JP2009036345A - リニアソレノイド - Google Patents

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正彦 落合
Jiro Kondo
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Abstract

【課題】 信頼性が高く、大型化することもなく、衝突音を緩和することのできるリニアソレノイドを提供する。
【解決手段】 プランジャ17の後端には、プランジャ17が対向壁Xに衝突する直前に対向壁Xとの間に挟まれて軸方向へ弾性変形する金属製の弾性体31が取り付けられており、この弾性体31は軸方向に圧縮変形することでプランジャ呼吸孔17aを絞る。プランジャ17が対向壁Xに衝突する直前にバネ部35が弾性変形して衝突力を吸収する効果と、バネ部35が呼吸用連通穴32の開度を絞ることによるプランジャ後室Aの容積変動を抑える効果とのダブル効果によって短い軸方向距離で衝突力を緩和でき、大型化を招かずに衝突音を緩和することができる。また、衝突緩和に軟質性樹脂を用いないため、長期にわたり高い信頼性を確保できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、駆動対象物に対して軸方向の変位力を与えるリニアソレノイドに関するものであり、特にプランジャの移動端における衝突音の抑制技術に関する。
(従来技術)
リニアソレノイドの一例として、バルブ装置(スプール弁、ボール弁等)をリニアソレノイドによって駆動する電磁弁が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1のリニアソレノイドは、軸方向へ変位自在に支持されたプランジャが、コイルの発生する磁力によって軸方向の一方(説明の便宜上、前方と称す)へ駆動される。一方、プランジャには、バルブ装置内に配置されたリターンスプリングのバネ荷重により常に軸方向の他方(説明の便宜上、後方と称す)へ向かう付勢力が付与されている。
そして、コイルに付与される電流値(通電量)が上昇するに従い、プランジャはリターンスプリングの付勢力に抗して前方へ駆動される。
(従来技術の問題点)
コイルに与えられる電流値が所定電流値(例えば、100mA)以下では、リターンスプリングの付勢力により、プランジャは、プランジャの後方に配置された対向壁(特許文献1では固定鉄心)に押し付けられて当接する。
このため、プランジャが前方へ移動している状態からコイルに与えられる電流値が所定電流値以下に低下すると、プランジャが対向壁に衝突する。例えば、プランジャが前方へフルストロークしている状態からコイルの通電が停止されると、プランジャが対向壁に強く衝突する。
プランジャが対向壁に衝突した際に発生した衝突音は、外部へ伝わり作動騒音の要因になる。
そこで、プランジャが対向壁に衝突する際の衝突力を緩和する目的で、軟質性樹脂(ゴムや常温で柔らかい樹脂)を衝突部位に配置して、衝突力を軟質性樹脂で吸収させることが考えられる。
しかし、衝突力を吸収する目的で用いた軟質性樹脂は、長期の使用によりヘタリが生じる懸念がある。軟質性樹脂にヘタリが生じると、プランジャのストローク範囲が変化して、バルブ装置のコントロール性が劣化する可能性がある。
また、長期の使用により、軟質性樹脂に摩耗や破損が生じる可能性があり、摩耗や破損で生じた異物がプランジャの摺動性の劣化を招く可能性もある。
一方、軟質性樹脂とは異なり、皿バネ、ウェーブワッシャなどの金属製バネを衝突位置に配置して、衝突力を金属製スプリング(例えば、コイルスプリング)で吸収させることが考えられる。
しかし、金属製スプリングだけでは衝突力の吸収量が小さいため、十分な衝突吸収能力を確保しようとすると、金属バネの軸方向長が長くなり、その結果リニアソレノイドが大型化してしまう不具合が生じる。
なお、上記では、リニアソレノイドの不具合を電磁弁を用いて説明したが、バルブ装置以外を駆動するリニアソレノイドであっても、同様の不具合が生じる。
特開2004−162769号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、信頼性が高く、大型化することもなく、衝突音を緩和することができるリニアソレノイドの提供にある。
[請求項1の手段]
請求項1の手段を採用するリニアソレノイドは、プランジャが対向壁に接近した際に、プランジャと対向壁との間に挟まれて、プランジャが対向壁に近づく力によって弾性変形する金属製の弾性体を備え、この弾性体は弾性変形した際に呼吸孔を閉塞、あるいは呼吸孔の開度を絞る。
このように設けられることにより、プランジャが対向壁に衝突する直前に、弾性体が軸方向へ弾性変形することでプランジャの移動速度が低下するとともに、弾性体が呼吸孔を閉塞あるいは呼吸孔の開度を絞ることで容積変動室の容積変動が抑えられてプランジャの移動速度が低下する。
即ち、プランジャが対向壁に衝突する直前に、弾性体が軸方向へ弾性変形することによる「変形吸収効果」と、容積変動室の容積変動が抑えられることによる「ダンパー効果」との2つの効果が組み合わされて、プランジャが対向壁に衝突する際の速度を遅くすることができる。
