JP2009036840A - 液晶パネル及び液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】大面積に形成することができると共に、視野角改善に寄与できる組み合わせ型偏光板を備えた液晶パネル及び液晶表示装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る液晶パネル100は、液晶セル9と、液晶セルの一方の面側に配置された一方の偏光板、及び、液晶セルと一方の偏光板との間に配置され且つ屈折率楕円体がnx>ny≧nzの関係を満足する光学補償層38を具備する第1の光学積層体Aと、液晶セルの他方の面側に配置された他方の偏光板、及び、液晶セルと他方の偏光板との間に配置され且つ屈折率楕円体がnx=ny>nzの関係を満足する光学補償層37を具備する第2の光学積層体Bとを備える。第1及び第2の光学積層体のうち少なくとも一方は、少なくとも1組の端面が対向するように、光学補償層の液晶セルと反対側の面に並設された第1の偏光板1及び第2の偏光板2を有する組み合わせ型偏光板とされる。
【選択図】図6

Description

本発明は、端面を対向させた状態で複数枚の偏光板が光学補償層上に並設されている組み合わせ型偏光板を備えた液晶セル及び液晶表示装置に関する。
液晶表示装置は、携帯電話、モニター、テレビ、看板、黒板等の様々な用途に利用されている。近年、例えばテレビ用途や看板用途の液晶表示装置は、画面サイズの大型化が急速に進んでおり、65インチサイズのものが実用化されている。このような市場動向の下、液晶表示装置に利用される光学フィルムの大型化が急務となっている。
液晶表示装置に用いられる主な光学フィルムとして、直線偏光を透過する偏光板や、所定の位相差を有する複屈折性フィルム(位相差フィルム、光学補償フィルムなどとも呼ばれる)などがある。偏光板は、偏光子(偏光フィルム、偏光素子などとも呼ばれる)を含み、通常、液晶セルの両面側にそれぞれ配置される。複屈折性フィルムは、通常、偏光子と液晶セルとの間に配置され、液晶表示装置の視野角改善に寄与する。
ところで、上記偏光板の偏光子としては、通常、長尺状のポリビニルアルコールフィルムを、二色性物質で染色し、長手方向に一軸延伸して作製された染色延伸フィルムが用いられている。この染色延伸フィルムは、一般に、延伸倍率を高くするほど偏光特性に優れた偏光子が得られると考えられており、実際に、所定の延伸を行うことにより高偏光度の偏光子が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−341515号公報
しかしながら、偏光特性に優れた偏光子を得るために、延伸倍率を高くすると、ネッキングにより染色延伸フィルムの有効幅が狭くなる。染色延伸フィルムから形成される偏光子の最大寸法は、前記染色延伸フィルムの有効幅に規制されるため、上記液晶表示装置の大型化に対応した大面積の偏光板を得ることが困難である。また、延伸倍率を比較的低くした場合であっても、偏光子の最大寸法は、染色延伸フィルムのTD方向の寸法に規制され、染色延伸フィルムの製造設備の大型化にも限界があるため、同様に大面積の偏光板を得ることは困難である。
そこで、本発明は、大面積に形成することができると共に、視野角改善に寄与できる組み合わせ型偏光板を備えた液晶パネル及び液晶表示装置を提供することを課題とする。
本発明に係る液晶パネルは、液晶セルと、前記液晶セルの一方の面側に配置された一方の偏光板、及び、前記液晶セルと前記一方の偏光板との間に配置され且つ屈折率楕円体がnx>ny≧nzの関係を満足する光学補償層を具備する第1の光学積層体と、前記液晶セルの他方の面側に配置された他方の偏光板、及び、前記液晶セルと前記他方の偏光板との間に配置され且つ屈折率楕円体がnx=ny>nzの関係を満足する光学補償層を具備する第2の光学積層体とを備え、前記第1の光学積層体及び前記第2の光学積層体のうち少なくとも一方は、少なくとも1組の端面が対向するように、前記光学補償層の前記液晶セルと反対側の面に並設された第1の偏光板及び第2の偏光板を有する組み合わせ型偏光板であることを特徴とする。
本発明に係る液晶パネルが備える組み合わせ型偏光板は、第1の偏光板の端面と第2の偏光板の端面のうち少なくとも1組の端面が対向するように、第1の偏光板と第2の偏光板が光学補償層の一面上に並設されている。従って、第1の偏光板及び第2の偏光板そのものが、偏光子の寸法規制によって大面積に形成できなくても、第1の偏光板と第2の偏光板とを並設し且つ光学補償層によって一体化することにより、全体として大面積の偏光板(組み合わせ型偏光板)を構成することができる。
また、液晶セルの一方の面側に配置された光学補償層の屈折率楕円体がnx>ny≧nzの関係を満足し、液晶セルの他方の面側に配置された光学補償層の屈折率楕円体がnx=ny>nzの関係を満足する。そして、本発明に係る液晶パネルは、これら各光学補償層が、液晶セルと偏光板との間に介在するので、液晶パネルの視野角を改善することができる。従って、例えば、視野角改善を目的とする別途の複屈折性フィルムを用いずに、広視野角の液晶パネルを構成することも可能となる。
第1の偏光板及び第2の偏光板は、偏光子を有するものであれば特に限定されず、偏光子の一面又は両面に保護フィルムが積層されているものでもよいし、偏光子と接着層を含むものでもよい。また、第1の偏光板及び第2の偏光板は、好ましくは略直線状の一辺を有する形状(例えば長方形状や正方形状等)に形成され、好ましくは該一辺における端面が対向するように配置される。さらに、第1の偏光板及び第2の偏光板は、それぞれ1枚の偏光板から構成されていてもよいし、2枚以上(複数枚)の偏光板から構成されていてもよい。第1の偏光板及び/又は第2の偏光板が、2枚以上の偏光板から構成される場合において、該2枚以上の偏光板は、隣接する偏光板の少なくとも1組の端面が対向するように、光学補償層の一面上に並設される。
好ましくは、前記第1の光学積層体は、前記液晶セルと前記一方の偏光板との間に配置され且つ屈折率楕円体がnx=ny>nzの関係を満足する光学補償層を更に具備する。
好ましくは、前記第2の光学積層体は、前記液晶セルと前記他方の偏光板との間に配置され且つ屈折率楕円体がnx>ny≧nzの関係を満足する光学補償層を更に具備する。
好ましくは、前記液晶セルは、垂直配向型(VAモード)の液晶セルとされ、特にこの液晶セルを用いる場合に液晶パネルの広視野角化を実現できる。
好ましくは、前記組み合わせ型偏光板は、80インチ以上の対角サイズを有する長方形状とされ、これにより80インチ以上の対角サイズを有する液晶セルに適用可能である。
また、本発明は、上記の液晶パネルを備えることを特徴とする液晶表示装置としても提供される。
本発明に係る液晶パネルが備える組み合わせ型偏光板は、製造上の制約から偏光子の寸法が規制されても、2枚以上の偏光板を光学補償層によって一体化することにより、大面積に形成することができる。従って、対角サイズが例えば80インチ以上の液晶セルに適用可能である。また、本発明に係る液晶パネルは、液晶セルの一方の面側に屈折率楕円体がnx>ny≧nzの関係を満足する光学補償層を具備し、液晶セルの他方の面側に屈折率楕円体がnx=ny>nzの関係を満足する光学補償層を具備するため、これを液晶セル、特に、垂直配向型の液晶セル上に配置した場合、液晶パネルの広視野角化を図ることができる。
<用語の意味>
本発明において用いる用語の意味は、下記のとおりである。
「nx」は、フィルム(光学補償層)の面内の屈折率が最大になる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率を意味し、「ny」は、フィルム(光学補償層)の面内で遅相軸に垂直な方向(すなわち、進相軸方向)の屈折率を意味する。「nz」は、フィルム(光学補償層)の厚み方向の屈折率を示す。
「面内の位相差値(Re[λ])」は、23℃における波長λ(nm)の光で測定したフィルム(光学補償層)の面内の位相差値を意味する。Re[λ]は、フィルム(光学補償層)の厚みをd(nm)としたとき、Re[λ]=(nx−ny)×dによって求めることができる。
「厚み方向の位相差値(Rth[λ])」は、23℃における波長λ(nm)の光で測定したフィルム(光学補償層)の厚み方向の位相差値を意味する。Rth[λ]は、フィルム(光学補償層)の厚みをd(nm)としたとき、Rth[λ]=(nx−nz)×dによって求めることができる。
「Nz係数」は、Rth[λ]/Re[λ]から算出される値であり、本発明では、λ=590nmのときのRth[590]/Re[590]から算出される値である。
「光弾性係数」は、フィルム(光学補償層)に外力を加えて内部に応力を生じさせたときの複屈折の生じ易さを意味する。光弾性係数は、例えば、日本分光(株)製の分光エリプソメーター、製品名「M−220」を用いて、2cm×10cmの試験片に23℃で応力をかけながら、波長590nmの光でフィルム(光学補償層)面内の位相差値を測定し、位相差値と応力の関数の傾きから算出することができる。
<組み合わせ型偏光板の概要>
本発明に係る液晶パネルは、液晶セルの一方の面側に配置された第1の光学積層体と、液晶セルの他方の面側に配置された第2の光学積層体とを備える。そして、第1の光学積層体及び第2の光学積層体のうち少なくとも一方は、組み合わせ型偏光板である。この組み合わせ型偏光板は、透明フィルムと、該透明フィルムの一面(厚み方向と直交する面の一方)に並設された第1の偏光板及び第2の偏光板と、を具備する。この第1の偏光板及び第2の偏光板は、それぞれの偏光板の端面(枚葉状に加工された偏光板の端縁部分)のうち少なくとも1組の端面が対向するように、上記の透明フィルムの一面に並設されている。組み合わせ型偏光板は、前記透明フィルムを介して、第1の偏光板と第2の偏光板が一体化(連結)されたものである。
一の実施形態において、図1に示すように、組み合わせ型偏光板10は、透明フィルム31の一面上に、第1の偏光板1及び第2の偏光板2が左右に並べられて積層されている。この隣接する第1の偏光板1及び第2の偏光板2は、1組の端面1a、2aが対向するように配置されている。
他の実施形態において、図2に示すように、組み合わせ型偏光板11は、2枚の透明フィルム32、33の間に、第1の偏光板1及び第2の偏光板2が左右に並べられて積層されている。この隣接する第1の偏光板1及び第2の偏光板2は、1組の端面1a、2aが対向するように配置されている。
本発明に係る液晶パネルが備える組み合わせ型偏光板は、液晶セル上に配置する際に、透明フィルムを液晶セル側に向けた状態で液晶セルに貼り合わされる。図2に示すような2枚の透明フィルム32、33を有する組み合わせ型偏光板11の場合には、何れか一方の透明フィルム32を液晶セル9側に向けた状態で液晶セル9に貼り合わされる。これにより、第1の偏光板及び第2の偏光板と液晶セルとの間に、透明フィルムが介在した液晶パネルを構成できる。なお、本明細書において、組み合わせ型偏光板を液晶セル上に配置した際、第1の偏光板及び第2の偏光板と液晶セルとの間に介装される透明フィルムを、特に「セル側透明フィルム」という場合がある。
