JP2009037670A - フラッシュメモリ - Google Patents

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Abstract

【課題】電荷保持能力を回復することが可能なフラッシュメモリを提供する。
【解決手段】フラッシュメモリ10は、フラッシュメモリ回路が形成された半導体チップ16と、フラッシュメモリ回路に対してアニーリング処理を行うヒータ13と、を備える。また、フラッシュメモリ10は、フラッシュメモリ回路の温度を計測する温度センサ11と、温度センサの検出値に基づいて所定のアニーリング条件に従ってヒータを制御する制御部15と、を備えてもよい。
【選択図】図1

Description

本発明は、記憶データを書き換え可能なフラッシュメモリに関する。
従来文献(特許文献1)には、半導体の試験装置が示されている。この従来技術に係る試験装置は、ヒータおよび温度センサを備えており、半導体素子を400℃以上の一定温度に制御して高温加速試験を実施することができる。
特開2006−351628号公報
電子機器の記憶媒体としてフラッシュメモリが用いられている。フラッシュメモリでは、ソース領域、ドレイン領域、フローティングゲート領域、コントロールゲート領域などがシリコン基板に形成されており、各領域が互いに酸化膜により隔てられている。フラッシュメモリでは、フローティングゲート領域に電荷を供給したり、フローティングゲート領域から電荷を除去することにより、記憶データの書き換えが行われる。
しかしながら、フラッシュメモリの記憶データを書き換える度に、フラッシュメモリの酸化膜が劣化して、フローティングゲート領域の電荷保持能力が低下するため、フローティングゲート領域から電荷が時間経過とともにリークし、フラッシュメモリの記憶データが失われてしまう。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、電荷保持能力を回復することが可能なフラッシュメモリを提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明のフラッシュメモリは、フラッシュメモリ回路が形成された半導体チップと、前記フラッシュメモリ回路に対してアニーリング処理を行うヒータと、を備えることを特徴とする。この構成によれば、ヒータがフラッシュメモリ回路に対してアニーリング処理を行うため、フラッシュメモリの電荷保持能力を回復することができる。
本発明によれば、電荷保持能力を回復することが可能なフラッシュメモリを提供することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素または同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の実施形態に係るフラッシュメモリ10を示す斜視図である。フラッシュメモリ10は、フラッシュメモリ回路が形成された半導体チップ16を樹脂材料で固めたモールドパッケージ18として構成されている。なお、図1では、モールドパッケージ18の内部構成を理解容易とするために、モールドパッケージ18を構成する樹脂材料を示さず、モールドパッケージ18の外形のみを破線で示している。
モールドパッケージ18の内部には、フラッシュメモリ回路が形成された半導体チップ16が設けられている。フラッシュメモリ回路16は、データを書き換え可能であり、電源を切ってもデータが消えない不揮発性半導体メモリである。フラッシュメモリ回路16は、ソース領域、ドレイン領域、フローティングゲート領域、コントロールゲート領域、および各領域を互いに隔てる酸化膜を、シリコン基板上に形成して構成されている。なお、市販される一般的なフラッシュメモリ回路では、データの書き換えを行う度に絶縁体となる酸化膜が劣化するため、書き換え可能回数が例えば6万回〜7万回程度に限られている。
また、モールドパッケージ18の内部には、半導体チップ16の上側に、半導体チップ16を加熱するためのヒータ13と、半導体チップ16の温度を計測するための温度センサ11と、が設けられている。ヒータ13は、抵抗体であり、電流が供給されると発熱してフラッシュメモリ回路16を加熱する。温度センサ11は、熱電対であり、フラッシュメモリ回路16の温度に応じた熱起電力を出力する。ヒータ13および温度センサ11は、フラッシュメモリ回路16に対してアニーリング処理を行って、酸化膜の劣化を修復するために設けられている。
