―第1の実施の形態―
図1は、本実施の形態における画像転送システムの一実施の形態の構成を示すブロック図である。画像転送システム100は、カメラ200と、画像記録用サーバー300と、メールサーバー400と、パーソナルコンピュータ(PC)500と、アクセスポイント(無線基地局)600とが、互いにインターネット等の通信網を介して接続されている。なお、図中に示した矢印は、各機器間におけるデータの流れを模式的に示したものである。
カメラ200は、例えば無線通信機能を備えたデジタルカメラであって、無線LANのアクセスポイント600を介してインターネットに接続する。使用者は、このカメラ200を操作して画像を取得し、その画像を画像記録用サーバー300へアップロードすることができる。また、使用者は、後述するように、カメラ200上で各画像に対して宛先としてのメールアドレスを対応付けることができ、カメラ200からは、その対応付け結果を表す宛先リストが送信用情報として画像記録用サーバー300に送信される。カメラ200による処理の詳細については後述する。
画像記録用サーバー300は、カメラ200から送信される画像ファイル、および宛先リストを受信し、受信した画像ファイルをハードディスクなどの記憶媒体に記録すると共に、宛先リストに基づいて特定される画像の宛先に対して、画像ファイルがアップロードされた旨を通知するためのお知らせメールを作成する。ここで作成されるお知らせメールの具体例については、図2により後述する。画像記録用サーバー300は、作成したお知らせメールをメールサーバー400へ送信し、その後、メールサーバー400を経由して、宛先として指定されているメールアドレスに応じたメールサーバー400のメールボックスに配信される。
宛先として指定されたメールアドレスの所有者は、PC500にインストールされているメールソフトを用いてメールサーバー400からお知らせメールを受信することによって、PC500のモニタ上でお知らせメールを閲覧することができる。
なお、お知らせメールは、例えば、図2に示すように、画像記録サーバー300に記録されている画像ファイルにアクセスするためのリンク(URL)2aと、画像記録用サーバー300が画像をアップロードされたことを通知するメッセージ文2bと、そのメールアドレスが宛先として設定された画像のうち、所定数、例えば3つの画像のサムネイル画像2cとが表示されている。メールの受信者は、メール上でリンク2a、あるいはサムネイル画像2cをクリックすることによって、リンク先の画像ファイルをダウンロードして、PC500上で閲覧することができる。
図3は、本実施の形態におけるカメラ200の一実施の形態の構成を示すブロック図である。カメラ200は、操作部材201と、レンズ202と、撮像素子203と、制御装置204と、SDRAM205と、フラッシュメモリ206と、メモリカードスロット207と、モニタ208と、通信モジュール209とを備えている。
操作部材201は、使用者によって操作される種々の入力部材、例えば電源ボタン、レリーズボタン、ズームボタン(ズームアップボタン、ズームダウンボタン)、ロータリーマルチセレクター、再生ボタン、削除ボタン、メールボタンなどを含んでいる。
ロータリーマルチセレクターとは、例えば、図4に示すように、回転部4aと、中央部のOKボタン4bとから構成されている。使用者は、回転部4aを右方向(時計回り)または左方向(反時計回り)に回転させるか、あるいは回転部4aを十字キーに見立てて、上、下、左、右のいずれかを押下することによって、項目を選択したり画像を選択することができる。そして、OKボタン4bを押下することによって、選択した項目を確定することができる。
なお、本実施の形態では、回転部4aを右方向に回すことを「ロータリーマルチセレクターを右に回す」と表現し、左方向へ回すことを「ロータリーマルチセレクターを左に回す」と表現する。また、回転部4aの上を押下することを「ロータリーマルチセレクターの上を押す」、回転部4aの下を押下することを「ロータリーマルチセレクターの下を押す」、回転部4aの左を押下することを「ロータリーマルチセレクターの左を押す」、回転部4aの右を押下することを「ロータリーマルチセレクターの右を押す」とそれぞれ表現する。
レンズ202は、複数の光学レンズから構成されるが、図3では代表して1枚のレンズで表している。撮像素子203は、例えばCCDやCMOSであり、レンズ202により結像した被写体像を撮像して画像を取得する。そして、取得した画像データを制御装置204へ出力する。
制御装置204は、CPUやその他の周辺回路により構成され、後述するSDRAM205を作業領域として使用して、撮像素子203から入力された画像データに画像処理を施す。例えば、画像データに対して階調補正処理や色変換処理を施した後、所定の画像形式、例えばJpeg形式に圧縮し、Exif(Exchangeable Image File Format for Digital Still Camera)等の所定の形式の画像ファイルを生成する。そして、生成した画像ファイルを後述するメモリカードスロット207へ出力する。
SDRAM205は、揮発性のメモリであって、CPUがプログラム実行時にプログラムを展開するためのワークメモリとして使用されたり、データを一時的に記録するためのバッファメモリとして使用される。また、フラッシュメモリ206は、不揮発性のメモリであって、CPUによって実行されるプログラムのデータや、プログラム実行時に読み込まれる種々のパラメータなどが記録されている。
メモリカードスロット207は、着脱可能な記憶媒体であるメモリカード、例えばSDカードを挿入するためのスロットであって、上述したように、制御装置204から出力される画像ファイルをメモリカードに書き込んで記録する。また、制御装置204からの指示に基づいて、メモリカード内に記憶されている画像ファイルを読み出して制御装置204へ出力したり、記録されている画像ファイルを削除したりする。
モニタ208は、カメラ200の背面に搭載された液晶モニタ(背面モニタ)であり、当該モニタ208には、メモリカードに記憶されている画像(再生画像)やカメラ200を設定するための設定メニューなどの種々の情報が表示される。また、制御装置204が撮像素子203で取得した画像を時系列でモニタ208に出力することによって、モニタ208には、各フレームの画像が所定時間間隔で順番に表示される。すなわちモニタ208にはスルー画が表示される。
通信モジュール209は、カメラ200がアクセスポイント600と無線通信するための無線LANモジュールである。通信モジュール209は、制御装置204によって制御され、使用者によって通信の指示が指示されると、アクセスポイント600との間で無線通信を確立して、アクセスポイント600を介してインターネットに接続する。なお、アクセスポイント600との間で無線通信を開始するための処理については後述する。
