JP2009036083A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】センサの被水による破損を抑制する。
【解決手段】内燃機関1の排気通路2内にマイクロ波を発生するマイクロ波発生装置3と、マイクロ波発生装置3よりも下流に設けられるセンサ4と、センサ4よりも下流に設けられ排気を浄化する排気浄化触媒5と、を備える。マイクロ波発生装置3を用いると、凝縮水を蒸発させることができる。つまり、センサ4が被水することを抑制できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関する。
排気浄化触媒よりも上流にマイクロ波発生装置を設け触媒の昇温を図る技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、バーナを用いて排ガスセンサの被水を抑制する技術が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平6−123222号公報 特開2004−316594号公報
ここで、熱媒体を用いて凝縮水を加熱する場合には、熱媒体と凝縮水とが直接接しなければ効果が小さい。そのため、凝縮水を全て蒸発させることが困難な場合がある。
本発明は、上記したような問題点に鑑みてなされたものであり、内燃機関の排気浄化装置において、センサの被水による破損を抑制する技術を提供することを目的とする。
上記課題を達成するために本発明による内燃機関の排気浄化装置は、以下の手段を採用した。すなわち、本発明による内燃機関の排気浄化装置は、
内燃機関の排気通路内にマイクロ波を発生するマイクロ波発生装置と、
前記マイクロ波発生装置よりも下流に設けられるセンサと、
前記センサよりも下流に設けられ排気を浄化する排気浄化触媒と、
を備えることを特徴とする。
内燃機関の冷間始動時には、排気通路内に凝縮水が発生する。この凝縮水によりセンサが被水すると、該センサが破損する虞がある。これに対し、マイクロ波発生装置を用いると、凝縮水を蒸発させることができる。つまり、センサが被水することを抑制できる。
また、凝縮水が蒸発して温度の高い水蒸気となっており、この水蒸気が排気浄化触媒へ流入するため、該排気浄化触媒の温度を速やかに上昇させることができる。
つまり本発明においては、前記排気浄化触媒の温度を上昇させるときに、前記マイクロ波発生装置により排気中に含まれる水分を蒸発させることができる。
マイクロ波発生装置により蒸発した水分をさらに加熱すると、過熱水蒸気となる。この過熱水蒸気が排気浄化触媒へ流入することにより、該排気浄化触媒の内部では、水の凝縮による伝熱と過熱水蒸気の放射とにより該排気浄化触媒の温度が急上昇する。
本発明においては、前記マイクロ波発生装置よりも上流側から排気中へ水分を供給する水分供給装置をさらに備えることができる。
内燃機関からの排気には水分が含まれているが、それだけでは排気浄化触媒の温度を十分に上昇させることが困難な場合もある。この場合、水分供給装置から水分を供給するこ
とにより、過熱水蒸気をより多く生成することができるため、排気浄化触媒の温度を速やかに上昇させることができる。なお、水分供給装置から供給する水分の量は、センサが被水により破損しない範囲とする。
本発明においては、排気通路で凝縮する水を貯留する貯留装置をさらに備え、前記水分供給装置は前記貯留装置に貯留されている水を排気中へ供給することができる。
マイクロ波発生装置により水分を蒸発させたとしても、排気浄化触媒や排気通路内で再度凝縮水が発生することがある。この凝縮水を集めて貯留しておき、排気浄化触媒を加熱するときに水分供給装置から排気通路内へ供給すれば、水を補給する必要がなくなったり、補給する回数を減らしたりすることができる。
本発明においては、内燃機関の始動から所定の期間が経過するまで、前記マイクロ波発生装置によりマイクロ波を発生させることができる。
所定の期間とは、排気浄化触媒の過熱を抑制し得る期間としても良く、センサの破損を抑制し得る期間としても良い。つまり、所定の期間に限ってマイクロ波を発生させることにより、排気浄化触媒の過熱を抑制したり、エネルギの消費量を低減したりできる。
