JP2009046696A - 銀粉の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電解法によって銀粉を得ることができる新たな銀粉の製造方法を提供する。
【解決手段】弱酸、特にリンゴ酸やクエン酸、酒石酸のようにカルボキシル基を2つ以上有するカルボン酸を添加してなる銀塩水溶液を電解液に用いて電解することにより、粒度が比較的小さく、且つデンドライト状を呈する銀粉を得ることができる。
【選択図】図1
【解決手段】弱酸、特にリンゴ酸やクエン酸、酒石酸のようにカルボキシル基を2つ以上有するカルボン酸を添加してなる銀塩水溶液を電解液に用いて電解することにより、粒度が比較的小さく、且つデンドライト状を呈する銀粉を得ることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、電解法によって銀粉を製造する方法に関する。
銀粉は、積層コンデンサの内部電極、回路基板の導体パターン、プラズマディスプレイパネル用基板の電極など、各種電子部品の電極や回路形成等に使用されている。近年、電子部品の小型化、高密度化、高精度化に伴い、銀粉にも微粒子化及び均質化が求められている。
銀粉の製造方法としては、銀イオンを含む電解液を電解して銀粒子を電極に析出させる電解法(特許文献1参照)のほか、特許文献2に開示されているように、硝酸銀溶液とアンモニア水とで銀アンミン錯体水溶液を製造し、これに有機還元剤を添加する湿式還元プロセスによって高分散性球状銀粉末を得る方法、さらには、特許文献3に開示されているように、例えば、硫酸銀水溶液に還元剤としてホスフィン酸ナトリウム、ホルムアルデヒド、ハイドロキノンのうちの1種とポリビニルピロリドンを用いて反応を行う化学還元法を利用した方法などが知られている。
上記のような各種銀粉の製造方法の中で、還元剤を用いる方法はコストが高くなる傾向があるばかりか、還元剤の種類によっては異臭が発生するなど作業環境の点で問題を生じることがある。それに比べ、電解法は、比較的安価に銀粉を製造できる上、高電流密度での操業が可能であるため生産効率の点でも優れている。
しかし、従来の電解法では、銀粉の粒径が粗大化する傾向があり、微細回路形成に求められるような微粒な銀粉を得ることが難しいという課題を抱えていた。
しかし、従来の電解法では、銀粉の粒径が粗大化する傾向があり、微細回路形成に求められるような微粒な銀粉を得ることが難しいという課題を抱えていた。
そこで本発明の目的は、電解法によって微粒な銀粉を得ることができる、新たな銀粉の製造方法を提供することにある。
本発明は、弱酸を添加してなる銀塩水溶液、例えばカルボン酸などの弱酸を硝酸銀水溶液に添加してなる銀塩水溶液を電解液に用いて電解することを特徴とする銀粉の製造方法を提案するものである。
本発明は、弱酸を添加してなる銀塩水溶液を電解液に用いて電解することにより、粒度が小さく、且つデンドライト状の粒子を主形状とする銀粉を得ることができる。これは、錯体形成能を備えた弱酸を電解液に添加することで、銀が析出する際の銀粒子の成長が抑制されるものと推察される。特に弱酸として、有機酸、中でも特にカルボキシル基を2つ以上有するカルボン酸を添加すると粒度をより一層小さくすることができる。
以下、本発明の実施形態について詳述するが、本発明の範囲が以下の実施形態に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意を包含するものである。
なお、本明細書において、「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意を包含するものである。
本実施形態では、弱酸を添加してなる銀塩水溶液を電解液として電解し、銀粉を得る製造方法について説明する。
