JP2009044486A - 固体撮像装置、及び、電子カメラ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の固体撮像装置は、複数の画素と、信号を画素から受け取る複数の垂直信号線と、前記垂直信号線ごとに設けられ前記垂直信号線に一定電流を供給する画素電流源と、前記画素電流源と供給配線によって接続され前記画素電流源に所定の電圧を供給する画素電流源制御回路と、一定の電圧を供給する電圧発生器と、一方の電極が前記供給配線に接続され他方の電極が前記電圧発生器に接続される容量とを有し、本発明の電子カメラは、この固体撮像装置が搭載される。
【選択図】図4
Description
増幅型のイメージセンサには、例えば増幅部に接合型電界効果トランジスタを用いたイメージセンサ(特許文献1)や、増幅部にMOSトランジスタを用いたCMOS型イメージセンサ(特許文献2)などが提案されている。
イメージセンサは、パッケージ等に組み込まれ固体撮像装置の状態となされた後に電子カメラに搭載される。固体撮像装置の部品としては、イメージセンサの他、ノイズを低減させる部品や、イメージセンサを駆動させるための電子部品等が組み込まれることがある。
これは、画素電流源に供給される電圧の変動が原因である。例えば、特許文献3において、画素電流源はMOSトランジスタを用いているが、このMOSトランジスタのゲート電圧が変動すると、垂直信号線に流れる電流も変動してしまう。
そして、この電圧の変動を生じさせる要因は、次の通りである。第一に、ノイズの影響が挙げられる。画素電流源の周囲には、多々の配線が配置されている。これらの配線にノイズが含まれると、画素電流源に供給される電圧もカップリングされて変動することが考えられる。このような場合には、得られる画像としては、横筋状のランダムノイズが含まれた画質の低い画像となる。
第二に、ある垂直信号線に読み出される画素からの電気信号が比較的大きいと(即ち、明るい被写体からの光が照射された画素からの信号)、隣接する垂直信号線に配置されている画素電気流源の電流値が変動してしまうことが考えられる。このような場合にはスミアが生じ、そのノイズが行方向に含まれた画質の低い画像となる。
ここで、一般的な一眼デジタルカメラを考える。一眼デジタルカメラは、光学ファインダーが付いており、またAF(オートフォーカス)、AE(自動露出)のための専用センサーが設けられているため、イメージセンサを常時動作させておく必要はない。そのため、シャッターボタンが押されてからイメージセンサを起動し、撮像動作を行い、撮像終了後、撮像素子の電源供給を停止することが一般的である。
上記容量の容量値が小さくても、その値に応じて電圧変動を吸収する効果は有している。しかしながら、前に説明した供給配線の電圧の変動を多くのユーザーが納得する程度まで低減させると、電子カメラのシャッタータイムラグが長くなってしまう。近年の電子カメラのユーザーは、ハイエンドユーザーでなくとも画質に関して敏感である。
このように、供給配線の電圧変動を吸収する効果と、シャッタータイムラグの短縮化とは、トレードオフの関係となっていた。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、供給配線の電圧変動が十分に吸収され、且つ、シャッタータイムラグが短縮化された固体撮像装置及び電子カメラを提供する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る電子カメラ1を示す概略ブロック図である。電子カメラ1には撮影レンズ2が装着される。この撮影レンズ2は、レンズ制御部2aによってフォーカスや絞りが駆動される。この撮影レンズ2の像空間には、固体撮像装置3の構成の一つであるイメージセンサ30の撮像面が配置される。本固体撮像装置3にはイメージセンサ30の他、ノイズを吸収するための容量(図4符合50参照)やそれに付随する素子が搭載されるが、詳細は後述する。
ノイズが除去され、真の画像信号の成分にされた後の電気信号は、順次垂直信号線25から水平信号線28に出力され、出力アンプ29を介してイメージセンサ30の外部に出力される。なお、図2には図示されていないが、実際には水平信号線28をリセットするリセット部が水平信号線28に接続され、出力アンプ29から信号が外部に出力される毎に水平信号線28がリセットされる。
