JP2008280332A - 睡眠改善剤 - Google Patents

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Shinichi Ogawa
伸一 小川
Keiko Takeuchi
敬子 竹内
Makoto Yoshimoto
真 吉本
Hiroki Kanbe
太樹 神辺
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Abstract

【課題】「寝つきが悪い」および「眠りが浅い」等の症状を訴えている現代人の、一時的な不眠を緩和し、かつ副作用の少ない睡眠改善剤を提供する。
【解決手段】シンイ及び抗ヒスタミン剤を有効成分として含有することを特徴とする睡眠改善剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、シンイと抗ヒスタミン剤とを含有する睡眠改善剤に関する。
労働環境や社会環境の変化あるいは日常的なストレスなどにより、不眠に悩む国民は非常に多い。不眠の自覚は多様であり、「寝付きが悪い」、「眠りが浅い」、「目覚めが悪い」、「熟眠感がない」及び「昼間に眠気がある」などがある。特に、「寝付きが悪い」あるいは「眠りが浅い」による不眠に対する改善欲求は高い。
国民は不眠を軽減するため、医療用医薬品である催眠剤や漢方処方の服用、一般用医薬品である塩酸ジフェンヒドラミンを含有する睡眠改善剤や催眠鎮静剤、トケイソウなどの生薬を含有する催眠鎮静剤の服用、アミノ酸のひとつであるグリシンやギャバを含有する食品の摂取、あるいは寝具や睡眠時の環境の改善などを行っている。
医療用医薬品は、主に慢性的な不眠と診断されている患者に対して処方されており、強い中枢抑制作用による過度の鎮静や依存性の問題などがある。このため、医師の診断により軽度の不眠を訴えている患者に対しては処方され難い。一方、一般用医薬品である睡眠改善剤や催眠鎮静剤は、軽度の不眠や一時的な不眠を改善するために市販されている。特に、塩酸ジフェンヒドラミンを主とする一般用医薬品は、一時的な不眠の寝つきの悪さや浅い眠りなどの症状を緩和しており、不眠に悩む多くの国民に服用されている。しかし、塩酸ジフェンヒドラミン等の多くの抗ヒスタミン剤は、催眠作用に有効な量を用いた場合、起床時の頭重感、悪心、頭痛などの副作用を伴う問題がある。また、抗コリン作用も有していることから、緑内障や排尿困難を悪化させる可能性もある。このため、十分な催眠作用を発現する用量まで、増量できない問題もある。従って、催眠作用を発現する、副作用の少ない睡眠改善剤が望まれている。
この課題を解決する方法として、催眠鎮静作用を有する生薬と抗ヒスタミン剤とを併用することにより、より良い睡眠改善剤の提供が試みられている。催眠作用が期待されている精油のビャクダンやラベンダー、カモミール、カバカバが抗ヒスタミン剤の催眠作用を増強することが提案されている(特許文献1、2及び3参照)。
また、催眠鎮静効果が古くより知られており、不眠を軽減するために単独で服用あるいは他生薬との併用により一般用医薬品の催眠鎮静剤の配合剤として服用されているホップ、チョウトウコウ、ニンジン、センキュウ、カノコソウ、サンソウニン、トケイソウ、セイヨウチャボトケイソウと抗ヒスタミン剤との併用による催眠作用の増強も提案されている(特許文献4、5及び6参照)。しかし、これらの催眠作用を有している生薬には、抗ヒスタミン剤との併用によって催眠効果を増強させることを期待できるが、過度の鎮静や抗ヒスタミン剤の有する副作用の増強や新たなる毒性の発現など、安全性についての課題が残っている。従って、抗ヒスタミン剤との併用によっても、不眠に悩む国民の誰もが安心して服用できる睡眠改善剤の提案が望まれる。