なお、本発明における「電解」とは、DSE電極を用いた電解採取、銀電極を用いた電解精製のどちらも包含するものである。
また、本発明で「弱酸」とは、硝酸より銀の溶解性が低く、且つ、硝酸イオンよりも銀イオンとの錯形成能が高いアニオンを持つ酸を意味し、有機酸、無機酸のいずれであってもよい。
なお、本発明における「電解」とは、DSE電極を用いた電解採取、銀電極を用いた電解精製のどちらも包含するものである。
また、本発明で「弱酸」とは、硝酸より銀の溶解性が低く、且つ、硝酸イオンよりも銀イオンとの錯形成能が高いアニオンを持つ酸を意味し、有機酸、無機酸のいずれであってもよい。
電解液として、硝酸の銀電解液を使用すると微粒な銀粒子は通常得られないが、銀イオンと錯形成可能なアニオンを有し、且つ析出した銀粒子を溶解しない程度の強さを持つ酸を硝酸に添加することにより、例えば硝酸のみの場合に比べて銀粒子の粒径を顕著に小さくすることができる。
電解液に添加し得る有機酸としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、メルカプト酢酸などの脂肪族モノカルボン酸、安息香酸などの芳香族モノカルボン酸、又は、グリコール酸、乳酸、サリチル酸などのオキシモノカルボン酸、又は、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸などの脂肪族ジカルボン酸、又は、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、又は、リンゴ酸、酒石酸等のオキシジカルボン酸、又は、トリカルボン酸、又は、芳香族トリカルボン酸、又は、クエン酸、イソクエン酸などのオキシトリカルボン酸、又は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)などのオキシ多価カルボン酸、又は、芳香族多価カルボン酸、そのほか、オキソカルボン酸、アミノ酸、アスコルビン酸など、カルボキシル基を有する化合物を挙げることができる。
中でも、カルボキシル基を2つ以上含有するカルボン酸、その中でもカルボキシル基を2つ以上含有するオキシカルボン酸、例えばリンゴ酸、クエン酸、酒石酸などが好ましく、中でも特に、カルボキシル基を3つ以上含有するオキシカルボン酸、或いはカルボキシル基を2つ以上含有し且つヒドロキシ基を2つ以上含有するオキシカルボン酸、例えばクエン酸や酒石酸などがより好ましい。
なお、上記の2種類以上を組合わせて電解液に添加することも可能である。
中でも、カルボキシル基を2つ以上含有するカルボン酸、その中でもカルボキシル基を2つ以上含有するオキシカルボン酸、例えばリンゴ酸、クエン酸、酒石酸などが好ましく、中でも特に、カルボキシル基を3つ以上含有するオキシカルボン酸、或いはカルボキシル基を2つ以上含有し且つヒドロキシ基を2つ以上含有するオキシカルボン酸、例えばクエン酸や酒石酸などがより好ましい。
なお、上記の2種類以上を組合わせて電解液に添加することも可能である。
他方、電解液に添加し得る無機酸としては、ホウ酸、炭酸、亜硫酸、リン酸などを挙げることができ、これらの2種類以上を組合わせて電解液に添加することも可能である。
以上のような弱酸を電解液に添加することにより、電解によって得られる銀粉粒子の粒度を小さくできる。この要因は、弱酸が銀イオンを錯体化しているか、或いは、カルボキシル基或いはヒドロキシ基のOH-などが銀イオンに吸着するかして、銀粒子の成長を抑制しているものと推察することができる。
弱酸の添加量は、電解液の0.01g/L〜100g/Lとなるように調整するのがよく、好ましくは0.05g/L〜50g/L、さらに好ましくは0.1g/L〜20g/Lとなるように調整するのがよい。0.01g/L未満では、カルボキシル基を2つ以上含有するカルボン酸を用いたとしても、キレート効果或いは吸着効果を十分に得ることが難しくなるために微粒化を図ることが困難となる。他方、100g/Lを超えると、カルボキシル基を2つ以上含有するカルボン酸を用いたとしても不経済でもある。
