JP2009037172A - 光走査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型で安価な二次元画像アスペクト比可変である画像形成装置を構成できる光走査装置を提供する。
【解決手段】複数の画素がライン状に配列された一次元光変調素子4を用いた光変調によって一次元像が得られ、得られた一次元像が一次元光変調素子4の配列方向と垂直な方向に走査する光偏向部8に走査され、光偏向部8を内部に含む投影光学系6により投影されて二次元像が結像され、得られる二次元像のアスペクト比は、光偏向部8における一次元像の走査角度に応じて可変である構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、一次元的に画素を配列した光変調素子を用いて二次元像を形成する光走査装置に関し、特にスクリーン上に拡大投影するプロジェクタ装置に用いられる光走査装置に関する。
従来、液晶ライトバルブ等の二次元表示素子や、これらの二次元表示素子を拡大投影するプロジェクタ装置が種々提案され、実用化されている。
しかしながら、近年、新しい放送方式の導入、演算素子の進歩による画像処理速度の向上、及び、フイルムを拡大投影するアナログシネマからデイジタルシネマへの変換が進んで、解像度に対する要求が高まりつつあり、二次元表示素子として高解像化への追随が迫られている。
これは、二次元表示素子の高解像化に対応するには素子画素数を増やすことになるが、表示素子のサイズを固定したまま高解像化をはかると、表示部の開口部の縮小化が避けられず、明るいプロジェクタ装置の実現が困難になる。一方、画素サイズ固定のまま高解像化をはかると、必然的に表示素子のサイズの増大化を招き、光学系を含めたプロジェクタ装置の大型化、高額化につながる。また、二次元表示素子の製造工程においても、画素の縮小化においては、より小さな異物混入防止策が必要で、また、表示素子の大型化においては、生産装置そのものの大型化が必要となる。
ここで、高精細度テレビ、いわゆるHDTV(High Definition Te−levision)を例にすると、二次元表示素子として、1920×1080の約207万画素が必要となるが、一次元表示素子で、H方向に走査するシステムにおいては、1×1080素子で実現可能で、その差異は明確である。
また、二次元表示素子を用いて、アスペクト比可変の画像を表示するには、所望する最大のアスペクト比の素子そのものを製作するか、アスペクト比の小さなプロジェクタのタイリングを行い、所望のアスペクト比を実現するかの2つの手段が考えられる。
所望する最大のアスペクト比の二次元表示素子を製作するには、素子を製造するための半導体設備投資等の固定費がかかるため、ある程度の需要がなければ採算がとれない、また、上述したように、画素数が増えることによる画素欠陥の確立が高くなり、これもコスト増の要因となり、現実的な手段ではないのが現状である。
一方、第2の手段は、異なるプロジェクタ同士の幾何学的、明るさ、色合わせが必要で、経時変化に対する保守作業まで考慮すると、多くの課題がある手段と言わざるを得ないのが現状である。
ところで、特許文献1には、一次元光変調素子を用いた二次元画像表示装置が開示されている。
上記の一次元光変調素子としては、例えば、特許文献2に開示されているような、アメリカのシリコンライトマシーンズ(Sili−con Light Machines)社のGLV(Grating Light Valve)を用いることができる。GLVは、MEMS(MICROELECTROMECHANICAL SYSTEM)技術を用いて形成された位相反射型回折格子より成っている。
このGLVを、GLVを照射する照明光学系とともに用いると、画像信号により各画素を構成する回折格子を機械的に動作させ、これによって生ずる位相差をコントロールすることにより、画像表示素子として機能する。
光学系としては、各画素からの±1次回折光、0次回折光を分離し、OFF光の遮蔽を行う、いわゆるシュリーレン光学系を採用することにより、画像が形成される。