第1の偏光板1及び第2の偏光板2は、接着層5を介して、上記の透明フィルムに貼着されている。この接着層5としては、隣り合う部材の面と面とを接合し、実用上十分な接着力と接着時間で一体化させるものであれば、任意の適切なものを選択可能である。接着層5を形成する材料としては、例えば、接着剤、粘着剤、アンカーコート剤を挙げることができる。接着層5は、被着体の表面にアンカーコート剤層が形成され、その上に接着剤層又は粘着剤層が形成されたような多層構造であってもよいし、肉眼的に認知できないような薄い層(ヘアーラインともいう)であってもよい。
特に、第1の偏光板1及び第2の偏光板2が、少なくとも透明フィルム側に後述する保護フィルムを有しない場合(すなわち、第1の偏光板1及び第2の偏光板2を構成する偏光子と、透明フィルムとが直接貼り合わせられる場合(例えば、後述する図4に示すように、偏光子4と透明フィルム33とが、接着層5を介して貼り合わせられる場合))、接着層5を形成する材料としては接着剤が好ましく用いられる。この接着剤としては目的に応じて任意の適切な性質、形態及び接着機能を有する接着剤を用いることができるが、透明性、接着性、作業性、製品の品質及び経済性に優れる水溶性接着剤が好ましく用いられる。この水溶性接着剤は、例えば、水に可溶な天然高分子及び合成高分子の少なくとも一方を含有してもよい。前記天然高分子としては、例えば、たんぱく質や澱粉等が挙げられる。前記合成高分子としては、例えば、レゾール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ポリビニルアルコール系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ポリビニルアルコール系樹脂を含有する水溶性接着剤が好ましく用いられ、アセトアセチル基を有する変性ポリビニルアルコール系樹脂(アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂)を含有する水溶性接着剤がさらに好ましく用いられる。
前記ポリビニルアルコール系樹脂としては、例えば、ポリ酢酸ビニルのケン化物、前記ケン化物の誘導体、酢酸ビニルと共重合性を有する単量体との共重合体のケン化物、ポリビニルアルコールをアセタール化、ウレタン化、エーテル化、グラフト化、リン酸エステル化等した変性ポリビニルアルコール等が挙げられる。前記単量体としては、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和カルボン酸及びそのエステル類、エチレン、プロピレン等のα−オレフィン、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、アリルスルホン酸ソーダ、メタリルスルホン酸ソーダ、スルホン酸ソーダ、スルホン酸ソーダモノアルキルマレート、ジスルホン酸ソーダアルキルマレート、N−メチロールアクリルアミド、アクリルアミドアルキルスルホン酸アルカリ塩、N−ビニルピロリドン、N−ビニルピロリドン誘導体等が挙げられる。これらの樹脂は、単独で用いてもよいし、二種類以上を併用してもよい。
前記ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は、接着性の観点から、好ましくは、100〜5000の範囲であり、より好ましくは、1000〜4000の範囲である。前記ポリビニルアルコール系樹脂の平均ケン化度は、接着性の観点から、好ましくは、85〜100モル%の範囲であり、より好ましくは、90〜100モル%の範囲である。
前記アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂は、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂とジケテンとを任意の方法で反応することにより得られる。具体的には、例えば、酢酸等の溶媒中にポリビニルアルコール系樹脂を分散させた分散体にジケテンを添加する方法、ジメチルホルムアミド又はジオキサン等の溶媒にポリビニルアルコール系樹脂を溶解させた溶液にジケテンを添加する方法、ポリビニルアルコール系樹脂にジケテンガス又は液状ジケテンを直接接触させる方法等が挙げられる。
前記アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂のアセトアセチル基変性度は、例えば、0.1モル%以上である。アセトアセチル基変性度をこの範囲とすることで、より耐水性に優れた液晶パネルを得ることができる。前記アセトアセチル基変性度は、好ましくは0.1〜40モル%の範囲であり、より好ましくは1〜20モル%の範囲であり、さらに好ましくは、2〜7モル%の範囲である。前記アセチル基変性度は、例えば、核磁気共鳴(NMR)法によって測定した値である。
前記ポリビニルアルコール系樹脂を含有する水溶性接着剤は、さらに架橋剤を含有してもよい。これは、耐水性をより一層向上させることができるからである。前記架橋剤としては、任意の適切な架橋剤を採用することができる。前記架橋剤は、好ましくは、前記ポリビニルアルコール系樹脂と反応性を有する官能基を少なくとも2つ有する化合物である。前記架橋剤としては目的に応じて任意の適切な架橋剤を用いることができるが、アミノ−ホルムアルデヒド樹脂やジアルデヒド類が好ましい。前記アミノ−ホルムアルデヒド樹脂としては、メチロール基を有する化合物が好ましい。前記ジアルデヒド類としては、グリオキザールが好ましい。中でも、メチロール基を有する化合物が好ましく、メチロールメラミンが特に好ましい。
前記架橋剤の配合量は、前記ポリビニルアルコール系樹脂(好ましくは、前記アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂)100重量部に対して、例えば、1〜60重量部の範囲である。前記配合量を1〜60重量部の範囲とすることで、透明性、接着性、耐水性に優れた接着層5を形成することができる。前記配合量の上限値は、好ましくは50重量部であり、より好ましくは30重量部であり、さらに好ましくは15重量部であり、特に好ましくは10重量部であり、最も好ましくは7重量部である。前記配合量の下限値は、好ましくは5重量部であり、より好ましくは10重量部であり、さらに好ましくは20重量部である。なお、後述する金属化合物コロイドを併用すれば、前記架橋剤の配合量が多い場合における安定性をより一層向上させることができる。
前記ポリビニルアルコール系樹脂を含有する水溶性接着剤は、さらに金属化合物コロイドを含んでもよい。前記金属化合物コロイドは、例えば、金属酸化物微粒子が分散媒中に分散しているものであってもよく、微粒子の同種電荷の相互反発に起因して静電的に安定化し、永続的に安定性を有するものであってもよい。前記金属化合物を形成する微粒子の平均粒子径は、特に制限されないが、好ましくは1〜100nmの範囲であり、より好ましくは1〜50nmの範囲である。これは、前記微粒子を接着層5中に均一に分散させ、接着性を確保し、且つ、クニックの発生を抑制できるからである。なお、「クニック」とは、隣り合う部材(例えば、偏光子と透明フィルム)の接合界面で生じる局所的な凹凸欠陥のことをいう。
前記金属化合物としては、任意の適切な化合物を採用することができる。前記金属化合物としては、例えば、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア等の金属酸化物、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、リン酸カルシウム等の金属塩、セライト、タルク、クレイ、カオリン等の鉱物等が挙げられる。これらの中でも、好ましくはアルミナである。
前記金属化合物コロイドは、例えば、前記金属化合物が分散媒に分散したコロイド溶液の状態で存在している。前記分散媒としては、例えば、水、アルコール類等が挙げられる。前記コロイド溶液中の固形分濃度は、例えば、1〜50重量%の範囲である。前記コロイド溶液は、安定剤として、硝酸、塩酸、酢酸等の酸を含有してもよい。
前記金属化合物コロイド(固形分)の配合量は、前記ポリビニルアルコール系樹脂100重量部に対して、好ましくは200重量部以下である。前記配合量をこの範囲とすることで、接着性を確保しながら、より好適にクニックの発生を抑制できる。前記配合量は、より好ましくは10〜200重量部の範囲であり、さらに好ましくは20〜175重量部の範囲であり、特に好ましくは30〜150重量部の範囲である。
前記接着剤の調整方法としては、任意の適切な方法を採用することができる。例えば、前記金属化合物コロイドを含む接着剤の場合であれば、例えば、前記ポリビニルアルコール系樹脂と前記架橋剤とを予め混合して適当な濃度に調整したものに、前記金属化合物コロイドを配合する方法が挙げられる。また、前記ポリビニルアルコール系樹脂と前記金属化合物コロイドとを混合した後に、前記架橋剤を使用時期等を考慮しながら混合することもできる。
前記接着剤における樹脂濃度は、塗工性や放置安定性等の観点から、好ましくは0.1〜15重量%の範囲であり、より好ましくは0.5〜10重量%の範囲である。
前記接着剤のpHは、好ましくは2〜6の範囲であり、より好ましくは2.5〜5の範囲であり、さらに好ましくは3〜5の範囲であり、特に好ましくは3.5〜4.5の範囲である。一般的に、前記金属化合物コロイドの表面電荷は、前記接着剤のpHを調整することで制御できる。前記表面電荷は、好ましくは正電荷である。前記表面電荷を正電荷とすることで、例えば、より好適にクニックの発生を抑制できる。
前記接着剤の全固形分濃度は、前記接着剤の溶解性、塗工粘度、ぬれ性、接着剤5の所望の厚み等によって異なる。前記全固形分濃度は、溶剤100重量部に対して、好ましくは2〜100重量部の範囲である。前記全固形分濃度をこの範囲とすることで、より表面均一性の高い接着層5を得ることができる。前記全固形分濃度は、より好ましくは10〜50重量部の範囲であり、さらに好ましくは20〜40重量部の範囲である。
前記接着剤の粘度は、特に制限されないが、23℃におけるせん断速度1000(1/s)で測定した値が、好ましくは1〜50mPa・sの範囲である。前記接着剤の粘度をこの範囲とすることで、より表面均一性に優れた接着層5を得ることができる。前記接着剤の粘度は、より好ましくは2〜30mPa・sの範囲であり、さらに好ましくは4〜20mPa・sの範囲である。
前記接着剤のガラス転移温度(Tg)は、特に制限されないが、好ましくは20〜120℃の範囲であり、より好ましくは40〜100℃の範囲であり、さらに好ましくは50〜90℃の範囲である。前記ガラス転移温度は、例えば、示差走査熱量(DSC)測定によるJIS K 7127−1987に準じた方法で測定できる。
前記接着剤は、さらに、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等のカップリング剤、各種粘着付与剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐加水分解安定剤等の安定剤等を含んでもよい。
前記接着剤の塗工方法としては、任意の適切な方法を採用することができる。前記塗工方法としては、例えば、スピンコート法、ロールコート法、フローコート法、ディップコート法、バーコート法等が挙げられる。
