―第1の実施の形態―
図1は、第1の実施の形態におけるカメラを含む画像転送システムの一実施の形態の構成を示すブロック図である。画像転送システム100は、カメラ200と、画像記録用サーバー300と、メールサーバー400と、パーソナルコンピュータ(PC)500と、アクセスポイント(無線基地局)600とが、互いにインターネット等の通信網を介して接続されている。なお、図中に示した矢印は、各機器間におけるデータの流れを模式的に示したものである。
カメラ200は、例えば無線通信機能を備えたデジタルカメラであって、無線LANのアクセスポイント600を介してインターネットに接続する。使用者は、このカメラ200を操作して画像を取得し、その画像を画像記録用サーバー300へアップロードすることができる。また、使用者は、後述するように、カメラ200上で各画像に対して宛先としてのメールアドレスを対応付けることができ、カメラ200からは、その対応付け結果を表す宛先リストが送信用情報として画像記録用サーバー300に送信される。カメラ200による処理の詳細については後述する。
画像記録用サーバー300は、カメラ200から送信される画像ファイル、および宛先リストを受信し、受信した画像ファイルをハードディスクドライブなどの記憶媒体に記録すると共に、宛先リストに基づいて特定される画像の宛先に対して、画像ファイルがアップロードされた旨を通知するためのお知らせメールを作成する。ここで作成されるお知らせメールの具体例については、図2により後述する。画像記録用サーバー300は、作成したお知らせメールをメールサーバー400へ送信し、その後、メールサーバー400を経由して、宛先として指定されているメールアドレスに応じたメールサーバー400のメールボックスに配信される。
宛先として指定されたメールアドレスの所有者は、PC500にインストールされているメールソフトを用いてメールサーバー400からお知らせメールを受信することによって、PC500のモニタ上でお知らせメールを閲覧することができる。
なお、お知らせメールは、例えば、図2に示すように、画像記録サーバー300に記録されている画像ファイルにアクセスするためのリンク(URL)2aと、画像記録用サーバー300が画像をアップロードされたことを通知するメッセージ文2bと、そのメールアドレスが宛先として設定された画像のうち、所定数、例えば3つの画像のサムネイル画像2cとが表示されている。メールの受信者は、メール上でリンク2a、あるいはサムネイル画像2cをクリックすることによって、リンク先の画像ファイルをダウンロードして、PC500上で閲覧することができる。
図3は、本実施の形態におけるカメラ200の一実施の形態の構成を示すブロック図である。カメラ200は、操作部材201と、レンズ202と、撮像素子203と、制御装置204と、SDRAM205と、フラッシュメモリ206と、メモリカードスロット207と、モニタ208と、通信モジュール209とを備えている。
操作部材201は、使用者によって操作される種々の入力部材、例えば電源ボタン、レリーズボタン、ズームボタン(ズームアップボタン、ズームダウンボタン)、ロータリーマルチセレクター、再生ボタン、削除ボタン、メールボタンなどを含んでいる。
ロータリーマルチセレクターとは、例えば、図4に示すように、回転部4aと、中央部のOKボタン4bとから構成されている。使用者は、回転部4aを右方向(時計回り)または左方向(反時計回り)に回転させるか、あるいは回転部4aを十字キーに見立てて、上、下、左、右のいずれかを押下することによって、項目を選択したり画像を選択することができる。そして、OKボタン4bを押下することによって、選択した項目を確定することができる。
なお、本実施の形態では、回転部4aを右方向に回すことを「ロータリーマルチセレクターを右に回す」と表現し、左方向へ回すことを「ロータリーマルチセレクターを左に回す」と表現する。また、回転部4aの上を押下することを「ロータリーマルチセレクターの上を押す」、回転部4aの下を押下することを「ロータリーマルチセレクターの下を押す」、回転部4aの左を押下することを「ロータリーマルチセレクターの左を押す」、回転部4aの右を押下することを「ロータリーマルチセレクターの右を押す」とそれぞれ表現する。
レンズ202は、複数の光学レンズから構成されるが、図3では代表して1枚のレンズで表している。撮像素子203は、例えばCCDやCMOSであり、レンズ202により結像した被写体像を撮像して画像を取得する。そして、取得した画像データを制御装置204へ出力する。
制御装置204は、CPUやその他の周辺回路により構成され、後述するSDRAM205を作業領域として使用して、撮像素子203から入力された画像データに画像処理を施す。例えば、画像データに対して階調補正処理や色変換処理を施した後、所定の画像形式、例えばJpeg形式に圧縮し、Exif(Exchangeable Image File Format for Digital Still Camera)等の所定の形式の画像ファイルを生成する。そして、生成した画像ファイルを後述するメモリカードスロット207へ出力する。
SDRAM205は、揮発性のメモリであって、CPUがプログラム実行時にプログラムを展開するためのワークメモリとして使用されたり、データを一時的に記録するためのバッファメモリとして使用される。また、フラッシュメモリ206は、不揮発性のメモリであって、CPUによって実行されるプログラムのデータや、プログラム実行時に読み込まれる種々のパラメータなどが記録されている。
また、フラッシュメモリ206には、お知らせメールを送信する宛先として設定されるメールアドレスを登録したアドレス帳が記録されている。アドレス帳へのメールアドレスの登録は、使用者によってあらかじめ行われている。また、このアドレス帳には、複数のメールアドレスをグループ化したグループも登録可能であり、使用者は、お知らせメールの宛先としてグループを指定することもできる。宛先としてグループが指定された場合には、そのグループに含まれる全てのメールアドレス宛てにお知らせメールが送信される。
メモリカードスロット207は、着脱可能な記憶媒体である不揮発性のメモリカード、例えばSDカードを挿入するためのスロットであって、上述したように、制御装置204から出力される画像ファイルをメモリカードに書き込んで記録する。また、制御装置204からの指示に基づいて、メモリカード内に記憶されている画像ファイルを読み出して制御装置204へ出力したり、記録されている画像ファイルを削除したりする。
モニタ208は、カメラ200の背面に搭載された液晶モニタ(背面モニタ)であり、当該モニタ208には、メモリカードに記憶されている画像(再生画像)やカメラ200を設定するための設定メニューなどの種々の情報が表示される。また、制御装置204が撮像素子203で取得した画像を時系列でモニタ208に出力することによって、モニタ208には、各フレームの画像が所定時間間隔で順番に表示される。すなわちモニタ208にはスルー画が表示される。
通信モジュール209は、カメラ200がアクセスポイント600と無線通信するための無線LANモジュールである。通信モジュール209は、制御装置204によって制御され、使用者によって通信の指示が指示されると、アクセスポイント600との間で無線通信を確立して、アクセスポイント600を介してインターネットに接続する。なお、アクセスポイント600との間で無線通信を開始するための処理については後述する。