また、特許文献3あるいは特許文献4には、上記の一次元表示素子を用いた大型ディスプレイとしてのプロジェクタ光学系として、一次元表示素子の一次元中間像を投影レンズにより拡大投影し、さらにその投影レンズの瞳位置、またはその周辺に光偏向部を配置し、走査を行いスクリーン上で二次元投影像を得るシステムが提案されている。
特開2006−72104号公報 米国特許5,311,360号公報 米国特許5,982,553号公報 特表2000−513114号公報
従来の2次元表示素子による高解像度化の問題を回避して、小型で安価な1次元表示素子を用いてアスペクト比可変の2次元画像形成装置を構成する光走査装置を提供することが困難であることである。
本発明の光走査装置は、複数の画素がライン状に配列された一次元光変調素子と、前記一次元光変調素子を用いた光変調によって得られる一次元像を前記一次元光変調素子の配列方向と垂直な方向に走査する光偏向部と、前記光偏向部を内部に含み、前記一次元像を投影する二次元像を結像させる投影光学系とを有し、前記光偏向部における前記一次元像の走査角度に応じて前記二次元像のアスペクト比が可変であることを特徴とする。
上記の本発明の光走査装置は、複数の画素がライン状に配列された一次元光変調素子を用いた光変調によって一次元像が得られ、得られた一次元像が一次元光変調素子の配列方向と垂直な方向に走査する光偏向部に走査され、光偏向部を内部に含む投影光学系により投影されて二次元像が結像される。
ここで、得られる二次元像のアスペクト比は、光偏向部における一次元像の走査角度に応じて可変となっている。
本発明の光走査装置は、投影光学系に含まれる光偏向部の走査角度に応じて、得られる二次元像のアスペクト比が可変となっており、小型で安価な二次元画像アスペクト比可変である画像形成装置を構成することができる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
第1実施形態
図1は、本実施形態に係る光走査装置1の模式構成図である。
図1に示すように、例えば、一点鎖線で示す光軸上には光源2、照明光学系3、一次元光変調素子4、投影光学系6が配置されて構成される。
光源2は、例えば、半導体レーザや固体レーザ等のレーザ光源などからなる。
光源2から発した光は、例えば、照明光学系3を経て線状ビームとして一次元光変調素子4に照射される。尚、照明光学系3にはビーム整形やビーム拡大等のためのレンズ系が含まれる。
一次元光変調素子4は、例えば、後述のGLV素子や液晶表示素子等であって、所定方向に配列された複数の構成素子を有しており、駆動部5からの信号を受けて駆動制御が行われる。本実施形態では、図示の便宜上、透過型素子を示しているが、これに限らず、反射型素子等を用いることもできる。
駆動部5は、一次元光変調素子4の駆動回路を含み、外部回路等からの指令に応じた駆動信号を生成して一次元光変調素子4に供給する。駆動部5からの駆動信号によって、一次元光変調素子4における光変調が行われ、一次元像(一次元の変調光)が生成される。
上記の一次元像は、例えば、投影光学系6に導かれ、スクリーンS上に投影される。
上記の投影光学系は、例えば、光偏向部(走査ミラー)8を挟んで、一次元光変調素子側の前群7及び二次元像側の後群9を有する。図1中において、前群7、後群9を模式的に単レンズで簡略化して示しているが、実際には後述するように、それぞれ例えば一群の光学レンズから構成されている。
一次元光変調素子4からの一次元像は、例えば、前群7を通して光偏向部8に入射する。
光偏向部8は、例えば、光の反射角度が制御されて走査可能に設けられたミラー(走査ミラー)であり、上記の一次元像を一次元光変調素子4に係る構成素子の配列方向(一次元光変調素子4の長軸方向)と垂直な方向に走査する。例えば、光偏向部8には光走査制御部10が接続されており、光走査制御部10からの制御信号を受けて動作制御が行われる。光偏向部8としてはガルバノメータスキャナが用いられ、ガルバノミラーの回転制御によって走査位置が制御される。