本発明においては、内燃機関の暖機完了を判定する判定手段をさらに備え、内燃機関の始動から前記マイクロ波発生装置によりマイクロ波を発生させ、前記判定手段により内燃機関の暖機が完了したと判定された場合にマイクロ波の発生を停止させることができる。
マイクロ波発生装置からマイクロ波を発生させるのは、内燃機関の始動と同時であっても、また内燃機関の始動前からであっても良く、始動後であっても良い。
例えば冷却水温度や潤滑油温度、または排気温度が所定の温度まで上昇したときに暖気が完了したと判定できる。暖機が完了するまでの期間に限ってマイクロ波を発生させることにより、排気浄化触媒の過熱を抑制できる。また、エネルギの消費量を低減できる。
本発明に係る内燃機関の排気浄化装置によれば、センサの被水による破損を抑制することができる。
以下、本発明に係る内燃機関の排気浄化装置の具体的な実施態様について図面に基づいて説明する。
図1は、本実施例に係る内燃機関1とその排気系の概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1は、水冷式の4サイクル・ガソリンエンジンである。
内燃機関1には、燃焼室へ通じる排気通路2が接続されている。この排気通路2は、下流にて大気へと通じている。前記排気通路2には、上流側(すなわち、内燃機関1側)から順に、マイクロ波発生装置3と、空燃比センサ4と、排気浄化触媒5と、が設けられている。空燃比センサ4は、酸素濃度センサであっても良く、また、他のセンサであっても良い。また、排気浄化触媒5は、例えば酸化触媒、三元触媒、NOx触媒等を採用するこ
とができる。さらに、パティキュレートフィルタと触媒とが組み合わされていても良い。
マイクロ波発生装置3は、排気通路2の内部に2.45GHzのマイクロ波を発生させ
る。なお排気通路2には、内燃機関1の排気ポート、排気マニホールド、排気管が含まれる。つまり、内燃機関1の排気ポート、排気マニホールド、排気管にマイクロ波発生装置3を取り付けることができる。
また、内燃機関1には、該内燃機関1の冷却水温度を測定する水温センサ11が取り付けられている。
以上述べたように構成された内燃機関1には、該内燃機関1を制御するための電子制御ユニットであるECU10が併設されている。このECU10は、内燃機関1の運転条件や運転者の要求に応じて内燃機関1の運転状態を制御するユニットである。
そして、ECU10には空燃比センサ4及び水温センサ11が電気配線を介して接続され、該空燃比センサ4及び水温センサ11の出力信号がECU10へ入力されるようになっている。一方、ECU10には、マイクロ波発生装置3が電気配線を介して接続され、該ECU10によりマイクロ波発生装置3が制御される。
ところで、空燃比センサ4では、センサ素子が電気ヒータにより例えば600℃に加熱されている。このようなセンサ素子に水が付着すると、他の箇所との温度差により該センサ素子が割れる虞がある。このようにセンサ素子が割れることを以下、被水割れという。
ここで、内燃機関1からの排気中には、燃料が燃焼することにより発生する水蒸気が含まれている。そして、内燃機関1の冷間始動時には排気通路2の温度が低いことから排気中の水蒸気が凝縮して水になる。さらに、凝縮水が排気と共に空燃比センサ4に到達すると、被水割れが起こる虞がある。
そこで本実施例では、内燃機関1の冷間始動時にマイクロ波発生装置3によりマイクロ波を発生させて、排気中に含まれる液体の水を蒸発させる。
マイクロ波発生装置3により発生したマイクロ波は、排気通路2内で繰り返し反射する。そして、マイクロ波発生装置3から離れた位置にある水分子を振動させることにより加熱して、凝縮水を蒸発させることができる。凝縮水が蒸発した後もさらに加熱を続けることにより、過熱水蒸気とすることもできる。
つまり、排気中に液体の水が殆ど含まれなくなるため、空燃比センサ4に水が付着することが抑制できるので、該空燃比センサ4の被水割れを抑制できる。
ここで、熱媒体を用いて水を加熱する方法だと、熱媒体と水とが接触し難いため、水を全て蒸発させるのが困難な場合がある。一方、マイクロ波を用いることにより水を直接加熱させることができるため、より多くの水を蒸発させることができる。また、水を直接加熱するため、応答性も高い。