この固体撮像装置140に搭載したイメージセンサ30が起動される前において、外付け容量50の両電極50a、50bは、電圧が印加されていないため放電され実質的に接地された状態となっている。イメージセンサ30が起動されると、供給配線36に印加される電圧VGは、0Vから所定の電圧Vgにされる。したがって、外付け容量50の一方の電極50aにはVgが供給される。しかし、外付け容量50の他方の電極50bは、接地されたままである。このため、一方の電極50aと他方の電極50bとの間には電圧差が生じ、外付け容量50にはこの電圧差に応じた電荷量がチャージされる。電荷がチャージされる間、前記したとおり供給配線の電圧がVgから変動することになり、電子カメラにはシャッタータイムラグが発生する。
一般的にVgは、NMOSトランジスタ35、36の閾電圧で決まり、通常その値は約1Vとなる。接地電圧はゼロボルトである。そして、外付け容量50の容量値は、1μF程度と大きい。このため、シャッタータイムラグは、100m秒よりも長くなってしまう。これは、外付け容量50の容量値が大きいので画素電流の安定に要する時間が100m秒程度になり、これにより、電子カメラのシャッタータイムラグは、100m秒よりも長くなってしまうのである。電子カメラのシャッタータイムラグは、画素電流源の安定化に要する時間よりも長くせねばならない。シャッタータイムラグの許される範囲は、電子カメラによっても異なるが、およそ40m秒以内と言われている。そして、それを実現するために画素電流源の安定に許される時間は、20m秒以内である。もちろん、固体撮像装置は、このような外付け容量が除去されたり、容量値の小さな外付け容量にしても良い。しかしながら、このような構成を採用すれば、AC成分によるノイズが除去されない。
本実施形態の固体撮像素子3は、外付け容量の他方の電極にVcを供給する電圧発生器42が接続されている。そして、実質的にVgとVcは、等しくされている。したがって、本実施形態の固体撮像装置3は、比較例の固体撮像装置140に生じていたシャッタータイムラグが原理的には発生しない。よって、本電子カメラ1は、AC成分のノイズが除去された高画質な画像を得ることが可能となる。
しかし、設計上VgとVcとが等しくなるように電圧発生器42を設けても、製造のばらつきや電源投入時の様々な不安定化要因により、シャッタータイムラグを完全になくすことは困難である。ただし、それらを勘案しても、本実施形態の電子カメラは、大幅にシャッタータイムラグを短縮させることが出来る。そして、当然ながら、本固体撮像装置3は、大きな容量値の外付け容量50が配置されるので、AC成分によるノイズが除去され、高画質の画像を得ることができる。
なお、本実施形態において、電圧発生器42は、Vgと実質的に等しいVcを他方の電極50bに供給しているが、本発明はそれに限らない。Vcは、グランドレベル(即ち、ゼロボルト)よりもVgに近い電圧なら、シャッタータイムラグが低減される。この場合は、一方の電極50aと他方の電極50bとの間に電位差が生ずるので、外付け容量50はチャージされる。しかしながら、その電位差は、比較例による固体撮像装置140より小さい。このため、本固体撮像装置3は、チャージに要する電荷量が比較例による固体撮像装置140より少ないので、チャージに要する時間も短縮される。したがって、本実施形態の固体撮像装置3は、シャッタータイムラグが短縮される。
これらの構成により、画素電流源制御回路32のミラー回路構成するNMOSトランジスタ35を流れる電流を基準として、NMOSトランジスタ35とNMOSトランジスタ26のミラー比で決まる電流が、画素電流源26を構成する各NMOSトランジスタに流れる。即ち、画素電流源26と画素電流源制御回路32とでカレントミラー回路が構成されている。画素電流源制御回路32は、一方のVDD電圧(後述する通り本実施形態では5V)が入力されて定電流を発生させ、その電流に対応する電圧を所定の電圧Vgとして画素電流源26の各NMOSトランジスタのゲート(電極)に供給する。また、供給配線36は、外付け容量50の一方の電極50aと接続されており、VG(VDDが5VならばVg)と実質的に同一な電圧が外付け容量50一方の電極50aに供給される。
