JP2009036082A - 圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】 吐出量を調整する際の駆動軸のガタを防止し、駆動軸を支持するスラストベアリングの耐久性を向上させる。
【解決手段】 クランク室31内に挿通された駆動軸3と、クランク室31内で駆動軸3と一体に回転し駆動軸3に対する傾斜角を変えることが可能な斜板5と、斜板5の回転によって駆動されると共に、傾斜角を変えると吐出量が調整される複数のポンプ機構7とを有し、ポンプ機構7の吐出圧をクランク室31内に導入してクランク室31内の圧力を上昇させてポンプ機構7のピストン35の背圧を上昇させ、ポンプ機構7のシリンダ37内圧との差圧により斜板5の傾斜角を小さくしてポンプ機構7からの吐出量が減少するように構成された圧縮機1であって、ポンプ機構7からの吐出量を減少させる際に、ピストン35の背圧が作用する方向と反対方向に駆動軸3を押圧して軸方向に安定させる圧力付加手段9を設けた。
【選択図】 図1
【解決手段】 クランク室31内に挿通された駆動軸3と、クランク室31内で駆動軸3と一体に回転し駆動軸3に対する傾斜角を変えることが可能な斜板5と、斜板5の回転によって駆動されると共に、傾斜角を変えると吐出量が調整される複数のポンプ機構7とを有し、ポンプ機構7の吐出圧をクランク室31内に導入してクランク室31内の圧力を上昇させてポンプ機構7のピストン35の背圧を上昇させ、ポンプ機構7のシリンダ37内圧との差圧により斜板5の傾斜角を小さくしてポンプ機構7からの吐出量が減少するように構成された圧縮機1であって、ポンプ機構7からの吐出量を減少させる際に、ピストン35の背圧が作用する方向と反対方向に駆動軸3を押圧して軸方向に安定させる圧力付加手段9を設けた。
【選択図】 図1
Description
本発明は、例えば、車両の空調システムにおいて冷媒を圧縮する圧縮機に関する。
特許文献1には「クラッチレス片側ピストン式可変容量圧縮機」が記載されている。
斜板式圧縮機であるこのピストン式可変容量圧縮機は、斜板を回転させてポンプ機構のピストンを往復駆動し、斜板の傾斜角を変えて容量(吐出量)を調整する。傾斜角の調整はポンプ機構の吐出圧によりピストンの背圧を調整することによって行われるが、斜板の傾斜角を緩くする(容量を小さくする)際に斜板を介して駆動軸に掛かるスラスト力を負担するためにスラストベアリングと皿バネが用いられている。
特許3503179号公報
ところが、傾斜角を緩くする際に駆動軸に軸方向の圧力(荷重)が掛かると、駆動軸は皿バネによって抑え付けることができなくなり、不安定な状態になって軸方向振動によるガタ音が発生することがある。
しかし、駆動軸を抑えるために皿バネのバネ常数を大きくすると、スラストベアリングに対する荷重が増加し、その耐久性が低下する恐れがある。
そこで、この発明は、容量(吐出量)を減少させる際に、駆動軸を軸方向に支持してガタを防止すると共に、駆動軸を支持するスラストベアリングの耐久性を向上させる圧縮機の提供を目的としている。
請求項1の圧縮機は、クランク室内に挿通された駆動軸と、前記クランク室内で前記駆動軸と一体に回転し前記駆動軸に対する傾斜角を変えることが可能な斜板と、前記斜板の回転によって駆動されると共に、前記傾斜角を変えると吐出量が調整される複数のポンプ機構とを有し、前記ポンプ機構の吐出圧を前記クランク室内に導入して前記クランク室内の圧力を上昇させて前記ポンプ機構のピストンの背圧を上昇させ前記ポンプ機構のシリンダ内圧との差圧により前記斜板の傾斜角を小さくして前記ポンプ機構からの吐出量が減少するように構成された圧縮機であって、前記ポンプ機構からの吐出量を減少させる際に、前記ピストンの背圧が作用する方向と反対方向に前記駆動軸を押圧して軸方向に安定させる圧力付加手段を設けたことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載された発明であって、前記圧力付加手段の押圧力が、前記駆動軸の端部を押圧することを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2に記載された発明であって、前記駆動軸の前記端部にプランジャを装着し、前記圧力付加手段から受ける押圧力を増大させたことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項3に記載された発明であって、前記プランジャが、前記駆動軸を軸方向及び径方向に支持する軸受として機能することを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載された発明であって、前記駆動軸の前記端部に開口する軸方向流路と、前記軸方向流路と連通する径方向流路とからなり、吐出量を減少させる際に前記ポンプ機構からの吐出圧を通す調整流路を設け、前記径方向流路の断面積を前記軸方向流路の断面積より狭くして圧力集中部を形成し、前記吐出圧をこの圧力集中部で受けることにより、前記圧力付加手段から受ける押圧力を増大させたことを特徴とする。
請求項1の圧縮機は、斜板の傾斜角を小さくする(吐出量を減少させる)際に、ポンプ機構の吐出圧を利用した圧力付加手段が、ピストンの背圧が作用する方向と反対方向に駆動軸を押圧し、軸方向に支持して安定させることにより、ガタ音の発生が防止される。
従って、駆動軸を軸方向に抑えるためにバネを用いる構成では、そのバネ常数を大きくする必要がなくなる上に、バネ常数を大きくすることに伴うスラストベアリングに対する荷重増加と耐久性低下も防止される。
また、吐出量を減少させるときに圧力付加手段が過渡的に駆動軸を押圧するだけなので、駆動軸を支持するスラストベアリングに対する負荷は僅かであり、耐久性の低下が防止される。
また、ポンプ機構の吐出圧を駆動軸の支持に利用する本発明では、圧力付加手段による駆動軸の押圧力を、例えば、熱負荷の変動に応じて自由に制御することが可能であり、駆動軸の支持とガタ音発生の防止を極めて効果的に行える。
また、ポンプ機構の吐出圧を利用する本発明は、駆動軸を支持するための部材を追加する必要がなく、それだけ低コストに実施できる。
請求項2の圧縮機は、斜板の傾斜角を小さくする際に、圧力付加手段が駆動軸の端部を押圧し、駆動軸を軸方向に支持して安定させ、ガタ音の発生を防止する。
請求項3の圧縮機は、駆動軸の端部にプランジャを装着したことによって圧力付加手段から受ける押圧力が増加し、駆動軸の軸方向安定効果と、ガタ音発生の防止効果がさらに増大する。
請求項4の圧縮機は、プランジャが、駆動軸を軸方向及び径方向に支持する軸受を兼ねることによって、スラストベアリングとラジアルベアリングが不要になるから、それだけコストを低減することができる。
請求項5の圧縮機は、吐出量を減少させる際に吐出圧を通す調整流路で形成した圧力集中部(例えば、オリフィス)で吐出圧を受け、圧力付加手段の押圧力を増大させたことにより、駆動軸の軸方向安定機能と、ガタ音発生の防止効果がさらに増大する。
<第1実施形態>
図1と図2とによって斜板式圧縮機1(圧縮機)の説明をする。図1は斜板式圧縮機1の断面図であり、左右の方向は図1での左右の方向である。
図1と図2とによって斜板式圧縮機1(圧縮機)の説明をする。図1は斜板式圧縮機1の断面図であり、左右の方向は図1での左右の方向である。
本実施形態の斜板式圧縮機1は、クランク室31内に挿通された駆動軸3と、クランク室31内で駆動軸3と一体に回転し駆動軸3に対する傾斜角を変えることが可能な斜板5と、斜板5の回転によって駆動されると共に、傾斜角を変えると吐出量が調整される複数のポンプ機構7とを有している。
また、本実施形態の斜板式圧縮機1は、ポンプ機構7の吐出圧をクランク室31内に導入してクランク室31内の圧力を上昇させてポンプ機構7のピストン35の背圧を上昇させ、ポンプ機構7のシリンダ37内圧との差圧により斜板5の傾斜角を小さくしてポンプ機構7からの吐出量が減少するように構成されている。
そして、本実施形態の斜板式圧縮機1は、ポンプ機構7からの吐出量を減少させる際に、ピストン35の背圧が作用する方向と反対方向に駆動軸3を押圧して軸方向に安定させる圧力付加手段9を設けた。
また、圧力付加手段9の前記押圧力は、駆動軸3の端面11(端部)を押圧する。
また、本実施形態の斜板式圧縮1は、駆動軸3の端面11に開口する軸方向流路13と、軸方向流路13と連通する径方向流路15とからなり、吐出量を減少させる際にポンプ機構7からの吐出圧を通す調整流路17を設け、径方向流路15の断面積(径)を軸方向流路13の断面積(径)より小径に(狭く)してオリフィス19(圧力集中部)を形成し、前記吐出圧をオリフィス19で受けることにより、圧力付加手段9の押圧力を増大させた。
