JP2009045715A - 高圧クーラントを用いた切削加工方法 - Google Patents

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倫子 松川
Junya Okita
淳也 沖田
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克己 岡村
Nobuyuki Kitagawa
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Abstract

【課題】切削速度を高めた高能率切削加工や難削材の切削加工などを工具寿命の低下を抑えて行えるようにすることを課題としている。
【解決手段】刃先の少なくとも切削に関与する部分が熱伝導率100W/m・K以上の刃具材料、例えば、cBN焼結体2cやダイヤモンド焼結体で形成された切削工具2を用いてこの工具の刃先を吐出圧力2〜8MPaの高圧クーラント4で冷却しながら被削材1を切削加工するようにした。
【選択図】図1

Description

この発明は、旋削加工やミーリング加工などの切削加工を工具寿命の低下を抑えて行えるようにした高圧クーラントを用いた切削加工方法に関する。
一般的に切削は、クーラント(切削液)を用いないドライ加工や、クーラントを刃先にかけて刃先を冷却しながら切削する湿式加工がある。
工具刃先にクーラントを噴射して刃先を冷却する加工方法は、下記特許文献1〜3などに開示されている。さらに、冷却のほかに切屑処理性の向上などを目的として高圧クーラント供給による加工法なども開発されてきた。
さらに、cBN(立方晶窒化硼素)工具やPCD(焼結ダイヤモンド)工具を使用してクーラント噴射圧を30MPaの超高圧にする実験も行われている(下記非特許文献1,2参照)。
特開平11−230221号公報 特開2005−271201号公報 特開2007−75933号公報 精密工学会誌 Vol.61,No,7,1955 砥粒加工学会誌 Vol.48,No,3,2004 MAR.153-158
切削加工、中でも、加工速度を上げた高能率切削加工では特に、加工中に発生した熱が刃先に篭り、それによる温度上昇によって工具の強度が低下し、それが原因で刃先の摩耗や工具逃げ面の摩耗が進行して工具寿命が低下し易い。
この問題に対し、クーラントによる通常の冷却を行うだけでは刃先の保護が十分でなく、加工時の熱による工具寿命の低下を抑えることができない。
一方、上記非特許文献2では、クーラントを30MPaの高圧で供給した加工において特に工具寿命が長くなった旨の報告がなされている。しかしながら、そのような条件での加工もいくつかの問題を含んでおり、実用面からは更なる改善が望まれる。
非特許文献2が開示している加工法は、摩耗が十分に進行していない段階で境界欠損(切れ刃境界部の欠損)が生じて工具寿命が思ったほど高まらないことがある。これに加えて、クーラント供給設備が特殊になり、クーラント吐出圧力が10MPa未満の既存のクーラント供給設備を使用できないなどの問題や、30MPaもの高圧で供給したクーラントは周囲に飛散して良好な作業環境の維持が難しくなるなどの問題もある。
この発明は、切削速度を高めた高能率切削加工や難削材の加工などを前掲の非特許文献2が開示している切削加工法に勝る切削工具の寿命向上効果を得ながら可能ならしめることを課題としている。
上記の課題を解決するため、この発明においては、刃先の少なくとも切削に関与する部分が熱伝導率100W/m・K以上の刃具材料で形成された切削工具を用いてその切削工具の刃先を吐出圧力2〜8MPaの高圧クーラントで冷却しながら被削材を加工するようにした。
切削加工の形態は、旋削、ミーリングを問わない。高圧クーラントによる刃先の冷却は、すくい面側から行うと冷却の効果が高い。すくい面は切屑の擦過が起こるのですくい面側を優先的に冷却するとよい。
使用する切削工具は、cBN工具に限定されない。PCD工具でもよいが、鉄系材料の加工にはPCD工具は適していないのでcBN工具を使用するとよい。PCD工具、cBN工具のどちらも、切削に関与する部分の熱伝導率については100W/m・K以上の条件を満たすものを使用する。