また、ここでは、電圧発生回路42は、バッファ回路47を含むように構成されている。しかし、本発明はこれに限らない。電圧発生回路は、バッファ回路を含まず、これらが別々の部品として構成されてもよい。そして、電圧発生回路は、Vcを発生させてバッファ回路に入力し、バッファ回路は、Vcを外付け容量50に供給する。或いは、電圧発生回路とバッファ回路との間にレベルシフト回路を挿入し(又はバッファ回路がレベルシフト機能を有するバッファ回路とし)、電圧発生回路はVcとは異なる電圧を発生させて、バッファ回路がVcを外付け容量50に供給しても良い。
第2の切り替えスイッチ部は、第1の切り替えスイッチ部と連動して動作される。即ち、第1の切り替えスイッチ部を構成するPMOSトランジスタ33のゲートに印加される駆動信号φstbyと同じ駆動信号が、第2の切り替えスイッチ部を構成するPMOSトランジスタ43及びNMOSトランジスタ46のゲートに印加される。そして、第2の切り替えスイッチ部は、バッファ回路47に入力させる電圧の経路をVDD側又はグランド側に切り替える。これにより、外付け容量50の他方の電極50bに供給される電圧VCは、Vc又はグランドレベルに切り替えられる。これらの構成により、長時間露光時、及び、イメージセンサ30が停止している期間において(即ち、イメージセンサ30に撮像制御部4から駆動パルスが入力されず、イメージセンサ30の垂直走査回路21及び水平走査回路22から駆動パルスが出力されていない期間)、イメージセンサ30は、低消費電力と発熱の抑制が実現可能となる。以下、図面を用いてこれについて説明する。
図6は、本実施形態に係る電子カメラ1の撮像制御部4が出力する駆動信号φstby及び電源電圧VDDと、固体撮像装置3が生成するVG及びVCの関係を示すタイミングチャートである。なお、VGは画素電流源制御回路32が外付け容量50の一方の電極に供給する電圧であり、VCは電圧発生器42が外付け容量50の他方の電極に供給する電圧である。駆動信号φstby及び電源電圧VDDは、画素電流源制御回路32及び画素電流源26が定電流を流し、Vg及びVcを作成するための信号であるので、ここでは「電流電圧作成信号」と称す。また、(a)は露光時間が通常(およそ1/4秒未満)である場合を示し、(b)は露光が長時間(およそ1/4秒以上)である場合を示す。
先ず、図6(a)のタイミングチャートを用いて、電子カメラの動作を絡めて露光時間が通常であるときの電流電圧作成信号と各切り替えスイッチ部の駆動との関係を説明する。T1までの初期状態において、電子カメラの電源は入っているがイメージセンサ30は停止している。マイクロプロセッサ9(図1参照)は、撮像制御部4にイメージセンサ30を停止状態にする指令を出力する。
撮像制御部4は、マイクロプロセッサ9の指令に基づきイメージセンサ30が停止状態となるための電流電圧作成信号を出力する。即ち、電源電圧(以下、VDD)は0V、駆動信号φstbyはローレベル(L)が出力される。この状態では、イメージセンサ30、および、電圧発生器42いずれにも、電源が供給されていないため、イメージセンサ30は動作せず、停止状態となる。このため、外付け容量50の両電極は、電圧が印加されずグランドレベルの0Vとなる。
T1の時点において、電子カメラ1のシャッターボタンが押されると、マイクロプロセッサ9は、撮像制御部4に対して固体撮像装置3に搭載されたイメージセンサ30を停止状態から起動状態にさせる指令を出力する。撮像制御部4は、その指令に基づき電流電圧作成信号を出力する。なお、撮像制御部は、電流電圧作成信号以外の駆動信号も出力するが、ここではその説明を省略する。撮像制御部4は、マイクロプロセッサ9の指令に基づき、VDDを0Vから5Vに電圧を変えてイメージセンサ30に出力する。また、撮像制御部4は、引き続きローレベルの駆動信号φstbyを出力する。第1の切り替えスイッチ部を構成するPMOSトランジスタ33は、オン状態である。VDDが5Vになることによって、画素電流源制御回路32は動作されて定電流が流れるようになる。そして、画素電流制限御回路32は、その定電流に対応する所定の電圧Vgを供給配線36に供給する。ここでは、Vgは1Vである。よって、VGは0Vから1Vに変化する。これに伴い、外付け容量50の一方の電極50aにはVg(1V)が供給される。また、画素電流源26を構成するNMOSトランジスタ26のゲート(電極)にVgが供給され、画素電流源26は、動作を開始して定電流を垂直信号線25に流す。画素電流源26が動作することにより、画素20は、垂直信号線25に入射光量に応じた電気信号を出力することが可能となり、不図示の駆動信号に従って、画素から電気信号が出力される。