図2は、本実施例におけるマイクロ波発生装置3の制御フローを示したフローチャートである。本ルーチンは内燃機関1の始動時に実行される。
ステップS101では、マイクロ波発生装置3によりマイクロ波が発生される。
ステップS102では、一定時間カウントされる。この一定時間とは、空燃比センサ4の被水割れが発生する虞のない時間としても良く、排気浄化触媒5が過熱する虞のない時間としても良い。また、内燃機関1の暖機が完了する時間としてもよい。この時間は予め実験等により求めておく。
そしてステップS103では、マイクロ波発生装置3によるマイクロ波の発生が停止される。
すなわち、内燃機関1や排気通路2の温度が十分に高くなって(すなわち暖機が完了して)いれば、空燃比センサ4の被水割れが起こり難くなるため、マイクロ波の発生を停止させることができる。また、過熱水蒸気により排気浄化触媒5が過熱する虞のある場合にはマイクロ波の発生を停止させて、排気浄化触媒5の過熱を抑制する。
このようにして、不要なマイクロ波の発生を抑制できるため、エネルギの消費を抑えることができるので、燃費を向上させることができる。また、排気浄化触媒5の過熱を抑制できる。
また、図3は、本実施例におけるマイクロ波発生装置3の他の制御フローを示したフローチャートである。本ルーチンは内燃機関1の始動時に実行される。なお、図2と同じ処理が行なわれるステップについては同じ符号を付して説明を省略する。
ステップS201では、例えば内燃機関1の冷却水温度が測定される。ここでは、内燃機関1の暖機の状況を見るために、該暖機の状況と関連する冷却水温度や潤滑油温度、または排気温度等の少なくとも1つが測定される。
ステップS202では、ステップS201で測定された温度が、閾値以上であるか否か判定される。閾値は、暖機が完了した値として予め設定しておく。ステップS202で肯定判定がなされた場合には暖機が完了しているため、ステップS103へ進んでマイクロ波の発生が停止される。ステップS202で否定判定がなされた場合には暖機が完了していないため、ステップS201へ戻って引き続きマイクロ波が発生される。なお、本実施例においてはステップS202を実行するECU10が、本発明における判定手段に相当する。
このようにして、暖機完了時に速やかにマイクロ波の発生を停止することができるため、エネルギの消費を抑えることができるので、燃費を向上させることができる。また、排気浄化触媒5の過熱を抑制できる。
以上説明したように本実施例によれば、マイクロ波により凝縮水を蒸発させるために、空燃比センサ4の被水割れを抑制できる。また、マイクロ波を発生させる時期を定めることにより、燃費を向上させたり排気浄化触媒5の過熱を抑制したりできる。
なお本実施例においては、排気浄化触媒5の温度を測定し、該排気浄化触媒5が過熱する虞のある場合にマイクロ波発生装置3によるマイクロ波の発生を停止させても良い。
本実施例では、マイクロ波発生装置3によりマイクロ波を発生させて排気浄化触媒5の温度を上昇させる。その他の装置については実施例1と同じため、説明を省略する。
まず、マイクロ波発生装置3により蒸発させた水をさらに加熱して過熱水蒸気とする。この過熱水蒸気が温度の低い排気浄化触媒5に流入すると、該排気浄化触媒5内で再度凝縮する。このときの凝縮伝熱と、過熱水蒸気からの放射熱と、により排気浄化触媒5の温度を上昇させることができる。なお、過熱水蒸気の放射率は0.22であり、水分を含まない熱風の放射率は0である。
ここで、熱媒体を用いて排気浄化触媒5の温度を上昇させようとしても、水蒸気の温度は熱媒体の温度以上にはならないが、マイクロ波による加熱は排気の水蒸気の温度をより高く上げることができる。つまり、凝縮水を蒸発させて過熱水蒸気とすれば、排気浄化触媒5の温度を急上昇させることができる。
このようにして、排気浄化触媒5を例えば活性化させることができるため、内燃機関1の冷間始動時であっても速やかに排気を浄化することが可能となる。
なお、内燃機関1で発生する水だけでは排気浄化触媒5の温度を十分に上昇させることができない場合には、排気中に水を供給してもよい。
