JP2009043561A - 素子材料堆積方法、素子材料堆積装置 - Google Patents

素子材料堆積方法、素子材料堆積装置 Download PDF

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政秀 横山
Takahiro Kurokawa
崇裕 黒川
Hiroto Sumita
寛人 住田
Kazunobu Ishikawa
和宜 石川
Mitsuhiro Takahashi
光弘 高橋
Mikio Takezawa
幹夫 竹澤
Yoshiaki Tominaga
善章 冨永
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Abstract

【課題】簡易かつ高速にエレクトロルミネセンスディスプレイ用の素子材料を堆積すること。
【解決手段】エレクトロルミネセンス用素子材料をディスプレイ用基板210に堆積させる素子材料堆積方法であって、素子材料を含む原料液200を第一吐出口108より吐出する第一吐出ステップと、吐出される前記原料液に電荷を付与して帯電させる電荷付与ステップと、前記第一吐出口108と前記基板210との間に、帯電した前記原料液200が基板に向かって飛行する方向に電界を発生させる電界発生ステップとを含む。
【選択図】図1

Description

この発明は、エレクトロルミネセンスディスプレイ用の素子材料をディスプレイパネル用の基板上に堆積させる方法、及び、装置に関し、特に、真空中で前記素子材料を堆積することのない堆積方法、及び、堆積装置に関する。
従来、薄型ディスプレイの有力候補と言われているものに有機EL(エレクトロルミネセンス)ディスプレイがある。この、有機ELディスプレイとは、ガラス基板上に、透明導電層、素子材料層、対向電極(陰極)を順次積層した構造を有するものある。このエレクトロルミネセンスディスプレイは、発光ダイオードに似た自発光型ディスプレイであるため、消費電力や薄さや画質などで既存の液晶ディスプレイやプラズマパネルディスプレイを上回る性能を有している。
前記素子材料層とは、自ら発光する発光材料層と、前記発光材料を電気的に発光させるための補助層とから構成されるものである。例えば、素子材料層としては、発光材料層と陽極との間に設けられた正孔輸送層とを有する2層構造のものや、低分子発光材料層と、正孔輸送層と、電子輸送層とを備えた3層構造のものが知られている。更にまた、陽極と陰極との間に4層以上の機能層を設けた素子材料層も開発されている。
前記有機ELディスプレイに採用される発光材料としては、近年低分子の有機化合物が主流になりつつある。これは、低分子有機化合物は寿命が長く、一般家庭向けテレビ用ディスプレイへの適用可能性が高いからである。
また、前記低分子有機化合物を有機ELディスプレイとして利用するためには、ガラス基板の上に電子輸送層としてITO(Indium Tin Oxide)等の透明電極を設ける場合が多く、電子輸送層の上に1〜100nm程度の有機EL用低分子有機化合物を発光単位毎に堆積させる必要がある。しかしながら、前記電極は有機ELが自ら発光する為に、特に透明電極に限定する必要はない。
有機EL用低分子有機化合物をガラス基板上に堆積させる方法としては真空蒸着法が採用されている。真空蒸着法とは、例えば、特許文献1に記載があるように、真空チャンバ内にガラス基板を配置し、坩堝内にある低分子有機化合物を、抵抗加熱法を用いて蒸発させ、低分子有機化合物蒸気をガラス基板上に付着させるものである。
当該真空蒸着法は、真空中で低分子化合物を扱うため、水分や酸素と低分子化合物が反応して変質し、発光性能や寿命が短くすることを抑制することが可能となる。
また、発光材料を真空中で堆積させるため、他の素子材料も真空中で堆積することが行われている。
特開2007ー95324号公報
ところが、真空蒸着法は、低分子有機化合物を蒸発するまで加熱する必要があるため、温度の変化に対して比較的安定な物質を選定しなければならず、しかも、堆積レートが低いため、堆積に時間がかかるなど、生産性が低く、製造コストが高いなどの問題点があった。