銀塩水溶液としては、銀イオンが溶解してなる溶液であれば特に制限なく、例えば硝酸銀溶液などを用いることができる。
銀塩水溶液のイオン伝導度を高めるため、支持電解質、特に硝酸塩などの電解液との反応に無関係な塩などを加えるのが好ましい。
銀塩水溶液のイオン伝導度を高めるため、支持電解質、特に硝酸塩などの電解液との反応に無関係な塩などを加えるのが好ましい。
電解液のpHは0〜12、特に1〜11、その中でも特に2〜10に調整するのが好ましい。pHが0よりも低いと錯形成能も小さくなってしまう。他方、pHが12を超える場合には、銀が酸化銀として沈殿し易くなってしまう。
電解液中の銀濃度は、0.1g/L〜500g/L、特に0.5g/L〜300g/L、さらに1.0g/L〜100g/Lに調整するのが好ましい。0.1g/L未満になると、銀の析出速度が遅くなり、効率的に銀粉を得ることが難しくなる。また、500g/Lより多くなると粉体が析出し難くなる。
電解液中の弱酸/Ag+は、モル比で0.01〜10が好ましく、中でも0.05〜5が特に好ましい。0.01未満であると吸着及び錯形成が不十分となり、銀粒子が粗大化するようになる。また、10より大きくなると不経済である。
電解条件としては、電流密度は10〜2000A/m2が好ましく、より好ましくは30〜1500A/m2であり、さらに好ましくは50〜1000A/m2である。電流密度が10A/m2未満であると、銀の析出速度が遅くなり、粒子が粗大化するか、或いは電極上にメッキされるようになる。また2000A/m2より高くなると、溶液の温度が上昇し、銀粉の形状が安定しない。また、ランニングコストも嵩むため不経済でもある。
電解液の溶液温度は、80℃以下、特に60℃以下、中でも特に40℃以下であるのが好ましい。80℃より高いと、粒子が粗大化する傾向がある。
極板上に析出した銀粉は適宜時間おきに掻き落し、極板から掻き落したものを、濾過し、洗浄し、乾燥することにより、銀粉を得ることができる。この際、濾過、洗浄および乾燥の方法は特に限定するものではなく、一般的な方法を採用すればよい。
上記のようにして銀粉を製造すれば、デンドライト状粒子を主形状とし、且つ、平均粒径(D50)20μm以下、好ましくは15μm以下、特に好ましくは10μm以下、その中でも特に好ましくは3μm以下の銀粉を得ることができる。
デンドライト状とは、幹部分から平面状に枝部分が分岐して成長してなる形状である。
また、「主形状」とは、他の形状の銀粒子を含有することを許容する意を包含する。つまり、デンドライト状粒子以外の粒子を含んでいてもよいという意を包含するものである。具体的には、デンドライト状粒子が全粒子の50質量%以上を占める必要があり、好ましくは80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上(100質量%含む)を占めるのがよい。
銀粉粒子の形状は、弱酸の添加量及び電解条件等によって制御可能であり、例えば弱酸の添加量を多くすればデンドライト状から球状に近づく傾向があり、他方、銀濃度を増加させたり、電流密度を低下させたり、電解液の温度を高めたりすると、球状からデンドライト状に近づく傾向がある。
デンドライト状とは、幹部分から平面状に枝部分が分岐して成長してなる形状である。
また、「主形状」とは、他の形状の銀粒子を含有することを許容する意を包含する。つまり、デンドライト状粒子以外の粒子を含んでいてもよいという意を包含するものである。具体的には、デンドライト状粒子が全粒子の50質量%以上を占める必要があり、好ましくは80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上(100質量%含む)を占めるのがよい。
