JP2009046471A - 睡眠改善剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】「寝つきが悪い」および「眠りが浅い」等の症状を訴えている現代人の、一時的な不眠を緩和し、且つ、起床時における眠気(持ち越し効果)を減弱させた睡眠改善剤を提供する。
【解決手段】ビャクシ及び抗ヒスタミン剤を含有することを特徴とする睡眠改善剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、ビャクシ及び抗ヒスタミン剤を含有する睡眠改善剤に関する。
労働環境や社会環境の変化あるいは日常的なストレスなどにより、不眠に悩む人は非常に多い。不眠の自覚症状は多様であり、「寝付きが悪い」、「眠りが浅い」、「目覚めが悪い」、「熟眠感がない」および「昼間に眠気がある」などがある。特に、「寝付きが悪い」、「眠りが浅い」あるいは「目覚めが悪い」という不眠の症状に対する改善欲求は高い。
不眠症の人は不眠を軽減するため、医療用医薬品である催眠剤や漢方処方の服用、一般用医薬品である塩酸ジフェンヒドラミンを含有する睡眠改善剤や催眠鎮静剤、トケイソウなどの生薬を含有する催眠鎮静剤の服用、アミノ酸の一つであるグリシンやギャバを含有する食品の摂取、あるいは寝具や睡眠時の環境の改善などを行っている。
医療用医薬品は、主に慢性的な不眠と診断されている患者に対して処方されており、比較的強い中枢抑制作用を有するものである。このことから、医師の診断が必要であり、軽度の不眠を訴えている患者に対しては処方され難い。一方、一般用医薬品である睡眠改善剤や催眠鎮静剤は、軽度の不眠や一時的な不眠を改善するために市販されている。特に、塩酸ジフェンヒドラミンを主とする一般用医薬品は、一時的な不眠の寝つきの悪さや浅い眠りといった症状を緩和するために、不眠に悩む多くの人に服用されている。抗ヒスタミン剤を配合した睡眠改善剤は、一時的な不眠の寝つきの悪さや浅い眠りといった症状を緩和する効果を有しているが、本症状の緩和に十分な量の抗ヒスタミン剤を配合すると起床時においても睡眠効果が持続し、過剰な眠気のために起床時の目覚めの悪さに対して十分な効果は期待できない。一方、起床時における眠気(持ち越し効果)を減弱させるために抗ヒスタミン剤を減量すると、寝つきの悪さや浅い眠りを十分に改善できないことから、目覚めは却って悪くなるという問題がある。このことから、一時的な不眠の寝つきの悪さや浅い眠りに対して、十分な改善効果を有し、且つ、起床時の眠気がなく目覚めが良い睡眠改善剤が望まれている。
これまで、ホップ、チョウトウコウ、ニンジン、センキュウ、カノコソウ、サンソウニン及びセイヨウチャボトケイソウ等の生薬と抗ヒスタミン剤を併用することにより、催眠作用が増強されることは報告されているが、起床時の目覚めの悪さに対する改善効果は報告されていない(特許文献1、2及び3参照)。
一方、ビャクシは、セリ科のヨロイグサ、エゾヨロイグサまたはエゾノヨロイグサ、カラビャクシ、コウビャクシ又はそれらの変種の根を乾燥したものである。ビャクシは鎮痛作用、呼吸中枢興奮作用、抗菌作用、抗アレルギー作用を有しており、頭痛、めまい、副鼻腔炎の鎮静、鎮痛等の目的に用いられている(非特許文献1参照)。ヒトにおける内服としては、頭痛の鎮静目的として1日約5gのビャクシが煎じて飲まれており、また副鼻腔炎の鎮静目的として1日約20gのビャクシが煎じて飲まれている(非特許文献1参照)。しかしながら、ビャクシによる抗ヒスタミン剤の睡眠増強作用及び目覚めの悪さに対する改善効果は報告されていない。
汎用生薬便覧、平成12年6月、P770-778 特開2005-281201号公報 特開平10-17482号公報 特開平4-36243号公報
本発明の目的は、抗ヒスタミン剤を含有し、「寝つきが悪い」、「眠りが浅い」および「目覚めが悪い」等の不眠における症状を有効に緩和し且つ副作用の少ない睡眠改善剤を提供することである。