一方、シンイ(辛夷)は、モクレン科の落葉低木コブシまたはタムシバ、又はその他近縁植物の花蕾を乾燥したものである。シンイは降圧作用、筋弛緩作用、抗アレルギー作用、抗ウィルス作用を有しており、頭痛、歯痛、鼻炎の鎮静、鎮痛等の目的に用いられている。また、シンイの毒性はきわめて小さく、ラットにエキスを腹腔内注射したときの LD50 の測定値は22.5±0.96 g/kg、マウスでは19.9±0.25 g/kgである(非特許文献1参照)。ヒトにおける内服としては、消炎薬として、頭痛、鼻炎、蓄膿症による頭重感などに応用され、1日2〜5 gを煎じて飲まれている(非特許文献1参照)。さらに、シンイより抽出したエキスは、抗ヒスタミン剤との併用により鼻炎用内服剤として汎用されており、抗ヒスタミン剤との併用において慢性的な服用においても、安全性の高い生薬エキスであることが知られている。しかしながら、シンイの睡眠導入作用の増強に関する作用は報告されていない。
汎用生薬便覧、平成12年6月、P510-518 特開平10-25245号公報 特開平10-25246号公報 特開2005-281201号公報 特開2005-281201号公報 特開平10-17482号公報 特開平4-36243号公報
本発明の目的は、抗ヒスタミン剤との併用においても、「寝つきが悪い」及び「眠りが浅い」等の不眠における症状を有効に緩和し、かつ副作用の少ない安全性の確保された睡眠改善剤を提供することである。
本発明者は上記課題を解決するために鋭意検討した結果、古くより汎用されている生薬であり、抗ヒスタミン剤との併用においても安全性が確保されている生薬であるシンイが、抗ヒスタミン剤による催眠効果を有効に増強させることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
(1)シンイ及び抗ヒスタミン剤を有効成分として含有することを特徴とする睡眠改善剤であり、
(2)抗ヒスタミン剤が、イソチペンジル、イプロヘプチン、ジフェテロール、ジフェニルピラリン、ジフェンヒドラミン、トリプロリジン、トリペレナミン、トンジルアミン、プロメタジン、メトジラジン、カルビノキサミン、アリメマジン、クロルフェニラミン、アゼラスチン、フェネタジン、メブヒドロリン、オロパタジン、ケトチフェン及びメキタジン並びにこれらの塩からなる群から選ばれる1種または2種以上である、上記(1)記載の睡眠改善剤であり、
(3)抗ヒスタミン剤がジフェンヒドラミン又はその塩である、上記(1)記載の睡眠改善剤である。
本発明により、生薬であるシンイを抗ヒスタミン剤と併用することにより、抗ヒスタミン剤の催眠作用を安全に且つ有効に増強させることができた。
本発明に用いるシンイは、乾燥末をそのまま用いても良いが、シンイエキスとした方が効率的に摂取することができ、好ましい。エキスは、水、低級脂肪族アルコール(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等)、低級脂肪族ケトン(アセトン等)、あるいはこれらを含む溶媒により当業者が通常行う抽出処理により容易に製造することができ、高濃度のアルコールを含有する水溶液で抽出したエキスが特に好ましい。製造したエキスは、加熱処理、凍結乾燥あるいは減圧乾燥などの処理により、濃縮エキス、乾燥エキス及び軟エキスにすることができる。
シンイは、単独で使用することができるが、必要ならば発明の効果を損なわない質的及び量的範囲で、任意の担体(水溶性ビタミン、脂溶性ビタミン、ビタミン誘導体、ミネラル、生薬、生薬のエキス、有機酸、補酵素等)などと混合して使用することができる。
本発明に用いる抗ヒスタミン剤とは、一般用医薬品に配合することが可能である抗ヒスタミン剤を示し、イソチペンジル、イプロヘプチン、ジフェテロール、ジフェニルピラリン、ジフェンヒドラミン、トリプロリジン、トリペレナミン、トンジルアミン、プロメタジン、メトジラジン、カルビノキサミン、アリメマジン、クロルフェニラミン、アゼラスチン、フェネタジン、メブヒドロリン、オロパタジン、ケトチフェン及びメキタジンなどが挙げられる。
本発明に用いる抗ヒスタミン剤は塩として用いることができ、塩としては医薬上許容される塩であり、好ましくは酸付加塩が挙げられ、塩酸塩、サリチル酸塩、ジフェニルジスルホン酸塩、酒石酸塩、タンニン酸塩、テオクル酸塩、マレイン酸塩、メチレンジサルチル酸塩及びフマル酸塩などが挙げられる。