また、従来の方式では、マスクを使用して所定の場所に有機ELを堆積させるようにしているが、ガラス基板の大型化が進んでおり、マスクが熱膨張で、有機ELを堆積したい場所との間で位置ずれを起こす場合があった。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、真空チャンバを必要とすることなく、簡易かつ高速にエレクトロルミネセンスディスプレイ用の素子材料を堆積することのできる方法、及び、装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本願発明にかかる素子材料堆積方法は、エレクトロルミネセンス用素子材料をディスプレイ用基板に堆積させる素子材料堆積方法であって、素子材料を含む原料液を第一吐出口より吐出する第一吐出ステップと、吐出される前記原料液に電荷を付与して帯電させる電荷付与ステップと、前記第一吐出口と前記基板との間に、帯電した前記原料液が基板に向かって飛行する方向に電界を発生させる電界発生ステップとを含むことを特徴とする。
これにより、吐出された原料液は静電爆発を起こし微細化される。また、微細化された原料液は重量が軽くなるため、発生した電界により飛行方向が容易に制御され、基板に向かって飛行する。従って、基板上に容易かつ高速かつ均等に素子材料を堆積させることが可能となる。
さらに、流体を第一吐出口の近傍に存在する第二吐出口より、前記原料液と同時に吐出する第二吐出ステップを含むことが好ましい。
これにより、第1吐出口から吐出された原料液はすぐに噴霧状態となり、この状態から静電爆発が発生するため、原料液がより微細化される。
さらに、前記基板の所定の部分に、帯電した前記原料液の極性と逆の極性の電位を付与する逆極性付与ステップを含むことが好ましい。
これにより、基板上の所定の部分に選択的に素子材料を堆積させることが可能となる。
さらに、前記所定の部分と異なる部分に、帯電した前記原料液の極性と同じ極性の電位、または交流の電位を付与する忌避電位付与ステップを含むことが好ましい。
これによれば、基板上の所望の部分により的確に素子材料を堆積させることが可能となる。
また、上記目的は、下記素子材料体積装置でも達成することができる。すなわち、エレクトロルミネセンス用素子材料を基板に堆積させる素子材料体積装置であって、素子材料を含む原料液を吐出する第一吐出口を有する第一吐出体と、吐出される前記原料液に電荷を供給して帯電させる電荷供給手段と、前記第一吐出体と前記基板との間に、帯電した前記原料液が基板に向かって飛行する方向に電界を発生させる電界発生手段とを備えることを特徴とする。
これにより、上記と同様の作用効果を奏することが可能となる。
簡易かつ高速にエレクトロルミネセンスディスプレイ用の素子材料を堆積することができる。
次に、本発明にかかる実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1である素子材料堆積装置を模式的に示す図である。
同図に示すように、素子材料堆積装置100は、素子材料の一つを含む原料液200を帯電させて噴霧し、噴霧された原料液200を、空間中で静電爆発させながら基板210に向かって飛行させ、基板210上に素子材料を堆積させる装置であり、第一吐出体101と、第二吐出体102と、電荷供給手段としての電荷供給電源103と、電界発生手段としての電界発生電極104と、電界発生電源105とを備えている。
さらに、素子材料堆積装置100は、電界制御板106と、電界制御電源107と、流体としての窒素ガス110を供給するガス供給源111と、原料供給源120とを備えている。
第一吐出体101は、原料供給源120から供給される原料液200が吐出される第一吐出口108を有するノズルであり、原料液200の供給路の先端に接続され、第一吐出口108に向かって縮径されるノズルである。また、第一吐出体101は、その少なくとも第一吐出口108周縁部が導電性物質で構成されており、電荷供給電源103から供給される電荷を原料液200に付与して帯電させる電荷供給電極としても機能している。
第二吐出体102は、ガス供給源111から供給される窒素ガス110が吐出される第二吐出口109を有するノズルである。第二吐出体102は、第一吐出体101を取り囲むように配置されており、第二吐出口109は、第一吐出口108を取り囲む円環形状となっている。また、第二吐出体102は、第一吐出体101と同心状に配置される円筒形状となされ、第二吐出口109の反対側の端部は、第一吐出体101の外周と密着し閉塞状態となっている。また、第二吐出体102の周壁には、窒素ガス110が導入される導入孔が設けられている。
以上、第一吐出体101と第二吐出体102とは、いわゆる2流体ノズルを形成している。