本発明者は上記課題を解決するために鋭意検討した結果、鎮痛等の目的で従来から用いられているビャクシが、抗ヒスタミン剤による催眠効果を有効に増強し、且つ、起床時における眠気を減弱することにより目覚めの悪さを改善することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
(1)ビャクシ及び抗ヒスタミン剤を含有することを特徴とする睡眠改善剤であり、
(2)抗ヒスタミン剤が、イソチペンジル、イプロヘプチン、ジフェテロール、ジフェニルピラリン、ジフェンヒドラミン、トリプロリジン、トリペレナミン、トンジルアミン、プロメタジン、メトジラジン、カルビノキサミン、アリメマジン、クロルフェニラミン、アゼラスチン、フェネタジン、メブヒドロリン、オロパタジン、ケトチフェン及びメキタジン並びにこれらの塩からなる群より選ばれる1種または2種以上である、上記(1)記載の睡眠改善剤であり、
(3)抗ヒスタミン剤がジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン又はそれらの塩である、上記(1)記載の睡眠改善剤であり、
(4)寝つきの悪さ、眠りの浅さ、目覚めの悪さを改善するための、上記(1)〜(3)のいずれか1項記載の睡眠改善剤であり、
(5)睡眠持続時間が短いことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の睡眠改善剤であり、
(6)起床時の眠気が減弱されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の睡眠改善剤である。
本発明により、生薬のビャクシを抗ヒスタミン剤と併用することにより、抗ヒスタミン剤の催眠作用が増強され、且つ、起床時における眠気(持ち越し効果)を減弱させた睡眠改善剤を提供することが可能になった。
本発明に用いるビャクシは、乾燥末をそのまま用いても良いが、ビャクシエキスとした方がより少ない摂取量で有効量を得られることから好ましい。エキスは、水、低級脂肪族アルコール(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等)、低級脂肪族ケトン(アセトン等)、あるいはこれらを含む溶媒により当業者が通常行う抽出処理により容易に製造することができる。製造したエキスは、加熱処理、凍結乾燥あるいは減圧乾燥などの処理により、濃縮エキス、乾燥エキス及び軟エキスにすることができる。
本発明の睡眠改善剤には、必要ならば発明の効果を損なわない範囲で、ビタミン類、ミネラル、生薬、生薬のエキス、有機酸、補酵素等を配合してもよい。
本発明に用いる抗ヒスタミン剤としては、イソチペンジル、イプロヘプチン、ジフェテロール、ジフェニルピラリン、ジフェンヒドラミン、トリプロリジン、トリペレナミン、トンジルアミン、プロメタジン、メトジラジン、カルビノキサミン、アリメマジン、クロルフェニラミン、アゼラスチン、フェネタジン、メブヒドロリン、オロパタジン、ケトチフェン及びメキタジン等が挙げられる。
本発明に用いる抗ヒスタミン剤は、医薬上許容される塩として用いることができる。医薬上許容される塩として好ましくは酸付加塩であり、例えば塩酸塩、サリチル酸塩、ジフェニルジスルホン酸塩、酒石酸塩、タンニン酸塩、テオクル酸塩、マレイン酸塩、メチレンジサルチル酸塩及びフマル酸塩等が挙げられる。
本発明は、必要に応じて、例えば、賦形剤、結合剤、被覆剤、滑沢剤、糖衣剤、崩壊剤、増量剤、矯味矯臭剤、乳化剤、可溶化剤、分散剤、安定剤、pH調整剤、等張剤、溶解補助剤、緩衝剤、清涼化剤、消泡剤、粘稠剤、水溶性基剤、懸濁化剤等を用いて一般的な製剤化方法により、錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、ドライシロップ剤、液剤等の経口製剤とすることができる。
本発明における、抗ヒスタミン剤及びビャクシの投与量は、年齢、性別、体重などによって異なる。ビャクシの投与量は原生薬換算で成人1回あたり約0.05g〜20g、好ましくは0.1〜3gである。また、抗ヒスタミン剤の投与量は、一般的には0.15〜150mg、好ましくは0.5〜100mgであり、抗ヒスタミン剤が塩酸ジフェンヒドラミン又はマレイン酸クロルフェニラミンの場合、投与量は、好ましくは1〜75 mgである。