モールドパッケージ18は、矩形の板状であり、互いに反対側に位置する2つの縁部には複数の端子19a,19b,19c,19d,19e,19fが一定間隔ごとに設けられている。端子19aおよび端子19bは、ヒータ13から延びる2つの端子であり、電力供給用の配線に接続されるために設けられている。端子19cおよび端子19dは、温度センサ11から延びる2つの端子であり、温度センサ11の検出出力を伝送するための配線に接続されるために設けられている。その他の端子19e,19fは、フラッシュメモリ回路16にデータを入出力するために設けられている。
図2は、本発明の実施形態に係るフラッシュメモリ10の回路構成を示す構成図である。
温度センサ11は、2つの端子19c,19dを介して、温度検出処理部12に接続されている。温度検出処理部12は、2つの端子19c,19dを介して温度センサ11の検出値を取り込み、取り込んだ検出値に基づいてフラッシュメモリ回路16の温度を演算する。温度検出処理部12は、演算したフラッシュメモリ回路16の温度データを、ヒータ電源制御部15に出力する。
ヒータ電源制御部15は、予め決められたアニーリング条件のデータを格納している。アニーリング条件とは、アニーリング処理を開始してからの時間とアニーリング温度との関係であり、例えば、フラッシュメモリ回路16を100℃〜200℃程度の温度に昇温した後に室温まで徐冷する温度設定である。ヒータ電源制御部15は、電子機器のメインCPU20よりアニーリング処理命令を受けると、アニーリング条件に従ったアニーリング処理を開始する。ここで、ヒータ電源制御部15は、温度検出処理部12からのフラッシュメモリ回路16の温度データを利用して、フラッシュメモリ回路16の温度がアニーリング条件に従って変化するようにヒータ電源供給部14をPID制御する。
ヒータ電源供給部14は、ヒータ電源制御部15からPID命令を受けると、2つの端子19a,19bを介してPID命令に応じた電力をヒータ13に供給する。これにより、ヒータ13は発熱し、フラッシュメモリ回路16はアニーリング条件に従って加熱され昇温する。この結果、フラッシュメモリ回路16の酸化膜の劣化は修復され、フラッシュメモリ回路16の電荷保持能力は回復する。よって、本実施形態のフラッシュメモリ10によれば、時間経過とともに電荷を保持できなくなる状況を回避して、フラッシュメモリ10を半永久的に利用することができる。
読出し・書込み処理部17は、メインCPU20からの命令に応じて、フラッシュメモリ回路16からデータを読み出したり、フラッシュメモリ回路16にデータを書き込んだりする処理を行う。
なお、本実施形態のフラッシュメモリ10が搭載される電子機器は、例えば、パーソナルコンピュータ、USBメモリ、デジタルカメラ、携帯音楽プレーヤなどである。電子機器がパーソナルコンピュータである場合には、大容量記憶媒体としてハードディスクに代えてフラッシュメモリ10を採用したものであってもよい。
図3は、メインCPU20により実行されるフラッシュメモリ10の自己修復処理を示すフローチャートである。メインCPU20は、フラッシュメモリ10へのデータ書込み要求が発生すると、フラッシュメモリ10の自己修復処理を開始する。
ステップS301では、メインCPU20は、フラッシュメモリ回路16に累積書込み回数を記憶させ、その後、フラッシュメモリ回路16が劣化条件を満たしているか否かを判定する。フラッシュメモリ回路16の劣化条件とは、累積書込み回数が予め設定された閾値を超えて、半導体の限界書込み回数まで達していることである。ここで、メインCPU20は、フラッシュメモリ回路16が劣化条件を満たしていることを判定した場合には、ステップ302の処理に進む。一方、メインCPU20は、フラッシュメモリ回路16が劣化条件を満たしていることを判定した場合には、ステップ308の処理に進む。