本発明は、必要に応じて、例えば、賦形剤、結合剤、被覆剤、滑沢剤、糖衣剤、崩壊剤、増量剤、矯味矯臭剤、乳化剤、可溶化剤、分散剤、安定剤、pH調整剤、等張剤、溶解補助剤、緩衝剤、清涼化剤、消泡剤、粘稠剤、水溶性基剤、懸濁化剤を用いて一般的な製剤化方法により、錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、ドライシロップ剤、液剤などの経口製剤とすることができる。
本発明における、抗ヒスタミン剤及び、シンイの投与量は、年齢、性別、体重などによって異なる。抗ヒスタミン剤の投与量は、0.15〜150mg、好ましくは0.5〜100mgである。また、シンイの投与量は原生薬換算で成人1回あたり約0.05g〜10 g、好ましくは0.1〜3 gである。
本発明において、好ましい組み合わせは、塩酸ジフェンヒドラミンとシンイエキスの場合であり、その際の塩酸ジフェンヒドラミンの好ましい投与量は5〜50 mgであり、シンイエキスの好ましい投与量は原生薬換算で0.2〜1gである。
以下、製造例、実施例、試験例及び比較例を挙げ本発明を具体的に説明する。
(製造例1)
シンイ乾燥物(中華人民共和国浙江省 産)100質量部に対し、50%エタノール溶液1000質量部を加えて加熱抽出した後、得られた抽出液よりエタノールを留去した。さらに、減圧濃縮を行うことにより、軟エキスを得た(50%アルコール抽出シンイエキス)。
(製造例2)
シンイ乾燥物(中華人民共和国浙江省 産)100質量部に対し、30%エタノール溶液1000質量部を加えて加熱抽出した後、得られた抽出液よりエタノールを留去した。さらに、減圧濃縮を行うことにより、軟エキスを得た(30%アルコール抽出シンイエキス)。
(製造例3)
アセンヤク乾燥物(インドネシア共和国 産)100質量部に対し、50%エタノール溶液1000質量部を加えて加熱抽出し、前記と同様の抽出処理により軟エキスを得た。アセンヤクには、抗線溶活性作用、抗血栓作用、止瀉作用、抗腫瘍作用を有していることが知られている。
(製造例4)
オウゴン乾燥物(中華人民共和国内モンゴル自治区 産)100質量部に対し、50%エタノール溶液1000質量部を加えて加熱抽出し、前記と同様の抽出処理により軟エキスを得た。オウゴンには、鎮静作用や運動抑制作用などの中枢抑制作用の他、体温低下作用、血圧降下作用、毛細血管強化作用、抗動脈硬化作用、脂質代謝改善作用、肝障害予防作用、抗消化性潰瘍作用、抗炎症及び抗アレルギー作用を有していることが知られている。
(製造例5)
オウヒ乾燥物(日本国 産)100質量部に対し、50%エタノール溶液1000質量部を加えて加熱抽出し、前記と同様の抽出処理により軟エキスを得た。オウヒには、解熱作用、鎮咳作用を有していることが知られている。
(製造例6)
カロニン乾燥物(中華人民共和国安徽省 産)100質量部に対し、50%エタノール溶液1000質量部を加えて加熱抽出し、前記と同様の抽出処理により軟エキスを得た。カロニンには、抗消化性潰瘍作用、血小板機能抑制作用、アルコール代謝促進作用、免疫賦活作用、抗腫瘍作用を有していることが知られている。
(製造例7)
カンゾウ乾燥物(中華人民共和国内モンゴル自治区 産)100質量部に対し、50%エタノール溶液1000質量部を加えて加熱抽出し、前記と同様の抽出処理により軟エキスを得た。カンゾウには、鎮静作用の他、鎮痙作用、鎮咳作用、抗消化性潰瘍作用、利胆作用、慢性肝炎への作用、肝機能改善作用、肝細胞障害抑制作用、肝保護作用、抗炎症及び抗アレルギー作用、ステロイドホルモン様作用、抗糖尿病作用、抗動脈硬化作用を有していることが知られている。
(製造例8)
サイシン乾燥物(朝鮮民主主義人民共和国 産)100質量部に対し、50%エタノール溶液1000質量部を加えて加熱抽出し、前記と同様の抽出処理により軟エキスを得た。サイシンには、解熱及び鎮痛作用、抗アレルギー作用、環状ヌクレオチドに対する作用、鎮咳作用、抗腫瘍作用、抗カビ作用を有していることが知られている。
(製造例9)
シオン乾燥物(中華人民共和国河北省 産)100質量部に対し、50%エタノール溶液1000質量部を加えて加熱抽出し、前記と同様の抽出処理により軟エキスを得た。シオンには、鎮咳作用、去痰作用、抗結核作用、抗菌及び抗ウイルス作用、利尿作用を有していることが知られている。