以下、本実施の形態における制御装置204による処理について説明する。この制御装置204は、予約処理実行部204aと、データ送信部204bとを機能的に備えている。
予約処理実行部204aは、使用者によるメニュー操作に基づいて、カメラ200のモードがメール予約モードに設定されると、図5に示すメール予約画面をモニタ208に表示する。なお、メール予約モードとは、使用者が他の人物に見せたい画像を選択して、選択した画像に対して、上述したお知らせメールの宛先を設定するためのモードである。例えば、使用者は、モニタ208に上述したスルー画が表示されているとき、またはモニタ208にメモリカード内に記録されている画像が再生表示されているときに、操作部材201に含まれるメールボタンを押下することによって、カメラ200のモードをメール予約モードに設定することができる。
このメール予約画面は、画像表示領域5a、宛先設定用領域5b、および宛先表示領域5cとを含んでいる。画像表示領域5aは、メモリカード内に記録されている画像を表示するための領域であって、予約処理実行部204aは、メモリカードから画像ファイルを読み込んで、読み込んだ画像ファイルの内のいずれか1枚の画像を表示する。例えば、ファイル名を昇順に並べたときの最も上位の画像を初期表示する。使用者は、ロータリーマルチセレクターの右を押すことによって、画像表示領域5a内の表示画像を、現在表示している画像の次の画像に切り替えることができる。また、ロータリーマルチセレクターの左を押すことによって、画像表示領域5a内の表示画像を、現在表示している画像の前の画像に切り替えることができる。
宛先設定用領域5bは、使用者が、画像表示領域5aに表示されている画像がアップロードされたことを通知するための宛先を設定するための領域である。予約処理実行部204aは、使用者によってあらかじめ宛先が登録されているアドレス帳をフラッシュメモリ206から読み込んで、宛先設定用領域5b内に、宛先情報を表示する。例えば、宛先としては、個人のメールアドレスや、複数のメールアドレスをグループ化したグループが登録されている。
図5に示す例では、宛先設定用領域5bには、メールアドレスを表すアイコン5dおよびそのアドレスに付されたアドレス番号(例えば01,02・・・)、グループを表すアイコン5eおよびそのグループに付されたグループ番号(例えば01)が表示されている。また、宛先設定用領域5bには、使用者がアドレス帳へのメールアドレスやグループの登録を指示するためのNEW項目5f、および後述する宛先設定済みアイコン5gが表示されている。
この宛先設定用領域5bでは、宛先表示領域5cの横に表示されているアドレス、またはグループが現在選択中の宛先を表しており、現在選択中の宛先の内容が宛先表示領域5cに表示される。図5に示す例では、現在、グループ01が選択されており、宛先表示領域5c内には、そのグループに付けられたグループ名(nikon)が表示されている。使用者は、ロータリーマルチセレクターを左右に回転させることによって、選択中の宛先を切り替えることができる。例えば、ロータリーマルチセレクターを左に回転させることによって、宛先を1つずつ上へずらすことができ、右に回転させることによって、宛先を1つずつ下へずらすことができる。
図5に示すようにグループ01が選択されている状態で、ロータリーマルチセレクターを左に回転されると、現在選択中の宛先がアドレス01に切り替わり、宛先表示領域5cには、そのアドレスの所有者の名前やメールアドレスが表示される。使用者は、宛先設定用領域5bで現在選択中の宛先を、画像表示領域5aに表示されている画像に対するお知らせメールの宛先として設定する場合には、ロータリーマルチセレクターのOKボタン4bを押下する。これによって、使用者は、メール予約画面上で各画像ごとにお知らせメールの宛先を設定することができる。
なお、本実施の形態では、使用者は、画像表示領域5aに表示する画像を切り替えながら、複数の画像に対してそれぞれ宛先を設定することができる。また、画像表示領域5aに表示されている1つ画像に対して、宛先設定用領域5bで宛先としてのメールアドレスを1つ、または複数選択することができる。また、宛先としてグループを設定することによって、グループ内に含まれる全てのメールアドレスに対してお知らせメールを送信するように指定することもできる。
使用者によって画像に対して宛先が設定されると、予約処理実行部204aは、画像と宛先とを対応付けてメール予約リストに登録する。メール予約リストは、どの画像に対してどの宛先が設定されたかを対応付けて管理するためのリストであって、そのリストを格納したファイル(メール予約リストファイル)はフラッシュメモリ206に記録される。例えば、メール予約リストは、図6に示すように、メール予約が行なわれた画像ファイルのファイル名、設定された宛先を特定するための宛先ID、およびその画像ファイルとこのメール予約リストに基づいて作成される宛先リストが画像記録用サーバー300へ送信された日時を表す送信完了日時とを対応付けて記録したものである。
ここで、宛先IDとは、アドレス帳に登録されているアドレスやグループを一意に識別するためのIDであって、メール予約リストにおいては、この宛先IDを用いて、画像ファイルと宛先との対応付けを行う。また、送信完了日時は、後述するデータ送信処理によって、この画像ファイルと宛先リストとが画像記録用サーバー300へ送信されたときに、その日時が登録され、送信が完了するまでは、ここにはデータは登録されない。
図6に示す例では、DSCN0001.jpg〜DSCN0005.jpgの5つの画像ファイルについてのレコードがメール予約リストに登録されており、いずれの送信完了日時もデータが登録されていないことから、全ての画像についての画像ファイルおよび宛先リストは未送信であることを示している。また、本実施の形態では、宛先IDとして、メールアドレスは1桁目がAで始まるIDが付加され、グループは一桁目がGで始まるIDが付加されている。よって、このメール予約リストからは、DSCN0001.jpgには、宛先IDがそれぞれA01およびA02のメールアドレスと、宛先IDがG01のグループとが宛先として設定されていることを示している。
予約処理実行部204aは、このメール予約リストに基づいて、宛先設定用領域5b内に宛先設定済みアイコン5gを表示する。例えば、予約処理実行部204aは、メール予約リストを参照することによって、現在、画像表示領域5aに表示されている画像に対する宛先として設定されているメールアドレスやグループを特定する。そして、特定したメールアドレスやグループを示すアイコン5d、5eに対応付けて、そのメールアドレスやグループが画像表示領域5aに表示されている画像に対する宛先として設定されていることを示す宛先設定済みアイコン5gを表示する。これによって、使用者は、画像表示領域5aに表示されている画像に対して設定した宛先を一目で確認することができる。