これにより、プランジャが対向壁に衝突する際の衝突力を、短い軸方向距離で緩和することができ、リニアソレノイドの大型化を招かずに、プランジャの衝突音を緩和することができる。
また、弾性変形する弾性体は金属製であり、軟質性樹脂のようなヘタリが生じない。このため、長期に使用してもプランジャのストローク範囲が変化せず、長期にわたり高い信頼性を得ることができる。
さらに、弾性変形する弾性体は金属製であるため、軟質性樹脂のような摩耗や破損が生じない。このため、長期に使用しても摩耗や破損に伴う異物が発生する可能性が極めて小さく、長期にわたり高い信頼性を得ることができる。
[請求項2の手段]
請求項2の手段を採用するリニアソレノイドにおける呼吸孔は、プランジャにおいて軸方向へ貫通形成されたプランジャ呼吸孔である。
[請求項3の手段]
請求項3の手段を採用するリニアソレノイドにおける弾性体は、プランジャの端部に取り付けられるものであり、容積変動室とプランジャ呼吸孔とを連通させる呼吸用連通穴を備える。そして、弾性体が呼吸用連通穴を閉塞、あるいは呼吸用連通穴の開度を絞ることで、プランジャ呼吸孔が閉塞、あるいはプランジャ呼吸孔の開度が絞られる。
これにより、弾性体が軸方向へ弾性変形した際に、高い精度で弾性体がプランジャ呼吸孔を閉塞できる、あるいは高い精度でプランジャ呼吸孔の開度を絞ることができる。
[請求項4の手段]
請求項4の手段を採用するリニアソレノイドにおける呼吸用連通穴の内径寸法は、プランジャ呼吸孔の内径寸法より小径であり、呼吸用連通穴とプランジャ呼吸孔との間には弾性体による段差が形成される。
この段差により、プランジャ呼吸孔より容積変動室に向かう異物をせき止めることができ、容積変動室への異物の侵入を防ぐことができる。このように、容積変動室への異物の侵入が防がれることで、プランジャの摩耗と摺動性の悪化を防ぐことができる。
[請求項5の手段]
請求項5の手段を採用するリニアソレノイドにおける弾性体は磁性体であり、プランジャと磁気的に結合されている。
これにより、プランジャが磁気吸引されてプランジャに磁力が付与されることで、弾性体にも磁力が発生する。この結果、プランジャが磁気吸引されて弾性体に磁力が発生することにより、プランジャ呼吸孔より容積変動室に向かう磁性体異物(摩耗粉や切削バリの落下物など)を弾性体に吸着することができる。このため、上記請求項4の効果(プランジャ呼吸孔より容積変動室に向かう異物をせき止める効果)をさらに高めることができる。
[請求項6の手段]
請求項6の手段を採用するリニアソレノイドの弾性体は、曲折して設けられた第1曲折部を備えた金属プレートである。第1曲折部の一方の側の金属プレートは、プランジャに固定される座面プレートであり、第1曲折部の他方の側の金属プレートは、プランジャが対向壁に近づいた際に対向壁に当接するバネ部である。
そして、バネ部が軸方向へ変形することで、当該バネ部がプランジャ呼吸孔の開度を絞る。
[請求項7の手段]
請求項7の手段を採用するリニアソレノイドは、上記請求項6の手段をさらに発展させたものであり、バネ部は、曲折して設けられた第2曲折部を備えた金属プレートである。第2曲折部の一方の側のバネ部は、プランジャと対向壁の接近距離が所定の第1接近距離に達した際に対向壁に当接する第1バネ部であり、第2曲折部の他方の側のバネ部は、プランジャと対向壁の接近距離が第1接近距離より軸方向に短い第2接近距離に達した際に座面プレートに当接する第2バネ部である。
そして、第2バネ部が座面プレートに当接することで、第1バネ部が第1、第2曲折部を介して座面プレートに支持されてバネ定数が大きくなる。即ち、バネ部が軸方向へ圧縮されるに従い、バネ部のバネ定数が『小→大』に変化する。
このため、プランジャが対向壁に衝突する直前において、先ず「小さいバネ定数」によってプランジャの速度を遅くし、続いて「大きいバネ定数」によってより大きな荷重を受けてプランジャの速度を遅くすることができる。これによって、請求項1の手段で示した「変形吸収効果」を高めることができ、プランジャの衝突音の低減効果を高めることができる。
[請求項8の手段]
請求項8の手段を採用するリニアソレノイドは、バルブボディ、可動弁体(例えば、スプール等)、リターンスプリングを備えたバルブ装置(例えば、スプール弁等)と結合して設けられる。即ち、請求項1〜請求項7のいずれかを電磁弁(例えば、電磁スプール弁等)に適用したものである。
これにより、リターンスプリングの付勢力によってプランジャが対向壁に衝突する際に生じる電磁弁の衝突音を低減することができる。
リニアソレノイドは、駆動対象物(バルブ装置等)に対して軸方向の変位力を与えるものであり、磁力によって軸方向へ駆動されるプランジャを備える。このプランジャと、該プランジャの移動方向の一方に存在する対向壁との間に形成される容積変動室が、外部空間に通じる呼吸孔に連通することで容積変動する。
そして、最良の形態のリニアソレノイドは、プランジャが対向壁に接近した際に、プランジャと対向壁との間に挟まれて、プランジャが対向壁に近づく力によって弾性変形する金属製の弾性体を備え、この弾性体は弾性変形した際に呼吸孔を閉塞、あるいは呼吸孔の開度を絞るように設けられている。
本発明をバルブ可変タイミング装置(以下、VVT)におけるオイルフローコントロールバルブ(以下、OCV)のリニアソレノイドに適用した実施例1を、図面を参照して説明する。