光偏向部8において走査された一次元像は、走査位置に応じて進行方向が変更され、後群9を透過して出射され、スクリーンS上に結像して、二次元像が形成される。
例えば、投影光学系6に関して、その物体側に一次元光変調素子4が配置され、絞り位置に光偏向部8が配置された構成となっている。
上記の光偏向部8を挟んで対称的に配置される前群7及び後群9は、例えば、ともに正の屈折力(パワー)を有している光学系を採用することができる。
尚、プロジェクタ装置等への適用においては、投影光学系6の後段に、二次元像をさらに拡大投影する投影レンズを有する構成が挙げられる。つまり、投影光学系6を経て形成される二次元像を中間像として、これをスクリーン上に拡大投影するための投影レンズを配置すればよい。
また、後群9に投影レンズを含めた上で負のパワーをもつレンズ系を設計することも考えられるが、歪曲収差の問題や出射側レンズの大サイズ化等を考慮した場合に、後群を正パワーとして投影光学系6の像面に二次元像を結像させてから該二次元像を拡大投影する構成形態が実用上望ましい。このように配置することで、後群のレンズ配置と拡大投影する投影レンズとを個別に設計することができる。
投影光学系6は、投影光学系を構成する光学素子面が、光軸に対し軸対称な面であることが好ましい。
また、投影光学系6は、一次元光変調素子側及び二次元像側ともにテレセントリック性であることが好ましい。
また、一次元光変調素子4と上記投影光学系6との間に、リレー結像系としてオフナー光学系を有する構成とすることもできる。
また、図1では光源2と照明光学系3を用いた被照射型の構成を示したが、自己発光型の一次元光変調素子を用いた構成も可能である。
本実施形態の光走査装置においては、光偏向部8における一次元像の走査角度に応じて、投影される二次元像のアスペクト比が可変に構成されている。これは、例えば、上記の光走査制御部10による光偏向部8の動作制御によって、二次元像が所望のアスペクト比となるように光偏向部8の走査角を制御し、一次元の光変調素子からアスペクト比可変の二次元画像を得ることができる。
一次元の光変調素子は、所望するアスペクト比に関わらず、同一仕様でよい。また、1組の一次元素子、1組の光源でアスペクト比可変のシステムを実現するため、幾何学的、明るさ、色合わせが不要で、経時変化に対する保守作業も不要となる。
本実施形態において、絞りに対し対称形をなす有限の二次元画像の等倍結像系に着目し、物体側に一次元の光変調素子を、絞りの位置に光偏向部を配し、光偏向部の走査により二次元画像を得るものであり、この光偏向部の走査角を所望のアスペクト比に合わせ、制御することにより、アスペクト比可変の光走査装置と、これを用いたプロジェクタシステムを実現できる。
この基本光学系においては、光偏向部による円筒状の像面湾曲を、円筒面を用いることなく、軸対称な球面系で補正することが可能である。
本実施形態の光偏向部を用いた光学系では、一次元の光変調素子の方向と、光偏向部によって走査される方向では、光学的な結像作用に及ぼす振る舞いが異なるため、歪曲を含めた結像性能を以下のように向上させることが望ましい。
本実施形態において、後群の第一屈折面が光偏向部に対して凹面であるレンズ素子を有することが好ましい。
上記の歪曲に代表される軸外特性は、特に光偏向部の走査角度を大きく設定した場合に顕在化しうるが、光偏向部を挟んだ後群の屈折第一面を光偏向部に対し凹面を向けた構成とすることにより、通常の広角レンズ系と同様に、ひとつの解決手段となる。
また、投影光学系を構成するレンズ素子の一部が、屈折率1.7以上の高屈折率材料を用いて形成されていることが好ましい。
また、上述の歪曲収差同様に課題となる収差として像面湾曲が知られている。光偏向部により、一次元の光変調素子の配列方向と垂直方向に走査することにより二次元像を得るので、二次元像の像面は、光学的な補正を加えなければ、円筒面になるためである。このためには、各光学素子での微小なコントロールが必要で、屈折率ndが1.7を超える高屈折率ガラスの採用が望ましい。