斜板式圧縮機1は、車両用空調装置の冷却システムに用いられており、斜板式圧縮機1によって断熱圧縮された高温高圧の冷媒ガスは、コンデンサ(凝縮器)で液化し、膨張弁で断熱膨張し、エバポレータ(蒸発器)で冷風を作り出しながら加熱されて気化し、斜板式圧縮機1に戻って断熱圧縮される。斜板式圧縮機1の吐出量調整は冷却システムの熱負荷の変化に応じて行われる。また、冷媒ガスには適量の潤滑オイルが混入されている。
斜板式圧縮機1は、図1に示すように、圧縮機ハウジングに収容されており、この圧縮機ハウジングはフロントハウジング21とシリンダブロック23とバルブプレート25とリヤハウジング27からなり、これらは通しボルト29で一体に連結されている。フロントハウジング21とシリンダブロック23との間にはクランク室31が形成され、クランク室31には潤滑オイルが封入されている。フロントハウジング21と駆動軸3との間にはリップシール33が配置され、圧縮機ハウジングからのオイル及び冷媒ガスの漏れと異物の侵入とを防止している。
各ポンプ機構7は、ピストン35とシリンダ37からなり、各シリンダ37はシリンダブロック23に周方向等間隔に形成され、シリンダブロック23にはシリンダ通路39が形成されている。リヤハウジング27には各シリンダ37と連通する冷媒吸入室41(低圧側)と冷媒吐出室43(高圧側)と冷媒流路45とが形成されている。また、リヤハウジング27の内部にはコントロールバルブ47が配置され、冷媒吸入室41と冷媒吐出室43とに連通している。
バルブプレート25とシリンダ37との間には吸入弁が配置され、バルブプレート25と冷媒吐出室43との間には吐出弁が配置されている。冷媒吸入室41は流路を介してエバポレータ側に接続され、冷媒吐出室43は流路を介してコンデンサ側に接続されている。
駆動軸3は左端部をラジアルベアリング49によってフロントハウジング21に支持され、右端部をラジアルベアリング51によってシリンダブロック23に支持され、クランク室31内に挿通されている。また、駆動軸3の外周には、回転部材53が圧入固定され、スリーブ55が軸方向摺動自在に取り付けられている。スリーブ55にはハブ部材57がピンで揺動自在に連結されており、斜板5はハブ部材57の外周に螺着され、ワッシャ59で位置決めされている。斜板5の外縁部分は、その両面側に配置された半球状のピストンシュー61を介してポンプ機構7の各ピストン35に揺動自在に連結されている。クランク室31内部の潤滑オイルは回転部材53とハブ部材57と斜板5などの回転によって撹拌され、冷媒ガスと混合しミスト状のオイル(オイルミスト)になっている。
回転部材53とフロントハウジング21との間にはスラストベアリング63が配置され、駆動軸3に掛かる左方へのスラスト力を受けている。また、駆動軸3とシリンダブロック23との間には、図2のように、左からレース65とスラストベアリング67とレース65と皿バネ69が配置され、駆動軸3に掛かる右方へのスラスト力を受けており、このとき、皿バネ69は駆動軸3を軸方向に安定させるために駆動軸3を左方に押し返している。
回転部材53とハブ部材57はそれぞれのアーム71,73をリンク75とピン77,77とで回動自在に連結することにより、ハブ部材57(斜板5)の駆動軸3に対する揺動角度を規制している。エンジンからの回転トルクは電磁摩擦クラッチを介して駆動軸3(回転部材53)に伝達され、この回転はアーム71,73とリンク75とピン77,77とを介してハブ部材57(斜板5)を回転させる。斜板5はこの回転により各ピストンシュー61と摺動しながら、その傾斜角に応じたストロークで各ピストン35を軸方向に往復移動させ、ストロークに応じた吐出量で各ポンプ機構7を駆動し、冷媒ガスを圧縮する。電磁摩擦クラッチが駆動軸3をエンジン側から遮断すると斜板式圧縮機1は停止する。
斜板5とハブ部材57がスリーブ55と共に駆動軸3上をシリンダブロック23側(右方)に移動すると斜板5の傾斜角が小さくなって各ピストン35のストロークとポンプ機構7の吐出量が小さくなり、斜板5の傾斜角が零になるとストロークと吐出量が最小になる。また、斜板5とハブ部材57とスリーブ55が回転部材53側(左方)に移動すると傾斜角とストロークが大きくなり、ハブ部材57と回転部材53とが接触箇所79で突き当たると、斜板5の傾斜角とストロークが最大になり、ポンプ機構7の吐出量を最大値に規制する。