銀粉粒子の形状は、弱酸の添加量及び電解条件等によって制御可能であり、例えば弱酸の添加量を多くすればデンドライト状から球状に近づく傾向があり、他方、銀濃度を増加させたり、電流密度を低下させたり、電解液の温度を高めたりすると、球状からデンドライト状に近づく傾向がある。
さらに、上記電解液に水溶性有機高分子を加えて上記のように電解することによって、上記のデンドライト状銀粉をさらに微粒化することができる。
水溶性有機高分子としては、例えばゼラチン、ポリビニルアルコール、水溶性でんぷん、にかわ、水溶性カルボン酸塩などを挙げることができ、中でもゼラチンが好ましい。
この際、水溶性有機高分子は、電解液に対して0.05g/L〜5g/Lとなるように添加するのが好ましい。0.05g/L未満であると十分な効果が得られず、5g/Lより多くなると粒子形状が安定しなくなるため好ましくない。
水溶性有機高分子としては、例えばゼラチン、ポリビニルアルコール、水溶性でんぷん、にかわ、水溶性カルボン酸塩などを挙げることができ、中でもゼラチンが好ましい。
この際、水溶性有機高分子は、電解液に対して0.05g/L〜5g/Lとなるように添加するのが好ましい。0.05g/L未満であると十分な効果が得られず、5g/Lより多くなると粒子形状が安定しなくなるため好ましくない。
また、上記のように電解して得られた銀粉を湿式粉砕することにより、デンドライト状銀粒子の幹部分と分岐部分とを分離することができ、これによってさらに微粒な針状銀粒子を得ることができる。
湿式粉砕手段としては、銀粒子は軟らかいため、形状を維持できるように、メディア(ビーズやボールなどの粉砕媒体)を使用しない湿式粉砕手段を採用するのが好ましく、例えば湿式ジェットミルなどを好適に用いることができる。
さらに、上記湿式粉砕に続いて分級することにより、例えば幹部分と分岐部分とを分離することができ、いずれも極めて微粒な粒子であるが、その中でも幹部分と分岐部分のそれぞれの特徴に応じた用途に利用することができる。
この際、分級方法としては、遠心分級のほか、振動篩いや面内篩いのように一定の大きさの網目を通過させる方法や、気流により分離する方法のいずれを採用してもよい。
この際、分級方法としては、遠心分級のほか、振動篩いや面内篩いのように一定の大きさの網目を通過させる方法や、気流により分離する方法のいずれを採用してもよい。
上記のようにして得られた銀粉に対して有機表面処理を施してもよい。銀粒子に有機表面処理を施すことにより、凝集性を抑制することができる。また、有機表面処理剤を適宜選択することにより、他材料との親和性をコントロールすることも可能となる。
この際、有機表面処理としては、例えば飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、窒素含有有機化合物、硫黄含有有機化合物及びシランカップリング剤等からなる皮膜を銀粒子表面を形成するようにすればよい。中でも、上記有機化合物のうち、オレイン酸、カプリン酸又はステアリン酸を用いて行なうのが好ましい。皮膜形成方法としては、例えば乾式法、湿式法等、公知の方法を採用すればよい。
この際、有機表面処理としては、例えば飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、窒素含有有機化合物、硫黄含有有機化合物及びシランカップリング剤等からなる皮膜を銀粒子表面を形成するようにすればよい。中でも、上記有機化合物のうち、オレイン酸、カプリン酸又はステアリン酸を用いて行なうのが好ましい。皮膜形成方法としては、例えば乾式法、湿式法等、公知の方法を採用すればよい。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明が以下の実施例に限定されるものではない。
<粒度測定>