この方法で用いる切削工具は、刃先の少なくとも切削に関与する部分が熱伝導率200W/m・K以上の刃具材料で形成されたものが好ましい。また、高圧クーラントの吐出圧力は、5〜7MPa程度が好ましい。
この方法は、低熱伝導率の被削材、中でも、熱伝導率が30W/m・K以下の被削材の加工に適用すると特に顕著な効果を期待できる。熱伝導率が30W/m・K以下の被削材の具体例としては、チタン合金、純チタン、Ni基合金、ステンレス鋼などがある。
なお、工具刃先の熱伝導率は、レーザフラッシュ法等で測定することができる。
従来は、使用する工具は熱伝導率が100W/m・Kに満たない超硬合金を材質としたものなどでもよいと考えており、クーラントの吐出圧力と工具の切削に関与する部分の熱伝導率の関係については注目されてこなかった。この発明は、その2つが工具の寿命を大きく左右することを見出して完成させたものである。
この発明では、刃先の少なくとも切削に関与する部分が熱伝導率100W/m・K以上の材料で形成された放熱性の良い切削工具を使用するので、刃先に熱が篭り難い。また、高圧クーラントで刃先を冷却しながら加工を行うので冷却効果も高まり、そのために、切削熱による刃先の温度上昇が抑えられる。さらに、クーラントの吐出圧力を2〜8MPaに設定したことによって不足のない冷却効果を得ながら境界欠損を抑制することが可能になる。
ここで、前掲の非特許文献2が開示している加工方法は、刃先の熱伝導率が100W/m・K以上ある高含有cBN材質工具を採用しており、工具自体の放熱特性はこの発明の加工方法と優位差がない。しかしながら、この非特許文献2の加工方法では30MPaもの高圧クーラントを使用しており、これが工具寿命に関して好ましくない結果を招いていることがわかった。クーラントによる冷却効果はクーラント吐出圧力を高めるほど大きくなるが、クーラント吐出圧力を高めすぎると、刃先部のクーラントが直接吹付けられる部分が冷却過剰になってその部分とクーラント吹付け領域から外れた部分との温度差が大きくなる。特に、工具面のうち、切屑の接触領域はクーラントが当たらない上に切屑の擦過により特に高温になることから、切屑が接触せずにクーラントが吹き付けられる領域との温度差が拡大し易い。また、境界部は切屑の排出の微小振動により、切屑が接触したりしなかったりすることがあり、熱振動のような効果が生じる。それが原因で、硬くて脆いcBNやPCDを採用した工具は特に、境界欠損が発生し易くなり、刃先や逃げ面の摩耗が小さい時期にその境界欠損が発生して工具寿命が短くなる。
この発明では、クーラント吐出圧力の上限を8MPaとしており、局所的な冷却過剰が起こり難い。そのために、切削に関与する部分の温度分布に極端な差が生じることがなく、温度差に起因した境界欠損が抑制されて工具寿命が長くなる。
また、クーラント吐出圧力の上限を8MPaとしたことで既存のクーラント供給設備を使用することができ、供給したクーラントが周囲に飛散して作業環境を悪化させることもなくなる。
以下、添付図面の図1に基づいてこの発明の実施の形態を説明する。図1は、この発明を旋削加工に適用した例を示している。図中1は被削材、2は切削工具(図のそれはバイト)、3はクーラント噴射用のノズルである。このノズル3から噴射されるクーラント4で切削工具2の刃先を冷却しながら被削材1を加工する。クーラントの供給形態は、図の外部給油に限定されず、工具に設けた供給孔などから噴射する内部給油であってもよい。
図示の切削工具2は、シャンク2aの先端にチップ2bを取り付けたバイトであり、チップ2bは、刃先の切削に関与する部分が、100W/m・Kを超える熱伝導率を有したcBN焼結体2cで形成されたものが用いられている。
使用する切削工具は、図1のcBN焼結体2cに代えてPCDを用いたものでもよい。
そのPCDも熱伝導率が100W/m・Kを超えたものを使用する。PCDは、ダイヤモンド粒子の粒径にもよるが、熱伝導率が200〜400W/m・K程度と非常に大きいものがある。cBN工具も熱伝導率が200W/m・Kを超えるものがあり、これらの材料で切れ刃を構成した工具を使用するとより優れた放熱効果が得られる。