また、投影光学系を構成するレンズ素子の一部が、アッベ数70以上の低分散材料を用いて形成されていることが好ましい。
色収差のコントロールに関しては、アッベ数νdが70以上の低分散ガラスの採用が望ましい。
また、前群のワーキングディスタンスが、前群の焦点距離の25%以上であることが好ましい。
本実施形態の光学系は、前述の通り、光偏向部により一次元の光変調素子の配列方向と垂直方向に走査することにより二次元像を得るので、光偏向部の前にある前群に起因する、レンズ面の傷、埃の付着等により、筋状のノイズが、二次元像に現れやすいという問題がある。この問題を解決するために、前群のワーキングディスタンスが、前群の焦点距離の25%以上であることが望ましい。ワーキングディスタンスの対象となる面は、一次元の変調素子、または、一次元の変調素子を、オフナー光学系で代表されるリレー光学系で結像した面である。
また、前群の焦点距離が後群に比べ大きい構成とすることができる。前群の焦点距離が後群に比べ大きい場合、二次元像を縮小する効果が得られる。縮小系を採用した場合は、二次元像を、さらにスクリーン上に投影する投影レンズの縮小化が図れ、システム全体の小型化、コスト抑制がはかれる。
逆に、前群の焦点距離が後群に比べ小さい構成としてもよく、前群の焦点距離が後群に比べ小さい場合、二次元像を拡大する効果が得られる。拡大投影する光学系を採用した場合は、投影レンズの瞳サイズが大きくなり、特に光源にレーザを採用した場合、レーザ安全のクラス分類に対して、より明るいシステムが提供できる利点がある。
また、前群及び後群の光軸の折り曲げ角度が鋭角であることが好ましい。
光偏向部を、平面ミラーを回転制御するガルバノモータで構成した際、モータへの負荷、あるいは、走査効率を向上させるためには、ミラーの大きさ、特に、走査方向の大きさを抑える必要があり、前群、後群の折り曲げ角度を鋭角に設定することにより、容易に実現できる。
第2実施形態
図2は、本実施形態に係る光走査装置の投影光学系の概略構成を示すXZ断面図である。
一次元光変調素子11は、Y方向に配列される。以降、一次元光変調素子11の位置に一次元光変調素子のリレー像が位置する構成でもよく、以降は一次元光変調素子11が一次元光変調素子のリレー像も含むものとする。
一次元光変調素子11の一次元像はテレセントリックな条件で投影光学系に入射する。投影光学系は、一次元光変調素子11側から、前群14のG101〜G107、光偏向部12を挟んで、後群15のG108〜115で構成され、一次元光変調素子方向と垂直な方向における光偏向部12のミラーの走査により二次元像13を得る。
一次元光変調素子11の各素子が単純に光強度変調を行なう場合は、光偏向部12はミラーでよいが、GLVのように回折作用を利用する素子の場合、光走査装置のミラーまたはリレー光学系にシュリーレン絞りを形成する必要がある。
本系の具体的諸元を表1に示す。一次元光変調素子11のサイズは20(任意単位)である。一次元光変調素子の読取はF値5であり、光偏向部(走査ミラー)12への入射角は45度を中心に走査角は±5度の場合、二次元像の大きさが35.6×20のアスペクト比16:9の画像となる。走査角が±15度の場合、二次元像の大きさが107×20のアスペクト比48:9の画像となる。所望のアスペクト比に合わせて、走査角を変更するとよい。
なお、G105,G106,G109,G110,G111,G112,G115の硝種は、ndが1.7を超え、G101,G102の硝種は、アッベ数νdが70以上の低分散ガラスである。また、光偏向部12に対し、後群のG108の第一屈折面は凹面を向けている。
表中の座標系はローカルで、反射により座標系も転写される。左端に示す番号は構成される面を順次表し、「OBJ」は物点であり、本実施形態では一次元光変調素子、または、一次元光変調素子のリレー像を意味し、「STO」は絞り、「IMG」は像面で、本実施形態では二次元像を意味する。