制御装置204は、予約処理実行部204aと、アドレス帳コピー部204bと、アドレス帳比較部204cと、データ送信部204dとを機能的に備えている。
予約処理実行部204aは、使用者によるメニュー操作に基づいて、カメラ200のモードがメール予約モードに設定されると、図5に示すメール予約画面をモニタ208に表示する。なお、メール予約モードとは、使用者が他の人物に見せたい画像を選択して、選択した画像に対して、上述したお知らせメールの宛先を設定するためのモードである。例えば、使用者は、モニタ208に上述したスルー画が表示されているとき、またはモニタ208にメモリカード内に記録されている画像が再生表示されているときに、操作部材201に含まれるメールボタンを押下することによって、カメラ200のモードをメール予約モードに設定することができる。
このメール予約画面は、画像表示領域5a、宛先設定用領域5b、および宛先表示領域5cとを含んでいる。画像表示領域5aは、メモリカード内に記録されている画像を表示するための領域であって、予約処理実行部204aは、メモリカードから画像ファイルを読み込んで、読み込んだ画像ファイルの内のいずれか1枚の画像を表示する。例えば、ファイル名を昇順に並べたときの最も上位の画像を初期表示する。使用者は、ロータリーマルチセレクターの右を押すことによって、画像表示領域5a内の表示画像を、現在表示している画像の次の画像に切り替えることができる。また、ロータリーマルチセレクターの左を押すことによって、画像表示領域5a内の表示画像を、現在表示している画像の前の画像に切り替えることができる。
宛先設定用領域5bは、使用者が、画像表示領域5aに表示されている画像がアップロードされたことを通知するための宛先を設定するための領域である。予約処理実行部204aは、フラッシュメモリ206に記録されているアドレス帳を読み込んで、宛先設定用領域5b内に、宛先情報を表示する。図5に示す例では、宛先設定用領域5bには、メールアドレスを表すアイコン5dおよびそのアドレスに付されたアドレス番号(例えば01,02・・・)、グループを表すアイコン5eおよびそのグループに付されたグループ番号(例えば01)が表示されている。また、宛先設定用領域5bには、使用者がアドレス帳へのメールアドレスやグループの登録を指示するためのNEW項目5f、および後述する宛先設定済みアイコン5gが表示されている。
この宛先設定用領域5bでは、宛先表示領域5cの横に表示されているアドレス、またはグループが現在選択中の宛先を表しており、現在選択中の宛先の内容が宛先表示領域5cに表示される。図5に示す例では、現在、グループ01が選択されており、宛先表示領域5c内には、そのグループに付けられたグループ名(nikon)が表示されている。使用者は、ロータリーマルチセレクターを左右に回転させることによって、選択中の宛先を切り替えることができる。例えば、ロータリーマルチセレクターを左に回転させることによって、宛先を1つずつ上へずらすことができ、右に回転させることによって、宛先を1つずつ下へずらすことができる。
図5に示すようにグループ01が選択されている状態で、ロータリーマルチセレクターを左に回転されると、現在選択中の宛先がアドレス01に切り替わり、宛先表示領域5cには、そのアドレスの所有者の名前やメールアドレスが表示される。使用者は、宛先設定用領域5bで現在選択中の宛先を、画像表示領域5aに表示されている画像に対するお知らせメールの宛先として設定する場合には、ロータリーマルチセレクターのOKボタン4bを押下する。これによって、使用者は、メール予約画面上で各画像ごとにお知らせメールの宛先を設定することができる。
なお、本実施の形態では、使用者は、画像表示領域5aに表示する画像を切り替えながら、複数の画像に対してそれぞれ宛先を設定することができる。また、画像表示領域5aに表示されている1つ画像に対して、宛先設定用領域5bで宛先としてのメールアドレスを1つ、または複数選択することができる。また、宛先としてグループを設定することによって、グループ内に含まれる全てのメールアドレスに対してお知らせメールを送信するように指定することもできる。
使用者によって画像に対して宛先が設定されると、予約処理実行部204aは、画像と宛先とを対応付けてメール予約リストに登録する。メール予約リストは、どの画像に対してどの宛先が設定されたかを対応付けて管理するためのリストであって、そのリストを格納したファイル(メール予約リストファイル)はSDRAM205に一時的に記録される。例えば、メール予約リストは、図6に示すように、メール予約が行なわれた画像ファイルのファイル名、設定された宛先を特定するための宛先ID、およびその画像ファイルとこのメール予約リストに基づいて作成される宛先リストが画像記録用サーバー300へ送信された日時を表す送信完了日時とを対応付けて記録したものである。
ここで、宛先IDとは、アドレス帳に登録されているアドレスやグループを一意に識別するためのIDであって、メール予約リストにおいては、この宛先IDを用いて、画像ファイルと宛先との対応付けを行う。また、送信完了日時は、図11により後述するデータ送信処理によって、この画像ファイルと宛先リストとが画像記録用サーバー300へ送信されたときに、その日時が登録され、送信が完了するまでは、ここにはデータは登録されない。
図6に示す例では、DSCN0001.jpg〜DSCN0005.jpgの5つの画像ファイルについてのレコードがメール予約リストに登録されており、いずれの送信完了日時もデータが登録されていないことから、全ての画像についての画像ファイルおよび宛先リストは未送信であることを示している。また、本実施の形態では、宛先IDとして、メールアドレスは1桁目がAで始まるIDが付加され、グループは一桁目がGで始まるIDが付加されている。よって、このメール予約リストからは、DSCN0001.jpgには、宛先IDがそれぞれA01およびA02のメールアドレスと、宛先IDがG01のグループとが宛先として設定されていることを示している。
予約処理実行部204aは、このメール予約リストに基づいて、宛先設定用領域5b内に宛先設定済みアイコン5gを表示する。例えば、予約処理実行部204aは、メール予約リストを参照することによって、現在、画像表示領域5aに表示されている画像に対する宛先として設定されているメールアドレスやグループを特定する。そして、特定したメールアドレスやグループを示すアイコン5d、5eに対応付けて、そのメールアドレスやグループが画像表示領域5aに表示されている画像に対する宛先として設定されていることを示す宛先設定済みアイコン5gを表示する。これによって、使用者は、画像表示領域5aに表示されている画像に対して設定した宛先を一目で確認することができる。
また、予約処理実行部204aは、メール予約リストの送信完了日時にデータが登録されていない画像ファイルに対する宛先設定済みアイコン5gと、送信完了日時にデータが登録されている画像ファイルに対する宛先設定済みアイコン5gとで、その表示形態を変更する。例えば、送信完了日時にデータが登録されていない場合には、その画像ファイルに対する宛先設定済みアイコン5gの表示色を白にし、送信完了日時にデータが登録されている場合には、その画像ファイルに対する宛先設定済みアイコン5gの表示色を赤にする。これによって、使用者は、宛先ごとに、画像ファイルおよび宛先リストの送信が完了しているか否かを一目で確認することができる。
このメール予約画面上では、使用者は、アドレス帳に新規アドレスまたは新規グループを登録することもできる。具体的には、使用者は、NEW項目5fが宛先表示領域5cの横に位置するようにロータリーマルチセレクターを操作し、NEW項目5fが宛先表示領域5cの横に位置した状態でOKボタン4bを押下することで、NEW項目5fを選択してアドレス帳への新規登録を指示することができる。使用者によってアドレス帳への新規登録が指示された場合には、予約処理実行部204aは、新規登録用画面をモニタ208に表示して、新規登録用画面上での使用者による登録操作を受け付け、指定されたアドレスまたはグループをアドレス帳に追加する。これによって、使用者は、宛先として指定したいアドレスやグループをメール予約画面上で新たに追加することができる。
本実施の形態では、使用者は、各画像に対する宛先の設定状況、すなわちお知らせメールの送信予約状況をモニタ208上で確認することができる。例えば、使用者は、メール予約画面が表示されている状態で、ズームダウンボタンを押下することによって、図7に示すような予約一覧画面を表示することができる。すなわち、予約処理実行部204aは、メール予約画面表示中に、使用者によってズームダウンボタンが押下されたことを検出した場合には、モニタ208に図7に示す予約一覧画面を表示する。
この予約一覧画面では、予約処理実行部204aは、上述したメール予約リストに基づいて、使用者が宛先を設定した画像のみを抽出して一覧表示する。また、メール予約リストに基づいて、各画像に対して設定されている宛先の数を算出して、算出結果を各画像に対応付けて表示する。図7に示す例では、各画像にそれぞれ30ずつの宛先が設定された例を示している。なお、予約処理実行部204aは、メール予約リストに基づいて、当該画像の画像ファイル、および後述する宛先リストの画像記録用サーバー300への送信が完了したか否かを判定して、その判定結果に基づいて、各画像に対応付けて表示する宛先の数の表示形態を変更するようにしてもよい。例えば、画像記録用サーバー300への送信が完了していない画像については、宛先の数を白文字で表示し、画像記録用サーバー300への送信が完了した画像については、宛先の数を赤文字で表示するなどしてもよい。
さらに、使用者は、この予約一覧画面上でいずれか1枚の画像を選択してズームアップボタンを押下することによって、その画像に対して設定されているアドレス一覧を確認することができる。すなわち、予約処理実行部204aは、使用者によってズームアップボタンが押下されたことを検出した場合には、メール予約リストおよびアドレス帳を参照して、そのときに選択されている画像に対して設定されている宛先の一覧をモニタ208に表示する。
使用者は、上述した操作を行って、お知らせメールを送信したい画像に対する宛先の設定が全て完了した場合には、メール予約画面、あるいは予約一覧画面がモニタ208に表示されている状態でレリーズボタンを押下することによって、メール予約モードを終了することができる。すなわち、予約処理実行部204aは、メール予約画面、あるいは予約一覧画面表示中に、使用者によってレリーズボタンが押下されたことを検出した場合には、メール予約画面、あるいは予約一覧画面の表示を終了して、カメラ200のモードをメール予約モードに移行する前に設定されていたモードに戻す。
予約処理実行部204aは、メール予約モードが終了した場合には、上述した処理で作成し、SDRAM205に記録しておいたメール予約リストを、メモリカードスロット207に挿入されているメモリカードに書き込む。このとき、メモリカード内に既にメール予約リストが記録されている場合には、予約処理実行部204aは、SDRAM205に記録されているメール予約リストで既存のメール予約リストを上書きする。
また、予約処理実行部204aは、メール予約モードが終了した場合には、使用者に対して、上述した操作でお知らせメールを送信するように予約した画像、および画像と宛先とを対応付けた宛先リストを、画像記録用サーバー300へ送信するか否かを確認するためのメッセージをモニタ208へ表示する。その結果、使用者によって送信するように指示された場合には、データ送信部204dは、図11により後述するデータ送信処理を実行する。これに対して、この時点では送信しないように指示された場合には、データ送信部204dは、データ送信処理を実行しない。これによって、使用者は、メール予約を行った後、すぐに送信を行うか、後で送信を行うかを任意に選択することができる。
図8は、本実施の形態における予約処理実行部204aによって実行されるメール予約処理を示すフローチャートである。図8に示す処理は、使用者によるメニュー操作に基づいて、カメラ200のモードがメール予約モードに設定されると起動するプログラムとして実行される。
ステップS10において、予約処理実行部204aは、フラッシュメモリ206からアドレス帳を、メモリカードスロット207に挿入されているメモリカードから画像ファイルとメール予約リストとをそれぞれ読み込む。その後、ステップS20へ進み、予約処理実行部204aは、ステップS10で読み込んだ情報に基づいて、図5に示したメール予約画面をモニタ208に表示してステップS30へ進む。ステップS30では、予約処理実行部204aは、上述したように、メール予約リストに基づいて、宛先設定用領域5b内に宛先設定済みアイコン5gを表示する。その後、ステップS40へ進む。
ステップS40では、予約処理実行部204aは、上述したように、使用者によってNEW項目5fが選択されたことによって、アドレス帳への新規登録が指示されたか否かを判断する。否定判断した場合には、後述するステップS70へ進む。これに対して、肯定判断した場合には、ステップS50へ進む。ステップS50では、予約処理実行部204aは、モニタ208上に新規宛先の登録画面を表示して、使用者による新規宛先の登録を受け付ける。その後、ステップS60へ進み、予約処理実行部204aは、使用者による操作に基づいてアドレス帳に新規宛先を追加して、ステップS70へ進む。
ステップS70では、予約処理実行部204aは、使用者によってロータリーマルチセレクターの右または左が押下されたことにより、画像表示領域5aに表示する画像の切り替えが指示されたか否かを判断する。否定判断した場合には、後述するステップS90へ進む。一方、肯定判断した場合には、ステップS80へ進み、予約処理実行部204aは、使用者によるロータリーマルチセレクターの操作に基づいて、画像表示領域5aに表示する画像の切り替えを行う。その後、ステップS90へ進む。
ステップS90では、予約処理実行部204aは、使用者によってロータリーマルチセレクターが右回転または左回転されたことにより、宛先設定用領域5b内での宛先の選択状況の切り替えが指示されたか否かを判断する。否定判断した場合には、後述するステップS110へ進む。一方、肯定判断した場合には、ステップS100へ進み、予約処理実行部204aは、使用者によるロータリーマルチセレクターの操作に基づいて、選択対象の宛先の切り替えを行う。その後、ステップS110へ進む。
ステップS110では、予約処理実行部204aは、使用者によってロータリーマルチセレクターのOKボタン4bが押下されたことにより、画像表示領域5a内に表示されている画像に対して宛先設定用領域5b内で選択されている宛先を設定するように指示されたか否かを判断する。否定判断した場合には、後述するステップS130へ進む。一方、肯定判断した場合には、ステップS120へ進み、予約処理実行部204aは、画像表示領域5a内に表示されている画像の画像ファイルと、宛先設定用領域5b内で選択されている宛先の宛先IDとを対応付けて、図6に示したメール予約リストに登録して、ステップS130へ進む。
ステップS130では、予約処理実行部204aは、使用者によってズームダウンボタンが押下されたことによって、予約一覧画面の表示が指示されたか否かを判断する。否定判断した場合には、後述するステップS170へ進む。これに対して、肯定判断した場合には、ステップS140へ進む。ステップS140では、予約処理実行部204aは、図7に示した予約一覧画面をモニタ208に表示する。このとき、メール予約リストに基づいて、各画像に対して設定されている宛先の数を算出して、算出結果を各画像に対応付けて表示する。その後、ステップS150へ進む。
ステップS150では、予約処理実行部204aは、使用者によって予約一覧画面上でいずれか1枚の画像が選択され、ズームアップボタンが押下されることによって、その画像に設定されているアドレス一覧を表示するように指示があったか否かを判断する。否定判断した場合には、後述するステップS170へ進む。これに対して、肯定判断した場合には、ステップS160へ進み、メール予約リストおよびアドレス帳を参照して、そのときに選択されている画像に対して設定されている宛先の一覧をモニタ208に表示する。その後、ステップS170へ進む。
ステップS170では、予約処理実行部204aは、使用者によってメール予約画面、あるいは予約一覧画面表示中にレリーズボタンが押下されることによって、メール予約モードの終了が指示されたか否かを判断する。否定判断した場合には、ステップS40へ戻って処理を繰り返す。これに対して、肯定判断した場合には、ステップS180へ進み、予約処理実行部204aは、メール予約モードを終了する。その後、ステップS181へ進み、予約処理実行部204aは、SDRAM205に記録しておいたメール予約リストをメモリカードに書き込んで、ステップS190へ進む。
ステップS190では、予約処理実行部204aは、使用者に対して、お知らせメールを送信するように予約した画像、および画像と宛先とを対応付けた宛先リストを、画像記録用サーバー300へ送信するか否かを確認するためのメッセージをモニタ208へ表示する。その後、ステップS200へ進み、使用者によるデータ送信処理の実行指示があったか否かを判断する。肯定判断した場合には、ステップS210へ進み、データ送信部204dは、図11により後述するデータ送信処理を実行して、処理を終了する。一方、否定判断した場合には、そのまま処理を終了する。
次に、アドレス帳コピー部204b、アドレス帳比較部204c、およびデータ送信部204dによる処理について説明する。アドレス帳コピー部204bは、上述したメール予約モードの終了前、すなわち図8のS181において、フラッシュメモリ206に記録されているアドレス帳(内部アドレス帳)を、メモリカードスロット207に挿入されているメモリカードに記録されているアドレス帳(外部アドレス帳)にコピーする。
このとき、アドレス帳比較部204cは、メモリカード内にアドレス帳が存在しないときは、フラッシュメモリ206に記録されているものをそのままメモリカードに記録し、メモリカード内にアドレス帳が存在しているときには、メモリカード内のアドレス帳をフラッシュメモリ206内のアドレス帳で上書きする。これによって、フラッシュメモリ206内のアドレス帳と、メモリカード内のアドレス帳の同期をとることができる。
図9は、フラッシュメモリ206に記録されるアドレス帳のデータ(アドレス帳ファイル)と、メモリカードに記録されるアドレス帳ファイル、メール予約リストファイル、画像ファイルのそれぞれを模式的に示した図である。上述したように、フラッシュメモリ206には、あらかじめメールアドレスが登録されたアドレス帳ファイル9aが記録されており、メモリカードには、メール予約リストファイル9bと画像ファイル9cが記録されている。そして、上述したアドレス帳コピー部204bによって、フラッシュメモリ206からメモリカードにアドレス帳ファイル9aがコピーされることにより、メモリカード内にアドレス帳ファイル9dが記録される。
なお、本実施の形態では、データ送信部204dは、図11により後述するデータ送信処理を行って、メモリカードスロット207に挿入されているメモリカードに記録されているメール予約リストに基づいて作成した送信用情報としての宛先リスト、およびメール予約リストに登録されている画像ファイルを、通信モジュール209を制御して画像記録用サーバー300へ送信する。これによって、複数のメモリカードを所有している使用者が、メモリカードを差し替えた場合であっても、そのメモリカード内には、画像ファイルとその画像ファイルの宛先を定義したメール予約リストが記録されているため、画像記録用サーバー300への送信時に、送信対象の画像が存在しないといった状況を回避することができる。
データ送信部204dは、後述する宛先リストを作成するに当たっては、各画像に対して設定されている宛先のメールアドレスを、メモリカード内に記録されているアドレス帳を参照して特定する。すなわち、メール予約リスト内で、各画像ファイル名に対応付けられている宛先IDのメールアドレスを、メモリカード内に記録されているアドレス帳から取得する。このため、上述したように、フラッシュメモリ206内のアドレス帳と、メモリカード内のアドレス帳の同期をとる必要がある。
アドレス帳比較部204cは、カメラ200のモードが上述したメール予約モードになったとき、および使用者によってメール予約リストに基づいた画像および宛先リストの画像記録用サーバー300への送信が指示されたときに、フラッシュメモリ206内に記録されているアドレス帳に登録されているデータと、メモリカード内に記録されているアドレス帳に登録されているデータとの比較を行う。そして、メモリカード内のアドレス帳の中に、フラッシュメモリ206内のアドレス帳には登録されていないメールアドレスが含まれている場合には、そのメールアドレスをお知らせメールの宛先から除外する。
また、それぞれのアドレス帳に上述したグループが登録されている場合には、アドレス帳比較部204cは、それぞれのアドレス帳に登録されている対応するグループ同士を対象として、それぞれのグループに含まれるメールアドレスを比較する。そして、アドレス帳比較部204cは、それぞれのグループが異なるメールアドレスを含むことを検出した場合には、そのグループをお知らせメールの宛先から除外する。
具体的には、アドレス帳比較部204cは、図10に示すアドレス帳比較処理を実行する。図10に示す処理は、カメラ200のモードが上述したメール予約モードになったとき、および使用者によってメール予約リストに基づいた画像および宛先リストの画像記録用サーバー300への送信が指示されたときに起動するプログラムとして実行される。なお、使用者によって送信指示がされたときには、データ送信部204dによって後述するデータ送信処理が実行され、アドレス帳比較処理は、このデータ送信処理内で呼び出されて実行される。
ステップS250において、アドレス帳比較部204cは、メモリカードスロット207に挿入されているメモリカード内に記録されているアドレス帳を読み込んで、ステップS251へ進む。ステップS251では、アドレス帳比較部204cは、フラッシュメモリ206内に記録されているアドレス帳を読み込んで、ステップS252へ進む。
ステップS252では、アドレス帳比較部204cは、メモリカードから読み込んだアドレス帳内に、フラッシュメモリ206から読み込んだアドレス帳内に登録されていないメールアドレスがある場合には、SDRAM205上でそのメールアドレスに対してチェックを入れる。その後、ステップS253へ進み、アドレス帳比較部204cは、メモリカード内に記録されているメール予約リストを読み込み、ステップS254へ進む。
ステップS254では、アドレス帳比較部204cは、読み込んだメール予約リスト内に、ステップS252でチェックを入れたメールアドレスの宛先IDが含まれているか否かを判断する。肯定判断した場合には、ステップS255へ進み、アドレス帳比較部204cは、チェックを入れたメールアドレスと同じメールアドレスをお知らせメールの宛先から除外して、ステップS256へ進む。なお、ステップS255では、アドレス帳比較部204cは、お知らせメールの宛先から除外する宛先IDをステップS253で読み込んだメール予約リストから削除する。これによって、各宛先をお知らせメールの送信先とするか否かを管理することができる。
これに対して、ステップS254で否定判断した場合には、そのままステップS256へ進む。ステップS256では、アドレス帳比較部204cは、メール予約リスト内にグループが宛先として設定されている画像が含まれているか否かを判断する。否定判断した場合には、処理を終了する。これに対して、肯定判断した場合には、ステップS257へ進む。ステップS257では、アドレス帳比較部204cは、グループが宛先として設定されている画像の1つを選択して、ステップS258へ進む。
ステップS258では、アドレス帳比較部204cは、その画像の宛先として設定されているグループ内に、ステップS252でチェックを入れたメールアドレスが含まれているか否かを判断する。肯定判断した場合には、ステップS259へ進み、アドレス帳比較部204cは、チェックを入れたメールアドレスを含むグループをステップS253で読み込んだメール予約リストから削除して、ステップS260へ進む。
これに対して、ステップS258で否定判断した場合には、そのままステップS260へ進む。ステップS260では、グループが宛先として設定されている画像の全てについて、ステップS257〜ステップS259の処理が完了したか否かを判断する。否定判断した場合には、ステップS257に戻って処理を繰り返す。これに対して、肯定判断した場合には、処理を終了する。
本実施の形態では、カメラ200のモードがメール予約モードに設定されたときに、このアドレス帳比較処理を実行することによって、その処理の実行結果をメール予約画面の表示に反映させることができる。例えば、予約処理実行部204aは、宛先設定済みアイコン5gを表示する際に、アドレス帳比較処理によりメール予約リストから削除された宛先IDに対応するアイコン5dに対しては宛先設定済みアイコン5gを表示しない。
データ送信部204dは、使用者によってメール予約がされている画像の画像記録用サーバー300への送信が指示されると図11に示すデータ送信処理を実行する。以下、図11に示すデータ送信処理について説明する。
ステップS310において、データ送信部204dは、通信モジュール209を制御して、通信可能範囲内に存在するアクセスポイント600のSSIDを検索する。ステップS320では、データ送信部204dは、ステップS310での検出結果に基づいて、カメラ200に最新に登録されたSSID(最新登録SSID)が、通信可能範囲内にあるか否かを判断する。肯定判断した場合には、ステップS330へ進み、データ送信部204dは、最新登録SSIDを接続先として選択する。
その後、ステップS340へ進み、データ送信部204dは、使用者によって、選択した最新登録SSIDへの接続キャンセル操作が行われていないか否かを判断し、肯定判断した場合には、後述するステップS370へ進む。これに対して、ステップS320またはステップS340で否定判断した場合には、ステップS350へ進み、データ送信部204dは、カメラ200にすでに登録済みのSSIDのリストをモニタ208に表示して、ステップS360へ進む。ステップS360では、使用者によってリスト中からいずれかのSSIDが選択されたか否かを判断し、肯定判断した場合には、ステップS370へ進む。
ステップS370では、データ送信部204dは、ステップS330で選択した最新登録SSID、またはステップS360で使用者によって選択されたSSIDを接続先として、アクセスポイント600との間で無線通信を確立する。その後、ステップS380へ進み、データ送信部204dは、図12で後述する予約済みメール送信処理を実行した後、ステップS390へ進み、アクセスポイント600との接続を解除して、処理を終了する。
図12は、ステップS380で実行される予約済みメール送信処理を示すフローチャートである。ステップS410において、データ送信部204dは、メモリカードスロット207に挿入されているメモリカード内に上述したメール予約リストのファイルがあるか否かを判断する。否定判断した場合には、ステップS550へ進み、データ送信部204dは、モニタ208上に「メール転送終了しました」などのデータ送信が終了した旨のメッセージを表示して、図11に示す処理に復帰する。
これに対して、肯定判断した場合には、ステップS411へ進み、アドレス帳比較部204cは、図10で上述したアドレス帳比較処理を実行する。これによって、上述したように、お知らせメールの宛先から除外する宛先IDが削除される。その後、ステップS420へ進む。
ステップS420では、データ送信部204dは、使用者によってデータ操作を中断するための操作が行われたか否かを判断する。否定判断した場合には、上述したステップS550へ進んだ後、図11に示す処理に復帰する。
一方、ステップS420で肯定判断した場合には、ステップS430へ進む。ステップS430では、データ送信部204dは、メール予約リストに基づいて、宛先リストを画像記録用サーバー300へ送信していない画像、すなわちメール予約リストの送信完了日時にデータが登録されていない画像があるか否かを判断する。否定判断した場合には、上述したステップS550へ進んだ後、図11に示す処理に復帰する。これに対して、肯定判断した場合には、ステップS440へ進む。
ステップS440では、データ送信部204dは、未送信画像の中から特定の1枚の画像を選択して、ステップS450へ進む。ステップS450では、データ送信部204dは、メール予約リストの中に含まれる画像の中から、各画像に対応付けられている全ての宛先が、ステップS450で確認した特定の1枚の画像に対応付けられている全ての宛先と同じ画像の存在を確認して、ステップS460へ進む。
ステップS460では、データ送信部204dは、ステップS450で確認した全ての宛先が同じ画像をその宛先に基づいてグループ化して宛先リストを作成し、SDRAM205へ記録する。データ送信部204dは、この宛先リストを送信用情報として画像記録用サーバー300に送信することによって、画像記録用サーバー300に対して、どの画像に対するお知らせメールをどの宛先に宛てて送信するかを指示する。
ここで、各画像に設定されている全宛先の組み合わせが異なる場合には、画像記録用サーバー300は、それぞれの全宛先の組み合わせを送信先に設定してお知らせメールを配信する必要があるが、複数の画像の全宛先が共通している場合には、それらの共通する全宛先に対して、複数の画像がアップロードされたことを通知するためのお知らせメールを1通だけ送信すればよい。
このため、本実施の形態では、複数の画像に設定されている全宛先が共通している場合には、画像記録用サーバー300側で、それらの宛先に対しては、まとめて1通のお知らせメールを作成することができるように、全宛先が共通しているレコードをグループ化した宛先リストを作成する。宛先リストの具体例を図13に示す。なお、この図13に示す宛先リストは、図6に示したメール予約リストに基づいて作成されたものを示している。
図6に示すメール予約リストにおいては、DSCN0001.jpgとDSCN0003.jpgとは、関連付けられている全宛先が同一であることから、これらを1つにまとめ、宛先IDがA01のメールアドレス、A02のメールアドレス、G03に含まれる全てのメールアドレスを、お知らせメールの送信先とし、そのお知らせメールによる通知対象の画像ファイル名をDSCN0001.jpgおよびDSCN0003.jpgとしたレコードを宛先リストに追加する。また、その他の画像については、他に宛先が共通する画像がないので、各宛先をお知らせメールの送信先とし、そのお知らせメールによる通知対象の画像をそれぞれの画像としたレコードを宛先リストに追加する。なお、データ送信部204dは、各宛先IDのメールアドレスは、上述したようにメモリカードに記録されている外部アドレス帳を参照して取得する。
その後、ステップS470へ進み、データ送信部204dは、ステップS430で特定した未送信画像の全てが宛先リストに登録されたか否かを判断する。否定判断した場合には、ステップS440へ戻る。これに対して、肯定判断した場合には、ステップS480へ進む。
ステップS480では、データ送信部204dは、作成した宛先リストを画像記録用サーバー300へ送信する。画像記録用サーバー300は、受信した宛先リストに基づいて、誰にどの画像に関するお知らせメールを送信するべきかを判定し、図2に示したお知らせメールをそれぞれの宛先(送信先)へ送信する。ステップS480で宛先リストを送信した後は、ステップS490へ進む。
ステップS490では、データ送信部204dは、ステップS440で選択した特定の1枚の画像を選択し、その画像の画像情報を画像記録用サーバー300へ送信する。画像情報としては、画像ファイルのファイル名、ファイル作成日時、ファイルサイズを送信する。画像記録用サーバー300では、受信した画像情報に基づいて、データ送信部204dがこれから送信することを予定している画像ファイルが、既に画像記録用サーバー300内に記録されているか否かを判定する。具体的には、ファイル名、ファイル作成日時、ファイルサイズの全てが一致する画像ファイルがすでに記録されているか否かを判定する。
例えば、使用者の指示に基づいて、カメラ200から画像記録用サーバー300に画像のバックアップがとられた場合などは、既に画像記録用サーバー300内に画像ファイルが記録されている可能性がある。もし、既に画像記録用サーバー300内に、受信した画像情報と一致する画像情報を有する画像ファイルが記録されている場合には、画像記録用サーバー300内には、既に同じ画像ファイルが記録されているため、改めてカメラ200から画像を受信する必要はないと判定し、カメラ200に対して送信不要通知を送信する。これに対して、画像記録用サーバー300内に受信した画像情報と一致する画像情報を有する画像ファイルが記録されていない場合には、カメラ200から画像を受信する必要があると判定して、カメラ200に送信要求を行う。
ステップS500では、データ送信部204dは、画像記録用サーバー300から送信要求を受信したか否かを判断する。否定判断した場合には、ステップS540へ進み、データ送信部204dは、画像記録用サーバー300から送信不要通知を受信したか否かを判断する。否定判断した場合には、ステップS500へ戻って処理を繰り返す。これに対して、肯定判断した場合には、ステップS490へ戻る。
一方、ステップS500で肯定判断した場合には、ステップS510へ進み、ステップS490で選択した特定の1枚の画像の画像記録用サーバー300への送信を開始して、ステップS520へ進む。なお、画像記録用サーバー300は、特定の1枚の画像の受信が完了すると受領通知をカメラ200へ送信する。ステップS520では、データ送信部204dは、画像記録用サーバー300からこの受領通知を受信したか否かを判断する。肯定判断した場合には、ステップS530へ進み、データ送信部204dは、メール予約リスト内の特定の1枚の画像ファイルに対応する送信完了日時に、現在の日時を記録して、ステップS560へ進む。
ステップS560では、データ送信部204dは、メール予約リスト内に登録されている全ての画像ファイルを画像記録用サーバー300へ送信したか否かを判断する。否定判断した場合には、ステップS490へ戻って処理を繰り返す。これに対して、肯定判断した場合には、上述したステップS550へ進む。
画像記録用サーバー300は、上述したように、カメラ200から受診した画像ファイル、および宛先リストに基づいて、図2に示したお知らせメールを作成して、それぞれの宛先へ送信する。カメラ200の使用者は、画像記録用サーバー300によるお知らせメールの送信結果を、PC500から画像記録用サーバー300にアクセスして確認することができる。すなわち、画像記録用サーバー300側では、お知らせメールの送信履歴をハードディスクドライブなどの記憶媒体に記録しておき、PC500から送信結果の参照が要求された場合には、例えば、図14(a)に示すような送信結果一覧画面を作成してPC500へ送信する。
この送信結果一覧画面においては、送信されて1通のお知らせメールごとに、送信した日付を明示した送信結果が一覧表示される。図14(a)に示す例では、2007年7月1日に3通、7月2日に2通、7月5日に4通のお知らせメールがそれぞれ送信されたことを示している。使用者は、この一覧の中から、送信結果の詳細を確認したい行をマウスなどの操作部材を操作して選択することによって、図14(b)に示す送信結果詳細画面を表示させることができる。この送信結果詳細画面では、使用者は、お知らせメールの送信日時14a、送信先のメールアドレス14b、およびお知らせメールに添付したサムネイル画像14cを確認することができる。これによって、使用者は、自分が意図した相手にお知らせメールが送信されたか否かを画面上で確認することができる。
以上説明した第1の実施の形態によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
(1)予約処理実行部204aは、使用者による指示に基づいて、メモリカードスロット207に挿入されたメモリカードに記録されている画像ファイルに対して、フラッシュメモリ206に記録されている少なくとも1つのメールアドレスを宛先として設定して、画像ファイルと宛先として設定されたメールアドレスとを関連付けてメール予約リストに登録した。そして、アドレス帳コピー部204bは、フラッシュメモリ206に記録されている内部アドレス帳の情報をメモリカードに記録されている外部アドレス帳にコピーするようにした。アドレス帳比較部204cは、画像記録用サーバー300へ画像ファイルとメール予約リストに基づいて生成した宛先リストを送信するに当たって、内部アドレス帳と外部アドレス帳とを比較し、外部アドレス帳の中に、内部アドレス帳の中に含まれていない不一致メールアドレスが含まれていることを検出した場合には、画像ファイルと不一致メールアドレスとの関連付けを解除した宛先リストを画像記録用サーバー300へ送信するようにした。これによって、使用者が複数のメモリカードを交換しながら使用する場合でも、それぞれのメモリカードに対して宛先リストを作成して、画像ファイルおよび宛先リストを画像記録用サーバー300に送信することができる。また、使用者が意図しない宛先に対して、誤ってお知らせメールが送信されることを防ぐことができる。
(2)データ送信部204dは、メール予約リスト内で複数の画像ファイルに対してそれぞれ同じ宛先が関連付けられている場合には、それぞれの宛先に対して複数の画像ファイルが画像記録用サーバー300に送信されたことを通知するための1通のお知らせメールを作成するための宛先リストを作成するようにした。これによって、画像記録用サーバー300は、複数の画像に対する宛先が共通している場合には、それらの共通する宛先に対して、複数の画像がアップロードされたことを通知するためのお知らせメールを1通だけ作成して送信すればよいため、画像記録用サーバー300の処理の負荷を低減することができる。
(3)アドレス帳比較部204cは、画像ファイルに対する宛先としてグループが設定されている場合には、外部アドレス帳に登録されているグループと、そのグループに対応する内部アドレス帳に登録されているグループとを比較し、それぞれが異なるメールアドレスを含むことを検出した場合には、そのグループを画像ファイルに対する宛先から除外するようにした。これによって、ユーザーが意図しない宛先にお知らせメールが送信されるのを防ぐことができる。
―第2の実施の形態―
上述した第1の実施の形態では、データ送信部204dは、図13に示すような宛先リストを作成するようにした。すなわち、データ送信部204dは、メール予約リスト内で、複数の画像に設定されている全宛先が共通している場合には、画像記録用サーバー300が、共通する全宛先に対して1通のお知らせメールを送信することができるような宛先リストを作成するようにした。そして、データ送信部204dは、作成した宛先リストを画像記録用サーバー300へ送信するようにした。
これに対して、第2の実施の形態では、データ送信部204dは、画像記録用サーバー300が、メール予約リスト内で画像と対応付けられている各宛先に対して、それぞれ1通のお知らせメールを送信することができるような宛先リストを作成する。そして、データ送信部204dは、作成した宛先リストの中から、各宛先ごとに、メールアドレスの情報と通知対象の画像ファイル名の情報とを抽出して、送信用情報として画像記録用サーバー300へ送信する。なお、第2の実施の形態では、図1〜図11、および図14については、第1の実施の形態と同様のため、説明を省略する。
本実施の形態では、データ送信部204dは、アドレス帳比較部204cによって図10で上述したアドレス帳比較処理が実行されたことにより得られたメール予約リストに基づいて、画像を各宛先ごとにグループ化した宛先リストを作成する。図15は、第2の実施の形態で作成される宛先リストの具体例を示す図である。この図15に示す宛先リストは、図6に示したメール予約リストから、アドレス帳比較処理によって宛先IDがG01のグループが削除された結果得られたメール予約リストに基づいて作成されたものである。
図6に示すメール予約リストにおいては、宛先IDがA01の宛先は、DSCN0001.jpg、DSCN0002.jpg、DSCN0003.jpg、DSCN0004.jpg、およびDSCN0005.jpgの全てに関連付けられている。このため、データ送信部204dは、図15に示すように、宛先IDをA01とし、そのお知らせメールによる通知対象の画像ファイル名をDSCN0001.jpg、DSCN0002.jpg、DSCN0003.jpg、DSCN0004.jpg、およびDSCN0005.jpgとしたレコードを宛先リストに追加する。
同様に、データ送信部204dは、宛先IDをA02とし、そのお知らせメールによる通知対象の画像ファイル名をDSCN0001.jpg、DSCN0002.jpg、DSCN0003.jpg、およびDSCN0005.jpgとしたレコードを宛先リストに追加する。また、データ送信部204dは、宛先IDをA03とし、そのお知らせメールによる通知対象の画像ファイル名をDSCN0002.jpgとしたレコードを宛先リストに追加する。
データ送信部204dは、作成した宛先リストに登録されているレコードの中からいずれか1つを選択して、そのレコードに登録されている宛先IDのメールアドレスをメモリカードに記録されている外部アドレス帳を参照して取得する。そして、取得したメールアドレスの情報と、そのレコードに登録されている画像ファイルのファイル名の情報とを送信用情報として画像記録用サーバー300へ送信する。
画像記録用サーバー300は、受信した送信用情報に基づいて、送信用情報に含まれるメールアドレスに対して、送信用情報に含まれる画像がアップロードされたことを通知するためのお知らせメールを作成して送信する。これによって、各宛先には、通知対象の画像がいくつあっても1通のメールが送信されるようになり、通知先に大量のメールを送信することを防止することができる。
図16は、第2の実施の形態における予約済みメール送信処理を示すフローチャートである。なお、図16においては、図12に示した第1の実施の形態における予約済みメール送信処理と同一の処理については同じステップ番号を付与し、相違点を中心に説明する。
ステップS600において、データ送信部204dは、メール予約リストを参照して、ステップS440で特定した1枚の画像に対応付けられている宛先IDの中から、いずれか1つの宛先を選択して、ステップS601へ進む。
ステップS601では、データ送信部204dは、メール予約リストに登録されている画像の中から、ステップS600で選択した宛先IDが対応付けられている全ての画像を選択する。そして、データ送信部204dは、ステップS601で選択した宛先IDと、当該ステップS601で選択した画像のファイル名とを1レコードとして、宛先リストに追加する。このとき、宛先IDとしてグループのIDが対応付けられている場合には、データ送信部204dは、そのグループに含まれる全てのメールアドレスが画像に対応付けられているものとして、画像の選択を行なう。その後、ステップS602へ進む。
ステップS602では、データ送信部204dは、メール予約リストを参照して、ステップS440で特定した1枚の画像に、ステップS600で選択していない宛先IDが対応付けられていないか否かを判断する。否定判断した場合には、ステップS600へ戻って処理を繰り返す。これに対して、肯定判断した場合には、ステップS603へ進む。ステップS603では、データ送信部204dは、ステップS430で特定した未送信画像の全てについて、ステップS600〜ステップS602の処理が完了したか否かを判断する。否定判断した場合には、否定判断した場合には、ステップS440へ戻る。これに対して、肯定判断した場合には、ステップS604へ進む。
ステップS604では、データ送信部204dは、宛先リスト内から1つの宛先IDを選択し、その宛先IDのメールアドレスをメモリカードに記録されている外部アドレス帳を参照して取得する。そして、データ送信部204dは、取得したメールアドレスの情報と、その宛先IDに対応する画像、すなわち選択した宛先IDと同じレコードに含まれている画像のファイル名の情報とを送信用情報として画像記録用サーバー300へ送信する。その後、ステップS605へ進む。
ステップS605では、データ送信部204dは、ステップS604で選択した宛先IDに対応するいずれかの画像の画像情報を画像記録用サーバー300へ送信する。なお、画像情報としては、第1の実施の形態と同様に、画像ファイルのファイル名、ファイル作成日時、ファイルサイズが送信される。その後、データ送信部204dは、第1の実施の形態と同様に、ステップS500〜ステップS540の処理を実行する。
ステップS606では、データ送信部204dは、ステップS604で選択した宛先IDに対応する全ての画像について、画像情報の送信が完了したか否かを判断する。否定判断した場合には、ステップS605へ戻って処理を繰り返す。これに対して、肯定判断した場合には、ステップS607へ進む。ステップS607では、データ送信部204dは、宛先リストに登録されている全ての宛先IDについて、処理が完了したか否かを判断する。否定判断した場合には、ステップS604に戻って処理を繰り返す。これに対して、肯定判断した場合には、ステップS550へ進む。
以上説明した第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態における効果に加えて、以下のような作用効果を得ることができる。
(1)データ送信部204dは、画像記録用サーバー300が、メール予約リスト内で画像と対応付けられている各宛先に対して、それぞれ1通のお知らせメールを送信することができるような宛先リストを作成するようにした。これによって、各宛先には、通知対象の画像の数に関わらず1通のメールが送信されるようになり、通知先に大量のメールを送信することを防止することができる。
(2)データ送信部204dは、作成した宛先リストの中から、各宛先ごとの送信用情報を画像記録用サーバー300へ送信するようにした。これによって、1回に送信する送信用情報のデータサイズを小さくすることができ、通信負荷を低減することができる。
―変形例―
なお、上述した各実施の形態のカメラは、以下のように変形することもできる。
(1)上述した第1および第2の実施の形態では、アドレス帳比較部204cは、内部アドレス帳と外部アドレス帳とを比較し、外部アドレス帳の中に、内部アドレス帳の中に含まれていない不一致メールアドレスが含まれていることを検出した場合には、画像ファイルと不一致メールアドレスとの関連付けを解除するようにした。すなわち、不一致メールアドレスに対しては、お知らせメールを送信しない例について説明した。しかしながら、アドレス帳比較部204cは、内部アドレス帳と外部アドレス帳とを比較した結果、内部アドレス帳の中に編集されたメールアドレスが含まれていることを検出した場合には、編集前のメールアドレスに代えて、編集後のメールアドレスを画像ファイルの宛先として関連付けるようにしてもよい。これによって、使用者によってメールアドレスが編集された場合には、使用者が意図した正しい宛先にお知らせメールを送信することができる。
なお、この場合も、アドレス帳比較部204cは、画像ファイルに対する宛先としてグループが設定されている場合には、上述した実施の形態と同様に、外部アドレス帳に登録されているグループと、そのグループに対応する内部アドレス帳に登録されているグループとを比較する。そして、それぞれが異なるメールアドレスを含むことを検出した場合には、そのグループを画像ファイルに対する宛先から除外すればよい。
(2)また、アドレス帳比較部204cは、内部アドレス帳と外部アドレス帳とを比較した結果、外部アドレス帳の中に、内部アドレス帳に登録されていないメールアドレスが含まれていることを検出した場合には、そのメールアドレスが宛先として設定されている画像ファイルの宛先から、設定されている全てのメールアドレスを除外するようにしてもよい。これによって、使用者が意図しないメールアドレスを宛先を含んでいる画像については、全ての宛先に対してお知らせメールが送信されないようにして、使用者が意図しない宛先に誤ってお知らせメールが送信されることを防ぐことができる。
(3)上述した第1の実施の形態では、データ送信部204dは、メール予約リストに基づいて宛先リストを作成し、当該宛先リストを送信用情報として画像記録用サーバー300へ送信する例について説明した。しかしながら、宛先リストを作成せず、メール予約リストをそのまま送信用情報として画像記録用サーバー300へ送信するようにしてもよい。なお、図6に示したメール予約リストには、宛先IDが記録されているのみで、実際のメールアドレスは記録されていないため、メール予約リストをそのまま画像記録用サーバー300へ送信する場合には、メール予約リストには、宛先IDに代えて実際のメールアドレスを記録するように変形する必要がある。
(4)上述した第1および第2の実施の形態では、図9に示したように、フラッシュメモリ206に内部アドレス帳を記録しておき、メモリカードスロット207に挿入されたメモリカードに外部アドレス帳、メール予約リスト、および画像ファイルを記録する例について説明した。しかしながら、メモリカードスロット207にメモリカードが挿入されていない場合には、フラッシュメモリ206内に内部アドレス帳、メール予約リスト、および画像ファイルを記録するようにしてもよい。この場合、アドレス帳コピー部204bおよびアドレス帳比較部204cは上述した処理を行う必要はなく、データ送信部204dは、フラッシュメモリ206内に記録されたデータを対象として、図11に示したデータ送信処理を実行すればよい。
(5)上述した第1および第2の実施の形態では、カメラ200は、通信モジュール209を備える例について説明した。しかしながら、カメラ200は、通信モジュールを必須の構成要素として備えず、通信モジュール209をカメラ200に着脱可能な構成としてもよい。例えば、カメラ200は、USB接続等により、無線通信モジュール209を備えた外部の無線機器と接続して無線通信を行うようにしてもよい。あるいは、カメラ200は、無線通信用のカードを挿入するためのスロットを備え、当該スロットに挿入された無線通使用カードを用いて無線通信を行うようにしてもよい。
(6)上述した第1および第2の実施の形態では、カメラ200から画像記録用サーバー300へ画像ファイルおよび送信用情報を送信する例について説明した。しかしながら、カメラ200以外の他の電子機器、例えば携帯情報端末や携帯電話などから画像記録用サーバー300へ画像ファイルおよび送信用情報を送信するようにしてもよい。すなわち、制御装置204が実行した種々の処理を、電子機器が備える制御装置上で実行するようにしてもよい。
(7)上述した第1および第2の実施の形態では、画像記録用サーバー300は、図2に示した画像へのリンク2aやサムネイル画像2cを含むお知らせメールを作成して、宛先リストにより指定された宛先に送信する例について説明した。しかしながら、画像記録用サーバー300は、画像ファイルを添付したメールを作成して、宛先リストにより指定された宛先に送信するようにしてもよい。
なお、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、本発明は、上述した実施の形態における構成に何ら限定されない。
100 画像転送システム、200 カメラ、201 操作部材、202 レンズ、203 撮像素子、204 制御装置、204a 予約処理実行部、204b アドレス帳コピー部、204c アドレス帳比較部、204d データ送信部、205 SDRAM、206 フラッシュメモリ、207 メモリカードスロット、208 モニタ、209 通信モジュール、300 画像記録用サーバー、400 メールサーバー、500 パーソナルコンピュータ(PC)、600 アクセスポイント