接着剤からなる接着層5の厚みは、特に制限されないが、好ましくは0.01〜0.15μmの範囲である。前記接着剤からなる接着層5の厚みをこの範囲とすることで、高温多湿の環境下に晒されても、偏光子の剥がれや浮きの生じない耐久性に優れた組み合わせ型偏光板を得ることができる。前記接着剤からなる接着層5の厚みは、より好ましくは0.02〜0.12μmの範囲であり、さらに好ましくは0.03〜0.09μmの範囲である。
なお、第1の偏光板1、第2の偏光板2及び透明フィルム31〜33の各表面には、本発明の目的を損なわない範囲で、任意の表面処理や光学部材を設けてもよい。
第1の偏光板1及び第2の偏光板2の対向する端面1a、2aは、それぞれ偏光板1、2の一面に対して略垂直であることが好ましい。もっとも、端面1a、2aは、偏光板1、2の一面に対して傾斜する傾斜面でもよく、適宜な端面形状を採用することができる。第1の偏光板1及び第2の偏光板2は、好ましくは略直線状の一辺を有する形状にそれぞれ形成され、好ましくは第1の偏光板1及び第2の偏光板2の前記一辺における端面1a、2aが対向するように配置される。第1の偏光板1の端面1aと第2の偏光板2の端面2aとの間隔の最大値は、好ましくは15μm以下であり、さらに好ましくは5μm以下である。第1の偏光板1及び第2の偏光板2の対向する各端面1a、2aは、例えば、レーザー融着や接着剤によって連結されていてもよい。組み合わせ型偏光板の総厚みは、好ましくは50μm〜1000μmであり、さらに好ましくは100μm〜500μmである。
第1の偏光板及び第2の偏光板は、それぞれ偏光子を有し、好ましくは保護フィルムを更に有する。
一の実施形態において、図1及び図2に示すように、第1の偏光板1及び第2の偏光板2は、偏光子4の両面に保護フィルム51、52がそれぞれ積層されて構成されている。
他の実施形態において、図3に示すように、組み合わせ型偏光板12の第1の偏光板1及び第2の偏光板2は、偏光子4の一面に保護フィルム53が積層されて構成されている。この第1の偏光板1及び第2の偏光板2は、保護フィルム53をセル側透明フィルム31の側に向けた状態でセル側透明フィルム31に積層されている。
他の実施形態において、図4に示すように、組み合わせ型偏光板13の第1の偏光板1及び第2の偏光板2は、偏光子4の一面に保護フィルム53が積層されて構成され、この第1の偏光板1及び第2の偏光板2の両面に、それぞれ透明フィルム32、33が積層されている。
組み合わせ型偏光板の形状は、特に限定されないが、通常、平面視で長方形状に形成される。また、組み合わせ型偏光板のサイズについても特に制限はないが、好ましくは80インチ以上の対角サイズを有する長方形状であり、さらに好ましくは100インチ以上の対角サイズを有する長方形状である。組み合わせ型偏光板において、第1の偏光板及び第2の偏光板の枚数は特に限定されず、製造しようとする組み合わせ型偏光板に応じて、適宜選択できる。
一の実施形態において、図5(a)に示すように、組み合わせ型偏光板14は、長尺状の透明フィルム35に、長方形状の第1の偏光板1及び長方形状の第2の偏光板2の各1枚を、その長辺における端面1a、2a同士を対向させて並設される。この場合、第1の偏光板1及び第2の偏光板2は、好ましくは、その長辺方向が透明フィルム35の長辺方向Lに対して直交するように配置される。また、好ましくは、第1の偏光板1の吸収軸方向A1と、第2の偏光板2の吸収軸方向A2とが、実質的に平行に配置される。第1の偏光板1及び/又は第2の偏光板2の吸収軸方向A1、A2は、好ましくは、組み合わせ型偏光板14(透明フィルム35)の短辺方向Mと実質的に平行に配置される。偏光子として染色延伸フィルムを用いた場合、該偏光子の吸収軸は、染色延伸フィルムのMD方向に生じ、該偏光子の最大寸法は、染色延伸フィルムのTD方向の寸法に規制される。従って、染色延伸フィルムから構成される偏光子を用いた場合において、上記のように、第1の偏光板1及び第2の偏光板2の吸収軸方向A1、A2を、組み合わせ型偏光板14の短辺方向Mと実質的に平行に配置することにより、組み合わせ型偏光板14を大面積に形成することができる。
他の実施形態において、組み合わせ型偏光板は、第1の偏光板及び第2の偏光板がそれぞれ2枚以上の偏光板から構成される。このような組み合わせ型偏光板15は、例えば、図5(b)に示すように、2枚の偏光板1’、1”の長辺における端面1a’、1a”同士を対向させた状態で並設した第1の偏光板1と、2枚の偏光板2’、2”の長辺における端面2a’、2a”同士を対向させた状態で並設した第2の偏光板2とを、長尺状の透明フィルム36の長辺方向Lに並設して構成される。この場合、好ましくは第1の偏光板1を構成する各偏光板1’、1”の吸収軸方向A1と、第2の偏光板2を構成する各偏光板2’、2”の吸収軸方向A2とが、実質的に平行に配置される。第1の偏光板1及び/又は第2の偏光板2の吸収軸方向A1、A2は、好ましくは、組み合わせ型偏光板15(透明フィルム36)の長辺方向Lと実質的に平行に配置される。
なお、上記の長尺状の透明フィルム35、36を短手方向Mと平行な切断線で切断することにより、平面視長方形状の組み合わせ型偏光板14、15を得ることができる。
<透明フィルム(光学補償層)>
本発明における透明フィルムは、端面が対向するように配置された第1の偏光板と第2の偏光板とを、1枚のフィルムとして一体化(連結)するために用いられる。このように透明フィルムを用いることによって、第1の偏光板及び第2の偏光板を液晶セルに貼着した場合に、各偏光板の対向する端面の間隔(隙間)が経時的に広がることを抑制できる。このため、前記端面の隙間(隙間)から光モレが発生するのを防ぐことができる。
前述した第1の光学積層体を組み合わせ型偏光板とする場合、第1の光学積層体を構成する透明フィルム(第1及び第2の偏光板の両面にそれぞれ透明フィルムが積層される場合には、少なくともセル側透明フィルム。以下、この<透明フィルム>の記載欄において同様)としては、屈折率楕円体がnx>ny≧nzの関係を満足するフィルム(光学補償層)が用いられる。
なお、上記の「nx>ny≧nz」は、nx>ny>nz又はnx>ny=nzという意味である。この「ny=nz」とは、nyとnzが完全に同一である場合だけでなく、実質的に同一である場合も含まれる。nyとnzが実質的に同一である場合とは、例えば、(Rth[590]−Re[590])が−10nm〜10nmであり、好ましくは−5nm〜5nmである。
また、前述した第2の光学積層体を組み合わせ型偏光板とする場合、第2の光学積層体を構成する透明フィルムとしては、屈折率楕円体がnx=ny>nzの関係を満足するフィルム(光学補償層)が用いられる。
なお、上記の「nx=ny」とは、nxとnyが完全に同一である場合だけでなく、実質的に同一である場合も含まれる。nxとnyが実質的に同一である場合とは、例えば、Re[590]が10nm未満であり、好ましくは5nm以下である。
第1の光学積層体及び第2の光学積層体の双方が組み合わせ型偏光板であっても、或いは、何れか一方の光学積層体のみが組み合わせ型偏光板で、他方の光学積層体が通常の一枚の偏光板を具備する構成であっても、液晶セルの一方の面側に屈折率楕円体がnx>ny≧nzの関係を満足する光学補償層が配置され、液晶セルの他方の面側には屈折率楕円体がnx=ny>nzの関係を満足する光学補償層が配置されるため、液晶パネルの視野角を改善することができる。特に、これら光学補償層を垂直配向型の液晶セルに配置した場合、液晶パネルの広視野角化を実現できる。
上記透明フィルムは、波長590nmにおける光線透過率が、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上である。また、そのヘイズ値は、好ましくは3%以下、より好ましくは1%以下である。ただし、光線透過率は、フィルムの厚みが100μmで、分光光度計(日立製作所製、製品名:U−4100型)で測定されたスペクトルデータを基に視感度補正を行ったY値をいう。また、ヘイズ値は、JIS−K7105に準じて測定された値をいう。
また、上記透明フィルムは、その光弾性係数の絶対値が、好ましくは50×10−12(m/N)以下であり、より好ましくは10×10−12(m/N)以下である。上記透明フィルムの厚みは、特に限定されないが、第1の偏光板及び第2の偏光板を支持することから、好ましくは20μm以上に形成される。また、透明フィルムの厚みの上限は、軽量化やコスト面などから、好ましくは200μm以下である。
一の実施形態において、第1の光学積層体が具備する透明フィルム(光学補償層)は、屈折率楕円体がnx>ny>nzの関係を満足するフィルムである。かかる透明フィルムのRe[590]は、目的に応じて適宜適切な値に設計され得るが、好ましくは10nm以上であり、より好ましくは30nm〜100nmである。また、この透明フィルムのRth[590]は、目的に応じて適宜適切な値に設計され得るが、好ましくは10nmよりも大きく、より好ましくは50nm〜500nmであり、特に好ましくは50nm〜400nmである。
他の実施形態において、第1の光学積層体が具備する透明フィルム(光学補償層)は、屈折率楕円体がnx>ny=nzの関係を満足するフィルムである。かかる透明フィルムのRe[590]は、目的に応じて適宜適切な値に設計され得るが、好ましくは100nm〜200nmであり、より好ましくは120nm〜160nmであり、特に好ましくは130nm〜150nmである。また、この透明フィルムのRth[590]は、目的に応じて適宜適切な値に設計され得るが、好ましくは100nm〜200nm、より好ましくは120nm〜160nmであり、特に好ましくは130nm〜150nmである。
第2の光学積層体が具備する透明フィルム(光学補償層)は、屈折率楕円体がnx=ny>nzの関係を満足するフィルムである。かかる透明フィルムのRe[590]は、好ましくは10nmであり、より好ましくは5nm以下である。また、この透明フィルムのRth[590]は、目的に応じて適宜適切な値に設計され得るが、好ましくは10nmよりも大きく、より好ましくは50nm〜500nmであり、特に好ましくは50nm〜400nmである。
第1の光学積層体が具備する透明フィルムが、屈折率楕円体がnx>ny>nzの関係を満足するフィルムである場合、一の実施形態において、上記透明フィルムは、ノルボルネン系ポリマーを含有する。本発明において「ノルボルネン系ポリマー」とは、出発原料(モノマー)の一部又は全部に、ノルボルネン環を有するノルボルネン系モノマーを用いて得られる(共)重合体をいう。上記「(共)重合体」は、ホモポリマー又は共重合体(コポリマー)を表す。上記透明フィルムは、通常、シート状に成形されたノルボルネン系ポリマーを含有するフィルムを延伸して作製される。