工具寿命の向上効果は、切削温度がより高くなるような加工、例えば、切削速度を大きくして加工を行うといったときにより顕著に現れる。
加工時に使用するクーラント4は、一般的に使用される水溶性のエマルジョンタイプの切削液等を用いる。このクーラント4の吐出圧力は、2〜8MPa、より好ましくは、5
〜7MPaとする。その吐出圧力が2MPa以上でクーラント4による刃先の冷却が不足なくなされ、また、その吐出圧力を最大で8MPaまでとすることで工具の境界欠損を減少させることができる。
5〜7MPaの吐出圧力でクーラントを噴射すると、市販の加工機に採用されているクーラント供給装置でも無理な負担をかけずに使用することができ、高圧クーラントの使用効果も十分に引き出されるので、クーラント吐出圧力は5〜7MPaの範囲とするのがよい。
この発明の方法は、熱伝導率の小さい被削材、中でも、熱伝導率が30W/m・K以下の被削材の切削加工に適用すると、特に顕著な効果を期待できる。熱伝導率が30W/m・K以下の被削材の具体例と、それらの材料の熱伝導率を以下に示す。
・Ti−6Al−4Vの組成のチタン合金=7.1W/m・K
・純チタン=15W/m・K
・Ni54.0−Cr18.0−Mo3.0−Fe18.5−Ti0.9−Al0.5−Nb+Ta5.1の組成の析出硬化型Ni合金(インコネル社、商品名インコネル718)=14.6W/m・K
・ステンレス鋼=15〜26W/m・K
これらの材料は、S45C(その熱伝導率=50W/m・K)などに比べると熱伝導率が著しく低く、そのため、切削熱が工具に吸収されて工具刃先に熱が篭り易い。また、チタンやチタン合金などは化学的活性が高く、高温になると工具との反応がより促進される。そのため、摩耗が進行し易い。この発明の加工方法によれば、この種の材料の加工でも工具寿命の低下が抑制される。
以下に、この発明のより詳細な実施例を示す。
−実施例1−
以下の5種類の焼結体A〜Eを作製・加工して刃先の切削に関与する部分がその焼結体
からなる、ISO規格 CNGA120412 の形状の切削工具(切削用チップ)を得た。
A:cBN粒子含有量65vol%のcBN焼結体
B:cBN粒子含有量90vol%のcBN焼結体
C:cBN粒子含有量99vol%以上のcBN焼結体
D:ダイヤモンド粒子の平均粒径が2μmのダイヤモンド焼結体(PCD)
E:ダイヤモンド粒子の平均粒径が10μmのダイヤモンド焼結体(PCD)
次に、これらの切削チップを使用して以下の条件で切削評価を行い、工具寿命および切削距離2.0km到達時の逃げ面摩耗量を調べた。
この評価試験での工具寿命は、逃げ面摩耗量が0.2mmを超えた場合、或いは、工具刃先が欠損した場合とし、寿命までの総切削距離で判定した。
その結果を表1に示す。なお、切削距離2.0km未満で寿命が尽きた工具については、逃げ面摩耗量の評価欄を空欄にしている。
−切削条件−
・被削材:Ti−6Al−4Vの組成のチタン合金丸棒(熱伝導率7.1W/m・K)
・切削形態:外径旋削
・切削速度:V=100m/min
・切り込み:d=0.5mm
・送り:f=0.12mm/rev
・クーラント:水溶性エマルジョンタイプ切削液
・クーラント吐出圧力:0.3MPa〜9.0MPa
Figure 2009045715
表1において、クーラント吐出圧力を6.8MPaに統一したサンプル1,5,14,20,24を比較すると、工具熱伝導率が100W/m・Kを超えた発明品のサンプル5,14,20,24は工具熱伝導率が100W/m・K未満のサンプル1に比べて耐摩耗性に優れており、寿命が長い。これは、工具の放熱性が高く、刃先の冷却が良好になされて刃先温度が低下したからである。
また、表1において、刃先材質を上記BのcBN焼結体に統一したサンプル2〜8(いずれも工具熱伝導率110W/m・K)を比較すると、クーラント吐出圧力の設定条件を満たした発明品のサンプル4〜6は、クーラント吐出圧力を2MPa未満にしたサンプル2,3よりも耐摩耗性に優れており、寿命が長い。これは、クーラント吐出圧力が高くてクーラントによる刃先の冷却が十分になされたからである。
一方、クーラント吐出圧力が8MPaを超えたサンプル7は、発明品のサンプル4〜6に比べて2km切削時の逃げ面摩耗料は小さいにもかかわらず、切削距離3kmで境界欠損を生じてサンプル4〜6よりも寿命が短くなっている。これは、境界部は切屑の排出の微小振動により、切屑が接触したりしなかったりすることがあり、クーラント吐出圧力が