電荷供給電源103は、第一吐出体101を介して原料液200に電荷を供給する電荷供給手段として機能する直流電源であり、電界発生電極104に対し2KV以上、200KV以下の範囲の電圧となる電位を電荷供給電極としても機能する第一吐出体101に印加できるものとなっている。
基板210は、エレクトロルミネセンスディスプレイ(以下「ELD」と記す。)の構成部材である。従って基板210は、素子材料堆積装置100にとっては、素子材料の堆積対象であり、原則としては素子材料堆積装置100の構成部材ではない。しかし、本実施の形態1の素子材料堆積装置100は、基板210が備える電極を電界発生手段の電界発生電極104として利用している。ここで、基板210が備える電極とは、ELDにおいて、発光材料を発光させるためのアノードとして機能する電極のことであり、例えば基板210の表面に設けられる金属膜や、ITO(他にIZO、SnO2)等の透明導電膜パターン等である。
電界発生電源105は、電界発生電極104である基板210上の電極に所定の電位を印加する直流電源であり、第一吐出体101に対し2KV以上、200KV以下の範囲の電圧となる電位を電界発生電極104に印加できるものとなっている。
電界制御板106は、原料液200の飛行空間に発生する電界を調節して、できる限り多くの原料液200を基板に集中させ、素子材料を基板210上の電極に効率よく堆積させるための部材であり、中空の真球の一部の形状であり、いわゆるお椀を伏せた状態で第二吐出体102の近傍に配置されている。電界制御板106の上端部には円形の孔が設けられており、当該孔の中心に第一吐出口108が位置するものとなっている。
電界制御電源107は、電界発生電極104に対し2KV以上、200KV以下の範囲の電圧となる電位を電界制御板106に印加する直流電源である。
ここで、電荷供給電源103と、電界発生電源105と、電界制御電源107とは、独立に接地電位を基準として印加電位の設定が可能である。第一吐出体101と電界発生電極104との電圧が2KV以上、200KV以下であればよく、電界発生電極104の電圧の極性は、噴霧された原料液200の帯電電荷の逆極性であればよい。また、第一吐出体101と電界発生電極104とのいずれか一方が接地状態であっても構わない。なお、素子材料がカチオン、または、カチオン性の官能基を有する場合、電界発生電極104の極性は負が好ましく、素子材料がアニオン、または、アニオン性の官能基を有している場合、電界発生電極104の極性は正が好ましい。
ガス供給源111は、第二吐出口109から吐出される流体としてのガスを供給する手段であり、窒素ガス110を所定の圧力で供給することのできるガスボンベである。ここで、流体として窒素ガス110を採用するのは、堆積する素子材料が酸素や水などと反応して、発光輝度が低下する等の不具合を回避するためである。従って、乾燥状態の不活性なガス等、使用する素子材料に対応して好適なガスが選定される。
原料供給源120は、素子材料と溶剤などとを混合や攪拌などして原料液200を製造しつつ、溶液を加熱して所定の粘度に調整した後、所定の圧力で第一吐出体101に原料液200を供給することのできる装置であり、ホッパー121と、加熱ヒータ122とを備えている。
ホッパー121は、有機系や無機系の素子材料や有機系の溶媒などが投入される装置であり、ホッパー121の先には2軸押出機等の混合機が接続されている。
加熱ヒータ122は、混合機で混合されている原料液を加熱する加熱手段であり、吐出すべき原料液の粘度を調整するものの一つである。
原料液200は、特に限定されるものではなく、堆積対象である基板210の目的や用途、素子材料の種類によって好適な原料液200が選定される。
具体的に素子材料の一つである発光材料としては、有機系の発光材料や、無機系の発光材料、及び、これら有機系の発光材料と無機系の発光材料とを混合したものが例示できる。さらに具体的な発光材料としては、高分子発光物質であるポリフェニルビニレン誘導体(ポリ(1,4−(2−(5−カルボキシペンチル)−フェニレン)ビニレン))、ポリチオフェン誘導体(ポリ(3−ペンタデシルチオフェン))、低分子発光物質であるトリス−(8−ヒドロキノリン)アルミニウムを例示することができる。
無機系の発光材料としてはZnSを例示することができる。
電子注入層としては、Cs−バソクプロイン(BCP)錯体、ジリチウムフタロシアニン錯体を例示することができる。