また、スリーブ55は、回転部材53との間に配置されたリターンスプリング81と、駆動軸3上の止め輪との間に配置されたリターンスプリング83とによって軸方向に保持されている。リターンスプリング83の付勢力はリターンスプリング81の付勢力より大きくされており、クランク室31の圧力が低い間は、図1のように、リターンスプリング83はリターンスプリング81を撓めてスリーブ55とハブ部材57を左方に移動させ、斜板5の傾斜角とポンプ機構7の吐出量を最大値に保っている。この状態からクランク室31の圧力を上げると、リターンスプリング83の付勢力に抗してスリーブ55とハブ部材57が右方に移動し、斜板5の傾斜角とポンプ機構7の吐出量が減少する。
このようなクランク室31の圧力調整は、コントローラに制御されるコントロールバルブ47によって行われ、傾斜角と吐出量を最大の状態(図1)から減少させるときは、調整流路17(軸方向流路13から径方向流路15)を介してクランク室31に冷媒ガスを移動させてクランク室31を高圧にし、傾斜角と吐出量を増加させるときは、調整流路17を介してのクランク室31への冷媒ガス移動を停止し、シリンダ通路39を介し冷媒ガスをクランク室31から逃がして低圧にする。
圧力付加手段9は、コントロールバルブ47と、調整流路17に形成したオリフィス19と、上記のコントローラとを有している。斜板5の傾斜角とポンプ機構7の吐出量を減少させる際は、コントロールバルブ47により冷媒ガスを高圧側の冷媒吐出室43から端面11に当てて駆動軸3を左方に押圧し、さらに、冷媒ガスを軸方向流路13と径方向流路15を通してクランク室31側に送り込み、クランク室31を高圧にしながら、オリフィス19を通る冷媒ガスによって駆動軸3を左方に押圧する。
このように端面11とオリフィス19とで受ける左向きの押圧力によって駆動軸3が軸方向に支持されるので、上記皿バネ69の左向きの付勢力と相俟って、高圧のクランク室31から駆動軸3に右向きの力が掛かっても駆動軸3が軸方向に安定する。
斜板式圧縮機1は次のような効果が得られる。
斜板5の傾斜角を減少させる際に、クランク室31側の圧力に対向して圧力付加手段9が駆動軸3の端面11を押圧し支持するから、駆動軸3が軸方向に安定しガタ音の発生が防止される。
従って、皿バネ69のバネ常数を大きくする必要がなくなると共に、バネ常数を大きくすることに伴うスラストベアリング67の荷重増加と耐久性低下も防止される。
また、吐出量を減少させるときに圧力付加手段9が過渡的に駆動軸3を押圧するだけなので、スラストベアリング67に掛かる負荷は僅かであり、耐久性の低下が防止される。
また、ポンプ機構7の吐出圧を駆動軸の支持に利用する圧力付加手段9は、熱負荷の変動に応じて押圧力を自由に制御することができるから、極めて効果的に駆動軸3を安定させ、ガタ音を防止できる。
また、ポンプ機構7の吐出圧を利用するから、駆動軸3を支持するための部材を追加する必要がなく、それだけ低コストに実施できる。
また、調整流路17に形成したオリフィス19が冷媒ガスの圧力を受けることによって圧力付加手段9の押圧力を増大させたから、駆動軸3の安定機能と、ガタ音発生の防止効果がさらに増大する。
<第2実施形態>
図3と図4とによって斜板式圧縮機101(圧縮機)の説明をする。図3は斜板式圧縮機101の断面図であり、左右の方向は図3での左右の方向である。なお、以下の説明において、斜板式圧縮機1(第1実施形態)と同一の機能部及び機能部材には同一の符号を付しており、重複する説明文は省略するが、必要に応じて第1実施形態の説明文を参照するものとする。
図3と図4とによって斜板式圧縮機101(圧縮機)の説明をする。図3は斜板式圧縮機101の断面図であり、左右の方向は図3での左右の方向である。なお、以下の説明において、斜板式圧縮機1(第1実施形態)と同一の機能部及び機能部材には同一の符号を付しており、重複する説明文は省略するが、必要に応じて第1実施形態の説明文を参照するものとする。
斜板式圧縮機101は、クランク室31内に挿通された駆動軸3と、クランク室31内で駆動軸3と一体に回転し駆動軸3に対する傾斜角を変えることが可能な斜板5と、斜板5の回転によって駆動されると共に、傾斜角を変えると吐出量が調整される複数のポンプ機構7とを有している。