以下の実施例1では、先ず図4を参照してVVTの構造を説明し、次に図3を参照してOCVの基本構造を説明し、その後で図1、図2を参照して本発明が適用された特徴技術を説明する。
(VVTの説明)
VVTは、内燃機関(以下、エンジン)のカムシャフト(吸気バルブ用、排気バルブ用、吸排気兼用カムシャフトのいずれか)に取り付けられて、バルブの開閉タイミングを連続的に可変可能なバルブタイミング可変機構(以下、VCT)1と、このVCT1の作動を油圧制御する油圧回路2と、油圧回路2に設けられるOCV3を電気的に制御するECU4(エンジン・コントロール・ユニットの略:制御装置)とから構成されている。
(VCT1の説明)
VCT1は、エンジンのクランクシャフトに同期して回転駆動されるシューハウジング5と、このシューハウジング5に対して相対回転可能に設けられ、カムシャフトと一体に回転するベーンロータ6とを備えるものであり、シューハウジング5内に構成される油圧アクチュエータによってシューハウジング5に対してベーンロータ6を相対的に回転駆動して、カムシャフトを進角側あるいは遅角側へ変化させるものである。
シューハウジング5は、エンジンのクランクシャフトにタイミングベルトやタイミングチェーン等を介して回転駆動されるスプロケットにボルト等によって結合されて、スプロケットと一体回転するものである。このシューハウジング5の内部には、図4に示すように、略扇状の凹部7が複数(この実施例1では3つ)形成されている。なお、シューハウジング5は、図4において時計方向に回転するものであり、この回転方向が進角方向である。
一方、ベーンロータ6は、カムシャフトの端部に位置決めピン等で位置決めされて、ボルト等によってカムシャフトの端部に固定されるものであり、カムシャフトと一体に回転する。
ベーンロータ6は、シューハウジング5の凹部7内を進角室7aと遅角室7bに区画するベーン6aを備えるものであり、ベーンロータ6はシューハウジング5に対して所定角度内で回動可能に設けられている。
進角室7aは、油圧によってベーン6aを進角側へ駆動するための油圧室であってベーン6aの反回転方向側の凹部7内に形成されるものであり、逆に、遅角室7bは油圧によってベーン6aを遅角側へ駆動するための油圧室である。なお、各室7a、7b内の液密性は、シール部材8等によって保たれる。
(油圧回路2の説明)
油圧回路2は、進角室7aおよび遅角室7bのオイルを給排して、進角室7aと遅角室7bに油圧差を発生させてベーンロータ6をシューハウジング5に対して相対回転させるための手段であり、クランクシャフト等によって駆動されるオイルポンプ9と、このオイルポンプ9によって圧送されるオイル(油圧)を進角室7aまたは遅角室7bに切り替えて供給するOCV3とを備える。
(OCV3の基本構造)
図3を参照してOCV3の基本構造を説明する。なお、以下では便宜上、図3左側(進角側)を前(フロント)、図3右側(遅角側)を後(リヤ)として説明するが、実際の搭載方向にかかるものではない。
OCV3は、スプール弁11(バルブ装置の一例)とリニアソレノイド12とを結合した電磁スプール弁である。
(スプール弁11の説明)
スプール弁11は、スリーブ13(バルブボディの一例)、スプール14およびリターンスプリング15を備える。
スリーブ13は、略円筒形状を呈するものであり、油路が形成された固定部材(例えば、エンジンシリンダヘッド等)に形成されたスプール弁挿入穴の内部に挿入配置される。このスリーブ13には、スプール14を軸方向へ摺動自在に支持する挿通穴(スリーブ室)13a、オイルポンプ9のオイル吐出口に連通する入力ポート13b、進角室7aに連通する進角室出力ポート13c、遅角室7bに連通する遅角室出力ポート13d、オイルパン9a内にオイルを戻す排出ポート13eが形成されている。
入力ポート13b、進角室出力ポート13c、遅角室出力ポート13dおよび排出ポート13eは、スリーブ13の側面に形成された径方向穴であり、前側(リニアソレノイド12とは異なる側)から後側(リニアソレノイド12側)に向けて、排出ポート13e、進角室出力ポート13c、入力ポート13b、遅角室出力ポート13d、排出ポート13eが形成されている。
スプール14は、スリーブ13の内径寸法(挿通穴13aの径)にほぼ一致した外径寸法を有するポート遮断用の大径部14a(ランド)を4つ備える。
各大径部14aの間には、スプール14の軸方向位置に応じて複数の入出力ポート(13b〜13e)の連通状態を変更する進角室ドレーン用小径部14b、オイル出力用小径部14c、遅角室ドレーン用小径部14dが形成されている。
進角室ドレーン用小径部14bは、遅角室7bに油圧が供給されている時に進角室7aの油圧をドレーンするためのものであり、オイル出力用小径部14cは進角室7aまたは遅角室7bの一方へ油圧を供給するためのものであり、遅角室ドレーン用小径部14dは進角室7aに油圧が供給されている時に遅角室7bの油圧をドレーンするためのものである。
リターンスプリング15は、スプール14を後方に向けて付勢する圧縮コイルスプリングであり、スリーブ13の前部のバネ室13f内において、スリーブ13の軸端壁面とスプール14の間で軸方向に圧縮された状態で配置される。
(リニアソレノイド12の説明)