また、予約処理実行部204aは、メール予約リストの送信完了日時にデータが登録されていない画像ファイルに対する宛先設定済みアイコン5gと、送信完了日時にデータが登録されている画像ファイルに対する宛先設定済みアイコン5gとで、その表示形態を変更する。例えば、送信完了日時にデータが登録されていない場合には、その画像ファイルに対する宛先設定済みアイコン5gの表示色を白にし、送信完了日時にデータが登録されている場合には、その画像ファイルに対する宛先設定済みアイコン5gの表示色を赤にする。これによって、使用者は、宛先ごとに、画像ファイルおよび宛先リストの送信が完了しているか否かを一目で確認することができる。
このメール予約画面上では、使用者は、アドレス帳に新規アドレスまたは新規グループを登録することもできる。具体的には、使用者は、NEW項目5fが宛先表示領域5cの横に位置するようにロータリーマルチセレクターを操作し、NEW項目5fが宛先表示領域5cの横に位置した状態でOKボタン4bを押下することで、NEW項目5fを選択してアドレス帳への新規登録を指示することができる。使用者によってアドレス帳への新規登録が指示された場合には、予約処理実行部204aは、新規登録用画面をモニタ208に表示して、新規登録用画面上での使用者による登録操作を受け付け、指定されたアドレスまたはグループをアドレス帳に追加する。これによって、使用者は、宛先として指定したいアドレスやグループをメール予約画面上で新たに追加することができる。
本実施の形態では、使用者は、各画像に対する宛先の設定状況、すなわちお知らせメールの送信予約状況をモニタ208上で確認することができる。例えば、使用者は、メール予約画面が表示されている状態で、ズームダウンボタンを押下することによって、図7に示すような予約一覧画面を表示することができる。すなわち、予約処理実行部204aは、メール予約画面表示中に、使用者によってズームダウンボタンが押下されたことを検出した場合には、モニタ208に図7に示す予約一覧画面を表示する。
この予約一覧画面では、予約処理実行部204aは、上述したメール予約リストに基づいて、使用者が宛先を設定した画像のみを抽出して一覧表示する。また、メール予約リストに基づいて、各画像に対して設定されている宛先の数を算出して、算出結果を各画像に対応付けて表示する。図7に示す例では、各画像にそれぞれ30ずつの宛先が設定された例を示している。なお、予約処理実行部204aは、メール予約リストに基づいて、当該画像の画像ファイル、および後述する宛先リストの画像記録用サーバー300への送信が完了したか否かを判定して、その判定結果に基づいて、各画像に対応付けて表示する宛先の数の表示形態を変更するようにしてもよい。例えば、画像記録用サーバー300への送信が完了していない画像については、宛先の数を白文字で表示し、画像記録用サーバー300への送信が完了した画像については、宛先の数を赤文字で表示するなどしてもよい。
さらに、使用者は、この予約一覧画面上でいずれか1枚の画像を選択してズームアップボタンを押下することによって、その画像に対して設定されているアドレス一覧を確認することができる。すなわち、予約処理実行部204aは、使用者によってズームアップボタンが押下されたことを検出した場合には、メール予約リストおよびアドレス帳を参照して、そのときに選択されている画像に対して設定されている宛先の一覧をモニタ208に表示する。
使用者は、上述した操作を行って、お知らせメールを送信したい画像に対する宛先の設定が全て完了した場合には、メール予約画面、あるいは予約一覧画面がモニタ208に表示されている状態でレリーズボタンを押下することによって、メール予約モードを終了することができる。すなわち、予約処理実行部204aは、メール予約画面、あるいは予約一覧画面表示中に、使用者によってレリーズボタンが押下されたことを検出した場合には、メール予約画面、あるいは予約一覧画面の表示を終了して、カメラ200のモードをメール予約モードに移行する前に設定されていたモードに戻す。
予約処理実行部204aは、メール予約モードが終了した場合には、使用者に対して、上述した操作でお知らせメールを送信するように予約した画像、および画像と宛先とを対応付けた宛先リストを、画像記録用サーバー300へ送信するか否かを確認するためのメッセージをモニタ208へ表示する。その結果、使用者によって送信するように指示された場合には、データ送信部204bは、後述するデータ送信処理を実行する。これに対して、この時点では送信しないように指示された場合には、データ送信部204bは、データ送信処理を実行しない。これによって、使用者は、メール予約を行った後、すぐに送信を行うか、後で送信を行うかを任意に選択することができる。
図8は、本実施の形態における予約処理実行部204aによって実行されるメール予約処理を示すフローチャートである。図8に示す処理は、使用者によるメニュー操作に基づいて、カメラ200のモードがメール予約モードに設定されると起動するプログラムとして実行される。
ステップS10において、予約処理実行部204aは、メモリカードから画像ファイルを読み込み、フラッシュメモリ206からアドレス帳とメール予約リストとを読み込む。その後、ステップS20へ進み、予約処理実行部204aは、ステップS10で読み込んだ情報に基づいて、図5に示したメール予約画面をモニタ208に表示してステップS30へ進む。ステップS30では、予約処理実行部204aは、上述したように、メール予約リストに基づいて、宛先設定用領域5b内に宛先設定済みアイコン5gを表示する。その後、ステップS40へ進む。
ステップS40では、予約処理実行部204aは、上述したように、使用者によってNEW項目5fが選択されたことによって、アドレス帳への新規登録が指示されたか否かを判断する。否定判断した場合には、後述するステップS70へ進む。これに対して、肯定判断した場合には、ステップS50へ進む。ステップS50では、予約処理実行部204aは、モニタ208上に新規宛先の登録画面を表示して、使用者による新規宛先の登録を受け付ける。その後、ステップS60へ進み、予約処理実行部204aは、使用者による操作に基づいてアドレス帳に新規宛先を追加して、ステップS70へ進む。
ステップS70では、予約処理実行部204aは、使用者によってロータリーマルチセレクターの右または左が押下されたことにより、画像表示領域5aに表示する画像の切り替えが指示されたか否かを判断する。否定判断した場合には、後述するステップS90へ進む。一方、肯定判断した場合には、ステップS80へ進み、予約処理実行部204aは、使用者によるロータリーマルチセレクターの操作に基づいて、画像表示領域5aに表示する画像の切り替えを行う。その後、ステップS90へ進む。