また、溶媒としては、特に限定されるものではなく、アセトニトリル、トルエン、ジクロロメタン、メタノール、エタノールなどのアルコール、アセトンなどが例示できる。
また、原料液200には、金、銀、珪素、鉄、チタニア等のコロイドを含有させても良い。コロイド表面に発光材料が吸着され発光材料の微小化が図ることができる。
また、ミセル形成用に界面活性剤を用いても良い。例えば、α−(11−フェロセニルウンデシル−ω−ヒドロキシポリ(オキシエチレン)、(11−フェロセニルウンデシル)トリメチルアンモニウムブロミド、(フェロセニルメチル)ドデシルジメチルアンモニウムブロミド、アゾベンゼン基を有する界面活性剤である。
次に、上記素子材料堆積装置100を用いて、ELD用基板に素子材料を堆積させる素子材料堆積方法を説明する。
まず、基板210を素子材料堆積装置100に配置し、基板210上に設けられる各電極と電界発生電源105とを接続する。これにより、前記電極が電界発生電極104として機能する。
必要な素子材料や溶媒などを原料供給源120に投入し、原料液200を製造する。
次に、電荷供給電源103と、電界発生電源105と、電界制御電源107とを動作させる。これにより、吐出された原料液200が基板210の方向に飛行するような電界が発生する(電界発生ステップ)。
次に、原料液200を第一吐出口108から吐出させ(第一吐出ステップ)、同時に窒素ガスを第二吐出口109から吐出させる(第二吐出ステップ)。
ここで、第一吐出口108から吐出される原料液200は、電荷供給電源103に接続される第一吐出体101を通過し、当該通過の際に電荷が供給され帯電する(電荷付与ステップ)。
以上により、帯電した原料液200は、2流体ノズルの効果によって、かなり小さな粒となって飛散する。
次に、小さな粒子の原料液200は、電界(電気力線)に沿って、基板210方向に力が加えられ、基板210に向かって飛行する。
また、原料液200が空間を飛行中に静電爆発が生じ、原料液200の粒子がさらに細分化される。
ここで静電爆発とは、帯電した原料液200が空間中を飛行する際に、溶媒が蒸発する。そして、溶媒が蒸発するに伴い空間中を飛行中の原料液200の電荷密度が上昇する。電荷密度が高まった原料液200に発生する反発方向のクーロン力が原料液200の表面張力より勝った時点で原料液200が爆発し、原料液200が細分化される。この静電爆発が、空間において次々と発生することで、非常に微小な原料液200が製造される。
以上により、第一吐出体101と基板210との間の空間は、微小な粒子の原料液200が分布している。さらに、原料液200や蒸発した溶媒、窒素ガスにより、大気が押し出され、第一吐出体101と基板210との間の空間は、無酸素、無水分状態となる。
最後に、素子材料(かなり溶媒が蒸発した)が基板210上の電界発生電極104上に堆積する(堆積ステップ)。
以上のようにして素子材料を堆積することで、電界発生電極104である電極は、基板210上を画素単位で島状に形成されているため、基板210に接近した原料液200は、電極に引っ張られる。従って、素子材料は、電極上にのみ堆積する。しかも、原料液200の粒子が微小で軽量であるため、電極の電位により原料液200が容易に引っ張られるため、電極上に素子材料が均等に堆積する。また、大気中の作業でありながら、無酸素、無水分状態で素子材料を堆積することができるため、素子材料が酸素などにより劣化することを可及的に回避することが可能となる。
さらに、静電爆発により微小化した粒子が堆積することで、発光強度が向上する。特に、無機系の発光材料がその傾向を示す。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について、図面に基づき説明する。
図2は、実施の形態2にかかる素子材料堆積装置を概略的に示す断面図である。
同図に示すように、素子材料堆積装置100は、装置構成において上記実施の形態1と近似している。従って、同一の機能を有する部材などはその説明を省略する。
素子材料堆積装置100は、第一吐出体101と、電荷供給電極131と、電界発生電極104と、電界発生電源105と、チャンバ230と、チャンバ電源220とを備えている。
第一吐出体101は、原料液200を噴霧することのできる装置であり、テーパ形状の先端に噴霧用の微小な第一吐出口108が設けられている。第一吐出体101は、チャンバ230の天井から垂れ下がるL字状の取り付け部材に取り付けられている。