本発明における、ビャクシ(原生薬換算)の配合量は、抗ヒスタミン剤1質量部に対して0.1〜150000質量部であり、好ましくは1〜15000質量部であり、さらに好ましくは10〜1500質量部である。
睡眠薬(睡眠導入剤)は、作用時間によって超短時間型、短時間型、中間型、長時間型等に分類される。本発明の睡眠改善剤は、作用持続時間が短く、超短時間型あるいは短時間型に分類され、起床時の眠気がなく、目覚めがよい、睡眠持続時間が8時間以下であることが好ましい。
以下、製造例、実施例、試験例及び比較例を挙げ本発明を具体的に説明する。
(製造例1)
ビャクシ乾燥物100gに対し、10倍量の50%エタノール溶液を加えて加熱抽出した後、得られた抽出液よりエタノールを留去した。さらに、減圧濃縮を行うことにより、軟エキスを得た。
(製造例2)
ホップ乾燥物100gに対し、10倍量の50%エタノール溶液を加えて加熱抽出し、前記と同様の抽出処理により軟エキスを得た。
(製造例3)
溶媒に水を用いて製造例1と同様の方法にて、抽出、濃縮を行い、軟エキスを得た。
(製造例4)
溶媒に水を用いて製造例1と同様の方法にて抽出を行った後、乾燥し、乾燥エキスを得た。
(実施例1)
散剤1
製造例1で得られたビャクシ軟エキス4.3g(原生薬対比2.9)を乾燥させ、ビャクシ乾燥エキス2.7g(原生薬対比4.64)を得た。ビャクシ乾燥エキス1.08g(原生薬換算5.0g)、塩酸ジフェンヒドラミン0.125g、とうもろこしでんぷん1.14g、乳糖2.66gを用いて、常法により塩酸ジフェンヒドラミンおよびビャクシ乾燥エキスの散剤5.0gを得た。これを分包し、1回服用あたり1.0gの散剤4包を得た。
(実施例2)
製造例4で得られたエキスを5.4g(原生薬対比3.5)秤量し、ろ過滅菌水を用いて、全量189mLの液剤を得た。本液剤60mLに塩酸ジフェンヒドラミンを添加し、最終濃度がビャクシ500(原生薬換算)mg/10mL、塩酸ジフェンヒドラミンが12.5mg/10mLとなる全量120mLの液剤を得た。
(実施例3)
製造例4で得られたエキスを5.4g(原生薬対比3.5)秤量し、ろ過滅菌水を用いて、全量189mLの液剤を得た。本液剤60mLにd-マレイン酸クロルフェニラミンを添加し、最終濃度がビャクシ500(原生薬換算)mg/10mL、d-マレイン酸クロルフェニラミンが1.5mg/10mLとなる全量120mLの液剤を得た。
(実施例4)
製造例3で得られたエキスを5.0g(原生薬対比1.2)秤量し、ろ過滅菌水を用いて、全量60mLの液剤を得た。本液剤60mLに塩酸ジフェンヒドラミンを添加し、最終濃度がビャクシ500(原生薬換算)mg/10mL、塩酸ジフェンヒドラミンが12.5mg/10mLとなる全量120mLの液剤を得た。
(試験例1)
製造例1で得られたビャクシエキスの塩酸ジフェンヒドラミンの催眠作用に対する効果を、催眠鎮静剤等の評価に広く用いられている下記のヘキソバルビタール睡眠延長試験により評価した。
ddY系雄性マウスを1群9〜10匹として用いた。
処置群は5群より成り、溶媒群、塩酸ジフェンヒドラミン 10mg/kg群(塩酸ジフェンヒドラミン単独投与群)、塩酸ジフェンヒドラミン20mg/kg群(塩酸ジフェンヒドラミン単独投与群)、ビャクシ400mg/kg(原生薬換算)群(ビャクシエキス単独投与群)、塩酸ジフェンヒドラミン10mg/kgおよびビャクシ400mg/kg群(塩酸ジフェンヒドラミンおよびビャクシエキス併用投与群)とした。
ビャクシおよび塩酸ジフェンヒドラミンは、ろ過滅菌水を用いて調整した。調整液の最終濃度は、塩酸ジフェンヒドラミン10あるいは20mg/10mL、ビャクシ400mg(原生薬換算)/10mL、塩酸ジフェンヒドラミン10mgおよびビャクシ400mg(原生薬換算)/10mLとした。
ヘキソバルビタールは、少量の0.1N水酸化ナトリウム水溶液を添加した5%エタノール水溶液を用いて溶解し、50mg/10mLの濃度にヘキソバルビタール溶液を調整した。
各群のマウスには溶媒あるいは各調整液を経口投与し、60分後にヘキソバルビタール溶液を腹腔内投与した。投与容量は、体重1kgあたり10mLとした。