銀粉を少量ビーカーに取り、3%トリトンX溶液(関東化学製)を2、3滴添加し、粉末になじませてから、0.1%SNディスパーサント41溶液(サンノプコ製)50mLを添加し、その後、超音波分散器TIPφ20(日本精機製作所製、OUTPUT:8、TUNING:5)を用いて2分間分散処理して測定用サンプルを調製した。
この測定用サンプルを、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置MT3300 (日機装製)を用いて平均粒径(D50)を測定した。
銀粉を少量ビーカーに取り、3%トリトンX溶液(関東化学製)を2、3滴添加し、粉末になじませてから、0.1%SNディスパーサント41溶液(サンノプコ製)50mLを添加し、その後、超音波分散器TIPφ20(日本精機製作所製、OUTPUT:8、TUNING:5)を用いて2分間分散処理して測定用サンプルを調製した。
この測定用サンプルを、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置MT3300 (日機装製)を用いて平均粒径(D50)を測定した。
<比表面積の測定>
比表面積(SSA)は、ユアサアイオニクス社製モノソーブにて、BET1点法で測定した。
比表面積(SSA)は、ユアサアイオニクス社製モノソーブにて、BET1点法で測定した。
(実施例1)
2Lビーカーの中に、硝酸銀31.5g(銀濃度10g/L)、DLリンゴ酸2gおよび硝酸6gを入れ、純水で2Lにして電解液を調製した(銀濃度10g/L、酸/Ag+モル比0.2、20℃、pH2)。
アノードにDSE電極、カソードにチタン板を使用し、電流密度250A/m2、溶液温度20℃で電解し、適当な間隔をおいてスクレーパにより電析した銀粒子を極板から掻き落し、1時間電解した。
その後、掻き落して得られた銀粉をヌッチェでろ過し、純水、さらにアルコール洗浄を行い、70℃×12時間、大気雰囲気下で乾燥させ、デンドライト状の銀粉を得た。
得られた銀粉の中心粒径(D50)および比表面積(SSA)を測定し、結果を表1に示した。また、得られた銀粉の走査型電子顕微鏡(SEM)観察像を図1に示した。
2Lビーカーの中に、硝酸銀31.5g(銀濃度10g/L)、DLリンゴ酸2gおよび硝酸6gを入れ、純水で2Lにして電解液を調製した(銀濃度10g/L、酸/Ag+モル比0.2、20℃、pH2)。
アノードにDSE電極、カソードにチタン板を使用し、電流密度250A/m2、溶液温度20℃で電解し、適当な間隔をおいてスクレーパにより電析した銀粒子を極板から掻き落し、1時間電解した。
その後、掻き落して得られた銀粉をヌッチェでろ過し、純水、さらにアルコール洗浄を行い、70℃×12時間、大気雰囲気下で乾燥させ、デンドライト状の銀粉を得た。
得られた銀粉の中心粒径(D50)および比表面積(SSA)を測定し、結果を表1に示した。また、得られた銀粉の走査型電子顕微鏡(SEM)観察像を図1に示した。
(実施例2)
2Lビーカーの中に、硝酸銀31.5g(銀濃度10g/L)、クエン酸2gおよび硝酸6gを入れ、純水で2Lにして電解液を調製した(銀濃度10g/L、酸/Ag+モル比0.1、20℃、pH2)。
アノードにDSE電極、カソードにチタン板を使用し、電流密度250A/m2、溶液温度20℃で電解し、適当な間隔をおいてスクレーパにより電析した銀粒子を極板から掻き落し、1時間電解した。
その後、掻き落して得られた銀粉をヌッチェでろ過し、純水、さらにアルコール洗浄を行い、70℃×12時間、大気雰囲気下で乾燥させ、デンドライト状の銀粉を得た。
得られた銀粉の中心粒径(D50)および比表面積(SSA)を測定し、結果を表1に示した。また、得られた銀粉の走査型電子顕微鏡(SEM)観察像を図2に示した。
2Lビーカーの中に、硝酸銀31.5g(銀濃度10g/L)、クエン酸2gおよび硝酸6gを入れ、純水で2Lにして電解液を調製した(銀濃度10g/L、酸/Ag+モル比0.1、20℃、pH2)。