ステップS90では、予約処理実行部204aは、使用者によってロータリーマルチセレクターが右回転または左回転されたことにより、宛先設定用領域5b内での宛先の選択状況の切り替えが指示されたか否かを判断する。否定判断した場合には、後述するステップS110へ進む。一方、肯定判断した場合には、ステップS100へ進み、予約処理実行部204aは、使用者によるロータリーマルチセレクターの操作に基づいて、選択対象の宛先の切り替えを行う。その後、ステップS110へ進む。
ステップS110では、予約処理実行部204aは、使用者によってロータリーマルチセレクターのOKボタン4bが押下されたことにより、画像表示領域5a内に表示されている画像に対して宛先設定用領域5b内で選択されている宛先を設定するように指示されたか否かを判断する。否定判断した場合には、後述するステップS130へ進む。一方、肯定判断した場合には、ステップS120へ進み、予約処理実行部204aは、画像表示領域5a内に表示されている画像の画像ファイルと、宛先設定用領域5b内で選択されている宛先の宛先IDとを対応付けて、図6に示したメール予約リストに登録して、ステップS130へ進む。
ステップS130では、予約処理実行部204aは、使用者によってズームダウンボタンが押下されたことによって、予約一覧画面の表示が指示されたか否かを判断する。否定判断した場合には、後述するステップS170へ進む。これに対して、肯定判断した場合には、ステップS140へ進む。ステップS140では、予約処理実行部204aは、図7に示した予約一覧画面をモニタ208に表示する。このとき、メール予約リストに基づいて、各画像に対して設定されている宛先の数を算出して、算出結果を各画像に対応付けて表示する。その後、ステップS150へ進む。
ステップS150では、予約処理実行部204aは、使用者によって予約一覧画面上でいずれか1枚の画像が選択され、ズームアップボタンが押下されることによって、その画像に設定されているアドレス一覧を表示するように指示があったか否かを判断する。否定判断した場合には、後述するステップS170へ進む。これに対して、肯定判断した場合には、ステップS160へ進み、メール予約リストおよびアドレス帳を参照して、そのときに選択されている画像に対して設定されている宛先の一覧をモニタ208に表示する。その後、ステップS170へ進む。
ステップS170では、予約処理実行部204aは、使用者によってメール予約画面、あるいは予約一覧画面表示中にレリーズボタンが押下されることによって、メール予約モードの終了が指示されたか否かを判断する。否定判断した場合には、ステップS40へ戻って処理を繰り返す。これに対して、肯定判断した場合には、ステップS180へ進み、予約処理実行部204aは、メール予約モードを終了する。その後、ステップS190へ進む。
ステップS190では、予約処理実行部204aは、使用者に対して、お知らせメールを送信するように予約した画像、および画像と宛先とを対応付けた宛先リストを、画像記録用サーバー300へ送信するか否かを確認するためのメッセージをモニタ208へ表示する。その後、ステップS200へ進み、使用者によるデータ送信処理の実行指示があったか否かを判断する。肯定判断した場合には、ステップS210へ進み、データ送信部204bは、図9により後述するデータ送信処理を実行して、処理を終了する。一方、否定判断した場合には、そのまま処理を終了する。
次に、本実施の形態におけるデータ送信部204bによるデータ送信処理について説明する。データ送信部204bは、使用者から、上述したメール予約処理でお知らせメールを送信するように宛先が設定された画像の画像記録用サーバー300への送信が指示された場合に、メール予約リストに基づいて、対象となる画像、および画像ファイル名と宛先とを対応付けた宛先リストとを画像記録用サーバー300へ送信する。なお、使用者は、図8のステップS190で表示される確認メッセージに応答してデータ送信処理の実行を指示することができ、あるいはメニュー操作によりデータ送信処理の実行を指示することもできる。
図9は、データ送信部204bによって実行されるデータ送信処理を示すフローチャートである。図9に示す処理は、使用者によってメール予約がされている画像の画像記録用サーバー300への送信が指示されると起動するプログラムとして実行される。
ステップS310において、データ送信部204bは、通信モジュール209を制御して、通信可能範囲内に存在するアクセスポイント600のSSIDを検索する。ステップS320では、データ送信部204bは、ステップS310での検出結果に基づいて、カメラ200に最新に登録されたSSID(最新登録SSID)が、通信可能範囲内にあるか否かを判断する。肯定判断した場合には、ステップS330へ進み、データ送信部204bは、最新登録SSIDを接続先として選択する。
その後、ステップS340へ進み、データ送信部204bは、使用者によって、選択した最新登録SSIDへの接続キャンセル操作が行われていないか否かを判断し、肯定判断した場合には、後述するステップS370へ進む。これに対して、ステップS320またはステップS340で否定判断した場合には、ステップS350へ進み、データ送信部204bは、カメラ200にすでに登録済みのSSIDのリストをモニタ208に表示して、ステップS360へ進む。ステップS360では、使用者によってリスト中からいずれかのSSIDが選択されたか否かを判断し、肯定判断した場合には、ステップS370へ進む。
ステップS370では、データ送信部204bは、ステップS330で選択した最新登録SSID、またはステップS360で使用者によって選択されたSSIDを接続先として、アクセスポイント600との間で無線通信を確立する。その後、ステップS380へ進み、データ送信部204bは、図10で後述する予約済みメール送信処理を実行した後、ステップS390へ進み、アクセスポイント600との接続を解除して、処理を終了する。
図10は、ステップS380で実行される予約済みメール送信処理を示すフローチャートである。ステップS410において、データ送信部204bは、フラッシュメモリ206内に上述したメール予約リストのファイルがあるか否かを判断する。否定判断した場合には、ステップS560へ進み、データ送信部204bは、モニタ208上に「メール転送終了しました」などのデータ送信が終了した旨のメッセージを表示して、図9に示す処理に復帰する。これに対して、肯定判断した場合には、ステップS420へ進む。