催眠作用は、ヘキソバルビタール投与からの睡眠導入時間(正向反射消失までの時間)および睡眠持続時間(正向反射回復までの時間−正向反射消失までの時間)の測定により、評価した。
睡眠導入時間および睡眠持続時間の統計解析は、Studentのt検定(両側)にて実施し、危険率(P)が5%未満の場合(p<0.05)に有意差ありとした。
睡眠導入時間における結果を表1に、睡眠持続時間における結果を表2に示す。
Figure 2009046471
Figure 2009046471
試験の結果から、ジフェンヒドラミンとビャクシエキスとの併用により睡眠導入時間は短縮し、10mg/kgの塩酸ジフェンヒドラミンによる睡眠導入時間と比較しても、さらに短縮した。また、ビャクシエキス併用による睡眠持続時間は有意に延長し、10mg/kgの塩酸ジフェンヒドラミンによる睡眠持続時間と比較しても、有意に延長した。
(試験例2)
抗ヒスタミン剤投与30分後の催眠作用をヘキソバルビタール睡眠延長試験により評価した。
SD系雄性ラットに溶媒、塩酸ジフェンヒドラミン12.5mg/kg、塩酸ジフェンヒドラミン25mg/kgを経口投与した。なお、検体は、ろ過滅菌水を用いて調整した。
各検体投与30分後、ヘキソバルビタール溶液(100mg/5mL)を5mL/kgの用量で腹腔内投与した。
催眠作用は、ヘキソバルビタール投与からの睡眠持続時間(正向反射回復までの時間−正向反射消失までの時間)を測定することにより算出した。
結果を表3に示す。
Figure 2009046471
試験の結果から、抗ヒスタミン剤を経口投与した群では、睡眠持続時間に対する有意な延長効果が認められ、用量の増加に伴う催眠作用が認められた。
(試験例3)
実施例2、実施例3投与30分後の催眠作用をヘキソバルビタール睡眠延長試験により評価した。
SD系雄性ラットに溶媒、塩酸ジフェンヒドラミンを12.5mg/kg、実施例2を10mL/kg、d-マレイン酸クロルフェニラミンを1.5mg/kg、実施例3を10mL/kgの用量で経口投与した。なお、検体は、ろ過滅菌水を用いて調整した。
各検体投与30分後、ヘキソバルビタール溶液(100mg/5mL)を5mL/kgの用量で腹腔内投与した。
催眠作用は、ヘキソバルビタール投与からの睡眠持続時間(正向反射回復までの時間−正向反射消失までの時間)を測定することにより算出した。
結果を表4に示す。
Figure 2009046471
試験の結果から、実施例2及び実施例3を投与した群では、投与30分後において、抗ヒスタミン剤単独投与群よりも睡眠持続時間に対する延長効果が認められたことから、強い催眠作用を有することが明らかとなった。
(試験例4)
抗ヒスタミン剤投与8時間後の眠気(持ち越し効果)を下記のヘキソバルビタール睡眠延長試験により評価した。
SD系雄性ラットに溶媒、塩酸ジフェンヒドラミン12.5mg/kg、塩酸ジフェンヒドラミン25mg/kgを経口投与した。なお、検体は、ろ過滅菌水を用いて調整した。
各検体投与8時間後、ヘキソバルビタール溶液(100mg/5mL)を5mL/kgの用量で腹腔内投与した。
投与8時間後の眠気は、ヘキソバルビタール投与からの睡眠持続時間(正向反射回復までの時間−正向反射消失までの時間)を測定することにより算出した。
結果を表5に示す。
Figure 2009046471
試験の結果から、抗ヒスタミン剤を経口投与した群では、経口投与8時間後においても、睡眠持続時間に対する有意な延長効果が認められ、催眠作用の持続時間が長く、起床時の眠気(持ち越し効果)が強いことが示唆された。
(試験例5)
実施例4投与8時間後の眠気(持ち越し効果)を下記のヘキソバルビタール睡眠延長試験により評価した。
SD系雄性ラットに溶媒、塩酸ジフェンヒドラミンを25mg/kg、実施例4を10mL/kgの用量で経口投与した。なお、検体は、ろ過滅菌水を用いて調整した。
各検体投与8時間後、ヘキソバルビタール溶液(100mg/5mL)を5mL/kgの用量で腹腔内投与した。