リニアソレノイド12は、コイル16、プランジャ17、ステータ18、ヨーク19、コネクタ20を備える。
コイル16は、通電されるとプランジャ17を磁気吸引するための磁力を発生する磁力発生手段であり、樹脂製のボビン21の周囲に絶縁被覆された導線(エナメル線等)を多数巻回したものである。
プランジャ17は、磁気吸引ステータ22(後述する)に磁気吸引される磁性体金属(例えば、鉄:磁気回路を構成する強磁性材料)によって形成された円柱体であり、ステータ18の内側(具体的には、オイルシール用のカップガイドGの内側)で軸方向へ摺動自在に支持される。
ステータ18は、プランジャ17を軸方向に磁気吸引する磁気吸引ステータ22と、カップガイドGの外周を覆い、プランジャ17の周囲と磁気の受け渡しを行う磁気受渡ステータ23とからなる。
磁気吸引ステータ22は、スリーブ13とコイル16との間に挟まれて配置される円盤部22aと、この円盤部22aの磁束をプランジャ17の近傍まで導く筒状部22bとからなる磁性体金属(例えば、鉄:磁気回路を構成する強磁性材料)であって、プランジャ17と筒状部22bとの軸方向間には磁気吸引ギャップ(メインギャップ)が形成される。
筒状部22bは、プランジャ17と軸方向に交差可能に設けられている。筒状部22bの端部外周面にはテーパが形成されており、プランジャ17のストローク量に対して磁気吸引力が変化しない特性に設けられている。
磁気受渡ステータ23は、カップガイドGを介してプランジャ17の外周を覆うとともに、ボビン21の内周に挿入配置されるステータ筒部23a、およびこのステータ筒部23aから外径方向に向かって形成され、外周に配置されるヨーク19と磁気結合されるステータフランジ23bからなる磁性体金属(例えば、鉄:磁気回路を構成する強磁性材料)であり、ステータ筒部23aとプランジャ17の径方向間には磁束受渡ギャップ(サイドギャップ)が形成される。
ヨーク19は、コイル16の周囲を覆う円筒形状を呈した磁性体金属(例えば、鉄:磁気回路を構成する強磁性材料)であり、前端に形成された爪部をカシメることでスリーブ13と結合される。
コネクタ20は、コイル16等を樹脂モールドする2次成形樹脂24の一部によって形成された結合手段であり、その内部には、コイル16の導線端部とそれぞれ接続されるコネクタ端子20aが配置されている。このコネクタ端子20aは、一端がコネクタ20内で露出するとともに、他端がボビン21に差し込まれた状態で2次成形樹脂24により樹脂モールドされている。
OCV3は、プランジャ17による前方に向かう駆動力をスプール14へ伝えるとともに、スプール14に与えられたリターンスプリング15の付勢力をプランジャ17へ伝えるシャフト25を備える。
この実施例に示すシャフト25は、非磁性体の金属プレート(例えば、ステンレス板等)をカップ形状に加工した中空部品である。
シャフト25の内部は、シャフト25の前端に形成された穴25aを介してスプール14の軸芯に形成されたスプール呼吸路14eと連通するとともに、シャフト25の後端のカップ開口25bを介してプランジャ17の軸芯に形成されたプランジャ呼吸孔17aと連通する。
これにより、プランジャ17の後側の容積変動室(プランジャ17とカップガイドGの底部の間に形成される空間:以下、プランジャ後室Aと称する)は、プランジャ呼吸孔17a→シャフト25内→スプール呼吸路14eを介して、バネ室13fに形成されたオイル排出部13gと連通する。
なお、オイル排出部13gは、OCV3の外部空間(例えば、エンジンシリンダヘッドの内部空間)に直接(または通路を介して)連通する開口部であり、このオイル排出部13gに連通する内部空間の容積変動を可能にしている。
シャフト25の軸方向の中間位置には、シャフト25を成すカップの内外を貫通するシャフト呼吸孔25cが設けられている。
これにより、プランジャ17の前側の容積変動室(シャフト25の外周でスプール14とプランジャ17の間に形成される空間:プランジャ前室B)は、シャフト呼吸孔25c→シャフト25内→スプール呼吸路14eを介して、バネ室13fに形成されたオイル排出部13gと連通する。
OCV3は、カップガイドGの前側に、磁気吸引ステータ22と磁気結合してプランジャ17の吸引力を高める磁性体金属製の磁気対向部材26が挿入されている。この磁気対向部材26は、スリーブ13の後端によって磁気対向部材26に押し付けられる非磁性体性金属(例えば、ステンレス板等)の板バネ27により固定されている。
なお、図3中に示す符号28はシール用のOリング、符号29はOCV3を固定部材(エンジンシリンダヘッド等)に固定するためのブラケットである。
(ECU4の説明)
ECU4は、デューティ比制御によってリニアソレノイド12のコイル16に与える電流値(以下、供給電流値)を制御するものであり、コイル16への供給電流値を制御することによって、スプール14の軸方向の位置をリニアに制御し、エンジンの運転状態に応じた作動油圧を、進角室7aおよび遅角室7bに発生させて、カムシャフトの進角位相を制御するものである。
(VVTの作動説明)