表中には、面の曲率半径、面間隔が示され、これらは反射により極性が逆転する。また、面の作用も示され、「REFL」は反射面を示し、表記のないものは透過面を表す。また、構成される材質も示され、「ADE」、「BDE」、「CDE」はそれぞれXYZ軸を中心にした回転度(deg)を表す。光走査のためのミラー面(表中面番号17)は、入射側光軸に対し、入射角度が45度に設定され、90度に反射された光線が、走査回転中心となる。
Figure 2009037172
第3実施形態
図3は、本実施形態に係る光走査装置の投影光学系の概略構成を示すXZ断面図である。前群と後群の折り曲げ角度を70度の鋭角とした投影光学系となっている。
図2と同様にXZ断面図であり、一次元光変調素子(または一次元の光変調素子のリレー像)21はY方向に配列されている。一次元光変調素子21の一次元像はテレセントリックな条件で投影光学系に入射する。投影光学系は、一次元光変調素子21側から、前群24のG201〜G207、光偏向部22を挟んで、後群25のG208〜215で構成され、一次元光変調素子方向と垂直な方向における光偏向部22のミラーの走査により二次元像23を得る。なお、後群25の構成は、第2実施形態と同一である。
本系の具体的諸元を表2に示す。一次元光変調素子21のサイズは20(任意単位)である。一次元光変調素子の読取はF値5で、光偏向部(走査ミラー)22への入射角は35度を中心に走査角は±5度の場合、二次元像の大きさが35.6×20のアスペクト比16:9の画像となる。走査角が±15度の場合、二次元像の大きさが107×20のアスペクト比48:9の画像となる。
なお、G209,G210,G211,G212,G213,G215の硝種は、ndが1.7を超え、G204,G205,G206,G207の硝種は、アッベ数νdが70以上の低分散ガラスである。また、光偏向部22に対し、後群のG208の第一屈折面は凹面を向けている
また、前群24のG201〜G207の焦点距離100に対し、一次元光変調素子21とG201の距離、いわゆるワーキングディスタンスは40であり、焦点距離の25%以上の距離を確保している。
Figure 2009037172
第4実施形態
図4は、本実施形態に係る光走査装置の投影光学系の概略構成を示すXZ断面図である。
前群と後群の折り曲げ角度を70度の鋭角とした投影光学系となっている。
本実施形態は、後群の焦点距離を前群の0.5倍に設定し、二次元像の0.5倍の縮小化をはかった投影光学系となっている。アスペクト比可変の光学系であるので、縮小倍率は、一次元の光変調素子の有効画素に対応した有効長さと、該有効画素に対応する二次元像の一辺の長さとなる。本実施例では、二次元像の垂直方向、V方向の長さである。また、実施例2と同様に、走査ミラーへの入射角度を35度として、前群、後群の折り曲げ角度を70度と、鋭角を実現した光学系である。さらに、前群のワーキングディスタンスも前群の焦点距離の25%以上を確保している。
図3と同様にXZ断面図であり、一次元光変調素子(または一次元光変調素子のリレー像)31はY方向に配列されている。一次元光変調素子31の一次元像はテレセントリックな条件で投影光学系に入射する。投影光学系は、一次元光変調素子31側から、前群34のG301〜G308、光偏向部32を挟んで、後群35のG309〜317で構成され、一次元光変調素子方向と垂直な方向における光偏向部32のミラーの走査により二次元像33を得る。
本系の具体的諸元を表3に示す。一次元光変調素子31のサイズは、20(任意単位)である。一次元光変調素子の読取はF値5で、0.5倍の縮小系であるので、二次元像への結像は、F値2.5となる。光偏向部(走査ミラー)32への入射角は35度を中心に走査角は±3.4度の場合、二次元像の大きさが17.8×10のアスペクト比16:9の画像となる。走査角が±10.9度の場合、二次元像の大きさが53.3×10のアスペクト比48:9の画像となる。
なお、G315,G316,G317の硝種は、ndが1.7を超え、G304,G305,G306,G307の硝種は、アッベ数νdが70以上の低分散ガラスである。また、光偏向部32に対し、後群35のG309の第一屈折面は凹面を向けている