ステップS302では、メインCPU20は、警告表示処理命令を表示処理部21(図2参照)に行い、図4に示すフラッシュメモリ回路16の信頼性低下を警告する警告表示を液晶表示装置22(図2参照)に表示する。この警告表示では、「1.継続」、「2.メモリ修復」および「3.終了」とモニタに表示されており、いずれか1つをユーザが選択可能となっている。
ステップS303では、メインCPU20は、ユーザによる「1.継続」、「2.メモリ修復」および「3.終了」のいずれか1つの選択を受け付ける。メインCPU20は、「継続」の選択を受け付けた場合にはステップS308に進んで、フラッシュメモリ回路16へのデータ書込み処理を継続する。また、メインCPU20は、「2.メモリ修復」の選択を受け付けた場合にはステップS305に進んで、フラッシュメモリ回路16の修復処理を行う。また、メインCPU20は、「3.終了」の選択を受け付けた場合にはステップ304に進んで、フラッシュメモリ回路16へのデータ書込み処理を終了する。
ステップS304では、メインCPU20は、読出し・書込み処理部17にバックアップ命令を出力する。読出し・書込み処理部17は、フラッシュメモリ回路16に書かれている全てのデータを読み出して、ハードディスク等の他の記憶装置に転送して格納する。これにより、フラッシュメモリ回路16に記憶されたデータのバックアップが生成される。その後、メインCPU20は、フラッシュメモリ回路16の自己修復処理を終了する。
ステップS305では、メインCPU20は、読出し・書込み処理部17にバックアップ命令を出力する。読出し・書込み処理部17は、フラッシュメモリ回路16に書かれている全てのデータを読み出して、ハードディスク等の他の記憶装置に転送して格納する。これにより、フラッシュメモリ回路16に記憶されたデータのバックアップが生成される。その後、ステップS306では、メインCPU20は、ヒータ電源制御部15に対してアニーリング処理命令を出力し、ヒータ電源制御部15にアニーリング処理を実行させる。これにより、フラッシュメモリ回路16の酸化膜は修復される。その後、ステップS307では、メインCPU20は、読出し・書込み処理部17にデータ書込み命令を出力する。読出し・書込み処理部17は、他の記憶装置に格納したデータを再びフラッシュメモリ回路16に書き込んで、フラッシュメモリ回路16を元の状態とする。また、メインCPU20は、フラッシュメモリ回路16の書込み回数をリセット(n=0)し、その後、ステップS308の処理に進む。
ステップS308では、メインCPU20は、読出し・書込み処理部17に書込み命令を出力する。読出し・書込み処理部17は、ユーザによるデータ書込み要求に応じてフラッシュメモリ回路16にデータを書き込んで、フラッシュメモリ回路16の記憶データを更新する。
ステップS309では、メインCPU20は、フラッシュメモリ回路16の経時劣化pを計算する。先ず、メインCPU20は、フラッシュメモリ回路16の書込み回数nに基づいて電荷保持特性である劣化係数βを決定する。次に、メインCPU20は、劣化関数F(time,Temp,β)を決定する。劣化関数F(time,Temp,β)は、決定された劣化係数β、フラッシュメモリ回路16の使用開始からの経過時間time、フラッシュメモリ回路16の温度Tempの関数として定義される。そして、メインCPU20は、決定された劣化関数に、フラッシュメモリ回路16の使用開始からの経過時間timeおよびフラッシュメモリ回路16の温度Tempを適用することで、フラッシュメモリ回路16の経時劣化を示す電荷保持確率pを計算する。その後、メインCPU20は、ステップS310の処理に進む。
ステップS310では、メインCPU20は、フラッシュメモリ回路16の電荷保持確率pに基づいてフラッシュメモリ回路16の品質が保障できるか否かを判定する。すなわち、メインCPU20は、フラッシュメモリ回路16の電荷保持確率pが予め設定された品質判定用の閾値p0よりも大きい場合には、フラッシュメモリ回路16の品質は保証されているため、ステップS309およびステップS310の処理を繰り返し、定期的にフラッシュメモリ回路16の経時劣化pを計算してフラッシュメモリ回路16の品質が保障されているか否かを判定する。