(製造例10)
シャゼンソウ乾燥物(中華人民共和国四川省 産)100質量部に対し、50%エタノール溶液1000質量部を加えて加熱抽出し、前記と同様の抽出処理により軟エキスを得た。シャゼンソウには、利尿作用、消炎止血作用、止瀉作用、鎮咳作用、去痰作用を有していることが知られている。
(製造例11)
ショウキョウ乾燥物(中華人民共和国雲南省 産)100質量部に対し、50%エタノール溶液1000質量部を加えて加熱抽出し、前記と同様の抽出処理により軟エキスを得た。ショウキョウには、運動抑制作用や睡眠延長作用などの中枢抑制作用の他、解熱及び鎮痛作用、抗けいれん作用、鎮咳作用、鎮吐作用、血圧降下作用、強心作用、唾液分泌亢進作用、胃腸運動への作用、抗潰瘍作用、肝障害予防及び改善作用を有していることが知られている。
(製造例12)
セキサン乾燥物(日本国 産)100質量部に対し、50%エタノール溶液1000質量部を加えて加熱抽出し、前記と同様の抽出処理により軟エキスを得た。セキサンには、去痰作用、催吐作用を有していることが知られている。
(製造例13)
セネガ乾燥物(日本国 産)100質量部に対し、50%エタノール溶液1000質量部を加えて加熱抽出し、前記と同様の抽出処理により軟エキスを得た。セネガには、鎮咳作用を有していることが知られている。
(製造例14)
ゼンコ乾燥物(中華人民共和国安徽省 産)100質量部に対し、50%エタノール溶液1000質量部を加えて加熱抽出し、前記と同様の抽出処理により軟エキスを得た。ゼンコには、抗炎症作用、抗浮腫作用、腸管血流量増加作用を有していることが知られている。
(製造例15)
ソウハクヒ乾燥物(中華人民共和国安徽省 産)100質量部に対し、50%エタノール溶液1000質量部を加えて加熱抽出し、前記と同様の抽出処理により軟エキスを得た。ソウハクヒには、鎮痛作用、抗炎症作用、鎮咳作用、インターフェロン誘起作用、血圧降下作用、血糖降下作用、酵素阻害作用、抗腫瘍作用を有していることが知られている。
(製造例16)
ナンテンジツ乾燥物(日本国 産)100質量部に対し、50%エタノール溶液1000質量部を加えて加熱抽出し、前記と同様の抽出処理により軟エキスを得た。ナンテンジツには、鎮咳作用を有していることが知られている。
(製造例17)
ハンゲ乾燥物(中華人民共和国甘粛省 産)100質量部に対し、50%エタノール溶液1000質量部を加えて加熱抽出し、前記と同様の抽出処理により軟エキスを得た。ハンゲには、鎮静作用の他、抗ストレス作用、鎮痛作用、鎮吐作用、鎮痙作用、唾液分泌亢進作用、抗消化性潰瘍作用、腸管内輸送促進作用、免疫賦活作用、抗アレルギー作用、抗ウィルス作用及び血圧降下作用、ホルモン様作用を有していることが知られている。
(製造例18)
ビャクジュツ乾燥物(中華人民共和国吉林省 産)とする100質量部に対し、50%エタノール溶液1000質量部を加えて加熱抽出し、前記と同様の抽出処理により軟エキスを得た。ビャクジュツには、利尿作用、抗ストレス作用、血糖降下作用、血液凝固抑制作用、肝障害抑制作用、抗消化性潰瘍作用、抗炎症作用、免疫増強作用、放射線障害防護作用、抗腫瘍作用を有していることが知られている。
(製造例19)
マオウ乾燥物(中華人民共和国内モンゴル自治区 産)100質量部に対し、50%エタノール溶液1000質量部を加えて加熱抽出し、前記と同様の抽出処理により軟エキスを得た。マオウには、中枢興奮作用、発熱作用、交感神経興奮様作用、鎮咳作用、抗炎症及び抗アレルギー作用、血糖降下作用、コレステロール上昇作用、血中尿素窒素減少作用、抗腫瘍作用、抗ヒスタミン作用、降圧作用を有していることが知られている。
(実施例1)
散剤1:
製造例1で得られたシンイ軟エキス4.6g(原生薬対比2.9)を乾燥させ、シンイ乾燥エキス2.7g(原生薬対比5.15)を得た。シンイ乾燥エキス0.97g(原生薬換算5.0g)、塩酸ジフェンヒドラミン0.125g、とうもろこしでんぷん1.17g、乳糖2.73gを用いて、常方により塩酸ジフェンヒドラミン及びシンイ乾燥エキスの散剤5.0gを得た。これを分包し、1回服用あたり1.0gの散剤4包を得た。