投与8時間後の眠気は、ヘキソバルビタール投与からの睡眠持続時間(正向反射回復までの時間−正向反射消失までの時間)を測定することにより算出した。
結果を表6に示す。
Figure 2009046471
試験の結果から、塩酸ジフェンヒドラミン25mg/kg単独投与群では、経口投与8時間後においても、睡眠持続時間に対する有意な延長効果が認められ、起床時の眠気(持ち越し効果)が強いことが示唆されたが、実施例4投与群では有意な延長効果は認められず、起床時の眠気(持ち越し効果)が減弱されることが明らかとなった。
(比較例1)
試験例1の試験法と同様の方法にて、製造例2で得られたホップ軟エキスについて、塩酸ジフェンヒドラミンの催眠作用に対する併用効果を評価した。
ddY系雄性マウスを1群10匹として用いた。
処置群は5群より成り、溶媒群、塩酸ジフェンヒドラミン10mg/kg群(塩酸ジフェンヒドラミン単独投与群)、塩酸ジフェンヒドラミン20mg/kg群(塩酸ジフェンヒドラミン単独投与群)、塩酸ジフェンヒドラミン10mg/kgおよびホップ 400mg/kg群(塩酸ジフェンヒドラミンおよびホップエキス併用投与群)、塩酸ジフェンヒドラミン10mg/kgおよびホップ800mg/kg群(塩酸ジフェンヒドラミンおよびホップエキス併用投与群)とした。
ホップおよび塩酸ジフェンヒドラミンは、ろ過滅菌水を用いて調整した。調整液の最終濃度は、塩酸ジフェンヒドラミン10あるいは20mg/10mL、塩酸ジフェンヒドラミン10mgおよびホップ400あるいは800mg(原生薬換算)/10mLとした。
催眠作用は、ヘキソバルビタール投与からの睡眠持続時間(正向反射回復までの時間−正向反射消失までの時間)の測定により、評価した。
結果を表7に示す。
Figure 2009046471
試験の結果から、鎮静作用や睡眠延長作用などの中枢抑制作用を有することが報告されている生薬であるホップ軟エキスは、ビャクシ軟エキスと比較して原生薬換算800mg/kgの高用量の単回投与においても、睡眠持続時間を有意に延長しなかった。このように、催眠鎮静作用が知られているホップにおいては、ビャクシと比較してかなりの高用量を併用しても、睡眠持続時間に対する延長作用は認められなかった。
以上の結果から、ビャクシを抗ヒスタミン剤と組み合わせることにより、強い催眠作用を得ることが可能となり、不眠の時の「寝つきが悪い」および「眠りが浅い」等の症状を緩和し、且つ、「目覚めの悪さ」すなわち起床時における眠気(持ち越し効果)を減弱させた睡眠改善剤を提供することが可能となった。
本発明により、安全性が高く、且つ有効性の高い睡眠改善剤が得られることから、不眠に悩む人々の病状の予防、緩和及び治療に有用な、安心して服用できる医薬品等を提供することが期待できる。

Claims (6)

  1. ビャクシ及び抗ヒスタミン剤を含有することを特徴とする睡眠改善剤。
  2. 抗ヒスタミン剤が、イソチペンジル、イプロヘプチン、ジフェテロール、ジフェニルピラリン、ジフェンヒドラミン、トリプロリジン、トリペレナミン、トンジルアミン、プロメタジン、メトジラジン、カルビノキサミン、アリメマジン、クロルフェニラミン、アゼラスチン、フェネタジン、メブヒドロリン、オロパタジン、ケトチフェン及びメキタジン並びにこれらの塩からなる群より選ばれる1種または2種以上である、請求項1記載の睡眠改善剤。
  3. 抗ヒスタミン剤がジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン又はそれらの塩である、請求項1記載の睡眠改善剤。
  4. 寝つきの悪さ、眠りの浅さ、目覚めの悪さを改善するための、請求項1〜3のいずれか1項記載の睡眠改善剤。
  5. 睡眠持続時間が短いことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の睡眠改善剤。
  6. 起床時の眠気が減弱されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の睡眠改善剤。
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