車両の運転状態に応じてECU4がカムシャフトを進角させる際、ECU4はコイル16への供給電流値を増加させる。すると、コイル16の発生する磁力が増加し、プランジャ17とシャフト25とスプール14が前方(進角側)へ移動する。すると、入力ポート13bと進角室出力ポート13cの連通割合が増加するとともに、遅角室出力ポート13dと排出ポート13eの連通割合が増加する。この結果、進角室7aの油圧が増加し、逆に遅角室7bの油圧が減少して、ベーンロータ6がシューハウジング5に対して相対的に進角側へ変位し、カムシャフトが進角する。
逆に、車両の運転状態に応じてECU4がカムシャフトを遅角させる際、ECU4はコイル16への供給電流値を減少させる。すると、コイル16の発生する磁力が減少し、プランジャ17とシャフト25とスプール14が後方(遅角側)へ移動する。すると、入力ポート13bと遅角室出力ポート13dの連通割合が増加するとともに、進角室出力ポート13cと排出ポート13eの連通割合が増加する。この結果、遅角室7bの油圧が増加し、逆に進角室7aの油圧が減少して、ベーンロータ6がシューハウジング5に対して相対的に遅角側へ変位し、カムシャフトが遅角する。
〔実施例1の特徴〕
(実施例1の背景)
OCV3に搭載されるリニアソレノイド12は、上述したように、軸方向へ変位自在に支持されたプランジャ17が、コイル16の発生する磁力によって前方へ駆動される。
一方、プランジャ17には、リターンスプリング15のバネ荷重により常に後方へ向かう付勢力が付与されている。
そして、コイル16に付与される供給電流値が上昇するに従い、プランジャ17およびスプール14はリターンスプリング15の付勢力に抗して前方へ駆動される。
コイル16に与えられる供給電流値が所定電流値(例えば、100mA)以下の場合では、プランジャ17の前方へ向かう駆動力よりリターンスプリング15の付勢力が勝り、プランジャ17は、プランジャ17の後側においてプランジャ17に対向する対向壁X(この実施例ではカップガイドGの底部)に押し付けられて当接する。
このため、プランジャ17が前方へ移動している状態からコイル16に与えられる電流値が所定電流値以下に低下すると、プランジャ17が対向壁Xに衝突する。例えば、プランジャ17が前方へフルストロークしている状態からコイル16の通電が停止されると、プランジャ17が対向壁Xに強く衝突する。
プランジャ17が対向壁Xに衝突した際に発生した衝突音は、外部へ伝わり作動騒音の要因になる。
(不具合を回避する手段)
この実施例1のリニアソレノイド12は、上記の不具合を回避する手段として、次に示す技術を採用している。
(1)プランジャ17の軸芯には、軸方向へ貫通するプランジャ呼吸孔17aが形成されており、プランジャ17と対向壁Xとの間に形成されるプランジャ後室Aが、プランジャ呼吸孔17a→シャフト25内→スプール呼吸路14e→オイル排出部13gを介して外部空間(エンジンシリンダヘッドの内部空間等)に連通する。
(2)リニアソレノイド12は、プランジャ17が対向壁Xに接近した際に、プランジャ17と対向壁Xとの間に挟まれて、プランジャ17が対向壁Xに近づく力によって軸方向へ弾性変形する金属製の弾性体31を備えている。
(3)この弾性体31は、プランジャ17が対向壁Xに近づく力によって弾性変形した際にプランジャ呼吸孔17aの開度を絞る(開度を小さくする)ように設けられている。
次に、上記(2)、(3)の特徴技術を具体的に説明する。
(4)弾性体31は、プランジャ17の後端部に取り付けられる。
(5)弾性体31には、プランジャ後室Aとプランジャ呼吸孔17aとを連通させる呼吸用連通穴32が形成されており、弾性体31が呼吸用連通穴32の開度を絞ることで、プランジャ呼吸孔17aの開度が絞られる。
(6)呼吸用連通穴32の内径寸法は、プランジャ呼吸孔17aの内径寸法より小径であり、呼吸用連通穴32とプランジャ呼吸孔17aの間には弾性体31による段差が形成されている。
さらに、上記(4)〜(6)を具体的に説明する。
弾性体31は、鉄製薄板など磁性体の金属プレートをプレス加工により、所定形状{図2(c)参照}に切断し、且つ所定形状{図2(a)、(b)参照}に曲折加工したものである。
プレス加工により形成された弾性体31は、フック形(具体的には、く字形の曲折度合がさらに大きくなった形状)に曲折して設けられた第1曲折部33を備える金属プレートであり、第1曲折部33の一方の側の金属プレートは、プランジャ17に固定される座面プレート34として用いられ、第1曲折部33の他方の側の金属プレートは、プランジャ17が対向壁Xに近づいた際に対向壁Xに当接するバネ部35として用いられる。
バネ部35(第1曲折部33を含む)は、プランジャ17と対向壁Xの間に挟まれて軸方向の圧縮力を受けた際に、その圧縮力で塑性変形することなく弾性変形するものである。なお、この実施例の弾性体31は、金属プレートをプレス加工して形成しただけのものであるが、焼き入れを行うなどしたバネ材を用いても良い。
弾性体31は、上述したように、プランジャ17の後端部に取り付けられるものであり、プランジャ17の後端部には、図1に示すように、座面プレート34を嵌め入れるための凹部36が形成されている。凹部36の内周壁には、座面プレート34を係止するための環状溝36aが形成されている。
一方、座面プレート34には、3方向へ延びる係止片34aが形成されており、この係止片34aによって環状溝36aの内部に嵌まり合う返鍔が形成されている。
そして、座面プレート34を凹部36の内部に押し付けることで、係止片34aによる返鍔が環状溝36aに嵌まり合い、プランジャ17の後端部に弾性体31が組み付けられる。