アノードにDSE電極、カソードにチタン板を使用し、電流密度250A/m2、溶液温度20℃で電解し、適当な間隔をおいてスクレーパにより電析した銀粒子を極板から掻き落し、1時間電解した。
その後、掻き落して得られた銀粉をヌッチェでろ過し、純水、さらにアルコール洗浄を行い、70℃×12時間、大気雰囲気下で乾燥させ、デンドライト状の銀粉を得た。
得られた銀粉の中心粒径(D50)および比表面積(SSA)を測定し、結果を表1に示した。また、得られた銀粉の走査型電子顕微鏡(SEM)観察像を図2に示した。
(実施例3)
2Lビーカーの中に、硝酸銀31.5g(銀濃度10g/L)、酒石酸2gおよび硝酸6gを入れ、純水で2Lにして電解液を調製した(銀濃度10g/L、酸/Ag+モル比0.1、20℃、pH2)。
アノードにDSE電極、カソードにチタン板を使用し、電流密度250A/m2、溶液温度20℃で電解し、適当な間隔をおいてスクレーパにより電析した銀粒子を極板から掻き落し、1時間電解した。
その後、掻き落して得られた銀粉をヌッチェでろ過し、純水、さらにアルコール洗浄を行い、70℃×12時間、大気雰囲気下で乾燥させ、デンドライト状の銀粉を得た。
得られた銀粉の中心粒径(D50)および比表面積(SSA)を測定し、結果を表1に示した。また、得られた銀粉の走査型電子顕微鏡(SEM)観察像を図3に示した。
2Lビーカーの中に、硝酸銀31.5g(銀濃度10g/L)、酒石酸2gおよび硝酸6gを入れ、純水で2Lにして電解液を調製した(銀濃度10g/L、酸/Ag+モル比0.1、20℃、pH2)。
アノードにDSE電極、カソードにチタン板を使用し、電流密度250A/m2、溶液温度20℃で電解し、適当な間隔をおいてスクレーパにより電析した銀粒子を極板から掻き落し、1時間電解した。
その後、掻き落して得られた銀粉をヌッチェでろ過し、純水、さらにアルコール洗浄を行い、70℃×12時間、大気雰囲気下で乾燥させ、デンドライト状の銀粉を得た。
得られた銀粉の中心粒径(D50)および比表面積(SSA)を測定し、結果を表1に示した。また、得られた銀粉の走査型電子顕微鏡(SEM)観察像を図3に示した。
(実施例4)
2Lビーカーの中に、硝酸銀31.5g(銀濃度10g/L)、コハク酸2gおよび硝酸6gを入れ、純水で2Lにして電解液を調製した(銀濃度10g/L、酸/Ag+モル比0.2、20℃、pH2)。
アノードにDSE電極、カソードにチタン板を使用し、電流密度250A/m2、溶液温度20℃で電解し、適当な間隔をおいてスクレーパにより電析した銀粒子を極板から掻き落し、1時間電解した。
その後、掻き落して得られた銀粉をヌッチェでろ過し、純水、さらにアルコール洗浄を行い、70℃×12時間、大気雰囲気下で乾燥させ、デンドライト状の銀粉を得た。
得られた銀粉の中心粒径(D50)および比表面積(SSA)を測定し、結果を表1に示した。また、得られた銀粉の走査型電子顕微鏡(SEM)観察像を図4に示した。
2Lビーカーの中に、硝酸銀31.5g(銀濃度10g/L)、コハク酸2gおよび硝酸6gを入れ、純水で2Lにして電解液を調製した(銀濃度10g/L、酸/Ag+モル比0.2、20℃、pH2)。
アノードにDSE電極、カソードにチタン板を使用し、電流密度250A/m2、溶液温度20℃で電解し、適当な間隔をおいてスクレーパにより電析した銀粒子を極板から掻き落し、1時間電解した。
その後、掻き落して得られた銀粉をヌッチェでろ過し、純水、さらにアルコール洗浄を行い、70℃×12時間、大気雰囲気下で乾燥させ、デンドライト状の銀粉を得た。
得られた銀粉の中心粒径(D50)および比表面積(SSA)を測定し、結果を表1に示した。また、得られた銀粉の走査型電子顕微鏡(SEM)観察像を図4に示した。
(実施例5)