上記ノルボルネン系ポリマーは、出発原料としてノルボルネン環(ノルボルナン環に二重結合を有するもの)を有するノルボルネン系モノマーが用いられる。上記ノルボルネン系ポリマーは、(共)重合体の状態において構成単位にノルボルナン環を有していても、有していなくてもよい。(共)重合体の状態において構成単位にノルボルナン環を有するノルボルネン系ポリマーは、例えば、テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]デカ−3−エン、8−メチルテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]デカ−3−エン、8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]デカ−3−エン等が挙げられる。(共)重合体の状態で構成単位にノルボルナン環を有さないノルボルネン系ポリマーは、例えば、開裂により5員環となるモノマーを用いて得られる(共)重合体である。該開裂により5員環となるモノマーとしては、例えば、ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、5−フェニルノルボルネン等やそれらの誘導体等が挙げられる。上記ノルボルネン系ポリマーが共重合体である場合、その分子の配列状態は、特に制限はなく、ランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよいし、グラフト共重合体であってもよい。
上記ノルボルネン系ポリマーとしては、例えば、(a)ノルボルネン系モノマーの開環(共)重合体を水素添加したポリマー、(b)ノルボルネン系モノマーを付加(共)重合させたポリマーなどが挙げられる。上記(a)ノルボルネン系モノマーの開環共重合体は、1種以上のノルボルネン系モノマーと、α−オレフィン類、シクロアルケン類、及び/又は非共役ジエン類との開環共重合体を水素添加したポリマーを包含する。上記(b)ノルボルネン系モノマーを、付加共重合させたポリマーは、1種以上のノルボルネン系モノマーと、α−オレフィン類、シクロアルケン類及び/又は非共役ジエン類とを付加共重合させたポリマーを包含する。
上記(a)ノルボルネン系モノマーの開環(共)重合体を水素添加したポリマーは、ノルボルネン系モノマー等をメタセシス反応させて、開環(共)重合体を得、さらに、当該開環(共)重合体を水素添加して得ることができる。具体的には、例えば、特開平11−116780号公報の段落[0059]〜[0060]に記載の方法、特開2001−350017号公報の段落[0035]〜[0037]に記載の方法等が挙げられる。上記(b)ノルボルネン系モノマーを付加(共)重合させたポリマーは、例えば、特開昭61−292601号公報の実施例1に記載の方法により得ることができる。
上記ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、好ましくは20,000〜500,000である。ただし、重量平均分子量は、テトラヒドロフラン溶媒によるゲル・パーミエーション・クロマトグラフ法(GPC)法で測定した値である。上記ポリマーのガラス転移温度(Tg)は、好ましくは110℃〜180℃である。ただし、ガラス転移温度(Tg)は、JIS K 7121に準じたDSC法により求めた値である。重量平均分子量及びガラス転移温度を上記範囲とすることによって、耐熱性、成形性の良いフィルムを得ることができる。
また、上記透明フィルムは、セルロース系ポリマーを含有するフィルムでもよい。該ポリマーを含むフィルムは、所定の処理を行うことにより、nx>ny>nzの光学的二軸性を示すフィルムとなる。
上記セルロース系ポリマーとしては、例えば、特開2002−82225号公報の段落[0106]〜[0112]などに記載されたセルロース系ポリマーや、特許第3450779号公報の段落[0021]〜[0034]に記載されたセルロース系ポリマーなどが例示できる。
また、アセチル基およびプロピオニル基で置換されているセルロース系ポリマーを用いることもできる。該セルロース系ポリマーにおいて、アセチル基の置換程度は、セルロースの繰り返し単位中に存在する3個の水酸基が、アセチル基で平均してどれだけ置換されているかを示す「アセチル置換度(DSac)」で示すことができる。上記セルロース系ポリマーにおいて、プロピオニル基による置換の程度は、セルロースの繰り返し単位中に存在する3個の水酸基が、プロピオニル基で平均してどれだけ置換されているかを示す「プロピオニル置換度(DSpr)」で示すことができる。アセチル置換度(DSac)およびプロピオニル置換度(DSpr)は、特開2003−315538号公報の[0016]〜[0019]に記載の方法により求めることができる。
上記セルロース系ポリマーは、アセチル置換度(DSac)およびプロピオニル置換度(DSpr)が、2.0≦DSac+DSpr≦3.0の関係式を満たす。DSac+DSprの下限値は、好ましくは2.3以上、より好ましくは2.6以上である。DSac+DSprの上限値は、好ましくは2.9以下、より好ましくは2.8以下である。上記セルロース系ポリマーは、アセチル基およびプロピオニル基以外のその他の置換基を有してもよい。その他の置換基としては、例えば、プチレート等のエステル基;アルキルエーテル基、アルキレンエーテル基等のエーテル基;等が挙げられる。上記セルロース系ポリマーの数平均分子量は、好ましくは5千〜10万、より好ましくは1万〜7万である。上記範囲とすることにより、生産性に優れ、かつ、良好な機械的強度が得られる。
また、他の実施形態において、第1の光学積層体が具備する透明フィルム(屈折率楕円体がnx>ny>nzを満足するフィルム)は、トリアセチルセルロース(TAC)等の透明な高分子フィルムと、この高分子フィルム上に塗布等されることによって直接形成された光学補償層とを具備する構成とすることも可能である。
前記光学補償層は、好ましくは、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ノルボルネン、ポリカーボネート、ポリオレフィン、及びポリプロピレンエステルからなる群から選択される少なくとも1つのポリマーを含む。
そして、トリアセチルセルロース等の透明な高分子フィルム上に、上記のようなポリマーを塗布して得られる積層体を延伸することにより、屈折率楕円体がnx>ny>nzの関係を満足する積層フィルムを得ることができる。
さらに、第1の光学積層体が具備する透明フィルムが、屈折率楕円体がnx>ny=nzの関係を満足するフィルムである場合、例えば、上記透明フィルムとしては、前述したポリマー(ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ノルボルネン、ポリカーボネート、ポリオレフィン、及びポリプロピレンエステルからなる群から選択される少なくとも1つのポリマー)を一軸延伸して得られるフィルムを用いることができる。
また、例えば、上記透明フィルムとしては、液晶性分子を硬化又は固化することによって得られる液晶フィルムが用いられる。この液晶フィルムは、特に第1の光学積層体が組み合わせ型偏光板でない場合(後述する図6(a)に記載のように、第1の光学積層体を構成する一方の偏光板が1枚の偏光板から構成されている場合)に、この第1の光学積層体を構成する光学補償層として好適に用いられる。
上記の液晶性分子としては、液晶ポリマー、液晶プレポリマー、液晶モノマーなどが適宜用いられる。
液晶ポリマーを用いる場合、液晶ポリマー溶液を偏光板又は適宜の基材の表面に塗布した後、液晶相を示す温度領域以上になるまで加熱し、乾燥させた後、液晶相を示す状態のままで室温まで急冷することにより、光学異方性を示す液晶状態を固定化することが可能である。
液晶プレポリマーや液晶モノマーを用いる場合、これらの溶液を偏光板又は適宜の基材の表面に塗布した後、液晶相を示す温度領域以上になるまで加熱し、乾燥させた後、液晶相を示す状態の温度まで冷却し、紫外線などを露光することにより架橋させて、光学異方性を示す液晶状態を固定化することが可能である。
なお、液晶性分子を適宜の基材の表面に塗布する場合には、この基材上に形成した液晶フィルムを偏光板に転写することにより、偏光板と液晶フィルムとを積層することが可能である。
上記の液晶性分子としては、液晶相がネマチック相である液晶性分子であることが好ましい。液晶性分子を用いることにより、透明フィルムのnxとnyとの差を非液晶性材料に比べて格段に大きくすることができる。その結果、所望の面内位相差値Re[590]を得るための透明フィルムの厚みを格段に小さくすることができる。液晶性分子の液晶性の発現機構は、リオトロピック及びサーモトロピックの何れでもよい。また、液晶の配向状態は、ホモジニアス配向であることが好ましい。
上記の液晶性分子が液晶モノマーである場合、例えば、重合性モノマー又は架橋性モノマーであることが好ましい。これは、重合性モノマー又は架橋性モノマーを重合又は架橋させることによって、液晶性分子の配向状態を固定できるためである。液晶モノマーを配向させた後に、液晶モノマー(重合性モノマー又は架橋性モノマー)同士を重合又は架橋させれば、上記配向状態を固定できる。ここで、重合によりポリマーが形成され、架橋により3次元網目構造が形成されることとなるが、これらは非液晶性である。従って、形成された透明フィルム(光学補償層)は、液晶化合物に特有の、温度変化による液晶相、ガラス相、結晶相への転移が生じることはない。この結果、得られた透明フィルムは、温度変化に影響されない極めて安定性に優れる光学補償層となる。なお、重合性モノマー及び架橋性モノマーは、組み合わせて用いてもよい。
前記液晶モノマーとしては、例えば、以下の化学式(1)〜(16)の何れかで表されるモノマーを選択することが可能である。
そして、液晶モノマー溶液には、好ましくは、重合剤や架橋剤が含まれる。これら重合剤及び架橋剤としては、特に制限されないが、例えば、以下のようなものが使用できる。前記重合剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド(BPO)、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)等が使用でき、前記架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート架橋剤等が使用できる。これらはいずれか一種類でもよいし、二種類以上を併用してもよい。
液晶モノマー溶液の塗工液は、例えば、前記の液晶モノマーを、適当な溶媒に溶解・分散することによって調製できる。前記溶媒としては、特に制限されないが、例えば、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、塩化メチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、オルソジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、フェノール、p−クロロフェノール、o−クロロフェノール、m−クレゾール、o−クレゾール、p−クレゾールなどのフェノール類、ベンゼン、トルエン、キシレン、メトキシベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒、t−ブチルアルコール、グリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、2−メチル−2,4−ペンタンジオールのようなアルコール系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドのようなアミド系溶媒、アセトニトリル、ブチロニトリルのようなニトリル系溶媒、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル系溶媒、あるいは二硫化炭素、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ等が使用できる。これらの中でも好ましくは、トルエン、キシレン、メシチレン、MEK、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸エチルセロソルブである。これらの溶剤は、例えば、一種類でもよいし、二種類以上を混合して使用してもよい。