また、本実施形態の斜板式圧縮機1は、ポンプ機構7の吐出圧をクランク室31内に導入してクランク室31内の圧力を上昇させてポンプ機構7のピストン35の背圧を上昇させ、ポンプ機構7のシリンダ37内圧との差圧により斜板5の傾斜角を小さくしてポンプ機構7からの吐出量が減少するように構成されている。
そして、本実施形態の斜板式圧縮機1は、ポンプ機構7からの吐出量を減少させる際に、ピストン35の背圧が作用する方向と反対方向に駆動軸3を押圧して軸方向に安定させる圧力付加手段103を設けた。
また、圧力付加手段103の前記押圧力は、駆動軸3の端面11(端部)を押圧する。
また、駆動軸3の端部にプランジャ105を装着し、圧力付加手段103から受ける押圧力を増大させた。
また、プランジャ105は、駆動軸3を軸方向及び径方向に支持する軸受として機能する。
また、駆動軸3の端面11に開口する軸方向流路13と、軸方向流路13と連通する径方向流路15とからなり、吐出量を減少させる際にポンプ機構7からの吐出圧を通す調整流路17を設け、径方向流路15の断面積(径)を軸方向流路13の断面積(径)より小径に(狭く)してオリフィス19(圧力集中部)を形成し、前記吐出圧をオリフィス19で受けることにより、圧力付加手段103の押圧力を増大させた。
斜板式圧縮機101では、駆動軸3の右端部に、レース107と上記のプランジャ105とコイルばね109とが装着され、プランジャ105は駆動軸3を径方向に支持する軸受を兼ねており、コイルばね109とプランジャ105とレース107は、シリンダブロック23との間で、駆動軸3に掛かる右方へのスラスト力を受けることによって駆動軸3を軸方向に支持する軸受を兼ねている。また、コイルばね109は駆動軸3を軸方向に安定させるために駆動軸3を左方に押し返している。
圧力付加手段103は、コントロールバルブ47と、調整流路17に形成したオリフィス19と、コントローラとを有しており、斜板5の傾斜角とポンプ機構7の吐出量を減少させる際は、コントロールバルブ47により冷媒ガスを高圧側の冷媒吐出室43から端面11とプランジャ105の端面に当てて駆動軸3を左方に押圧し、さらに、オリフィス19で駆動軸3を左方に押圧しながら軸方向流路13と径方向流路15を通して冷媒ガスをクランク室31側に移動させ、クランク室31を高圧にする。
このように端面11とプランジャ105とオリフィス19とで受ける左向きの押圧力によって駆動軸3が軸方向に支持されるので、コイルばね109の左向きの付勢力と相俟って、高圧のクランク室31から駆動軸3に右向きの力が掛かっても駆動軸3が軸方向に安定する。
斜板式圧縮機101は次のような効果が得られる。
斜板5の傾斜角を減少させる際に、クランク室31側の圧力に対向して圧力付加手段103が駆動軸3の端面11とプランジャ105を押圧し支持するから、駆動軸3が軸方向に安定しガタ音の発生が防止される。
従って、駆動軸3を軸方向に抑えるコイルばね109のバネ常数を大きくする必要がなくなると共に、バネ常数を大きくしないから軸受を兼ねるプランジャ105の荷重増加と耐久性低下も防止される。
また、吐出量を減少させるときに圧力付加手段103が過渡的に駆動軸3を押圧するだけなので、プランジャ105に掛かる負荷は僅かであり、耐久性の低下が防止される。
また、ポンプ機構7の吐出圧を駆動軸の支持に利用する圧力付加手段103は、熱負荷の変動に応じて押圧力を自由に制御することができるから、極めて効果的に駆動軸3を安定させ、ガタ音を防止できる。
また、ポンプ機構7の吐出圧を利用するから、駆動軸3を支持するための部材を追加する必要がなく、それだけ低コストに実施できる。
また、プランジャ105によって圧力付加手段103の押圧力を増大させたので、駆動軸3の安定機能と、ガタ音発生の防止効果がさらに増大する。
また、プランジャ105が、駆動軸3を軸方向及び径方向に支持する軸受を兼ねるから、例えば、第1実施形態でのラジアルベアリング51とスラストベアリング67が不要になり、それだけコストが低減されている。
また、調整流路17に形成したオリフィス19が冷媒ガスの圧力を受けることによって圧力付加手段103の押圧力を増大させたから、駆動軸3の安定機能と、ガタ音発生の防止効果が増大する。
また、皿バネと較べてストロークが長いコイルばね109は、駆動軸3を長いストローク(範囲)で軸方向に支持し、安定させることができる。