図4は、本実施例に係る内燃機関1とその排気系の概略構成を示す図である。マイクロ波発生装置3よりも上流側の排気通路に水噴射装置6が取り付けられている。水噴射装置6は、ECU10からの信号により作動して、排気中に水を噴射させる。この水噴射装置6には、水を貯留するためのタンク7が接続されている。タンク7に貯留されている水が水噴射装置6に供給され、この水が排気中に噴射される。なお、本実施例においては水噴射装置6が、本発明における水分供給装置に相当する。また、本実施例においてはタンク7が、本発明における貯留装置に相当する。
このときに噴射させる水の量は、空燃比センサ4にて被水割れが起きない程度とする。これにより、空燃比センサ4の被水割れを抑制しつつ、排気浄化触媒5へより多くの過熱水蒸気を供給することができるため、該排気浄化触媒5の温度を速やかに上昇させることができる。
また、排気通路2の内壁や排気浄化触媒5内で凝縮した水を集めてタンク7に貯留してもよい。
図5は、水を取得するための水取得管8の概略図である。水取得管8は、排気浄化触媒5と、その上流側及び下流側の排気通路2と、タンク7と、に接続されている。排気浄化触媒5と、その上流側及び下流側の排気通路2とで発生した凝縮水が重力により下部に溜まる場所に水取得管8が接続されている。また、タンク7に凝縮水が流れ込むように、夫々の設置位置が決定される。
このようにして凝縮水をタンク7に集めることができるため、タンク7に給水する必要がなくなったり、給水する回数を減少させたりすることができる。
以上説明したように本実施例によれば、マイクロ波を発生させることにより排気浄化触媒5の温度を速やかに上昇させることができる。
実施例に係る内燃機関とその排気系の概略構成を示す図である。 実施例におけるマイクロ波発生装置の制御フローを示したフローチャートである。 実施例におけるマイクロ波発生装置の他の制御フローを示したフローチャートである。 実施例2に係る内燃機関とその排気系の概略構成を示す図である。 水を取得するための水取得管の概略図である。
符号の説明
1 内燃機関
2 排気通路
3 マイクロ波発生装置
4 空燃比センサ
5 排気浄化触媒
6 水噴射装置
7 タンク
8 水取得管
10 ECU
11 水温センサ

Claims (6)

  1. 内燃機関の排気通路内にマイクロ波を発生するマイクロ波発生装置と、
    前記マイクロ波発生装置よりも下流に設けられるセンサと、
    前記センサよりも下流に設けられ排気を浄化する排気浄化触媒と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 前記排気浄化触媒の温度を上昇させるときに、前記マイクロ波発生装置により排気中に含まれる水分を蒸発させることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 前記マイクロ波発生装置よりも上流側から排気中へ水分を供給する水分供給装置をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 排気通路で凝縮する水を貯留する貯留装置をさらに備え、前記水分供給装置は前記貯留装置に貯留されている水を排気中へ供給することを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  5. 内燃機関の始動から所定の期間が経過するまで、前記マイクロ波発生装置によりマイクロ波を発生させることを特徴とする請求項1から4の何れか1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  6. 内燃機関の暖機完了を判定する判定手段をさらに備え、内燃機関の始動から前記マイクロ波発生装置によりマイクロ波を発生させ、前記判定手段により内燃機関の暖機が完了したと判定された場合にマイクロ波の発生を停止させることを特徴とする請求項1から4の何れか1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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WO2017022714A1 (ja) * 2015-07-31 2017-02-09 イマジニアリング株式会社 触媒加熱装置

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