バネ部35は、弾性体31がプランジャ17の後端に組み付けられた状態であっても、バネ部35の一部(自由端側)がプランジャ17の後端面より後方へ所定量(例えば、軸方向へ1mm)突出するものであり、プランジャ17の後端面より突出する部分のバネ部35に軸方向の押圧力を加えると、その押圧力でバネ部35(第1曲折部33を含む)が軸方向へ弾性変形するものである。
座面プレート34の略中心部には、上述した呼吸用連通穴32が貫通形成されており、プランジャ17の後端面より突出する部分のバネ部35に軸方向の押圧力を加えて、バネ部35を軸方向へ弾性変形させることにより、バネ部35が呼吸用連通穴32に接近して呼吸用連通穴32の開度を絞る{図1(b)参照}。
(実施例1の効果1)
本実施例のOCV3は、プランジャ17が前方へ移動している状態からコイル16の通電が停止されるなど、コイル16に与えられる電流値が所定電流値以下に低下すると、プランジャ17が対向壁Xに向かって移動して、プランジャ17が対向壁Xに衝突する。
この時、プランジャ17が対向壁Xに衝突する直前において弾性体31のバネ部35が対向壁Xに先に当接し{図1(b)参照}、プランジャ17が対向壁Xに近づく力(リターンスプリング15によって与えられる力)によってバネ部35が軸方向へ圧縮されて弾性変形する。そして、バネ部35の弾性変形が大きくなるに従い、バネ部35が呼吸用連通穴32の開度を絞り、結果的にプランジャ呼吸孔17aの開度が絞られ、その後にプランジャ17が対向壁Xに当接する。
このように、プランジャ17が対向壁Xに衝突する直前に、(i)弾性体31のバネ部35が軸方向へ弾性変形することでプランジャ17の移動力を吸収してプランジャ17の移動速度が低下するとともに、(ii)弾性体31のバネ部35が呼吸用連通穴32の開度を絞って、プランジャ呼吸孔17aの開度を絞ることでプランジャ後室Aからプランジャ呼吸孔17aへ抜ける流体(オイルの混じった空気)の流速が遅くなり、この結果プランジャ後室Aの容積変動が抑えられてプランジャ17の移動速度が低下する。
即ち、プランジャ17が対向壁Xに衝突する直前に、弾性体31のバネ部35が軸方向へ弾性変形することによる「変形吸収効果」と、プランジャ後室Aの容積変動が抑えられることによる「ダンパー効果」との2つの効果が組み合わされて、プランジャ17が対向壁Xに衝突する際の速度を遅くすることができる。
これにより、プランジャ17が対向壁Xに衝突する際の衝突力を、短い軸方向距離で緩和することができ、リニアソレノイド12の大型化を招かずに、プランジャ17の衝突音を緩和することができる。
(実施例1の効果2)
衝突音を緩和させる弾性体31は金属製であり、軟質性樹脂のようなヘタリが生じない。このため、長期に使用してもプランジャ17のストローク範囲が変化せず、OCV3によるオイルのコントロール性能が劣化しない。
さらに、弾性変形する弾性体31は金属製であるため、軟質性樹脂のような摩耗や破損が生じない。このため、長期に使用しても摩耗や破損に伴う異物が発生せず、長期にわたりOCV3の信頼性を確保できる。
(実施例1の効果3)
弾性体31は、上述したように、プランジャ17の後端部に取り付けられるものであり、プランジャ後室Aとプランジャ呼吸孔17aとを連通させる呼吸用連通穴32を備える。そして、弾性体31のバネ部35が呼吸用連通穴32の開度を絞ることで、プランジャ呼吸孔17aの開度が絞られる。
これにより、バネ部35が軸方向へ弾性変形した際に、高い精度でバネ部35がプランジャ呼吸孔17aの開度を絞ることができ、予め設定された「ダンパー効果」を得ることができる。
(実施例1の効果4)
弾性体31の座面プレート34に設けられる呼吸用連通穴32の内径寸法は、上述したように、プランジャ呼吸孔17aの内径寸法より小径であり、呼吸用連通穴32とプランジャ呼吸孔17aとの間には弾性体31による段差が形成されている。この段差により、プランジャ呼吸孔17aよりプランジャ後室Aに向かうオイル中の異物αをせき止めることができ、プランジャ後室Aへの異物αの侵入を防ぐことができる。このように、プランジャ後室Aへの異物αの侵入が防がれることで、プランジャ17とカップガイドGの間に異物αが侵入する不具合を回避でき、プランジャ17の摩耗と摺動性の悪化を防ぐことができる。
(実施例1の効果5)
弾性体31は、上述したように、鉄板など磁性体金属により設けられたものであり、プランジャ17の後端部に直接取り付けられて、プランジャ17と磁気的に結合されている。
これにより、プランジャ17が磁気吸引ステータ22に磁気吸引されてプランジャ17に磁力が付与されることで、弾性体31にも磁力が発生する。即ち、スプール14が進角側(前方)へ駆動される際に、弾性体31が磁気を帯びる。これにより、プランジャ呼吸孔17aからプランジャ後室Aへ向かう磁性体の異物α(オイルに混じった摩耗粉や切削バリの落下物などの磁性材料よりなる異物)を、呼吸用連通穴32とプランジャ呼吸孔17aとの間における弾性体31の段差に吸着することができる。