1 斜板式圧縮機(圧縮機)
3 駆動軸
5 斜板
7 ポンプ機構
9 圧力付加手段
11 端面
13 軸方向流路
15 径方向流路
17 調整流路
19 オリフィス(圧力集中部)
31 クランク室
35 ピストン
37 シリンダ
101 斜板式圧縮機(圧縮機)
103 圧力付加手段
105 プランジャ
3 駆動軸
5 斜板
7 ポンプ機構
9 圧力付加手段
11 端面
13 軸方向流路
15 径方向流路
17 調整流路
19 オリフィス(圧力集中部)
31 クランク室
35 ピストン
37 シリンダ
101 斜板式圧縮機(圧縮機)
103 圧力付加手段
105 プランジャ
Claims (5)
- クランク室(31)内に挿通された駆動軸(3)と、前記クランク室(31)内で前記駆動軸(3)と一体に回転し前記駆動軸(3)に対する傾斜角を変えることが可能な斜板(5)と、前記斜板(5)の回転によって駆動されると共に、前記傾斜角を変えると吐出量が調整される複数のポンプ機構(7)とを有し、前記ポンプ機構(7)の吐出圧を前記クランク室(31)内に導入して前記クランク室(31)内の圧力を上昇させて前記ポンプ機構(7)のピストン(35)の背圧を上昇させ前記ポンプ機構(7)のシリンダ(37)内圧との差圧により前記斜板(5)の傾斜角を小さくして前記ポンプ機構(7)からの吐出量が減少するように構成された圧縮機(1)、(101)であって、
前記ポンプ機構(7)からの吐出量を減少させる際に、前記ピストン(35)の背圧が作用する方向と反対方向に前記駆動軸(3)を押圧して軸方向に安定させる圧力付加手段(9)、(103)を設けたことを特徴とする圧縮機(1)、(101)。 - 請求項1に記載された発明であって、
前記圧力付加手段(9),(103)の押圧力が、前記駆動軸(3)の端部(11)を押圧することを特徴とする圧縮機(1),(101)。 - 請求項2に記載された発明であって、
前記駆動軸(3)の前記端部(11)にプランジャ(105)を装着し、前記圧力付加手段(9),(103)から受ける押圧力を増大させたことを特徴とする圧縮機(1),(101)。 - 請求項3に記載された発明であって、
前記プランジャ(105)が、前記駆動軸(3)を軸方向及び径方向に支持する軸受として機能することを特徴とする圧縮機(1),(101)。 - 請求項1〜請求項4のいずれかに記載された発明であって、
前記駆動軸(3)の前記端部(11)に開口する軸方向流路(13)と、前記軸方向流路(13)と連通する径方向流路(15)とからなり、吐出量を減少させる際に前記ポンプ機構(7)からの吐出圧を通す調整流路(17)を設け、
前記径方向流路(15)の断面積を前記軸方向流路(13)の断面積より狭くして圧力集中部(19)を形成し、前記吐出圧を前記圧力集中部(19)で受けることにより、前記圧力付加手段(9),(103)から受ける押圧力を増大させたことを特徴とする圧縮機(1),(101)。
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ID=40438223
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007200898A Pending JP2009036082A (ja) | 2007-08-01 | 2007-08-01 | 圧縮機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009036082A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016014343A (ja) * | 2014-07-01 | 2016-01-28 | 株式会社豊田自動織機 | 容量可変型斜板式圧縮機 |
-
2007
- 2007-08-01 JP JP2007200898A patent/JP2009036082A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016014343A (ja) * | 2014-07-01 | 2016-01-28 | 株式会社豊田自動織機 | 容量可変型斜板式圧縮機 |
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