電荷供給電極131は、原料液200に電荷を供給するための電荷供給手段の一つであり、本実施の形態では第一吐出体101内部を通過する原料液200に対し電荷を付与するものとなっている。電荷供給電極131は、電荷供給電源103と接続されている。
電界制御板106は、第一吐出体101から噴霧された原料液200の極性と同じ極性の電位が印加されることで、噴霧され乱雑に飛行しようとする原料液200を電場の形成により所定の方向に誘導する部材である。電界制御板106は、中空の真球の一部の形状であり、いわゆるお椀を伏せた状態でチャンバ230につり下げられた状態で取り付けられている。電界制御板106の上端部には円形の孔が設けられており、当該孔の中心に第一吐出体101が配置されている。換言すれば、前記孔の中心に配置されている第一吐出体101を取り囲むように電界制御板106が配置されている。チャンバ230と電界制御板106とは絶縁状態となっている。
この電界制御板106の存在により、噴霧された原料液200の量に対する堆積した素子材料の量を向上させることが可能となる。
電界発生電極104は、基板210の所定の電極に電荷を誘導する板状の部材であり、図3(a)に示すように、必要な部分のみ透過孔が設けられている。ここで、図3(a)のハッチングで示す部分は電界発生電極104の実体部分であり、薄く見えている「G」と「B」の部分は、電界発生電極104により覆われている部分である。一方、「R」の部分は、前記透過孔に対応する部分であり、基板に設けられた電極が実線で現されている。また、電界発生電極104は、2層構造となっており、図3(b)に示すように、絶縁体層141と、導電体層142を備えている。絶縁体層141を、電界制御板106側に配置すると、電界制御板106側から導電体層142が見えなくなり、電界制御板106から電界発生電極104に向かって直接電界(電気力線)が発生しなくなる。
チャンバ230は、原料液200にほこりなどが混入することを回避するための箱体であり、少なくとも内面は、導電性の物質で構成されている。チャンバ230は、原料液200を堆積している状態では、原料液200と同極性の電位がチャンバ電源220により付与され、原料液200の堆積に必要な電場の形成に寄与している。また、チャンバ230は、原料液200の堆積が終了した状態では、原料液200と逆極性の電位がチャンバ電源220により付与され、チャンバ230内の空間に残存する原料液200を吸着して、チャンバ230内の清浄度を上昇させる。つまり、チャンバ230が吸着部材として機能する。また、種々の部材が帯電し、コロナ放電など異常な放電の発生が懸念されるときは、チャンバ230に交流電圧がチャンバ電源220により付与され、種々の部材の除電が行われる。
原料供給源120は、第一吐出体101に原料液200を供給する装置であり、原料タンク123と、ポンプ124とを備えている。
原料タンク123は、素子材料を含む原料液を貯蔵するタンクである。
ポンプ124は、第一吐出体101から原料液200を噴霧するために必要な圧力を原料液200に付与するポンプである。
XYステージ135は、基板が載置され、基板を水平方向に移動させることができるテーブルである。
次に、実施の形態2にかかる素子材料堆積装置100を用いた素子材料堆積方法を説明する。
まず、基板210を素子材料堆積装置100に配置し、各透明基板を接地する。
必要な素子材料や溶媒などを原料供給源120に投入し、原料液200を製造する。
次に、電荷供給電源103と、電界発生電源105と、電界制御電源107とを動作させる。これにより、吐出された原料液200が基板210の方向に飛行するような電界が発生する(電界発生ステップ)。
ここで、本実施の形態2では、電界発生電源105により電界発生電極104の導電体層142に、接地電位に対し、高電圧を印加する。これにより、各電極には電荷が誘導される。ここで、「G」と「B」とは、電界発生電源105により遮蔽されているため、電界制御板106等からは「G」と「B」とに誘導される電荷は見えず、電界(電気力線)は形成されない。従って、電界制御板106から見える「R」の電荷のみに電界(電気力線)が集中することになる。
次に、原料液200を第一吐出口108から吐出させ(第一吐出ステップ)、同時に窒素ガスを第二吐出口109から吐出させる(第二吐出ステップ)。
ここで、第一吐出口108から吐出される原料液200は、電荷供給電源103に接続される電荷供給電極131により電荷が供給され帯電する(電荷付与ステップ)。