一方、T1の時点において、電圧発生器42は、撮像制御部4から出力されるVDDが0Vから5Vに変化することにより動作が開始される。即ち、第2の切り替えスイッチ部を構成するPMOSトランジスタ43はオン状態であり、第2の切り替えスイッチ部を構成するNMOSトランジスタ46はオフ状態である。よって、バッファ回路47の入力側は、5VであるVDDが接続される。これに伴い、外付け容量50の他方の電極50bにはVcが供給される。なお、ここではVcも1Vに設定されている。よって、VCは、0Vから1Vに変化する。
従って、T1の時点において、イメージセンサ30は、スタンバイ状態から起動状態となり、外付け容量50の一方の電極50aに供給される電圧VGが0Vから1Vに変化し、外付け容量50の他方の電極50bに供給される電圧VCが0Vから1Vに変化する。外付け容量50の両方の電極50a、50bに1Vが供給され、チャージ不要の状態が維持され、且つ、AC成分のノイズが吸収される。
このように、イメージセンサ30が停止状態から起動状態に変化しても、外付け容量50の両電極には同一の電圧が供給される。従って、外付け容量50は電荷がチャージされず、電子カメラ1のシャッタータイムラグは短縮される。
T1の時点において、撮像制御部4は、マイクロプロセッサ9の指令に基づき、VDDを0Vから5Vに電圧を変えてイメージセンサ30に出力する。第1の切り替えスイッチ部を構成するPMOSトランジスタ33はオン状態である。VDDが5Vになることによって、画素電流源制御回路32は、動作されて一定の電流が流れ、その一定電流に対応する所定の電圧Vgを供給配線36に供給する。ここでは、Vgは1Vである。よって、VGは0Vから1Vに変化する。これに伴い、外付け容量50の一方の電極50aにはVgが供給される。また、画素電流源26を構成するNMOSトランジスタ26のゲート(電極)にVgが供給され、画素電流源26は、動作を開始して一定電流を垂直信号線25に流す。
一方、T1の時点において、電圧発生器42は、撮像制御部4から出力されるVDDが0Vから5Vに変化することにより動作される。これに伴い、外付け容量50の他方の電極50bには一定の電圧Vcが供給される。ここでは、Vcは1Vである。よって、VCは0Vから1Vに変化する。
T3からT4の期間は、露光期間である。図6(b)においては、露光時間は1/4秒以上の長時間であり、この期間においてイメージセンサ30は、スタンバイ状態とされる。ここで、イメージセンサ30のスタンバイ状態とは、VDDは5Vを維持されており、イメージセンサ30に電源電圧5Vが印加されている状態を言う。このため、スタンバイ状態において、各画素20は光電変換して電荷を蓄積させる状態が維持されている。
T3の時点に至り、マイクロプロセッサ9は、露光を開始させる指令を撮像制御部4に出力すると共に、イメージセンサ30をスタンバイ状態に制御させる指令を撮像制御部4に出力する。この指令に基づき、撮像制御部4は、イメージセンサ30に露光を開始させる。具体的には撮像制御部4は、電子カメラ1のメカシャッターを開く。或いは、電子シャッターを実行するならば、撮像制御部4は、フォトダイオードに蓄積されている電荷を排出させる。また、撮像制御部4は、VDDを5Vのまま保持させつつ、駆動信号φstbyをローレベル(L)からハイレベル(H)に変えてイメージセンサ30に出力する。画素電流源制御回路32において、第1の切り替えスイッチ部を構成するPMOSトランジスタ33は、ハイレベルの駆動信号φstbyをゲート(電極)に受けてオフ状態とされる。よって、ミラー回路を構成するNMOSトランジスタ35のドレインにはVDDが印加されない。このため、NMOSトランジスタ35のドレインは5Vから0Vに変化し、画素電流源制御回路32はオフ状態となる。これに伴い、VGはVg(1V)から0Vに変化し、画素電流源26もオフ状態となる。即ち、画素電流源制御回路32は、第1の切り替えスイッチ部を構成するPMOSトランジスタ33がオフ状態のときに、Vgより低い電圧である0V(グランドレベル)の電圧を画素電流源26に供給する。画素電流源制御回路32及び画素電流源26が動作しておらず、また、垂直信号線25に一定の電流が流れないので、消費電力は低減され、発熱も抑えられる。しかしながら、VDDは5Vに保持されているので、スタンバイ状態でありながら、画素20は入射光に応じた電荷を生成し蓄積する状態を維持している。