前記塗工液は、例えば、ロールコート法、スピンコート法、ワイヤバーコート法、ディップコート法、エクストルージョン法、カーテンコート法、スプレコート法等の従来公知の方法によって流動展開させればよく、この中でも、塗布効率の点からスピンコート、エクストルージョンコートが好ましい。
液晶モノマー溶液の塗工液を偏光板又は適宜の基材の表面に塗布した後の加熱処理の温度条件は、例えば、用いる液晶モノマーの種類、具体的には液晶モノマーが液晶性を示す温度に応じて適宜決定できるが、通常、40〜120℃の範囲であり、好ましくは50〜100℃の範囲であり、より好ましくは60〜90℃の範囲である。前記温度が40℃以上であれば、通常、十分に液晶モノマーを配向することができ、前記温度が120℃以下であれば、例えば、耐熱性の面において偏光板又は基材の選択肢が広がることになる。
前記溶解する液晶化合物としては、塗布可能なものである限り特に制限されないが、例えば、棒状液晶化合物、平板状液晶化合物、或いは、これらの重合物が用いられる。より具体的には、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類、アルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類などの液晶化合物や、これらの重合物が好ましく用いられる。
第2の光学積層体が具備する透明フィルム(屈折率楕円体がnx=ny>nzを満足するフィルム)としては、熱可塑性樹脂を主成分とする高分子フィルムや、液晶性化合物を配向させた液晶フィルムなどを用いることができる。
上記熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、ノルボルネン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、スチレン系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、アクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリブチレンテレフタレート系樹脂やポリエチレンテレフタレート系樹脂などのポリエステル系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、液晶性樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン系樹脂などが挙げられる。上記熱可塑性樹脂は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いられる。また、上記熱可塑性樹脂は、共重合、架橋、分子末端、立体規則性等のポリマー変性がなされたものを用いることもできる。 熱可塑性樹脂としては、透明性に優れる点から、好ましくは非晶性ポリマーを主成分とするものである。
好ましくは、上記透明フィルムは、セルロース系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ノルボルネン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂およびポリイミド系樹脂から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂を主成分とする高分子フィルムである。これらの熱可塑性樹脂は、例えば、ソルベントキャスティング法でシート状に成形された場合、溶剤の蒸発過程で、分子が自発的に配向するため、延伸処理などの特別な二次加工を必要とせずに、屈折率楕円体がnx=ny>nzの関係を満足するフィルムを得ることができる。上記セルロース系樹脂を主成分とする高分子フィルムは、例えば、特開2001−188128号公報に記載の方法によって得ることができる。また、ポリアミドイミド系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、またはポリイミド系樹脂を主成分とする高分子フィルムは、例えば、特開2003−287750号公報に記載の方法によって得ることができる。また、上記透明フィルムは、二軸延伸したノルボルネン系樹脂フィルム、二軸延伸したポリカーボネート系樹脂フィルムなどの高分子フィルムを用いることもできる。
なお、上記に例示した透明フィルムは、厚み方向位相差が発現し難い場合があるので、上記透明フィルムに、例えば、特開2004−46065に記載のポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリエステルイミドを積層してもよい。
上記熱可塑性樹脂は、好ましくは重量平均分子量(Mw)が25,000〜600,000、より好ましくは、30,000〜400,000、特に好ましくは40,000〜200,000の範囲のものである。重量平均分子量が上記の範囲であれば、機械的強度に優れ、溶解性、成形性、流延の操作性が良いものができる。ただし、重量平均分子量(Mw)は、テトラヒドロフラン溶媒によるゲル・パーミエーション・クロマトグラフ(GPC)法で測定した値に準拠する。上記熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは110℃〜185℃である。上記のポリマーであれば、優れた熱安定性を示し、延伸性に優れたフィルムを得ることができる。ただし、ガラス転移温度(Tg)は、JIS K 7121に準じたDSC法により求めることができる。
上記熱可塑性樹脂を主成分とする高分子フィルムは、任意の適切な成形加工法によって得ることができる。該成形加工法としては、例えば、圧縮成形法、トランスファー成形法、射出成形法、押出成形法、ブロー成形法、粉末成形法、FRP成形法、ソルベントキャスティング法等から適宜、適切なものを選択すればよい。これらの製法の中でも、ソルベントキャスティング法が好ましい。平滑性、光学均一性に優れた高分子フィルムを得ることができるからである。
上記熱可塑性樹脂を主成分とする高分子フィルムの成形時に採用される条件は、樹脂の組成や種類、成形加工法等によって、適宜選択すればよい。ソルベントキャスティング法が採用される場合、用いられる溶剤の種類としては、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、トルエン、酢酸エチル、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
上記熱可塑性樹脂を主成分とする高分子フィルムには、任意の適切な添加剤をさらに含んでいてもよい。添加剤の具体例としては、可塑剤、熱安定剤、光安定剤、滑剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、難燃剤、着色剤、帯電防止剤、相溶化剤、架橋剤、および増粘剤等が挙げられる。使用される添加剤の種類および量は、目的に応じて適宜設定すればよい。例えば、上記添加剤の使用量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、好ましくは0質量部を超え20質量部以下であり、さらに好ましくは0質量部を超え10質量部以下であり、最も好ましくは0質量部を超え5質量部以下である。
上記熱可塑性樹脂を主成分とする高分子フィルムは、成形時に延伸処理を施しても良い。延伸処理としては、縦一軸延伸法、横一軸延伸法、縦横同時二軸延伸法、縦横逐次二軸延伸法等が挙げられる。延伸手段としては、ロール延伸機、テンター延伸機、および二軸延伸機等の任意の適切な延伸機を用いることができる。
上記nx=ny>nzを満足する高分子フィルムは、上述したものの他にも、市販の高分子フィルムをそのまま用いることもできる。市販の高分子フィルムとしては、富士写真フィルム(株)製、商品名:「フジタックシリーズ(UZ、TD等)」、JSR(株)製 商品名:「アートンシリーズ(G、F等)」、日本ゼオン(株)製、商品名:「ゼオネックス480」、日本ゼオン(株)製、商品名:「ゼオノア」等が挙げられる。また、これら市販の高分子フィルムに、延伸処理および/または緩和処理などの2次加工を施してから用いても良い。
液晶フィルムは、特に第2の光学積層体が組み合わせ型偏光板でない場合(第2の光学積層体を構成する一方の偏光板が1枚の偏光板から構成されている場合)に、この第2の光学積層体を構成する光学補償層として好適に用いられる。液晶フィルムとしては、プレーナ分子配列に配向させたカラミチック液晶化合物を含む液晶性組成物の固化層または硬化層や、カラムナー分子配列に配向させたディスコチック液晶化合物を含む液晶性組成物の固化層または硬化層などが挙げられる。
上記プレーナ分子配列に配向させた液晶化合物を含む液晶性組成物の固化層または硬化層は、例えば、特開2003−287623号公報に記載の方法によって得ることができる。また、上記カラムナー分子配列に配向させたディスコチック液晶化合物を含む液晶性組成物の固化層または硬化層は、例えば、特開平9−117983号公報に記載の方法によって得ることができる。
なお、プレーナ分子配列とは、液晶のヘリカル軸が両方の基板面に対し垂直になるようにカラミチック液晶化合物(棒状液晶分子)が配列している状態をいう。カラムナー分子配列とは、ディスコチック液晶化合物が、柱状につみ重なるように配列している状態をいう。また、固化層とは、軟化、溶融または溶液状態の液晶性組成物が冷却されて、固まった状態のものをいう。硬化層とは、上記液晶性組成物の一部または全部が、熱、触媒、光および/または放射線により架橋されて、不溶不融または難溶難融の安定した状態となったものをいう。なお、上記硬化層は、液晶性組成物の固化層を経由して、硬化層となったものも包含する。
上記液晶性組成物は、液晶相を呈し液晶性を示すものであり、該液晶相としては、ネマチック液晶相、スメクチック液晶相、コレステリック液晶相、カラムナー液晶相などが挙げられる。
上記カラミチック液晶化合物は、分子構造中に、棒状のメソゲン基を有し、該メソゲン基の片側または両側に、側鎖がエーテル結合やエステル結合で結合しているものが挙げられる。上記棒状のメソゲン基としては、例えば、ビフェニル基、フェニルベンゾエート基、フェニルシクロヘキサン基、アゾキシベンゼン基、アゾメチン基、アゾベンゼン基、フェニルピリミジン基、ジフェニルアセチレン基、ジフェニルベンゾエート基、ビシクロヘキサン基、シクロヘキシルベンゼン基、ターフェニル基等が挙げられる。なお、これらのメソゲン基の末端は、例えば、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基等の置換基を有していてもよい。なかでも、上記カラミチック液晶化合物は、メソゲン基として、ビフェニル基、フェニルベンゾエート基を有するものが好ましく用いられる。
