つぎに、本発明は、以上の条件下で加熱処理されて加熱炉から抽出される鋼ビレットを、露点:30〜60℃の湿潤雰囲気中に2秒以下の短時間曝す水蒸気酸化処理を1回もしくは2回以上行ない、高圧水デスケーリングならびに圧延することを特徴とする。
鋼ビレットがこのような湿潤雰囲気中で極短時間水蒸気酸化処理されると、水蒸気がサブスケール内を介してサブスケールと鋼との界面に作用して、この界面に脆いウスタイト(FeO)を形成する。そして、この脆弱なウスタイトは、その上層にあるサブスケールを粉砕するかのように微塵化して図2a、スケールの剥離性が容易に改善される。この作用効果は、Niが添加されている場合でも同様であり、Niの界面濃化が減少する効果も重なって、スケールの剥離性が向上する。
しかも、水蒸気の存在は、以上の効果に加えてスケールと鋼との界面の凹凸を低減する効果もあり、圧延中における疵抑制にきわめて有効である。
湿潤雰囲気処理を露点30〜60℃の雰囲気中で行なうのは、サブスケールの破壊に必要な露点が30℃以上であり、露点30℃未満ではサブスケールの破壊が不十分になるからである。露点60℃以上の湿潤雰囲気では、スケールが成長しすぎて、スケール剥離がかえって困難になる。
湿潤雰囲気に曝す時間を2秒以下とするのは、この処理時間が短いほど、湿潤雰囲気での水蒸気酸化による界面のウスタイト形成効果が発揮されやすいことを見出したからである。実際、湿潤雰囲気での処理時間が2秒を超えると、酸化が進行して界面部に形成されたウスタイト(FeO)がマグネタイト(Fe3O4)に変化する。このマグネタイトは地鉄との融合性が高いため、サブスケールの剥離を困難にしてスケール押し込みによる表面疵の発生を助長し、同時に地鉄とスケールとの界面を平滑化する効果を喪失させる。
なお、湿潤雰囲気処理は、図3aに示すように、加熱炉より抽出直後の鋼ビレットに対して高圧水によるデスケーリングの手前で実施するか、もしくは、同図bに示すように、既に圧延工程に移行してから、圧延機列における前後2機間において、やはり高圧水デスケーリングの手前で圧延材に向けて行なう。あるいは、以上の双方を併用することもできる。いずれを採用するかは、製品条鋼材の種別やその鋼種等を考慮して選択すればよい。
なお、湿潤雰囲気は、湿潤雰囲気ブース図2を設置し、水蒸気供給配管から水蒸気を導入して、所定の露点に調整する。湿潤雰囲気中の露点は、鋼ビレットまたは条鋼材の表面近傍であって、鋼表面より50cm以内の高さ内の雰囲気ガスを採取して、鏡面式露点計を用いて容易に測定することができる。
(実施例1)
表1に示す合金組成に溶製された7種類の鋼ビレット(150mm角)を用意し、表2に示すように、まず本発明で規制される1000〜1150℃の温度範囲で、その大部分を低温加熱する一方、No.9のみは、同温度範囲より高温域にて加熱し比較例とした。
つぎに、加熱された各鋼ビレットを加熱炉より抽出後、図3aに示すように、加熱炉の出側に近接して設置された湿潤雰囲気ブースにて直ちに湿潤雰囲気中における水蒸気酸化処理を行ない、高圧水デスケーリングを行なった。つづいてそれぞれ熱間圧延して直径8.0mmの鋼線材を製造した。
加熱炉の燃焼用ガスとしてLNGガスを使用し、炉内雰囲気はいずれも72%N2−18%H2O−9%CO2−1%O2に調整した。
製造された各鋼線材のスケール起因の表面疵を評価するために、鋼線材の断面を100倍の倍率で光学顕微鏡観察する方法により、表面疵の有無ならびに個数をカウントした。
また、これらがスケール起因の表面疵であるかどうかの確認はつぎの方法によった。すなわち、全表面疵の断面をEPMAマッピングにより500倍の倍率で分析し、SiもしくはCrまたはその両者が、鋼線材中における当該各元素の組成の2倍以上である領域が存在した場合に、それをもってサブスケール(FeCr2O4、Fe2SiO4)が押し込まれたスケール起因の表面疵であると判断した。
一方、鋼線材の長手方向(鋼の圧延方向)に垂直な横断面の10箇所以上で観察される表面疵を計測し、その平均値を下式により算出した。
・疵個数の合計数/測定断面数の合計数=1測定断面当たりの疵個数
ここでいう疵とは、疵深さが10μm以上に達するスケール起因の表面疵のことで、つぎの5段階に分類整理して評価した。なお、10μm未満の深さの疵は、表面疵としては認識されず、加工時に割れなどの問題を引き起こすことは実質的にないので、10μm以上に達する表面疵のみを対象として判別することにした。
・ランク0:疵個数の平均値が0(疵なし)のもの
・ランク1:疵個数の平均値が0超10個以下のもの
・ランク2:10個超20個未満のもの
・ランク3:20個以上30個未満のもの
・ランク4:30個超のもの
ランク1以下であれば、スケール起因の表面疵に関して、製品としては全く問題がないことになる。