一方、メインCPU20は、フラッシュメモリ回路16の電荷保持確率pが予め設定された品質判定用の閾値p0よりも小さい場合には、フラッシュメモリ回路16の品質は保証されていないため、ステップS301の処理に戻り、フラッシュメモリ回路16のリフレッシュ処理を行う。このリフレッシュ処理により、フラッシュメモリ回路16に記憶されているデータは、フラッシュメモリ回路16に再度書き込み直される。このため、フラッシュメモリ回路16の記憶データの消失が防止される。
なお、上記のステップS309およびステップS310の処理を行うか否かは、ユーザの任意である。また、図5に示されるような設定表示を液晶表示装置22に表示して、ユーザが自動的なリフレッシュ機能の有効または無効のいずれか一方を選択して設定するようにしてもよい。ユーザがリフレッシュ機能を有効とした場合には、メインCPU20は、電子機器の電源がOFFの状態でも定期的に電源をONにして、フラッシュメモリ回路16の品質が保証されているか否かを判定する。そして、メインCPU20は、フラッシュメモリ回路16の品質保証を保てなくなると自動的にリフレッシュ処理を行う。
なお、本発明のフラッシュメモリ10は、上述した実施形態に限られず、他の構成としてもよい。例えば、上述した実施形態では、フラッシュメモリ10に温度センサ11を設けたが、他の実施形態では、フラッシュメモリ10に温度センサ11を設けずに、予め決められた電流をヒータ13に供給してフラッシュメモリ回路16を加熱するものでもよい。また、ヒータ13に通電しない時にヒータ13をグランドに接続して、ヒータ13にシールド効果を持たせてEMI対策を行ってもよい。
本発明の実施形態に係るフラッシュメモリを示す斜視図である。 本発明の実施形態に係るフラッシュメモリの構成図である。 メインCPUによる処理を示すフローチャートである。 フラッシュメモリの信頼性低下を警告する警告表示の一例である。 フラッシュメモリのリフレッシュ設定のための表示の一例である。
符号の説明
10…フラッシュメモリ、11…温度センサ、12…温度検出処理部、13…ヒータ、14…ヒータ電源供給部、15…ヒータ電源制御部、16…半導体チップ(フラッシュメモリ回路)、17…読出し・書込み処理部、18…モールドパッケージ、19a,19b,19c,19d,19e,19f…端子、21…表示処理部、22…液晶表示装置。

Claims (10)

  1. フラッシュメモリ回路が形成された半導体チップと、
    前記フラッシュメモリ回路に対してアニーリング処理を行うヒータと、
    を備えることを特徴とするフラッシュメモリ。
  2. 前記フラッシュメモリ回路の温度を計測する温度センサと、
    前記温度センサの検出値に基づいて所定のアニーリング条件に従って前記ヒータを制御する制御部と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載のフラッシュメモリ。
  3. 前記制御部は、前記温度センサの検出値に基づいて前記ヒータをPID制御することを特徴とする請求項2に記載のフラッシュメモリ。
  4. 前記ヒータから延びる端子であって、電力供給用の配線に接続される端子を備えることを特徴とする請求項1に記載のフラッシュメモリ。
  5. 前記温度センサから延びる端子であって、前記温度センサの検出出力を伝送するための配線に接続される端子を備えることを特徴とする請求項2に記載のフラッシュメモリ。
  6. 前記ヒータは、所定のフラッシュメモリ劣化条件が満たされた場合に、前記フラッシュメモリ回路に対してアニーリング処理を行うことを特徴とする請求項1に記載のフラッシュメモリ。
  7. 前記フラッシュメモリ劣化条件は、前記フラッシュメモリ回路の書込み回数が予め設定された閾値を超えることであることを特徴とする請求項1に記載のフラッシュメモリ。
  8. 前記ヒータは抵抗であることを特徴とする請求項1に記載のフラッシュメモリ。
  9. 前記温度センサは熱電対であることを特徴とする請求項1に記載のフラッシュメモリ。
  10. 前記ヒータは、アニーリング処理を行っていない時にグランドに接続されていることを特徴とする請求項1に記載のフラッシュメモリ。
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