上記ディスコチック液晶化合物は、分子構造中に、円板状のメソゲン基を有し、該メソゲン基に、2〜8本の側鎖がエーテル結合やエステル結合で放射状に結合しているものが挙げられる。上記円板状のメソゲン基としては、ベンゼン、トリフェニレン、トゥルキセン、ピラン、ルフィガロール、ポルフィリン、金属錯体等が挙げられる。
上記の液晶化合物は、温度変化によって液晶相が発現するサーモトロピック液晶や、溶液状態で溶質の濃度によって液晶相が発現するリオトロピック液晶のいずれであってもよい。好ましくは、液晶フィルムの形成材料としては、サーモトロピック液晶が用いられる。フィルムを成形する際の生産性、作業性、品質などに優れるからである。
上記の液晶化合物は、メソゲン基を主鎖および/または側鎖に有する高分子物質(高分子液晶ともいう)であってもよいし、分子構造の一部分にメソゲン基を有する低分子物質(低分子液晶ともいう)であってもよい。高分子液晶は、液晶状態から冷却しただけで、分子の配向状態が固定化できるため、フィルムを成形する際の生産性が高く、更に、成形されたフィルムの耐熱性、機械的強度、耐薬品性に優れるという特徴を有する。低分子液晶は、配向性に優れるため、透明性の高いフィルムが得られやすいという特徴を有する。
好ましくは、上記液晶化合物は、分子構造の一部分に、少なくとも1つの重合性官能基を有する。このような液晶化合物を用いれば、重合反応により、重合性官能基を架橋させることによって、フィルムの機械的強度が増し、耐久性、寸法安定性に優れた液晶フィルムが得られ得る。上記重合性官能基としては、任意の適切な官能基が選択され得るが、アクリロイル基、メタクリロイル基、エポキシ基、ビニルエーテル基などが好ましく用いられる。
上記液晶性組成物は、液晶化合物を含み、液晶性を示すものであれば特に制限はない。上記液晶性組成物中の液晶化合物の含有量は、液晶性組成物の全固形分100質量部に対して、好ましくは40質量部以上100質量部未満であり、さらに好ましくは50質量部以上100質量部未満であり、最も好ましくは70質量部以上100質量部未満である。
<第1の偏光板及び第2の偏光板>
本発明に用いられる第1の偏光板および第2の偏光板は、偏光子を有する。好ましくは、第1の偏光板及び第2の偏光板は、偏光子と、該偏光子に積層された保護フィルムとを有する。この保護フィルムは、偏光子の少なくとも一面に積層され、好ましくは偏光子の両面に積層される。
上記偏光子は、自然光又は偏光を直線偏光に変換することができるものであれば、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。該偏光子としては、例えば、二色性物質で染色された染色延伸フィルムや、二色性物質を含むリオトロピック液晶性溶液を塗工乾燥させて得られる塗工膜などを用いることができる。中でも、偏光特性に優れていることから、染色延伸フィルムを用いることが好ましい。
上記染色延伸フィルムは、一般に、ヨウ素又は二色性染料を含有するポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする延伸フィルムである。該染色延伸フィルムは、ポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする長尺状の未延伸フィルムを膨潤させる膨潤工程、ヨウ素などの二色性物質を含浸させる染色工程、ホウ素を含む架橋剤で架橋する架橋工程、及び所定の倍率で延伸する延伸工程の各工程を有する製造方法によって得ることができる。偏光子の厚みは、適宜、適切な値が選択されるが、好ましくは5μm〜50μmであり、より好ましくは10μm〜30μmである。
偏光子として上記染色延伸フィルムを用いた場合には、製造上、得られる偏光子は、その吸収軸が延伸フィルムのMD方向となり、偏光子の最大寸法は、延伸フィルムのTD方向の寸法に規制されるため、大面積の偏光板を構成できない。この点、本発明によれば、2枚以上の偏光板を組み合わせるので、全体として大面積の組み合わせ型偏光板を構成できる。
一方、上記保護フィルムは、透明性に優れるものであれば、特に限定されず、適宜適切なものを用いることができる。保護フィルムの光線透過率は、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上である。また、そのヘイズ値は、好ましくは3%以下、より好ましくは1%以下である。なお、この光線透過率及びヘイズ値の測定方法は、前述した透明フィルムの場合と同様である。また、上記保護フィルムは、その光弾性係数の絶対値が、好ましくは80×10−12(m/N)以下であり、より好ましくは30×10−12(m/N)以下である。
保護フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のエステル系ポリマー;ジアセチルセルロースやトリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマー;ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー;ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマー;ポリカーボネート系ポリマー、ノルボルネン系ポリマーなどのフィルムを挙げることができる。保護フィルムの厚みは、特に限定されないが、通常、20μm〜200μm程度である。
上記の保護フィルムは、接着層を介して、偏光子に貼着される。この接着層を形成する材料としては、前述した第1の偏光板及び第2の偏光板と透明フィルムとの貼着に用いられる接着剤と同様に、ポリビニルアルコール系樹脂を含有する水溶性接着剤が好ましく用いられる。特に、保護フィルムが、トリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマー以外(例えば、アクリル系ポリマーやノルボルネン系ポリマーなど)のポリマーからなるフィルムである場合には、ポリビニルアルコール系樹脂を含有する水溶性接着剤に金属化合物(アルミナなど)コロイドを含むものが好ましく用いられる。
第1の偏光板及び第2の偏光板において、セル側透明フィルムと偏光子との間に積層される保護フィルム(以下、「セル側保護フィルム」という場合がある)は、屈折率楕円体がnx>ny≧nz(nx>ny>nzまたはnx>ny=nz)の関係を満足するものが用いられてもよく、好ましくはnx>ny>nzの関係を満足するものが用いられる。なお、上記「ny=nz」とは、nyとnzが完全に同一である場合だけでなく、実質的に同一である場合も含まれる。nyとnzが実質的に同一である場合とは、例えば、(Rth[590]−Re[590])が−10nm〜10nmであり、好ましくは−5nm〜5nmである。
かかるセル側保護フィルムを用いることによって、セル側透明フィルム(屈折率楕円体がnx>ny≧nzの関係を満足する光学補償層、又は、屈折率楕円体がnx=ny>nzの関係を満足する光学補償層)を液晶セル側にして組み合わせ型偏光板を液晶セル上に配置した場合に、セル側透明フィルムとセル側保護フィルムとが相乗して、より一層広い視野角が得られる。特に、垂直配向型の液晶セル上に配置した場合、液晶パネルの広視野角化を実現できる。なお、偏光子の両面側にそれぞれ保護フィルムが積層されている態様の第1及び第2の偏光板(例えば、図1や図2に示す第1及び第2の偏光板)にあっては、セル側保護フィルムとは異なる保護フィルム(偏光子を挟んでセル側透明フィルムと反対側に積層された保護フィルム)は、上記nx>ny≧nzの関係を満足するものを用いてもよいし、光学異方性が極めて小さいものを用いてもよい。
一の実施形態において、少なくとも上記セル側保護フィルムは、屈折率楕円体がnx>ny=nzの関係を満足するフィルムである。このセル側保護フィルムのRe[590]は、10nm以上であり、好ましくは50nm〜300nmであり、より好ましくは50nm〜200nmである。また、このセル側保護フィルムの厚み方向位相差値と面内位相差値との差(Rth[590]−Re[590])は、10nm未満であり、好ましくは5nm未満である。さらに、このセル側保護フィルムのNz係数は、好ましくは0.9を超え1.1未満である。
他の実施形態において、少なくとも上記セル側保護フィルムは、屈折率楕円体がnx>ny>nzの関係を満足するフィルムである。このセル側保護フィルムのRe[590]は、10nm以上であり、好ましくは50nm〜300nmであり、より好ましくは50nm〜200nmである。また、このセル側保護フィルムの厚み方向位相差値と面内位相差値の差(Rth[590]−Re[590])は、10nm以上であり、好ましくは20nm〜100nmである。さらに、このセル側保護フィルムのNz係数は、好ましくは1.1〜3.0である。
少なくとも上記セル側保護フィルムが、ノルボルネン系ポリマーやセルロース系ポリマーを含有するフィルムであることが好ましい点や、トリアセチルセルロース等の透明な高分子フィルム上に、ポリイミド等のポリマーを塗布して得られる積層体を延伸することによって形成できる点は、前述した第1の光学積層体を構成する透明フィルムの場合と同様であるため、ここではその詳細な説明は省略する。
なお、偏光子の両面側にそれぞれ保護フィルムが積層されている態様の第1及び第2の偏光板(例えば、図1や図2に示す第1及び第2の偏光板)にあっては、セル側保護フィルムとは異なる保護フィルムは、例えば、屈折率楕円体が上記nx>ny≧nzのものの他、nx<ny=nz、nx=ny>nz、nx>nz>ny、nz>nx>nyの関係を満足するものや、等方性のものを用いてもよい。
<液晶パネル>
本発明の液晶パネルは、液晶セルと、液晶セルの一方の面側に配置された第1の光学積層体と、液晶セルの他方の面側に配置された第2の光学積層体とを備える。そして、第1の光学積層体及び第2の光学積層体のうち少なくとも一方は、前述した組み合わせ型偏光板である。この組み合わせ型偏光板は、少なくとも液晶セルの片面上に、セル側透明フィルムを液晶セル側に向けた状態で配置される。
一の実施形態において、図6(a)に示すように、液晶パネル100は、液晶セル9と、液晶セル9の一方の面側に配置された第1の光学積層体Aと、液晶セル9の他方の面側に配置された第2の光学積層体Bとを備える。本実施形態では、第2の光学積層体Bのみが組み合わせ型偏光板とされている。
第1の光学積層体Aは、液晶セル9の一方の面側に配置された一方の任意の偏光板7、及び、液晶セル9と前記一方の偏光板7との間に配置され且つ屈折率楕円体がnx>ny≧nzの関係を満足する光学補償層38aとしての透明フィルム38を具備する。
第2の光学積層体Bは、液晶セル9の他方の面側に配置された他方の偏光板(第1の偏光板1及び第2の偏光板2)、及び、液晶セル9と前記他方の偏光板(第1の偏光板1及び第2の偏光板2)との間に配置され且つ屈折率楕円体がnx=ny>nzの関係を満足する光学補償層37aとしての透明フィルム(セル側透明フィルム)37を具備する。第2の光学積層体Bは、1枚の透明フィルム37上に第1の偏光板1及び第2の偏光板2が並設された組み合わせ型偏光板16を構成する。