2Lビーカーの中に、硝酸銀31.5g(銀濃度10g/L)、酢酸2gおよび硝酸6gを入れ、純水で2Lにして電解液を調製した(銀濃度10g/L、酸/Ag+モル比0.3、20℃、pH2)。
アノードにDSE電極、カソードにチタン板を使用し、電流密度250A/m2、溶液温度20℃で電解し、適当な間隔をおいてスクレーパにより電析した銀粒子を極板から掻き落し、1時間電解した。
その後、掻き落して得られた銀粉をヌッチェでろ過し、純水、さらにアルコール洗浄を行い、70℃×12時間、大気雰囲気下で乾燥させ、デンドライト状の銀粉を得た。
得られた銀粉の中心粒径(D50)および比表面積(SSA)を測定し、結果を表1に示した。また、得られた銀粉の走査型電子顕微鏡(SEM)観察像を図5に示した。
2Lビーカーの中に、硝酸銀31.5g(銀濃度10g/L)、酢酸2gおよび硝酸6gを入れ、純水で2Lにして電解液を調製した(銀濃度10g/L、酸/Ag+モル比0.3、20℃、pH2)。
アノードにDSE電極、カソードにチタン板を使用し、電流密度250A/m2、溶液温度20℃で電解し、適当な間隔をおいてスクレーパにより電析した銀粒子を極板から掻き落し、1時間電解した。
その後、掻き落して得られた銀粉をヌッチェでろ過し、純水、さらにアルコール洗浄を行い、70℃×12時間、大気雰囲気下で乾燥させ、デンドライト状の銀粉を得た。
得られた銀粉の中心粒径(D50)および比表面積(SSA)を測定し、結果を表1に示した。また、得られた銀粉の走査型電子顕微鏡(SEM)観察像を図5に示した。
(実施例6)
2Lビーカーの中に、硝酸銀31.5g(銀濃度10g/L)、リン酸2gおよび硝酸6gを入れ、純水で2Lにして電解液を調製した(銀濃度10g/L、酸/Ag+モル比0.2、20℃、pH2)。
アノードにDSE電極、カソードにチタン板を使用し、電流密度250A/m2、溶液温度20℃で電解し、適当な間隔をおいてスクレーパにより電析した銀粒子を極板から掻き落し、1時間電解した。
その後、掻き落して得られた銀粉をヌッチェでろ過し、純水、さらにアルコール洗浄を行い、70℃×12時間、大気雰囲気下で乾燥させ、デンドライト状の銀粉を得た。
得られた銀粉の中心粒径(D50)および比表面積(SSA)を測定し、結果を表1に示した。また、得られた銀粉の走査型電子顕微鏡(SEM)観察像を図6に示した。
2Lビーカーの中に、硝酸銀31.5g(銀濃度10g/L)、リン酸2gおよび硝酸6gを入れ、純水で2Lにして電解液を調製した(銀濃度10g/L、酸/Ag+モル比0.2、20℃、pH2)。
アノードにDSE電極、カソードにチタン板を使用し、電流密度250A/m2、溶液温度20℃で電解し、適当な間隔をおいてスクレーパにより電析した銀粒子を極板から掻き落し、1時間電解した。
その後、掻き落して得られた銀粉をヌッチェでろ過し、純水、さらにアルコール洗浄を行い、70℃×12時間、大気雰囲気下で乾燥させ、デンドライト状の銀粉を得た。
得られた銀粉の中心粒径(D50)および比表面積(SSA)を測定し、結果を表1に示した。また、得られた銀粉の走査型電子顕微鏡(SEM)観察像を図6に示した。
(比較例1)
2Lビーカーの中に、硝酸銀31.5g(銀濃度10g/L)および硝酸6gを入れ、純水で2Lにして電解液を調製した(銀濃度10g/L、20℃、pH2)。
アノードにDSE電極、カソードにチタン板を使用し、電流密度250A/m2、溶液温度20℃で電解し、適当な間隔をおいてスクレーパにより電析した銀粒子を極板から掻き落し、1時間電解した。
その後、掻き落して得られた銀粉をヌッチェでろ過し、純水、さらにアルコール洗浄を行い、70℃×12時間、大気雰囲気下で乾燥させ、デンドライト状の銀粉を得た。
得られた銀粉の中心粒径(D50)および比表面積(SSA)を測定し、結果を表1に示した。また、得られた銀粉の走査型電子顕微鏡(SEM)観察像を図7に示した。