高くて刃先が過剰に冷却されることで切屑が接触したときと接触しなかったときの刃先温度の差が大きくなり、熱振動のような効果が生じた結果、境界部に亀裂が発生して欠損に至ったと考えられる。クーラント吐出圧力が8MPaを超えたサンプル8も、同様の理由で切削距離が2kmに達する前に境界欠損が生じたと考えられる。
表1において、刃先材質を上記CのcBN焼結体に統一したサンプル9〜17(いずれも工具熱伝導率220W/m・K)、刃先材質を上記Dのダイヤモンド焼結体に統一したサンプル18〜21(いずれも工具熱伝導率250W/m・K)、刃先材質を上記Eのダイヤモンド焼結体に統一したサンプル22〜25(いずれも工具熱伝導率400W/m・K)の比較結果も、上記と同様のものになっている。その理由は上記と同じである。
なお、クーラント吐出圧力をいずれも2.5MPaにしたサンプル4,11,19,23の比較からわかるように、工具熱伝導率が200W/m・Kを超えるサンプル11,19,23は工具熱伝導率が200W/m・Kに満たないサンプル4よりも耐摩耗性に優れており、寿命が長い。これは、工具の熱伝導率が高いためにクーラントによる冷却で刃先温度が効果的に低下して摩耗の進行が抑制されたからである。クーラント吐出圧力をいずれも6.8MPaにしたサンプル5,14,20,24についても、同様の理由で同様の比較結果が得られている。
刃先材質が全て上記CのcBN焼結体(工具熱伝導率220W/m・K)であるサンプル11〜15の比較では、クーラント吐出圧力が5MPa以上、7MPa以下のサンプル13,14が、クーラント吐出圧力5MPa以下のサンプル11,12やクーラント吐出圧力7MPa以上のサンプル15に比べて寿命が長い。刃先材質が全て上記BのcBN焼結体(工具熱伝導率110W/m・K)であるサンプル4〜6、刃先材質が上記Dのダイヤモンド焼結体(工具熱伝導率250W/m・K)であるサンプル19,20、刃先材質が上記Eのダイヤモンド焼結体(工具熱伝導率が400W/m・K)であるサンプル23,24についても同様の結果が得られており、これから、クーラント吐出圧力は5MPa〜7MPaがより適切であることがわかる。
なお、サンプル14は、クーラント吐出圧力が同じサンプル20,24よりも工具熱伝導率が低いのに、工具寿命はサンプル20,24に勝っている。ダイヤモンド焼結体を用いたサンプル20,24は、初期の摩耗量は小さいが、一旦摩耗が進行し出すと発熱量が大きくなって寿命低下が加速され、そのために、熱的安定性に勝るcBN焼結体を用いたサンプル14の方が最終的な工具寿命は長くなったと考えられる。
−実施例2−
実施例1の焼結体E(ダイヤモンド粒子の平均粒径が10μmのPCD)を加工して刃先の切削に関与する部分がそのPCDからなる、ISO規格 TPGN160308 の形状の切削工具(切削用チップ)を得た。
次に、この切削チップを使用して以下のテスト(1)〜(3)の切削評価を行い、クーラント吐出圧力の違いによる工具寿命の比較を行った。テスト(1)〜(3)は、以下の切削条件で熱伝導率の異なる3種類の被削材を加工したものである。
テスト(1)
−切削条件−
・被削材:Ti−6Al−4Vの組成のチタン合金丸棒(熱伝導率7.1W/m・K)
・切削形態:外径旋削
・切削速度:V=130m/min
・切り込み:d=0.7mm
・送り:f=0.10mm/rev
・クーラント:水溶性エマルジョンタイプ切削液
・クーラント吐出圧力:0.3MPa,6.8MPa
テスト(2)
−切削条件−
・被削材:超硬合金丸棒(熱伝導率50W/m・K)
・切削形態:外径旋削
・切削速度:V=20m/min
・切り込み:d=0.15mm
・送り:f=0.15mm/rev
・クーラント:水溶性エマルジョンタイプ切削液
・クーラント吐出圧力:0.3MPa,6.8MPa
テスト(3)
−切削条件−
・被削材:アルミニウム合金丸棒(熱伝導率200W/m・K)
・切削形態:外径旋削
・切削速度:V=750m/min
・切り込み:d=0.3mm
・送り:f=0.10mm/rev