表2から明らかなように、鋼ビレットの低温加熱温度・時間、抽出前の急速加熱速度・到達温度・時間ならびに加熱炉出側での湿潤雰囲気中における水蒸気酸化処理の露点・時間のすべてが本発明の規制する各条件を満足する本発明の下記実施例の製品線材は、すべて表面疵レベルが0もしくは1で満足できるものであった。
・実施例No.3、4、5、8、11、12、13、15、18および19
これに対して、本発明の規制する各条件の一つまたは二つ以上を逸脱する比較例は、下記するように、いずれも表面疵レベルが3以上と評価され、品質が満足できないことが確認された。
比較例No.1、10および14は、鋼ビレットを1150℃以下の低温加熱したのみで抽出したので、緻密なサブスケールが発生しており、高圧水デスケーリングしてもほとんど除去できず、そのままの圧延では、残留サブスケールが押し込まれて表面疵が大量に発生している。
比較例No.2、16および21は、急速加熱後の保持時間が長すぎるためにスケールが過剰に成長し、高圧水デスケーリングによっても完全に除去できず、表面疵が大量に発生した例である。
比較例No.17は、湿潤雰囲気中の水蒸気酸化処理時間が長すぎて、界面部に地鉄との融合性が高いマグネタイト(Fe3O4)が形成されたために、サブスケールの剥離を困難にして、スケール押し込みによる表面疵が大量に発生した例である。
比較例No.6および20は、急速加熱後の保持温度が高すぎ、スケールが過剰に成長してデスケーリングによっても完全に除去できず、表面疵が大量に発生している。
比較例No.7は、湿潤雰囲気の露点が高すぎて、スケールが過剰に成長し、デスケーリングによっても完全に除去できず、表面疵が大量に発生した例である。
比較例No.9は、低温加熱するべき最初の加熱温度が高すぎて、スケールが過剰に成長し、デスケーリングによっても完全に除去できず、表面疵が大量に発生した例である。
Figure 2009046731
Figure 2009046731
(実施例2)
表3に示す合金組成に溶製された7種類の鋼ビレット(150mm角)を用意し、表4に示すように、まず本発明で規制される1000〜1150℃の温度範囲で、その大部分を低温加熱する一方、No.23 のみは、同温度範囲より高温域にて加熱し比較例とした。
つぎに、加熱された各鋼ビレットを加熱炉より抽出後、図3bに示すように、圧延工程に移行してから、圧延機列における前後2機間において水蒸気酸化処理を行い、高圧水デスケーリングを行なった。さらに熱間圧延して直径8.0mmの鋼線材を製造した。
加熱炉の燃焼用ガスとしてLNGガスを使用し、炉内雰囲気はいずれも72%N2−18%H2O−9%CO2−1%O2に調整した。
表面疵の評価方法は実施例1と同じである。
表4から明らかなように、鋼ビレットの低温加熱温度・時間、抽出前の急速加熱速度・到達温度・時間ならびに圧延機間での湿潤雰囲気中における水蒸気酸化処理の露点・時間のすべてが本発明の規制する各条件を満足する本発明の下記実施例の製品線材は、すべて表面疵レベルが0もしくは1で満足できるものであった。
・実施例No.22、24、27、31、32、34、38
これに対して、本発明の規制する各条件の一つまたは二つ以上を逸脱する比較例は、下記するように、いずれも表面疵レベルが3以上と評価され、品質が満足できないことが確認された。
比較例No.25、29、33および36は、鋼ビレットを1150℃以下の低温加熱したのみで抽出したので、緻密なサブスケールが発生しており、高圧水デスケーリングしてもほとんど除去できず、そのままの圧延では、残留サブスケールが押し込まれて表面疵が大量に発生している。
比較例No.28、35は、急速加熱後の保持時間が長すぎるためにスケールが過剰に成長し、高圧水デスケーリングによっても完全に除去できず、表面疵が大量に発生した例である。
比較例No.37は、湿潤雰囲気中の水蒸気酸化処理時間が長すぎて、界面部に地鉄との融合性が高いマグネタイト(Fe3O4)形成されたために、サブスケールの剥離を困難にして、スケール押し込みによる表面疵が大量に発生した例である。
比較例No.30は、急速加熱後の保持温度が高すぎ、スケールが過剰に成長してデスケーリングによっても完全に除去できず、表面疵が大量に発生している。
比較例No.26は、湿潤雰囲気の露点が高すぎて、スケールが過剰に成長し、デスケーリングによっても完全に除去できず、表面疵が大量に発生した例である。
比較例No.23は、低温加熱するべき最初の加熱温度が高すぎて、スケールが過剰に成長し、デスケーリングによっても完全に除去できず、表面疵が大量に発生した例である。
Figure 2009046731
Figure 2009046731
鋼ビレットを低温加熱したときに生成するスケールの断面構造の模式図。 本発明による急速加熱および水蒸気添加による処理をほどこしたときに生成するスケールの断面構造の模式図。 本発明の熱間圧延方法の実施に使用する圧延設備の概略図。