他の実施形態において、図6(b)に示すように、液晶パネル100は、液晶セル9と、液晶セル9の一方の面側に配置された第1の光学積層体Aと、液晶セル9の他方の面側に配置された第2の光学積層体Bとを備える。本実施形態では、第1の光学積層体A及び第2の光学積層体Bの双方が組み合わせ型偏光板とされている。
第1の光学積層体Aは、液晶セル9の一方の面側に配置された一方の偏光板(第1の偏光板1及び第2の偏光板2)、及び、液晶セル9と前記一方の偏光板(第1の偏光板1及び第2の偏光板2)との間に配置され且つ屈折率楕円体がnx>ny≧nzの関係を満足する光学補償層38aとしての透明フィルム(セル側透明フィルム)38を具備する。第1の光学積層体Aは、1枚の透明フィルム38上に第1の偏光板1及び第2の偏光板2が並設された組み合わせ型偏光板17を構成する。
第2の光学積層体Bは、液晶セル9の他方の面側に配置された他方の偏光板(第1の偏光板1及び第2の偏光板2)、及び、液晶セル9と前記他方の偏光板(第1の偏光板1及び第2の偏光板2)との間に配置され且つ屈折率楕円体がnx=ny>nzの関係を満足する光学補償層37aとしての透明フィルム(セル側透明フィルム)37を具備する。第2の光学積層体Bは、1枚の透明フィルム37上に第1の偏光板1及び第2の偏光板2が並設された組み合わせ型偏光板16を構成する。
図6に示す液晶パネル100において、第1の光学積層体A及び第2の光学積層体Bは、第1の光学積層体Aを構成する偏光板の吸収軸方向と第2の光学積層体Bを構成する偏光板の吸収軸方向とが互いに直交するように配置される。また、第1の光学積層体Aを構成する偏光板及び透明フィルム(光学補償層38a)は、偏光板の吸収軸方向と透明フィルム(光学補償層38a)の遅相軸方向とが互いに直交するように配置される。
なお、他の実施形態において、図7、図9及び図10に示すように、第1の光学積層体Aを構成する透明フィルム38として、前述した屈折率楕円体がnx>ny≧nzの関係を満足する光学補償層38aに加えて、屈折率楕円体がnx=ny>nzの関係を満足する光学補償層38bを積層した構成を採用することも可能である。光学補償層38a及び光学補償層38bの何れを液晶セル9側に配置するかは任意に選択可能である。屈折率楕円体がnx=ny>nzの関係を満足する光学補償層38bの材料としては、第2光学積層体Bを構成する透明フィルム37の光学補償層37aと同様の材料を用いることができるため、ここでは説明を省略する。
また、他の実施形態において、図8〜図10に示すように、第2の光学積層体Bを構成する透明フィルム37として、前述した屈折率楕円体がnx=ny>nzの関係を満足する光学補償層37aに加えて、屈折率楕円体がnx>ny≧nzの関係を満足する光学補償層37bを積層した構成を採用することも可能である。光学補償層37a及び光学補償層37bの何れを液晶セル9側に配置するかは任意に選択可能である。屈折率楕円体がnx>ny≧nzの関係を満足する光学補償層37bの材料としては、第1光学積層体Aを構成する透明フィルム38の光学補償層38aと同様の材料を用いることができるため、ここでは説明を省略する。
図7〜図10に示す液晶パネル100においても、第1の光学積層体A及び第2の光学積層体Bは、第1の光学積層体Aを構成する偏光板の吸収軸方向と第2の光学積層体Bを構成する偏光板の吸収軸方向とが互いに直交するように配置される。また、図7〜図10に示す液晶パネルにおいても、第1の光学積層体Aを構成する偏光板及び光学補償層38aは、偏光板の吸収軸方向と光学補償層38aの遅相軸方向とが互いに直交するように配置される。さらに、図8〜図10に示す液晶パネルにおいて、第2の光学積層体Bを構成する偏光板及び光学補償層37bは、偏光板の吸収軸方向と光学補償層37bの遅相軸方向とが互いに直交するように配置される。
なお、図6〜図10においては、1枚の透明フィルムを具備する組み合わせ型偏光板を例示しているが、図2や図4に示すような、2枚の透明フィルムを具備する組み合わせ偏光板であってもよい。また、図6(a)、図7〜図10においては、組み合わせ型偏光板が、液晶セル9の下側に配置された構成の液晶パネルを示しているが、組み合わせ型偏光板が、液晶セル9の上側に配置されている液晶パネルでもよい。さらに、図6〜図10においては、第1の光学積層体Aが液晶セル9の上側に配置され、第2の光学積層体Bが液晶セル9の下側に配置された構成の液晶パネルを示しているが、第1の光学積層体Aが液晶セル9の下側に配置され、第2の光学積層体Bが液晶セル9の上側に配置されている液晶パネルでもよい。
本発明に用いられる液晶セルとしては、任意の適切なものを採用することができる。上記液晶セルとしては、例えば、薄膜トランジスタを用いたアクティブマトリクス型の液晶セルや、スーパーツイストネマチック液晶表示装置に代表される単純マトリクス型の液晶セル等が挙げられる。
上記液晶セルは、好ましくは、一対の基板と、該一対の基板に挟持された表示媒体としての液晶層とを具備する。一方の基板(アクティブマトリクス基板)には、液晶の電気光学特性を制御するスイッチング素子(代表的には、TFT)と、このスイッチング素子にゲート信号を与える走査線及びソース信号を与える信号線とが設けられる。他方の基板(カラーフィルター基板)には、カラーフィルターが設けられる。上記カラーフィルターは、上記アクティブマトリクス基板に設けてもよい。もっとも、フィールドシーケンシャル方式のように液晶表示装置の照明手段にRGB3色光源が用いられる場合は、上記カラーフィルターは省略することができる。2つの基板の間隔は、スペーサーによって制御される。各基板の液晶層を接する側には、例えば、ポリイミドからなる配向膜が設けられる。
上記液晶セルは、好ましくは、電界が存在しない状態でホメオトロピック配列に配向されたネマチック液晶を含むものであり、例えば、垂直配向型(VAモード)の液晶セルである。
垂直配向型の液晶セルとは、電圧制御複屈折(ECB:Electrically Controlled Birefringnence)効果を利用し、電圧無印加時において、誘電率異方性が負のネマチック液晶を、透明電極間にホメオトロピック配列に配向させた液晶セルのことをいう。具体的には、特開昭62−210423号公報や、特開平4−153621号公報に記載の液晶セルが挙げられる。また、上記垂直配向型の液晶セルは、特開平11−258605号公報に記載されているように、視野角拡大のために、画素内にスリットを設けたものや、表面に突起を形成した基材を用いることによって、マルチドメイン化したMVAモードの液晶セルであっても良い。更に、特開平10−123576号公報に記載されているように、液晶中にカイラル剤を添加し、ネマチック液晶を電圧無印加時に実質的に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させるVATNモードの液晶セルであっても良い。なお、本発明の組み合わせ型偏光板は、垂直配向型の液晶セルに適用される場合に限られず、例えば、IPSモードの液晶セルに適用することもできる。
<液晶表示装置>
本発明の液晶表示装置は、以上に説明した液晶パネルを備える。図11に液晶表示装置の構成例を示す。液晶表示装置200は、前述のように図6〜図10を参照して各種例示したうちの1つの液晶パネル100と、液晶パネル100の一方の側に配置されたバックライトユニット80とを少なくとも備える。なお、図11においては、バックライトユニットとして、直下方式が採用された場合を示しているが、ライトユニットは、例えば、サイドライト方式のものであってもよい。
直下方式が採用される場合、上記バックライトユニット80は、好ましくは、光源81と、反射フィルム82と、拡散板83と、プリズムシート84と、輝度向上フィルム85とを少なくとも備える。サイドライト方式が採用される場合、好ましくは、バックライトユニットは、上記の構成に加え、さらに導光板と、ライトリフレクターとを少なくとも備える。なお、図7に例示した液晶表示装置は、本発明の効果が得られる限りにおいて、液晶表示装置の照明方式や液晶セルの駆動モードなど、用途に応じてその一部を省略するか、又は、その一部を他の部材に代替することが可能である。
上記液晶表示装置は、液晶パネルの背面から光を照射して画面を見る透過型であっても良いし、液晶パネルの視認側から光を照射して画面を見る反射型であっても良い。あるいは、上記液晶表示装置は、透過型と反射型の両方の性質を併せ持つ半透過型であっても良い。
本発明の液晶パネル及び液晶表示装置は、任意の適切な用途に使用される。該液晶パネル及び液晶表示装置の用途は、例えば、パソコンモニター,ノートパソコン,コピー機などのOA機器、携帯電話,時計,デジタルカメラ,携帯情報端末(PDA),携帯ゲーム機などの携帯機器、ビデオカメラ,テレビ,電子レンジなどの家庭用電気機器、バックモニター,カーナビゲーションシステム用モニター,カーオーディオなどの車載用機器、商業店舗用インフォメーション用モニターなどの展示機器、監視用モニターなどの警備機器、介護用モニター,医療用モニターなどの介護・医療機器等である。
以下、実施例を示して、本発明を更に詳述する。ただし、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
<各種測定方法>
(1)透過率(T[590])の測定方法:
高速分光光度計(村上色差(株)製、製品名「CMS−500」)を用いて測定した。
(2)nx、ny、nz、Re[590]及びRth[590]の測定方法:
王子計測機器(株)製、商品名「KOBRA21−ADH」を用いて、23℃で測定した。なお、平均屈折率は、アッベ屈折率計(アタゴ(株)製、製品名「DR−M4」)を用いて測定した値を用いた。
(3)液晶表示装置のコントラストの測定(輝度視野角特性の測定)方法:
23℃の暗室で、バックライトを点灯してから30分経過した後、ELDIM社製の製品名:「EZ Contrast160D」を用いて測定した。
<実施例1>
<第1の光学積層体を構成する光学補償層(透明フィルム)の作製>
ノルボルネン系フィルム(日本ゼオン(株)製、商品名「ゼオノア」。厚み100μm)を、138℃で一軸方向(X軸方向)に延伸倍率3倍で固定端延伸して透明フィルムを得た。得られた透明フィルムは、屈折率楕円体がnx>ny>nzの関係を示し、Re[590]=110nm、Rth[590]=145nmであった。また、得られた透明フィルムの光線透過率(T[590])は、92%であった。
<第2の光学積層体を構成する光学補償層(透明フィルム)の作製>
トリアセチルセルロース(TAC)フィルム(富士写真フィルム(株)製、商品名「ZRF80S」。厚み80μm)の一面に、溶媒シクロヘキサノンにポリイミドを溶解させた溶液(ポリイミド濃度15質量%)を、厚み30μmで塗工した。その後、100℃で10分間乾燥し、厚み約4.5μmのポリイミド層を形成した。このポリイミドは、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンと2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニルから合成されたものを用いた。なお、「ZRF80S」は、Re[590]≒0nm、Rth[590]≒0nmであった。上記TACフィルム(ZRF80S)の上にポリイミド層が積層された透明フィルムは、屈折率楕円体がnx=ny>nzの関係を示し、Re[590]=0.5nm、Rth[590]=180nmであった。また、得られた透明フィルムの光線透過率(T[590])は、91%であった。