具体的には、プランジャ後室Aにオイルが混入した空気が流れるのは、プランジャ後室Aの容積が大きくなる際(プランジャ17に大きな磁気吸引力が付与されて前方へ移動する際)であるため、プランジャ17から弾性体31が受ける磁力により、プランジャ後室Aへ向かう磁性体の異物α(オイルに混じった摩耗粉や切削バリの落下物などの磁性材料よりなる異物)を、呼吸用連通穴32とプランジャ呼吸孔17aとの間における弾性体31の段差に吸着することができる。
逆に、プランジャ17が受ける磁力が弱まる際は、プランジャ後室Aの容積が小さくなり、プランジャ後室Aにおけるオイルが混入した空気は、プランジャ呼吸孔17aを介して前方へ流れる。これにより、弾性体31による段差に吸着された異物αは前方へ流される。
このようにして、プランジャ呼吸孔17aよりプランジャ後室Aに向かう異物αをせき止める効果をさらに高めることができ、プランジャ後室Aへの異物αの侵入をより効率的に防ぐことができる。この結果、異物αによってプランジャ17の摩耗と摺動性が悪化する不具合をより確実に防ぐことができる。
図5、図6を参照して実施例2を説明する。なお、この実施例2において、上記実施例1と同一符号は、同一機能物を示すものである。
この実施例2のOCV3は、上記実施例1の「変形吸収効果」をさらに高めたリニアソレノイド12を搭載するものである。
この実施例2の弾性体31は、鉄製薄板など磁性体の金属プレートをプレス加工により、所定形状{図6(c)参照}に切断し、所定形状{図6(a)、(b)参照}に曲折加工したものである。
プレス加工により形成された弾性体31は、実施例1と同様、フック形に曲折して設けられた第1曲折部33を備える金属プレートであり、第1曲折部33の一方の側の金属プレートは、プランジャ17に固定される座面プレート34として用いられ、第1曲折部33の他方の側の金属プレートは、プランジャ17が対向壁Xに近づいた際に対向壁Xに当接するバネ部35として用いられる。
さらに、この実施例2の弾性体31は、上記に加え、次の構成を採用している。
バネ部35は、バネ部35の長手方向の中間位置においてフック形に曲折して設けられた第2曲折部35aを備える。
第2曲折部35aの一方の側のバネ部35は、プランジャ17と対向壁Xの接近距離が所定の第1接近距離(例えば、1mmなど)に達した際に対向壁Xに当接する第1バネ部35bであり、第2曲折部35aの他方の側のバネ部35は、プランジャ17と対向壁Xの接近距離が第1接近距離より軸方向に短い第2接近距離(例えば、0.5mmなど)に達した際に座面プレート34に当接する第2バネ部35cである。
この第2バネ部35cは、軸方向に加圧された際に、呼吸用連通穴32の大半を閉塞するように設けられている{図5(c)参照}。
プランジャ17が対向壁Xに衝突する際、衝突する直前において、先ず第1バネ部35bが対向壁Xに当接し{図5(b)参照}、第1バネ部35bが軸方向へ圧縮されて弾性変形する。第1バネ部35bの弾性変形が大きくなると、第2バネ部35cが座面プレート34に当接し、第2バネ部35cが呼吸用連通穴32の開度を絞る{図5(c)参照}。
一方、第2バネ部35cが座面プレート34に当接することで、第1バネ部35bが第1、第2曲折部33、35aを介して座面プレート34に支持される構造となり、第1バネ部35bの軸方向のバネ定数が大きくなる。
このように、この実施例2では、プランジャ17と対向壁Xとの間でバネ部35が軸方向へ圧縮されるに従い、バネ部35のバネ定数が『小→大』に変化する。
この実施例2のリニアソレノイド12は、上記の構成を採用することにより、プランジャ17が対向壁Xに衝突する直前において、先ず「小さいバネ定数」によるバネ部35の弾性変形によってプランジャ17の速度を遅くし、続いて「大きいバネ定数」によるバネ部35の弾性変形によってより大きな荷重を受けてプランジャ17の速度を遅くすることができる。これによって、実施例1で示した「変形吸収効果」をさらに高めることができ、プランジャ17の衝突音の低減効果を高めることができる。
〔変形例〕
上記の実施例では、弾性体31が弾性変形してプランジャ17と対向壁Xとの間の容積変動室(実施例では、プランジャ後室A)の呼吸を行うための呼吸孔(実施例では、プランジャ呼吸孔17a)の開度を絞る例を示したが、弾性体31が弾性変形した際に、呼吸孔を閉塞して「ダンパー効果」を高めても良い。なお、プランジャ17が対向壁Xに衝突する直前に呼吸孔を閉じても、プランジャ摺動部のクリアランス等による流体の流れによってプランジャ17は対向壁Xに当接する。
上記の実施例では、弾性体31を磁性体金属で設ける例を示したが、弾性体31をステンレス板、黄銅板などの非磁性体金属で設けても良い。このように、弾性体31を非磁性体金属で設けることで、弾性体31の磁化による磁性体の異物αの吸着効果は無くなるが、実施例1、2で示した他の効果を得ることができる。
上記の実施例では、弾性体31が弾性変形してプランジャ呼吸孔17aの開度を絞る(あるいは閉じる)例を示したが、プランジャ17と対向壁Xとの間の容積変動室(実施例では、プランジャ後室A)の呼吸孔(実施例では、プランジャ呼吸孔17a)が固定部材側(例えば、ステータや、ヨーク等)に設けられる場合には、弾性体31が弾性変形して「固定部材側の呼吸孔」の開度を絞る(あるいは閉じる)ように設けても良い。即ち、例えば特許文献1に開示されるリニアソレノイド等に本発明を適用しても良い。