Claims (5)

  1. 0.05質量%(%と略記。以下同様。)以上のSiおよび0.1%以上のCrを含有する鋼ビレットを加熱炉内で1000℃以上1150℃の温度で60分以内保持する低温加熱を行なったのち、その抽出前に、1200〜1350℃の温度まで5℃/min.以上の加熱速度で急速加熱をおこない、10分以内の間保持してから加熱炉より抽出後、露点:30〜60℃の湿潤雰囲気中に2秒以下の短時間曝す水蒸気酸化処理を1回もしくは2回以上行ない、高圧水デスケーリングならびに圧延するスケール剥離性に優れたSi、Cr含有条鋼材の製造方法。
  2. 加熱炉より抽出直後、露点:30〜60℃の湿潤雰囲気中に2秒以下の短時間曝す水蒸気酸化処理を行なったのち、高圧水デスケーリングならびに圧延する請求項1に記載のスケール剥離性に優れたSi、Cr含有条鋼材の製造方法。
  3. 圧延工程中における前後の圧延機間において、露点:30〜60℃の湿潤雰囲気中に2秒以下の短時間曝す水蒸気酸化処理を行なったのち、高圧水デスケーリングする請求項1に記載のスケール剥離性に優れたSi、Cr含有条鋼材の製造方法。
  4. 加熱炉より抽出後、露点:30〜60℃の湿潤雰囲気中に2秒以下の短時間曝す水蒸気酸化処理を行なったのち、高圧水デスケーリングならびに圧延する請求項2に記載のスケール剥離性に優れたSi、Cr含有条鋼材の製造方法。
  5. 0.1%以上のNiを含有する鋼ビレットを使用する請求項1、2、3もしくは4に記載のスケール剥離性に優れたSi、Cr含有条鋼材の製造方法。
JP2007214025A 2007-08-20 2007-08-20 スケール剥離性に優れたSi、Cr含有条鋼材の製造方法 Expired - Fee Related JP5064934B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007214025A JP5064934B2 (ja) 2007-08-20 2007-08-20 スケール剥離性に優れたSi、Cr含有条鋼材の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007214025A JP5064934B2 (ja) 2007-08-20 2007-08-20 スケール剥離性に優れたSi、Cr含有条鋼材の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009046731A true JP2009046731A (ja) 2009-03-05
JP5064934B2 JP5064934B2 (ja) 2012-10-31

Family

ID=40499215

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007214025A Expired - Fee Related JP5064934B2 (ja) 2007-08-20 2007-08-20 スケール剥離性に優れたSi、Cr含有条鋼材の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5064934B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010264469A (ja) * 2009-05-13 2010-11-25 Kobe Steel Ltd Cr含有条鋼材の製造方法
CN113414236A (zh) * 2021-06-24 2021-09-21 江苏永钢集团有限公司 一种提高80级帘线钢氧化铁皮机械剥离率的控制方法
CN116984388A (zh) * 2023-09-25 2023-11-03 江苏永钢集团有限公司 一种减少帘线钢盘条氧化铁皮的新型控冷工艺