さらに、前群34のG301〜G308の焦点距離150に対し、後群35のG309〜317の焦点距離は75で、全系として0.5倍の縮小系となっている。また、一次元光変調素子31とG301の距離、いわゆるワーキングディスタンスは40であり、前群34の焦点距離150の25%以上の距離を確保している。
Figure 2009037172
第5実施形態
図5は、上記の各実施形態の光走査装置を用いたプロジェクタにおける投影光学系の概略構成を示すXZ断面図である。
上記の各本実施形態による二次元像を、さらにスクリーンに拡大投影する投影レンズを付加したものである。拡大投影する投影レンズに対して、二次元像とスクリーンは、物像関係にある。
光源43からの光は、照明レンズ42により一次元光変調素子41に照射される。映像信号によって一次元光変調素子41からの一次元像は変調制御され、オフナー光学系に導かれる。主鏡44で反射された光束は、副鏡に設けられたシュリーレンフィルタ45により変調制御された光束のうち、映像光のみ反射し、再び主鏡44で反射した後、リレー像を結像し、さらに上記の各実施形態の骨格である光走査装置に導かれる。一次元像は投影光学系の前群47を通じて光偏向部46に導かれる。光偏向部46の走査角は、二次元像の所望のアスペクト比に合わせて制御され、後群48を通過した後で二次元像が形成される。
得られた二次元像が、拡大投影する投影レンズ49によって拡大投影され、視聴者が鑑賞の対象となる平面スクリーンに投影される。
第6実施形態
図6及び図7は、上記の各実施形態で用いることができるGLV(Grating Light Valve)素子の動作原理図であり、例えば特許文献3に記載されているものを用いることができる。
図6において、表面に反射膜56を各々に形成した可動格子54、固定格子55が交互に配列されている。また、基板51の下部表面には電極層53が形成されている。可動格子54と電極層53の間に電位差を加えない状態では可動格子54、固定格子55の反射面高さが一致し、回折作用が起きず、入射光波面57はそのまま正反射光、すなわち0次光として射出される。
一方、図7においては、格子深さがλ/4になるように可動格子54と電極層53の間に電位差を加え可動格子54を基板用面52に近づけると、反射回折作用が起き、入射光波面57は±1次の反射回折光波面58となる。この個々の格子深さを画像信号に対応し制御することにより、位相反射型回折格子が得られる。
なお、本実施形態では、一次元の光変調素子の例として上記のGLVを挙げたが、透過型、あるいは、反射型の液晶素子等、他のディスプレイ素子に対しても、適用できるものである。
本発明は、上記の実施形態に限定されない。
例えば、一次元光変調素子はGLV素子に限らず、特に限定されない。
一次元光変調素子からの一次元像は、直接投影光学系に導かれても、リレー像を結像してから投影光学系に導かれてもよい。
投影光学系を構成する前群と後群の光学系は、それぞれ1つまたは複数個の光学レンズから構成される。
上記のほか、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
本実施形態の光走査装置は、画像表示装置を構成する光走査装置に適用でき、特に平面スクリーンに投射するプロジェクタシステムを構成する光走査装置に適用できる。
図1は本発明の第1実施形態に係る光走査装置の模式構成図である。 図2は本発明の第2実施形態に係る光走査装置の投影光学系のXZ断面図である。 図3は本発明の第3実施形態に係る光走査装置の投影光学系のXZ断面図である。 図4は本発明の第4実施形態に係る光走査装置の投影光学系のXZ断面図である。 図5は第5実施形態に係るプロジェクタ光学系の模式図である。 図6はGLVの非動作状態を表す説明図である。 図7はGLVの動作状態を表す説明図である。
符号の説明