(試験例1)
製造例1で得られた50%アルコール抽出シンイエキスの塩酸ジフェンヒドラミンの催眠作用に対する効果を、下記のヘキソバルビタール睡眠延長試験により評価した。ヘキソバルビタール睡眠延長試験には、ddY系雄性マウスを1群10匹として用いた。
処置群は5群より成り、溶媒群、塩酸ジフェンヒドラミン 10mg/kg群(塩酸ジフェンヒドラミン単独投与群)、塩酸ジフェンヒドラミン 20mg/kg群(塩酸ジフェンヒドラミン単独投与群)、シンイ 400mg/kg(原生薬換算)群(シンイエキス単独投与群)、塩酸ジフェンヒドラミン 10mg/kg及びシンイ 400mg/kg群(塩酸ジフェンヒドラミン及びシンイエキス併用投与群)とした。
シンイ及び塩酸ジフェンヒドラミンは、ろ過滅菌水を用いて調整した。調整液の最終濃度は、塩酸ジフェンヒドラミン10あるいは20mg/10ml、シンイ400mg(原生薬換算)/10ml、塩酸ジフェンヒドラミン10mg及びシンイ400mg(原生薬換算)/10mlとした。
ヘキソバルビタールは、少量の0.1N水酸化ナトリウム水溶液を添加した5%エタノール水溶液を用いて溶解し、50mg/10mlの濃度にヘキソバルビタール溶液を調整した。
各群のマウスには溶媒あるいは各調整液を経口投与し、60分後にヘキソバルビタール溶液を腹腔内投与した。投与容量は、体重1kgあたり10mlとした。催眠作用は、ヘキソバルビタール投与からの睡眠導入時間(正向反射消失までの時間)及び睡眠持続時間(正向反射回復までの時間−正向反射消失までの時間)の測定により、評価した。睡眠導入時間及び睡眠持続時間の統計解析は、Studentのt検定(両側)にて実施し、危険率(P)が5%未満の場合(P<0.05)に有意差ありとした。睡眠導入時間における結果を表1に、睡眠持続時間における結果を表2に示す。
表1 塩酸ジフェンヒドラミンの睡眠導入時間に対するシンイの併用効果
Figure 2008280332
例数:10匹/群
平均値±標準誤差
シンイ:50%アルコール抽出シンイエキス
表2 塩酸ジフェンヒドラミンの睡眠持続時間に対するシンイの併用効果
Figure 2008280332
例数:10匹/群
平均値±標準誤差
シンイ:50%アルコール抽出シンイエキス
* P<0.05 対溶媒群(Studentのt検定)
# P<0.05 対塩酸ジフェンヒドラミン10mg/kg群(Studentのt検定)
$ P<0.05 対シンイ400mg/kg群(Studentのt検定)
試験例1の結果から、シンイエキス併用により睡眠導入時間は短縮し、10mg/kgの塩酸ジフェンヒドラミンによる睡眠導入時間と比較しても、さらに短縮した。また、シンイエキス併用による睡眠持続時間は有意に延長し、10mg/kgの塩酸ジフェンヒドラミンによる睡眠持続時間と比較しても、有意に延長した。
(比較例1)
試験例1の試験法と同様の方法にて、製造例3から製造例19で得られた17種の生薬エキスについて、塩酸ジフェンヒドラミンの催眠作用に対する併用効果を評価した。
ddY系雄性マウスを1群6〜10匹として用いた。処置群は、対照とする塩酸ジフェンヒドラミン群と生薬との併用群とした。
塩酸ジフェンヒドラミン群には、塩酸ジフェンヒドラミン10mg/10mlの濃度の調整液を経口投与した(塩酸ジフェンヒドラミン単独投与)。併用群には、塩酸ジフェンヒドラミン10mg/10ml及び生薬1.6g(原生薬換算)/10mlの濃度の調整液を経口投与した(塩酸ジフェンヒドラミン及び生薬エキス併用投与)。催眠作用は、ヘキソバルビタール投与からの睡眠持続時間(正向反射回復までの時間−正向反射消失までの時間)の測定により、評価した。睡眠持続時間における結果を表3に示す。
表3 塩酸ジフェンヒドラミンの睡眠持続時間に対する生薬の併用効果
Figure 2008280332
例数:6〜10匹/群
生薬:50%アルコール抽出生薬エキス