・クーラント:水溶性エマルジョンタイプ切削液
・クーラント吐出圧力:0.3MPa,6.8MPa
この評価試験の結果を表2に示す。表2のサンプル26,28,30は、クーラント吐出圧力0.3MPa時の試料、サンプル27,29,31は、クーラント吐出圧力6.8MPa時の試料である。
Figure 2009045715
テスト(1)では、クーラント吐出圧力が0.3MPaのサンプル26に対してそのクーラント吐出圧力が6.8MPaのサンプル27の工具寿命が著しく向上している。また、テスト(2)のサンプル28,29の比較、テスト(3)のサンプル30,31の比較でも、テスト(1)ほどではないが、クーラント吐出圧力を高めたときに工具寿命が向上しており、これらの試験結果から、低熱伝導率の被削材の加工においてクーラント吐出圧を過剰にならない範囲で高めることの有効性を確認することができる。
−実施例3−
実施例1の焼結体C(cBN粒子含有量99vol%以上のcBN焼結体)を加工して刃先の切削に関与する部分がそのcBN焼結体からなる、ISO規格 SNGN120408 の形状の切削工具(切削用チップ)を得た。
次に、この切削チップを使用して以下のテスト(4)〜(6)の切削評価を行い、クーラント吐出圧力の違いによる工具寿命の比較を行った。
テスト(4)
−切削条件−
・被削材:Ti−6Al−4Vの組成のチタン合金丸棒(熱伝導率7.1W/m・K)
・切削形態:外径旋削
・切削速度:V=180m/min
・切り込み:d=0.5mm
・送り:f=0.15mm/rev
・クーラント:水溶性エマルジョンタイプ切削液
・クーラント吐出圧力:0.3MPa,6.8MPa
テスト(5)
−切削条件−
・被削材:Ni基合金(インコネル社製商品名:インコネル718)丸棒(熱伝導率14.6W/m・K)
・切削形態:外径旋削
・切削速度:V=150m/min
・切り込み:d=0.25mm
・送り:f=0.15mm/rev
・クーラント:水溶性エマルジョンタイプ切削液
・クーラント吐出圧力:0.3MPa,6.8MPa
テスト(6)
−切削条件−
・被削材:鉄系焼結合金(熱伝導率40W/m・K)
・切削形態:外径旋削
・切削速度:V=120m/min
・切り込み:d=0.2mm
・送り:f=0.10mm/rev
・クーラント:水溶性エマルジョンタイプ切削液
・クーラント吐出圧力:0.3MPa,6.8MPa
この評価試験の結果を表3に示す。
Figure 2009045715
テスト(4)では、クーラント吐出圧力が0.3MPaのサンプル32に対してそのクーラント吐出圧力が6.8MPaのサンプル33は工具寿命が著しく向上している。また、テスト(5)のサンプル34,35の比較、テスト(6)のサンプル36,37の比較でも、テスト(4)の場合に比べると寿命向上率は小さいが、クーラント吐出圧力を高めることによる工具寿命の向上効果が現われている。この試験結果からも、低熱伝導率の被削材の加工においてクーラント吐出圧を過剰にならない範囲で高めることの有効性を確認することができる。
なお、この発明は旋削加工に限らず、エンドミルやフライスカッタなどを用いたミーリング加工にも適用できる。
この発明の切削加工方法の一例を示す概念図
符号の説明
1 被削材
2 切削工具
2a シャンク
2b チップ
2c cBN焼結体
3 クーラント噴射用ノズル
4 クーラント

Claims (4)

  1. 刃先の少なくとも切削に関与する部分が熱伝導率100W/m・K以上の刃具材料で形成された切削工具を用いてこの切削工具の刃先を吐出圧力2〜8MPaの高圧クーラントで冷却しながら被削材を加工する切削加工方法。
  2. 刃先の少なくとも切削に関与する部分が熱伝導率200W/m・K以上の刃具材料で形成された切削工具を用いて被削材を加工する請求項1に記載の切削加工方法。
  3. 前記高圧クーラントの吐出圧力を5〜7MPaに設定して被削材を加工する請求項1又は2に記載の切削加工方法。
  4. 熱伝導率が30W/m・K以下の被削材を加工する請求項1〜3のいずれかに記載の切削加工方法。
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