次に、小さな粒子の原料液200は、電界(電気力線)に沿って、基板210方向に力が加えられ、基板210に向かって飛行する。
また、原料液200が空間を飛行中に静電爆発が生じ、原料液200の粒子がさらに細分化される。
以上により、第一吐出体101と基板210との間の空間は、微小な粒子の原料液200が分布している。さらに、原料液200や蒸発した溶媒、窒素ガスにより、大気が押し出され、第一吐出体101と基板210との間の空間は、無酸素、無水分状態となる。
最後に、素子材料(かなり溶媒が蒸発した)が基板210上の電界発生電極104上(図3(a)中Rを附した部分のみ)に堆積する(堆積ステップ)。
次に、XYステージ135により、基板210を移動させ、また、原料液200の種類を変更することで、他の箇所にことなる素子材料を堆積することも可能となる。
以上のようにして素子材料を堆積することで、必要な箇所にのみ素子部材を堆積することが可能となる。しかも、基板210全体に対し、均等に堆積させることが可能であり、かつ、各素子単位でも均等に堆積することが可能である。
当該、素子材料堆積装置、及び、素子材料堆積方法を採用すれば、例えば、緑に発光する材料と、赤に発光する材料と、青に発光する材料を、基板210上に場所を異にして堆積することが可能である。また、発光材料ばかりでなく、カラーフィルタなどを場所を異にして堆積することも可能となる。
さらに、基板210の電極自体は接地電位であるため、異常放電などにより基板210が損傷することを可及的に回避することが可能となる。
また、マスクとして機能する電界発生電極104が、高温に晒されることが無いため、電界発生電極104が熱膨張し、素子材料を堆積させる位置がずれることを可及的に回避できる。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について、図面に基づき説明する。
図4は、実施の形態3にかかる素子材料堆積装置を概略的に示す断面図である。
同図に示すように、本実施の形態3にかかる素子材料堆積装置100は、第二吐出体102を有する2流体ノズルを備える点、及び、電界発生電極104の構成以外、実施の形態2にかかる素子材料堆積装置100と同じであるためその説明を省略する。また、2流体ノズルについては実施の形態1と同様であるため、その説明を省略する。
素子材料堆積装置100は、電極基体136と、電界発生電極104と、忌避電極114と、忌避電源224とを備えている。
電極基体136は、基板210が載置できる大きさを備えた絶縁体からなる板状の部材であり、電界発生電極104と、忌避電極114とが表面に露出するように埋設状に配置されている。
忌避電極114は、素子材料を堆積する際、帯電した素子材料の飛来を忌避する電位が与えられる電極であり、忌避電源224と接続されている。
忌避電源224は、忌避電極114に帯電した素子材料とは異なる極性の電位、または、交流の電位を選択的に付与することができる電源である。
電界発生電極104は、図5に示すように、電極基体136の所定の位置に点在状に配置されている。当該配置は、電極基体136に載置される基板210の電極211の位置に対応している。また、電界発生電極104に対応する電極211は、ELD完成時には赤色を発生させるための電極である。
また、電極基体136に載置される基板210の電極211は、全て接地されている。
次に、以上の構成の素子材料堆積装置100を用いて、基板210上の所定の位置に素子材料を堆積させる方法を説明する。
まず、上記実施の形態1、及び、実施の形態2に従い、各部位に電位を印加し、原料液200を噴霧する。ただし、電界発生電極104には、帯電する原料液200の極性と同極性の電位を電界発生電源105により印加する。一方、忌避電極114には、帯電する原料液200の極性と異なる極性の電位、または、交流の電位を印加する。
以上により、電界発生電極104に対面して配置される電極211には、帯電する原料液200の極性と異なる極性の電荷が誘導される。一方、忌避電極114に対面して配置される電極211には、帯電する原料液200の極性と同極性の電荷が誘導される。または、交流の電位が発生する。
以上により、噴霧された原料液200は、同極性の電荷が誘導される電極211への飛行は忌避し、異なる極性の電荷が誘導される電極211に向かって飛行し、当該電極211上にのみ堆積する。また、忌避電極114に交流電位を印加した場合、これに対面する電極211にも交流の電位が発生する。この交流の電位は、時間的に長いスパンで考えると、平均して電位が0となり、異なる極性の電荷が誘導される電極211よりは原料液200の飛行を忌避する。