ステップS420では、データ送信部204bは、使用者によってデータ操作を中断するための操作が行われたか否かを判断する。否定判断した場合には、ステップS550へ進み、後述する中断フラグをセットする。中断フラグは、予約済みメール送信処理が途中で中断されたことを示すフラグであって、SDRAM205内に記録される。なお、この中断フラグは、後述する第2および第3の実施の形態で使用するフラグであるため、この第1の実施の形態ではセットしないようにしてもよい。その後、上述したステップS560へ進んだ後、図9で上述した処理に復帰する。
一方、ステップS420で肯定判断した場合には、ステップS430へ進む。ステップS430では、データ送信部204bは、メール予約リストに基づいて、宛先リストを画像記録用サーバー300へ送信していない画像、すなわちメール予約リストの送信完了日時にデータが登録されていない画像があるか否かを判断する。否定判断した場合には、上述したステップS560へ進んだ後、図9に示す処理に復帰する。これに対して、肯定判断した場合には、ステップS440へ進む。
ステップS440では、データ送信部204bは、未送信画像の中から特定の1枚の画像を選択して、ステップS450へ進む。ステップS450では、データ送信部204bは、メール予約リストを参照して、選択した特定の1枚の画像に対応付けられている全ての宛先を確認して、ステップS460へ進む。ステップS460では、データ送信部204dは、メール予約リストの中に含まれる画像の中から、各画像に対応付けられている全宛先が、ステップS450で確認した特定の1枚の画像に対応付けられている全宛先と同じ画像の存在を確認して、ステップS470へ進む。
ステップS470では、データ送信部204bは、ステップS460で確認した全宛先が同じ画像をその宛先に基づいてグループ化して宛先リストを作成し、SDRAM205へ記録する。データ送信部204bは、この宛先リストを送信用情報として画像記録用サーバー300に送信することによって、画像記録用サーバー300に対して、どの画像に対するお知らせメールをどの宛先に宛てて送信するかを指示する。
ここで、各画像に設定されている全宛先の組み合わせが異なる場合には、画像記録用サーバー300は、それぞれの全宛先の組み合わせを送信先に設定してお知らせメールを配信する必要があるが、複数の画像の全宛先が共通している場合には、それらの共通する全宛先に対して、複数の画像がアップロードされたことを通知するためのお知らせメールを1通だけ送信すればよい。
このため、本実施の形態では、複数の画像に設定されている全宛先が共通している場合には、画像記録用サーバー300側で、それらの宛先に対しては、まとめて1通のお知らせメールを作成することができるように、全宛先が共通しているレコードをグループ化した宛先リストを作成する。宛先リストの具体例を図11に示す。なお、この図11に示す宛先リストは、図6に示したメール予約リストに基づいて作成されたものを示している。
図6に示すメール予約リストにおいては、DSCN0001.jpgとDSCN0003.jpgとは、関連付けられている全宛先が同一であることから、これらを1つにまとめ、宛先IDがA01のメールアドレス、A02のメールアドレス、G03に含まれる全てのメールアドレスを、お知らせメールの送信先とし、そのお知らせメールによる通知対象の画像をDSCN0001.jpgおよびDSCN0003.jpgとしたレコードを宛先リストに追加する。また、その他の画像については、他に宛先が共通する画像がないので、各宛先をお知らせメールの送信先とし、そのお知らせメールによる通知対象の画像をそれぞれの画像としたレコードを宛先リストに追加する。
その後、ステップS475へ進み、データ送信部204dは、ステップS430で特定した未送信画像の全てが宛先リストに登録されたか否かを判断する。否定判断した場合には、ステップS440へ戻る。これに対して、肯定判断した場合には、ステップS480へ進む。
ステップS480では、データ送信部204bは、作成した宛先リストを画像記録用サーバー300へ送信する。画像記録用サーバー300は、受信した宛先リストに基づいて、誰にどの画像に関するお知らせメールを送信するべきかを判定し、図2に示したお知らせメールをそれぞれの宛先(送信先)へ送信する。ステップS480で宛先リストを送信した後は、ステップS490へ進む。
ステップS490では、画像記録用サーバー300は、特定の1枚の画像を選択し、その画像の画像情報を画像記録用サーバー300へ送信する。画像情報としては、画像ファイルのファイル名、ファイル作成日時、ファイルサイズを送信する。画像記録用サーバー300では、受信した画像情報に基づいて、データ送信部204bがこれから送信することを予定している画像ファイルが、既に画像記録用サーバー300内に記録されているか否かを判定する。具体的には、ファイル名、ファイル作成日時、ファイルサイズの全てが一致する画像ファイルがすでに記録されているか否かを判定する。
例えば、使用者の指示に基づいて、カメラ200から画像記録用サーバー300に画像のバックアップがとられた場合などは、既に画像記録用サーバー300内に画像ファイルが記録されている可能性がある。もし、既に画像記録用サーバー300内に、受信した画像情報と一致する画像情報を有する画像ファイルが記録されている場合には、画像記録用サーバー300内には、既に同じ画像ファイルが記録されているため、改めてカメラ200から画像を受信する必要はないと判定し、カメラ200に対して送信不要通知を送信する。これに対して、画像記録用サーバー300内に受信した画像情報と一致する画像情報を有する画像ファイルが記録されていない場合には、カメラ200から画像を受信する必要があると判定して、カメラ200に送信要求を行う。
ステップS500では、データ送信部204bは、画像記録用サーバー300から送信要求を受信したか否かを判断する。否定判断した場合には、ステップS540へ進み、データ送信部204bは、画像記録用サーバー300から送信不要通知を受信したか否かを判断する。否定判断した場合には、ステップS500へ戻って処理を繰り返す。これに対して、肯定判断した場合には、ステップS490へ戻る。
一方、ステップS500で肯定判断した場合には、ステップS510へ進み、ステップS490で選択した特定の1枚の画像の画像記録用サーバー300への送信を開始して、ステップS520へ進む。なお、画像記録用サーバー300は、特定の1枚の画像の受信が完了すると受領通知をカメラ200へ送信する。ステップS520では、データ送信部204bは、画像記録用サーバー300からこの受領通知を受信したか否かを判断する。肯定判断した場合には、ステップS530へ進み、データ送信部204bは、メール予約リスト内の特定の1枚の画像ファイルに対応する送信完了日時に、現在の日時を記録して、ステップS490へ戻る。