一方、電圧発生器42において、第2の切り替えスイッチ部を構成するPMOSトランジスタ43はハイレベルの駆動信号φstbyをゲート(電極)に受けてオフ状態とされ、NMOSトランジスタ46は、ハイレベルの駆動信号φstbyをゲート(電極)に受けてオン状態とされる。よって、バッファ回路47に入力される電圧の経路は、VDD側からグランド側に切り替えられる。これに伴い、電圧発生器42の出力する電圧は、Vc(1V)から0Vに変化する。そして、外付け容量50の他方の電極50bには0Vが供給される。即ち、電圧発生器42の第2の切り替えスイッチ部は、T3の時点において(より詳しくは、第1の切り替えスイッチ部がオフ状態のときに)、Vcより低い電圧である0V(グランドレベル)を外付け容量50の他方の電極50bに供給する。従って、VCは0Vとなる。VG及びVCは0Vであり、外付け容量50の両方の電極50a、50bに0Vが供給されている。VGは所定の電圧Vgではなく、VCは一定の電圧Vcではない。しかし、外付け容量50は、VGとVCは同一の電圧0Vであり、外付け容量50の両端の電位差がほぼゼロの状態が保持される。
なお、画素電流源制御回路32は、オフの状態でVGを0Vとして出力しているが、これに限らない。画素電流源制御回路32は、オフの状態で後述するVgより低い電圧を出力すればよい。同様に電圧発生器42は、オフの状態でVCを0Vとして出力しているが、これに限らない。電圧発生器42は、オフの状態で後述するVcより低い電圧を出力すればよい。
T4の時点において、マイクロプロセッサ9は、露光を終了させる指令を撮像制御部4に出力すると共に、イメージセンサ30をスタンバイ状態から起動状態に制御させる指令を撮像制御部4に出力する。この指令に基づき、撮像制御部4は、イメージセンサ30の露光を終了させる。具体的には、電子カメラ1のメカシャッターを閉じる。或いは、イメージセンサ30が特許文献1に開示されたように全画素同時露光を可能とする構成ならば、転送トランジスタをオンさせることによって、フォトダイオードから電荷を転送させる。また、撮像制御部4は、駆動信号φstbyをハイレベル(H)からローレベル(L)に変えて固体撮像装置3に出力する。画素電流源制御回路32において、第1の切り替えスイッチ部を構成するPMOSトランジスタ33は、ローレベルの駆動信号φstbyをゲート(電極)に受けてオン状態とされる。これに伴い、VDDと画素電流源制御回路32とが接続される。VDDは5Vに維持されている。よって、画素電流源制御回路32は、動作を開始して一定の電流が流れ、その一定電流に対応する所定の電圧Vgを供給配線36に供給する。ここでは、Vgは1Vである。よって、VGは0Vから1Vに変化する。これに伴い、外付け容量50の一方の電極50aにはVg(1V)が供給される。また、画素電流源26を構成するNMOSトランジスタ26のゲート(電極)にVgが供給され、画素電流源26は、動作を開始して一定電流を垂直信号線25に流す。従って、イメージセンサ30はスタンバイ状態から起動状態となり、画素20は電気信号を垂直信号線25に出力できる状態にされる。
一方、電圧発生器42において、第2の切り替えスイッチ部を構成するPMOSトランジスタ43はローレベル(L)の駆動信号φstbyをゲート(電極)に受けてオン状態とされ、NMOSトランジスタ46は、ローレベル(L)の駆動信号φstbyをゲート(電極)に受けてオフ状態とされる。よって、バッファ回路47に入力される電圧の経路は、グランド側からVDD側に切り替えられる。これに伴い、電圧発生器42は、外付け容量50の他方の電極50bに一定電圧であるVc(1V)を供給する。このため、イメージセンサ30がスタンバイ状態から起動状態に変化しても、外付け容量50は電荷がチャージされない。これに伴い、イメージセンサ30はスタンバイ状態からの復帰動作時間が短縮され、電子カメラ1はシャッタータイムラグが短縮される。
このように、T3からT4の期間においては、T1までの期間及びT2以降の期間とは異なり、VDDが5Vでありながら、イメージセンサ30はスタンバイ状態とされる。