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005305519A (ja) * 2004-04-23 2005-11-04 Jfe Steel Kk 熱間圧延ラインおよびそれを用いた高Cr鋼の熱間圧延方法
JP2007229747A (ja) * 2006-02-28 2007-09-13 Kobe Steel Ltd 表面性状に優れた条鋼材の製造方法
JP2008221234A (ja) * 2007-03-08 2008-09-25 Kobe Steel Ltd 条鋼材の熱間圧延方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005305519A (ja) * 2004-04-23 2005-11-04 Jfe Steel Kk 熱間圧延ラインおよびそれを用いた高Cr鋼の熱間圧延方法
JP2007229747A (ja) * 2006-02-28 2007-09-13 Kobe Steel Ltd 表面性状に優れた条鋼材の製造方法
JP4546408B2 (ja) * 2006-02-28 2010-09-15 株式会社神戸製鋼所 表面性状に優れた条鋼材の製造方法
JP2008221234A (ja) * 2007-03-08 2008-09-25 Kobe Steel Ltd 条鋼材の熱間圧延方法
JP4851967B2 (ja) * 2007-03-08 2012-01-11 株式会社神戸製鋼所 条鋼材の熱間圧延方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010264469A (ja) * 2009-05-13 2010-11-25 Kobe Steel Ltd Cr含有条鋼材の製造方法
CN113414236A (zh) * 2021-06-24 2021-09-21 江苏永钢集团有限公司 一种提高80级帘线钢氧化铁皮机械剥离率的控制方法
CN113414236B (zh) * 2021-06-24 2022-07-12 江苏永钢集团有限公司 一种提高80级帘线钢氧化铁皮机械剥离率的控制方法
CN116984388A (zh) * 2023-09-25 2023-11-03 江苏永钢集团有限公司 一种减少帘线钢盘条氧化铁皮的新型控冷工艺
CN116984388B (zh) * 2023-09-25 2023-12-01 江苏永钢集团有限公司 一种减少帘线钢盘条氧化铁皮的新型控冷工艺

Also Published As

Publication number Publication date
JP5064934B2 (ja) 2012-10-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5064934B2 (ja) スケール剥離性に優れたSi、Cr含有条鋼材の製造方法
JP5679112B2 (ja) スケール密着性に優れた熱延鋼板およびその製造方法
JP5320084B2 (ja) デスケーリング性のよい高Cr含有鋼材の製法
JP5324963B2 (ja) Cr含有条鋼材の製造方法
JP4546432B2 (ja) 条鋼材の熱間圧延方法
JP4546408B2 (ja) 表面性状に優れた条鋼材の製造方法
JP5128401B2 (ja) スケール剥離性に優れたCr含有条鋼材の製造方法
JP4704978B2 (ja) スケール剥離性に優れた鋼材の製造方法。
JP4851967B2 (ja) 条鋼材の熱間圧延方法
JP5491968B2 (ja) 条鋼の製造方法
JP5324964B2 (ja) Cr含有条鋼材の製造方法
JP5569186B2 (ja) 熱間圧延鋼板の製造設備列および熱間圧延鋼板の製造方法
JP5443050B2 (ja) Cr含有条鋼材の製造方法
JP2011189394A (ja) 表面性状に優れた熱延鋼板の製造方法
JP5632624B2 (ja) 条鋼の製造方法
JP3882465B2 (ja) 表面性状の良好な熱延鋼板の製造方法
JP3882470B2 (ja) オーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法
JP3546617B2 (ja) 表面性状に優れた鋼板の製造方法
JP4147011B2 (ja) スケール起因の表面疵の少ない条鋼材の製造方法
JP4144567B2 (ja) 熱延鋼板の製造方法
JP2007118028A (ja) 鋼材のメカニカルデスケーリング方法
JP2009013432A (ja) 表面性状にすぐれた高Si熱延鋼板の製造方法
WO2004103589A1 (ja) Fe-Cr合金ビレットおよびその製造方法
JP3774686B2 (ja) 熱間圧延におけるデスケーリング方法
JP2006281285A (ja) チタン材の熱間圧延方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090929

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20110408

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20110411

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120529

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120718

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120807

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120809

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5064934

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150817

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees