JP2009038165A - トランス装置 - Google Patents

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新一 水道
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裕一 池尻
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Abstract

【課題】周囲に配置される他の電子機器等との間の絶縁距離を小さくすることができるトランス装置を提供すること。
【解決手段】第三脚部(コア)11dの外周面に一次巻線15と二次巻線13とが積層するように巻回されたトランス装置10であって、最外層に一次巻線15を配置した。
【選択図】図3

Description

本発明は、コアの外周面に一次巻線と二次巻線とが積層するように巻回されたトランス装置に関するものである。
従来のトランス装置1では、図7に示すように、コア2を中心としてその直近の外側に絶縁体である一次ボビン3aに巻回された一次巻線3が配置され、さらにその外側に絶縁体である二次ボビン4aに巻回された二次巻線4が配置されて、一次巻線3の外側に二次巻線4が積層した構成となっている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
なお、二次ボビン4aは、一次巻線3と二次巻線4とを絶縁する絶縁シート等の絶縁物であってもよい。
特開平8−330163号公報 特開平5−159945号公報
ところで、上述のトランス装置1では、一次巻線3の外側に二次巻線4が積層することにより、最外層に高電圧がかかる二次巻線4が配置された構成となっている。
そのため、このトランス装置1の周囲に他の電子機器等を配置する場合には、空間距離及び沿面距離等の絶縁距離を十分に確保する必要があった。
そしてこれにより、上述のトランス装置1を組み込んだ装置が大型化してしまうという問題も生じていた。
そこで、この発明は、周囲に配置される他の電子機器等との間の絶縁距離を小さくすることができるトランス装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、この発明は、コアの外周面に一次巻線と二次巻線と場合によりこの二次巻線よりも低電圧がかかる他の巻線とが積層するように巻回されたトランス装置であって、最外層には、前記二次巻線よりも低電圧がかかる他の巻線又は前記一次巻線のうちどちらか一方が配置されていることを特徴としている。
また、この発明では、前記二次巻線を前記一次巻線の内側に配置し、この二次巻線と前記一次巻線との間の絶縁性を、一次巻線の外側に二次巻線を配置した場合よりも高くしてもよい。
本発明に係るトランス装置によれば、コアの最外層に配置される二次巻線よりも低電圧がかかる巻線又は一次巻線には、いずれも二次巻線と比較すると高電圧がかかることがないので、周囲に配置される他の電子機器等との間に必要な絶縁性を低く抑えることができる。このため、トランス装置の周囲に配置される他の電子機器等との間の空間距離及び沿面距離等の絶縁距離を小さくすることが可能となる。
また、二次巻線を一次巻線の内側に配置すると共に、一次巻線を内側に配置した場合よりも両者間の絶縁性を高くすることにより、一次巻線と二次巻線との間に生じる絶縁破壊を確実に防止することができる。
次に、図面に基づいて、この発明を実施するための最良の実施の形態のトランス装置を説明する。
図1A及び図1Bに示すトランス装置10は、一対のコア体11,11と、このコア体11,11に保持される二次ボビン12と、二次ボビン12に巻回された二次巻線13と、二次巻線13を覆う一次ボビン14と、一次ボビン14に巻回された一次巻線15とを備えている。
コア体11は、例えばフェライト等の磁性体によって形成され、ここではいわゆるEER型となっている。すなわち、各コア体11は、図2に示すように、ほぼ直方体形状の基部11aと、この基部11aの両端部から直交方向に突出した第一、第二脚部11b,11cと、第一、第二脚部11b,11cの中間部から基部11aの直交方向に突出したコアとしての第三脚部11dとを有している。
なお、第一、第二脚部11b,11cは、第三脚部11dに面した内側が円弧状の凹曲面になるように湾曲している。また、第三脚部11dは、円筒形状を呈している。
そして、一対のコア体11,11は、第一〜第三脚部11b〜11dの先端が互いに対向した状態で組み付けられている。このとき、第三脚部11d,11dが、二次ボビン12の後述する二次巻枠部12a内に挿入される。
また、第一脚部11b,11bから一方のコア体11の基部11a、第二脚部11c,11c、他方のコア体11の基部11aに至る外周面には、ここでは絶縁粘着テープPが巻回されている。この絶縁粘着テープPにより一対のコア体11,11が組み付け状態で保持されることとなる(図1A及び図1B参照)。なお、コア体11,11を組み付け状態に保持するには、他に接着剤やばね、金具等を用いてもよい。
二次ボビン12は、絶縁性を有する硬質樹脂(硬質プラスチック)によって形成されており、図2に示すように、両端が開放した中空円筒形状の二次巻枠部12aと、二次巻枠部12aの一端部に形成されたフランジ部12bと、このフランジ部12bの上部外側に形成された突起部12cと、フランジ部12bの下部外側に形成された台座部12dとを有している。
なお、二次巻枠部12aの内径は、コア体11の第三脚部11dの外径とほぼ同じであり、この二次巻枠部12a内に挿入された第三脚部11dがほぼ密着するようになっている。
また、台座部12dには、下方に突出する多数のピン端子12e,・・・が設けられている。
二次巻線13は、高電圧の電圧を出力するコイルであり、直列に接続された複数のコイル13a,・・・を有している(図3参照)。各コイル13a,・・・は、最低電圧を出力するものが最も内側に位置し、最高電圧を出力するものが最も外側に位置するように出力電圧の大きさ順に積層巻回されている。
なお、各コイル13a,・・・の端部は、それぞれピン端子12e,・・・に接続されている。また、各層の間には図示しない絶縁シートが狭持されている。
一次ボビン14は、絶縁性を有する硬質樹脂(硬質プラスチック)によって形成されており、図2に示すように、両端が開放した中空円筒形状の一次巻枠部14aと、一次巻枠部14aの一端部に形成されたフランジ部14bと、このフランジ部14bの上部外側に形成された突起部14cと、フランジ部14bの下部外側に形成された台座部14dとを有している。
そして、この一次巻枠部14a内には、二次巻線13が巻回された二次巻枠部12aが挿入されるようになっている。
なお、一次巻枠部14aと二次巻枠部12aとの長さはほぼ同じであり、一時巻枠部14a内に二次巻枠部12aが挿入されると、一次巻枠部14aの先端が二次ボビン12のフランジ部12bに当接するようになっている。
また、一次巻枠部14aの内径は、二次巻線13が巻回された二次巻枠部12aの外径とほぼ同じであり、この一次巻枠部14a内に挿入された二次巻線13の外周囲がほぼ密着するようになっている。
さらに、台座部14dには、下方に突出する多数のピン端子14e,・・・が設けられている。
そして、この一次ボビン14の一次巻枠部14aの厚みd(図3参照)は、従来の二次ボビン4aの厚みt(図7参照)よりも大きくなっている。
一次巻線15は、低電圧の交流電圧が印加されるコイルであり、コアである第三脚部11d,11dの外周面に積層された巻線の最外層に位置している。
なお、この一次巻線15の端部は、ピン端子14eに接続されている。また、この一次巻線15によって形成された最外層の外側面は、絶縁シートSにより覆われている。
このように構成された本発明に係るトランス装置10を組み立てるには、まず、二次ボビン12の二次巻枠部12aに二次巻線13を巻回する。そして、二次巻線13が巻回された二次巻枠部12aを、一次ボビン14の一次巻枠部14a内に挿入する。このとき、フランジ部12bとフランジ部14bとが対向した状態で一次ボビン14と二次ボビン12とが組み付けられる。
その後、一次巻枠部14aに一次ボビン15を巻回し、その最外層の外側面に絶縁シートSを巻きつける。
最後に、組み付けられた一次ボビン14及び二次ボビン12の両側から、一対のコア体11,11の第三脚部11d,11dが二次ボビン12の二次巻枠部12a内にそれぞれ挿入され、粘着テープPにより組み付け状態で固定される。
これにより、このトランス装置10では、コア体11の第三脚部11dの直近の外側に高電圧の電圧を出力する二次巻線13が位置し、この二次巻線13の外側に、低電圧の電圧が印加される一次巻線15が位置している。
すなわち、図4に示すように、二次巻線13の外側に一次巻線15が積層されるので、コアである第三脚部11dの最外層に一次巻線15が配置されることとなる。
ここで、第三脚部11dの最外層に配置された巻線である一次巻線15は、二次巻線13と比較して高電圧がかからないので、絶縁破壊を防止するために必要な絶縁性を低く抑えることが可能となる。
このため、トランス装置10の周囲に配置される他の電子機器等との間の空間距離及び沿面距離等の絶縁距離を小さくすることができる。
さらに、絶縁距離が小さいのでこのトランス装置10を組み込んだ装置の小型化を図ることも可能となる。
また、このトランス装置10では、二次巻線13が一次巻線15の内側に配置されている。さらに、一次ボビン14の一次巻枠部14aの厚みdを従来の二次ボビン4aの厚みtよりも大きくすることで、一次巻線15を内側に配置した場合よりも両者間の絶縁性を高くしている。
すなわち、一次巻枠部14aの厚みdを大きくすることで、一次巻線15と二次巻線13との間の距離が大きくなり、絶縁性を高めることができる。