本実施形態において、T3からT4の期間は、露光時間であり且つスタンバイ状態の期間とされている。しかし、本発明はこれに限らず、イメージセンサ30がスタンバイ状態とされる期間は、露光時間より短くされても良い。前記したように、例えVgとVcとを等しく設計しても、製造誤差等により僅かにずれる恐れがある。VgとVgがずれると、外付け容量50は電荷がチャージされ、チャージされる電荷量に応じてイメージセンサ30は、スタンバイ状態からの復帰に要する時間が長くなる。従って、スタンバイ状態から起動状態への移行時点は、VgとVcの許される最大のずれ量を予め想定し、チャージ時間を考慮して、露光終了時間より前に設定されるのが好ましい。このようにすれば、露光終了時点には、イメージセンサ30は、各画素から電気信号を出力できる状態とされる。このため、電子カメラ1は、シャッタータイムラグを短縮することが可能となる。
さらに、本実施形態においては、VgとVcは、略同一とされている。しかし、Vcを0VよりVgに近い電圧に設定するなら、VgとVcの差と、外付け容量50の容量値からスタンバイ状態からの復帰に要する時間を求め、それにより、スタンバイ状態から起動状態への移行時点を設定すればよい。
スタンバイ状態から起動状態へ復帰するのに要する時間が短ければ、それだけ、画素信号読み出し動作を開始する直前に画素電流源の復帰動作を開始すれば良くなり、消費電力低減や発熱の影響の低減に効果がある。
また、本実施形態において、VDDは0Vと5Vの二値としたが、これに限らず、例えば0Vと6Vとしても良い。
そして、画素電流源66と画素電流源制御回路62とで、カレントミラー回路を構成している。このようなカスコード回路による画素電流源66は、1段によるカレントミラー回路に比べて垂直信号線25に流れる電流が更に一定となり易く、より好ましい。
本変形例において、素子の動作原理上、垂直信号線25の電流値を決定しているのは、グランドに近い側のNMOSトランジスタである。従って、外付け容量の一方の電極は、グランドに近い側のNMOSトランジスタのゲート電極に電圧を供給する供給配線36に接続すればよい。このようにすれば、AC成分によるノイズは、外付け容量に吸収される。
また、外付け容量の他方の電極には、第1実施形態にて説明した電圧発生器が接続される。これにより、シャッタータイムラグが短縮される。
[第2実施形態]
図8は、本発明の第2実施形態に係る固体撮像装置63の構成を示す概略回路図である。本図は図4に対応しており、同一の構成要素は同一の符号を記し説明を省略する。本固体撮像装置63が第1実施形態の固体撮像装置3と異なる点は、電圧発生器42が除去されて電圧発生器82がイメージセンサ70内に配置され、それに伴い外付け容量50の他方の電極50bと電圧発生器82との間にバッファ回路77が設けられている点にある。
バッファ回路87は、外付け容量50の他方の電極50bと接続されて電圧VCを供給している。そして、VDDが5Vであるなら、VCを一定の電圧Vc(ここでは1V)にする。駆動信号φstby及びVDDと、固体撮像装置70や電子カメラの動作は、実施形態1と同様であり、ここでは説明を省略する。
3,63,140 固体撮像装置
4 撮像制御部
9 マイクロプロセッサ
20 画素
25 垂直信号線
26,66 画素電流源
30,60,70 イメージセンサ
31 画素領域
32,62,82 画素電流源制御回路
36 供給配線
42,82 電圧発生器
50 外付け容量
Claims (11)
- 行方向及び列方向に二次元状に配置され、入射光量に対応する信号を出力する複数の画素と、
画素列ごとに前記画素と接続され、前記信号を画素から受け取る複数の垂直信号線と、
前記垂直信号線ごとに設けられ、前記垂直信号線に一定電流を供給する画素電流源と、
前記画素電流源と供給配線によって接続され、前記画素電流源に所定の電圧を供給する画素電流源制御回路と、
一定の電圧を供給する電圧発生器と、
一方の電極が前記供給配線に接続されて前記所定の電圧が供給され、他方の電極には前記一定の電圧が供給される容量と、を有することを特徴とする固体撮像装置。 - シリコン基板からなるイメージセンサを有し、少なくとも前記画素、前記垂直信号線、前記供給配線、及び、前記画素電流源は、前記イメージセンサに設けられ、
前記容量は、前記イメージセンサの外部に設けられる外付け部品であることを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。 - 前記画素は、入射光に応じた電荷を生成し蓄積する光電変換部と、前記電荷がゲート電極に供給され該ゲート電極の電位に応じた信号を出力する増幅部と、を有し、
前記画素電流源はNMOS型トランジスタからなり、
前記供給配線は、前記各NMOSトランジスタのゲート電極に共通に接続され、
前記画素電流源と前記画素電流源制御回路とでカレントミラー回路が構成され、
前記画素電流源制御回路は、定電流を発生させ、該定電流に対応する電圧を前記所定の電圧として前記各NMOSトランジスタのゲート電極に供給することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の固体撮像装置。 - 前記画素電流源に供給される前記所定の電圧と、前記他方の電極に供給される前記一定の電圧は、略等しいことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の固体撮像装置。
- 前記画素電流源制御回路は、オン状態で前記所定の電圧を前記画素電流源に供給し、オフ状態で前記所定の電圧より低い電圧を前記画素電流源に供給する第1の切り替えスイッチ部を有し、
前記電圧発生器は、前記第1の切り替えスイッチ部がオン状態のときに前記一定の電圧を前記容量の前記他方の電極に供給し、前記第1の切り替えスイッチ部がオフ状態のときに前記一定の電圧より低い電圧を前記容量の前記他方の電極に供給する第2の切り替えスイッチ部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の固体撮像装置。 - 前記第1の切り替えスイッチ部は、オフ状態でグランドレベルの電圧を前記画素電流源に供給し、
前記第2の切り替えスイッチ部は、オフ状態でグランドレベルの電圧を前記容量の前記他方の電極に供給することを特徴とする請求項5に記載の固体撮像装置。 - 前記電圧発生器は、バッファ回路を介して前記一定の電圧を前記容量の前記他方の電極に供給することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の固体撮像装置。
- 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の固体撮像装置と、撮像制御部とを有する電子カメラであって、
前記撮像制御部は、前記画素から前記信号を出力させるための駆動用信号を出力するとともに、前記画素電流源制御回路、及び、前記電圧発生器を動作させる電流電圧作成信号を出力することを特徴とする電子カメラ。 - 行方向及び列方向に二次元状に配置され、入射光量に対応する信号を出力する複数の画素と、画素列ごとに前記画素と接続され前記信号を画素から受け取る複数の垂直信号線と、前記垂直信号線ごとに設けられ前記垂直信号線に一定電流を供給するNMOS型トランジスタからなる画素電流源と、前記NMOS型トランジスタのゲート電極を共通接続する供給配線と、を少なくとも有するCMOS型イメージセンサと、
前記供給配線と接続されて前記画素電流源とカレントミラー回路を構成し、前記各NMOS型トランジスタのゲート電極に所定の電圧を供給する画素電流源制御回路と、
一定の電圧を供給する電圧発生器と、
一方の電極が前記供給配線に接続されて前記所定の電圧が供給され、他方の電極には前記一定の電圧が供給される容量と、
前記画素電流源制御回路を動作させて定電流を発生さることにより前記所定の電圧を前記容量の前記一方の電極に印加させ、前記電圧発生器を動作させることにより前記一定の電圧を前記容量の前記他方の電極に印加させ、前記画素から前記信号を出力させる撮像制御部と、を有することを特徴とする電子カメラ。 - 前記画素電流源に供給される前記所定の電圧と、前記容量の前記他方の電極に供給される前記一定の電圧は、略等しいことを特徴とする請求項9に記載の電子カメラ。
- 前記画素電流源制御回路は、オン状態で前記所定の電圧を前記画素電流源に供給しオフ状態で前記画素電流源にグランドレベルの電圧を供給する第1の切り替えスイッチ部を有し、
前記電圧発生器は、前記第1の切り替えスイッチ部がオン状態のときに前記一定の電圧を前記容量の前記他方の電極に供給し、前記第1の切り替えスイッチ部がオフ状態のときに前記グランドレベルの電圧を前記容量の前記他方の電極に供給する第2の切り替えスイッチ部を有し、
前記撮像制御部は、前記第1の切り替えスイッチ部、及び、前記第2の切り替えスイッチ部を動作させる駆動信号を出力することを特徴とする請求項10に記載の電子カメラ。
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