1…光走査装置、2…光源、3…照明光学系、4…一次元光変調素子、5…駆動部、6…投影光学系、7…前群、8…光偏向部、9…後群、10…光走査制御部、11…一次元光変調素子、12…光偏向部、13…二次元像、14…前群、15…後群、21…一次元光変調素子、22…光偏向部、23…二次元像、24…前群、25…後群、31…一次元光変調素子、32…光偏向部、33…二次元像、34…前群、35…後群、41…一次元光変調素子、42…照明レンズ、43…光源、44…主鏡、45…シュリーレンフィルタ、46…光偏向部、47…前群、48…後群、49…投影レンズ、51…基板、52…基板用面、53…電極層、54…可動格子、55…固定格子、56…反射膜、57…入射光波面、58…反射回折光波面

Claims (14)

  1. 複数の画素がライン状に配列された一次元光変調素子と、
    前記一次元光変調素子を用いた光変調によって得られる一次元像を前記一次元光変調素子の配列方向と垂直な方向に走査する光偏向部と、
    前記光偏向部を内部に含み、前記一次元像を投影する二次元像を結像させる投影光学系と
    を有し、
    前記光偏向部における前記一次元像の走査角度に応じて前記二次元像のアスペクト比が可変であることを特徴とする
    光走査装置。
  2. 前記投影光学系は、前記光偏向部を挟んで、前記一次元光変調素子側の前群及び前記二次元像側の後群を有し、前記前群及び前記後群がともに正のパワーであることを特徴とする
    請求項1に記載の光走査装置。
  3. 前記投影光学系は、該投影光学系を構成する光学素子面が、光軸に対し軸対称な面であることを特徴とする
    請求項1に記載の光走査装置。
  4. 前記投影光学系は、前記光偏向部を挟んで、前記一次元光変調素子側の前群及び前記二次元像側の後群を有し、前記後群の第一屈折面が前記光偏向部に対して凹面であるレンズ素子を有することを特徴とする
    請求項1に記載の光走査装置。
  5. 前記投影光学系は、前記一次元光変調素子側及び前記二次元像側ともにテレセントリック性であることを特徴とする
    請求項1に記載の光走査装置。
  6. 前記投影光学系を構成するレンズ素子の一部が、屈折率1.7以上の高屈折率材料を用いて形成されていることを特徴とする
    請求項1に記載の光走査装置。
  7. 前記投影光学系を構成するレンズ素子の一部が、アッベ数70以上の低分散材料を用いて形成されていることを特徴とする
    請求項1に記載の光走査装置。
  8. 前記投影光学系は、前記光偏向部を挟んで、前記一次元光変調素子側の前群及び前記二次元像側の後群を有し、前記前群のワーキングディスタンスが、前記前群の焦点距離の25%以上であることを特徴とする
    請求項1に記載の光走査装置。
  9. 前記投影光学系は、前記光偏向部を挟んで、前記一次元光変調素子側の前群及び前記二次元像側の後群を有し、前記前群及び前記後群の焦点距離の比率が1より大きいことを特徴とする
    請求項1に記載の光走査装置。
  10. 前記投影光学系は、前記光偏向部を挟んで、前記一次元光変調素子側の前群及び前記二次元像側の後群を有し、前記前群及び前記後群の焦点距離の比率が1より小さいことを特徴とする
    請求項1に記載の光走査装置。
  11. 前記投影光学系は、前記光偏向部を挟んで、前記一次元光変調素子側の前群及び前記二次元像側の後群を有し、前記前群及び前記後群の光軸の折り曲げ角度が鋭角であることを特徴とする
    請求項1に記載の光走査装置。
  12. 前記一次元光変調素子と前記投影光学系との間に、リレー結像系としてオフナー光学系を有することを特徴とする
    請求項1に記載の光走査装置。
  13. 前記投影光学系の後段に、前記二次元像をさらに拡大投影する投影レンズを有することを特徴とする
    請求項1に記載の光走査装置。
  14. 前記投影光学系の後段に、前記二次元像をさらに拡大投影する投影レンズを有することを特徴とする
    請求項12に記載の光走査装置。
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