<偏光板(第1の偏光板及び第2の偏光板)の作製>
厚み75μmのポリビニルアルコールを主成分とする高分子フィルム(クラレ(株)製、商品名「9P75R」。平均重合度:2400)を、ヨウ素とヨウ化カリウム配合の染色浴にて、ロール延伸機を用いて、染色しながら元長の6倍に一軸延伸して、厚み28μmの偏光子を作製した。
次いで、上記偏光子の両面に、セルロース系フィルム(富士写真フイルム(株)製、商品名「ZRF80S」。厚み80μm)を、接着剤を介して貼着した。このようにして、偏光子の両面に保護フィルム(セルロース系フィルム)が積層された偏光板を作製した。
<液晶セルの準備>
VAモードの液晶セルを含む液晶表示装置(ソニー(株)製の液晶テレビ、商品名「BRAVIA S2000」。画面サイズ:32インチ)から、液晶パネルを取り出した。この液晶パネルの中から、液晶セルの上下に配置されていた光学フィルムを全て取り除き、得られた液晶セルのガラス面(表裏)を洗浄した。
<第1の光学積層体(組み合わせ型偏光板)の作製>
上記のようにして作製した偏光板を長方形状に打ち抜き加工したものを2枚準備した。この2枚の偏光板の吸収軸が平行となるように、且つ2枚の偏光板の互いの端面が対向するように第1の光学積層体を構成する透明フィルム(ノルボルネン系延伸フィルム)の表面に並べ、各偏光板と透明フィルムとを厚み20μmの粘着剤を介して貼着した。なお、この際、各偏光板の吸収軸と透明フィルムの遅相軸とが直交するように貼着した。また、2枚の偏光板の一方の保護フィルムを上記透明フィルムの表面に向けて貼着した。
以上のようにして、2枚並べた偏光板が1枚の透明フィルムによって一体化された構成の光学積層体(組み合わせ型偏光板)を作製した。この組み合わせ型偏光板を、上記液晶セルの画面サイズに適合するように打ち抜いた。
<第2の光学積層体(組み合わせ型偏光板)の作製>
2枚の偏光板を第2の光学積層体を構成する透明フィルム(TACフィルムとポリイミド層の積層体)のTACフィルム側の表面に並べて貼着した点を除き、第1の光学積層体と同様にして第2の光学積層体(組み合わせ型偏光板)を作製した。
<液晶パネルの作製>
上記<液晶セルの準備>で取り出した液晶セルの視認側に、上記作製した第1の光学積層体を、その透明フィルム(光学補償層)を液晶セル側に向けて、アクリル系粘着剤(厚み20μm)を介して貼り合わせた。さらに、上記液晶セルのバックライト側に、上記作製した第2の光学積層体を、その透明フィルム(光学補償層)を液晶セル側に向けると共に、その偏光板の吸収軸が上記第1の光学積層体の偏光板の吸収軸と直交するように、アクリル系粘着剤(厚み20μm)を介して貼り合わすことにより、液晶パネルを作製した。
<液晶表示装置の作製>
上記液晶パネルを、元の液晶表示装置が具備していたバックライトユニットと結合して、液晶表示装置を作製した。
<液晶表示装置の輝度視野角特性の評価>
以上のようにして作製した実施例1の液晶表示装置の輝度視野角特性をELDIM社製の製品名:「EZ Contrast160D」を用いて測定した。その結果を、図12に示す。図12に示すように、全方位で光漏れが小さく、優れた表示特性を示した。なお、本実施例では、液晶表示装置の表示特性を評価するため、対角サイズ32インチの液晶セルを用いたが、本発明の液晶パネルが備える組み合わせ型偏光板を用いれば、対角サイズ80インチを超える液晶セルにも適用可能である。
<実施例2>
<第1の光学積層体を構成する光学補償層(透明フィルム)の作製>
厚み50μmのポリカーボネートフィルムを160℃で延伸倍率1.06倍で自由端延伸して、透明フィルムを得た。得られた透明フィルムは、屈折率楕円体がnx>ny>nzの関係を示し、Re[590]=110nm、Rth[590]=145nmであった。また、得られた透明フィルムの光線透過率(T[590])は、92%であった。
<第2の光学積層体を構成する光学補償層(透明フィルム)の作製>
透明フィルム形成材料として、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム(富士写真フィルム(株)製、商品名「フジタック」。厚み80μm)を用いた。このTACフィルムは、屈折率楕円体がnx=ny>nzの関係を示し、Re[590]=1nm、Rth[590]=60nmであった。また、このTACフィルムの光線透過率(T[590])は、92%であった。上記のTACフィルム3枚を粘着剤(厚み20μm)を介して積層し、透明フィルムを得た。
<液晶表示装置の作製>
第1の光学積層体を構成する透明フィルムとしてポリカーボネート延伸フィルムを用い、第2の光学積層体を構成する透明フィルムとしてTACフィルムの積層体を用いた点を除き、実施例1と同様にして液晶表示装置を作製した。
<液晶表示装置の輝度視野角特性の評価>
以上のようにして作製した実施例2の液晶表示装置の輝度視野角特性をELDIM社製の製品名:「EZ Contrast160D」を用いて測定した。その結果を、図13に示す。図13に示すように、全方位で光漏れが小さく、優れた表示特性を示した。なお、本実施例では、液晶表示装置の表示特性を評価するため、対角サイズ32インチの液晶セルを用いたが、本発明の液晶パネルが備える組み合わせ型偏光板を用いれば、対角サイズ80インチを超える液晶セルにも適用可能である。
<実施例3>
<第1の光学積層体を構成する光学補償層(透明フィルム)の作製>
特開2003−315538号公報に記載のセルロース系の材料を用いて透明フィルムを作製した。具体的には、特開2003−315538号公報に記載のセルロース系材料を乾燥後の厚み110μmでキャストし、得られたフィルムを延伸機を用いて145℃で延伸倍率1.5倍で自由端延伸して、透明フィルムを得た。得られた透明フィルムは、屈折率楕円体がnx>ny=nzの関係を示し、Re[590]=140nm、Rth[590]=145nmであった。また、得られた透明フィルムの光線透過率(T[590])は、92%であった。なお、この透明フィルムは、面内位相差値が短波長ほど小さくなる波長分散特性(いわゆる逆波長分散特性)を示した。
<第2の光学積層体を構成する光学補償層(透明フィルム)の作製>
実施例1と同様にして透明フィルムを作製した。
<液晶表示装置の作製>
第1の光学積層体を構成する透明フィルムとしてセルロース系延伸フィルムを用いた点を除き、実施例1と同様にして液晶表示装置を作製した。
<液晶表示装置の輝度視野角特性の評価>
以上のようにして作製した実施例3の液晶表示装置の輝度視野角特性をELDIM社製の製品名:「EZ Contrast160D」を用いて測定した。その結果を、図14に示す。図14に示すように、全方位で光漏れが小さく、優れた表示特性を示した。なお、本実施例では、液晶表示装置の表示特性を評価するため、対角サイズ32インチの液晶セルを用いたが、本発明の液晶パネルが備える組み合わせ型偏光板を用いれば、対角サイズ80インチを超える液晶セルにも適用可能である。
図1は、本発明の液晶パネルが備える組み合わせ型偏光板の一実施形態を示す縦断面図である。 図2は、本発明の液晶パネルが備える組み合わせ型偏光板の他の実施形態を示す縦断面図である。 図3は、本発明の液晶パネルが備える組み合わせ型偏光板の他の実施形態を示す縦断面図である。 図4は、本発明の液晶パネルが備える組み合わせ型偏光板の他の実施形態を示す縦断面図である。 図5(a)は、長尺状の透明フィルムを具備する組み合わせ型偏光板の一実施形態を示す一部省略平面図である。図5(b)は、長尺状の透明フィルムを具備する組み合わせ型偏光板の他の実施形態を示す一部省略平面図である。 図6(a)は、本発明の液晶パネルの一実施形態を示す縦断面図である。図6(b)は、本発明の液晶パネルの他の実施形態を示す縦断面図である。 図7は、本発明の液晶パネルの他の実施形態を示す縦断面図である。 図8は、本発明の液晶パネルの他の実施形態を示す縦断面図である。 図9は、本発明の液晶パネルの他の実施形態を示す縦断面図である。 図10は、本発明の液晶パネルの他の実施形態を示す縦断面図である。 図11は、本発明の液晶表示装置の一実施形態を示す縦断面図である。 図12は、本発明の実施例1に係る液晶表示装置の輝度視野角特性の測定結果を示す輝度等高線図である。 図13は、本発明の実施例2に係る液晶表示装置の輝度視野角特性の測定結果を示す輝度等高線図である。 図14は、本発明の実施例3に係る液晶表示装置の輝度視野角特性の測定結果を示す輝度等高線図である。
符号の説明
1…第1の偏光板
1a…第1の偏光板の端面
2…第2の偏光板
2a…第2の偏光板の端面
31〜38…透明フィルム
37a,37b,38a,38b…光学補償層
4…偏光子
51〜53…保護フィルム
5…接着層
9…液晶セル
10〜17…組み合わせ型偏光板
100…液晶パネル
200…液晶表示装置
A…第1の光学積層体
B…第2の光学積層体

Claims (6)

  1. 液晶セルと、
    前記液晶セルの一方の面側に配置された一方の偏光板、及び、前記液晶セルと前記一方の偏光板との間に配置され且つ屈折率楕円体がnx>ny≧nzの関係を満足する光学補償層を具備する第1の光学積層体と、
    前記液晶セルの他方の面側に配置された他方の偏光板、及び、前記液晶セルと前記他方の偏光板との間に配置され且つ屈折率楕円体がnx=ny>nzの関係を満足する光学補償層を具備する第2の光学積層体とを備え、
    前記第1の光学積層体及び前記第2の光学積層体のうち少なくとも一方は、少なくとも1組の端面が対向するように、前記光学補償層の前記液晶セルと反対側の面に並設された第1の偏光板及び第2の偏光板を有する組み合わせ型偏光板であることを特徴とする液晶パネル。
  2. 前記第1の光学積層体は、前記液晶セルと前記一方の偏光板との間に配置され且つ屈折率楕円体がnx=ny>nzの関係を満足する光学補償層を更に具備することを特徴とする請求項1に記載の液晶パネル。
  3. 前記第2の光学積層体は、前記液晶セルと前記他方の偏光板との間に配置され且つ屈折率楕円体がnx>ny≧nzの関係を満足する光学補償層を更に具備することを特徴とする請求項1に記載の液晶パネル。
  4. 前記液晶セルは、垂直配向型の液晶セルであることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の液晶パネル。
  5. 前記組み合わせ型偏光板は、80インチ以上の対角サイズを有する長方形状であることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の液晶パネル。
  6. 請求項1から5の何れかに記載の液晶パネルを備えることを特徴とする液晶表示装置。
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