従って、基板210上の所望の位置に素子材料をマスクを用いることなく堆積することが可能となる。
なお、図6に示す基板210のような場合、データラインに帯電する原料液200の極性と異なる電位を印加し、「R」のみをゲートラインで選択した場合、「R」が附される電極211にのみ電位が印加され、その他の電極(「G」「B」)は、フローティング状態になっている。そして順次走査信号(薄膜トランジスタをONさせるゲート電圧)を印加し、これに同期させて、所定の画素電極「R」に対応するデータ配線に前記電位を印加することで、「R」が附されている全ての電極211にのみ素子材料を堆積することが可能となる。
なお、上記実施の形態では「R」の場合を例にとり、説明したが、「G」「B」の場合も同様である。
本発明は、ディスプレイの製造工程の一つとして採用しうる。
実施の形態1である素子材料堆積装置を模式的に示す図である。 実施の形態2にかかる素子材料堆積装置を概略的に示す断面図である。 (a)は、マスク状の電界発生電極を示す正面図、(b)はその側面図である。 実施の形態3にかかる素子材料堆積装置を概略的に示す断面図である。 電極基体を示す正面図である。 基板を示す正面図である。
符号の説明
100 素子材料堆積装置
101 第一吐出体
102 第二吐出体
103 電荷供給電源
104 電界発生電極
105 電界発生電源
106 電界制御板
107 電界制御電源
108 第一吐出口
109 第二吐出口
110 窒素ガス
111 ガス供給源
114 忌避電極
120 原料供給源
121 ホッパー
122 ヒータ
123 タンク
124 ポンプ
131 電荷供給電極
135 ステージ
136 電極基体
141 絶縁体層
142 導電体層
200 原料液
210 基板
211 電極
220 チャンバ電源
224 忌避電源
230 チャンバ

Claims (8)

  1. エレクトロルミネセンス用素子材料をディスプレイ用基板に堆積させる素子材料堆積方法であって、
    素子材料を含む原料液を第一吐出口より吐出する第一吐出ステップと、
    吐出される前記原料液に電荷を付与して帯電させる電荷付与ステップと、
    前記第一吐出口と前記基板との間に、帯電した前記原料液が基板に向かって飛行する方向に電界を発生させる電界発生ステップと
    を含む素子材料堆積方法。
  2. さらに、
    流体を第一吐出口の近傍に存在する第二吐出口より、前記原料液と同時に吐出する第二吐出ステップを含む請求項1に記載の素子材料堆積方法。
  3. さらに、
    前記基板の所定の部分に、帯電した前記原料液の極性と逆の極性の電位を付与する逆極性付与ステップを含む請求項1に記載の素子材料堆積方法。
  4. さらに、
    前記所定の部分と異なる部分に、帯電した前記原料液の極性と同じ極性の電位、または交流の電位を付与する忌避電位付与ステップを含む請求項3に記載の素子材料堆積方法。
  5. エレクトロルミネセンス用素子材料を基板に堆積させる素子材料体積装置であって、
    素子材料を含む原料液を吐出する第一吐出口を有する第一吐出体と、
    吐出される前記原料液に電荷を供給して帯電させる電荷供給手段と、
    前記第一吐出体と前記基板との間に、帯電した前記原料液が基板に向かって飛行する方向に電界を発生させる電界発生手段と
    を備える素子材料体積装置。
  6. さらに、
    前記第一吐出口の近傍に流体を吐出する第二吐出口を有する第二吐出体を備える請求項5に記載の素子材料堆積装置。
  7. 前記電界発生手段は、
    基板表面の所定の位置に複数配置される電界発生電極と、
    前記電界発生電極のそれぞれに向かって帯電した前記素子材料が飛行するように、前記電界発生電極のそれぞれに電位を付与する電界発生電源と
    を備える請求項5に記載の素子材料体積装置。
  8. さらに、
    前記所定の位置とは異なる位置に複数配置される忌避電極と、
    前記忌避電極に向かって帯電した前記素子材料が飛行するのを忌避するように、前記忌避電極に電位を付与する忌避電源と
    を備える請求項5に記載の素子材料体積装置。
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