以上説明した本実施の形態によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
(1)制御装置204は、画像ファイル(画像データ)をメモリカードスロット207に挿入されたメモリカード(第1の記憶媒体)に記録し、予約処理実行部204aは、各画像ファイルを識別するための識別情報としてのファイル名と、各画像ファイルの宛先に関する宛先情報としての宛先IDとを対応付けたメール予約リストをフラッシュメモリ(第2の記憶媒体)206に記録する。そして、データ送信部204bは、アクセスポイント600を介して画像記録用サーバー300との通信が確立されたことを検出したときに、フラッシュメモリ206にメール予約リストが記録されている場合には、メール予約リストに基づいて作成した宛先リストと、メール予約リストにより特定される画像ファイルとを、画像記録用サーバー300へ送信するようにした。これによって、使用者は、無線通信が行えない場所でもあらかじめ送信指示を行うことができ、無線通信が確立したときに送信指示対象の画像ファイルが送信されるため、使用者の利便性が向上する。
(2)予約処理実行部204aは、メール予約画面の画像表示領域5a内に、メモリカードに記録されている画像ファイルに基づいて画像を表示し、使用者によるロータリーマルチセレクターを介した指示に基づいて、画像表示領域5a内に表示する画像を切り替えるようにした。そして、使用者によるロータリーマルチセレクターを介した指示に基づいて、画像表示領域5a内に表示されている画像に対応する画像ファイルのファイル名に対して、少なくとも1つの宛先IDを対応付けて、メール予約リストに登録するようにした。これによって、使用者によって特定された画像に対応する画像ファイルに対して、使用者によって指定された宛先を対応付けて記録することができる。
(3)予約処理実行部204aは、フラッシュメモリ206に記録されているメール予約リストに基づいて、画像記録用サーバー300へ送信することが予定されている画像の一覧を予約一覧画面上に表示するようにした。これによって、使用者は、ある時点でのお知らせメール送信の予約状況を確認することができる。
(4)予約処理実行部204aは、予約一覧画面上に一覧表示した各画像のそれぞれに対応付けて、各画像に対して設定されている宛先の数を表示するようにした。これによって、使用者は、お知らせメールの送信先として設定した宛先の数を画像ごとに把握することができる。
(5)予約処理実行部204aは、予約一覧画面上に一覧表示した画像の中から使用者によっていずれかの画像が選択された場合には、メール予約リストに基づいて、その画像に対して設定されているアドレス一覧を表示するようにした。これによって、使用者は、その画像に対するお知らせメールの送信先を把握することができる。
(6)予約処理実行部204aは、メール予約リストに基づいて、宛先設定用領域5b内に宛先設定済みアイコン5gの表示形態を変えることによって、画像記録用サーバー300への送信が完了した画像と、未完了の画像とを識別可能に表示するようにした。これによって、使用者は、各画像および各宛先ごとに、送信の完了、未完了を一目で把握することができる。
―第2の実施の形態―
上述した第1の実施の形態では、使用者によってメール予約がされている画像の画像記録用サーバー300への送信が指示された場合に、図9に示すデータ送信処理を実行して、お知らせメールを送信するように予約されている画像、および宛先リストを送信する例について説明した。これに対して、第2の実施の形態では、使用者によって画像ファイルを画像記録用サーバー300にバックアップするように指示されたときに、バックアップのために画像ファイルを転送するとともに、お知らせメールを送信するように予約されている画像、および宛先リストを画像記録用サーバー300に送信する。
なお、第2の実施の形態においては、図1〜図8、図10、および図11の各図については、第1の実施の形態と同様のため、説明を省略する。また、本実施の形態では、使用者は、第1の実施の形態と同様の方法でメール予約画面を用いてあらかじめお知らせメールを送信するための操作を行っているものとし、フラッシュメモリ206内には、既にメール予約リストが作成されているものとする。
本実施の形態では、画像記録用サーバー300に、バックアップ対象の画像ファイルと、お知らせメールを送信するための画像ファイルおよび宛先リストとを送信する必要がある。バックアップ対象の画像ファイルは、そのファイル数が多いことからデータ量が大きくなる可能性が高いが、お知らせメールを送信するための画像ファイルおよび宛先リストは、対象となる画像ファイルが少ない可能性が高い。このため、バックアップ対象の画像ファイルを先に送信した場合には、お知らせメールの対象の画像ファイルの送信開始までに時間がかかり、お知らせメールの対象の画像ファイルを効率的に転送することができない。
したがって、本実施の形態では、お知らせメールの対象の画像ファイルを、バックアップ対象の画像ファイルに優先して送信することによって、お知らせメールの対象の画像ファイルを効率的に送信するようにする。すなわち、データ送信部204bは、使用者によってお知らせメールを送信するように特定されている画像ファイルを特定画像とし、それ以外のバックアップ対象の画像ファイルを非特定画像とする。そして、特定画像を非特定画像よりも優先して画像記録用サーバー300へ送信する。
具体的には、データ送信部204bは、図12に示すデータ送信処理を実行する。図12に示す処理は、使用者によって画像記録用サーバー300への画像のバックアップが指示されると起動するプログラムとして実行される。または、カメラ200にACアダプタを介して外部電源が供給されると起動するプログラムとして実行される。なお、図12においては、図9で上述した第1の実施の形態におけるデータ送信処理と同一の処理には同じステップ番号を付与し、相違点を中心に説明する。
ステップS340で、否定判断した場合には、ステップS390へ進む。ステップS390では、データ送信部204bは、アクセスポイント600との接続を解除して、ステップS610へ進む。ステップS610では、データ送信部204bは、カメラ200の電源をオフして、処理を終了する。
また、ステップ620において、データ送信部204bは、メモリカード内に画像記録用サーバー300へのバックアップが完了していない画像ファイルが存在するか否かを判断する。具体的には、データ送信部204bは、画像ファイルのアーカイブにチェックが入っているものはバックアップが完了していないと判断する。肯定判断した場合には、ステップ630へ進み、データ送信部204bは、バックアップが未完了の画像の特定の1枚の画像情報、すなわちファイル名、ファイル作成日時、ファイルサイズを画像記録用サーバー300へ送信する。その後、ステップS640へ進む。