これにより、高電圧がかかる二次巻線13の外側に一次巻線15を配置しても、両者の間で絶縁破壊が生じることを確実に防止することができる。
以上、この発明にかかる実施の形態を図面により詳述してきたが、具体的な構成は上述の実施の形態に限らない。この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等はこの発明に含まれる。
例えば、上述の実施の形態では、最外層に一次巻線15を配置したが、図5に示すように、コアである第三脚部11dに巻回された巻線の最外層に、二次巻線13よりも低電圧がかかる他の巻線20を配置してもよい。
すなわち、第三脚部11dの直近の外側に一次巻線15を配置し、さらにその外側に二次巻線13を配置し、この二次巻線13の外側に他の巻線20を巻回する。なお、図中B1は一次ボビンであり、B2は二次ボビンである。また、二次巻線13と他の巻線20との間には図示しない絶縁シートを狭持させてもよい。
ここで、「二次巻線13よりも低電圧がかかる他の巻線」とは、例えば回生電力を発生させるための巻線(いわゆる回生巻線)や、一次巻線15に流れる直流電流を断続させる断続器を制御するための巻線等である。
これらの他の巻線20には、二次巻線13にかかる電圧よりも低い電圧がかかるので、最外層に他の巻線20を配置することにより、絶縁破壊を防止するために必要な絶縁性を低く抑えることが可能となる。
このため、周囲に配置される他の電子機器等との間の空間距離及び沿面距離等の絶縁距離を小さくすることができる。
さらに、この他の巻線20として、一端が接地されると共に他端が電気的に接続されない自由端となっているシールド用の巻線(以下、シールド巻線という)を用いてもよい。
なお、このシールド巻線を使用する場合には、幅広ピッチで巻回したり、平板形状の線材を使用したりして巻回数を十分に少なくする必要がある。
これにより、二次巻線13と周囲に配置される他の電子機器等との間が絶縁され、絶縁空間を小さくすることが可能となる。
また、帯状の鋼板等のシールド部材によって二次巻線13の外側を覆う場合と比較すると、一次、二次巻線15,13を巻回するための巻回装置を利用して他の巻線20であるシールド巻線を最外層に配置することができるので、製造コストを抑制することが可能となる。
さらに、図6に示すように、第三脚部11dの直近の外側に二次巻線13を配置し、さらにその外側に一次巻線15を配置し、この一次巻線15の外側に他の巻線20を巻回してもよい。なお、図中B3は二次ボビンであり、B4は一次ボビンである。また、一次巻線15と他の巻線20との間には図示しない絶縁シートを狭持させてもよい。
この場合であっても、最外層に低電圧のかかる他の巻線20が位置するので、絶縁破壊を防止するために必要な絶縁距離を小さくすることが可能となる。
また、高電圧のかかる二次巻線13と最外層に位置する他の巻線20との間に低電圧のかかる一次巻線15が配置されているので、二次巻線13と周囲に配置される他の電子機器等との間の絶縁性をさらに高めることができる。そのため、さらに必要な絶縁距離を小さくすることも可能となる。
そして、上述の実施の形態では、二次巻線13と一次巻線15との間の絶縁性を高めるために、一次巻枠部14aの厚みdを従来の二次ボビン4aの厚みtよりも大きくしているが、これに限らない。
二次巻線13の最外周面と一次巻枠部14aの内周面との間に間隙を設けることによって絶縁性を高めてもよいし、一次巻枠部14aをより絶縁性の高い材質によって形成することによって絶縁性を高めてもよい。
本発明の実施の形態に係るトランス装置を示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係るトランス装置を示す一部破断斜視図である。 図1Aに示すトランス装置を示す分解斜視図である。 図1Aに示すA−A断面図である。 図1Aに示すB−B断面図である。 本発明の他の実施例に係るトランス装置の要部を示した模式図である。 本発明のさらに他の実施例に係るトランス装置の要部を示した模式図である。 従来のトランス装置を模式的に示した断面図である。
符号の説明
10 トランス装置
11d 第三脚部(コア)
13 二次巻線
15 一次巻線

Claims (2)

  1. コアの外周面に一次巻線と二次巻線と場合によりこの二次巻線よりも低電圧がかかる他の巻線とが積層するように巻回されたトランス装置であって、
    最外層には、前記二次巻線よりも低電圧がかかる他の巻線又は前記一次巻線のうちどちらか一方が配置されていることを特徴とするトランス装置。
  2. 前記二次巻線は前記一次巻線の内側に配置され、この二次巻線と前記一次巻線との間の絶縁性は、一次巻線の外側に二次巻線が配置された場合よりも高くなっていることを特徴とする請求項1に記載のトランス装置。

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