上記の実施例で示したVCT1および油圧回路2は一例であって、他の構成を備えたVCT1および油圧回路2を用いても良い。
上記の実施例では、VVTに用いられるOCV3に本発明を適用する例を示したが、VVT以外の用途に用いられる電磁弁(例えば、自動変速機の油圧制御用の電磁弁等)に本発明を適用しても良い。
上記の実施例では、リニアソレノイド12が駆動するバルブ装置の一例としてスプール弁11を例示したが、ボール弁など、他のバルブ装置を駆動するリニアソレノイド12に本発明を適用しても良い。
上記の実施例では、バルブ装置を駆動するリニアソレノイド12に本発明を適用したが、バルブ装置とは異なる他の駆動対象物を駆動するリニアソレノイド12に本発明を適用しても良い。
リニアソレノイドの要部拡大断面図である(実施例1)。 弾性体の側面断面図、正面図、展開形状を示す図である(実施例1)。 OCVの軸方向に沿う断面図である(実施例1)。 VVTの概略図である。 リニアソレノイドの要部拡大断面図である(実施例2)。 弾性体の側面断面図、正面図、展開形状を示す図である(実施例2)。
符号の説明
11 スプール弁(バルブ装置)
12 リニアソレノイド
13 スリーブ(バルブボディ)
14 スプール(可動弁体)
15 リターンスプリング
17 プランジャ
17a プランジャ呼吸孔(外部空間に通じる呼吸孔)
31 弾性体
32 呼吸用連通穴
33 第1曲折部
34 座面プレート
35 バネ部
35a 第2曲折部
35b 第1バネ部
35c 第2バネ部
A プランジャ後室(プランジャと対向壁との間の容積変動室)
X 対向壁

Claims (8)

  1. 磁力によって軸方向へ駆動されるプランジャを備え、
    このプランジャと、該プランジャの移動方向の一方に存在する対向壁との間に形成される容積変動室が、外部空間に通じる呼吸孔に連通することで容積変動するリニアソレノイドにおいて、
    このリニアソレノイドは、前記プランジャが前記対向壁に接近した際に、前記プランジャと前記対向壁との間に挟まれて、前記プランジャが前記対向壁に近づく力によって弾性変形する金属製の弾性体を備え、
    この弾性体は、前記プランジャが前記対向壁に近づく力によって弾性変形した際に前記呼吸孔を閉塞、あるいは前記呼吸孔の開度を絞ることを特徴とするリニアソレノイド。
  2. 請求項1に記載のリニアソレノイドにおいて、
    前記呼吸孔は、前記プランジャにおいて軸方向へ貫通形成されたプランジャ呼吸孔であることを特徴とするリニアソレノイド。
  3. 請求項2に記載のリニアソレノイドにおいて、
    前記弾性体は、前記プランジャの端部に取り付けられるものであり、
    前記容積変動室と前記プランジャ呼吸孔とを連通させる呼吸用連通穴を備え、
    前記弾性体が前記呼吸用連通穴を閉塞、あるいは前記呼吸用連通穴の開度を絞ることで、前記プランジャ呼吸孔が閉塞、あるいは前記プランジャ呼吸孔の開度が絞られることを特徴とするリニアソレノイド。
  4. 請求項3に記載のリニアソレノイドにおいて、
    前記呼吸用連通穴の内径寸法は、前記プランジャ呼吸孔の内径寸法より小径であり、前記呼吸用連通穴と前記プランジャ呼吸孔の間には前記弾性体による段差が形成されることを特徴とするリニアソレノイド。
  5. 請求項4に記載のリニアソレノイドにおいて、
    前記弾性体は、磁性体であり、前記プランジャと磁気的に結合されていることを特徴とするリニアソレノイド。
  6. 請求項2〜請求項5のいずれかに記載のリニアソレノイドにおいて、
    前記弾性体は、曲折して設けられた第1曲折部を備えた金属プレートであり、
    前記第1曲折部の一方の側の金属プレートは、前記プランジャに固定される座面プレートであり、
    前記第1曲折部の他方の側の金属プレートは、前記プランジャが前記対向壁に近づいた際に前記対向壁に当接するバネ部であり、
    このバネ部が軸方向へ変形することで、当該バネ部が前記プランジャ呼吸孔の開度を絞ることを特徴とするリニアソレノイド。
  7. 請求項6に記載のリニアソレノイドにおいて、
    前記バネ部は、曲折して設けられた第2曲折部を備えた金属プレートであり、
    前記第2曲折部の一方の側のバネ部は、前記プランジャと前記対向壁の接近距離が所定の第1接近距離に達した際に前記対向壁に当接する第1バネ部であり、
    前記第2曲折部の他方の側のバネ部は、前記プランジャと前記対向壁の接近距離が前記第1接近距離より軸方向に短い第2接近距離に達した際に前記座面プレートに当接する第2バネ部であり、
    この第2バネ部が前記座面プレートに当接することで、前記第1バネ部が第1、第2曲折部を介して前記座面プレートに支持されてバネ定数が大きくなることを特徴とするリニアソレノイド。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれかに記載のリニアソレノイドにおいて、
    このリニアソレノイドは、バルブボディ、可動弁体、リターンスプリングを備えたバルブ装置と結合して設けられ、
    前記リターンスプリングによって、前記プランジャが前記対向壁に近づく力が与えられることを特徴とするリニアソレノイド。
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