ステップS640では、データ送信部204bは、画像記録用サーバー300から送信要求を受信したか否かを判断する。否定判断した場合には、ステップS680へ進み、データ送信部204bは、画像記録用サーバー300から送信不要通知を受信したか否かを判断する。否定判断した場合には、ステップS640へ戻って処理を繰り返す。これに対して、肯定判断した場合には、ステップS620へ戻る。
一方、ステップS640で肯定判断した場合には、ステップS650へ進み、ステップS630で選択した特定の1枚の画像の画像記録用サーバー300への送信を開始して、ステップS660へ進む。ステップS660では、データ送信部204bは、画像記録用サーバー300から受領通知を受信したか否かを判断する。肯定判断した場合には、ステップS670へ進み、データ送信部204bは、送信した特定の1枚の画像ファイルのアーカイブのチェックを外して、ステップS620へ戻る。
これに対して、ステップS620で否定判断した場合には、ステップS690へ進む。ステップS690では、データ転送部204bは、お知らせメールの対象の画像ファイル、宛先リスト、およびバックアップ対象の画像ファイルの送信が完了したことを示すメッセージとして、例えば「転送終了しました」をモニタ208に表示して、ステップS700へ進む。
ステップS700では、データ送信部204bは、SDRAM205内に、図10で上述した予約済みメール送信処理でセットされた中断フラグが記録されているか否かを判断する。否定判断した場合には、ステップS390へ進む。これに対して、肯定判断した場合には、ステップS381へ進んで、再度、予約済みメール送信処理を実行して、ステップS390へ進む。
以上説明した第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態における作用効果に加えて以下の効果を得ることができる。
(1)データ送信部204bは、メモリカードに記録されている複数の画像ファイルの中から、使用者によってお知らせメールの送信が指示された画像ファイルを特定し、メモリカードに記録されている複数の画像ファイルを画像記録用サーバー300へ送信するに際して、上記特定した特定画像ファイルと、特定していない非特定画像ファイルとを判別し、特定画像ファイルを非特定画像ファイルよりも優先して画像記録用サーバー300へ送信するようにした。これによって、使用者が送信を指示した画像ファイルと、送信を指示しない画像ファイルとを1回の操作で画像記録用サーバー300に送信することができるため、効率よく画像ファイルを送信することができる。また、使用者が送信を指示した画像ファイルを、送信を指示しない画像ファイルよりも優先して送信することができる。
(2)予約処理実行部204aは、特定画像ファイルに関する情報をフラッシュメモリ206に記録したメール予約リスト内に登録するようにした。これによって、データ送信部204bは、画像ファイルの送信時に、メール予約リストを参照するだけで、使用者が送信を指示した画像ファイルを特定することができる。
(3)データ送信部204bは、メール予約リスト内に情報が登録されている画像ファイル、すなわち画像ファイルの宛先情報が対応付けられている画像ファイルを特定画像ファイルとして特定して、送信の対象とするようにした。これによって、使用者によって、お知らせメールを送信するように指示されている画像ファイルを、画像記録用サーバー300にバックアップするように指示されている画像ファイルよりも優先して画像記録用サーバー300へ送信することができる。
(4)データ送信部204bは、メール予約リストに登録されている特定画像ファイルの送信中に、使用者からの指示に基づいて特定画像ファイルの送信を停止した場合には、バックアップ対象の画像ファイルである非特定画像ファイルの送信を開始するようにした。これによって、使用者は、自己の意思により、非特定画像ファイルを先に送信するように指示することができる。
(5)データ送信部204bは、特定画像ファイルの送信を停止して非特定画像ファイルの送信を開始した場合には、非特定画像ファイルの送信が終了した後に、特定画像ファイルの送信を再開するようにした。すなわち、SDRAM205に中断フラグが記録されている場合には、非特定画像ファイルの送信完了後に特定画像ファイルの送信を行うようにした。これによって、特定画像ファイルの送信を停止した場合でも、特定画像ファイルの送信を完了することができる。
―第3の実施の形態―
第3の実施の形態では、あらかじめ使用者によって画像記録用サーバー300へ送信する画像が選択されている場合に、この選択されている画像ファイルに優先して、第1および第2の実施の形態で上述したお知らせメールの対象の画像ファイルを送信する場合の処理について説明する。すなわち、データ送信部204bは、使用者によってお知らせメールを送信するように特定されている画像ファイルを特定画像とし、使用者によってあらかじめ選択されている送信対象の画像ファイルを非特定画像とする。そして、特定画像を非特定画像よりも優先して画像記録用サーバー300へ送信する。
なお、第3の実施の形態においては、図1〜図8、図10、および図11の各図については、第1の実施の形態と同様のため、説明を省略する。また、本実施の形態では、使用者は、第1の実施の形態と同様の方法でメール予約画面を用いてあらかじめお知らせメールを送信するための操作を行っているものとし、フラッシュメモリ206内には、既にメール予約リストが作成されているものとする。さらに、画像記録用サーバー300へ送信する画像もあらかじめ使用者によって選択されており、その画像ファイルのファイル名のリストは、送信予定リストとしてフラッシュメモリ206に記録されているものとする。
図13は、第3の実施の形態におけるデータ送信処理を示すフローチャートである。図13に示す処理は、使用者によって画像記録用サーバー300への画像の送信が指示されると起動するプログラムとして実行される。なお、図13においては、図9で上述した第1の実施の形態におけるデータ送信処理、および図12で上述した第2の実施の形態におけるデータ送信処理と同一の処理には同じステップ番号を付与し、相違点を中心に説明する。
ステップS710では、データ送信部204bは、フラッシュメモリ204に記録されている送信予定リスト内に送信が完了していない画像ファイルが登録されているか否かを判断する。肯定判断した場合には、ステップS630へ進み、否定判断した場合には、ステップS690へ進む。