比較例1の結果から、鎮静作用や睡眠延長作用などの中枢抑制作用を有することが報告されている生薬であるオウゴン、カンゾウ、ショウキョウは、原生薬換算1.6g/kgの高用量の単回投与においても、睡眠持続時間に影響を与えなかった。このように、抗ヒスタミン剤との併用においても高い安全性が知られている他の生薬においては、シンイと比較してかなりの高用量を併用しても、睡眠持続時間に対する延長作用は認められなかった。
(試験例2)
シンイエキスのストレスによる不眠に対する作用を明らかにするため、4週間の隔離飼育によるマウス不眠モデルを作製し、次の試験を実施した。
製造例2で得られた30%アルコール抽出シンイエキスの塩酸ジフェンヒドラミンの催眠作用に対する効果を、下記のヘキソバルビタール睡眠延長試験により評価した。ヘキソバルビタール睡眠延長試験には、4週間隔離ddY系雄性マウスを1群11匹として用いた。
処置群は4群より成り、溶媒群、塩酸ジフェンヒドラミン 10mg/kg群(塩酸ジフェンヒドラミン単独投与群)、シンイ 400mg/kg(原生薬換算)群(シンイエキス単独投与群)、塩酸ジフェンヒドラミン 10mg/kg及びシンイ 400mg/kg群(塩酸ジフェンヒドラミン及びシンイエキス併用投与群)とした。
シンイ及び塩酸ジフェンヒドラミンは、ろ過滅菌水を用いて調整した。調整液の最終濃度は、塩酸ジフェンヒドラミン10mg/10ml、シンイ400mg(原生薬換算)/10ml、塩酸ジフェンヒドラミン10mg及びシンイ400mg(原生薬換算)/10mlとした。
ヘキソバルビタールは、少量の0.1N水酸化ナトリウム水溶液を添加した5%エタノール水溶液を用いて溶解し、70mg/10mlの濃度にヘキソバルビタール溶液を調整した。
各群のマウスには溶媒あるいは各調整液を経口投与し、60分後にヘキソバルビタール溶液を腹腔内投与した。投与容量は、体重1kgあたり10mlとした。
催眠作用は、睡眠持続時間(正向反射回復までの時間−正向反射消失までの時間)の測定により、評価した。睡眠持続時間の統計解析は、wilcoxon検定(両側)にて実施し、危険率(P)が5%未満の場合(P<0.05)に有意差ありとし、危険率(P)が10%未満の場合(P<0.1)に傾向ありとした。30%アルコール抽出によるシンイエキスを用いた睡眠持続時間における結果を表4に示す。
表4 不眠モデルにおける塩酸ジフェンヒドラミンの睡眠持続時間に対する30%アルコ
ール抽出シンイエキスの併用効果
Figure 2008280332
平均値±標準誤差
例数:11匹/群
シンイ:30%アルコール抽出シンイエキス
* P<0.05 対溶媒群(wilcoxon検定)
# P<0.1 対塩酸ジフェンヒドラミン10mg/kg群(wilcoxon検定)
$ P<0.05 対シンイ400mg/kg群(wilcoxon検定)
試験例2の結果から、ストレスによるマウス不眠モデルにおいてもシンイエキスは塩酸ジフェンヒドラミンなどの抗ヒスタミン剤による催眠作用を増強させた。
本発明により、安全性が高く、且つ有効性の高い睡眠改善剤を提供することができ、不眠に悩む人々の病状の予防及び治療に有用な、安心して服用できる医薬品などに利用可能である。

Claims (4)

  1. シンイ及び抗ヒスタミン剤を有効成分として含有することを特徴とする睡眠改善剤。
  2. 抗ヒスタミン剤が、イソチペンジル、イプロヘプチン、ジフェテロール、ジフェニルピラリン、ジフェンヒドラミン、トリプロリジン、トリペレナミン、トンジルアミン、プロメタジン、メトジラジン、カルビノキサミン、アリメマジン、クロルフェニラミン、アゼラスチン、フェネタジン、メブヒドロリン、オロパタジン、ケトチフェン及びメキタジン並びにこれらの塩からなる群から選ばれる1種または2種以上である、請求項1記載の睡眠改善剤。
  3. 抗ヒスタミン剤がジフェンヒドラミン又はその塩である、請求項1記載の睡眠改善剤。
  4. 寝つきの悪さ、浅い眠りを改善する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の睡眠改善剤。
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