2Lビーカーの中に、硝酸銀31.5g(銀濃度10g/L)および硝酸6gを入れ、純水で2Lにして電解液を調製した(銀濃度10g/L、20℃、pH2)。
アノードにDSE電極、カソードにチタン板を使用し、電流密度250A/m2、溶液温度20℃で電解し、適当な間隔をおいてスクレーパにより電析した銀粒子を極板から掻き落し、1時間電解した。
その後、掻き落して得られた銀粉をヌッチェでろ過し、純水、さらにアルコール洗浄を行い、70℃×12時間、大気雰囲気下で乾燥させ、デンドライト状の銀粉を得た。
得られた銀粉の中心粒径(D50)および比表面積(SSA)を測定し、結果を表1に示した。また、得られた銀粉の走査型電子顕微鏡(SEM)観察像を図7に示した。
(考察)
実施例1〜6のいずれにおいても、比較例1に比べて粒度が小さく、且つデンドライト状の粒子を主成分とする銀粉を得ることができた。
特に有機酸、中でもリンゴ酸(実施例1)、クエン酸(実施例2)、酒石酸(実施例3)及びコハク酸(実施例4)、その中でも特にリンゴ酸(実施例1)、クエン酸(実施例2)及び酒石酸(実施例3)を電解液に添加して電解すると、特に微粒化を促進することができた。これより、微粒化を図る点からすると、カルボキシル基を2つ以上含有するカルボン酸、その中でもカルボキシル基を2つ以上含有するオキシカルボン酸、その中でも特にカルボキシル基を3つ以上含有するオキシカルボン酸或いはカルボキシル基を2つ以上含有し且つヒドロキシ基を2つ以上含有するオキシカルボン酸を電解液に添加するのが好ましいことが分った。この点からすると、弱酸を電解液に添加することにより、弱酸が銀イオンを錯体化しているか、或いは、カルボキシル基或いはヒドロキシ基のOH-などが銀イオンに吸着するかして、銀粒子の成長を抑制しているものと推察することができる。
実施例1〜6のいずれにおいても、比較例1に比べて粒度が小さく、且つデンドライト状の粒子を主成分とする銀粉を得ることができた。
特に有機酸、中でもリンゴ酸(実施例1)、クエン酸(実施例2)、酒石酸(実施例3)及びコハク酸(実施例4)、その中でも特にリンゴ酸(実施例1)、クエン酸(実施例2)及び酒石酸(実施例3)を電解液に添加して電解すると、特に微粒化を促進することができた。これより、微粒化を図る点からすると、カルボキシル基を2つ以上含有するカルボン酸、その中でもカルボキシル基を2つ以上含有するオキシカルボン酸、その中でも特にカルボキシル基を3つ以上含有するオキシカルボン酸或いはカルボキシル基を2つ以上含有し且つヒドロキシ基を2つ以上含有するオキシカルボン酸を電解液に添加するのが好ましいことが分った。この点からすると、弱酸を電解液に添加することにより、弱酸が銀イオンを錯体化しているか、或いは、カルボキシル基或いはヒドロキシ基のOH-などが銀イオンに吸着するかして、銀粒子の成長を抑制しているものと推察することができる。
Claims (5)
- 弱酸を添加してなる銀塩水溶液を電解液に用いて電解することを特徴とする銀粉の製造方法。
- 弱酸が、カルボン酸であることを特徴とする請求項1記載の銀粉の製造方法。
- 弱酸が、カルボキシル基を2つ以上有するカルボン酸であることを特徴とする請求項1又は2に記載の銀粉の製造方法。
- 弱酸が、カルボキシル基を2つ以上有するオキシカルボン酸であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の銀粉の製造方法。
- 得られる銀粉が、デンドライト状を呈する銀粉粒子を主形状とし、且つ、中心粒径(D50)0.05μm〜3.0μmであることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の銀粉の製造方法。
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