以上説明した第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態における作用効果に加えて以下の効果を得ることができる。すなわち、データ送信部204bは、あらかじめ使用者によって画像記録用サーバー300へ送信するように指示されている画像ファイルよりも、お知らせメールを送信するように予約されている画像ファイルを優先して画像記録用サーバー300へ送信するようにした。これによって、お知らせメールの対象の画像ファイルを効率的に送信することができる。
―変形例―
なお、上述した実施の形態の画像転送システムは、以下のように変形することもできる。
(1)上述した第1〜第3の実施の形態では、画像ファイルはメモリカードスロット207に挿入されたメモリカードに記録し、メール予約リストはフラッシュメモリ206に記録した。すなわち、画像ファイルとメール予約リストを、物理的に異なる記憶媒体に記録する例について説明した。しかしながら、それぞれを物理的に同一の記憶媒体に記録するようにしてもよい。例えば、画像ファイルとメール予約リストとを、同一のメモリカードに記録してもよく、同一のフラッシュメモリに記録するようにしてもよい。また、画像ファイルを記憶媒体へ記録するための回路または装置と、メール予約リストを記憶媒体へ記録するための回路または装置は、物理的に同一であっても、異なるものであってもよい。
(2)上述した第1〜第3の実施の形態では、データ送信部204bは、メール予約リストに基づいて宛先リストを作成し、当該宛先リストを送信用情報として画像記録用サーバー300へ送信する例について説明した。しかしながら、宛先リストを作成せず、メール予約リストをそのまま送信用情報として画像記録用サーバー300へ送信するようにしてもよい。なお、図6に示したメール予約リストには、宛先IDが記録されているのみで、実際のメールアドレスは記録されていないため、メール予約リストをそのまま画像記録用サーバー300へ送信する場合には、メール予約リストには、宛先IDに代えて実際のメールアドレスを記録するように変形する必要がある。
(3)上述した第2および第3の実施の形態では、使用者によってお知らせメールを送信するように指定された画像、すなわちメール予約リストで画像と宛先とが対応付けられた画像を特定画像とし、メモリカードに記録されているそれ以外の画像を非特定画像とするようにした。そして、特定画像を非特定画像よりも優先して画像記録用サーバー300へ送信する例について説明した。しかしながら、使用者は、カメラ200のメニュー操作により、特定画像と非特定画像のいずれを優先して画像記録用サーバー300へ送信するかを指定するための優先順位を任意に設定できるようにしてもよい。これによって、使用者は、特定画像を非特定画像よりも優先して送信するように設定したり、逆に、非特定画像を特定画像よりも優先して送信するように設定したりすることができる。
(4)上述した第1〜第3の実施の形態では、カメラ200は、通信モジュール209を備える例について説明した。しかしながら、カメラ200は、通信モジュールを必須の構成要素として備えず、通信モジュール209をカメラ200に着脱可能な構成としてもよい。例えば、カメラ200は、USB接続等により、無線通信モジュール209を備えた外部の無線機器と接続して無線通信を行うようにしてもよい。あるいは、カメラ200は、無線通信用のカードを挿入するためのスロットを備え、当該スロットに挿入された無線通信用カードを用いて無線通信を行うようにしてもよい。
(5)上述した第1の実施の形態では、予約処理実行部204aは、メール予約画面表示中に、使用者によってズームダウンボタンが押下されたことを検出した場合には、モニタ208に図7に示す予約一覧画面を表示するようにした。そして、各画像に対応付けて表示する宛先の数の表示形態を変更することによって、画像ファイルおよび宛先リストの画像記録用サーバー300への送信完了、未完了を表す例について説明した。しかしながら、これに限定されず、予約処理実行部204aは、この予約一覧画面上で、既に画像記録用サーバー300へ画像ファイルおよび宛先リストの送信が完了している画像に対するデータの再送信を受け付けるようにしてもよい。
例えば、使用者は、予約一覧画面上でロータリーマルチセレクターを操作して、再送信を行いたい画像を選択した後、OKボタン4aを押下することによって、その画像の画像ファイルと宛先リストの再送信を指示する。データ送信部204aは、メール予約リスト内の使用者によって再送信が指示された画像ファイルのファイル名に対応する送信完了日時を削除する。これによって、データ送信部204aは、次にデータ送信を実行する際に、その画像ファイルを未送信のものとして扱って、画像ファイルおよび宛先リストを画像記録用サーバー300への送信へ再送信することができる。
(6)上述した第2の実施の形態では、データ送信部204bは、バックアップ対象の画像ファイルを画像記録用サーバー300へ送信するようにした。すなわち、画像ファイルのバックアップ先を画像記録用サーバー300とする例について説明した。しかしながら、画像ファイルのバックアップ先は、無線通信を介して接続可能な他の外部装置、例えばパーソナルコンピュータや、画像ファイル記録用のフォトストレージャなどであってもよい。
(7)上述した第3の実施の形態では、データ送信部204bは、お知らせメールを送信するように設定されている画像ファイルを特定画像ファイルとし、使用者によってあらかじめ送信するように設定されている画像ファイルを非特定画像ファイルとして、特定画像ファイルを非特定画像ファイルよりも優先して画像記録用サーバー300へ送信する例について説明した。しかしながら、データ送信部204bは、使用者によってあらかじめ送信するように設定されている画像ファイルを特定画像ファイルとし、お知らせメールを送信するように設定されている画像ファイルを非特定画像ファイルとしてもよい。
(8)上述した第1〜第3の実施の形態では、画像記録用サーバー300は、図2に示した画像へのリンク2aやサムネイル画像2cを含むお知らせメールを作成して、宛先リストにより指定された宛先に送信する例について説明した。しかしながら、画像記録用サーバー300は、画像ファイルを添付したメールを作成して、宛先リストにより指定された宛先に送信するようにしてもよい。
なお、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、本発明は、上述した実施の形態における構成に何ら限定されない。
100 画像転送システム、200 カメラ、201 操作部材、202 レンズ、203 撮像素子、204 制御装置、204a 予約処理実行部、204b データ送信部、205 SDRAM、206 フラッシュメモリ、207 メモリカードスロット、208 モニタ、209 通信モジュール、300 画像記録用サーバー、400 メールサーバー、500 パーソナルコンピュータ(PC)、600 アクセスポイント